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それから俺はせっせとアルバイトをして毎日毎日カンカンとハンマーを奮っていた。弟子入りしたのは良いがスキルポイントが極致的に足りなくて鍛冶スキルを覚えられず、ほぼ独学で技術をマスターした。元々武器作りとか前からやりたかったから為かあっという間に親方にも褒められるようになった。
「お疲れリュウジ、免許皆伝だな!この出来なら恥ずかしくねぇぜ!しかしスキルを覚えずに良く覚えたな!?」
「ホントですか!?親方!!」
《良かったですね!リュウジ様!!》
「この鎧がお前さんの相棒か?」
「はい!そっす!」
俺が作った鎧の材料は、使い古されたフルプレートメイル一式を幾つかバラし、大改造して何枚も装甲を厚くして配色をシルバーにした。ガントレットの部分は余計厚くさせて拳を痛めない様にした。イメージはMARVELのアイアンマンMark1、2をベースにした。見た目はDCコミックのアーマードバットマンの様な鎧が完成した。親方曰く「これ誰も着れねぇよ!」だそうだが俺のチート能力は【完全武装】どんな鎧でも着れるのだよ。ガチャガチャ装備するとほぼ鎧ではなくパワードスーツの様な感じがするが元はフルプレートメイルだ、丸パクリではない!
「まさか……こんな鋼の戦士見たいなのが着れるなんてな…気に入った! この鎧に名前付けようぜ?」
「え!?親方でも、本来は武器のみですよね?」
「いいんだよ!愛弟子が作った作品だぜ?名前付けなきゃエリス様のバチが当たるってもんだ! さっこの紙に名前書いて貼り付けな!」
今はその聞きたくねぇなその名前!
俺は名付け紙を受け取り、名前を書いて鎧に貼り付けた。その名も【ブラックナイト】と名ずけた。
厨二心丸出しだが、アイアンマンの様な名前が付けたくて仕方なかったのが本音です。
「ブラックナイトか、いい名前じゃねぇか!」
「有難うございます!親方!」
「今後もウチから鎧買えよ!そしてまた出来たら見せてくれや!」
「はい!親方!」
《良い人ですね……》
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バイト先の店を後にした俺は中級魔法を覚える為に再び冒険者ギルドにやって来た。仕事上ティンダーとクリエイト・ウォーターを取得したが…攻撃には全然使えない為現在はギルドでチラシを書き募集を貼った。
『スキル、中級魔法をクエスト内で教えて下さい。クエストの報酬は無償で結構です!! By 鋼のリュウジ』
《あの、リュウジ様?こんなので来るわけないじゃないですか!》
《そうかな?》
《そんな重装甲の鎧を纏ったら誰も怖がって来ませんよ!見てくださいよ!、女の子達がビビってるじゃないですか!》
ビビってると言うより……なんだろう変人を見るような目をして見られている。
するとそこに銀色の髪をして軽装備、頬に刀傷のある女の子が俺に話しかけて来た。
「ねぇねぇ、キミ、スキルを覚えたいの?」
「あっはい、そうですけど……えっと、貴方は?」
「あたしはクリス!見ての通り盗賊なんだけど、盗賊スキルなんてどう?」
「盗賊スキル?」
「盗賊スキルってのは、罠発見、罠解除、宝感知、敵感知、スティールってのがオススメだよ!」
唐揚げをモグモグしながら俺は説明を聞いていた。
会ったことあるような雰囲気がある女の子だなぁ。
「今ならシュワシュワ一杯でスキルを教えてあげるよ?」
「モグモグ……」
どっかで見たような……なーんか嫌な雰囲気を出してくるな……
「ねぇ?どーかな?」
「モグモグ……モグモグ……」
この感じ……まさか……ここは試してみるか……
「おーい、あたしにもちょーだいね……モグモグ」
「おい……こんな所で何してんだ?……エリス?」
ブッーーーーーーー!
クリスもといエリスはリュウジの顔面に唐揚げの食いカスをぶちまける。
食いカスぶちまけてくんじゃねぇよ!クソ女神!!
