そしてコカビエルの事件が解決し、堕天使界へ戻った尊とレイナーレは、三勢力和平会談への出席と、それに先立って、レイナーレがアーシアから奪った神器の返還を命じられる。そこで神器抜き取りの儀式に臨むレイナーレだが……
ひやりっ。
おでこに当てられた、冷たい感覚。それが、私の意識を戻した。
「……リナさん、イリナさん、大丈夫ですか?」
ぼんやりと見えてきた私の目の前には、青髪の心配そうな顔をしたお姉さん……カラワーナさん。
「私の声が聞こえますか? 聞こえたなら手を握るか、うなずいてください」
くらくらする頭を叱りつけて、首をこくこくこく。
「よかった…………ありがとう」
胸をなでおろすカラワーナさん。多少は無理したかいがあったと喜ぶ。ぐるぐる見渡すと、明るいベージュの部屋・木製のベッド・机・そして救急箱。
「……ゼノヴィアは? コカビエルはどうなったの?」
「ゼノヴィアさんは自力でコカビエルのアジトから脱出して、コカビエルとの最終決戦のために駒王学園に向かいました。そこでグレモリー眷属たちと共にコカビエルと戦っているはずです」
「そう……ところで、ここにはカラワーナさんしかいないの? ミコトくんやレイナーレさん、ミッテルトちゃんにヴァーリさんは?」
「皆、コカビエルと戦うために駒王学園に向かっています。コカビエルは強いですが、ヴァーリさんがいれば大丈夫でしょう。彼の実力はアザゼル様が保証されていましたから」
「ヴァーリさん……彼はそんなに強いの?」
「はい、彼は伝説の【白龍皇】だと」
「【白龍皇】……! あのただ者ではない様子もそう聞けば道理ね」
そんなやり取りの後、改まった様子でカラワーナさんが話しかけた。
「飲み物はどうですか? お茶、スポーツドリンク、冷たい水もありますよ。温めることも出来ます」
お茶をお願いする。すぐにカラワーナさんが運んできた。ごくごく飲んで、ほうっと一息。
「寝心地はどうですか? まだ安静にしておいた方がいいですよ。枕は三種類。電気布団もありますよ」
少しカラワーナさんの様子におかしさを覚えながらも、低反発枕がいいと伝える。カラワーナさんは笑顔を貼り付けて持ってきた。
「電気は消したほうがいいですか? いつでも欲しいものがあれば言ってください」
「カラワーナさん。前に会った時には普通に話してたよね? それがどうして今はそんなに丁寧語で話すの?」
「あ、あの時はすみませんでした……とんだご無礼をしてしまって……天使長ミカエル様に御縁のある方に……申し訳ありませんでした」
明らかにカラワーナさんの様子がおかしい。
私はまだ鈍い頭でふるふる考えた。何か罠でもあるのだろうか? いや、そんな形跡は見当たらない。じゃあ私に緊張しているの? 多分そうだろうけど理由が分からない。もしかしてクールビューティな見た目とは裏腹にシャイな性格とか?
そこまで考えて、私は違和感の正体に気付いた。
そして、思わず、しゃべり続けるカラワーナさんの前でそれを口に出してしまった。
「どうして、さっきカラワーナさんは、よかったの後に『ありがとう』って言ったの?」
カラワーナさんの動きが止まった。
「そ、それは……イリナさんが意識を回復されたのがとても嬉しかったから喜びのあまり」
カラワーナさんは笑顔を浮かべた。
「それだけです。本当ですよ」
もう一度。
「信じてください、イリナさん」
必死に。作り笑顔で。
がまんして、と臆病さが顔を出す。
面倒になるだけだよ、と賢しさが忠告する
でも私は、それらのお利口さを押し流した。
これを見て見ぬ振りしたら、きっと一生後悔する。
「本当の理由はそれじゃないよね、カラワーナさん」
カラワーナさんは、俯いていた。
「カラワーナさんの『ありがとう』は、目を覚ましてくれてありがとう、という意味だよね。でも、その『ありがとう』は、自分に言い聞かせているようにしか見えなかった」
「……やめてください」
「カラワーナさんは確かに、私が意識を取り戻したのが嬉しかったんだと思うよ。でもその理由は」
「お願いです、それ以上は言わないでください」
「私が死んでしまった場合、自分がどうなるか分からなくて怖かったからでしょ?」
ばっ! とカラワーナさんは私に顔を向けた。怒り。驚き。様々な負の感情が入り混じった瞳で。
「ふざけるな! レイナーレ様が私に酷いことをするはずがないだろう!」
次の瞬間、はっと口をつぐむカラワーナさん。
「大丈夫だよ! これからは、もう私に敬語なんて使わなくていいよ。呼び捨てで、イリナって呼んでほしいな」
「……」
「ごめんなさい。言い方が悪かったね。レイナーレさんがそんなひどいことするようには、私にも見えないよ」
「……じゃあ」
