※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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第2章最終回です!


54 鉄の意志と恐怖の象徴

ダニエルと接触した後、あれから各チーム解散し、家で10億が手に入った後の計画をマリューとペコリーヌで話し合いをしていた。

 

「あーいてて……ダニエルって奴、かなり強ぇな…」

「そうですね、あの人かなり硬かったです」

「リュウジ様良く1人であの様な魔王軍幹部候補を1人で戦いましたね?」

「まぁな、ちょっと話を変えるけど、10億入ったら前々から考えてた事があるんだ」

「なんですか?新居の事ですか?」

「おいしい食べ物の事ですか?」

 

欲望全力全開だなコイツら!

 

「ちげーよ!、なぁペコリーヌ?料理好きだよな?」

「はい☆好きですよ?それがなにか?」

「実は貧しい子供達や、孤児院にいる子供達の為のレストランとか、農場を作りたいんだ」

「わぁー!皆でご飯食べるのは最高ですからね!良いと思いますよ!」

「ならアルバイトも何人か雇わなきゃないですよね?」

「うん、俺は今後昼も夜も忙しくなるしな?」

 

そう言いつつ俺は新聞の中に入ってる広告のチラシに目を通し始める。するとその時、玄関のドアが開きクリスが帰って来た。

 

「ただいまぁ〜」

「おかえりなさい、クリス様」

「いや〜疲れた疲れ……あっ」

「おっおかえり、クリス」

 

クリスは俺を見付けた途端パタパタと走って来て、いきなり俺の胸ぐらを掴み、ガンと床に俺を押し倒し殴り始めた。

 

「この鉄クズ野郎!今までどこ行ってたのさぁ!」

「いだっ、いだい!」

「わぁー!クリスちゃん、落ち着いて!」

 

マリューはペコリーヌを止めに入る。

 

「まぁまぁ、ペコリーヌ様、ここはやらせてあげましょう?」

「えっ!?マリューさん!?」

 

クリスはガンガンと殴り続けるが、俺は何も言わずに殴られていた。クリスの顔からは涙が落ちて俺の顔にポタポタ落ちて来た。

 

色んな意味でめちゃくちゃ痛い…

 

「グスッ……心配したじゃん……」

「本当にごめんな、気が済むまで好きなだけ殴れよ」

「言ったな、このぉ!」

 

ガンガン殴られているとペコリーヌがマリューの静止を払い除け。たまらず止めに入る。

 

「クリスちゃん!もうやめてください!」

「あっあれ!?ネフェリアちゃん!?なんでここに!?」

「えーっと、色々ありまして、わたしAdventuresに入りました!」

「えっちょっとどういう事なのさ!リュウジ!、説明!」

 

その前に、鼻が痛いです

 

その後、エルフの森での出来事を天界から帰って来たエリス様に説明した。それによりクリスは納得した様子で殴るのを止めた。

 

「へーなるほどね〜、しょうがないなぁ…それなら許すよ」

「はい、さーせんした、お詫びにコレ…手に入れた」

 

俺はポケットからランダムでモンスターを召喚する神器を取り出した。

 

「えぇ!?コレ、何処で手に入れたのさ!?」

「金獅子が持って帰って来た、それでアイツはまた旅に出てったよ」

「ふーん、とにかく封印しなきゃね、ヒュドラのいた湖の底にでも封印しちゃおっか?」

「今から?」

「うん、罰としてキミにも付いてきて貰うよ?」

「はいはい、マリュー、ペコリーヌちょっと留守番しててね?」

「あっ、ならわたしも行きましょうか?」

「いや、今回は俺とクリスで行ってくるから……」

 

エリスの姿を他の人に見せる訳には行かないよねぇ?

