※この作品はR-18です。

ゴーストフロントライン   作:蓮見民江

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2063年2月1日 15:11

「全部教えてくれてありがとうございます。今できることを考えましょう」

涙でうるんだ目を拭う。唇をきゅっとひき結んで笑顔をつくる。みんな不安そうに私を覗き込んで心配してくれた。

「なんでもないよ」

「怖いなら、怖いって言うんだよ」

お父さんに撫でられた。久しぶりで嬉しい。何も持たない私はね、お父さんやお姉ちゃんに心配かけられないから。微かに残る父との思い出をM16A1さんに求めたから、この人は父になってくれた。私に世話を焼いて、愛してくれる。それだけで幸せ。勉強を教えてくれたし、犯罪組織の誘拐や恐ろしい派閥から物理的に守ってくれた。任務から帰ってすぐに抱きしめてくれたのも彼女。

「お父さん。私ね、何がなんでも生き残るよ。そのためには何でもやる。M4お姉ちゃん。どこで強化したの?」

何をやる気かとM4お姉ちゃんに聞かれる。そんなのやること一つに決まってる。

「有り金はたいてこの人を修理に出しで強化します。これから、一蓮托生ですよ。おかあさん」

「あ、うん。よろしく」

腹を括った私の表情にUMP40おかあさんがおずおずと握手を求めてくる。きゅっと握手して笑顔をまた作った。

「メンテナンスしてないでしょう?」

「うん。あちこちガタがきてる」

やっぱり。ついでにメモリー強化とかいろいろしてしまおう。私が使う日用品や旅に使う物も買いたい。長い旅になりそうだから、護身用に何かも欲しい。そのためには金がいる。

「ついでに強化もしましょう。すぐそこにグリフィンが放棄した基地があります。まだ通信設備と電気系統は生きているのでハッキングして、情報を引っこ抜きましょう。それくらいできますよね?」

伊達に指揮官やってない。取捨選択だけはうまくなった私をなめてもらっては困る。

「できらあ!電子戦特化型をなめてもらっちゃ困る。相手が軍用モデルじゃない限り、電子戦じゃ負けない自信がある」

胸を張って答えたおかあさんが頼もしい。

「ついでに私の口座からお金おろして、おかあさんの修理費と投資にあてます。それと、いくらか現金化しましょう。換金できる物を買って、道中で売れば良い」

「うーん。子供の思考じゃない」

「グリフィンの中じゃ、子供でいられなかったんですよ。後ろ盾がないから、戦場に放り込まれて撮影とお父さん達を指揮してましたし。まだ、お父さん達が物理的に守ってくれるだけマシでした」

「ああ、うん。これからはあたいも守るから」

優しい手が私の頭を撫でる。みんな優しいし、私を愛してくれる。まだ私はおかあさんやお父さん達に何も返せていない。くれた愛を返すために私は何だってやる。私は生きるためにひどいことに手を出した。

「おかあさん。よろしくお願いします」

「よろしくすみれ。たった一人のかわいい子」

また一人、家族が増えた。

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