プリコネRでレムちゃん当たったぁぁぁぁ!
翌日、朝食を食べながらアクア感謝祭の手伝いに巻き込まれたクリスもといエリス様は頭を抱えながらテーブルに項垂れていた。
「あぁ〜どうしよぉ〜……」
「そんなに嫌なら断れば良かっただろ?」
「だって急に言うから…けどまだ日にちはあるからなんとかするよ」
やり切れない顔をするエリス様はモグモグと食べ続ける。
まずエリス感謝祭に本人が参加しちゃダメだろ…
ドンドン
俺達が朝食を食っている時に、ドアが叩かれた。
「なんだ?回覧板か?」
「モグモグ……回覧板なら昨日来ましたよ?」
「んじゃなんだろう、水道料金払った?」
「それも昨日ペコリーヌ様と共に役場で支払って来ましたよ?」
「んじゃ誰だろう……はーい、どちら様〜?」
俺が玄関に向かうとそこには、シュナイダーが立っていた。
「おはようございます!」
「シュナイダーさん!?どうしたんですか?」
「お久しぶりです、リュウジさん、お仲間の皆さん朝早く申し訳ございません、しばしお時間宜しいですか?」
「なら、俺の部屋にどうぞ、マリュー、悪いけどお茶を」
「あっ、ならわたしが行きますよ!」
そう言うとペコリーヌはパタパタとキッチンに向かってテキパキと準備を始め、俺はシュナイダーを部屋に案内した。シュナイダーは入るやいなや深く深呼吸を始める。
やめろ!
「すぅぅぅぅはぁぁぁん!イケメンの部屋の匂いって素敵ですよね!」
「あんたホントにそれで御庭番衆なのかよっ!それで?何の用すか?」
シュナイダーは服を整えキリッと顔を切り替えた。
「さすがですね、では、本題に入りましょうか?」
「はぁ……」
コンコンと部屋のドアがノックされた。
「失礼しまーす☆お茶が入りましたよ〜?」
「ありがとう、ペコリーヌ。クリスは?」
「いえいえ、クリスちゃんなら「うーんうーん」言いながら悩んでますよ?あっどうぞ召し上がって下さい♪」
「これはご丁寧に……はて?どこかでお会いした事が……」
「えっと……えーっとですね?」
シュナイダーはまじまじと見つめるとペコリーヌは精一杯の変顔をして誤魔化そうとしている。
「あの…ユースティアナ様ではありませんか?」
「ユースティアナ?」
「違いますよぉ〜?ペコリーヌですよぉ?」
精一杯低い声を出すユースティアナ様。
「無理に誤魔化しても無駄ですよ!?ユースティアナ・フォン・ネフェリア様ですよね?」
「あはは……バレちゃいましたね……」
先程とは打って変わってペコリーヌは王女の風格を出してシュナイダーに挨拶をした。
「ご無沙汰しております。シュナイダー様」
「ユースティアナ?ネフェリアが名前じゃないの?」
「いえいえ、ネフェリアは家名です。ユースティアナがわたしの名前なんですよ」
なるほど、ダクネスも似たような名前名乗ってるからな、隠してたのか。
「ユースティアナか……ユースティアナ」
「もう!そんな呼ばないで下さい!恥ずかしいじゃないですか!」
「貴方様がなぜここに!?」
シュナイダーは慌ててペコリーヌから離れる。
エルフの王族も凄いんだなぁ…
「それはですね?Adventuresのメンバーに加わったからなんです。なので今はお腹ペコペコのペコリーヌと呼んでくださいね☆」
「はっはぁ……」
シュナイダーはやりきれない顔をする。
すっごい複雑な気持ちだろうな
「んじゃ、ペコリーヌ?2人だけにしてくれるか?」
「分かりました!ごゆっくり!」
そう言い残し、ペコリーヌは部屋を後にした。
「いやはや、ハイエルフの王女すら仲間に加えるとは恐れ入りました」
「いえいえ、彼女のおかげで俺も救われた事もありますから」
「そうでしたか……」
「それで?本題とは?」
「はい、これを見て欲しいのですが」
シュナイダーは懐から新聞を取り出し、新聞の一面を見せてきた。その一面の記事には、金獅子が写っていた。
この記事は…王都での騒ぎを起こした時のだな?
「金獅子がどうしたのですか?」
「ご謙遜を……金獅子は…リュウジさん、あなたですね?」
えっ?なんでこの人気付いたの!?
