※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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アンケートの件、御協力ありがとうございました!アンケートの結果、ユイちゃんの参戦が決定致しました!。

前もって言っておきますが、ユイちゃんは決して嫌いではありません!むしろプリコネRではめちゃくちゃお世話になってます!プリンセスフォームのユイちゃんと儀式衣装のユイちゃんはヤバい強いです!


80 デッドリーポイズンスライム

リュウジとハンスが戦闘を始めた同時刻、雷魔法の爆発音が街中まで響き渡り、アクシズ教団やカズマ達の耳にも入った。カズマは窓を開け、山の方を見て騒ぎ始める。

 

「おいおい!なんか爆発してるぞ!?まさかリュウジ、魔王軍と戦ってるんじゃないか!?」

「リュウジさんったら魔王軍の手柄を独り占めしてアルカンレティアを乗っ取ろうとしてるのね!私達も行くわよ!」

「よしっ、それじゃあその源泉とやらに行ってみようか」

 

バタバタと支度し始めるカズマ達。そして、どこかやり切れない顔をして椅子に座っているキャルをダクネスが声を掛けた。

 

「キャル?どうかしたのか?」

「え?いっいや?なんでもないわよ!?」

(鋼のリュウジもこれでおしまいね、相手はアイツだし、リュウジとは相性は最悪。まず勝てないわね…けど、あたし、なんで嬉しくないんだろう…)

 

「アクア様!準備が出来ました!源泉に行きましょう!」

 

バタバタと駆け出し、カズマ達はリュウジが通った道を通り、源泉に向かって行った。ゲートには見張りが立っており、爆発音でザワザワと騒いでいた所をアクアは見張りに声を掛けた。

 

「ねぇ!鋼のリュウジさんがここを通ったでしょ!?私達も仲間なの!だからここを通して頂戴!」

「いやぁ、いくら鋼のリュウジさんのお仲間と言われましても、危険ですので中を通す訳には行きません!」

「仲間の危険が迫っています。汝、親愛なるアクシズ教徒よ。聞きなさい、緊急事態なのです。あなた方が私達を通す事で、この街が──」

 

「「あっ自分達エリス教徒なんで、すいません」」

 

エリス教徒の見張りに足止めをくらい始めた。

 

「なんでよ!仲間やここの源泉が危ないのよ!?さっきの爆発音聞いたでしょ!?魔王軍幹部が源泉に居るのよ!?」

「そうなのですが……所で、青い髪のあなた、もしかして先日温泉をお湯に変えるイタズラをして回った人ですよね!?」

「ちっ違うの!アレは、猛毒の温泉を浄化しただけで!」

「やっぱりあんたか!、入れられませんよ!そんな人、Adventuresの1人だとか、嘘だな!?」

 

2人の見張りに疑われ始めたアクアは、強行手段に出た。

 

「……分かったわ。Adventuresのメンバーとしても認めない上にここを通さないって言うなら、あんた達エリス教徒に酷い事されたって戻ってアクシズ教会に、泣きながら駆け込んでやるから覚悟しないよ!」

「何バカ言ってんだアンタ!」

 

遂にはエリス教徒を脅迫し始めるアクアを見兼ねたカズマとミツルギはダクネスの肩を叩いて指示を出した。

 

「やれやれ…ほらダクネス出番だ」

「ダクネスさん、お願いします!」

「わっ、私か!?おっおい!押すな!魔剣も押すな!」

 

カズマとミツルギがグイグイとダクネスを押し出そうとしていると、めぐみんは今から何をさせようとしているのか察した様だ。

 

「控えい!控えい!控えおろう!この方をどなたと心得るのですっ!ベルゼルグ城の懐刀と呼ばれたあの大貴族、ダスティネス家のご令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナお嬢様であらせられます!道を開けないかっ!」

「「えっ!?ララティーナお嬢様!?」」

「ラッララティーナお嬢様と呼ぶなっ!あっちょ、ペンダントを出すな!止めろ!」

 

カズマはダクネスを羽交い締めにしてダスティネス家の紋章のペンダントを取り出そうとした。

 

「ほらお嬢様!胸元に隠してるペンダントを!おっお嬢様!、抵抗なさらず…おっお嬢様!?オラァ!とっとと出せお嬢様!」

「ダクネスさん暴れないで下さい!アクア様早く!」

「カズマ、魔剣の人!しっかり押さえててね!今私が…ちょっ痛い!ダクネス痛い!ウィズ!キャル!めぐみん!早く取って!」

「いい加減大人しくして下さい!キャルと私で左手を押さえるので、ウィズは右手を押さえてて下さい!ほらお嬢様!」

「えっあっうん。無駄な抵抗すんなってのお嬢様!」

(あれ?あたし何やってんだろう……)

