カズマの屋敷に向かった俺とキャルは、カズマの屋敷のドアをノックすると、旅行荷物を持ったカズマが出て来た。
「おいっす、今日はよろしくな?」
「お?ペコリーヌ達は?」
「ペコリーヌ達は美食殿があるから不参加だぞ?」
「ちっ」
ん?今なんか……ちって
「カズマ?いま「ちっ」って言った?」
「言ってない」
「言ったわよ!あたしだって聞いたんだから!」
「言ってません」
子供かっ!
「まぁいいや。で?アイツらは?まさか今日が楽しみで昨日眠れなかったとかないよな?」
「…………」
「小学校の修学旅行じゃねぇんだぞ!?」
カズマは頭を抱えながら愚痴をこぼす。
「それなのにお前は早いんだな、どっか行くのか?」
「ああ、ちょっとウィズの所に用があってな?」
ウィズの所に?丁度良かった、俺もバニルに”聞きたい”事があったし
「俺もついて行って良いか?」
「ああ、良いぞ?」
「キャルはどうする?アクア達と行くか?」
俺はキャルに尋ねると、キャルは慌てて応える。
「あっ、いや、あたしはアクア達と一緒に行くわ!」
(やっばぁ!、正式幹部のウィズでしょ!?あんなバケモノ相手になんて無理だしぃ!)
「そっそうか?、なら遅れないで来いよ?」
「大丈夫よっ!早く行きなさいよっ!」
「おっおう……」
キャルにそう促され、俺とカズマはウィズの店に向かった。俺達は辿り着くと朝早くから営業中のウィズの店のドアを開けた。
「へいらっしゃい!……おや?巨乳のエルフの女体が拝めないと悔しがった小僧に、どうやって女風呂を覗こうか密かに計画を立てているヘボ魔王よ。こんな朝っぱらからどうしたのだ?店主なら、我が仕置き光線で奥で焦げている。勝手に会いに行くが良い」
「ウィズゥゥゥゥ!!」
俺は慌てながらこんがりウィズに駆け寄り、頭を撫でて介抱する。それを後目にバニルは何かを箱詰めしていた。
「てめぇ……殺してやろうか……」
俺は久しぶりに右手に雷を纏わせて殺意を込めると、バニルはフンッと鼻息を荒らげて言い返して来た。
「待たんかこのたわけっ!このガラクタ店主を自由にしていたら、ちょっと目を離した隙にとんでもない物をまた勝手に仕入れよってこれによりまったく赤字を脱出出来ん。このままでは我輩の夢は夢のまた夢のさらに夢のまた夢だわっ!分かったらこの商品をさっさと買い取るがいいっ!」
「わーってるわ!幾らだ!?あん!?幾らだよ!」
「まてまて!最初に俺の用事を終わらせるから!」
俺とバニルが札束と商品を片手に言い合っていると、カズマが割って入り、仲裁する。
「俺達ちょっと温泉旅行に行く事になったんだよ。それでさ、商売の話なんだが、帰ってくるまで待ってて欲しいんだよ」
「なんだカズマ、お前も他になんか商売始めてたのか?」
「ああ、色々とな?」
「その事か。小僧のは未だ商品の生産ラインは調っておらん。ゆっくり羽を伸ばすなり、覗きの作戦を企てるなりしてくるが良い」
「「すすすすすする訳ねぇーし!?」」
目を右左に泳がせる2人のへんたいふしんしゃさん。
俺はバニルが片手に持っていた商品を指さして尋ねる。
「そんで?買い取って欲しいもんってそれだろ?何だよそれ、どーせそれがウィズがこんがりウィズになった原因なんだろ!?」
「ふむ、冒険者を悩ませるトイレ事情を解決してくれるものらしい。魔法で圧縮された簡易トイレである。用を足す際にプライバシーを守る為、消音まで出る水洗仕様だ」
俺とカズマは久しぶりに良商品を見た様な顔をして魔道具を見つめる。
「すげぇじゃん、今回はアタリじゃね?」
「確かに、超便利じゃないか」
よくよく考えると、俺達は女冒険者を連れてるし、トイレ事情とかその辺も考慮してあげないとなぁ……。
「ただ欠点は、消音用の音がデカすぎてモンスターを呼び寄せる事と、水を生成する機構が強力過ぎて辺りに水害を及ぼす事か。だが、ヘボ魔王はガラクタ店主の仕入れた物を全て買い取るという契約を我輩としている。さぁ今すぐ払うがいい!」
くそっ!余計な出費だっ!