「その後の緊張しているカラワーナさんを見て、分かっちゃったんだよ。カラワーナさんは、なんとか私の機嫌を損ねないように無理してお世話していたように見えた。恐らく、カラワーナさんは、ミカエル様の部下の私にいい印象を与えて、ミカエル様のご好意を得やすくすることで、レイナーレさんとミコトくんの役に立とうとしたんでしょ」
「……」
「本当のことを教えて。カラワーナさん」
カラワーナさんは、俯いていた。何も答えなかった。身じろぎすらしなかった。
それは私にとっては、はいと返事しているようなものだ。
その姿を見て、私はカラワーナさんの過去がなんとなく見えた気がした。
カラワーナさんは、不器用なのだ。第一に付き合いが苦手で、第二に嘘をつくのが下手すぎる。そして第三に、それを誤魔化そうとしてクールなふりをして無口になり、陰気な奴だと思われるという悪循環だ。
私は今やある程度動けるようになったというのに、雰囲気はお葬式になっていた。
私は話しかけた。私がお利口さをはねのけたのは、こんな雰囲気にするためじゃない。
「カラワーナさん、よく聞いて」
「……」
「私は、カラワーナさんのことが好きだよ! 本当だよ。信じて。私、必死に頑張って努力するひたむきなカラワーナさんが好きだよ。カラワーナさんはずっと、自分を良くしようと戦っていると分かるよ!」
「……」
「私、ミカエル様にはカラワーナさんのことをうんと褒めちゃうんだから!」
「……」
カラワーナさんは、何も答えなかった。そういう甘い言葉に騙されたことが山ほどあったからかもしれない。
それでも、私はあきらめなかった。
「カラワーナさんは、レイナーレさんのことをどう思っているの?」
ぴくり。
カラワーナさんは初めて、顔を少し上げた。そして、はっきりと、告げた。
「……憧れだ」
「あこがれ?」
「レイナーレ様はいつも堂々としておられる。私やミッテルトをどん底から救ってくれたのも、レイナーレ様だ。容姿だって、スタイルだって、何1つ私では敵わない」
「でもカラワーナさんだって、美人だし、スタイル抜群だし、かっこ良いよ」
「……嘘を言うな」
「嘘じゃないよ。カラワーナさんがグレンデルと戦ったニュース、私見たもん」
「天界に仕えるお前が見れるはずがないだろう」
「あれから許可をもらって、ちょっとだけ天界に戻って、そこの図書館に行ってあなたたちの事を調べたんだよ。光の槍をしっかり構えて、レイナーレさんとミコトくんのために頑張ってた」
カラワーナさんは、驚いた表情ではじめて私のほうをはっきりと見た。
「教えてあげる。私にはこんなことしか出来ないし」
「こんなことって?」
「武器の扱い方! 槍を出してみて!」
カラワーナさんは広いところに出て、恐る恐る槍を出す。
「振ってみて! 3回!」
ぶんっ。ぶんっ。ぶんっ。
「あー。やっぱり!」
「なっ……?」
「まず一対一なら、前方に突くことだけで槍は十分なの。生み出す槍の刃先は一方だけにしたほうがいいよ! そ・し・て!」
私はばっ! とベッドから出た。
「ま、待て! まだ安静にしないと……」
慌てるカラワーナさんにかまわず、彼女の背中に立つ。
カラワーナさんの、ふわあっ……っという汗の匂いが、私の鼻をくすぐる。きっと、ずっと私を看病していた時にできた汗だろう。やっぱり頑張り屋さんじゃない、と微笑みながら、私は教え始めた。
「どうしても、多少は構えや振り方のために体を持つ必要があるの」
「……」
「嫌だったら、やめるよ」
「……続けてくれ」
「ありがと! まず槍の根元を持つの。利き手は右手だよね? え、両利きなの? そういう修行をした? それならどっちでもいいよ!」
私はカラワーナさんにつきっきりで5分くらい、基本の型を教えた。
「うんうん! 良くなってきたよ……って! うっ……痛っ!」
「言わん事ないじゃないか! 早く横になれ!」
緊張が切れたのか、体がずきずき痛み始めた。大急ぎでベッドに入る。カラワーナさんは枕だ湿布だとてんやわんや。でもその顔は、以前のような作り笑いではなかった。
そして、一段落した後、カラワーナさんは私の横に座った。
「問題ないか?」
「うん!」
「そうか、じゃあよかった……その……」
「どうしたの?」
カラワーナさんは少し下を向いた後、、照れ隠しのように、言った。
「イリナ、お前、案外いい奴だな」
「案外は余計だよー!」
カラワーナさんは思わずクスクスと笑った。その様子を、私は記念写真として心の中にしまった。
****************************************************************
僕たちはホテルへと戻って来た。ヴァーリさんは、捕らえたコカビエルとフリードの身柄を堕天使本部へと届けなければならないとの事で、いったん彼とは別れた。その用が済み次第、僕たちを迎えに来るとの事だ。
