新しい物件を購入してから翌日、いつも通りアクセルの街に朝日が昇った。爆睡している俺はガーガーとイビキをかいて寝ていると、勢い良くドアが開いた。
「あーんた!いつまで寝てんのよ!ほらさっさと支度しな!朝ごはんだよぉ!」
突如見知らぬパンチパーマの髪型をした熟女が着物を着て現れた。大声でビクッと目を覚ました俺は咄嗟に耳を塞いでいると、謎の熟女に布団を剥ぎ取られ、足をズルズルと引きずられる。
「ほらシャンとしなっ!いつまでだらけてるの!ご飯が冷めちゃうでしょ!」
「うるせぇなぁ、んだよ、もう少し寝かせろ」
「何言ってんの!早起きは三文の徳って言うでしょ!ほらさっさとしな!」
三文の徳じゃねぇよ、三文の損だよ
大声を聞きつけたのか、各部屋からクリス、ペコリーヌ、マリューが目を擦りながら出て来た。
「もぅ朝からうるさいんだけどぉ?」
「おはようございま〜す、今日は早いですねぇ?ふわぁ……」
「リュウジ様、何の騒ぎですか……えっ?」
女性陣が目の当たりにしたのは、見知らぬ熟女に引きずられる俺だった。そして、熟女はクリス達にも食って掛る。
「なんだいあんた達、揃いも揃って!それにあんた!なんだいそのカッコは!?女の子がへそ出しで寝るんじゃないよ!風邪引いたらどうするんだい!」
ビターン!
熟女はクリスの腹を引っぱたく、クリスは痛みにより悲鳴を上げる。
「いったぁぁぁい!ちょ、誰この人!?」
「つべこべ言うんじゃないよ!ほらそっちのあんた!可愛い顔に目ヤニなんか付けて!ほら!こっち来な!」
「え?あっいやちょっと!」
熟女はペコリーヌを捕まえてハンカチを取り出し、ペッと唾を付けて顔を拭き始めた。ペコリーヌも断末魔の様な悲鳴を上げながら必死に抵抗した。
「ギャー!ちょっと!やめ、やめてください!くさっ!くさいです!」
「ほーら綺麗になった。さっ!朝ごはん食べちゃいな!片付けられないじゃない!。それにあんた!家の中にペット入れるんじゃないって何度言ったら分かるんだいこの子は!」
「え?私……ペット枠?」
「おい、ババア!どこの誰かは知らねぇが、こいつは愛くるしいペットに見えるけどペットじゃねぇ!こいつは」
俺はマリューの事を説明しようとした瞬間、ゴンとゲンコツをされた。
何このババァ、いきなりめちゃくちゃなんだけど!?
「生意気言うんじゃないよ!母ちゃん今から燃えるゴミ出して来るからね!」
バターン!と慌ただしく家を後にしたのを見届け、俺達は黙々と用意された朝飯を食べ始めた。
「ってか、待って!誰あの人!?」
「誰って……お母さんだろ?」
「リュウジくんのお母さんですか?リュウジくんのお母さんはパワフルですねぇ☆」
「リュウジ様のお母様でしたか!?後でご挨拶しなくてはなりませんね!」
「いやちげーし、俺のお母ちゃんあんなんじゃねぇし、もっとスレンダーで若いし。俺じゃなくてクリスのお母さんだろ?」
「あたしのお母さんでもないよ!っていうか何呑気に皆して黙々と食べてんのさぁ!」
クリスはテーブルをバンバン叩いて立ち上がり騒ぎ出す。
んじゃ誰だよあの人、ペコリーヌのお母さん?、いや違う、ペコリーヌのお母さんこと女王様はもっと若々しいし見た目全然違うし?