 

ペコリーヌはふてくされた様に口をとんがらせてブーブー言い始めた。

 

「ブーブー!ずるいです!わたしも行きたいですよぉ!」

「まぁまぁ、ペコリーヌ様、ここは2人に任せましょうよ?」

「はぁーい」

 

───────────────────────

 

その後、ヒュドラと俺とクリス以外のAdventuresが激しい戦闘したとされる湖に辿り着いた俺とクリスは神器を封印する為に準備をしていた。

 

「そんで?どうやって封印すんの?」

「まず、この姿では封印出来ないから〜よっと!」

 

クリスは指パッチンをしてエリスの姿になり、神器を手に取った。

 

「この姿でないと封印できないんだよね」

「へぇ〜そうなんだ」

 

あっ、俺もバニルから教わった「アレ」、試して見ようかな?。

 

「ねぇねぇ、クリス。見てて見てて!」

「ん?なに?」

「初披露、『変身スキル』!」

 

俺はカッコつけながら指パッチンをしてバニルから教わった『変身能力』スキルを発動させた。ドロン!と音と煙を上げた途端、昔の姿、正義を司る魔王・アンドロマリウスの姿に変身した。エリスは口をポカーンと開けて驚いていた。

 

「なっ!?なに!?それ!?」

「凄いっしょ?力や能力は鋼のリュウジのままなんだけど、姿形は当時のまんまの姿に変えられる様になったんだ〜♪」

 

俺はマントをバサバサさせながらクルクル回る。

 

「変装してるって事だよね?更にキミ盗賊に向いてきたんじゃない?」

「おいおい、魔力を消耗してるから変身能力って言ってもそんな長く続かないんだよ?」

「へぇ〜、あんまり役には立たないね……」

 

まじまじグルグルと魔王の姿をした俺を一周しながら見るエリス。

 

「なんだよ、ただ見せただけだし、別に悪さはしないよ?」

「別に〜?けど怖かったんでしょ?この時の姿?」

「うん、まぁ…けどエルフの森の一件で自分を見つめ直し、克服出来たって言えば良いかな?」

「ふーん、なら良かったね!んじゃ、封印しちゃうね?」

「おう、お願いしまーす」

 

エリスはランダムでモンスターを召喚する神器に封印を施した。

 

「これで良し!んじゃ、これを思いっきり湖に投げてくれる?」

「え?潜って置いてくるんじゃないの?」

「え?それでも良いけど……行くの?」

「せっかく綺麗になった湖に来たんだし?一緒に泳がない?」

「んー……せっかく来たし、ちょっとだけ泳ごっか?」

 

あれ、何このトゥンクって感じ

 

「水着あるの?」

「スパッツあるし、すぐ乾かせば帰れるよ?」

「なるほどね、俺もノーパンで帰れば問題ねぇし、そうしよ」

 

俺とエリスは元の姿に戻り、湖に足を入れる。夏も近くなって来たおかげか、程よい水温だった。俺が腰まで浸かっていると、クリスも入って来た。クリスは両手で水をすくい上げてバシャバシャはしゃぎ始めた。

 

「うひゃ〜!気持ちいい〜♪」

 

なんか絵になる風景だなぁ

俺はプカプカ体を浮かびさせ、空を見上げながら答える。

 

「夏も近いしな?あ〜、久しぶりにゆっくりした感じがする……」

「そうだねぇ〜、あっそうそう、ネメシスから貰った指輪あるでしょ?アレ、返してくれる?」

「えー、コレ?なんで?」

 

俺は指輪を眺める

 

「なんでって、エルフの森での事はあの指輪がなければ早期解決出来たんだよ?それさえ無ければあたし直ぐ駆け付けたのに……」

 

お前が監視してると思うと気が気じゃないんだが?

 

「まだ監視してるだろ?俺の事?」

「えっ?してないよ?たまにしか」

「してんじゃねぇかよ!、尚更やだ!絶対返さねぇぞ!」

「お願い!また同じ事あったら……あたし……」

 

目をウルウルさせてクリスは祈りの構えをしながら俺を見つめる。

 

これが泣き落としか……ずるいわぁ

 

「うぅ……、俺のプライベートが……覗かれる」

「覗いてもないしこれからも覗かないから、ね?」

「わーったよ、ほら……」

 

渋々俺は指輪を外して、クリスに手渡した。

 

「はい、確かに受け取りました!んじゃ、ほら、行こっ♪」

「おっおう……」

 

クリスは俺の手を引いて水中に潜って透き通る水中を泳いで行った。クリスは微笑みながら俺を導き、薄暗い湖の底を指さしたクリスを見て、俺はランダムで召喚する神器を沈めた。

 

──────────────────────

 

湖から上がった俺達は服を乾かし、帰り支度をしている時にクリスが今後の事を話し出した。

 