 

キャルとウィズも参戦し、ダクネスを押さえ付ける。

 

「ご、ごめんなさい!ダクネスさんごめんなさい!リュウジさんが待ってますから!」

 

────────────────────────

 

めぐみんがようやくダクネスの懐から奪い取ったペンダントを見張りの2人に見せ付けた。

 

「これでどうですか!?さぁ、さっさと通して下さい!」

「さっさと開けなさいよ!ぶっ殺すわよ!?」

「ほっ本物だ、Adventuresの1人─ララティーナお嬢様だ。申し訳ごさいません!とんだ無礼を!」

 

慌ててゲートを開ける2人の見張りに、めぐみんは手のひらを返した態度が楽しかったのか、ダクネスに尋ねる。

 

「あの、これ借りて良いですか?悪い様にはしないので」

「ダメに決まってる!返してくれ!」

 

ダクネスに威嚇されながら奪われためぐみんは「ちっ」と舌打ちする。そのままカズマ達は休憩を挟みながら進み、ようやく源泉に辿り着いた。カズマは源泉の1箇所を見て騒ぎ始める。

 

「おい、この温泉紫色っぽくなってるぞ!?」

「何よこれっ!?毒じゃない!」

 

アクアは慌てながらカズマやミツルギをかき分けて変色した源泉に手を突っ込んだ。

 

「あっついぃぃぃ!『ピュリフィケーション』!、『ピュリフィケーション』!、『ピュリフィケーション!』」

「バカッ!何やってんだ!早くてを抜け!」

「アクア様!止めて下さい!大火傷してしまいます!」

「だってだって!早く浄化しなきゃ!あっついあっつい!」

 

カズマとミツルギの静止を振り払い、泣き喚きながら変色した源泉から手を抜かなかった。見てられなくなったのか、キャルが駆け寄り、アクアの手に向けて魔法を放った。

 

「アクア!あんた何やってんのよ!『フリーズ』!!」

「キャルさん、私も手伝います!『フリーズ』!!」

 

2人の放った魔法により、急激に源泉の温度を下げた。

 

「ふぅ〜、ありがとうねウィズ、キャル」

「いきなり源泉に突っ込むなんてどうかしてるわよ!?火傷してないわよね?もうちょいかけてこうか?」

「そう?なら、ちょっと暑くなってきたから体にかけてくれる?」

「あたしの事なんだと思ってんの!?」

「なら私がかけます、アクア様!」

 

そう言ってウィズはアクアが手を突っ込んだ部分にフリーズを掛け始めた。そうこうしているうちに、変色した源泉の色は透き通った水の色になっていた。カズマ達が先に進むと、カズマが人影を見付けた。

 

「あそこにいるのはリュウジか…!?」

 

カズマは千里眼で確認すると、そこにはリュウジではなく、混浴温泉で出会ったあの男だった。

 

「どうしたの?リュウジがいたの?」

「いや、昼間に俺が怪しんでたっていう男の手配書配っただろ?そいつがいる」

 

手を擦りながらアクアが聞くと、カズマは手配書の写しをチョンチョンと指した。

 

「確かに人影が見えるな。けどしかし、あんな所で何をしてるのだろうか?あそこにも源泉があるのか?」

「魔剣の人の言う通りでしょうね。見てください、あそこでパイプが途切れています。となると、まさかアイツは今汚染させているのでは…!」

 

慌てて駆け出したカズマ達に、向こうも気付いた様だった。カズマ達が近付くと、男は不思議そうに見つめてきた。

 

「なっなんですか!?ここは立ち入り禁止ですよ!?」

「ちょっと、あんた!何しらばっくれてんのよ!よくもこの街を汚染してくれたわね!成敗してあげるわ!!」

「汚染?ちょっと何言ってるか分からないですね、私はここの管理─」

 

アクアに対して自信満々に反論していた男がウィズを見た途端首をグキっと音を立てながら顔を逸らした。ウィズは顎に手を当てて悩み始める。

 

「えーっと、前にお会いした事ありますよね?えーっと……」

「ちょっときゅっ急用を思い出したので私はそろそろ帰りますね」

「あっー!ハンスさん!ハンスさんですよね!?」

 