僕としては、僕たちへの憎悪に凝り固まった、あの執念深い兵藤や木場がヴァーリさんがいない隙を狙って僕たちを襲って来ないかが心配であったが、ヴァーリさん曰く、あれだけクギを刺しておいた上に仲間たちからも止められた以上、いくらあの兵藤といえども主のグレモリー先輩の立場もあるから、さすがにすぐには襲っては来ないはずだという事だった。
「それに【黒龍王】。君の潜在能力は以前、俺も見せてもらった。君がいれば、たとえ彼らが襲ってきても何とかなるだろう」
ヴァーリさんはそう言った。僕としては正直不安だが……
戻って来た僕たちを、もう意識が戻り元気になったパジャマ姿のイリナさんが満面の笑顔で迎えてくれた。彼女の傍にはカラワーナさんが寄り添っていて、彼女も笑顔だ。どうやらこの二人、すっかり仲良くなったようだ。
「お帰り! 無事で帰って来て良かったっ!」
「お帰りなさい! レイナーレ様! ミコト殿!」
「イリナ! お前こそ無事で良かった!」
ゼノヴィアさんも笑顔でイリナさんの無事を喜び、2人は抱き合って喜び合う。この2人、よく喧嘩もするが、やはりとても仲が良いようだ。
「すっかり元気になったみたいだな?」
「うん! カラワーナさんが一生懸命看病してくれたから!」
「そうか……ありがとう」
「いや、私はそんな大した事はしてないが……」
イリナさんとゼノヴィアさんの感謝を受けてカラワーナさんは照れくさそうな表情を浮かべている。
ここを出る前に彼女が寂しそうだと感じたのは、やっぱり僕の取り越し苦労だったのかな……
そして……
「ミコトくん! レイナーレさん! 話は聞いたわ! コカビエルとの戦いで重傷を負った私を助けてくれたのはあなたたちなんですってね! ありがとう!」
いや、イリナさんをコカビエルたちのアジトから助け出したのはヴァーリさんだし、治療したのはレイナーレで、僕は何にも出来ていないけれど……
そして僕たちはイリナさんから、コカビエルたちとの戦いの様子について聞かれ、それに答えた。
「そうか……フリードは木場くんが倒して、バルパー・ガリレイはコカビエルに殺され、そしてコカビエルはヴァーリさんに倒されたんだ……」
「ああ、悔しいが、私たちではコカビエルには歯が立たなかった。しかし、あのヴァーリという男、あんな優男だが、あれほどまでに強いとは。まさかコカビエルを問題としないほどとは……世間は広いな」
ゼノヴィアさんが嘆息まじりで答えた。
「それにしても……ゼノヴィア、元気ないね。何かあったの?」
「い、いや、別に何もないぞ。ただ、コカビエルに全く歯が立たず、他人に奴を倒す手柄を奪われてしまい、私は何も出来なかった……それがショックでな……」
心配そうな様子のイリナさんの問いかけにゼノヴィアさんはそう答えた。
間違いない。ゼノヴィアさんは大怪我から回復したばかりのイリナさんを気遣って、あの事を……神の死の事を彼女には当面伏せておく気なんだ。
それを悟った僕はそっとレイナーレとミッテルトちゃんに目配せをして、二人はうなずく。それにゼノヴィアさんは気づいて、イリナさんに悟られないようかすかに僕たちに頭を下げた。
「ふーん……そうなの……」
イリナさんはゼノヴィアさんの返事に少し考えるような素振りを見せたが、それ以上突っ込む事はなかった。
その代わりに彼女は今度は僕たちの方を向いて笑顔で言った。
「そういえば! ミコトくん、あなた、レイナーレさんと添い遂げるために堕天使になりたいそうね! そしてそのためにミカエル様とお近づきになりたいとの事ね! カラワーナさんから聞いたの!」
「えっ……?」
僕とレイナーレは思わずカラワーナさんの方を見た。
「も、申し訳ありません……彼女からお二人の事を色々と聞かれてつい……」
「もう! カラワーナさんたら別に謝る必要ないのに! ミコトくん、私、感動しちゃったの! ミコトくんがレイナーレさんと添い遂げるために、どんな困難を乗り越えてでも堕天使になろうとしているって! そこまで想われているレイナーレさんも幸せよね! ねっ!?」
「え、ええ……」
ハイテンションな調子で恋に憧れているという感じで叫ぶイリナさんの言葉にレイナーレは少し恥ずかしそうだ。
「あなたたちは私の命の恩人だし、私も微力ながら応援させてもらうわ! 帰ったらミカエル様にあなたたちの事を話しておくから! とても良い人たちで、私たちとても助けられたって!!だからあなたたちのお願いをぜひ叶えていただきたいって、そう話しておくわ!」
そうイリナさんは言ってくれた。