クリスと名乗った女の子は必死に否定し始めた。
何を今更……バレバレだっての
「なっなっ何を言ってるのさ!あたしはクリス!ク・リ・ス!」
「そっちこそ甘く見見んじゃねぇぞ?魔王の力が無くても洞察力と経験値は魔王クラスだからな?天界の仕事しないで盗賊ごっこか?」
「しーっ! ちょっと待って!こっち来て!」
俺はクリスもといエリス様にトイレの個室にぶち込まれた。
鎧が壁に当たってガタガタうるさい。
「いだだ!なんでトイレなんだよ!離せ!!」
「そんな大きな声を出さないでよ!」
「いった! うるせぇ!ここから出せコラ!」
「ちょっと!暴れないでよ!」
「ンガッ!?」
自分からエリスと認めたクリスは慌てて俺の口を片手で押さえ込んだ。
「分かりましたから!大きな声を出さないで下さい!」
「ぷはっ!ざっけんなゴラァ!てめぇ良くも幸運値マイナスにしやがったな!?なんだ!?初期スキルポイント5って!?何覚えろってんだよ!」
「キッキミが因縁吹っかけて来るからでしょ!?何さ!こんな鎧着込んで恥ずかしくないの!?元魔王のクセに!!」
「魔王の力が無くなったからだろぉがぁ!それにチートのおかげでこの鎧着てんだよ!文句あんのかゴラァ!!」
「ちょっと!うるさい!狭いんだから大人しくしてよ!」
「てめぇこそうるせぇんだよ!この白髪!」
「まっ!また白髪って言ったな!?この鉄くず!!」
「鉄くずだと!?上等じゃねぇか!表出ろ!ケリつけてやんよ!」
「レベル1のキミがあたしに勝てる訳ないでしょ!?バカなの!?」
「なんだと!?」
「なにさぁ!」
トイレ内で額をぶつけ合い睨み合う女神と元魔王。
てかなんでここにエリスがいんだよ!、あーアレか?俺を監視しに来たのか?はいはい、どーせ魔王ですからね俺は、監視されて当然ですよねー?。けど……確かに悔しいが今の俺ではコイツに勝てる気がしない……
「ちっ……」
「あっ!また舌打ちしたよね!?」
「してねぇよ、何してんだよこんな所で?」
「ちょっと野暮用で地上に降りてきたの!この事はキミしか気付いてなないから秘密だからね!?」
「へぇ〜野暮用ねぇ、暇人なのか?」
「暇人!?ホントに口が悪いねキミは!スキル教えてあげないよ!?」
「要らねぇよ!てめぇの助けだけは要らねぇよ!とっとと失せろ!」
「ちょっと!マフラー引っ張らないで!」
ガチャ!
突然ドアが開く音がした。どうやらトイレに誰かが入って来たようだ。咄嗟にリュウジは口を塞いで気配を殺そうとしていた。女神と魔王が2人で何やってんだろうか?
クリスは余裕の顔をして俺の方見てニヤニヤしてやがる……なんだ?何故そんなに余裕なんだ!?
《リュウジ様?もしかして彼女はスキルを使ってるのでは?》
《そうか!盗賊のスキルかっ!くそっ!汚ぇ……》
《リュウジ様、ここは堪えてスキルを教わった方が……》
《断る!コイツに助けて貰うくらいなら死んだ方がマシだ!》
《悠長な事言ってる場合ですか!?女の子をトイレに連れ込んだ変態扱いにされますよ!?》
《舐めんじゃねぇよ!他にも方法はいくらでもある……ニヤリ》
悪どい顔をした俺を見たクリスは冷や汗をかいている。
どうやら俺が何かを企んでいる事を悟った様だ。
リュウジは大きく息を吸って大声で叫んだ。
「うわぁぁぁぁやめてぇぇ!俺に触らないで!クリス!往来のトイレで俺に何をしようとしてるんだ!やっやめろぉぉぉぉ!」
「!!!!!」
ガハハハハハハハハ!どうだ!
クリスは顔を真っ赤にして俺のブラックナイトの腹をゴンゴンと殴り始めた。ドアの向こうからはびっくりした様な声が聞こえて来た。
「なっなんだ!?クリスってあの盗賊の子か!?こんな真昼間から男をトイレに引き込んで何してんだ!?」
「おっおい、ルナさんを呼んできた方が良くないか!?」
「そっそうだな!行くぞ!」
クククク……俺を舐めるとこうなるんだよ!ボケェ!
クリスはわなわなと震えてリュウジに掴みかかって来た。
「この……バカァァァァ!!」
「ひゃーっはははは!ざまぁねぇな!俺にはもう失う物がねぇんだよ!せいぜい変態盗賊と呼ばれてくれ!あばよ!」
ガチャガチャ!
