最終話は、リトリリ&Adventuresコラボ企画です!
Adventures繋がりで【リトル・リリカル・アドベンチャーズ】とアニメ版8話をアレンジして尚且つアニメ版キャル登場も取り入れて見ました。
3章最終話なので長めに書きます。
アルバイト募集、物件のリフォーム、農場の建設計画が始まってから数日後。念願の子供食堂と農場がようやく完成した。俺達は完成した子供食堂を一目見る為にコッコロや途中出会したカズマを連れて食堂にやって来た。
おお……すげぇ、何か高級レストランっぽい!
入り口の傍には肩をトントンしながらミキティーが座っていたので俺は頭を下げた。
「お疲れ様でした。念願の子供食堂が完成して良かったです!」
「たいしたことないわよ、後で農場も見て来な!」
「はい!勿論です!」
「お前金に物言わせてこんなの作ってたのかよ!?」
「まぁな、子供達には腹いっぱい食わしてやりたいってのがあってさ」
「その言葉……すっごい深いんだけど……お前良い奴だな……」
切ない顔をしながら話しているとカズマが涙を流す。
借金まみれで大変だったみたいだしな、気持ちは分かってくれた見たいだ
感傷に浸っていると、ペコリーヌが布に包んだ板を持って来た。それに気付いた俺は首を傾げてペコリーヌに尋ねる。
「んあ?ペコリーヌ、それ何?」
「これですか?子供食堂ってだけじゃ味気ないので、名前を考えてたんですよ!」
「ほう、名前をねぇ?何て決めたの?」
「それはですねぇ……コレです!」
バッと布を取ると、その看板には【美食殿】と記されていた。
何これ!?ハイクオリティ!
俺とカズマ、コッコロは目を輝かせながら看板を見詰めた。
「すげぇじゃん!ペコリーヌ!いいじゃん美食殿!良いセンスしてると思うぞ!」
「おう!ペコリーヌにはピッタリじゃないか?」
「わたくしもそう思います!ペコリーヌさま!」
「ですよね!ですよね!やばいですね☆」
「んじゃ!さっそく付けますか!」
「はい!」
「カズマ、コッコロ、ちょっと手伝ってくれ」
「はい!勿論です!」
「しょうがねぇなぁ……」
もうちょいそっち!
ペコリーヌ!パンツ見えそう!
あっ!ちょっと!見ないで下さい!
お構いなく
ペコリーヌさまぁぁ!
大騒ぎしながら俺達が看板を取り付けている時、少し離れた場所からキャルが様子を伺っていた。
「あいつら何してんのかしら……、美食殿?新しいアジトかしら?」
キャルが様子を伺っていると、看板が取り付けられ、リュウジ達が騒ぎ始めていた。
「よしっ!これで……美食殿の完成だぁー!」
「ばんざーい☆ありがとうございますリュウジくん、カズマさん!コッコロちゃん!ミキティーさん!」
「たいしたことないわ、けどあんたら、こんな立派な店を潰したら許さないからね!」
「勿論です!なっ?ペコリーヌ?」
「はい!約束します!ここで、Adventuresの皆と街の子供達とご飯を食べれるように頑張ります♪」
「なら開店記念に美食殿にAdventuresを集めて宴会でもするか!」
「おっいいなそれ!」
「ナイスアイデアですね!リュウジくん!なら食材を調達しなきゃいけませんね♪」
調達か……ならたまにはカズマと2人でクエストでも行くか?
そう考えた俺はカズマに持ち掛けた。
「なぁカズマ?タダ飯タダ酒飲めるんだから、クエスト手伝ってくれよ、モンスターの素材で料理すれば経験値も貰えて一石二鳥だろ?」
「まぁ、リュウジも一緒だし……たまには男同士でクエストも悪くないな」
「なら話しは決まったな!ギルドに行ってクエストに行くべ」
「邪魔者のアクアもいないしな、楽ゲーの予感!」
「んじゃ、ペコリーヌ?俺とカズマで宴会の食材探しにクエスト行ってくるからコッコロちゃんと準備しててね?」
「分かりました!任せて下さい!」
「気を付けて行ってらっしゃいませ」
「ほんじゃ行ってくるわ〜、クエスト行く途中に農場も見て回ってくるから」
そう言い残し、俺とカズマは冒険者ギルドに向かって行った。
それを見ていたキャルはチャンスと見たのか、後を付けてくる。
(クエストに行くみたいね、上手く行けばサトウカズマ、鋼のリュウジを一度に殺せるじゃない!これはチャンスよ!)