「イリナさん……ありがとう!」
「ありがとう……!」
僕とレイナーレは心の底から彼女に礼を述べる。
「そんなにかしこまらなくて良いよ♪ 私たち友達だし♪ 私の言葉がどれくらいミカエル様のお心に響くか分からないけれど……少しでもあなたたちの力になれたら嬉しいから♪」
「だが、キミたちは未だにグレモリー眷属の皆に……特に赤龍帝にひどく憎まれている。これからも大変だと思うが、気をつけてくれ」
ゼノヴィアさんが僕の肩に軽く手を触れつつ言った。
「………………………」
その言葉に盛り上がっていた雰囲気は一変する。はしゃいでいたイリナさんも一転して悲しげな表情となり、僕たちも重い気持ちとなる。
「彼ら、決して悪い奴らじゃないんだが。いや、いったん気心さえ知れればとても面白い連中だと思うんだが……ただ、眷属間の情愛がとても強いからね。私たちも今回、彼らと関わってそれを実感したが、彼ら、仲間がひどい仕打ちを受けたと思えばその相手を凄まじく憎む。そんな所があるからね」
「…………………」
「特にあの赤龍帝は、レイナーレ、キミが殺して神器を奪ったあのアーシア・アルジェントをとても大切に思っていた。その上、キミは彼を騙して殺してもいる。だから彼はキミの事を心底憎み切っている」
「私も、レイナーレさん。あなたの事を話している時のイッセーくんはまるで人が変わっているように感じたの。彼は綺麗な女の子には目がないっていう性格なのに。女の私から見てもこんなに綺麗で素敵なあなたの事を、イッセーくんは【これほどまで!】と思えるほどに憎んでいるわ」
「…………………」
ゼノヴィアさんとイリナさんの言葉にレイナーレの肩がふるえる。僕も兵藤が彼女の事を
憎悪を込めて罵っている様子を、それにグレモリー眷属の他の連中も同調して皆で彼女を罵っている様子が頭に鮮明に浮かんでくる。
「私もイリナも彼らの事が気に入っている。そして同時に君たちの事も好きだ。だからいずれ君たちに何とか和解して欲しい、そう願っているよ」
「うん……僕たちの主であるアザゼル様からもそれを期待されているから……」
僕は重苦しい思いをこらえつつ答える。
「そうか……私たちも今後、力になれる事があれば協力は惜しまないつもりだ。遠慮なく言ってくれ」
「私も、さっきの件はもちろん、それ以外の事でも出来る限りあなたたちの力になりたいと思うわ。だから、これからもよろしくね」
ゼノヴィアさんとイリナさんはそう言ってくれた。その時……
「戻ったよ。では、君たちもそろそろここから帰るとするかね」
ヴァーリさんの声が響いた。
そこで僕とレイナーレは二人に別れの挨拶をする。
「じゃあ、今回はこれでお別れだね。また会おうね!」
「私たちを応援してくれてありがとう! 二人とも元気でね!」
「うん。本当に世話になったね。ありがとう」
「ミコトくん、レイナーレさん、いつもお幸せに! カラワーナさんとミッテルトちゃんも元気でね!」
ゼノヴィアさんとイリナさんが笑顔で手を振ってくれる。
カラワーナさんとミッテルトちゃんも手を振って応える。
「ああ、元気でな」
「色々とあったすが、楽しかったっすね! また会おうっす!」
そして僕たちは堕天使界へと戻った。
****************************************************************
僕とレイナーレは堕天使界に戻ってから数日後、アザゼル様によって堕天使本部へ呼ばれた。僕たちとしては帰ってすぐにお会いして報告したかったのだが……
「お前たちも疲れているだろう。まずはしっかり休め」
とアザゼル様から連絡を受けて、報告書は送ったものの、しばらくの間は休暇をいただくという事になったのだ。
まあ、アザゼル様は重要な事は既にヴァーリさんからお聞きになっているはずだしね……
僕たちは執務室前に立って、ドアをノックしつつ挨拶する。
「國原尊、レイナーレ、参上いたしました!」
「おう! 入れ!」
「はっ!」
「ご苦労だった。コカビエルは捕らえたし、奴の一味は壊滅した。そして教会から使わされた聖剣使い2人とも良い関係を築けたみたいじゃねえか。何よりだな」
「いえ、僕たちは何も……ヴァーリさんがほとんど全てされた事ですので」
「そんな事はねえよ。お前たちが教会の聖剣使いの2人と良い関係を築いてくれたお陰で、俺としても天使どもとの関係修復に向けて良い形が出来た。ありがとうよ」
アザゼル様はそう僕たちをねぎらってくださった。
「総督閣下にそのように仰っていただけて光栄でございます。それにしてもあのヴァーリさん、あれほどまでにお強いとは……正直驚きました」
「ああ、あいつは本当に強ええ。性格も悪い奴じゃないんだが……だがな……」
