クリスと協力関係を築いた俺は次の日、約束通り冒険者ギルドにブラックナイトを装備して待ち合わせをしていた。
「おはよーリュウジ」
《おはうございます、クリス様》
「はよークリス、早速行きますか?カエル狩りに」
「グレムリンとはひと味違うから気をつけなよ〜?」
「ふんっ、異世界の魔王を舐めるなよ!」
【討伐クエスト 3日以内にジャイアント・トードを5匹討伐、報酬 10万エリス】
鼻息を荒らげてクエストを受注した俺はこの世界の洗礼受ける羽目になった。
「ふぎゃぁぁぁぁぁ!思ってたの違うんだけどぉぉぉ!?」
「あはははは!ちょっとリュウジー!?逃げてたら終わらないよー!?」
ジャイアント・トードを2匹倒したクリスは顔を赤らめながら大笑いをしてジャイアント・トードに追われる異世界の元魔王を見ていた。マリューはリュウジに激を飛ばしていた。
《リュウジ様!異世界の魔王ともあろうお方がたかたがカエル如きから逃げてどうするんですか!?クリス様に笑われてますよ!?》
《カエルは平気なんだよ!デカさの問題なんだよ!アマガエルくらいなら平気なんだよ!》
《なら……身体の構造も一緒なのでは?クリス様はこのモンスターに打撃は効きにくいと仰ってましたが?》
そうか!なら……頭蓋骨もあるよな!?狙うならそこだ!!
俺は急ブレーキをかけて振り向き、ジャイアント・トードに向かって行った。リュウジは高くジャンプしてジャイアント・トードの頭に目掛けてかかと落としを繰り出した。
「おんどりゃぁぁぁぁぁ!」
ドゴン!と音を立てた途端、ジャイアント・トードは頭を陥没させながらベタっと倒れ込んだ。
これで1匹!あと2匹!
ヒーローっぽい着地をしてカッコつけたらクリスの方を見た。
「おー!凄いじゃんリュウジ!流石は魔王だね、対応が早いよ!」
「クリスもやるじゃねぇか、流石はベテラン盗賊だな」
「 ベテランはやめて!?おばさん見たいに聞こえるから!……けどさっきのリュウジの声……あーーははははは!」
ゲタゲタ大笑いをする幸福の女神。
天界の時とはえらいギャップなんだが?どこがどうなってこのような性格になるのだろうか……。あっ……クリスの後ろからもう1匹ゆっくり近付いて来てるな……知らんぷりしとこっと
「ふぎゃぁぁぁぁぁ!だってふぎゃぁぁぁぁぁ!あはははは……は?」
バクッ!
クリスは後ろからジャイアント・トードに食われて両足を口からはみ出していた。ジャイアント・トードの口がモゴモゴ動かすと、クリスの上半身が飛び出して来た。
「いやぁぁぁぁぁぁ!生臭いぃぃぃ!ごめん!リュウジ助けて!」
「えぇ!?何だって?聞こえなーい」
「ごめんなさい!笑いすぎた!もう笑わないから助けてよ!?」
「仕方ねぇなぁ……なんで敵感知を使わないんだよ……こんな奴弱点が分かれば」
ポヨン……
油断していると俺の背中にジャイアント・トードの腹が当たった。
「あっ!やばっ!」
バクッ!