「今払えば貴様が企てている覗き作戦は吉と出た」
「持ってけぇい!」
俺はドンッ!と札束をカウンターに叩きつけた。するとバニルはニヤッと笑いそそくさと現金をしまい始める。
「へいっまいどありぃ!…ついでになのだが、このポンコツ店主も一緒に連れて行ってはくれまいか。コレが店にいると、またおかしな物を勝手に仕入れて散財してしまうのだ。この店主は不死王の力は強くてな。一見無敵で万能な我が見通す力ではあるが、”我輩と実力が拮抗する相手”の未来は見る事が出来ぬのだ」
マジか!?って事は昔の俺だったら見えなくなるって事か今更どうでもいいけど……。
「連れて行かないとまたそれはそれで後々俺が痛い目に会うから連れて行っても良いよ?」
「俺も良いけどさぁ。アクアがどんな反応するか……」
「それなぁ……どうする?」
俺とカズマは考えていると、バニルはボソッと囁いた。
「実はな、意外と着痩せするタイプのこの店主は、実の風呂好きでな?見通す悪魔が宣言しよう。汝らどちらかがおいしい思いをする機会が」
「「任せろ!」」
俺達は心をひとつにしてバニルからウィズを預かった。俺はウィズをおんぶしながらカズマと出ようとした時、俺は”ある事”を思い出した。カズマが外に出たのを確認した俺はバニルに尋ねる。
「なぁ?バニル、ちょっと気になってた事があるんだけどさ、前に俺がブギーマンとやり合った時何か俺、変だったよな?」
「ふむ、貴様と初めて会った時もそうであったな。狂ったように笑い出す奇行、抑えきれなくなった殺意と憤怒。あれから少し調べた結果……それらは我輩の魔力が関係している」
バニルの魔力?
俺はウィズをおぶりながら首を傾げると、バニルは全てを教えてくれた。バニルは奥からコップに2つ用意して1つには水が入っており、もう1つのコップは空だった。
「ん?コレは?」
「貴様が理解しやすいように用意したのだ。水が入っている方が昔の貴様、そして何も入ってないコップが今の貴様だ」
「うーん?コップが2つ……」
「ええぃ!理解の悪いヤツめっ!コップは貴様だっ!」
あっ!なるほど、俺がコップで器って事なのか、って事は……あぁっ!?
