マヒルとコッコロを家に招き入れ、夕食を食べ終えたその後。リビングに通した俺達は2人と面接をする事にした。コッコロに関しては知ってるが知らない部分もあるだろうと思い、形だけでもと面接を始めた。面接をするのは俺、ペコリーヌ、クリス、3人は2人と向かい合って座り始める。
俺はコッコロとマヒルに声を掛けた。
「えーっと、まずはアルバイトの募集を見て来てくれてありがとうございます。改めまして、Adventuresリュウジ組のリーダーのフクヤマリュウジです!よろしくお願いします!」
「オイッス〜☆、リュウジ組の前衛、子供食堂を任されています!お腹ペコペコのペコリーヌと呼んでくださいね♪」
「初めまして!リュウジの相棒をしてるクリスだよ♪クラスは盗賊だよ」
3人は三者多様にコッコロとマヒルへ挨拶を交わした。マヒルとコッコロも返す様に頭を下げる。
うん、コッコロちゃんもマヒルちゃんも礼儀正しいな。
「早速なんだけど、2人とも、冒険者カードとかあるかな?」
「あっはい。こちらです」
俺はコッコロとマヒルの冒険者カードを受け取り見詰めた。
コッコロちゃんはよく知ってる。プリーストのスキル『ターンアンデット』『ヒール』など、浄化魔法と回復魔法を習得しているな……。マヒルちゃんは……なんだろう?東方地方っぽい訛りだな。実家が田舎なのだろうか?ランサー系統のスキルを習得しているな。
2人に冒険者カードを返し、俺はアルバイトの求人について求人募集のチラシを見せながら2人に教え始めた。
「まず、求人募集は2ヶ所あるんだ。1つは子供食堂、2つ目は町外れに建設中の農場なんだ」
「ふむ……なるほど、ならわたくしは子供食堂の方を希望します」
「ならオラは農場の方を希望するべ!」
「了解。給料は日給がいい?月給が良い?」
「「月給でお願いします(だ)」」
「はいはい」
2人の希望を細かくノートに記入する。そして、マリューに声をかけた。
「マリュー、そこの棚にある契約書持って来て」
「はい……コチラですか?」
「うん、そうそう」
マリューから書類を受け取り、コッコロとマヒルに渡した。
「その契約書は雇用契約、それにサインしてくれればアルバイトとして成立するんだよ」
「なるほど、分かりました。」
「了解だべ!」
「それと……俺は2足のわらじで冒険者集団Adventuresとしても活動してるんだけど、どうだろうか?2人ともAdventuresに入らないか?」
それを聞いたクリスとマリューは俺に食ってかかる。
「ちょっとリュウジ!こんな小さな女の子達を戦わせようっての!?」
「そうですよ!コッコロ様はまだ11歳の子供ですよ!?何考えてるんですか!?」
「いででで!ちっ違う!サポートとしてだよ!回復サポートとして!」
「確かに、コッコロちゃんならサポートとしての素質はありますね♪」
4人が揉めていると、マヒルが手を挙げた。
「あの、オラは一応20歳なんだけども……」
ピタッと止まり、バッとマヒルの方を見る。
「えっ!?そうなの!?」
「あっごめんね!見た目があまりにもコッコロちゃんと変わらなかったから……あはは……」
「しっ失礼しました、マヒル様!」
「マヒルちゃん可愛らしいですね!やばいですね☆」
「それでどうかな?戦闘は俺達がやるから、回復などのサポートをしてくれるととても助かるんだけど〜?」
入ってくれるかなぁ〜?
気まずそうに尋ねると、コッコロとマヒルは笑顔で答えた。
「お気になさらず、わたくしも戦えます。こちらこそ、わたくしをAdventuresのメンバーに加えて下さいまし」
「オラも戦えるから問題ねぇだよ!オラもまぜてけろ!」
2人の言葉を聞いた俺はホッと胸を撫で下ろす。
良かった〜、2人が入ってくれれば留守中もトラブルを対処出来る!
