※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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第3章のイメージソングはDANDAN心魅かれてくです!

第3章から書籍版とプリコネRを少しずつ混ぜて行きます。アンケート御協力ありがとうございました。アンケートの結果……4人目の男子登場は見送らせて頂きます。その代わり、プリコネRの女の子を数人登場させて行きます。


第3章 エリス感謝祭編
プロローグ


夏の季節になり始めたアクセルの街にも今日も朝日が昇る。馬車馬の如くに戦い働いていた俺はガーガーといびきをかきながら自室で爆睡していた。フライパンの金属音が聞こえ、爆睡してる俺の部屋のドアが音を立てる。

 

カンカン!カンカン!

あーさですよー!美味しい美味しい朝ごはんですよー!

 

ドンドン!

 

「リュウジくーん、おはようございまーす!朝ごはん冷めちゃいますよ〜?」

「ガー」

「リュウジくーん!」

「ンガー!」

「リュウジくん?リュウジくん!?リュウジくん!?!?」

「ん〜、なにぃ〜?」

 

ドンドンドンドンドン!

 

「たたた大変です!マリューさぁん!リュウジくんが起きてくれませぇん!もしかしたら死んじゃってるんじゃ!!」

「んあっ!?なに!?起きてる!起きてるから!朝から大騒ぎすん」

 

ガシャーーーーーーン!

 

「とぉーーーー!」

「!?」

 

ペコリーヌが突然俺の部屋の窓を突き破って来て部屋に入って来た。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」

「無事ですか!?リュウジくん!?」

「コラァァ!なにやってんだぁぁぁ!」

「だだだだって!リュウジくんが起きてこないんですもん!」

「起きてたってば!爆睡してたの!爆睡!窓を突き破って来て起こす奴が何処にいるんだよ!お前はなんだ!?SWATか!?」

 

騒ぎを聞きつけたマリューと寝起きのクリスがやって来た。

 

「んも〜朝から何騒いでるのさぁ〜」

「お2人は朝から元気ですねぇ〜って窓割れてるじゃないですか!?」

「あっ……」

「あっじゃねぇよ!あーあー布団ガラスまみれ…突き破って足切ってないか?ペコリーヌ?」

「あっはい、大丈夫です☆優しいんですね♪」

 

ペコリーヌはニコッと満面の笑みを浮かべる。

優しいんですねじゃねぇよまったく、窓ガラスだってタダじゃねぇんだぞ!?

 

黙々とほうきとちりとりでガラスの破片を集める俺とペコリーヌ。その後、着替えた俺は朝食を食べていると、クリスが話し出した。

 

「ご飯たべたらさ、リュウジちょっと例の件で用があるから助手君の家に行かない?」

 

例の件……?あっ神器の回収ね

 

「何すんの?作戦会議?」

「ちがうよ、ダクネスにも手伝って貰おうかと思ってさ?」

「ダクネスに?大丈夫なのか?」

「うー、ダメ元でね?一応声掛けておかないとまたアレやられちゃうからさぁ……」

 

アイアンクロー、そりゃ懲りるよな

 

「ふむ…なら皆で行くか?帰りにガラス屋さん行かなきゃないし?」

「カズマさんのお家にですか?行きます☆」

「4人も押しかけて迷惑じゃありませんかね?」

 

大根の葉っぱをカリカリとかじりながらマリューは不安そうに言い放つ。

 

「まぁあそこは何人居ようが騒がしいからな、問題ねぇよ」

「それもそうだね、んじゃそうしよう!」

「はーい☆」

「クリス様、塩取って貰えますか?」

「あっはいはい」

 

────────────────────────

 

朝食後、俺達はカズマの屋敷に訪れると、案の定屋敷内は今日も賑やかだった。リビングに入って行くと、なにやらバニルとアクアがひよこ?の様なモンスターを巡って争っていた。

 

「返してぇよぉぉぉぉ!私の可愛いゼル帝を返してぇぇぇ!わぁぁぁぁ!返してよぉぉぉ!わぁぁぁぁ!」

「フハハハハハ!ざまぁみろ寝取られ女神め!、貴様の大事なペットは……えぇい!付いて来るな!鳥め!、飼い主の元へ戻るがいい!」

 

なにやってんの?