トイレのドアを開けて俺は脱出しようとしたその時、クリスは俺にスキルを発動した。
「逃がさないんだから!『バインド』!!」
クリスの両手からワイヤーが飛び出して来て俺を拘束した。
「なんじゃこりゃ!?」
「これが拘束スキル『バインド』だよ、さっきのは気配を消せるスキル『潜伏』だよ、さぁキミを懲らしめないとね……」
クリスは手をボキボキ鳴らしながら俺に近付くと……ドアを開けてルナさんと冒険者達がやって来た。
良し!この機を逃すな!!
「ルナさぁぁぁん!助けてぇぇぇ!!」
「あっ!コイツ!!」
「クリスさん!?トイレにリュウジさんを引き込んで何してるんですか!?」
「えぇ!?違うんです!誤解なんです!!」
「クリスも大胆な事するんだな……」
「ああ…こんな頑丈そうな鎧を着た男をバインドで拘束してる……」
「クリスさん……」
「違うんです!誤解なんですってばぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁん!犯されるぅ!!」
「クリスさん、リュウジさんを解いてコチラに来てください」
「え!?あたし悪くなんか」
「どー見てもコッチが被害者だろ!」
「そんなぁ!!」
俺はその後男の冒険者に解放され、クリスは連れていかれて泣きわめきながら無実を主張していたが聞く耳を持たれなかった。
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クリスが連れて行かれたのを見届けた俺はクエストボードを眺めていた。
スキルを教えてくれる人を待つ間、割に合うクエストを探していた。
「クエスト……なんか無いかな……?」
他の冒険者は哀れみの目で俺をチラチラ見ていた。
《あの、リュウジ様?さっきの騒ぎでなんか周りの視線が気になるんですが……》
《ほっとけ、俺は被害者だ》
《ある意味エリス様が被害者だと思うのですが?》
《なんだ!?お前も奴の肩を持つのか!?》
《ここの世界ではリュウジ様は雑魚扱いなんですよ!?下手すりゃゴブリンにだって殺されますよ!?嫌ですよ!?異世界の魔王が下級のモンスターに殺されるだなんて!!異世界を支配してた魔竜と魔王の名折れですよ!》
《仕方ねぇだろ!あの野郎……バインドなんかやりやがって……》
《あの、もしかしてスキルを教えてくださったのでは?》
《まさかぁ……》
俺は魔竜の言葉を疑いながら渋々冒険者カードを確認した。
《……あっホントだ》
現在の俺は冒険者カードを操作しててバイトで使ったティンダー、クリエイトウォーターを習得して2ポイント消費してる、今残りのポイントは3……。
どうしろっての!?覚えらんねぇじゃん!
《意地張ってないで教えて貰えば良いじゃないですか!》
《ポイントがもうねぇんだよ!何も覚えれねぇんだよ!》
絶望的な位置にいる俺はこんな事ではめげたりしない!伊達に魔王をやってた訳じゃないんだからな!
「仕方ない……クエストでもやろうかな?」
《リュウジ様はまだレベル1ですからね、ダンジョン探索なんてどうですか?いきなり大型モンスターは無茶だと思いますが?》
《そうだな、そこまで俺も馬鹿じゃないからな……》
俺は近くの洞窟のダンジョンクエストを受注して出発して行った。
ーーーーーリュウジが出発して数分後ーーーーー
クリス視点
「クリスさん?2度とトイレに連れ込んじゃ行けませんからね?」
「はい……すいませんでした……」
こってりと絞られて来てトボトボ歩きながらクリスはクエストボードを眺めていた。
「あれ?ダンジョン探索のクエストが受注されてる……?」
クリスがクエストのチラシを掴んで読んでいるとギルド職員がクリスに声をかけて来た。
「あっ、そのクエストなら先程鎧を着た男の方が受注して行きましたよ?」
「えぇ!?」
あのバカ!自分の幸運値とスキルポイント無いの分かってて受注してんの!?
ギルド職員は淡々と説明し始めた。
「レベル1ですが、初心者向けのダンジョンなので大丈夫かと思いますが……念の為にクリスさんも参加なされますか?」
「ええ……わかりました!受けます!」
「はい、ではよろしくお願いいたします!」
【探索クエスト 洞窟ダンジョンを探索しろ!】