「んじゃ、王都から全く顔を合わせてないカズマさん達に会わないとね、リュウジも付いて来てね?」

「えっ?俺も?」

「当たり前でしょ?あたしの相棒なんだし」

「なら、俺らの家に呼ぶか?」

「んー、実はアクセルの町外れに丁度いい喫茶店見付けたんだよね、そこに行かない?」

 

ほう、そんな所があるのか

 

「分かった、んじゃさっさと帰るか…『テレポート』!」

 

俺はクリス共にアクセルの街に戻ってカズマを呼んだ。その後、俺とクリス、カズマがいる喫茶店はこぢんまりとしており、隠れ家には打って付けだった。そこで俺が帰ってから起こったダクネスの結婚式の騒動や、ダニエル襲撃の件をクリスに話していた。

 

「とまぁ、そんな事がありました。時にカズマ、あれからダクネスは大丈夫だったのか?」

「いや〜あれからダクネスのヤツが、実家に引き篭もっちゃってさ。また、単独侵入を計画しているんだよ」

「メタルギ〇かっ!?」

「見付からない自信あるんで」

 

クリスを他所に俺とカズマが盛り上がっているとクリスがため息を吐く。

 

「全くキミ達は…相変わらずの鬼と悪魔だよね。あんまりダクネスをいじめないでよ?、あの子は強そうに見えても実は繊細なんだからね?」

「うぃーす、わかってまーす」

「はいはい、分かってるよ。ていうか、クリスこそ今まで何してたんだ?」

 

天界に行ってたなんて口が裂けても言えないよねぇ?どうすんだろ?

 

クリスは困った様な感じで頬の傷跡をポリポリ掻く。

 

「いやー、ちょっと忙しくてさ。一時は戻って来たんだけど、急に呼び出し受けちゃってね。色々後始末してさっき戻って来たってワケ」

「呼び出しって一体誰に呼ばれてんの?盗賊ギルド的な何かか?。それに、リュウジもたまに居なくなるけど、2人して何かしてんの?」

 

うわっ、俺にも飛び火した!

俺とクリスは誤魔化し始めた。

 

「いっいや?別に何もしてねぇぞ?忙しいだけだって」

「うーん、まぁその、人が死ぬとね?」

「!?」

 

人が死ぬとかって何その言い訳!?

 

「………えっ?もしかして2人して葬儀屋のバイトやってんの?」

「何が悲しくて葬儀屋のバイトしなきゃないんだよ!」

 

俺はクリスの代わりに答えると、また深々とため息を付きながらランダムでモンスターを召喚する神器を回収したとカズマに報告した。

 

「これでようやくめでたしめでたしって訳だな、ようやく落ち着けるわ」

「うん、とにかく、ダクネスを助けてくれてありがとうね、助手君」

「良いって事ですよ、お頭、残りの神器を金獅子さんにも伝えないと」

「それは大丈夫、俺が伝えとくから」

「そっか!」

 

そう言って俺達3人は笑い合った。

 

「残りはあと、聖鎧アイギスだけだね…ねぇリュウジ、助手君」

「少しは休ませろ」

「先に言っとくと忙しいですよ」

 

2人に先手を打たれたクリスは、頬をプウッと膨らませてじろりとカズマを睨みながら俺の足を踏む。

 

地味に痛んで……やっやめてください!。

 

「それでね?君たちにバイト料を──」

「お頭、俺は金に困ってないから」

「俺も、金はいらねぇとにかく休ませろ」

「もう、2人ともしょうがないなぁ…またその内手伝わせるからね?」

「かったるぅ〜」

「何か言った?」

 

クリスは思い切り俺の頬を引っ張り始めた。

 

「いひゃいひゃい!わひゃった!ひっはらないへ!」

「全く、困った相棒だよ、ほら!帰るよ?」

「へいへい……」

 

そう言いながらもクリスは楽しそうな笑みを浮かべながら椅子から立ち上がると、2人のやり取りを見てたカズマが違和感のある顔をして、突拍子もなく言い放った。

 

帰る瞬間それは起こった。

 

「そういえばエリス様。神器って何処に隠したんですか?」

「あぁ〜、アレですか?アレなら先程、ヒュドラが眠っていた湖の底に、封印を施しリュウジさんと共に隠しに……」

「あっバカ!何口走って─」

 

遅かった!!