 

「とりあえず、邪魔するぜ?」

「えっ……何してるの?アクアさん…」

「こんにちは!アクアさん!」

「今日も今日とて賑やかですねぇ?」

 

ぐしゃぐしゃに泣きじゃくりながらバニルの背中をバシバシ叩くアクア、笑いながらひよこを追い払おうとするバニル、白目を剥いて倒れているウィズとダクネス、唖然としてるカズマ、カズマにおんぶされているめぐみんがいた。

 

カオス……

 

「おっおう、リュウジ、とりあえずこの状況は……よく分からん」

「アクア、何泣いてんだよ」

「かじゅまぁぁぁ〜リュウジィィィ〜!!ごのあぐまがね!?ゼル帝をがえじでぐれないの!なんどがじでよ!」

 

俺とカズマはバニルの足元でよちよちあるくひよこに目をやった。

 

「ピヨッ!」

 

うん、どっからどう見てもひよこ。

そのひよこはバニルにスリスリと擦り寄って離れようとしない。

 

これはアレだ、バニルを親と思い込んでるんだな?

 

「そんで?何がどうしてこうなったんだ?」

 

カズマの目の前でバニルとアクアは正座をしながらお互いに指を指す。

 

「「コイツが!!」」

 

同時に同じセリフを吐き出す2人、そのまま至近距離で睨み合う。

アクアは眉毛を寄せて歯をギリギリさせながら怒りを露にし。バニルはバニルで、口元を引きつらせていた。

 

なんか出会った頃の俺とエリス見たい……見てて恥ずかしいな……。

 

クリスも同じ事を思ったのか少し恥ずかしそうにしていた。

 

「とにかく、ざっくりで良いから説明しろ」

「「喧嘩してたら流れ弾が2人に当たってゼル帝が産まれた」」

 

OK

 

「キングスフォード・ゼルトマン」……水の女神の眼鏡に適い、数多のある卵の中から選ばれたごく普通のひよこ。俺とカズマはマジマジとひよこを見つめた。

 

「なにその厨二病的なカッコイイ名前は!?」

「名前は確かに良いな……」

 

部屋の角でマリューとペコリーヌはヒソヒソと話し出した。

 

「マリューさん、マリューさん……もしかしてあれって……」

「ええ、本人は体毛で覆われている飛竜・シャギードラゴンって言い張ってます。凄まじい魔力を感じますが……間違いありません、アレはただのひよこです」

「やばいですね……」

 

ヒソヒソ話しを他所に、ダクネスの介抱に向かったカズマはまた騒ぎ出す。

 

「リュウジ!やばい!ダクネスは目が覚まさないし、ウィズはウィズで体透けてるし!」

「ドレインタッチで俺の魔力を分け与えろ!早く!」

「落ち着け、小僧に鎧オタクよ、台所に行って砂糖と水を持ってこい。栄養補給させれば瀬戸際リッチーもカブトムシの如く復活するであろう」

 

今度…ウィズとペコリーヌ連れて美味しい物でも食べに行こう。

 

めぐみんの手の上にいたゼル帝が急に暴れ出した。めぐみんは慌てて絨毯の上に下ろすと、よちよち歩きながらバニルの足に擦り寄る。それを目の当たりにしたアクアはビービー泣きながらカズマにすがり付く。

 

「わぁっー!ゼル帝が盗られた!カズマさーん!カズマさーーん!!お願い!、仮面悪魔を屋敷から追い出してよ!出てって!ほら早く出て行って!」

「うるせぇ……もう連れて帰れよ!」

「あはは……参ったね」

「帰りたいのは山々だが…仕方ない…、ゼル帝の寝床はどこか?」

 

アクアは無言でソファーに指差した。

 

ひよこの癖にソファーが寝床だとっ!?

バニルはゼル帝を抱き抱えるように両手で包み、ソファーに座った。

 

「どれ……脱皮!」

 

メリッと音を立ててバニルはセミの抜け殻を破る様に分裂した。ゼル帝も気付かないレベルの為、バニルが離れても騒がなくなった。

 

「あの脱皮教えて貰おうかな……」

「教えて貰ってどうするつもりなの!?」

「この能力やばいですね☆」

「俺もこの世界の生き物やモンスターにいい加減慣れたつもりだったけど、お前も大概だなぁ」

「フハハハハハ!では、我輩はこれで失礼する」

 

バニルは少し回復したウィズを連れて帰って行った。ようやく落ち着きを取り戻し、メンバーはテーブルに座ってようやく本題に入った。

 

