矛盾点を発見したのでプロローグ、第1章を修正しました。
商店街の店の人や、合同で八咫烏の人達や警察と念入りに打ち合わせをし、警備の準備を終えた俺はその時を遂に迎えた。
いよいよ始まるな、
『この日を待ち望んでいたアクセルの皆さん!準備は宜しいですか?只今より、女神エリス・アクア感謝祭の開催を宣言致します!』
うぉぉぉぉぉ!
拡声器のような魔道具で開催宣言が街中に響き渡った。空にはバン!バン!と運動会に上げるヤツを魔法で打ち上げていた。それに負けじと大歓声が巻き起こっている。俺は歩きながら『敵感知』スキルを発動させる。
この辺は異常はないな?よし、次だ。
賑わう人混みを避けながら進むと商業区に入り、壁には大きな横断幕にエリス感謝祭と刻まれている。脇に小さくアクア感謝祭とも記されていた。なにか胸騒ぎを覚えた俺は急ぎ足でアクシズ教が配置されている区間に入ると、警察が何やらアクシズ教団と揉めていた。
やっぱりなぁ……
俺は覚悟を決めて、揉めている警官に声を掛けた。
「ご苦労さまです。何かありましたか?」
「鋼のリュウジさん!助かりました!」
「何か会ったんですか?」
「ええ、このアクシズ教の方が無許可で生物を販売してまして……」
「はぁ、ちょっと見てみますね?」
俺はひょっこり顔を覗かせると、そこにはセシリーがどっしりと座り込みをして生物を守っていた。その生物は、オタマジャクシの様に見えた。
「おい、セシリー、お前は揉め事を起こすスキルでも持ってんのか?お前らアクシズ教は逮捕されないと気が済まないのか?こんなもん売るんじゃない!撤去だ!撤去!」
「そうですよ!許可もなくこんなもの売られては困ります!どうしてあなた方アクシズ教は問題ばかり起こすんですか!?」
「何よ何よ!揃いも揃ってイチャモン付けようっての!?」
「何がイチャモンですか、ジャイアントトードの幼体の販売なんて許可できる訳ないでしょう!?街中カエルだらけになりますよ!!撤去しないと逮捕ですからね?」
「とりあえず、殺処分な?」
俺は手をバチバチさせて水槽を感電させようとした。
「やめてよ!、あぁ!店を片付けないで!鋼のリュウジ!あなたは知らない様だけど、アクア様が言っていたわ!きっと、カズマさんやリュウジさんも懐かしく思って喜んでくれるわって。あなたも好きなんでしょ?金魚釣り!」
「これ金魚じゃねぇし『スパーク』」
セシリーを取り押さえ、水槽に電気を流してオタマジャクシを処分した。
アクアの野郎!余計なヤツ手なずけやがって!
「おい、こんなもんばっかりじゃねぇだろうな?だとしたらアクシズ教団全員逮捕だぞ?」
俺はセシリーにアクシズ教の情報を聞き出した。すると、セシリーはふふっと不気味に笑う。
「まさか、我々アクシズ教団が誇る出店がこれ一つだけだと思って無いでしょうね?この日の為に、街中のアクシズ教徒を結集させて知恵を振り絞ったのよ!ご覧なさいっ!」
セシリーがビシィッと指さす先には、50を超える様々な出店が並んでいた。
え…?アクセルの街にはこんなにもアクシズ教徒が潜んでいたのか!?
俺はゴキブリの群れを見た様な気持ちになり、ゾッと顔を青ざめる。けど、コイツらなりにアクアの役に立とうと頑張ってるんだなと少し関心しながら歩くと……。
「クラーケン焼きいかがですか〜?とっても珍しいクラーケンですよぉ〜?」
俺はそのまま営業許可書を確認し、焼かれてる物を眺めて見た。
へぇー、クラーケン?そんなのあるん……ん?
念の為に俺は店のお姉さんに尋ねる。
「失礼ですが……お姉さん、これはイカでは?」
「何をおっしゃいますか!お兄さん!あなたは本物のクラーケンを見た事ありますか!?食べた事ありますか!?それは間違いなくクラーケン焼き。ええ、アクシズ教が保証します!」
怪しい……まぁ、クラーケンはタコ説もあれば、イカ説もある。これはこれでセーフかな?