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冒険者ギルドに辿り着くと、ギルドにはマヒルや、ミツルギチームが座って団欒を楽しんでいた。それに気付いた俺はマヒルに声を掛けた。
「あっ、マヒルちゃん丁度良かった!」
「あっ!鋼のあんちゃんにカズマでねぇか!どうしたんだ?」
「建設していた農場や食堂が出来たんだ、それで記念に宴会をしようかと思って食材探しにクエスト行く事になったんだよ。クエスト行く途中に農場を見て行こうと思ってな?途中までマヒルちゃんも一緒に行く?」
「ほんとだべか!?今すぐ行くべ!」
それを聞いたマヒルはガタッと立ち上がって俺に食い付いて来る。それを聞いたゆんゆんとアオイ、セシリーやメリッサも会話に加わってきた。
「遂に完成したんですね!私達もお手伝いしますよ!リュウジさん!」
「BB団の初仕事ですね!頑張ります!」
「ご飯なら付き合いますよ!」
「まぁ暇つぶしにはなるわね?キョウヤはどうするの?」
「じゃボクはカズマとリュウジと共に食材を探してくるよ、メリッサ達はペコリーヌさんの手伝いを頼む」
「分かったわ、ゆんゆん、アオイ、セシリー?行くわよ?」
「「はい!BB団!BB団!」」
鼻息を荒らげながらゆんゆんとアオイ、セシリーはメリッサに連れられて美食殿の方に向かって行った。マヒルも早く行きたくて仕方ないのか、うずうずしていた。
クエスト選ぶのに時間かかるだろうから……先に行かせるか。
「マヒルちゃん、先に行って見ててもいいよ?」
「良いんだべか!?」
「クエスト選ぶのに時間かかりそうだからね。農場で必要な物があったらリストを作って俺に寄越してくれる?」
「了解だべ!したらばオラ農場ば見てくるべさ!」
そう言い残しマヒルは猛ダッシュで農場に向かって行った。
さて、農場の見学は後回しにして……クエストなぁ……
Adventures各チームを代表する男達はクエストボードと睨み合いをしていた。
「なかなかねぇな……あっ!カズマカズマ」
「カズマです」
俺はカズマに1枚の高難易度クエストの紙に指を指した。
「これなんかどうだ!?『大目出鯛の漁を手伝って魚食べ放題』!腹いっぱい食えるし経験値メシウマ!」
「海まで遠いだろうが!却下だ!もっとこう楽して金にもなるクエストにしよーぜ?」
「カズマカズマ!」
「カズマだよ」
「これなんかどうだ!?」
今度はミツルギがカズマに別の1枚のクエスト紙に指を指す。
「【アクシズ教の石鹸と洗剤の訪問販売】のクエスト!!これならアクア様もお喜びに──」
「この駄女神信者がっ!食材探してんだよっ!」
「やべぇよ、クエストがねぇぞ!?」
「このままではアクアさ──ペコリーヌさんが悲しむ」
おい今なんか言わなかったか?
クエストボードに穴が空くほど睨んでいると、1枚の可愛らしい用紙を見付けた。俺達3人は手に取って内容を確認した。
「なになに?冒険者活動を教えて欲しい……?」
「なんだよこの子供じみた内容は……」
「報酬はお宝がいっぱいだよ……」
胡散臭い……
変なクエストを見つめていると、ルナの目に止まり声を掛けてきた。
「あっ、その張り紙”また”貼られていたんですね。すいません、今剥がしますね?」
また?