俺もジャイアント・トードに食われたがジャイアント・トードは固いものを吐き出したかのように俺は吹っ飛ばされた。
「この……ヌルヌルネバネバで生臭いカエルの臭い……この野郎ぉぉぉ!くたばれぇぇぇ!!」
───────────────────────
その後、クリスを救出して討伐クエストを達成した。クリスはネバネバの体液まみれになりながら横たわっていた。
なんというか……ヌルヌルの体液で服がピタピタになってるからエロく見えてしまうな……。
体液まみれの2人はドチャ!ビチャ!と言いながら歩いていた。クリスはしくしくと泣き始める。
「うぇぇぇん……ヌルヌルだよぉ〜生臭いよぉ〜」
「そう……だな……生臭いな……」
「パンツまでヌルヌルだよぉ……」
「あのさ〜お前は女神だろ?パンツがヌルヌルとか言ったらダメだろ!?どう返したら良いか分からないんだけど!?」
「あっごめん……一旦宿に戻るんでしょ?」
「戻るけど……?着替えたいしね……」
「手伝ってあげたんだからお風呂貸してよぉ〜」
「あぁ……はい……」
魔竜は心配そうに2人に尋ねた。
《お二人共大丈夫ですか?》
「クリス、マリューが大丈夫か?だってよ」
「大丈夫じゃない!」
《大丈夫じゃない!ってよ》
《ですよね、申し訳ございません……》
このまま宿に行ったら絶対店の人嫌な顔をするだろうなぁ……
「クリス、着替えとかあるのか?」
「えぇ……?ないよー、洗濯しなきゃないよぉ」
「マジかよ……仕方ねぇなぁ、もう一部屋借りてやるから、そっちで着替えな?」
「グス……良いの?」
「まぁ5万エリスもあればしばらくは暮らせるから大丈夫」
「ありがと……」
───────────────────────
2人は宿に向かうと、案の定嫌な顔をされてしまった。
すいません、この女神が油断してたのが原因なんです、すいません……
そして2人は個別の部屋に入って行き、風呂に入り始めた。
「ふぅー、やっと落ちたな、このローション見てぇの……」
《なかなか落ちにくいですね……》
「さて、そろそろ上がって一休みするか」
全裸の状態で風呂場から出ていくと、毛布を体に覆いかぶせているクリスが椅子に座っていた。
「うぉ!?おまっ、何してんだよ!?」
「わぁ!!タオルくらい巻いて来なよ!」
「お前もノックくらいしてから来いよ!!」
慌てた俺はドアの影に隠れてドアから顔を覗かせた。
「ノックしたんだけど聞こえなかった?」
「聞こえなかった…したなら良いんだけど……。お前、もしかして裸なのか?」
「うっうん……」
クリスは顔を赤くして頷いた。
どんな心境で部屋に入ってきてんだよ、お互い全裸なのによ……。異性として見られてないって感じか……まぁそりゃ協力関係だからな、そんなもんか
「目のやり場に困るんだけど?」
「あはは、とりあえず今後の事を話したら部屋に戻るよ、それで?これからどうするの?」
「とりあえずこのバカタレ共の事だ」
俺はバスタオルを下半身に巻いてトランクを漁り、貰った資料を取り出した。
「クリスはこの2人とこの世界で面識はあるのか?」
「顔は見かけてるけど、まだ話しかけてないね……2人とも土木作業しながら馬小屋生活してるみたいだけど?」
「女神と人間2人で馬小屋って……それもどうかと思うけどな?」
「まぁ確かにね……リュウジはこれからどうするの?」
「そうだな……とりあえずクエストとバイトを掛け持って行くしかねぇよ、金もスキルポイントもカツカツだからな、装備もこのブラックナイトだけじゃ不安だし」
「そっか、まぁ、また困った事があったら聞いてよ、キミに借りを作って置くのも悪くないし?」
クリスはクスクスと笑って俺をからかい始めた。
なるほど、借りを作らせて何かをやらせようって魂胆か。
「借りねぇ、今回はクリスが借りが出来たんだから1つお願いを聞いてくれないか?」
「ん?なに?まさか……エッチな事じゃないよね!?」
「どうしたらその発想になるのか分からないんですけど!?そうじゃねぇよ、天界に戻ったら俺の監視をやめて欲しいだけ、見てたんだろ?ずっと?」
「まぁね、キミが魔王軍に寝返るんじゃないかって警戒もしてたから、けどその様子じゃ心配なさそうだね、分かった!”監視”はしないよ!」
「魔王の力がなくなってんだから寝返る訳ねぇだろ?バカか!?」
「またバカって言った! もうキミは”元魔王”だもんね?」
何もそこを強調して言わなくても良いんじゃないか!?
「今後は地に足をつけて鋼のリュウジと呼ばれるようにするよ」
「そうそう、500年服役してたんでしょ?この世界で悔い改めて人生やり直しなよ!」
「まさか人生やり直す事が出来ると思ってなかったからな、そこはクリスに感謝する……ありがと……」
「えっ……きっ急になにさ……照れるんだけど……」
クリスは恥ずかしそうにプイッとそっぽを向いた。
なんだ?、女神の癖にそういう耐性は持ってないのか?素直に感謝してんのにプイはねぇだろ!