「えっ?俺が金獅子?一体なんの話しですか?バカ言わんで下さいよ」
「証拠は上がってるんですよ?それでもシラを切ると?」
俺はシラを切ったがシュナイダーは名探偵コナ○ばりの名推理っぽい事を言い始めた。
「証拠?一体それはなんでしょーかね?」
シュナイダーはでゅふふふと気味の悪い笑い方をしながら記事に指をさして説明を始めた。
無意識にケツがヒュッてなる!
「このお尻形、太もも、上腕二頭筋、全てリュウジさんと同じなんですよ!一目見て分かりましたよ!リュウジさんだって──」
「あの、初めに謝っておきますね、タメ口になっちゃうんですけど……お前、純粋に気持ち悪い!」
「え?ヤラないか?」
「言ってねぇよ耳腐ってんじゃねぇか!?そんで何?俺をひっ捕らえに来たの?ならやって見ろよホモ野郎、もれなくエルフの王女様がてめぇの屋敷に乗り込むぞコラ!?食材を悉く食い尽くすぞ!おぉう!?」
アクシズ教の人ってこんなんばっかりなの!?
シュナイダーは急に真顔になり答える。
「あっ女性に興味無いんで、来られても困ります。いえいえ、捕らえるつもりはありません。なんせエルフの国王様直々にアイリス王女様に金獅子の指名手配を無力化させたので金輪際、金獅子は賞金稼ぎから追われる事はもうありませんよ」
「国王様が!?助かった〜あとでユースティアナにお礼言わなきゃ」
エルフの森に足向けて寝れねぇ……
「実はですね?もうすぐ忌々しいエリス教の感謝祭が執り行われるじゃないですか?」
「今忌々しいって言ったか?」
「それでですね、気の進まない感謝祭の間、夜間の警護を金獅子さんもとい、リュウジさんに協力をお願いしたいのですよ」
警護?まぁ大きい祭り見たいだからな、見回りはしなきゃダメか
「まぁ、祭りの期間なら別に構わないけど、タダで?」
「いえいえ、報酬はお約束します。体で」
「ぶっ殺されてぇのか?」
殺意をこれでもかと言うくらい出してバチバチと右手に稲妻を纏わせた。
「じょじょじょ冗談で御座いますよ!八咫烏からの現金報酬と、貴族とのパイプなどでどうでしょうか?」
貴族とのパイプ?まともなのだろうか?
「ガチホモ野郎はいらねぇぞ」
「いえいえ、真面目な貴族ですよ。バルターという貴族をご存知ですか?」
バルター?アレ?どっかで聞いたような?
「ララティーナお嬢様のお見合い相手だったお方とでも言えばよろしかったですかね?」
「あー!はいはい!あのハイスペック貴族ね!」
「今の彼ならAdventuresに協力してくれるでしょう。では、契約成立ですね?」
「仕方ねぇなぁ、分かった。任せとけ」
俺とシュナイダーは握手を交わし、部屋を後にして玄関まで見送った。シュナイダーを見送った途端、今度はダクネスがやって来た。
「リュウジ!今時間あるか!?」
「なんだよララティーナ」
「ラッララティーナって呼ぶな!今すぐ私の屋敷に来てくれ!」
ダクネスは俺の腕をグイグイ引っ張り始める。
いっそがしいなぁ!
「なんだよ!なんの用!?そんなに急ぎなの!?」
「そうだ!お前に仕事を依頼したいのだ!私の実家に来てくれ!」
有無を聞かずにダクネスは俺をズルズルと引きずり始める。
「えちょっ、ダクネス待って!みんな〜!留守を頼んだぞぉ〜!」
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ダクネスの実家にやって来た俺は部屋に案内されると、巨大なピアノが目に入った。
これは……ララティーナが昔使ってたのか?ちょっと弾いてみるか
俺はセイクリッド・ヴァーサタイル・エンターテイナーを唱え、『猫踏んじゃった』を弾き始めた。
ポロポロロッロンロン♪と弾いていると、ダクネスが紅茶を持って部屋に入って来た。
「なんだリュウジ、ピアノが弾けるのか?」
「まぁな、子供の頃女の子達と良く弾いてたもんだよ」
「そうなのか、弾けるのはそれだけなのか?」
「ハッ、舐めんじゃねぇよ!俺の実力はここからだ!」
ダクネスにそう言い放ち、俺は徐々にスピードを上げて行き、『猫踏んじゃった高速バージョン』を弾き始め、途中腕をクロスさせるという高等技術を披露した。
「これが俺の実力じゃぁーい!」
「もういい!うるさい!もういいから!静かにしてくれ!父上が寝ているんだぞ!?話が進まないからこっちに来てくれ!」
ポロッポロポンポン♪ポンポン♪と弾き終えた俺はダクネスにドヤ顔をして見ると、呆れた顔をしながら紅茶を入れ始めた。
「まったく、それでな?感謝祭の時の件なんだが」
「夜の警備の件か?夜なら金獅子に依頼するってシュナイダーさんが──」
「いや、リュウジに昼間の警備を依頼したいのだ」
は?……何言ってんのこの人?