 

「えっ…?、エリス様、リュウジと一緒だったんですか?」

「おいっ!遂にバレたぞ!?あれほど気を付けろって言っただろ!俺も異世界の魔王だってバレたらどうする!!」

「あっバカ!」

「あっ……」

「えっ?魔王?」

 

やっちゃった!墓穴掘っちゃった!

 

カズマの簡単なカマかけに引っかかった幸福の司る女神、自ら墓穴を掘った正義を司る魔王は再びテーブルに座って何事も無かったの様にコーヒーを飲み始めた。

 

「いや、チャラにならないから。何しれっとコーヒー飲んでんすか?魔王さんにエリス様?」

「エリス様じゃないよ!クリス様だよ!」

「魔王さんじゃないよ、リュウジさんだよ!」

「いや今もう無理だろ、何やってんすか?説明して下さいよエリス様」

 

テーブルに俺は頭を埋める。

 

「あぁぁぁ!バレちゃったじゃんか〜、どうすんだよ!このバカ!」

「自分こそ墓穴を掘ってんじゃん!バカ魔王!」

「うるせぇ!魔王って言うなし!」

「2人とも、何を誤魔化しても無駄なんで説明して下さい。」

 

俺は兜を外し、頭をボリボリかいて申し訳無さそうにカズマの質問に答えた。

 

「はぁ……バレちゃしょうがねぇか」

「ふふふ、流石ですねサトウカズマさん、それでこそ助手君と言えるでしょうかね?」

 

俺とクリスは即席で小芝居を始め、火曜サスペンス劇場さながら犯行がバレた犯人のように話し始める。

 

「今まで黙っててごめんな?俺は日本から転生された日本人じゃないんだ」

「えっ!?そうなの!?」

「ああ、ややこしい話になるけど、別の異世界からこの世界にやって来たんだ。前の世界では『正義を司る魔王』と呼ばれていたんだ」

「なるほど……通りで強い訳だ、けどよ?見た目が魔王っぽくないのはなんでなんだ?」

 

カズマは腕組みをしながら首を傾げる。

 

「そこからはカズマが予想してるコイツが教えてくれるよ」

 

俺は隣をチョンチョンと指さした。

 

「そう、あなたの予想通りです。ある時はAdventuresの1人で、またある時は義賊のお頭。またある時はダクネスの友人の1人!そしてその正体は!」

「長ぇよ、さっさと話せよ!」

「あいたっ!」

 

思わず俺はツッコミを入れてるとカズマは真顔で見つめてくる。

 

「意外と温度差激しいんですね、エリス様と魔王さん」

「カズマさんの方は結構冷静ですね?」

「理解が追い付いてねぇだけだと思うぞ?コレ見たら信じると思うけどな?『変身』!」

 

俺はバニルの『変身スキル』でアンドロマリウスに変身した。それを目の当たりにしたカズマはコーヒーをぶちまける。

 

「ぶはっ!?それがリュウジの正体なのか!?」

「あぁ、凄いだろ?けど安心してくれ、邪悪な力とか無いから」

「あったらお前1人で魔王倒しに行けよ、ねぇ?エリス様?」

「あはは……。バレてしまっては仕方ありません。ここで我々の全てを話しましょう」

 

エリスと俺は今までの経緯を全てカズマに話す為に座り直す。

 

──────時系列整理中──────

 

「という訳なんだわ……」

「出会った途端ケンカって2人して何してんすか?」

 

カズマの言葉に俺達は過剰に反応する。それを見てカズマは呆れて真顔で答える。

 

「「だってコイツが!!」」

 

「まぁリュウジが司法取引で他の異世界からやって来たってのは理解出来ました、それより…初対面の時にエリス様の下着奪ってすいません」

「…………」

「あー!、あの時ね!アレは笑ったわ〜!」

 

爆笑している俺を他所にエリスは何か言いたげな複雑な表情を浮かべ、無言で口元をむにむにさせていた。

 

「それと、宿に忍び込んで来たエリス様を捕まえて、何度も体をまさぐってすいませ──」

「もういいですから!その事はもういいですから!」

 

頬をほんのり赤くしたエリスは、バンバンとテーブルを叩き遮った。

 

その件に関してはムカッとするな……。

 

「まず、魔王さん、その姿解いて貰っていいすか?日光が反射して眩しいっす」

「あっわりわり!」

 

俺は変身スキルを解いて鋼のリュウジの姿に戻った。

 

やはりこっちの方が落ち着くなぁ。

 