カズマ、俺、ミツルギは同時に首を傾げる。
ルナは貼り紙を手に取って説明してくれた。
「この貼り紙は正式に認可されたものではないんですよ、何度も見掛けては剥がしてるんですけど、こうしてまた貼られちゃうんですよ」
「なるほどねぇ……どうする?」
「どうするってたって、クエストがなきゃ食材も探せないだろ?」
「仕方ない、商業区で買い出しするしかないな」
ペコリーヌには悪いがそうするしがないなぁ……
「んじゃ、クエストは諦めて買い出しに行くか」
「そうだな、そうするか」
「クエストがなければ仕方ないし、そうしよう」
冒険者ギルドから出て商業区に向かおうとした時、見覚えのある女の子3人が何かを話していた。
「おーい、おいおいおいーい」
「泣かないでミソギ〜」
「諦めちゃダメだよ〜!」
「あっ」
「ん?リュウジ、あの子ら知ってるのか?」
「あっああ、エリス教が営んでる孤児院の子供達だ。ミソギ、ミミ、キョウカだ」
「可愛らしい子達じゃないか、何やら泣いている様だぞ?」
「お嬢ちゃん達、どうしたんだ?」
カズマがミソギ達に声をかけると、ミソギは泣き声をピタッと泣きやませてこちらをニヤニヤしながら見つめ始め、俺たちに向けてビシッと指を指した。
「にーちゃん、もしかしてそのクエストにご興味が?」
「やっぱり嘘泣きか!」
「嘘泣き!?」
「もしかして、このクエストの貼り紙もこの子達が!?」
ミツルギが先程の貼り紙を取り出すと、ミミが立ち上がってミツルギに近付いて来た。
「そうだよ?ミミたちがお願いしたの♪」
「ミソギ?そうなのか?」
「うん!そーだよにーちゃん!」
「エルフのお嬢ちゃん、詳しく聞かせてくれないか?」
「はい、分かりました」
俺達はちびっ子をギルドの食堂に連れて行き、ジュースを奢りながらクエストの貼り紙の事情を聞き始めた。事情はキョウカが説明してくれた。
「わたし達、冒険者の活動が何をするのか分からなくて冒険者活動を教えてくれる人を探してたんです」
「冒険者活動?俺達見たいな?」
「うん!そーだよ!」
「けど、どうして3人は冒険者になりたいんだい?」
ミツルギが3人に尋ねると、ミソギ達は顔を見合わせてキョウカが答えた。
「アクセルの街を守りたいからです!」
その言葉により、俺達は唖然としながら先程自分が言ってた言葉を思い出した。
楽して金になるクエストにしよーぜ?
腹いっぱい食えるし経験値メシウマー!
これならアクア様もお喜びになる!
苦笑いをしながら俺達は答える。
「そっそうなのかー、偉いなー」
「俺達もそうなんだぞ?なんてったってAdventuresだからな」
「そっそうそう!Adventuresだから!」
「ほんと〜!」
「にーちゃんカッコイイ!」
「2人ともはしゃぎ過ぎだよ!」
ほぼ棒読み状態で言い放つと、テンションの上がっている3人は目をキラキラ輝かせて来た。
キラキラして眩しい……心が痛い!
ミソギ達は俺に熱視線を送りながら頼んで来る。
「お願いにーちゃん、ミソギ達に冒険者活動を教えて?」
「えぇ……参ったなぁ〜」
俺が心を痛めていると、カズマが何を血迷ったのか真剣な眼差しをしてキョウカに答えた。
「んじゃ〜条件が1つある」
「え?なっ、なんですか……?」
「エルフのお嬢ちゃん、君はお兄さんって呼んでくれないのかい?」
「え?お兄さん?なっなんでですか!?えっと……おっ、お兄さん?」
「違う違う、もっとこう砕けた感じに」
「お兄……ちゃん……?」
「やります」
「へんたいさんです!ミミ!ミソギ!この人、へんたいさんです!へんたいふしんしゃさんです!離れて!」
キョウカはビクビクしながらミソギとミミを連れてカズマから離れた。
「ちょっとごめんね、ちょっとこのへんたいさんと話してくるね」
俺は慌ててカズマを引きずって壁にドンと拳をめり込ませながら追い詰め、ヒソヒソと話し始めた。
「お前何してんの?なんなの?鬼畜のカズマからジョブチェンジしてへんたいふしんしゃなの?」
「ちっちがう!お前こそっ!なんでお前だけにーちゃんって呼ばれてんだよ!?」
子供達の前で醜い争いを始めると、ミツルギも混ざり始めた。
流石は学級委員気質のミツルギ、頼りになるぜ
「そうだぞリュウジ!なんで君だけお兄ちゃんなんだ!」
へんたいふしんしゃさんが増えた!?