俺はバニルが何が言いたいのか分かって、大声を出す。
「左様、貴様の体に我輩の様な悪魔の魔力、不死王であるガラクタ店主の様な”邪悪”の魔力を取り込むと、貴様は”一時的”に魔王に戻る様だ。だが貴様は今は人間、あまり過剰摂取すると体が悲鳴を上げて死ぬ事になる」
全ての辻褄が繋がった為に俺は納得してうんうんと頷く。
俺が魔王になれたのは不死身の呪いに掛かっていたから。そして、今は不死身でもないただの人間、悪魔やアンデッドの魔力を取り込めば体に負担が掛かって死ぬ事なる。アカンなコレ
「納得した。ブギーマンの時はバニルが取り憑いた時の魔力が体に残って居たからって事で良いんだよな?」
「その通り」
「あースッキリした。それと、もう1つ知りたい事があるんだが?」
「ツンギレ猫娘の事であろう?」
バニルは既に見通していて、俺の聞きたいことを言い当てる。
「あいつ、何者なんだ?」
俺はバニルにキャルの正体を暴いて貰う為にカズマに付いてきた事を見通したバニルは、顎に親指を当てて悩み始めた。
珍しいな、バニルが情報を出すのを渋るなんて……
「答えても良いが……それを知った貴様達の一時の悪感情は美味で、実にめでたいのだが、その情報が発端でデメリットだらけになるだけでなく、我輩の収入源が無くなってしまう。我輩にメリットがない故、言いたくないのだが?」
何それ怖い……。
「知りたければ自分で調べろと?」
「うむ、その方が我輩にとって都合が良いのでな?」
「分かった、自分で探ってみるわ……んじゃ、行ってくる!」
バニルに挨拶をして店から出た俺はカズマを追いかけて待ち合わせの馬車乗り場に向かった。カズマと合流した俺は待合所に着くとそこには既に、アクア達が待っていた。
「わりぃわりぃ、遅くなった!」
「ごめんごめん」
「ちょっとカズマ、リュウジ、先に行ってると思ったのに……って何を背負ってるの?」
「人に遅れるなよ?とか言っといて何遅れてんのよ!」
(ってかなんでウィズがここにいるのよぉ!?)
こんがりウィズを背負ってる俺に指をさしてるアクアやキレ気味に言い放つキャルにバニルとのやり取りを説明した。
「ふーん、まぁいいけど」
「なんか、薄くなってない?」
「えっ!?」
俺は振り向いて見ると確かにウィズは薄くなっていた。
「おいっ!これ大丈夫なのか!?」
「えーっと、えーっと回復魔法で……アンデッドは逆効果かっ!」
「落ち着くのですカズマ、リュウジ、こんな時はドレインタッチですよ、ドレインタッチで生命力を分け与えるのです」
「それだ!めぐみん!、カズマ!俺から吸い取れぇぇぇああああ!!」
カズマが俺の生命力をこんがりウィズに送ると、ウィズの体は色濃くなって行き、目を覚ました。
「んっ……あら?リュウジさんじゃないですか!へ?ここは?」
「説明は後で話すよ、とりあえず貸切にするから馬車に乗ってくれ!」
「よし!まずは馬車探しだな」
「ご乗車する方はお早めにお乗りくださーい!」
そして、今回温泉旅行に参加したメンバーは…カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、俺、キャル、ウィズ、ミツルギとなっていた。金にものを言わせて馬車を貸切にしたのは、乗客として乗る為だ。何故かと言うと、ザコモンスターで死にそうになる奴や、引き寄せる奴が居るからだ。
面倒事はゴメンだもん
たまには羽根を伸ばして贅沢してもバチは当たらないだろう。さて、どんな馬車が良いかなぁ
「ねぇリュウジさん?、あの馬車にしましょうよ!私の目利きによれば一番乗り心地が良さそうよ!」
「んじゃそれにするか?」
「早く切符買ってきて!それに席は決めとくからね?」
生意気にもアクアが選んだのは1番高い馬車で8人乗りの馬車だった。俺達男組は切符を買ってきて席決めを始める。
「8人乗りじゃん……」
「となると、誰かが荷台に行くかだが……」
「どうする?レディに行かせる訳には……」
「じゃんけんよ!こんな時はじゃんけんがいいと思うの!」
いやそれ負けフラグじゃん!俺、超不利じゃん!
アクアより幸運値が低い俺だ、どう頑張っても勝てないだろう。
ここは大人しく志願するか……
「じゃんけんなんかしなくていいよ、俺が荷台に行くから」
「リュウジ、良いのか?」
「あらリュウジ、意外と紳士なのね!」
「ふんっ、当然よ」
(へぇ……結構いい所あるじゃない……)
「あの……なら私も荷台に行きます……」
先程バニルから、一緒に連れて行ってくれと頼まれた事をウィズに明かしたのだが、ウィズは手を挙げる。
気持ちは嬉しいけど、女の子(アクア以外)に座らせる訳には行かない。
「俺で良いよ、じゃんけんしてもアクアにすら勝てなさそうだし?ゴロンと横になりたかったし、だから俺が荷台に行く」
「いや待てよリュウジ、なら俺が行く!」
「カッコつけるなよ2人とも、ボクが行く!」
一瞬でフリが分かったのか、カズマとミツルギも乗ってきた。
「おいおい、寝たいだけだから俺が行くって」
「ふざけんな、俺だって」
「いいや、ボクが行く!」
「ヤダ3人とも、こんなフリ私でも分かるわよ?なら、女神である私が荷台に行くわ!」
かかった!