「私やリュウジがこの姿の時は魔王やエリス様は止めてくださいカズマさん。……いえ、助手君。言葉遣いもよそよそしい敬語より、今まで通りの雑な感じで行きましょう?。今まで通りに私の事はクリス、魔王の事は、鋼のリュウジとして扱って下さい」

「そうそう、軽い感じでさ?」

「まぁ2人がそう言うなら構わないけど。クリスはなんで盗賊なんかやってんの?あと、どっちの口調と性格が素なの?」

 

おーおー怒涛の質問ラッシュ

 

「まっ待って下さい!、1度にそんなに聞かれましても……」

「まぁ店員は奥に引っ込んだから今のうちに話しちまえよ」

「うっうん……」

 

クリスは念の為に辺りを見廻すと、コホンと咳払をし顔を引き締めた。

 

「1つ目。盗賊をしてる理由は神器の回収の効率を上げる為だよ、集める理由は前に説明した通りだから省くね?」

「なるほどね、しかし、毎日食っちゃ寝してる女神と違って、他所から来た魔王さんとエリス様は真面目に働いてるんだなぁ…ってか1つ目?、他にも理由があんの?」

 

カズマが尋ねると、クリスは真剣な表情を少し崩した。

 

これは俺も知らないな、なんだろ?

 

「仲間が欲しいって願ったお嬢様と、友達になる事かな?」

「あっ、ダクネスの事?それは俺も知らなかったな」

「魔王さんも知らなかったのか…それに、なんていうか、エリス様ってホントに女神ですね」

 

その言葉で俺とエリスは同時にカズマに言い放った。

 

「エリス様はやめてってば!」

「魔王さんはやめろってば!」

「仲良しかっ!」

 

俺は照れくさくなり顔をプイッと外に向けた。クリスが代わりに話を続けてくれた。

 

「まっまぁ、あたしもダクネスと冒険するのは楽しかったからね。あたしやリュウジの正体に関してはこの3人だけの秘密だよ?、特にダクネスにだけは絶対秘密だからね?」

 

あっ、やべ……ネフェリアも俺の正体知ってんだった。

 

「ごめん、クリス……ネフェリアも俺の正体知ってる」

「はっはぁ!?なにやってんの!?このバカっ!」

「すまん……理由は後で話す……」

 

俺はクリスにゲンコツされ、頭をさすりながらコーヒーを飲んだ。そしてクリスは質問の答えを続ける。

 

「それじゃあ、どっちの口調と性格が素なのかって質問だけど」

 

クリスは、ニヤニヤしながらカズマに挑発的な表情を浮かべた。

 

「クリスとエリス、キミはどっちが好み?」

「俺はどっちも好きです」

 

何その質問と答え!?

 

俺はムカッとしたのを悟られない様に顔を兜で隠した。

 

「えっ!?おっ、おう……そうかい?迷いなく言い切られるとは思って無かったよ。助手君ってさ、ちょっとこう、告白的なものに躊躇する人だと思ってたよ!ねぇ?リュウジ?そう思わない?」

「知らんわ、俺には関係ねぇもん」

 

兜を被ったまま俺はプイッとそっぽを向いた。

 

キィーーー!何このやり取り?腹立つ!!

 

「あっいや、告白ってつもりじゃなく単に好みの話をしたつもりなんだけど?ボーイッシュなお頭に、清楚な癒し系のエリス様。なんていうかどっちも捨てがたいかなって!あっ!日替わりでクリスとエリスになってもらえば、結果的に2人と付き合う様なもんじゃないですか!1粒で2度美味しい的な?流石はエリス様、ぜひ俺と付き合って下さい」

「えぇ〜どうしよっかなぁ〜?」

 

この際付き合って見りゃいいのに、俺は気にしない……気にしない……気にしない……やっぱりモヤモヤする。

 

悔しいという感情に気付いた俺はちょっとイタズラ心を出して見た。

 

「ダクネスやめぐみんにも手を出して更にはクリスにも?お盛んだなカズマ!よっ!この腐れ外道♪」

「えっそうなのっ!?キミって最低だ!それとエリス様って言わないでってば!」

 

クリスは塩の瓶とコショウの瓶をカズマに投げつけるが、2つともキャッチされた。クリスはゼーゼー言いながら座り直すと、急にテーブル下でこっそり俺の手をギュッとし始めた。

 

なんだ!?胸きゅん作戦か!?ハーレム系主人公じゃない俺にはその手には乗らんぞ!?

