家に戻って来て金獅子を見られてしまった俺はほとぼりが冷めるまで金獅子になるのを控えた。
クリスもまだ帰ってこないし、ここらでカズマから貰ったサキュバス喫茶店のクーポンを使うか…。
2日後
少々トラブルがあったが、俺はスッキリした様な顔をしてブラックナイトを装備し、マリューと共にギルドにやって来た。そこに、カズマ達が掲示板を眺めて揉めていた。
「おっ?カズマ、クエストボードとにらめっこしてどーした?」
「ん?リュウジじゃないか、それとそのパンダはなんだ!?」
「パンダではありません、マリューです!」
マリューはノシノシとカズマに近付き、訂正させる。アクアは興味津々にモフモフしながらカズマに言い放った。
「クマが喋ったわ!?カズマさん!この子〇ーさんよ!」
「〇ーさんは黄色いだろ!あんまり名前連呼すんな!」
「このクマは一撃熊の変異種のシロクロクマですね、リュウジ、良く手なずけて言葉を覚えさせましたね!?」
めぐみんはマリューを撫でながら俺に言い放ち、ダクネスは興奮し始めた。
「一撃熊の変異種だとっ!?なら私に重い一撃を!!」
ダクネスはホントにブレないな…、まぁ夢でお世話になったから今回はスルーして置くか。
俺達は1度テーブルに座り、マリューは改めてカズマ達に自己紹介を始めた。
「初めまして、私はマリューと申します、クラスは狂戦士です」
「狂戦士!?」
カズマ達は興味津々にマリューに質問する。
「マリューって呼べば良いんだよな?」
「はい、よろしくお願いします」
「マリューさんは、男ですか?女ですか?」
「一応、女の子です」
「うむ、確かにどこか女の子らしさがあるな、しかし、リュウジとはどうやって出会ったのだ?」
やべっ、誤魔化す事忘れてた!
マリューはハキハキと質問に応えた。
「私はリュウジ様の『カースド・ダークネス』の呪いに掛かり言葉を話せるようになりました、なので解呪してしまうとまたモンスターになってしまうので解呪はやめてくださいね?」
「こんな所で暴れられちゃ溜まったもんじゃないわね、分かったわ!」
アクアが馬鹿で良かった、ホントに良かった
「それで?クエストボードで何か探してたのか?」
「ああ、雪精って言う奴の討伐をしに行こうかと思ってな?」
「雪精?、めぐみん、雪精って何?」
俺は雪精の事をめぐみんに尋ねた。
「雪精とは、雪深い所に潜んでるモンスターで、1匹倒すと半日春が近付くと言われているモンスターです、とても弱いですが1匹10万エリスですよ?」
なるほど、イメージ的にはまっくろく〇すけの様な物なのかな?
「なら皆で雪精討伐すっか?多い方が効率いいだろ?」
「そうだな、たまには一緒にクエストやるのも悪くないな!」
「では、そうと決まれば行きましょう!」
「「「「おー!」」」」
【討伐クエスト 雪精の討伐】
───────────────────────
リュウジチームとカズマチームは雪山にたどり着き、雪精を討伐していた。
アクアはビンに雪精を閉じ込めている……何してんだ?
「カズマカズマ」
「カズマだよ」
「アクアのやつは何をしてんだ?」
「あー、冷蔵庫代わりに雪精で酒を冷やそうとしてんだよ」
「カズマフリーズ使えるよな?要らなくねぇ!?」
「言ったんだけど聞かねぇんだよ……風流がどーとか……」
「ふーん、カズマ、見てて!」
「ん?なんだ?」
俺はニヤニヤしながら雪精に近付いた。俺は急にバンと雪精を両手で潰した。
「とったー!カズマーー!」
「ちょお!それトト〇のワンシーンじゃねぇか!」
「ねぇ、リュウジってトト〇が好きなの?怒られるわよ!?」
「うん、好きだよ?特に好きなのは紅の〇」
「リュウジ?それ出てる作品違うわよ!?」
アクアとリュウジがやり取りしている脇では、めぐみんは杖をブンブン振り回し、カズマに言い放った。
「カズマカズマ、この際手っ取り早く爆裂魔法を」
「ダメに決まってんだろ!雪崩が起きたらどうすんだ!」
ホントに賑やかだなぁ……このチームは
一心不乱に雪精を倒してると雪原が荒れ始め、吹雪が起き始めた。
「なっなんだ!?」
「急に吹雪いて来たぞ!?」
「リュウジ様!お気を付けて下さい!なにか来ます!」
「ワクワク……」
「おい、ダクネス、来てからずっと大人しいと思ったけど、お前なんか知ってるだろ!?」
「そっそれはだな……」
「ダクネス、リュウジとカズマには私から説明するわ、いい?リュウジ、カズマ、何故冒険者達が雪精を討伐しないか教えて上げるわ……」
「「はぁ!?ここに来て後出し!?」」
俺とカズマはアクアの言葉に唖然とする。
「リュウジとカズマもテレビや天気予報で聞いた事あるんじゃない?冬の風物詩でもあり、この雪精達を束ねる長……冬将軍を!」
「この野郎!そう言うの先に言えよ!」
「クソが!どうもダクネスがおかしいとおもったんだよ!」
冬将軍は荒れ狂う吹雪の中から現れ、戦国武将の様な格好で現れた。アクアは俺に言い放った。
「うぉい!明らかに強そうなのが出て来たぞ!?」
「カズマは下がってろ、俺がやる!」
「リュウジ!カズマ!冬将軍は高額賞金首よ!!」
「へぇ……コイツがねぇ、オラかかって来いよ」
コイツを倒せば億単位の賞金が貰えるって訳か、剣道三倍段ってのが実在するか試してみるか
「………………」
冬将軍は刀を八双の構えをしてリュウジに迎え撃とうしていた。対するリュウジはファイティングポーズを構えてジリジリと距離を縮めて行った。
「…………グオォ!」
「おぉぉぉぉ!!」
ガキーーーーーン!
