伏線回収に
「さて、どこから自分のことを話してどこからみんなに何があったのか聞こうか」
先ほどまで哨戒任務にでていたM14、ジェリコ、M1911、シプカ、モシン・ナガンに労いの言葉とお茶を振る舞う。この組み合わせは決めた私ですら変なものだと思う。その時予定が空いていたメンバー、なんとなくで組んだのでちょっとバランス悪い。そこは反省する。
「みんなのメモリーのコピーと私の報告書はぶん投げておくよ。こんなのは丸投げが一番」
紅茶にたっぷり砂糖と牛乳をいれて味見する。自分好みになっていて、嬉しいと笑顔を隠さない私にジェリコがためいきをついた。
「指揮官はいつだって上に丸投げしているじゃないですか。いいですか、普段の雰囲気と態度がゆるいあなたは……」
これはひょっとすると。ジェリコの長い説教が始まりそう。せっかくいれたお茶がさめて、クリームたっぷりのケーキがパサパサになる予感にうんざりしそうになっていたらM14が健気に話題を変えてくれた。健気なきみが一番かわいい。
「それもいいけど、今回のメモリー消失事件と指揮官のことを教えてもらうためにこのお茶会はあるんだから!」
私の右隣にぴったりくっついて、腕をからめているそのいじらしい自己主張にクラクラする。指輪を渡してから随分と積極的なM14に毎日ドキドキさせられている。ああ、いけない。そろそろ事件について聞かねば。でもM14は撫でるぞ。撫でたら猫みたいに目を細めてされるがままのM14は愛おしい。
「うーん。私のM14は今日も本当に健気でかわいい」
優雅さを気取りながら紅茶を飲んでいるとジェリコに怒られた。ええ、ごもっともです。
「指揮官。そのM14を愛でる本音が漏れていますよ。さっさと本題に入ってください。あと、いちゃつくのは二人きりの時だけに!」
「あっはい。それじゃ、基地をでてからメモリーが吹っ飛ぶまで順を追って話してくれるかな?」
私はM14に助けられてばかりだ。私はいつもみたいにでれでれしながらも、メモ帳とペンをとる。知りたいんだ。綺麗に特定してメモリーが抜き取られているのに、彼女らになんの不調もないことが気になって仕方ない。
「そこは隊長のM14からで」
ジェリコが話を譲った。補佐に徹するつもりらしい。とても彼女らしいな。それに頷くとM14が目を輝かせて背筋をピンと伸ばした。かわいい。
「はい。それじゃ、話しますね!」
私はM14のぴょこぴょこ揺れる髪の毛を肯定的に捉えてまた優しく笑って頷いた。