後半、かなり変わっています。
その日、開店と同時に店に入ってきた大柄な男を見て若い女の店員は内心、びっくりだ、サングラスをかけているが顔の傷は隠せるもではない。
「何か、お探しでしょうか」
自分に声をかけていると気づいて男は何か呟いた、それはあまりにも小さく最初は聞こえなかったぐらいだ。
可愛いものを、店員は迷ったというより困った。
漠然としすぎだ、店内は女性向けの可愛いものがたくさん並んでいる。
いや、溢れているのだ、目の前には可愛いぬいぐるみが積まれている、もしかして子供にプレゼントだろうか。
「子供さんにでしたら」
「違う、いや」
店員はピンときた相手は女だと、様子からして慣れていないのは一目で丸わかりだ。
可愛いものを贈れば大丈夫だと思っているのかしれない、あまい、甘いわ。
一見あれだけど童○、○ピーかもしれない、だから、こんなにも真剣に悩んでいるのね、それに、よく見れば、この男は女にもてるという感じではない。
と店員は勝手な想像、妄想をしながら男を店のある一角に連れて行った。
その日、皆でお茶をしていると、スカーが入って来るなりテーブルの上に花を置いた。
小さな可愛いかごに盛られたアレンジブーケだ、皆がスカーを見た。
「可愛いものだ」
そういってスカーは女を見た、まさか、これは熊のクッキーのお礼だろうか。
「あ、ありがとうございます」
だが花だけではない、ラッピングされた箱もある、この中にも、きっと可愛いものが入っているのだろう、クッキーをあげたくらいで気を使わせたのではないかと思いながらも、気分がうきうきしてしまう。
「可愛い」
メイとシャオメイが箱を見て思わず呟くと開けるの手伝ってと女は声をかけた。
ラッピングのリボンをほどいて中身を取り出す。 。
「わあーっ、きれーいな」
メイの言葉が途切れた、シャオメイは、これは何と言いたげな不思議そうな顔だ。
そして、マルコに至っては視線を逸らした。
「パンツとブラのセットね、ほら、赤いパンツはお腹を冷やさないっていうでしょ」
部屋の中は、しんとなった。
「そ、そういえば、確かそんな言い伝えが、どこかの国で」
マルコの言葉に、そうそうと女が頷く。
具合が悪いときは、お腹を冷やしては駄目なんだという女と医者の最もらしい台詞にメイとシャオメイは頷いた。
だが、その目は何か言いたげな、どこか疑惑の眼差しでスカーを見ていたのはいうまでもない。
ここにはない、石ハ、ここにはない。
探セ、見ツケ、ロ、ロ。
ホムンクルスは食ッタ、邪魔者ハいなーイッ、いない、ハズ、は、ハズッ。
ずるずると体から溢れて流れだそうとする者を必死に繋ぎ止める。
求めるものは一つ、一つだけ、石。
それは賢者の石、完璧な賢者の石だ。
「グラトニーは、食われたの」
美女の顔が歪んだ、自身に言い聞かせるような、だが、隣にいる少年に答えを求めているような曖昧な呟きにも聞こえる、それは自分の中の感情が揺れているということなのか。
「エンヴィー、あなた動ける」
少年は自分の引きちぎられた腕を見た。
街に行けばホムンクルス、自分の兄弟がいる、だが、協力してくれるかといえば正直心許ない、いや、敵に回る可能性もある。
「強欲、あれはね」
考えあぐね迷っているような口調だ、兄弟でありながら、何故、こうも違うのかと驚くほどだ、味方になれば、いや、厄介な事に変わりはない、自分たちが協力を申し出たとしてあっさりと裏切るかもしれないのだ。
「グリード、あいつは嫌いだ」
吐き捨てるように言って少年は立ち上がった、腕の再生がままならないのは自分の命が、削がれているということなのだろうか。
「スロウスを呼ぶわ」
「なんで」
「二人だけでは心許ないし、準備が必要だわ、あれが使えるように」
「あれって、やるのか」
少し不安な顔になるのは無理もない、ホムンクルスの自分にできるのだろうか、少年はぎゅっと目を閉じると姿を変えた、性別などに関係なく姿を変える事ができる彼が一瞬にして姿を変えた、その姿を見て大丈夫と美女は満足そうに頷いた。
「完璧よ、自信を持って」
姿を変えたエンヴィーは頷くと行ってくるよと頷いた。
「待っていてください、先生」