「とりあえず、戻ってきたら話を聞けば良いだけの話だろ?」
「それもそうですね!」
「ピンポイントでリュウジ様を狙ってきましたからね、おそらくリュウジ様の周りの重要人物かと思いますよ?」
「ねぇ!?なんでそんな軽い感じなの!?」
ワーキャー騒いでいると、先程の熟女が戻って来た。
「ご飯食べながらおしゃべりするんじゃないよ!」
「もう食い終わったっての、おふざけは終わりだ。アンタ何もんだ?」
「事と次第に寄っては容赦しませんよ?」
俺は椅子に座りながら真剣な眼差しで熟女を見つめ、問いただした。
マリュー、ペコリーヌは少し警戒して剣や爪を構えようと身構えると、熟女は俺たちの前まで歩いて来て座り始め答えた。
「何って……どっこらしょと、あたしゃお母さんだよドワーフの」
「ドワーフ!?ドワーフってちっさいおっさんじゃないの!?」
「ドワーフって個体じゃないですよね?種族ですよね!?」
「リュウジもマリューさんも何言ってるの?ドワーフ族にも女の人もいるんだよ?」
「ドワーフのお母さん……もしかして……」
ファンタジーあるあるが通じない俺と知識が混乱するマリューにツッコミを入れるクリスを他所に、ペコリーヌは心当たりがあるのか、首を傾げ始める。
「で?そのドワーフお母さんがなんで俺ん家でお母さんやってんの?そんで何他人の家のご飯食ってんの?」
「うちらの地元じゃ皆がお母さんやってんの、子供も皆の子供なの」
「いやいい事言ってる感じだけど、マジであんた何者?」
「あぁ!?」
風呂敷からタッパを取り出してオカズを片手にご飯をかき込む熟女をじっと見つめていたペコリーヌが大声を出した。俺やクリス、マリューはその声でビクッとなる。
「びっくりした〜」
「ペコリーヌ!?どうしたの!?」
「思い出しました!わたし!このお方、知ってます!」
「えぇ!?ペコリーヌ様!?ホントですか!?」
ペコリーヌは熟女の前に歩き出し、王族の挨拶を繰り出した。
「ご無沙汰しています、ドワーフ族、族長夫人様」
えっ?今……なんて?
俺、クリス、マリューは体をガタガタ震えさせながら慌てて跪く。
「しょっ処刑だけは勘弁して下さい」
「申し訳ございません!死刑だけは!死刑だけはご勘弁を!」
「ごめんなさい!生意気言ってごめんなさい!」
「あら!あんた、もしかして…ネフェリアさんとこの娘さんかいっ!?」
「はい、お気付きが遅くなりました。お元気そうで何よりです!」
「あたしこそ、綺麗な顔に唾付けちゃってごめんなさいねぇ〜!」
なんかいきなりフレンドリーなおばちゃんになった!?
「あの〜……盛り上がってる所申し訳ないんすけど?」
「あー、はいはい。なんでここに来たかって話だろ?あんた、アルダープの息子であるバルター坊っちゃんと親しいんだって?」
バルター!?
「えぇまぁ、バルター殿にリフォームに詳しいドワーフ族を紹介して欲しいと依頼してましたが……」
「まさか……」
「あはは、まさかね」
族長夫人は食器を片し、正座をして答えた。
「改めまして、今回お宅らの担当になりました、ドワーフ族の族長夫人ミキティーナ。気軽にミキティーとお呼びください」
「「「呼べるかっー!」」」
「やばいですね☆」
俺達は気持ちがひとつになったのか、ハモった。
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謎の熟女の正体がリフォーム担当のドワーフと知り、俺達は着替えてミキティーに物件を見学させた。ミキティーは中に入ると、あちこち見始める。
「あまりリフォームする必要無さそうだけど、何をして欲しいんだい?」
「それは、ここの主に聞いてみてくれますか?」
「なんだい、あんたじゃないのかい?」
俺はペコリーヌを見つめると、ペコリーヌはブーケを被せていたテーブルに手を置いた。
「わたしがここの主なんです」
「あらまっ!そうなのかい?」
「はい☆そして、このテーブルに似合うように改装したいんです!」
ペコリーヌはブーケを剥がし、昨日作ったテーブルを俺達に見せてくれた。たった半日でここまで作れるとは思ってもいなかった。俺は近付きテーブルに触れる。
なんということでしょう!