「「「どーぞどーぞ」」」
「はいはい!こんなフリバレバレよ!プークスクス」
アクアはケラケラ笑いながら盛り上がっていたが、俺とカズマは真顔になってアクアに言い放つ。
「行けよ」
「そうだよ、おら行けアクア」
「えっちょっと待って?なにそれ!?そんなバージョンもあるの!?」
顔を引き攣らせながらアクアはカズマにしがみつく。
「盛り上げる為のフリよね!?そうよね!?ねぇ!?なんでコッチ見てくれないのよ!?カズマさん!カズマさぁん!」
結局こうなるんだよなぁ。
「冗談だよ、さっさと乗れ」
「お前、俺は若干本気だったんだからな?リュウジに感謝しろよ?」
「よし、みんな乗ろう!」
Adventures一行は馬車に乗り始め、俺は最後に乗って荷台に寝転んだ。
「アルカンレティア行き発車しまーす!」
こうして、グダグダになったがなんとか発車した。ガタガタ揺られて寝転んで空を眺め始める。
リュウジが出発した同時刻、冒険者ギルドのクエストボードにクロエがアルバイトの広告を眺めていた。
「へぇ〜美食殿か……アルバイトここにしよっかな〜」
────────────────────────
ガタガタ揺られてしばらく経った。すっかりアクセルの街が見えなくなると見慣れない風景が目に入って来た。あくびをしてゴロゴロしていると、ふと俺は気付いた。
「そういえばミツルギ、アオイやゆんゆん達は?」
俺はミツルギに尋ねると、ミツルギはケツを擦りながら答えた。
「そういえば言ってなかったな、アオイとゆんゆんはマヒルちゃんの牧場の仕事を手伝いで、メリッサは王都でクエストにセシリーはなんでもパンを取りに行くとか……?」
メリッサ達はともかく、セシリーのパンを取りに行くってなんだよ。
そんな事を考えていると、ウィズが声を掛けて来た。
「リュウジさん、私が替わりましょうか?」
「いいよいいよ、俺はここがいい。気遣いありがと♪」
「そうですか……聞いて下さいリュウジさん!バニルさんったら、急に旅行に行ってこいだなんてどうしたのでしょう。ふふっ……、このところ、バニルさんに親切にしてもらってましたからね。『ウィズ。汝は、カウンターでただニコニコして座っていれば良い』っていうんですよ?」
ウィズがニコニコしながらそんな事を言って来た。
言えないよぉ!本人に本当の理由なんて言えないよぉ!ウィズの行動が予測不可能で赤字続きで邪魔だからだなんて言えないよぉ!