「えっ…昼間も?」
「ん?昼間も?夜は空いているだろう?」
あっやべ
「まっまぁ…、いいけど……他の人にも頼むんだよな?」
「いや、お前だけだ」
「ブゥーッ!」
俺は紅茶を吹き出し、2度聞きした。
「ゲホゲホッ、何だって!?」
「誰一人いない、リュウジ1人だ、私も手伝ってやりたいが、何分領主代理の仕事が山のようにあってな……すまない」
「はぁぁぁぁっ!?俺1人で祭りも楽しまずに警備しろってか!?あぁん!?」
俺はテーブルをバンバン叩いて領主代理のララティーナお嬢様に必死に抗議した。
「たっ頼む!お前しか頼りに出来ないんだ!カズマはアクアに連れて行かれるし、ミツルギ殿達も王都のクエストからまだ帰って来ないし、頼む!礼はするから!なっ?」
「礼?なんだよ、何をくれるって言うんだよ?」
「そっそれは……」
ダクネスにそう尋ねると、ダクネスはモジモジ恥ずかしそうに呟いた。
「ほっぺにキキキキスを」
「何だって?聞こえねぇよ?」
「何度も言わせるな!ほほほほっぺにキスをしてやろう─」
「あぁん!?んなお子様キッスなんていらねぇよ!そんなのはカズマにでもくれてやれ!金か金目の物を寄越せ!」
「なっ!?乙女の覚悟を踏みにじるとは……くっ……」
なぜかプルプル興奮し始める領主代理のララティーナさん。
これが領主代理って、この街大丈夫なのか?
「なぁ?物でも良いのか?服とか」
「ん?そんなので良いのか?もっと上等な物でも構わないのだぞ?」
えっ?んじゃお言葉に甘えて
「んじゃさ、上等な紳士服が欲しい。くれるならやってもいいぞ?」
「なんだ、紳士服が欲しかったのか?それくらいならお易い御用だ」
「よし、交渉成立だな。用はこれだけか?」
「まぁそうだな、私からの要件はこれだけだ」
「なら俺は家に帰るぞ?紅茶ご馳走様」
「ああ、またな、リュウジ」
その後、ダクネスとの用を済ませた俺はダクネスの屋敷から出て、自分の家帰る途中に後ろから声を掛けられた。
「フクヤマさん!フクヤマさん!」
「へぇ?……って、セナ嬢じゃん、どうした?」
振り返ると息を切らして声を掛けて来たの検察官のセナだった。
今度はなんですかぁ!?
「はぁっ!はぁっ!すぐに来てください!」
「どうしたんだよ、そんなに息を切らして…何か事件すか?」
「はい、そうなんです!今すぐエリス教の教会に来て下さい!」
「えぇ!?今から!?ちょっと待ってよ!」
セナにもグイグイ引っ張り引きずり始めた。抵抗しても無駄と判断した俺は大人しく付いて行く事にした。
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エリス教の教会にやって来た俺達は教会の壁を目の当たりにすると、凄まじい落書きが書かれていた。中にはエリスの悪口とも捉える事も書かれていた。
あーあ、派手にやったなコレ
セナは落書きに触れながら俺に事情を説明して来た。
「犯行は昨夜の間に描かれた様です、酷い事をする輩もいたものですね」
「確かにな、セナは目星が付いてるのか?」
「ええ、まぁ、ここに「エリスの胸はパット入り!」と書かれたのを見ると、十中八九アクシズ教の者が書いたかと私は推測します」
だろうな、こんな下らねえ事すんのはアクシズ教だろうよ。
「そこでフクヤマさんには、この落書きの犯人を特定して貰いたいのです」
「え?なら今からアクシズ教の教会にガサ入れすれば良くない?」
「そっそうなのですが…何分あのアクシズ教なので私はちょっと…」
「おい、法の番人がまさか俺に丸投げする気か!?」
「お願いします!私はもうあそこには行きたくないんですよ!」
そう言い放つとセナはガタガタ震え怯える様になった。
冷静沈着のセナをビビらせるアクシズ教って一体……
「しゃーねぇなぁ、ひとつ貸しだからな?今からアクシズ教の教会行って主犯格引っ張って来るから」
「はい、お願いします。ですが、現行犯や決定的な証拠が無いので任意同行でしか方法はありません。地図と手錠を渡して置きます」
「分かった分かった、何とかするよ、取り調べの準備でもしててくれ」
「了解しました、では」
【依頼クエスト・エリス教会の落書き犯を捕まえろ!】
俺はセナと別れ、アクシズ教の教会に向かっていった。セナに渡された地図を頼りに着いた先はアクセルの郊外にある小さな建物だった。風魔法で吹き飛びそうな造りになっている……。そこそこ長くこの街に住み始めたが、こんな所初めてだった。
「何だこのボロボロの建物は……」
「あら?、リュウジじゃない?」
「おっ?、確かにリュウジだ!」
俺は振り向くと、そこにはカズマとアクアが立っていた。
「お前ら!?なんでここに!?」
「あんたこそここで何してんのよ、入信に来たの?鋼のリュウジが入信するのは大歓迎よ!」
しません!