レイナーレの言葉を聞いてアザゼル様は何か気がかりがあるという様子を見せる。
「総督閣下、ヴァーリさんについて何か気になる事がおありなのですか?」
「いや、何でもねえ……気にしねえでくれ」
アザゼル様はそう言った。そう仰る以上、僕もレイナーレも彼の事についてはそれ以上は聞けなかった。
「それで、コカビエルの処置はどのようになるのでしょうか?」
「ああ……奴は【地獄の最下層(コキュートス)】で【永久冷凍の刑】と決定し、既に執行された」
「【永久冷凍の刑】……」
思わずその言葉を口ずさんだ僕にレイナーレが教えてくれた。
「地獄の最下層の暗闇の中で凍り漬けにされて、意識の全くない状態でずっと生き続けるの……」
それは何とも恐ろしい刑だ……
アザゼル様の顔は悲しげな憂いを帯びていた。どんな暴れ者で大きな罪を犯した者であろうと、アザゼル様にとってコカビエルは悠久の時を共に戦った仲間であったのだ。口に出さずとも心に痛みを覚えているのだろう。
しばらくしてアザゼル様は思い起こしたという風に僕たちに聞かれた。
「そういや、直接コカビエルに引導を渡したのはヴァーリだったが、その前にあの魔人の小僧……鬼崎陽太郎だったか……奴がコカビエルと戦ったそうだな」
「は、はい」
「尊、お前はそいつとコカビエルが戦ったのを見てどう思った?」
「はっ……彼はグレモリー眷属たちを圧倒していたコカビエルを前に恐れている様子も全くなく、コカビエルの攻撃を平然と受け止めてあしらっていました。おそらくヴァーリさんがあの場に来なくてそのまま戦っていても、勝っていたのは彼であったと思います」
「レイナーレ、お前はどう思った?」
「はっ、私もミコトと同意見でございます」
「なるほどな……やはり奴はただ者じゃねえな……よく調べてみる必要がありそうだ」
アザゼル様は警戒心をあらわにそう言われた。
「ところで、お前たちと関わった、あの2人の聖剣使いだが」
「イリナさんとゼノヴィアさんの事ですね」
「そうだ。まず紫藤イリナは奪回したエクスカリバーとバルパーの死体を持って教会へと戻った。そしてお前たちの事をトップのミカエルに伝えたそうだ。そうしたらミカエルの奴、お前たちに大いに興味を持ったらしく、【近いうちに会いたい】と言ってきやがった」
「そ、それはありがたく思います!」
「イリナ、約束をしっかり守ってくれたわね!」
「うん! そうだね!」
レイナーレが僕に微笑み、僕も彼女に微笑み返す。これで僕が堕天使になるための最初の切り口が出来たという事。僕の心に大きな希望が広がる!
「そしてゼノヴィアだが、あいつはリアスの手で悪魔に転生してグレモリー眷属の一因になったとの事だ」
「えっ!!?」
アザゼル様の言葉に僕たちは驚愕する。確かにゼノヴィアさんはグレモリー眷属たちについて好意的な様子だった。
決して悪い奴らじゃない。いったん気心さえ知れればとても面白い連中。私は気に入っている
そう言っていた。だが、それまで悪魔と対立する教会(天使)陣営に属していて、神への忠誠をあれほど口にしていたゼノヴィアさんが、いきなり転生悪魔になるとは……!
「まあ、神への信仰に人生の全てを懸けて来たあいつにとって、コカビエルが暴露した【神の死】から受けたショックはそれほどに大きかったって事だ。レイナーレ、堕天して神の加護を失っていたお前だってそれを聞いた時にはそれなりに驚いただろ? ましてやゼノヴィアの場合は容易に想像つくだろ」
「は、はい……」
「でも……だからと言って悪魔になるなんて……」
レイナーレは複雑な表情を浮かべつつ言った。彼女としては知り合ってまだ間もないとはいえ、それなりに心が通じ合ったと思ったゼノヴィアさんが仇敵のグレモリー眷属の一員となった事、それがショックだったのだろう。
「まあ、そのゼノヴィアの気持ちはあいつ自身にしか分からねえ事だからな……とはいえ、レイナーレ、ゼノヴィアがグレモリー眷属の一員になったってのは必ずしも悪い事じゃないぜ。お前たちをひたすら憎むだけだった連中の中に、多少でもお前たちに理解のある奴が加わったという事だからな」
「あっ……!」
「確かに……!」
「そしてイリナは教会に残って、ミカエルにお前たちの事を伝え、ミカエルの奴はお前たちに対して興味と好感を抱いた。サーゼクスの奴も、賞金につられてお前たちを襲った悪魔どもをお前たちが殺さずに命を助けた事でお前たちに悪くない印象を抱いた。これで準備は整った。近々、俺は天使と悪魔に対して和平を持ちかけるぜ。そして尊、お前の願いについてもミカエルに直接、俺から持ちかけるつもりだ」
アザゼル様のそのお言葉に僕とレイナーレの胸が一気に期待に膨らむ!