両者は猛スピードでぶつかり合い、リュウジの両腕をクロスにして冬将軍の刀を受け止めた。
「コイツ……つえぇ……!!」
「グオォ!!」
「オラァ!!」
ガキンガキンと拳と刀がぶつかり合い、火花が舞散った。後ろにいるアクア達をチラッと見ると、かまくらを作って中から観戦していた。
「お茶が入りましたよ?カズマさん」
「ありがとうアクア……ズズ……うんお湯だね」
「あら私ったら……クスクス〜」
「アクア、ワザと指を突っ込んでお茶を浄化しないで下さい」
「ああっ/////冬将軍の重い一撃……くっ/////」
ダクネスはともかくあの3人は何してんの!?お茶飲みながら観戦してやがる!!相撲観戦してる年寄りか!?
「グオオオオオ!」
「やべっ……しまった!」
ガキン! と左腕でガードした。そして右手の拳を強く握り締めて殴りかかった。
「ゴッド……ブロォォォ!!」
俺のゴッドブローが甲冑に当たり、冬将軍はたたらを踏んだ。めぐみんは杖も持って応援に駆けつけた。
「リュウジ!後は任せて下さい!黒より黒く……」
「バカ野郎!かまくらに戻ってろ!!エクスプロージョンじゃ奴は倒せねぇ!!」
「バカにしないで欲しいですね!レベルが上がった私のエクスプロージョンの威力を!!いきます!『エクスプロージョン!』」
チュドーーーーーン!!
冬将軍にエクスプロージョンが直撃した。俺とマリューは爆風で少し離されてしまった。
「さぁカズマ!今日の爆裂魔法は何点ですか!?」
「うん、85点くらいかな?リュウジも吹き飛んだし?」
「カッカッカズマさん……ふふふ冬将軍様が……」
アクアはガタガタしながらクレーターの方に指を指した。すると少し溶けたくらいの感じで上がって来た冬将軍が現れた。
「ちょっと!めぐみんが危ないわよ!」
「なっ!めぐみーーーん!!」
「ちぃ!間に合うか!?」
俺は立ちが上がり、めぐみん抱き抱えたカズマに切りかかろうとしていた。だが、冬将軍の太刀をめぐみん達を庇うように俺が受けた。
「ぐぁぁぁぁ!!」
「リッ……リュウジ!?」
「リュウジ、助けてくれたのか!?」
「早く…逃げろ!ぐあっ…こいつ…アダマンチウムで強化したブラックナイトの装甲を斬りやがった…」
背中を大きく斬られた俺は血をボタボタ垂らしながら再び構え、アクアに叫んだ。
「アクア!ダクネス!、めぐみんとカズマ連れてクエストリタイヤしろ!早く!」
「けどリュウジ!お前怪我してるじゃねぇか!」
「傷はそんな深くねぇ、俺はマリューと帰れるから大丈夫だ!早く逃げろ!」
「分かった……アクア、ダクネス行くぞ!」
カズマチームはめぐみんを連れ戻し、クエストをリタイヤした。
カズマ達を見送った。見送った直後、俺は冬将軍と再び向かい合った。
「はぁ……はぁ……これで心置き無く戦える!」
「リュウジ様!?無事ですか!?」
「ああ、まだ行けるから大丈夫だ……はぁ……はぁ……」
久しぶりだな……この斬られる感触懐かしいな、なんか楽しくなって来た。
すると冬将軍は心眼の構えをしだした。
なら、俺も冬将軍に敬意を評してやるよ
ガチャガチャン!