「俺はセナに依頼されてアクシズ教の人を引っ張りに来たんだ」
「なんですって!?やめてぇ!私の可愛い信者を捕まえないでぇ!」
猪突猛進してくるアクアを片手で止めながらカズマと話し始める。
「セナさんに何を依頼されたんだ?」
「エリス教の教会が落書きされてな?それでアクシズ教の人間が怪しいってよ、セナの代わりに任意同行させるつもりでここに来んだ」
「罰当たりな奴だなぁ。なぁアクア?この教会の責任者ってどんな人なんだ?またキワモノがいるんじゃないだろうな?濃厚キャラはもういらねぇぞ?」
「アクシズ教団の子達はみんな良い子だから大丈夫よ!任意同行なんてさせないんだから!それに私もまだここの責任者に会った事ないのよね。最近新しい責任者が赴任してきたらしいんだけど……」
「まぁとにかく話聞かないとな」
3人は話しながら教会のドアに手を掛けると、その時声がした。
「ほら、ブツはこれで良いか?確かめてくれ。こんな”アブネー白い粉”を扱うのはもう止めて欲しいもんだ」
「大丈夫よ、個人的に楽しむだけだから」
ブツ?白い粉?個人的に楽しむ?それすなわち…覚せい剤?
3人はヒソヒソと話し出す。
「おい、アクシズ教は覚せい剤にまで手を出すのか?」
「とことん邪教徒だな」
「ちょちょ待って!ウチの子達がガチの犯罪に手を染めるなんてありえないから!これは何かの間違いよ!事情を聞くまで待ってちょうだい!」
「落書きも立派な犯罪だかんな?その辺わかってるよな?」
さて、突入してシャブを燃やされたら証拠がダメになる。ここは慎重に行かないと……。
ヒソヒソ話しているとその時……。
「まったく、貴方はちっとも変わってませんね。そんなにそんな白い粉が好きなのですか?」
「「「!?」」」
今の声はめぐみん!?
俺も含めカズマ達もゾゥッと顔を青ざめた。
Adventuresからガチの犯罪者が出るのは非常に不味い。
めぐみんは何者かと話し続けていた。
「しかし、こんな物がそんなに気持ち良いのですか?何だか私も試したくなって来ました」
「お嬢ちゃん、コイツはただの白い粉じゃねぇ、お湯で溶かしてから使うんだ」
「大丈夫よめぐみんさん、1度味わえば病みつきに───」
確保ぉぉぉぉ!