「面識あるからに決まってんだろうが、ちなみににーちゃんって呼んでるのはミソギだけだし!」
お兄ちゃん疑惑を晴らそうとしていると、お兄ちゃんと呼ばれたいカズマが提案を出した。
「ここは俺達お兄ちゃんが冒険者のイロハを教えてやろうぜ!」
「ボクもカズマの意見に賛成だ!冒険者活動を教えてあげよう!」
「ちょっと待てよ!食材の買い出しがあるし、行く暇がないだろ!?」
「このクエストでなんか見つかるかも知れないだろ?」
「可能性はゼロじゃない」
え?なんなのこの2人、普段は仲悪い癖になんで意気投合してんの!?
「はぁ…まぁ見知らぬ変な人に頼んだらなんか嫌だし、俺達でやるか」
「それでこそお兄ちゃんだ!」
「アクア達には黙っておこうぜ?こんな純粋無垢な子達にあんな奴ら一緒にしたら悪影響を及ぼすからな!」
否定出来ないなそれは……
俺は覚悟を決め、ミソギ達の元に戻って言い放つ。
「話しは決まった。俺達が教えてあげるから、明日また来てくれる?」
「ほんと〜!?」
「さすがにーちゃん!」
「ありがとうございます!」
さて……どうやって誤魔化そうか
俺が真剣になやんでいると、カズマが策があるのか、提案をして来た。
「よしっ、ここはペコリーヌ達には正直に言おう」
「え!?だって怒られるんじゃないか?」
「大丈夫だ、俺に……任せとけ」
いつになくカズマが頼もしい!?
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カズマの作戦の元、俺達は一度美食殿に戻る事にした。冷やかしに来たのかアクアやめぐみん、ダクネスと合流したメリッサ達がペコリーヌの指示に従いながら宴会の準備をしている。俺達はペコリーヌに声を掛けた。
「ペコリーヌさーん」
「おや?リュウジくん、随分早かったですね?」
「いや〜実は……」
「ペコリーヌ、それは俺が事情を説明する」
カズマは名演技よろしく、俳優になれるんじゃないかと言わんばかりにカズマは悔しそうな顔をしながら話し始めた。
「クエストを探して見たんだが……宴会にふさわしい食材のクエストが無かったんだ、すまんっ!」
「そっそうなんですか?、なら仕方ないですねぇ」
「明日、明日になれば新しいクエストが入るらしいんだ!受付のお姉さんに口利きして貰ったから宴会は明日まで待ってくれないか!?」
必死にペコリーヌに頼んでいると、めぐみんとアクアがヒソヒソと話し始めた。
「ねぇ、めぐみん?あの顔は嘘ついてる顔よね?」
「そうですね、何かやましい事を企んでるに決まってます」
カズマの迫真な演技を目の当たりにしたペコリーヌは俺をチラッと見た。悟ったのか、俺にニコッと笑顔を見せるとペコリーヌはこう言い放った。
「分かりました!食材が手に入ったらにしましょう♪」
「ホントか?言い出しっぺなのにごめんなぁ〜」
「もう夕方だし、一旦帰ろうぜ?カズマ、ミツルギは俺ん家に来いよ?」
「おう、分かった!」
「了解した!」
宴会の準備を一旦取り止め、その日は解散となった。だがその晩、俺達は部屋に集まり、明日の作戦を考えていた。作戦内容は……【安全安心危険度の低いクエストルートを確保する】という議題に頭を悩ませていた。