「ありがとう、2人とも、んじゃ明日他のAdventuresのメンバーに紹介するよ、今日はもう遅いからここに泊まると良いよ”最後の空き部屋”があるからそこを使ってくれ」
「なら、コッコロちゃんはわたしと一緒に寝ますか?」
「いえ、そんなネフェリアさまと一緒だなんて……」
そう言ってコッコロは首をブンブン振って遠慮していた。
そっか、コッコロの中ではエルフの第一王女様なんだな……
さて、どうしたもんかねぇ
だが、ネフェリアことペコリーヌはコッコロに近づき、優しく声を掛ける。
「コッコロちゃん、今のわたしはエルフの第一王女ではなく、ルーンナイトのお腹ペコペコのペコリーヌです。なので、コッコロちゃんも1人の冒険者として接して下さいね♪」
ペコリーヌにそう言われたコッコロは納得したのか、小さく頷いた。
「はっはい……でわ、これからは、お腹ペコペコのペコリーヌさまとお呼びしますね」
「はい☆そうして下さいね!」
「んじゃ、コッコロちゃんはペコリーヌの部屋、マヒルさんは空き部屋に案内するね!」
「ありがとな、クリスちゃん」
2人は案内されて部屋に入って行くのを見届け、マリューはコーヒーを運んで来て、俺はネクタイを緩めて背伸びをした。
「んぁ〜!っと……疲れたぁ、俺も休むかぁ」
「そうですねぇ、そのうちゆっくり温泉でも入りたいですねぇ」
「何が悲しくてめぇと温泉入らなきゃねぇんだよ!」
「相棒に向かってなんですか!?その言い草は!?前の世界では海にだって連れてってくれたじゃないですか!」
いや、あの時入ってねぇじゃん!
「お前が鎧になったせいで、入れなかったけどな?」
「私を吸収したリュウジ様が悪いんじゃないですか!」
「何を!?」
「なんですか!?事実じゃないですか!」
過去の話を切り出して不満を吐き出す2人、そのまま至近距離で睨み合う。俺は眉毛を寄せて歯をギリギリさせながら怒りを露にし。マリューは口元を引きつらせていた。だが、次第にお互いニヤリと笑い出した。
「まぁでも、お前が居てくれたからあの時は戦えたからな」
「貴方がいなかったらこんな楽しい生活送れませんでしたよ。けど、一応謝っておきますね?」
「有難い言葉だな、相棒」
「そろそろ休みませんか?明日に備えませんと」
「そうだな、そろそろ寝るか」
────────────────────────
翌朝、朝日がまだ登らない時間帯に俺はエリスの服装をしたクリスに起こされた。
「リュウジ、リュウジ、起きて?」
「んあ?……なんだよクリス……?エリス……?、どっちでもいいや、一緒には寝ねぇぞ?」
「違うよ!何言ってんのさ、天界に行ってくるだけだよ」
俺はその言葉を聞いて目を擦りながらムクリと起き上がった。
あー、今日から行くのか……
「見つからない様に朝早く行く為か、ふわぁ〜あ」
「疲れてるのに起こしてごめんね?、天界で仕事が溜まり始めたからそろそろ戻って処理しなきゃ行けないの、だからいつ帰ってくるか分からないからさ」
「はいはい……お疲れ様っす……」
「うん、上から時々キミを覗くからね?」
「はい、ご自由にどー」
クリスは突然ハグをして来た、それにより俺は目を覚ます。
「びっくりした〜、やめろよそんな格好で」
「あはは、日頃頑張ってるからちょっとしたお礼だよ!」
「良いから離れろよ、ダメだってば魔王と女神がくっ付いたら」
「今は人間でしょ」
「人間でもダメ」
やめてくれ!心臓のドキドキが聞こえそうだから!