「そ、総督閣下……!! ありがとうございます!!」
「何とお礼を申し上げてよいか……!!」
「礼を言うのはまだ早い。講和会議の時には当然、お前たちにも出席してもらわなくちゃならねえが、そこには当然、グレモリー眷属の連中も来る。お前たちを憎んでいるあの連中は、まず間違いなくお前たちを会議の席上で非難して、改めて厳罰を求めるに違いねえ。もちろん、お前たちの身は俺が守る! だが、お前たちには辛い席になるのは間違いねえ。その事は覚悟しておけ」
「は、はいっ!」
僕とレイナーレは改めて気を引き締める。そうなのだ。あのコカビエルとの戦いが終わった後のグレモリー眷属たちが見せた僕たちへの変わらぬ激しい憎しみ。彼らは状況さえ許せば、再び僕たちに復讐しようとするに違いない。僕はそれを常に心に留めて、彼らがどんな手を使ってレイナーレに危害を加えようとしてきても、それに立ち向かって愛しい彼女を守らなくてはならない!
そして僕とレイナーレは家に戻った。
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その数日後、僕とレイナーレは再びアザゼル様に堕天使本部へと呼び出された。そして総督執務室に入った僕たちはその場でアザゼル様に伝えられる。
「尊、レイナーレ、和平会談の日程が決まったぜ。期日は一週間後、場所は駒王学園だ」
「えっ!? 駒王学園でございますか!?」
僕も、そしてレイナーレも驚く。それは因縁の相手で僕たちを常に脅かすグレモリー眷属たちの本拠地であるのに加えて、僕にとってはずっと生活の場であった所でもあるから。
「まあ、お前たちにとって居心地の悪い場所だってのは分かってる。だが、あそこはグレモリー眷属の本拠地って事に加え、先日のコカビエルの事件の舞台でもある。さらにサーゼクスとセラフォルー・レヴィアタンという二人の魔王の妹が共にそこに所属してる上に、教会の聖剣使いだったゼノヴィアもいる。って訳でサーゼクスがあそこを会場にと望んできて、ミカエルもそれに異存なしって事でな」
「は、はい……」
アザゼル様の言葉に、僕もレイナーレも承知するしかなかった。
そうなんだよね……あそこはグレモリー先輩だけじゃなくて、彼女と同じく魔王の妹である支取会長のいる場所でもあるんだ……でも、支取会長のお姉さんの女性魔王ってどんな人なのかな……?
「そして出席するのは悪魔陣営からはサーゼクスとセラフォルーの魔王2人にソーナ・シトリー、そしてリアスをはじめとするグレモリー眷属の連中。天使陣営からはミカエルとその側近の上級天使ガブリエル。そして我が堕天使陣営からは俺とヴァーリ、そしてお前たち2人とカラワーナとミッテルトだ」
三大勢力のトップの方々と、レイナーレとコカビエルがそれぞれ起こした事件の関係者という事か。だからカラワーナさんやミッテルトちゃん、そしてヴァーリさんも入っている………
「そして会談においては間違いなく、グレモリー眷属の連中がレイナーレたちの厳罰を要求してくるに違いねえ。その奴らに対しての反論は尊、お前に任せるぜ。俺も所々、口は挟むけれどな」
「は、はいっ!」
アザゼル様の言葉に僕は強い決意を込めて返事をする。
「レイナーレ、それでいいな?」
「はっ! もちろんでございます! 私はミコトに全てを委ねる所存でございますから。総督閣下、ご配慮を感謝いたします」
レイナーレはアザゼル様に対して深々と頭を下げた後、僕の方を見て微笑む。
「ミコト、お願いね!」
「うん! 任せて!」
僕は彼女を安心させるように大きくうなずいてしっかりとした声で答えた。
これまでの彼らの態度から、どんな事を言ってくるかはほとんど想像がつく……!僕はそれに対して堂々と反論すれば良い!