俺は鎧を脱ぎ始めた。マリューは驚き俺に尋ねた
「リュウジ様!?何をなさってるのですか!?」
「あ?鎧が無くても戦えんだよ、気持ちはアイアンフィストさ、さぁ冬将軍さんよぉ……続きをやろうぜ?」
※MARVELドラマのアイアンフィストをイメージして下さい。
上半身裸でズボンになった俺は中国拳法の様な構えをして冬将軍に威嚇をした。
「さぁ……来い!!」
「グオオオオオ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
冬将軍は刀を振り下ろしたが俺は胸を掠めて交わし、そのまま右手に魔力を込めた渾身のゴッドブローを冬将軍の顔面に当てた。
「うおりゃぁぁぁぁぁ!」
バキン!と音を立てて、冬将軍の兜を破壊した。すると冬将軍の頭にヒビが入り、亀裂が走っていった。めぐみんのエクスプロージョンが効いていたのだろう。
「………………」
「はぁ……はぁ……はぁ……まだやんのか?もう、俺は」
すると冬将軍は刀を納め、無言のまま俺に刀を渡して来た。
「なんだ?くれるのか?」
コクリ……と冬将軍は頷いた。
どうやら冬将軍は俺を強者と認めた様だ。
「有難く頂いてくよ、あんたも強かったぜ?」
「………………」
冬将軍は頭を深く下げて行き、雪の中に消えていった。俺が冒険者カードを確認すると、10だったレベルが50になっており、冬将軍の討伐が確認された。
「勝った……俺……勝てた……」
「おめでとうございます!さっ、乗って下さい!山を降りますよ!」
すると……俺は突然体の力が抜け、ドサッと倒れた
「リュウジ様!?早く山を降りましょう!早く!」
「魔力……さっきのゴッドブローで……使い切った」
「そんな!!このままではリュウジ様が!」
俺はそのまま意識を失った。
──────────────────────────
「リュウジさん!リュウジさん!起きて下さい!」
「ん……ん?」
俺が目を覚ますと、転生された時と似たような場所に横たわっていた。
「ここは…」
「起きましたか?リュウジさん?」
「お前……ネメシス!?」
俺の目の前には、エリスや創造神に会わせてくれた掟の女神、ネメシスが立っていた。
「しばらくぶりですね、元気にしてましたか?」
「ここにいるって事は……俺は死んだのか!?」
「いえ、マリューさんが今懸命に運んでいます、死んではいません、意識はありませんが」
「そうか、お前今までどこに居たんだよ、エリスに聞いたら居ないって言ってたぞ?」
「あっ、あの時は統一神界に行ってたんですよ」
統一神界!?統一神界って何!?
「えっ!?どこなのそれ!?」
「えっとですね?我々女神や神の住む世界です、エリスも今統一神界にいますよ?今頃書類整理に追われているんじゃないですか?」
「そう言えばそんな事言ってたな」
ジリリリ
話している最中にネメシスの机の黒電話が鳴り始めた。ネメシスは受話器をとった。
天界には電話があるんだ
「はい、ネメシスです……あらリスタルテ、どうしたの?」
「リスタルテ?知らない名前だな……」
「うんうん、え?ダメよ!今”昔の担当だった勇者”と話してるから」
「なんか盛り上がってんな」
ネメシスは黒電話の受話器のコードを指でクリクリしながら話し出す。これは長電話になりそうだ……。
ーー3時間後ーー
「あなたの担当の勇者は今何してるの?……えぇ?担当の勇者が統一神界でトレーニングしているって?今何日目なの?……3日?凄いわねぇ!イケメンなの?…そうなの!?えっこっち?…イケメンよ!え?何!?見たいの!?それは今度ね!」
コイツら何自慢しあってんだよ、そのリスタルテってやつに呪い掛けたい
「リスタルテ、今対応中だからまた今度ね?エリスに叱られちゃうわ?うん、うん、んじゃまたね?」
チン
ネメシスはようやく電話を終わらせた。
「長ぇよ!何呑気に放置して長電話してんだよ!乙女か!?」
「すいません、同期なのでつい、あっ、リスタルテってのは治療の女神をしている女神なんです、回復魔法ならアクア先輩より上ですよ?」
「へぇ〜、そうなんだ」
「ちなみに私は公安職なので芸達者の魔法が得意ですよ?自慢じゃありませんがこの魔法ならアクア先輩に負けませんよ!」
「芸達者!?どんな魔法なんだ?」
「例えば、声真似とか得意ですよ?スカッドの時もこの魔法を使って変装してたんですよ」