無理矢理クリスを引き剥がすと、クリスは離れた。
「そうかなぁ?気にしないよ?」
「ダメなもんはダメなの、ほら、さっさと行け!」
「もう!……でわ、鋼のリュウジさん?行ってきますね?」
「はーい」
クリスはエリスの姿に変え、指パッチンをして天界に向かって行った。
それを見届けた俺は再びベットに潜り込んだ。
そして、朝日が登り、アクセルの街に朝がやって来た。俺は支度を整えると、ペコリーヌ達も部屋から出て来た。
「おはよう、みんな」
「おはようございます☆リュウジくん!」
「おはようございます、リュウジさま」
「おはよう、リュウジのあんちゃん!」
「おはようございます、皆さん揃いましたね?クリス様は訳あって留守にしてるので、我々だけでAdventuresのメンバーの元に向かいましょう」
「マリューはミツルギ達やウィズをカズマの屋敷に呼んでくれ、俺がコッコロちゃん達を連れて行くから」
「かしこまりました」
「んじゃ、コッコロちゃん、マヒルちゃん行こうか?」
そう促されるとコッコロとマヒルは頷き、カズマの家に向かった。
────────────────────────
俺達はカズマの屋敷にたどり着き、ソファーでくつろいでいたカズマに声を掛けた。
「うぃーっす、カズマ〜?」
「おぅ、リュウジじゃないか?どうしたんだ?」
「珍しいな、お前が起きてるなんて?」
「ああ、ウィズの店に出すライターを作らなきゃないからな、早起きしてたんだ」
「そうか、紹介したい子がいるんだ。他の奴らは?」
「アクア達はヒヨコの世話してて、ダクネスとめぐみんも巻き込まれてる」
大変だなぁ、家畜の世話してるなんて……
「まぁいいや、呼んできてくれるか?」
「おう、そろそろ戻ってくる──」
「小腹すいたー!カズマさーん!カズマ〜?おやつはクッキー!クッキー作って〜!」
「アクア?まずは手洗いが先ですよ?」
「紅茶を用意してやるからリビングで待って──」
そう言いながらアクア達がリビングに入って来た、大世帯になった人数を見た途端アクアは尋ねてくる。
「あらリュウジ、こんなに人連れて来てどうしたの?入信!?」
「おはようございます、リュウジ。おや?見ない顔の方も居ますね?」
「新メンバーか?ならそこに座るといい」
「後でミツルギとウィズも来るから」
「はぁ!?なんで私達の家にナメクジリッチーまで呼ぶのよ!アンデッド臭くなるじゃない!」
「仕方ないだろ?、ほら、高級シュワシュワやるから大人しくしてろ」
そう言いながら俺はアクアに手土産である高級シュワシュワを手渡した。アクアは受け取ると子供のように喜び始めた。
「あら!お供えね?なによ、リュウジったらツンデレなのね?素直じゃないわねぇ、とりあえず少しの間だけならウィズを家に入れる事を許可するわ!」
その言葉を聞いたカズマがアクアに絡み始めた。
あーもう、なんでこうなるかな!?
「おい、駄女神、なんでお前の許可が必要なんだよ」
「なんでって?ここは私の家なんだもの当然じゃない!」
「このくそビッチが!ロクに働きもしねえで偉そうにすんなっ!」
「なによ!クソニート!謝って!今の言葉に対して謝ってちょうだい!」
「話し進まねぇから静かにしろ!」
キャーキャー喚き散らすカズマチームを宥めると、ミツルギチームとウィズがやって来た。
「みなさん、おはようございます!」
「みんな、おはよう」
「おはようございますアクア様!」
「おっおはようございます!めぐみん!後で勝負よ!」
「おっおっおっ、お花大好き花子ちゃん!」
「こっちのチームは賑やかねぇ……」
よし、全員揃ったな?カオスになる前に本題に入ろう
「よし、ならみんな座ってくれ。コッコロちゃんとマヒルちゃんはここ」
俺は全員座らせてマヒルとコッコロを左右に立たせた。
「まず、この2人の紹介をしよう。こっちのエルフの女の子からな?さっ、コッコロちゃん、自己紹介を頼む」