「そして会談にあたっては前に伝えた通り、レイナーレ、お前がアーシア・アルジェントから奪った神器をグレモリー眷属に返還する。最低限それをしなけりゃ、誰も納得させる事はできねえからな。そのためにお前の体から神器を取り出さなくちゃならねえ。その儀式を明日行う事にする。それで良いか?」
「は、はい、承知いたしました」
アザゼル様の言葉にレイナーレはまた深々と頭を下げつつ同意した。だが……
「それであの、総督閣下、レイナーレの体から神器を取り出すのって、彼女の体に危険はないのでしょうか?」
僕はそう聞かずにはいられなかった。【神器を抜き取られた人間は死ぬ】と聞いていて、それで実際、レイナーレに神器を抜き取られたアーシアさんは死んでしまったのだから……
「それは大丈夫なはずだ。レイナーレは堕天使だし、神器は後から取り入れた後天的なものだからな。だが、かなり体が苦しくなるのは間違いねえ。それは覚悟しておけ」
「は、はい……」
僕は正直、まだ不安だったが、そんな僕をレイナーレは強い意志のこもった目で見つめ、そして笑った
「ミコト、大丈夫よ。心配しないで」
「レイナーレ……」
彼女の言葉に僕も覚悟を決める。実際、アーシアさんの神器を返さなければグレモリー眷属たちはもとより、他の誰もが全く納得しないのは間違いない。それは避けては通れない道なのだ。
「うん、そうだね!」
僕は彼女にうなずく。もし彼女に何かあったならその時は僕も! と心に誓いつつ。
そして僕たちが総督執務室を退出しようとした時、アザゼル様が僕を呼び止めた。
「尊、お前に少し話がある。レイナーレ、お前は外でしばらく待っていろ。なに、すぐに話は終わる」
「はっ、承知いたしました」
レイナーレはアザゼル様に一礼して、その後、僕の方を見つめる。
「じゃあミコト、私は外で待っているわね」
そしてレイナーレは外へ出て行った。
そしてレイナーレが執務室から出てしばらくしてアザゼル様は言われた。
「尊、レイナーレの体から神器を抜き取るって事、お前はあいつの体を心配して不安に感じているようだが、実はこれはレイナーレのためにも絶対に必要な事なんだ」
「えっ?総督閣下、それは一体、どういう事でしょうか?」
「レイナーレがやった、他人の体から抜き取った神器を自分の体内に埋め込むという事、それはとても危険な事だ。体に障害を起こしたり、自分の寿命を縮める危険性が非常に高いんだ」
「体に障害や寿命を縮める危険……あっ!」
僕は理解した。よく臓器移植などで問題となる。【拒絶反応】という事だ。体内に他人の臓器などが入ると、人間の体はそれを異物として排除しようとしてしまい、その結果、手術が失敗するという事はよく耳にする。それと同じ事なのだ。
「だから俺はそうした【拒絶反応】が起こらねえように、そして今回のレイナーレのように他人の神器を奪うなんて事件が起こらねえように、人それぞれの体に対応できる【人工神器】の開発をしている。今のところ、本物の神器に比べて若干、性能が劣る部分もあったりするが、ちゃんと使える物が出来ているぜ」
「そう、なのですね……」
「だから、今回、神器をグレモリー眷属に返すってのは形はどうあれ、レイナーレの為にも良い事なんだ。ただ、まだこの事はレイナーレには言うな。さっきも言ったように神器を体から抜き取るっていうのは相当な苦痛を伴うからな……そんな時に余計な精神的ショックを与えちゃならねえからな」
そうだったんだ……むしろ、今、あの神器を抜き取らない事の方がレイナーレにとってははるかに危険な事だったんだ! それにしてもアザゼル様、【神だけが与えられる人間への贈り物】である神器をご自分の手で作ってしまえるなんて、本当になんて凄い方なんだ!
