※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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40 銀獅子盗賊団 vs Adventures

3人は最悪のカオスな状況に見舞わまれてしまった。現在は身内同士であるミツルギ達と睨み合いの真っ最中である。

 

最悪だ、ミツルギ達が来る前に終わらせたかったが、こんなにも早く来るとは思って無かったな、それよりなんでこんな所にメリッサがいるんだ!?

 

クリスはガタガタ震えながら俺のマフラーをグイグイ引っ張り出した。

 

「どどどどどどどうしよう助手くん、身内だよ!しかもメリッサさんまで居るよ!?」

「お頭、落ち着い下さい!」

「奴は魔剣のミツルギという男ではないか!?」

 

俺も上擦った声で囁く。ジリジリと近付いてくる騎士団と護衛の女性2人が勝ち誇った顔をしてこちらを見ていた。城内に他にも貴族が居たらしく、この捕物劇を楽しげに見物していた。すると、ミツルギは護衛の女性に指示を出し始めた。

 

「クレアさん、レインさん、あの仮面の男2人、そしてあの得体の知れない人物はかなりの使い手と聞きました。この場に鋼のリュウジがいないのが悔やまれますが、ボクがあの得体の知れない人物を取り押さえます。騎士団は背の低い方の仮面の少年を、クレアさんとレインさんは丸腰の男をお願いします!」

 

すいませ〜ん、鋼のリュウジはここにますぅ。

 

クリスはしゃがみこんで何やら落ち込んみ始め、呟いた。

 

「ねぇ金獅子くん、助手くん、さっきからあたし男扱いなんだけど、そんなに男っぽいかな?」

「お頭、大体の原因はお頭のスレンダーボディでしょうね、お頭?しょげてないでしっかりして下さい!こっからが正念場ですよ!」

 

どんだけ落ち込んでんだよ、仕方ないなぁ……

俺はクリスの耳元で囁いた。

 

「鋼のリュウジは…スレンダーが好みと言っていたぞ?」

「ホッホント!?」

「うっうむ、だから気にする事はない……」

 

俺は優しくクリスの頭を撫でてやった。それにより立ち直って再びミツルギチームに顔を向けた。カズマはすぐさま作戦を立てた。

 

「お頭、金獅子さん、こういった時はAdventuresと護衛の女2人を無力化させてビビらせるんです。荒ぶるこの俺が……」

「まて、ここは……我に任せろ」

「金獅子くん?」

 

俺はクリスとカズマの前に立ち、構えた。

身内同士喧嘩させる訳には行かない、使いたくは無かったが……アレを使ってここを乗り切ろう……。

 

「2人共、煙幕を合図に一気に走れ、あの5人は我が相手をする、その隙に先に行け!」

「お頭、そうしましょう!、ここで暴れたら後が怖いので」

「そっそうだね……」

「よし……『ティンダー』」

 

俺は持ってる煙玉全てに火を付け、ミツルギチームに投げ付けた。

 

ボォン!と音を立てて、辺り一面煙に覆われた。

 

「今だ!行け!『ライトオブリフレクション』!」

「この先の部屋で待ってるぞ!金獅子さん!」

「無茶しちゃダメがらね、金獅子くん!」

 

クリスとカズマは煙に紛れてミツルギチームをかわし、切り抜けた。

 

「ゲホゲホ……ミツルギ殿!どこですか!?」

「クレア!?ミツルギ殿!?」

「ミツルギく〜ん!?ゲホゲホ」

「キョウヤ!?返事しなさいよ!ゲホゲホ!」

「みんな!ボクはここ──」

「『カースド・ダークネス』!『カースド・ダークネス』!『カースド・ダークネス』!」

 

俺は瞬時にライトオブリフレクションを唱え、煙に隠れながら”ミツルギや騎士団達”にカースド・ダークネスを放った。今回の呪いの内容は……【目に入った女の子の体をまさぐりたくなる】呪いにした。

 

俺だって身内を殴りたくない、苦肉の策で申し訳ないがミツルギにはこの魔法を使わせてもらうぞ……。

 

煙幕が晴れる前に俺はミツルギチームの防衛線を突破し、カズマ達の元へ向かった。突破した直後、ミツルギ達は騒ぎ出した。

 

「ゲホゲホ……おのれっ!いつの間にか突破してたのか!?」

「ミツルギくん!追わなきゃ!」

「キョウヤ!行くわよ!」

「ミツルギ殿!追いましょう!」

「うっうん……そうしたいんだけど……かっ体が……」

「わっ我々も体が言う事を聞きません!?」

 

ミツルギや騎士団達の体が急にカタカタ動き出した。ゆんゆんはミツルギの目の前に立ち、肩を揺さぶった。

 

「ミツルギくん!どうしたの!?」

「ゆんゆん……」

 

ミツルギはガバッとゆんゆんに抱き着き、身体中をまさぐり始めた。ゆんゆんはとてつもない悲鳴を上げ、慌ててメリッサが止めに入った。

 

「キャァァァァァ!」

「キョウヤ!?あなたを何して、ちょ、どこ触ってるのよ!」

「すまない!2人共!体が勝手に!」

 