「はい。了解しました」
コッコロは少し前に出て、深々と頭を下げ自己紹介を始めた。
「お初にお目にかかります。わたくしの名前はコッコロと申します、歳は11歳で、今後はリュウジさまのお店でアルバイト、またはAdventuresのサポートとして加わりますのでよろしくお願いいたします」
コッコロが自己紹介を終えると、カズマとミツルギが手を挙げた。
「おい、リュウジ?こんな若い子に戦闘させるのか?」
「そうだ、いくらなんでもそれは可哀想じゃないか?」
「いや、俺もそれは望んでないけど、あくまでも万が一の為だ。普段はアルバイト兼治療専門をしてもらう」
「そうか、俺はサトウカズマ、カズマって呼んでくれ。それと、コッコロのクラスはなんなんだ?」
「ボクはミツルギキョウヤ、ミツルギでもキョウヤでも構わないからね!」
カズマの質問にコッコロはテキパキと答える。
「はい、わたくしは回復魔法と浄化魔法、強化魔法を得意としたプリーストでございます」
「よし、採用!今後はウチのプリーストとして、頼むぞ!」
カズマが採用と行った途端、アクアが立ち上がってカズマに近付き話し始めた。
「やだ、カズマさんったら!こんな優秀なアークプリーストを捕まえて置きながら更にプリーストを採用するなんて心配性なのね!けど、大丈夫よ!女神である私がカズマさんが死なないように頑張るから!……ねぇ?なんでそんな捨て猫を見つめる様な顔をするの!?やめて!捨てないで!私を捨てないでよ!うわぁぁぁぁん! 」
「だまれ!駄女神!てめぇが女神らしい、サポートらしい回復支援をしないから俺にクビ宣言させるんだろうが!チェンジだチェンジ!コッコロちゃんと交換だ!」
「やめてぇ!私の存在意義を奪わないで!お願いだから捨てないでよ!」
「あっあの……」
急にアクアとカズマが揉め始めたのを目の当たりにしたコッコロがアクアを助けようと近付くと、アクアがコッコロに絡み始めた。
「何よあんた!、さてはエリス教の回し者ね!?セシリー!この不届き者を成敗するわよ!」
「はい!アクア様!さぁ、観念なさい!可愛いエルフのお嬢さん!許して欲しければ、私をお姉さんと呼ぶか、アクシズ教に入信するか、選ばせてあげるわ!さぁっ!呼びなさ──」
ゴンッ!と音を立てながらカズマがアクアとセシリーにゲンコツを繰り出した。
「子供相手になに本気になってんだこの邪教徒共め」
「いったい!殴ったわね!?」
「いたた……何をするのよカズマさん!この子は可愛い顔をしたエリス教徒なのよ!?」
「そーよ!そーよ!なによカズマったらこんな子庇ったりして、カズマったらホントにロリコンだったのね!?やだ気持ち悪い!さすがはロリニートね、プークスクス!」
「ロリコンじゃねぇし!」
頭が痛いよぉ……コッコロの顔が○×○みたいな顔になってるし
俺は深いため息を吐きながらコッコロを呼び戻し、座らせた。
「ごめんね、コッコロちゃん。こんなんばっかりで」
「いっいえ……大丈夫です」
「んじゃ、次はマヒルちゃんだ。マヒルちゃん、コッコロちゃんの様に自己紹介を頼むよ」
「え?ああっ……初めまして、オラはマヒルっていうべ!好きな物は芸人や面白い人で、クラスはランサーで中衛が得意だべさ。んだども、オラはリュウジのあんちゃんの元で働くからもし、困った事があったら声掛けてけろ!歳はこう見えて20歳だべ!」
マヒルが自己紹介を始めると、またアクアが絡み始める。
「はんっ!今度は髪色が被ってるじゃないのよ!リュウジったらどんだけ私を陥れたいの!?そしてあんた、芸人が好きなんですって!?宴会芸を極めた私を差し置いて笑っちゃうわ!プークスクス!」
「なっ!?オラの悪口は構わねぇけど、お笑いの悪口はゆるさねぇ!」
「何よ!ならお笑いで勝負する?お笑いに関しては私の右に出る──」
アクアが変顔をしながらマヒルに食って掛かるとまたカズマがゲンコツをした。