「すげぇ!1人でこれ作ったの!?すごくない!?」
「どうですか?これなら美味しくごはん食べられますよね!」
「ペコリーヌって器用だねぇ!」
「子供に丁度いい高さですし、流石ですね!」
俺達は純粋にペコリーヌを褒めるとペコリーヌは照れていた。
「いやぁ〜♪武者修行のたまものですよ☆」
「さすがはネフェリアさんとこの娘だね、んじゃ、さっそく取り掛かるかい?」
「あっ!わたしもお手伝いします!」
ペコリーヌとミキティーは作業に取り掛かった。
「あっんじゃ〜ミキティーさん。農場への地図を渡しとくので農場も任せて良いですか?俺は人材を探してこなきゃ行けないので」
「そうかい、ちゃちゃっと終わらしちゃうからそこに置いときな!」
地図を置いて俺とマリュー、クリスはギルドに向かった。目的はアルバイトの募集広告をルナさんに頼んで貼り出して貰う為である。俺はルナさんに声を掛けた。
「ルナさんこんちわ〜!」
「あらリュウジさん!何か御用ですか?」
「クエストボードに求人募集の紙貼っていいですか?」
「求人募集ですか?、はい、構いませんけど?」
クリスは何かを思い出したかの様に呟いた。
「そういえば、助手くんとアクア先輩もこうやってめぐみんさんとダクネスと出会う時、こうやって求人募集かけて集まったんだよねぇ」
あっそうなの?
俺はチラシを描き始め、給料を初めとする、雇用保険、社会保険、育児休暇、年金、税金の細々としたものを書き足し、クエストボードに貼った。
後は待つだけだな。
「さて、差し入れ買いながらペコリーヌの所に戻る?」
「そうですね」
「相手はドワーフのお偉いさんだからね、手ぶらで戻る訳には行かないよね」
そう言って俺達はクエストボードに貼ったチラシを拝みながらペコリーヌ達の元に戻って行った……。
数分後
どこからともなく現れた魔王軍幹部候補のキャルが先程まで居たリュウジのクエストボードに目を通した。
「ふ〜ん、求人募集か……何しようとしてんのかしらアイツ……」
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※キャル視点※
時は遡り、キャルは前回の巨大昆虫で暗殺を企てた後のことになる。キャルは暗殺が失敗した為、一旦エルロードにある高級ホテル、『コンチネンタル・ホテル・エルロード』の一室でダニエル、ウィックなどと話をしていた。
「また失敗したのですか?」
「そうよ!何よ?文句あんの?」
ジュースをグイッと飲み、コップを叩き付ける。ダニエルはソファーにくつろぎながらハンマーを摩り、ブギーマンのウィックは壁に寄り添いながらウィスキーを飲んでいた。ウィックはキャルに声を掛ける。
「貴様はモンスターを顎で使わないと戦えないのか?」
「はぁ?バカにしないでよ、あたしだって戦えるっつーの!」
「言葉使いの知らないお嬢さんですねぇ……」
ウィックは懐からダガーを抜き、それを見たキャルは杖を構える。
「何よっ!やろうっての?上等じゃない!」
「なら今すぐ殺してやる」
「ぶっ殺す!」
キャルとウィックは臨戦態勢を取ると、ダニエルが間に入る。
「落ち着きなさい、魔王軍同士で殺し合うなんてどうかしてますよ?」
「アンタ、邪魔しないでよ」
「こんな所で大暴れしたらエルロードの宰相でもある、ラグクラフトさんに叱られますよ?」
キャルにそう言い聞かせると、キャルは杖を下ろした。
それにつられてウィックもダガーを下ろす。
「命拾いしたな」
「ふんっ、感謝しなさいよね?」
「まぁまぁ、キャルさん?私に案があるのですが?」
「案?」
そう言うとダニエルはキャルを座らせて話し始めた……。
「鋼のリュウジ、サトウカズマが立ち上げたとされている冒険者集団、Adventuresのメンバーに加わりなさい」
「はぁ!?何言ってんの!?」
座って直ぐに聞いた途端キャルは立ち上がりドンとテーブルを叩く。
「冗談じゃないわ!なんであたしがあの頭のおかしい集団に入んなきゃないのよ!?」
「お待ちなさい、これも作戦のうちです。内部に潜入し、彼等の情報を我々に流して下さい。通信魔石を渡しておきます」
ダニエルは小さな魔石を取り出し、キャルに渡した。
「わっ分かったわよ…やるわよ!やればいいんでしょっ!?ふんっ!見てなさいよっ!ちゃちゃっと潜入して、鋼のリュウジとサトウカズマを殺してやるわっ!」
そう言い放ち、ダニエルからバッと通信魔石を奪い取り、ホテルから飛び出した。
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そう思い出したキャルはギルドの食堂のテーブルに座りながら考え込んでいると、ギルドに1人のエルフの女の子がやって来た。エルフの女の子はクエストボードを眺め、悩み始めた。
「ふむ、依頼主、鋼のリュウジ……この求人募集の広告の依頼主はおそらく、リュウジさまの事でしょうか?」
「こんにちは、何かお探しですか?」
クエストボードを眺めていたエルフの女の子にルナは話しかける。エルフの女の子は頭を下げ、答えた。
「こんにちは、初めまして。わたくしの名前は、コッコロと申します。わたくしは、鋼のリュウジさまをお探しになってるのですが?ご存知でしょうか?」
何よ、こんなちっこい子も鋼のリュウジに用があるのかしら?