その後。数人の警官を引き連れてアクシズ教団の数店の店主を詐欺まがいで現行犯逮捕、並びに無許可営業の店を撤去した。そして、まだ見ぬアクシズ教の御神体を俺は探し始めた。
どこだ?、”奴は”何処にいる!?
キョロキョロ店員の顔を見ながらアクアを探していると、奴は接客をしている真っ最中だった。
「なぁお姉ちゃん、これ本当にドラゴンなのかぁ?」
「えぇ!もちろんよ、ぼっちゃん!今アクシズ教は魔王討伐の為にドラゴン育成事業に手を伸ばしてるの!1匹500エリスよ?、さぁ買いなさい!」
アクアが売っているのは絵の具で綺麗に色鮮やかに塗装されたエリマキトカゲのようなトカゲだった。その隣では一生懸命塗装をしているミツルギ。それを買うのを渋る少年と必死にドラゴンと言い張る詐欺集団の頭目のアクア。
「えー、いらないよぉ、小遣い無くなっちゃうもん」
「そう、買わなくて良いのね?、きっと後悔するわよ!?、可哀想に……この子達はこれで保健所行きに決定したわ」
俺は無言でアクアとミツルギの頭をゲンコツした。
「いったぁ!誰かと思えば警備という名の冷やかしをしに来たリュウジじゃない?なによ?ドラゴン欲しいの?」
「リュウジ、このドラゴンは魔剣の勇者のボクが保証するよ!」
「ちゃんと仕事してるわ。それにそんなトカゲいらねぇわ、ずっと様子見てたけど、お前らはAdventuresから詐欺の容疑者を出す気か?どうする?逮捕されるか、黙って店を撤去するか、好きな方を選べ」
「何言ってんのよ!リュウジは知らないの?お祭りの場においてはね?多少のぼったくりや詐欺まがいは許されるものなのよ。日本でもそうだったでしょ?そうよね?魔剣の人?」
「はい!アクア様!」
「俺がいた頃はYouTub〇でお前らのような奴が摘発される所を見た事があるぞ?そう、今の状況のようにな?」
俺の後ろには警官が2人立っていた。
すると、アクアは泣きながら撤去を始め、ミツルギは渋々片付け始める。ちなみにアクアとミツルギの売上は1000エリスだった。撤去を終え、正座するアクアとミツルギに俺は説教する。
「あのな?アクア、アレはもう詐欺、まがいじゃなくて詐欺なの見ろよ、客が警戒して全然居ねぇじゃねぇかよ。ミツルギに関してはお前何してんの?。この状況をダクネスが知ったらお前来年からアクア感謝祭認めて貰えないぞ?良いのか?」
それを聞いたアクアは現状を理解したのかアクアは動き出した。
「だっ大丈夫よ!奥の手があるわ!こっちよ!この店には自信があるの!それにね?後でカズマさんにも手伝ってもらう予定なのよ!この店だけはやましい事はしてないわ!1番儲かってるの!」
「ああ!見てくれ!自慢の店なんだ!」
「この店だけはってもう、詐欺認めてる……で?なんの店?」
アクアとミツルギに案内された場所はアクシズ教の区画の隅に小さい出店が立っている。その店には人集りが出来ていた。店員の顔を見た瞬間、俺は言葉を無くした。アクアが自慢げに説明する。
「クリスがたまたまトイレから出て来た所を捕まえて店番手伝って貰ってるの!」
何してんの?エリス様。
エリス教の御神体が何故アクシズ教の出店の店番してるのだろうか?。視線に気付いたのか、クリスは体育座りをして死んだ魚の様な目をしながら手を振ってくる。近付いて店を見てみると、当たりくじをしている様だった。
「おい!もう1回だ!もう1回頼むよ!」
「こっちが先だ!こっちは数万エリス突っ込んでるんだぞ!」
この当たりくじのルールはクジを買って当たりを引けば賭け金が倍になるというのがルールの様だ。それにより客は皆熱狂している。1人の客が3枚クジを買い、クリスが差し出した3枚の中から1枚を引いた。客が1枚を引くと……。