「はいはい、話は終わり!さっさと部屋に戻ってくれよ……目のやり場に困るから」
「あはは!ごめんねぇスケベ大魔王!」
「うるっさい!早く戻れ!」
「はいはい戻るよ、んじゃ明日クルセイダーの友達紹介して上げるから今日の借りはチャラにしてね?」
「はいはい、分かった、お疲れクリス」
「お疲れ様リュウジ」
クリスは部屋に戻って行った。
その夜
リュウジは眠りについていたが、俺以前の世界の夢を見てうなされていた。かつて魔王の頃の記憶が蘇り、罪の無い人達や勇者を殺していた頃が夢に出て来ていた。
ヒャハハハハ!
いやぁぁぁぁぁぁ!
うわぁぁぁぁ!
「はぁっ!?……はっ……はっ……夢か……またかよ……」
飛び起きると汗だくになっていた。魔竜は心配そうに声を掛けてきた。
《リュウジ様……大丈夫ですか?かなりうなされていましたが?》
「だっ大丈夫……はぁ……はぁ……またあの頃を思い出しちまった……ここの所ずっとだ……人間に戻った途端コレかよ……」
《リュウジ様……なんと声をかけたら宜しいか……》
「気にしなくていい、元はと言えば俺が悪いんだからな……酒でも飲むか……」
俺は少しだけ酒の力を借りて眠りに付き、朝を迎えた。
────────────────────────
ジャイアント・トードの報酬を受け取った俺はクリスもといエリスの到着を待っていた。
あれだけやって10万エリスか……、割に合わねぇ……報酬の半分はクリスにやるか……。
「おーい!リュウジー!おまたせー」
「うぃーっす、報酬の分配だけど、5万エリスがクリス、もう半分の5万エリスが俺の分、それでいいか?」
「え!?良いの?」
「別に?五分五分の分け前だもん当たり前だろ?」
「ふーん、あっこの子が物理耐性、魔法耐性、状態異常耐性のスキルを持ってるクルセイダー、ダクネスっていうの」
クリスが報酬を受け取ると隣には金髪でポニーテール、頑丈なプレートメイルを装備した女性がいた。俺はペコッと頭を下げる。
見た目は女騎士と言える、めちゃくちゃ強そうだな…。
ダクネスと呼ばれた女騎士は自己紹介を始めた。
「初めまして。私の名はダクネス、クラスはクルセイダーだ、今後はダクネスと呼んでくれ」
「はじめまして、俺の名前はリュウジです、リュウジって呼んでください」
「では早速聞くがリュウジ、君は騎士になりたいのか?私のスキルは前衛で戦うのが主流なのだが?」
なんだ聞いてないのか、クソ女神話通しておけよ約立たず
クリスは忘れてたかのようにダクネスに説明を始めた。
「あーダクネス?、リュウジは拳が武器でクラスは冒険者なの、彼の武器はこの丈夫そうな鎧が武器なんだよ!」
ダクネスはまじまじと様々な方向から舐めまわすようにブラックナイトを見つめる。
なんだろ?なんか不備があったのかな?それとも変な鎧だったかな?
「何か変ですか?」
「いや……こんな重装備でよくジャイアント・トードを倒せたな?」
「あはは……どーも」
「あはは、あたしもいたからだよ!とにかくダクネスにはリュウジに物理耐性、魔法耐性、状態異常耐性を覚えさせて欲しいんだよ!」
「そっそうか!ぶっぶっ物理耐性が一番使うからな!なら今から草原にいって早速教えてやろう!」
ダクネスは少し頬を赤らめて奮い立たちながら俺の腕を掴む。
ちょまって、なんで興奮してんの?
「すいません、間違いかもしれないので大変言い難いんですけど…なんか興奮してませんか?」
「してないっ!さぁ早く行こう!今すぐに!さぁっ、早く!その自慢の拳を見せてくれ!ほら!行くぞ!」
「あっはい……」
「なんか心配だからあたしもついて行くね?」
「はぁそうですか……」
《リュウジ様……ダクネスと言うこのお方……》
《うん……なんか嫌な予感しかしないな……》
俺、クリス、ダクネスは草原に向かっていった。
リュウジが習得済みスキル
ティンダー、クリエイトウォーター、バインド、潜伏、敵感知、宝感知、鍛冶スキル 残りスキルポイント…10ポイント