「色々あったけど、今後は助手君や金獅子くんだけじゃなくて、皆にも神器集めを助けて欲しいなぁと思ってね?」

 

昨日のカズマとのやり取りの説明を語り終えた。ダクネスを初めとするメンバーが口を開いて返答した。

 

「手伝ってやりたいのは山々だが、すまない、現在領主が行方不明になってるし、それに体調が回復しきれてない父に代わり、私が領主の仕事を任されていのだ、補佐にはシュナイダー殿も加わっているが何分忙しくてな……」

「良いよ良いよ、そっちの方が大事だしね?気持ちだけでも有難いよ、ダクネス」

「私は手伝える事があるのなら手伝いますが、出来ることは限られますよ?手っ取り早く爆裂魔法で脅した方が──」

「あはは……ありがと、その時はお願いするよ……」

 

ダクネスとめぐみんに断られたクリスはどーしょーもない先輩を見つめたが、アクアは告げた。

 

「残念ね、手伝えないわ」

「はぁ?事の原因の癖に手伝わねぇってか!?」

「そうだそうだ、お前どうせひよこのエサやりとかゴロゴロするだけだろ?暇人手伝ってやれよ」

 

アクアはゼル帝を抱き上げながら俺とカズマの言葉にフッと笑った。

 

は?マジなんなの、この子と思ったが、堪える。でないとかなりめんどくさい。

 

アクアは口を開く

 

「ねぇカズマにリュウジ?あなた達は親の気持ちとか分かるかしら?」

「え?わかる前に事故で死んじまったんだから知らねぇよ、なぁ?カズマ?」

「ああ、そんなもん分かってれば、伊達にネトゲ仲間から母親泣かせのカズマさんなんて呼ばれたりしねぇよ」

「ごめん、ちょっと何言ってるか分からない」

「はんっ、熱血青春バカには分からんさ!」

「なんだとヒキニート」

「なんだよアオハル野郎」

「と、に、か、く!、何が言いたいかって言うとね?ダメな子ほど可愛いって事なのよ。この子はドラゴン界の頂点に立ってもらなきゃ行けないのよ!そこで、私は考えました。親の背を見て子は育つって言うでしょ?ここは1つ魔王を倒して見ようかな?って。そう思ったんだけど、紙一重で負けそうだから最後の手段にとっておくわ」

 

後半何が言いたいのか分からない。まずコイツがドラゴンなのか?

 

俺は元はドラゴンで竜帝と呼ばれたマリューに視線を送ると、フルフルと首を横に振る。

 

はい、目指せるのはニワトリの頂点。

 

カズマはコイツ何言ってんの?みたいな顔をしながらアクアに尋ねた。

 

「お前、そもそもコイツ買った理由は魔王と戦う戦力にする為じゃ無かったのか?」

「カズマ?あんた何言ってんの?可愛い我が子にそんな危険な事させる訳ないじゃない」

「お前こそ何言ってるか分からない」

 

完全に母性に目覚めたアクアは更に真剣な顔をし始めた。

 

「今はそれより……大事なイベントが控えてるわ」

「イベント?」

「イベント?なんかあったっけ?」

「カズマやリュウジはともかく、他の皆は『エリス感謝祭』って知ってるかしら?」

 

俺はクリスをチラッと見るとソワソワと照れ始めた。

 

『女神エリス感謝祭、それは夏を迎え、1年を無事に過ごせた事を喜び感謝し、幸運の女神、エリスを称える祭り。毎年この時期になると世界各地で執り行われる恒例行事だと言う』

 

「わぁー!私のエルフの森でもやってました!楽しみですね☆」

「私の故郷でやってました。この日に幸運の女神に仮装すると1年間無事に過ごせるらしいですね」

「へー、そんな事してんだ……?」

 

ホントなの?って言う感じに俺はクリスを見るとフルフル首を横に振る。迷信だそうだ。

 

「エリス祭りには当然当家も毎年関わっているぞ。我がダスティネス家も代々エリス教徒だ。祭りの開催にあたっては、多額の寄付をしている」

 

それを聞いて恥ずかしそうにしてるクリス。

 

「んじゃ〜アクセルの街で色んなエリス様のコスプレが見れるって訳か、それはちょっと期待できるぞ!」

「まぁ、確かに楽しみだな?」

 

キャッキャウフフと俺とカズマはテンションを上げているとめぐみんが補足してくれた。

 