俺はカズマと共にドアを蹴破って突入した。
「動くんじゃねぇぞ、現行犯だオラァァァァァァァァァ!」
「こんの邪教徒共、俺の仲間に何してやがんだ!ぶっ殺すぞ!」
「待ってぇ!2人とも待ってよぉ!お菓子買ってあげるから!ね!?」
荒ぶる俺達、しがみついてでも止めようとするアクア、それを目の当たりにするめぐみんと怪しい男女。
「カズマにリュウジ!?どうしてここに!?アクアまで」
「カズマァ!めぐみんを教会から出せ!オラァ!手錠掛けっから手ぇ出せ!セナんとこに突き出してやる!」
「おうよ!めぐみんちょっと来い!全くお前は!知らない人について行ったらダメだろ!」
ギリギリ犯行は行われておらず、めぐみんは無事だった。アクシズ教のプリーストが白い粉を床にこぼしながら俺に押さえ付けられた。ギリギリ関節をキメられたプリーストは肩をタップさせながら答えた。
「あだだだだだ!!まっ待って!鎧を着たお兄さん!これは確かにご禁制の品だけども!私が使うだけだから!」
「シャブは使った時点でアウトなんだよこのボケェ!来いコラ、警察行くぞ!それと、てめぇらだな!?エリス教会の落書き犯は!?裁きの雷を食らいてぇか!?あぁん!?」
右手をバチバチさせると慌てふためくめぐみんとアクアが止める。
「いきなり乱入してきたと思えばいきなり女性に関節技をキメるなんて、やめて下さい!何してるんですか!?」
「ねぇリュウジ!裁きの雷は待って!事情があるのよ!そっちの男はアクシズ教徒じゃないから裁いて良いけど、この子からはアクシズ教徒のオーラを感じるの!お菓子買ってあげるから!ジュースも付けてあげるから!待ってちょうだい!」
今にも2人を殺しそうにする俺の腕を2人がかりで押さえるめぐみんとアクア。そのアクアを見て、女プリーストは目をカッと見開いた。
「その青い髪に青い瞳……もしかして……、貴方様は!?……なんて事。悪い事は出来ないものね。そうよ、この白い粉のトラブルも、エリス教会の落書きしたのも私。私の負けよ……」
「おっお姉さん!?」
「認めたな?よし、行くぞ。ちゃんと罪を償えよ?」
「ええ、分かってるわ。うふふ、めぐみんさんってばこんな私の事をまだお姉さんって呼んでくれるの?心配しないで。また会えるから……そう1週間後くらいに……」
そうめぐみんに言い放ち、俺はプリーストをセナの待つ警察署に連れていった。カズマ達とは後日合流する形になった。
────────────────────────
警察署に着き、取り調べ室に入ったプリーストを別室に繋がってるマジックミラー越しに俺は見つめていた。そこに、資料を片手にセナが入って来た。
「まさか、半日で捕まえるとは思ってませんでしたよ」
「自分から認めたからな、それで?コイツはなんだ?ヤクの売人か?」
「いえ、彼女はアクシズ教の責任者、セシリーと言います。それと、あの白い粉を検査した所、あの粉は…ところてんスライムと言う物です」
はい?ところてんスライム?
「何それ?」
「のどごしの良さや食感が売りの食べ物です」
「食いもんかよ!紛らわしい言い方しやがって!」
「ええ、まったくですよ……とにかく無事に解決出来ました、御協力ありがとうございました!後の事は任せて下さい!」
「おう、またな」
俺は外が暗くなる頃に警察署を後にして帰る途中ふと考えた。
落書きの犯人とは言っても相手はアクシズ教、ちょっと心配だな…丁度”アレ”の計画にもセナは必要だったし、金獅子になってから観に行くか。
俺は急いで家に帰ると、他の女の子達はどこかに買い物かギルドに飯を食いに行ったらしく誰もいなかった。
「丁度いいや、修理しといた金獅子を装備してと…『セイクリッド・ヴァーサタイルエンターテイナー』!」
金獅子を装備した俺は再び警察署に行き、セナのオフィスの窓を覗くと書類に目を通すセナが見えた。セナが席を離れる瞬間を狙い、俺は中に入った。数分後、オフィスに戻って来たセナは悲鳴を上げる事無く、少し驚いたくらいで話し始めた。
「邪魔してる」
「金獅子さん!?いつの間にいらしてたんですか!?」
「それはいい、鋼のリュウジから聞いた。昼間にアクシズ教のプリーストを捕まえたと、その後奴はどうしてる?」
その言葉を聞いた途端、セナはため息を吐きながら答えた。
「彼女ですか?…彼女は3杯も夕食をおかわりして今は寝ています」
「そっそうか……貴殿も苦労するな……」
「恐れ入ります」
「セナ殿、実は貴殿に頼みたい事がある」
俺は懐から設計図を取り出し、セナに見せた。
「これは?なんですか?」
「これは「獅子のシグナル」だ、どうしても手に負えない仕事がある時はこれを夜空に映し出して欲しい。それにより我はやって来る」
「そうですか、確かに今後はあなたの手が必要になる事もあるかもしれません、何とか署長に進言して見ます」
「かたじけない、では、失礼する」
「あっ、待って金獅子さん────」
俺は静止を振り切って窓から飛び降りて、月夜に照らされるアクセルの街に駆けていった。
獅子のシグナルのモデルはバットマンシグナルを参考に作りました。