「マジで!?」
どおりでクオリティが高かった訳だ……。
「どうしますか?ここで観てましたけどヒーロー活動などしてますよね?声を変えればバレないんじゃないですか?」
「確かに……、バレないかも」
「んじゃ、久しぶりに会えた事を祝して教えますね?『セイクリッド・ヴァーサタイル・エンターテイナー』!!」
ネメシスは俺に新しい魔法を教えてくれた。
「おお…?」
「為にしに誰かのマネして見て下さい」
「んじゃ〜……コホン、「私がアイアンマンだ!」うおっ、すげぇ!本人並の声だ!!」
「えっへん!」
ネメシス鼻息を荒らげる。
「スキルポイントもサービスしますね?300ポイントで習得出来るので、この事はエリスには内緒ですよ?」
ネメシスの指パッチンをして光に包まれリュウジはスキルポイントを貰った、その貰ったスキルポイントで『セイクリッド・ヴァーサタイル・エンターテイナー』を習得した。
「ポイントが貧しかったから助かったよ、ありがとな?」
「いえいえ、エリスとは仲良くやってますか?」
「まっまぁ…なんとかやってるよ」
俺は気まずそうに答える。
まさか一緒に寝たりとかしてるとかなんて口が裂けても言えない…。
「ふ〜ん、コレも内緒ですけど、エリスったらサトウカズマさんの話ばかりするんですよ?リスタルテとそれで盛り上がったりしてるんですよ?」
はぁ?なんかイラッとするんですけど
そんな話をしていると、声が聞こえて来た。
《リュウジ!リュウジ!起きてよ!リュウジ!》
「あっ、どうやらアクア先輩が手当してくれたようですね、短い間でしたが会えてよかったです!」
「ああ、俺も会えて良かったよ、ハグでもしとくか?」
「いい!?良いですよ!!もうっ!からかわないで下さい!あっ!いけない!忘れるところだった!渡す物があったんですよ!」
ネメシスは顔を真っ赤にして俺から離れ、机から雑誌と指輪を寄越して来た。
「ん?何これ?」
「この雑誌は監獄の看守さんから預かって来ました、この指輪は前の世界でも使ってたジャミング機能がある指輪ですよ?」
「あーはいはい!この指輪ね!使っていいのか?」
「はい、今後役に立つと思うので、使って下さい、その雑誌は……恥ずかしいので捨てて下さいね?」
ネメシスは恥ずかしそうに雑誌を俺に渡した。受け取った途端直ぐに思い出した。
「あっ!!これ、監獄でアザゼルから奪い取った雑誌じゃねぇか!」
捨てといてくれよ看守のやつ……『週刊女神ViVi』、こんなの読んでるって知られたらクリスになんて言われるか……
「まぁエリスに見つからないように捨てるよ、そろそろ帰るな?」
「はい、あっ、あとネタバレなんですけど、もう少ししたらリュウジさんに新しい仲間なるお方が増えますよ?」
「そうなのか?」
「はい、正式に仲間になるのはまだ先になりそうですがね?」
「ふーん、楽しみにしてるよ、またな?」
「はい!お元気で!」
光に包まれて俺は意識を取り戻した。霞んだ目が元に戻ると……そこは俺の部屋だった。
あれ?どうやって帰って来たんだ?……あっ、そうか、マリューが運んでくれたのか
目の前にはカズマチームがいた。
「あれ?カズマ…?」
「気が付いたか?、あの後ギルドに戻ろうと思ったんだけどよ、心配になって山に戻って来たんだ、そしたらマリューさんが必死で運んでた所に出会したんだ」
「そうか、マリューは?」
「マリューさんは手当を受けて休んでます」
めぐみんは目を輝かせてリュウジに言い放った。
「けどリュウジは凄いですね、冬将軍を倒すなんて」
「え?なんで知ってんの?」
「何を言っているんだ、この剣は冬将軍の剣だろ?」
ダクネスの手には冬将軍から貰った刀があった。ダクネスが拾ってくれたのか……。
「ありがとな」
「気にするな、今はゆっくり休むといい」
「ああ、そうするよ」
「いい?リュウジ、傷は治したけど、しばらくは安静にしてるのよ?」
「ああ、分かった」
「んじゃ、俺達はギルドに報告に行くから帰るぞ?またな?リュウジ」
「おう、お疲れ様」
カズマ達は部屋を後にし、俺はそのまま目を瞑った。
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冬将軍討伐報酬……2億エリス
アルダープへの慰謝料…1億エリス