遠足のルートを考える先生の気持ちが今分かった気がする……
カズマは寝ころびながら様々な地図を眺めていた。ミツルギはホワイトボードに危険要素があるスポットを書き記している。そして俺はクエスト報酬をいそいそと梱包していた。
「危険度の低くく尚且つ安心安全なルートなぁ……」
「崖や沼地は避けた方が良いな……」
「なぁ?報酬はお菓子でいいよな?ガチのお宝は早いよな?」
三者三様の試行錯誤をしながら1つの議題に辿り着いた。それを切り出したのは誰でも無いカズマだった。
「なぁ?あの子達3人で行かせるのか?」
「……あっ」
「確かに、ナビゲーターが必要かも知れないな」
「どうする?俺達が行ったらミソギ達の為にならないぞ?」
俺達は顔を合わせながら悩み始め、考え込み意見を出し合った。
「めぐみん」
「いや、モンスター見た途端爆裂魔法撃ってバタンキューだ。3人に運ばせる気か?」
「ゆんゆん」
「優秀だけど、緊張してそれどころじゃなくなりそう……」
「ペコリーヌ」
「うーん……楽々にクリアしそうじゃないか?」
「ダクネス」
「守るってのにはうってつけだけど、性癖が悪影響だ」
「セシリー」
「勧誘しそうだからダメ」
「マリューさんは?」
「モンスターだぞ?怖がってそれどころじゃねぇよ!」
激しい討論を繰り広げ、遂に結論に達した。
「「「アクア(様)か……」」」
そう結論が出た。確かにアクアはバカな上に、回復魔法と支援魔法しか頼りにならない。だがそんな奴だからこそあの子達のナビゲーターにふさわしい。
「あいつで大丈夫かなぁ……」
「一種の大博打だな」
「何を言ってるんだ!アクア様を信じよう!」
信じられないから心配なんですけどね!?保険を掛けておくか。
俺はカズマとミツルギに提案した。
「影で俺達がサポートしよう。もし、モンスターに襲われたら『狙撃』『魔法剣』『潜伏』を使ってこっそり助けよう」
「確かに、それが1番安全かもな」
「なら話しは決まったな!明日にそなえよう!」
3人は頷き、翌朝を迎えた。カズマは上手くおだててアクアをミソギ達のナビゲーターを任せる事に成功した。
カズマ曰くアクアはこう言い放ったそうだ「仕方ないわねっ!女神の私が小さい冒険者さん達を1人前にさせてあげるわ!」だそうだ……。
フラグが立っちゃいました。
俺達は待ち合わせの場所に行くと、ミソギ、ミミ、キョウカがきちんと並んで待っていた。アクアは自信満々にミソギ達に声を掛けた。それを見て尚更俺達は不安に駆られた。
「あなた達が冒険者のたまごね?私は女神アクア、今回あなた達のナビゲーターを務めることになりました。よろしくね?」
「よろしくお願いします!」
「よろしくお願いしまーす」
「アクアさんよろしくお願いします!」
元気よく挨拶をした3人は緊張しているのか、ソワソワしていた。俺達は緊張を解させる為に俺はカズマが作った地図を紙芝居の様に見せた。
「さて、今回君たちに依頼したいクエストは…コチラ!ジャカジャン!『森の奥に眠るお宝を探し出せ!』です!ルートはこの、ナビゲーターのアクアお姉さんが手伝ってくれるよ」