「くそっ!またハズレか!おい!、残りのクジを見せてくれ!」
クリスは黙って頷き、手元にあった残りの2枚を公開した。そこには2枚とも当たりのクジだった。3分の1でハズレが出る仕組み、有利ではあるが相手が悪過ぎた。
まぁ、イカサマじゃないからセーフだな。
違反はないと判断し、アクシズ教に寝返ったクリスを置いて俺は先に進む。すると、ペコリーヌとマリューが辺りをキョロキョロしながら歩いていた。
「おー、マリュー、ペコリーヌ来てたのか!」
「警備の任務お疲れ様です。飲み物をどうぞ」
「リュウジくんオイッス〜☆ご苦労さまです☆」
マリューから差し入れのドリンクを飲み干し2人に尋ねる。
「ありがとう、マリュー…んは〜生き返る。そんなにキョロキョロしてどうしたんだ?」
「ええ、実は、先程までクリス様も一緒に居たのですが、トイレに行ってから帰って来なくて……」
「美味しい物でも独り占めしようとしてるんでしょうか?」
それはない、お前じゃないんだから
「クリスならこの先でアクシズ教の出店を手伝ってるぞ?」
「はい!?その話ホントですか!?」
「ありゃりゃ、クリスちゃんは働き者でやばいですね☆」
「まぁ訳があるのでしょうね?リュウジ様もここは一旦戻ったらどうです?こちらはもう店はありませんよ?」
マリューに促され、俺は来た道をペコリーヌ達と共に戻り歩く事にした。先程の商業区に戻ると、カズマとアクアを筆頭に先程まで揉めていたセシリーやミツルギが合流しており、忙しそうに何かを焼いていた。
ん?あれは……焼きそばか!?
ペコリーヌは不思議そうに出店を見つめ、指を指して俺に尋ねてきた。
「リュウジくん、あれはなんのお店ですか?」
「あれは、俺やカズマが生まれた国の食べ物『焼きそば』っていう食べ物だよ」
「焼きそばって言うんですか〜、美味しそうですね☆」
「うっうん…まぁ美味いよ」
様子を見てると、いつの間に当たりくじを取り止めたのか、クリスがカズマ達と共にキャベツを刻んで忙しそうにキャベツを刻んでいる。
あの野郎!、今度は焼きそばでアクシズ教の手伝いをしてるのか!?人が暑い中警備してるってのに!おのれクリスめ、覚悟しろ!
俺は懐から財布を取り出し、3万エリスを取り出して漂うソースの香りに涎を垂らすペコリーヌに渡した。
「ペコリーヌ。この金やるからあの焼きそば食べて来い!」
「わぁ♪奢ってくれるんですが!?やばいですね☆。出来たての焼きそばをいっぱい食べちゃいますよ!」
「おぅ、食って来い食って来い!焼きそばを悉く食い荒らして来い!」
「ちょ、リュウジ様!?そんな事したら、クリス様達がめちゃくちゃ忙しくなっちゃいますよ!?」
「いいんだよ、どうせカズマの事だ、祭りを盛り上げる為に競わせてんだろうよ?。なら俺達は……この祭りを混沌とした状況にしてやろうじゃないか……」
俺は不気味にニヤリと笑い、ペコリーヌに小遣いを渡すと、どしんどしんと歩くペコリーヌはカズマがいる鉄板の前に立ち陣取った。カズマは直ぐに気付き、ゾッとした顔をしていた。
「らっしゃ……い!?ペコリーヌ!?」
「オイッスー☆カズマさん♪この焼きそばという食べ物を3万エリス分下さいね☆いただきま〜す♪」
「はぁ!?おい、ペコリーヌ待て!お前が来たら準備が」
「ペコリーヌちゃん!?待ってくれ!ああっ!焼きそばが消えていく!」
ペコリーヌはカズマとミツルギの静止を振り切り、割り箸を片手に鉄板から直接焼きそばをものすごい勢いで食べ始めた。
食べ始まってしまったらペコリーヌはもう止まらない!