「いたっい!」
「次から次へとトラブル起こしやがってこの駄女神」
「だってぇ!かじゅま!?私の存在意義が危ういのよ!?どうするのよ!ヒロインの私が居なくなってもいいの!?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
俺とカズマは『えっ?お前ヒロインなの?』という顔をしながら見詰め合う。それを悟ったアクアはウィズにすがり泣きじゃくり始めた。
「うわぁぁぁぁん!聞いてよリッチー!この2人が私を陥れようとしてるのよ!?何とか言ってやってよ!うわぁぁぁぁん!」
「アッアクア様!?あのっ、ピリピリするんで、少し離れて下さい!」
「ウィズにまで見捨てられたァァァァァ!」
「ちょ、ダクネス、めぐみん。悪いけどこいつちょっと、別の部屋に連れてってくれないか?話が全然進まないから」
「そうだな。ほら、アクア?これ以上嫌われたくないなら向こうで紅茶でも飲んで待っていよう?」
「別にリュウジとカズマは本気でクビにしようとなんか思ってませんよ?長い付き合いなのですから?ほら、向こうであやとりでもして待っていましょう?」
「シュワシュワがいい……」
コイツ!!まぁいい、ほっとこう
「マヒルはお笑いが好きなのか、マヒルがお笑いを好きになったきっかけってなんなんだ?誰かに教わったのか?」
「子供頃、実家の近くに大道芸人のキャラバンがよく来ててな?その時に、せがんで見せてもらってたんだ」
「へぇ〜、例えばどんなの?」
「気になるよな?日本生まれの俺達は厳しいぞ?」
「ボクも気になるね、どんな芸人なのか」
何故かマヒルのネタ発表に切り替わった。マヒルも突然いわれ困っていた。
「えぇ!?今からだべか!?うーん、んじゃ、ちょっとだけな?」
───────漫談中───────
俺、カズマ、ミツルギはマヒルのネタを見せてもらったが、なんだろうか、何処で笑えば良いのかよく分からなかった。
「うーん、インパクトはあるんだけどね?」
「確かに、インパクトはある」
「インパクトはあるんどけど……」
(((お世辞にも、面白くない……)))
「うーん、なんだべなぁ?教えて貰った人のを真似したんだけども」
「なぁ、カズマ。多分お笑い芸人もこの世界に来てるよな?」
「ああ、恐らく売れない芸人にでも教わったな」
「ここはどうだろうか?ボクらでマヒルちゃんに教えないか?」
「アクアに芸達者の魔法かけてもらって……リュウジ、俺とやるか?」
「ああ、いいぞ?」
マヒルは目を輝かせながらグイグイ近付いて来る。
カズマと漫才か〜、どんなネタが良いかなぁ……
考えながらペコリーヌと目が合った瞬間、閃いた。
「あっ……閃いた」
「お?なんだなんだ?」
「カズマ、コショコショ……」
俺はカズマとミツルギに耳打ちをした。
「2人でやるのかい?ボクはどうすればいい?」
「ミツルギはアレの役だ」
「なんだべか?なまら楽しみになって来たな!」
「リュウジくんとカズマさんの漫才ですか?やばいですね♪」
「キョウヤもやるのかしら?気になるわね?」
俺とカズマ、ミツルギはアクアに『ヴァーサタイル・エンターテイナー』を唱えて貰い、アクア達を連れて来てマヒルのいるリビングに戻って行った。
「んじゃ、マヒルちゃん!俺とカズマで漫才を見せるから参考にして見てね?」
「なんまら楽しみだべ!」
俺とカズマは打ち合わせをして、漫才を始めた。
役割は、俺がボケで、カズマがツッコミだ。
レッツゴゴゴゴゴゴー!オッオー!オッオー♪(ミツルギ役)
「はいどーもー!よろしくお願いいたしまーす!」
「お願いしまーす!」
「カズマカズマ、俺最近新しい能力を手に入れたんだよ」
「新しい能力?どんな能力なんだ?」
「世の中のありとあらゆる物を太らせるって力」
「はぁ?なにその能力!?」
「すっごい力だから!なんならカズマ、頭に浮かんだ言葉を出してみて」