「「「おぉ〜!」」」
ミソギ達は目をキラキラさせて地図を見つめた。
それに加え、俺達は3人にルールを言い渡した。
「ただし!ルールは怪我をしないようにふざけないのが絶対!」
「こまめに休憩をとること!」
「1人で行動しない事!」
「それと、昨日言っておいた物は持って来たかな?」
「はい!」
キョウカが返事をすると、ミソギとミミもバックから様々な物を取り出した。
「水筒!」
「お弁当に!」
「おやつも持って来たよ♪」
「よしよし、んじゃ、アクアお姉さんと一緒にクエストスタート!」
「ふふんっ!任せておきなさい!女神である私がちゃんとナビゲーターをしてあげるわっ!大船に乗ったつもりでいなさいっ!」
その言葉を聞いたミソギ達は元気よく答えた。
「「「よろしくお願いします!アクアお姉さん!」」」
【企画クエスト・森の奥でお宝を見つけろ!】
軽い足取りでアクアを最後尾に置き、3人は出発して行った。不安を隠せない俺達は直ぐにバックアップに戻る為、離れて監視する事にした。
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出発して数分後、キョウカ達が地図を見て行き先を確認し始めていた。
「右かなぁ〜?」
「こっちだよこっち!」
「アクアお姉さん、どっちを進めばいいの?」
ミミがアクアに助けを求めると、得意気にアクアは答えた。
「こんなの簡単よ!こういう時はコレを使うのよ!」
そう言ってアクアは小枝を持って来て分かれ道の真ん中に立たせると、小枝は右に倒れた。
「コッチよ!」
色々問題が発生した。
俺達は小声でアクアに呼びかけた。
「おいっ!なんだその適当な教え方!?」
「初っ端から道間違えやがってあの駄女神っ!」
「あぁっ!アクア様……」
俺達の声も届くこと無く、鼻歌を歌いながら進んで行くその道中、ミミの肩に手のひらサイズの蜘蛛が肩に乗っかった。
「うわぁぁぁ!」
「どっどうしたの!?ミミ!?そんなに大声を出し──いやぁぁぁ!」
「なになに?うんちでも踏んじゃった──うわぁぁぁ!」
ミミ、キョウカ、アクアの前に蜘蛛の大群が現れ大パニックを起こした。ミソギは皆を落ち着かせる為に、1人で蜘蛛に立ち向かった。
「みっみんな!落ち着いて!こんなヤツ、ミソギがやっつけてやる!とりゃぁぁぁ!」
俺達は、ナビゲーターの人選を間違えたのかもしれない。
キョウカとミミはアクアに泣き付いた。アクアも母性に目覚めたのか、急に正気を取り戻した。
「だっ大丈夫よっ!ほらっ、ご覧なさい?あの子は戦ってるわ!2人とも、頑張って!」
「ミミ達も戦おう!」
「うっうん!」
「「とりゃぁぁぁ!」」
ミソギに勇気づけられたのか、ミミ達も参戦して蜘蛛を撃退し始めた。それを離れて応援しているナビゲーターアクア。その隙に、俺達はアクアにルート変更を促す。
「アクア!アクア!」
アクアは聞こえたのか、俺達の方を向いた。
俺達は必死にジェスチャーで伝えた。
「逆だよ逆!戻れ!」
「道間違えてる!戻れ!」
「逆、逆でございますアクア様っ!」
聞こえたのだろうか、手をポンと叩いた。
良かった〜、通じた!