そそくさ帰ろうとする男に、ウィズは久しぶりに友達を見たように大声を上げた。

 

「ハッハンス?人違いですから、私はここの管理人ですから」

「お久しぶりですハンスさん!雰囲気が変わってたので気付きませんでしたよ!私ですよ、ウィズです!リッチーのウィズですよ!」

 

ハンスと呼ばれた男は、必死にその場を立ち去ろうとするが、ウィズが掴んで離さなかった。

 

「リッチーとか知りません、離して下さい、もう帰るので」

「あっ!ハンスさんは、デッドリーポイズンスライムの変異種ですよね?もしかして源泉の汚染はハンスさんがやったんですか?ねぇハンスさん!久しぶり会えたのにどうして帰ろうとするんですか!私ですよ!ウィズですよ!。ここにもう一人の人が来ましたよね?リュウジさんって方なんですけど、何処にいるか分かりませんか? ハンスさん!ねぇハンスさんってば!」

「ちょっとちょっ、止めて下さい。誰ですかアンタ、知りませんよ何も知りません、鋼のリュウジって人なんて知りませんよ!。なので揺すらないで下さい!」

 

まだシラを切り続けるハンスの肩をぐわんぐんわん揺らす。

 

「ひょっとして忘れちゃいました?私ですよ!ほら昔魔王さんのお城で色々してたじゃないです──」

「知りません知りません!それでは帰るので気を付けて下さいね、お疲れ様でした」

 

そこへ……。

 

「おい、待てハンス!」

「あっはい」

「どこに行こうというのだハンス」

「あっはい」

「ここは通さないわよハンス!」

「あっはい」

「見苦しい言い訳を止めたらどうですかハンス」

「あっはい」

「ううっ…………」

(ここでハンスの逆鱗に触れたらあたしの正体がバレちゃいそうなんだけど!?)

「あっはい…」

 

逃げようとするハンスの前に5人が立ち塞がった。表情を引き攣らせながら思わず後ずさるハンスにカズマは言い放った。

 

「悪あがきは止めて、さっさと正体を現せよハンス!!」

 

カズマの一言でハンスは震え始める。

 

「どいつもこいつも……ハンスハンスとやかましいんだよクソ共がぁ!、俺の名前を気安く呼ぶんじゃねぇ!。それより、なんでここにウィズがいやがる!てめぇは温泉に入ってねぇで働いていやがれ馬鹿野郎が!」

 

遂にハンスもキレ始め、ウィズに食って掛る。

 

「酷いです!私だって頑張って働いてるんですよ!?働いてるんですけと何故か貧乏になるだけです!」

「知るかぁボケェ!お前は魔王城の結界維持以外で魔王軍に協力しない。その代わりに、俺達にも敵対しないって事になってるよな?それなのに何故俺の邪魔をする!?」

「えぇ!?私、ハンスさんの邪魔をしてましたか!?久しぶりに会ったハンスさんに声を掛けただけじゃないですか!!」

 

天然なのか、わざとなのか、訳の分からない攻防戦が繰り広げられた。ウィズに正体をバラされたハンスは身構える。

 

「で?どうするつもりだウィズ?俺とやり合うか?」

「そっそれは…ハンスさん、この方々は大事な友人なんです。ここは穏便に話し合いとか…出来ませんか?」

 

バツの悪そうに言うウィズに、ハンスは鼻で笑う。

 

「フッ、笑わせんなよウィズ。”氷の魔女”の名前が泣くぜ?あの頃のお前は手が付けられない程強者だったのに、今じゃ腑抜けになったもんだな!」

「あっあの頃は私も若くイケイケの性格でしたから……」

 

ウィズが押し負けそうになった時、カズマとミツルギが割って入って来た。

 

「おい、そろそろ良いだろ?ハンスと言ったな?俺はAdventuresの佐藤和真。魔王軍幹部ベルディア討伐に少し加担し、見通す悪魔バニルの討伐にも一役買った者だ!」

「そしてボクは魔剣の御剣響夜。ここにAdventuresの鋼のリュウジが来ていただろ?彼をどうした!?何処にやった!?」

 

ちゅんちゅん丸を抜いて構えるカズマと、ティルフィングを構えるミツルギを見たハンスは余裕なのか、ゲラゲラと笑った。

 

「ハッハッ!そうか、アイツの仲間か、アイツなら俺にやられて温泉に浸かってるぜ?」

 