近くにいたアクアやクリスもペコリーヌの存在に気付き、騒ぎ出す。
「はむはむはむはむ!」
「えぇ!?ちょっとペコリーヌ!あんたが来たら焼きそばの材料があっという間になくなっちゃうわ!。やめて!やめてよ!食べないで!」
「わぁぁぁ!ペコリーヌ!やめてぇぇ!キャベツが追いつかないよぉ!」
「カズマさん!豚肉が!豚肉が間に合いません!」
「アクア様!麺がほぐれません!」
ペコリーヌが焼きそばの出店を占拠したのを遠くで俺は高笑いしなが見ていた。マリューはドン引きしながら俺を止める。
「ゼハハハハハ!人にエリス教の仕事を押し付けといて自分はアクシズ教の手伝いしてるからだ、バカめ!」
「最低です!貴方は最低ですよ!!ご自分が何をなさってるのか分かってるのですか!?」
「おいおい、人聞きの悪い事を言うなよ、ちゃんと金は払ってるだろ?」
「いや、そうですけど……それが余計にタチ悪いですよ、見て下さいよ、クリス様達半泣きで野菜切ってるじゃないですか!」
すると、ペコリーヌの食べっぷりを見て美味そうと思ったのか、次々と客が騒ぎ出し、行列を作り始めた。
おい、あの姉ちゃんの食ってるやつ美味そうだぞ!
おい、俺にもくれ!
俺も俺も!
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!この子が腹一杯になるまで待ってくれ!おーい!キャベツと豚肉はまだか!?」
一心不乱に焼きそばを焼くカズマ、焼きそばを一心不乱に食べまくるペコリーヌ、具材を一心不乱に刻むクリス、セシリー、ミツルギ、アクア。他の店から客が流れてくる長蛇の列。それを高みの見物をしてる俺は笑いが止まらなかった。
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辺りは暗くなり、夜の祭りが始まった。俺はペコリーヌ達と共に一旦帰り、俺は予定通り金獅子に着替え始めた。
「さて、夜も頑張りますかぁ」
「もーひくんへふかー?」
クラーケン焼きをほうばりながらペコリーヌはあれだけ焼きそばを食べたのにまだ食い続けている。俺は瞳の色を変える目薬を刺しながら答えた。
「うん、ダクネスの所に行かなきゃ無いからさ、クリスが帰って来たら誤魔化しといてね」
「はーい♪」
「金獅子様、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
「『セイクリッド・ヴァーサタイルエンターテイナー』、では行ってくる」
声を変えながら挨拶をして、俺は祭りで賑やかになっているアクセルの街に駆けて行く。街の空には獅子のシグナルも灯り、夜の仕事が始まった。俺は隠れてカズマが出て行くのを見届け、こっそりと屋敷に入った。入るや否や、ダクネスはソファーに項垂れていた。
「邪魔をする」
「ん……うわっ、金獅子殿!?ごっご苦労さまです!」
ダクネスは俺を見た途端飛び起き、ビシッと座り直した。
「鋼のリュウジと警備の交代をした。街の被害状況を報告してくれ」
「承知しました!。まずはそうですね…、被害届が出てるのはエリス教徒の出店にアクシズ教徒が押しかけ、ショバ代を寄越せと嫌がらせを受けたのが3件、アクシズ教徒のお化け屋敷でゾンビにセクハラを受けた女性からが45件、アクシズ教徒の酔っ払いが暴れるという事件が100件を超えています」
ほとんどアクシズ教徒じゃん
「そっそうか、夜明け前には全て解決させよう…少し休むといい」
「恐れ入ります……では、お言葉に甘えて……失礼します」
ペコッと頭を下げながらダクネスは自室に引っ込んで行った。
俺も祭りに参加したいが、治安維持も大事だ。皆が楽しめる様に俺も頑張ろう。
顔を引っぱたき、気合いを入れて賑わうアクセルの街に俺は向かった。まず、ダクネスの報告で2番目に被害が多かったアクシズ教徒がやっているお化け屋敷に足を運んだ。
「ここか、暗いから『千里眼』を発動させなきゃな」
お化け屋敷の入り口に向かうと、アクシズ教徒の店員が座っていた。俺はそのまま声を掛ける。
「へいっらっしゃっせー!……って、金獅子!?」
「エリス教徒の女性から多くの痴漢被害が出ていると報告を受けているのだが?責任者はいるか?」
「さっさぁな知らねぇな……なんかの間違いじゃないのか?」
「そうか、なら入ってみれば分かるのだな?」
「確かめてみればいい!我々アクシズ教徒は痴漢なんてしてねぇ!」
「ふむ、では料金を支払おう、邪魔をする」
俺はお化け屋敷の入場料を支払い、中に入った。そして、『変身スキル』を発動させ、ナイスバディな女性に変装し、痴漢をおびき寄せようと歩き続けていると、報告にあったゾンビが現れた。
ペコリーヌが焼きそばを食うシーンは、プリコネRのアニメのクレープを食いまくるシーンを参考にしています。