蜘蛛を撃退したミミ達が戻って来た。
「アクアお姉さん!」
「ミミ達が魔物を退治したよー!」
「アクアお姉さん、次はどっち〜?」
ミソギに促されてアクアは地図を取り出して見つめた。アクアは悩み始め、ひっくり返したり、その逆さまにしたりして考え抜いた結果……。
「えーっと……こっ、こっちよ!」
見事に間違えました。
むしろモンスターがいる方向に指を指しています。それを目の当たりにした俺達は怒りを通り越して「やっぱりアクアだな」という結論を出し、会議を始めた。
「予想はしてたけど、これ以上は危険だ」
「人が考え抜いたルートをめちゃくちゃにしやがってあの駄女神ぃ!」
「どうするんだい?クエスト中止にするのかい?」
「いや、まだ手はある」
俺はカズマとミツルギに言い放ち、パチンと指パッチンをした。
「マリュー、出番だ」
「まさかホントに出番が来るとは思っていませんでしたけどね?」
俺が指パッチンをした瞬間、茂みの中からマリューがガサガサと現れた。
「マリュー!?」
「マリューさん、なぜあなたが!?」
「ゴールギリギリでマリューにモンスター役として八百長をしてもらうつもりだったんだ」
「なるほどな、それならあの子達も自信が付いて良い経験も出来る」
「それなのに……」
そう、それなのにアイツは……
「それでマリュー、先回りして行く手を阻んで正規ルートに誘導して来い、いいか?抵抗されても手は出すなよ?」
「分かりました、行ってきます!」
マリューは走って行き、子供達の行く道を先回りして待ち伏せし始めた。そして、ミソギ達が鼻歌を歌いながら茂みをかき分けて進むと、待ち伏せしていたマリューが立ちはだかった。
「ガオオオオオ!」
「「「「うわぁぁぁ魔物だぁぁぁぁぁ!」」」」
ミソギ達はガタガタ震えながら立ち尽くしていた。マリューは正規ルートに戻す為に喋り出した。
「この先はあぶねぇぞぉ!来た道をもどれぇぇ!戻らないと食べちゃうぞ〜!」
あいつが言うと冗談に聞こえねぇ…これで戻ってくれるだろ
「怖がってちゃダメだよ!」
「みんなで戦おう!」
「うん!」
「よく言ったわみんな!さぁ、やっちゃいなさい!『パワード』!」
あっあれ?むしろやる気出してる?
「くらぇ!コショウ爆弾!」
支援魔法を掛けてもらったミソギが先手をとってコショウたっぷりの煙玉をマリューの顔面に投げつけた。
「ギャァァァ!目がぁ!辛い!しみっしみるぅ!」
「ミミ!キョウカ!今だよ!」
「「とりゃぁぁぁ!」」
ミミとキョウカがドス!ドス!とマリューの頭に剣と杖を殴り付け、それによりマリューの頭にはコブが出来た。
何気に連携が取れてる!?
「いったぁぁ!ちょ、待っ待って────あっ!」
マリューは足を滑らせて崖から転落した。
嘘だろ!?手加減をしてるとはいえマリューが負けた!?
ミソギ達は勝利を確信し喜んだ。その後、マリューを救出し、ルート周辺の雑魚モンスターを3人で薙ぎ倒しながらミソギ達を追い掛けると、キョウカ達はお弁当を食べていた。
「はぁ……はぁ……しんどっ」
「駄女神のおかげで散々だ」
「剣の稽古よりハードだよこれは……」
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リュウジ達が木陰で隠れながら休んでいると、いつから尾行していたのかキャルが岩陰から覗いていた。
「全く、何をしてるのかと思ったら子供と探検ごっこ?呑気なものね、体力も減ってるようだし、殺すなら今がチャンスね……」
キャルがキョロキョロ辺りを見渡すと、小さな雛鳥がバタバタともがいていた。どうやら親鳥とはぐれた様だ。
「まぁ、これで充分よね?さぁ…大きくなりなさい『ジャイアント』!」
キャルが魔法を唱えると、雛鳥は巨大化して行き、大怪鳥になった。
「クワァァァァ!」
「さぁ、手始めにあの子供達を狙いなさい!」
キャルが大怪鳥に指示を出すと、大怪鳥は飛び立ちアクアを見た途端アクアを襲い始めた。大怪鳥はアクアをクチバシで挟み飛び立った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!ちょっと何よコイツ!?カズマさぁん!カズマさぁん!助けてぇぇえ!」