冷や汗をかきながら荷台から風景を眺めていると、俺達の乗っている馬車以外にも、数台の馬車が列をなしていた。俺達以外の馬車には各車に護衛の冒険者が雇われていた。
これだけ人が多ければ”弱い”モンスターは逃げていくだろうな。
───広大に続く荒野を眺めていると、土煙が遠くに見えた。千里眼スキルを使って拡大してみると、何かが走っているように見えた。
「カズマカズマ」
「カズマです」
「なんだろう、アレ……」
俺はカズマを呼んで土煙を確認させた。カズマも千里眼スキルを使って拡大したのか、念の為に御者のおじさんに声をかけた。
「おじさん、なんかこっちに土煙が向かって来てるんすけど、アレ何すか?」
「なんかの群れっぽい感じなんですけどー?」
俺達の言葉に御者台で呑気に手網を引いていたおじさんが。
「土煙?そりゃもしかすると、”羽毛レックス”か”走り鷹鳶”じゃないですかねぇ?誰がなずけ親なんだか知りませんがね?タカとトンビの異種間交配の末に生まれた鳥類系のモンスターの王者らしいんですよ。それを捕食する羽毛レックスはその走り鷹鳶を餌にして体に体毛を生やしてるんですよ」
どっちが出ても厄介だなぁ……レックスって事は、恐竜なのか?〇ィガレックスみたいな奴が出なければ良いんだけど……。
不安な顔をしたカズマを察したおじさんは軽く笑う。
「大丈夫ですよお客さん!走り鷹鳶はメスの気を引くために、オス同士競い合ってチキンレースって呼ばれる求愛行動を取るんです。硬い物を探しては猛スピードで向かってギリギリにその硬いもの回避するという変わった求愛行動なんですよ。そして羽毛レックスはその時期を狙って走り鷹鳶を捕食して自分の体を体毛だらけにさせてメスを引き寄せようとするんですよ。余程運が悪くなければ両方とは出会いませんって!」
こんなおかしな異世界でも弱肉強食はある様だ。
カズマはその言葉に安心したのか、席に戻り俺に声を掛ける。
「なんかモンスターの求愛行動中らしいぜ」
「ふーん、大変だなぁ……」
俺はふと土煙を再確認してみると、更に土煙が大きくなっているのに気付いた。明らかにこちらに近付いてる気がする。
「おっおい!こっちに近付いて来てるんですけど!?」
「気のせいか!?俺達の気のせいなのか!?土煙がデカくなってるのは気のせいか!?」
俺達の言葉に、御者のおじさんは速度を落として正体を見極めようとした
「ありぁ……走り鷹鳶と羽毛レックスですね。間違いない。でもおかしい話しですね。お客さん方、もしかするとキャラバンの中に”アダマンタイト”や”アダマンチウム”見たいな凄まじい鉱石を積んでるんじゃないですかねぇ?それに釣られて羽毛レックスが追い掛けて来てるようです。他の馬車も気付いた様ですね、安心して……ん?なんかこっちに来ますねぇ。というかこの馬車に来てる気が……」
間違いない、この馬車を狙ってる!!……って事は!?
俺は慌てて試作品の鎧を取り出した。
聖鎧アイギスを参考に試作した鎧【レッドルーク】を装着した。
「狙いは……俺とダクネスだ!」
「リュウジ!物凄く早い生き物と大きな生き物がこちらへ向かって来ている!我々を凝視している様な気がするぞ!なんという熱視線!はあっ……はぁっ……大変だ!カズマ!大変だ!」
「お前らかー!お前らが原因かー!」
「どうすんのよ!どんだけアンタ疫病神なのよ!」
キャルとカズマは俺とダクネスに怒鳴り散らし、頭を抱え始めた。
すいません、硬い鎧を持って来てすいません……
馬車が止まると同時に俺は責任を取る為に飛び降りると、ダクネス、カズマが続いた。
「めぐみん、アクア、出番だぞ!」
「キャル、今回は俺が招いた敵だ。申し訳ないが手伝ってくれ」
その言葉にキャルは面倒くさそうに立ち上がった。
「しょうがないわね、ひとつ貸しよ?」
「私もお手伝い致します!」
ウィズが馬車から降りようとしたが、俺はウィズを止めた。
「俺はバニルからウィズを任されている。ウィズの強さは俺が1番よく知ってる、だからこそ、御者のおじさんを守ってあげて!」
それにウィズがコクリと頷き、原因を知らないおじさんが騒ぎ出す。
「ちょっとお客さん方!?お客さん達は金払って乗ってるんですから、隠れて下さい!」
すいません……原因は俺なんです。
鎧の中で俺は泣いた。