そう思ったキャルは水を飲みながらコッコロとルナのやり取りを見つめる。ルナはコッコロと話し始める。
「リュウジさんのお知り合いですか?先程までここにいらしてたのですが、何やら忙しい様でしたね?お呼びしましょうか?」
「いえ、大丈夫です。どこに行ったかご存知でしょうか?」
コッコロに尋ねられたルナは考え込むと、思い出したかのようにパンと手を叩いた。
「そうですねぇ……あっ!リュウジさんの住所なら知ってますよ?、本来なら個人情報なのでお教えしないのですが、コッコロさんなら大丈夫そうですし、お教えしますね?」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
願ってもないチャンスね、鋼のリュウジの家を知れれば侵入も容易いわ、『ライトオブリフレクション』を使って暗殺も出来そうね……。
コッコロがお礼を言うと、ルナは紙とペンを持って来て、リュウジの住所を書いた紙をコッコロに手渡した。
「ありがとうございます。でわ、行ってみます」
「はい!気を付けて下さいね!」
チャンス!
コッコロはそのまま、ギルドを出てリュウジの家に向かって行った。見届けたキャルはコッコロの後をつける様に一定の距離を置いて尾行を始めた。
(ふふっ、いい機会だわ!このまま住処を特定して鋼のリュウジをぶっ殺してやる!)
クスクスとキャルは笑うと、コッコロはキャルの声が聞こえたのか後ろを振り返る。キャルは慌てて物陰に隠れて身を潜めた。
「声がしたのですが……気の所為でしょうか……?」
コッコロは首を傾げて再び歩き始める。
(あっぶなぁっ!見つかる所だった!バレてない……わよね?)
キャルはコッコロの様子を伺い、尾行を続けた。コッコロはメモを片手にキョロキョロしていると、コッコロはお菓子屋さんを見つめ始めた。
「手ぶらで挨拶をするのも失礼でしょうね、ネフェリアさまもご一緒でしょうから、お菓子でも買っていきましょうか」
そう考えたコッコロはお菓子屋に入って行った。
「お菓子屋なんかに入ってどうするつもりかしら?」
キャルがしばらく様子を伺っていると、コッコロは店から出て来て再び歩き始めた。キャルは再び尾行を始める。
(お菓子なんてどうするのかしら?まさか、あの量を1人で食べる気!?)
しばらくすると、コッコロは遂にリュウジの家に辿り着いた。尾行をしていたキャルは数メートル離れた場所から様子を伺う。
ようやく着いたわね……ここが鋼のリュウジの寝床ね?ふふっ、遂に突き止めたわよ!
コッコロはドアをノックする。
「ごめん下さいまし、リュウジさまはご在宅でしょうか?」
(さぁ、出て来なさい!鋼のリュウジ!!)
キャルは身構えると……鋼のリュウジは出て来なかった。むしろ、誰も出て来ない。コッコロは首を傾げた。
(あれ?…………出て来ないわね?)
「ふむ……留守なのでしょうか……?」
(何よ留守じゃないのよ!?ったくタイミング悪いわねぇ!)