アクアの悲鳴が聞こえた俺達は空を見上げると、巨大な怪鳥はアクアを咥えて飛んでいた。近くにいたミミ達はアクアを追い掛けていた。
「なんだあのデカい鳥は!?」
「あんな鳥今までどこにいたんだ!?」
「とにかく、後を追わなくてはアクア様が!!」
「コラー!アクアお姉さんを返せー!」
「キョウカちゃん、焚き火を消さなきゃ!」
「ちょっと待っててミミ!『クリエイト・ウォーター』!!」
キョウカは焚き火を消火してミソギを追いかけて行く。着いた先には巨大な枯れ木の中に怪鳥は陣取ってアクアを巣のようなスペースに置かれており、泣き喚いてた。
「わだじ女神なのにぃ!うわぁぁぁぁぁん!わだじだべでもおじくない゛!!」
「アクアお姉さーん!」
「クワァァァァ!」
大怪鳥は駆け付けたミソギ達を見つけ、襲いかかり始めた。翼を羽ばたかせ風圧でミミ達を転ばせ怯ませた。
「怖いよぉ……」
「みんなで力を合わせてお姉さんを助けよう!」
「うん!」
3人は戦闘態勢をとって大怪鳥に向かって攻撃を仕掛けた。
「『トリックボマー』!」
「『うさぎさんスラッシュ』!」
「『クリエイト・ウォーター』!」
3人の同時攻撃は大怪鳥に向かって行ったが、大怪鳥は翼を羽ばたかせ風圧で吹き飛ばした。その風圧で3人も吹き飛ばされ、気絶した。爆発音を聞き付け遅れてやって来た俺達は枯れ木の中に駆け込むと、大怪鳥は3人を突っつこうとしていた。
それを目の当たりにしたカズマとミツルギは我を忘れて怒鳴り散らした。
「おいゴラァァ!何してんだ鳥いいぃ!」
「その子達から離れろ!切り刻むぞ!コラァァ!」
ちょっとまって、2人ともキャラ崩壊なんだけど?
「とにかくまぁいい、3人は気絶してる、さっさと片付けるぞ!」
「おう!援護は任せろ!2人は突っ込め!」
カズマは弓を構え大怪鳥の翼に向けて矢を放った。
「『狙撃!狙撃!狙撃!』!」
「『魔法剣・裂空斬』」
「はぁぁぁぁぁ!!」
ストンッ!とカズマの放った矢は翼に命中し、失速した隙を突いてミツルギの魔法剣の斬撃は胸を切り裂き、俺の拳は顔面をとらえて枯れ木を突き破って外まで吹っ飛ばした。
「くそ鶏が、焼き鳥にしてやろうか!?」
「なぁ?宴会の食材コイツで良いんじゃないか?」
「そうだな、唐揚げ、焼き鳥、照り焼きチキンが作れるぞ!」
数分後、気絶したアクアやミソギ達が目を覚ました。何事も無かった様に俺達はミソギ達に声を掛けた
「クエスト達成おめでとう!」
「え?にーちゃん、どういうこと?」
「あのバケモノを倒したのは、ミソギ達だろ?」
俺は穴の空いた方を指す。
「あれって」
「わたし達が?」
「やっつけたんだよ!」
「「「やったぁぁぁ!」」」
ミソギ達は大はしゃぎしながら喜んだ。俺達は何食わぬ顔でミソギ達を褒めた。
「もう教えることはないっ!」
「あんなモンスターを倒すなんて凄いな!」
「とにかく、おめでとう!報酬はコレだ!」
俺はマリューに隠して置いた宝箱を持って来て貰っており、それをミソギ達に差し出した。
「うわぁ!お菓子がいっぱい!」
「やったぁぁぁ!」
ミソギとミミがお菓子の宝箱を喜んでいる隙に、キョウカが近付いて来てヒソヒソと話してくれた。
「このクエスト、みなさんがお芝居をしてくれたんですよね?」
勘が鋭い子だな!
「あはは、バレてたか」
「ありがとうございます。この事は、2人には内緒にしておきますね!」
「子供が生意気いうんじゃねぇよ」
「アクア様、無事ですか!?」
「女神なのに、私女神なのにぃ……」
「アクアお姉さんもありがとうございます、とても勉強になりました」
キョウカは何もしていないアクアにすらお礼をする。キョウカはアクアも仕掛け人と思ったのだろう
残念、彼女は天然だ。
「よしっ、あの鶏を持って帰って宴会の食材にしよーぜ?」
「にーちゃん、手伝うよ!」
「ミミも!」
「わたしも手伝います!」
俺達は、大怪鳥を持って帰ろうと思い、吹っ飛ばした所に行ってみると……猫の獣人の女の子が下敷きになっていた。
リトリリは尊い。
え?アイリス?あっ……