ミツルギはゆんゆんとメリッサの尻を思い切り撫で回していた。レイン、クレアと呼ばれていた女性も助けに入った。

 

「ミツルギ殿!?こんな時に何をなさってるんですか!?」

「レインさん!クレアさん!後ろ!気を付けて下さい!」

「えっ」

「何!?」

 

レインが後ろを振り向くと騎士団長達が襲いかかって来ていた。

 

「レイン様!もっ申し訳ございません!体が勝手に!」

「クレア様!すいません!」

「あっあなた達!?止めなさい!やっちょっと!そこは!」

「レイン様!すいません!」

「すいません!」

 

数人の騎士団と騎士団長がレインとクレアを囲んで身体中をまさぐり始めた。それを目の当たりにした貴族達が騒ぎ出し、それにより戦闘所では無くなり、俺はなんなく防衛線を突破した。そして、無事にカズマ達と合流する事が出来て、遠くからクリスとカズマが見ており、2人共顔を引き攣らせていた。

 

「すまない、手こずってしまった」

「金獅子さん、あんた一体何をしたんですか!?」

「今のを見ていて金獅子くんも助手くんも敵に回したくないって理解したよ……」

 

3人は再び走り始めた。どうやらこの先にアイリス王女がいる様だ。

 

「お頭、金獅子さん、この先がアイリス王女の部屋だ。ワイヤートラップとまきびしをお願いします」

「了解だよ、助手くん。魔力がそろそろキツイから1回だけね?」

「我のまきびしもこれで打ち止めだ」

 

アイリス王女の部屋へ続く廊下に出た俺達は、様々なトラップを張り巡らせた。俺のカースド・ダークネスのおかげでまだ追っては来ていない様だ。俺達3人はようやくアイリス王女の部屋の前に立ち、俺はドアを開けた……。

 

「良くここまで辿り着いたな侵入者め、民を守り、国を守り、そして王族を守るのが懐刀と呼ばれるダスティネス一族の使命!この私が居るからには!───」

 

バァン!と俺は慌てて勢いよくドアを閉めた。

 

しまった、やらかした!そう言えば俺とクリス以外この城に呼ばれていたんだよな!?ミツルギ達が居てもおかしくねぇや!!

 

「おいっ!閉めるな!貴様らは、一体何の目的の為にここへ!?」

 

ダクネスがドアを蹴破って、俺達を見て動きを止めた。

 

バレてない、少なからず俺はバレてない!クリスはちょっとガタガタ震えながら俺のマフラー掴んでるけど多分クリスもバレていない!と思う!

 

「おっおい!我のマフラーを引っ張るな!早く目的を果たせ!いくらこの女騎士が強そうだからと怖気付くなでない!国を守るのが使命だろ!」

「そそそそうだね!金獅子くん!これはこの国の為にやってる事であって、人には言えないけど致し方ない行いだからね!」

「そうですよ!お頭!この国の奴らは王女様が危険な物を持っている事すら気付かない連中ですからね!いや〜我々3人が来なかったら危ない所でしたよ!」

 

ダクネスが顔を思いっきり引き攣らせてるんですけど!?完全にあんたらバレてるんじゃないの!?くそぉ!、この2人にも声を変えさせておくべきだった!

 

「助手くん、金獅子くん、部屋中に突入するよ!後で目一杯謝ろう!」

「そうですね!事情を話せば許してくれますよ!」

「我には関係ない、絶対謝らんぞ!?」

「おっおい、おお前ら2人共…そっちにいるのはききき金獅子!?」

「ダクネス、どうしたのですか?戦闘中の私語は厳禁と散々リュウジに言われたじゃないですか」

 

ダクネスが立ち塞がってるので見えないが、部屋の中にはめぐみんも居るらしい。

 

「ダクネス、どいて下さい!賊の1人や3人、この私が捕まえてあげますよ!リュウジ程ではありませんが、喧嘩には自信があります!ですか……ら……?」

 

と、部屋に突入来てきた俺達を見て、杖をブンブンフルスイングしていためぐみんも動きを止め、杖をカラーンと落とした。

 

あちゃ〜遂にバレたか……?

 

俺は心配そうにクリスを見つめると、めぐみんが呟いた。

 

「カッ……カッコイイ……」

「えっ?」

 

あれ〜?なんでかなぁ?なんでバレないかな!?