「仕方ありませんね、行き違いになると大変なのでここで待ちますか」
コッコロは玄関の近くに座り込み、リュウジの帰りを待つ事にして、キャルは張り込みを続けた。
「なかなか帰って来ないわねぇ……お腹すいちゃったわ〜」
数分後、コッコロは変わった格好を女の子に声を掛けられた。
その女の子は牛のような被り物をしていた。
「んお?お嬢ちゃん、ここで何してるべさ?」
「あなたさまは?」
ん?なんかまた増えたわね…何かしらあれ、牛?の被り物なのかしら?
キャルは1人増えたのを確認し、様子を伺う。
それを他所に牛の被り物をしている女の子はコッコロと話し始めた。
「オラか?オラはマヒルっていうべ!」
「わたくしは、コッコロと申します、マヒルさまもリュウジさまの求人募集を拝見なさったのですか?」
「コッコロかぁ〜、んじゃ、コロコロと呼ぶべさ♪」
「あっ、はい」
マヒルと名乗った女の子は頷き、経緯を語った。
「んだ!オラの実家は牧場やってるんだけどもな?自立する為にこの街に来ただよ!コロコロはこの街の人なんだべか?」
「いえ、わたくしも自立する為にエルフの森からやって来ました」
「ほえー!そんなに小さいのに偉いべ!」
「いえ、それ程では……」
コッコロとマヒルが盛り上がっていると、求人募集の依頼をしていたリュウジがようやく帰って来た。リュウジ達はコッコロを見た瞬間、コッコロに声を掛ける。
「あれ?コッコロちゃん?」
「あっ!ホントですね!コッコロちゃ〜ん!オイッス〜☆」
「ん?リュウジ、知り合いなの?」
「あらあら、可愛らしい方ですね!」
「リュウジさま、ネフェリアさま。おかえりなさいませ!」
コッコロは俺を見た途端、頭を下げて挨拶をした。頭を下げた瞬間、マヒルが見えたので俺はコッコロに訪ねた。
「ん?コッコロちゃん、その子は?」
「あっ、この方は、先程知り合いになりました。マヒルさまです」
コッコロにそう促されるとマヒルはペコッと俺に頭を下げ、自己紹介を始めた。
「お初にお目にかかりますだ!鋼のあんちゃん!オラはマヒル、クラスはランサーだべ!以後どうかご贔屓に♪」
「あっこれはご丁寧に、それで?俺に何か用かな?」
俺はコッコロとマヒルに訪ねると、2人は同時に答えた。
「はい、実は先程冒険者ギルドにて、リュウジさまの依頼を拝見しました」
「んだ!オラも冒険者ギルドで広告を見て来ただよ♪」
「あっ!んじゃもしかして、アルバイトの件で来てくれたの?」
「はい」
「んだ!」
マヒルとコッコロが答えると、クリスとペコリーヌは嬉しそうに近付く。
「早速来てくれたんだね!ありがとう!」
「コッコロちゃん、来てくれてありがとうございます♪」
「んじゃ、中で色々話すから2人とも上がって?」
「はい!」
「了解だべさ!」
俺はコッコロとマヒルを家に招き入れた。
それをキャルはギリっと歯を食いしばりながらリュウジを睨み付ける。
(何よ……和気あいあいとしちゃってさ、今に見てなさいよ!鋼のリュウジ!!)
俺は視線を感じて首をグルっとさせて、外を向いた、キャルは慌てて隠れて俺から身を隠した。それを見ていたマリューは俺に尋ねる。
「リュウジ様?どうしました?」
「いや……なんか視線っていうか、殺気を感じた」
「えっ?……誰も居ませんよ?気の所為じゃないですか?」
「そうかもな、疲れてるのかもな」
俺とマリューは家の中に入って行き、コッコロ達と話し始めた。身を隠していたキャルも再び現れ、鋼のリュウジを確認した。
「鋼のリュウジの寝床も分かったし、今日はこの辺で帰ろうかしら……お腹すいたし」
そう呟いて、キャルは暗闇の中に消えて行った。
次回更新を機に第3章を終了させます!