そう言い放つと、ハンスは岩陰からリュウジのレッドルークの兜を拾い、カズマ達にポイッと投げた。

 

「これは、リュウジの兜じゃねぇか!?」

「まさか…リュウジは!?」

「クククク…鋼のリュウジなら、ここにいるぜ?」

 

不気味に笑ったハンスは源泉に再び手を突っ込んで掻き回し引き上げると、全身大火傷を負ったリュウジが気を失った状態で出て来た。

 

「貴様らもこんな風になりたいか?この魔王軍幹部、デッドリーポイズンスライムの変異種のハンス様になっ!」

 

そう名乗ったハンスはリュウジをほおり投げ、カズマ達の前に投げ出された。ウィズはゾッと顔を青ざめ、慌ててリュウジに駆け寄った。

 

「リュウジさん!リュウジさん!しっかりして下さい!」

「嘘だろ!?Adventuresの中でも強いリュウジがやられたのか!?」

「不味い、リュウジが息してないっ!アクア様!早く!」

「嘘でしょ!?リュウジさんやられちゃったの!?ピンチじゃない!」

 

頼りにしていたリュウジが無残な姿で現れたのを目の当たりしたメンバーは狼狽え始めた。ウィズに抱き寄せられ、アクアはリュウジにヒールを掛け始め、治療を始める。

 

「カズマ!デッドリーポイズンスライムには絶対触れてはいけません!恐らくリュウジは素手で戦った為にコイツの毒に侵されてます!」

 

めぐみんの言葉を聞いた途端、カズマはガタガタ震え、ビビり始める。

 

「うっ嘘だ!リュウジが雑魚スライム如きにやられる訳──」

「スライムが雑魚だと!?誰から聞いたのだそんなバカ話!!ある程度大きさのスライムは打撃攻撃は効かず、魔法にも強い!リュウジにとっては最悪な相手だったのだ!」

「クソッ、迂闊だった!ボクもリュウジと一緒に行けば!」

「さぁ、この男の様に勇敢に立ち向かう覚悟があるなら掛かって来るがいい!」

 

カズマの言葉にダクネスが怒鳴っていると、ハンスが両手を広げて嘲笑うかのように挑発したその時。

 

「ハンスさん…管理人の人はどうしたんですか?」

「あ?あのジジイか?ジジイならここへ来る前に食った。俺はスライムだ。食べる事が本能だぞ」

 

ハンスの言葉をリュウジを抱き寄せながら聞いていたウィズは俯くと、次第にウィズの周りにとてつもない冷気が漂い始めた。ウィズは手をハンスにかざしたその時──。

 

「『カースド・クリスタルプリズン』」

 

静かな声が響き渡ると、巨大な氷がハンスの右腕を一瞬で凍結させた。その冷気によりリュウジの鎧にも霜が降りていた。一瞬の出来事に驚いたカズマはウィズの顔を見ると、今まで見た事無いほど怒りに満ちていた。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?ウィズ!魔法を解け!ウィズ!!」

 

悲鳴を上げるハンスを他所に、ウィズはリュウジを優しく寝かせ、優しい声でリュウジの耳元で囁いた。

 

「リュウジさん……もう少し待ってて下さいね……」

 

焼け爛れたリュウジの口に優しくキスしたウィズは立ち上がり、凄まじい冷気を漂わせながら歩き始めるとウィズの足元が凍り始める。そして、ウィズは喚いているハンスに言い放つ。

 

「ハンスさん、私が中立でいる条件、魔王軍の方に手を出さない条件は、『冒険者や騎士など、戦闘に携わる者以外の人間を無闇に殺さない方に限る』でしたよね?なのに、管理人の何の罪もないおじいさんを殺しましたね?」

「ぐっ……ウィズ!本気で俺とやる気か!?ここでまともにやり合えば、確実にここは汚染されるぞ!良いのか!?」

 

そうハンスは叫ぶがウィズは耳を貸さない。

 

「それに、リュウジさんは確かに冒険者です。冒険者が戦闘で大怪我をしたり、命を落としたりするのは仕方がない事です。リュウジさんもその覚悟があって貴方に挑んだのでしょうから……ですが、この方は私の大事な人です。絶対に許しません!」

 

ウィズの顔は怒りに満ちており、冷気を漂わせながら構えた。

 

【緊急クエスト・デッドリーポイズンスライムのハンスを倒せ!!】

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