 

カズマの顔を真っ直ぐ見ていためぐみんは、頬を赤くしていた。

 

「ダクネス!どうしましょう!?この盗賊達はセンスがよく分かってます!こんなカッコイイ仮面を付けて黒装束ですよ!お名前は!?盗賊団の名前は決まってるのですか!?それに、あの人はカズマを助けてくれた巷で噂の金獅子もいるじゃないですか!!友達なのですか!?仲間なのですか!?」

 

俺に指を指しながらめっちゃグイグイカズマに迫ってんじゃん……。おかげでバレてはいないようだな。

 

目をキラキラさせてるめぐみんに揺すられてダクネスが我に返った。

 

「おっおのれ賊めー、その、ここから先は通さんぞぉー!」

 

めちゃくちゃ棒読みなんだけど!?大丈夫!?何その腑抜けた構えは!?まぁ、俺はバレないし大丈夫だけど……。カズマの汗尋常じゃないんだけど?仕方ない、拘束して大人しくしてて貰うか。

 

「おい、コイツらをバインドで動きを封じろ!」

「そっそうすね!金獅子さん!『バインド』!」

 

ホッ、これでなんとか力及ばず拘束されてしまったと言い訳が着くだろう。

 

「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

「何っ!?」

 

ダクネスを拘束していたロープがスルリと床に落ちた。

部屋に響いた見覚えのある魔法、これが使えるのは俺と……。

 

「残念だったわね!この水の女神である私がここにいたのが運の尽きよ!一体何しに来たのか知らないけど、あんた達を捕らえれば、きっと高いお酒を貰えると思うの!、見ての通り私がいる間はどんなスキルも無効かさせるわ!さぁ!観念なさい!」

 

酒の瓶を大事そうに抱きながらアクアが現れた。

 

クソッタレ!こんな時にめちゃくちゃめんどくさい奴まで出て来やがった!あー!どうしよう!道具は全部使い切ったし、煙玉も無い!1回で良いから空気読んでくんないかなぁ〜?

 

「さぁ!ダクネス!今よ!めぐみんがあんなダサい仮面にメロメロになっちゃってるから、あなただけが頼りなのよ!」

 

煽ってくるアクア、半べそのダクネス、後ろからは新手と思われる足音が近付いて来る。

 

「おい、どうするのだ!?」

「クソっ!あのバカのせいで、お頭!これ以上無理だ!奥の部屋にアイリスがいる!このまま駆け抜け様にスティールで!奪うぞ!」

「でも助手くんのスティールは……」

 

そうですよ、この子のスティールはパンツ剥ぎ取り専用なんですよ、王女様のパンツスティールして見ろよ、メンバー全員仲良く揃って打首だよ!後ろからはギャーギャーやかましいしよ〜!もうすぐ魔法が切れて声戻っちまうからモタモタしてられねぇ!

 

俺が1人で頭を悩ませ葛藤していると、ダクネスが声を裏返させながらブンブンと剣を振り回しながら叫び出した。

 

「わっ、我が渾身の一撃で貴様らなどほほ葬り去ってくれるぅ!」

「ええぃ!邪魔だ!どけぃ!女騎士!」

「ひゃう!?」

 

俺は咄嗟にクロスチョップを繰り出してダクネスを弾き飛ばし、俺達3人は最終目的地であるアイリス王女の部屋になだれ込んだ。部屋の奥から青い瞳で金髪を靡かせ、剣を片手に小さい女の子が現れた。

 

あの子がこの国のお姫様であるアイリス王女なのだろうか?

 

「おい、王女と言うのは……」

「ああ、あの子がアイリス王女様だ!」

「侵入者よ!この私と、代々勇者の血を受けいれし王族の1人です、簡単に事が運ぶと…………」

 

戦闘態勢だったアイリス王女はカズマを見ると途端に声が小さくなって目を真ん丸くして驚いていた。

 

「隙を見せたぞ!!2人共、今だ!やれ!」

「『『スティール』』!!」

 

カズマとクリスが身に付けてる物から何かを奪った。

 

上手く行ってる事を願おう。遂に後ろからは解呪されたミツルギ達が追い付いて来た。

 

「はぁはぁ、アイリス様!ご無事ですか!?」

「アイリス王女様!」

 

カズマとクリスの手には何かが手にされているのが確認出来た、だが、確認している暇はもうない!

 

「金獅子くん、助手くん、このままテラスに出るよ!幸いこの下にはプールがあるから!このままそこに飛び込んで!」

「分かった!」

「貴様らがお目当ての品が手に入れた事を祈る!行くぞ!」

 

テラスに向かって走り出すと、俺達の背中に向けてアクアが手をかざした。

 

「今までの流れでそれが狙いだと思ってたわ!それがなんなのか知らないけど、あんた達にそのまま持って行かれてたまるもんですか!封ー印!」

「「うおおおおおっ!」」

 

ガシャーン!

 

俺達3人は、窓を突き破って真っ暗なプールに目掛けて落ちていった。

 

バッシャーン!と水しぶきを上げながら落ちていった。運良くカズマとクリスは深い部分に着水したが、俺は運悪く浅めの部分に落ちて右肩を思い切り強打した。

 

(いったぁぁぁぁ! しまった!目に水が!!しかも魔法も切れた!って事は声も目の色も元に戻ってる!仕方ない!ここはもうこの2人とは別れて逃げよう!!)

 

俺は慌てて暗闇のプールサイドに上がって、右肩を抑えながら闇夜の街へ退散した。

 

「お頭!逃げるぞ!」

「待って助手くん!金獅子くんが!」

「金獅子さんならもう逃げました、俺達も行きましょう!」

「うっうん……」

 

クリスは心配そうに俺が走り去った形跡を見てその場を立ち去った。

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