「夢を壊すようで申し訳ないんですが、男性も仮装するんですよ」

「えぇ……ヤダァ……」

「聞きたくない情報ご丁寧にどーも!」

 

すると、アクアはバン!とテーブルを叩いて騒ぎ出した。

 

「何を皆浮かれているの!?単純な話じゃないのよ!?」

「何をそんなに慌ててんだ?」

「そうだぞ?一体何が言いたんだお前は?」

 

疲れ気味に俺達は聞くと、アクアが言い放つ。

 

「エリス祭りっていうこざかしい祭りがあるなら、アクア祭りもやってくれなきゃ不公平よ!今年はエリス祭なんか取り止めてアクア祭りをして貰うのよ!」

「ブゥーッ!ゲホゲホッ……」

 

クリスは俺の顔面に紅茶を吹き出す。

顔面プレイはやめて下さい……痛た!目に入った!!

俺は顔を拭きながらクリスの背中をさすってるのを尻目に、アクアは更に熱く語り始めた。

 

「だってそうじゃない!?なんで先輩であるアクア祭りが行われないの!?今年くらい代わってくれてもいいじゃない!」

 

そりゃアクシズ教の御神体がこのザマだもの、そりゃねぇよ。

 

「それに、皆は知らないと思うけど、あの子はね?お淑やかに見えてかなりのヤンチャするタイプなのよ!?勝手に1人で背負い込んで、なんでも1人で何とかしようと頑張っちゃう子なんだから!」

 

それはね、俺はまぁ気付いてたよ。

 

「あとね、これはオフレコなんだけど、私が聞いた話があるんだけど大昔に”とある魔王”が悪さをする神を1人で倒したって言う伝説を聞いた事があるのよ!私の勘が正しければその魔王はエリスだと私は思ってるの!それくらいヤンチャなのよ!あの上げ底女神!」

「ブゥーッ!ゲホゲホッ」

「リュウジ様!?大丈夫ですか!?」

 

俺はお茶を盛大に吹き出した。

なぜお前がそれを知っている!?

クリスは背中を擦りながら俺の耳元で囁いた。

 

「あたしは後から知った事なんだけど、リュウジとマリューさんの伝説は天界で結構有名らしいの……」

「なるほどね……」

 

見兼ねたダクネスは呆れ顔でアクアを止めた。

 

「アクア、いい加減な事を言うな、そんな事を言っているからアクアはいつも酷い目に遭うのだ、きっとそれは罰に違いないぞ」

「なぁんですって!?なら私が余裕かましてケンカを売った犬に追いかけられるのも、買ってすぐアイスを落とすのも、酒代のツケが溜まって行くのも、全部エリスの仕業だったのかしら!エリスったらなんて子なの!?」

「全部自業自得じゃねぇか……ねぇ?」

 

俺が向くと、最早泣きそうになっているクリスは「それだけは違う」と言わんばかりに首をブンブンと横に振る。

 

「まぁ何にせよ、私は手伝えない──」

「ダクネスになんか頼らないわよ!いいわよもう、バツネス!」

「バッバツネス!?」

「めぐみんは!?どうなの!?」

「まぁ構いませんが?アクシズ教徒には”知り合い”もいますしね?」

「へぇー、そうなのか?めぐみん?」

「はい、ちょっとだけお世話になった事がありますから」

 

俺がめぐみんに訪ねて答え、無邪気にアクアは喜び始めた。

 

「さすがめぐみんね!カズマとリュウジも勿論」

「やるわけねぇだろ」

「ごめん、俺も色々忙しいんだ、土地やら物件やら買い集めなきゃ無いし、アルバイトも募集しなきゃないんだ、他を当たってくれ」

「それによ?エリス祭を中止にさせるなんて絶対無理だろエリス教団や街中を敵に回す様なもんだぞ?」

「えぇー、それを何とかするのがAdventuresのリーダー達だと思うんですけど」

「「てめぇぶさけんな」」

 

俺達は同時にキッパリ断ると、バッと立ち上がって宣言し始めた。

 

「もういいわよ!リュウジのケチんぼ!カズマのロクデナシ!こうなったらめぐみんと魔剣の人とクリスで何とかしてみせるんだから!」

「えぇ!?あたしも!?」

 

この場にいないミツルギは巻き込みながら、今日一の声を上げるクリスだった。




第3章スタートです!
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