「えっ?なんでもいいの?……『洗剤』!」
「『ぜんざい』!見たいな?」
「怖い怖い怖い!何それ!?」
女の子達は見続けていると徐々にニヤけて来ていた。ゆんゆんとアオイに関しては顔を赤らめてプルプル震え始めていた。勢いが付いた俺とカズマは更にギアを上げる。
「どう?凄いでしょ?」
「凄くねぇよ!アクア、めぐみん!拍手をするな!」
「すげーじゃん、洗剤が太ってぜんざいに変わったんだよ?」
「『半袖短パン』!」
「『あんこでパンパン』!」
「なんだよ!あんこでパンパンって!」
「もっと難しい言葉でもいいぞ?なんなら他の子らにも頼んでみる?」
「なら……ダクネス!なんかワード頂戴」
カズマはダクネスにネタを振った。
「わっ私か!?え〜っと……『勇姿』!」
「『牛脂』!」
「それ肉屋で唯一タダの奴じゃねぇか!」
「牛脂は焼肉のタレで焼くと美味いぞ♪」
「貧乏くせぇよ!めぐみん!メモをとるな!ペコリーヌ!籠もってどこ行く!!」
「ほらほら、もっと頂戴よ!」
俺は横目でマヒルをチラッと見ると、腹を抱えて大笑いしていた。
「んじゃ、次はメリッサ!なんかお題出してくれ!」
「そうねぇ〜、『武器6つ』」
「『ハツ、ミノ、タン、バラ、モモ、肩』」
「それ『部位6つ』じゃん!」
「簡単だよ、もっと難しい言葉を寄越せよ!」
「ならことわざでも良いか?こう見えて多少知識はあんだぜ?」
「おお、いいよ?」
「『三つ子の魂百まで』」
「『食後の楽しみカツカレー』」
「食ったばっかりじゃねぇか!」
カズマがツッコミを入れた瞬間、ゆんゆんとアオイ、メリッサは吹き出しながら爆笑し始めた。
ペコリーヌはなんというか、その手があったか!と言わんばかりにうんうんと頷いていた。
「『憎まれっ子世にはばかる』」
「『肉まん1個4人でほうばる』」
「地獄絵図だろ!」
「ほらほら次!次!」
「もっと難しいの行くぞ?『口は災いの元』」
「『グミは我輩のモノ』」
「お前はバニルかっ!?」
グミは我輩のモノと言った瞬間、口を抑えながらウィズがクスクスと笑い始めた。よしよし、こんなもんかな?
「「どーもあざっした〜」」
カズマと俺は漫才を終えると、アクアは悔しそうにしていた。
「やっやるわね、リュウジにカズマ、褒めてあげ……ぶふっ!」
「どう?マヒルちゃん、参考になったかな?」
「なまら参考になったべさ!あんがとな!リュウジにカズマ!」
「良いってことよ、マヒルはツッコミとボケ、どっちがやりやすいんだ?」
カズマの質問にマヒルは恥ずかしそうに答えた。
「えーっと、カズマのツッコミが気に入った!カズマ!オラとたまにで良いから漫才しねぇか?」
「まぁ、たまにならいいぞ?」
「ほんとだべか!?なら、オラはカズマのチームに入れてけろ!」
え!?マジ!?
「えっ!?ちょっとマヒルちゃん!?アルバイトは!?」
「もちろん、アルバイトはするつもりだ!」
「まぁ、やってくれるなら俺は構わないけど、カズマはどうなんだ?」
「まぁ、屋敷も空いてるし、牛乳とかチーズとか食いたいから構わねーぞ?冒険者としても中衛ポジションも欲しかったしな?」
「そうですね、ダクネスだけでは心もとないですし」
「おっおい!なぜ私が出てくるんだ!?」
「んじゃ、めぐめぐ、ダクダクもよろしくな!」
カズマは腕組みをしながら応える。ダクネスとめぐみんと打ち解けたマヒルを見て終始アクアは面白くなさそうにしていたが、カズマはそんな事はお構い無しにし事を進める。
「これで良かったのかな?」
「まぁまぁ、いいんじゃないですか?コッコロちゃんもマヒルちゃんも行き場所が出来たんですから!」
「そう?そうかな?不安だなぁ……」
こうして、Adventuresに新メンバー、プリーストのコッコロ、ランサーのマヒルが加わった。
漫才の元ネタはタイムマシーン3号のネタを参考にさせて頂きました。