 

「はぁ……せっかく正体明かすビックイベントなのに台無しだよ……」

「このふざけてる世界でビックイベントもクソもねぇだろ」

「まさかとは思うけど、残りの神器探しも手伝えって言うんじゃねぇよな?」

「流石は助手君!話が早いね!そう!聖鎧アイギス!それさ!」

「聞きたくない!危ない橋は渡りたくないんだよ!なんていうかこう、最近めぐみんともうちょっといい感じになりたいし?ダクネスもなんか俺を意識してる見たいだし!?大金はいるし!?このまま4人で生活送りたいんだよ!」

 

コイツ!!めちゃくちゃな事言いやがった!!仕方ない。

 

「やれやれ……奥の手だ。クリス、やれ」

「しょうがないなぁ……コホン。サトウカズマさん……お願いです。どうか協力して貰えませんか?」

 

先程の湖で俺に見せた女神の泣き落としをカズマにもやり出した。カズマは根負けしたのか、観念した。

 

「ずるいですよ……エリス様」

 

((チョロ……))

 

そして、カズマと別れ、家に帰る途中クリスはしてやったりの顔をしていた。

 

「カズマさんあの顔に弱いねぇ」

「いやアレは誰だって弱いだろ」

「ほんと〜?ならキミも弱いの?」

 

クリスはニヤニヤしながら兜の奥の顔を覗こうとしている。

 

止めてください!

 

「金獅子くんに連絡しといてね?今回も厳しくなるからさ?」

「へいへい、どこほっつき歩いてんだか」

「あっそうそう、忘れてた!ねぇねぇ!」

「なんだ───」

 

クリスは突然俺に抱き着いて来た。

 

「むほおっ!?」

「何その声!?あの黒い服作ってくれたお礼だよ!ありがと♪」

 

あっあの忍び装束か。

 

俺はカチコチになりながらも答える。

 

「いっ……いえ……どどどういたしまして」

「それとさ、カズマさんとのやり取りでヤキモチ妬いた?」

 

ヤダこの子!気付いてたの!?

 

「はっはぁ!?してねぇし!?」

「ホントに〜?」

「してねぇよ!、あっ!話題を変えるぞ!?俺、今後の方針変えるわ」

「えっ?急にどうしたの?魔王の称号を消さなくていいの?」

「うん、魔王の称号を消しても俺の心の中には魔王ってのは残るからな。これからは、「鉄の意志」と「恐怖の象徴」を志してこの世界の魔王と俺は戦う事にするよ」

 

クリスは首を傾げて俺に言葉の意味を尋ねて来た。

 

「それってどういう事?」

「言葉通りさ、曲げない諦めない心を持ち、この世界の魔王軍に俺が居ることを知らしめるって事さ」

「ふーん、んじゃ勇者にもならないって事?」

「うん、これからは冒険者・鋼のリュウジとして生きて行く。だからクリス、これからも相棒としてよろしくな?」

 

そうクリスに伝えると、クリスはニコッと笑い答えた。

 

「はい♪もちろんだよ相棒♪よっと!」

 

クリスはじゃれるように俺の背中に乗っかり始めた。

 

「あっぶなっ!なんだよ!急に!?」

「カズマさんがめぐみんさんみたいにおぶるようにあたしもおぶって〜!」

「ったく…しゃーねぇなぁぁ!」

「あはは!楽チン楽チン!そんで?なんでネフェリアちゃんにも正体教えたの?」

「えっ?いや〜パーティーメンバーには嘘つきたくなくて……」

 

俺は冷や汗をダラダラ垂らしながら苦しい言い訳をする。

 

「ふーん…んじゃ、あたしに嘘とか付いてないよね?」

「付いてない!絶対付いてない!」

 

隠し事はしてますけど

 

「ならいいけどね?ほら歩いた歩いた!」

「揺らすな!もう降りろよ!」

「やーだよー!」

 

俺とクリスはそのままギャーギャーと騒ぎながら家に帰って行った。




鉄の意志の意味はアイアンマン、恐怖の象徴の意味はバットマンでどちらも映画でモチーフにされている言葉であり、正義を志す意味を持っているので参考にしてみました。
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