僕はレイナーレの事で幾分、安堵すると共に、アザゼル様に改めて感嘆した。
「承知いたしました。ありがとうございます」
僕はアザゼル様に礼を述べて執務室を出て、外で待っていたレイナーレと合流する。彼女が僕に聞いてくる。
「ミコト、アザゼル様と何をお話ししたの?」
「うん、あれはね、今後の僕がすべき事の予定についてお話ししていたの」
まあ、嘘ではあるがアザゼル様から口止めされているし、またレイナーレにショックを与えないためにもここは仕方がない。それにこのように言っておけば、彼女に突っ込まれても、何とでも言う事ができる。
「ふうん、そうなのね……」
僕の答えにレイナーレは少し気がかりだという様子は見せたものの、それ以上聞いてはこなかった。
****************************************************************
翌日、僕たちは今度は4人全員で堕天使本部を訪れ、いよいよレイナーレが神器抜き取りの儀式を行う事になった。
僕たちはアザゼル様と共に儀式の行われる聖堂へと赴く。そこには緑色の文様が輝く大きな十字架が壁に備えられ、そしてその手前の祭壇には何か呪文のようなものが書かれた器が備えられていた。
僕は結局、見る事はなかったが、あの、以前僕たちが最初に暮らしていた教会の地下にもこれとほぼ同様の装置があって、アーシアさんの体から神器を抜き取ってレイナーレの体内に入れる儀式をそこで行ったとの事だった。
レイナーレが儀式の担当者の人に促されて祭壇へと進み出る。そしてそこで彼女はボンデージを脱いで全裸となり、僕を常に魅了する美しく卑猥な裸体をさらす。そして彼女は担当者の人に、十字架に備え付けられているベルトによって十字架に体を固定された。
それを内心ハラハラとしつつも平静さを装って見つめる僕、そしてカラワーナさんとミッテルトちゃん……
「では始めます」
担当者の合図と共に担当者が祭壇の近くにある装置をいじる。すると十字架に電流のようなものが流れ、それが光輝く。すると……
「あっ!! あっ!! ああああああーーーーーーーっ!!!」
レイナーレが苦しそうに目を剥いて、裸体を大きくよじって絶叫する。
「レイナーレっ!!!」
僕は思わず彼女の名を叫ぶ。
「うっ!! うわあああああああああっ!!! ああああーーーーーーーーーっ!!!」
レイナーレがさらに苦しそうに激しく身もだえして絶叫する。
「レイナーレ様っ!!!」
「姉さまっ!!!」
「ううううーーーーーーっ!!! うひいいいいいいいいいいっ!!!!」
レイナーレの顔に浮かぶ苦痛と、彼女の絶叫はさらに激しさを増し、僕は思わず目をそらしかけるも、そこで自分を叱りつける。
僕は何をやってるんだ!! レイナーレが大変な苦痛に必死で耐えているのに!!
そして僕は振り絞って愛しい彼女に叫ぶ。
「レイナーレーーーーっ!! 頑張ってーーーーーっ!!」
するとレイナーレにその声が届いたようで、彼女は
「ミ、ミコトおおおおっ!!!ああっ!!!ああああああーーーーーっ!!!」
と歯を食いしばって苦痛に耐える。そしてその瞬間に淡い緑色に輝く球体が彼女の体から出るとフッと離れ、祭壇の上の器の中へと入っていき、そこに収まった。
「あはあっ……ああっ……はあっ……はあっ……」
レイナーレがその美しく卑猥な裸体を汗でびっしょりと濡らしてあえいでいる。彼女の張り詰めた大きな乳房が彼女の激しい息遣いと共にブルブルと揺れて、彼女の大きな乳首は激しい体の緊張ゆえか、いつも以上に硬くカチカチに勃起して突き出していて、彼女の美貌には恍惚とした表情が浮かんでいる。こんな時でなければ、僕はそんな彼女の姿に興奮していただろう。
担当者の人が祭壇の装置のエネルギーを切って、レイナーレの体を十字架から降ろす。僕たちは急いで彼女の元へと駆け寄る。
「レイナーレっ!」
「レイナーレ様っ!」
「姉さまっ!」
僕は十字架から降ろされた汗でびっしょりと濡れて、ふるえているレイナーレの裸体を抱き締める。
彼女は目をゆっくりと開けて僕を見上げて、途切れ途切れの声で言った。
「ミ、ミコト……わ、私……あなたの声が聞こえて……だから頑張れた……わ……」
「うん!! 君はよく頑張ったよ!!」
そう叫ぶ僕に彼女はうっすらと微笑むと、ガクッ! と力が抜けて意識を失った。
「レイナーレっ!!」
僕は思わず大声で叫ぶ。すると僕たちから少し離れた場所で様子を見守っていたアザゼル様がいつの間にか僕のすぐそばにやって来ていて言った。
「大丈夫だ。気を失っただけだ。ただ、しばらくは安静にする必要がある。車で家に送ってやるから、そこでしっかりと休ませてやれ」
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「あっ! レイナーレ! 気が付いたんだね!」
私が目覚めると同時に愛しいあの子の声が聞こえ、潤んだ目のあの子の可愛い顔が目に映る。
「ミコト……!」
「レイナーレ様!」
「姉さま!」
続いてカラワーナとミッテルトの声も聞こえ、二人のやはり潤んだ目をした顔が映る。そして私は尊に問う。
「私……あれからどのくらい眠っていたのかしら?」
「そうだね……半日くらいかな……」
「半日……ずいぶんと眠っていたのね……ミコト、カラワーナ、ミッテルト、ごめんなさい。心配かけて……」
「ううん、そんな事ないよ。君はよく頑張ったんだもの」
「そうですよ。レイナーレ様、よく頑張られましたね!」
「姉さま、お疲れ様っす!」
三人は笑顔で私をねぎらってくれた。
「では、私たちはこれで失礼いたします」
「じゃあ、姉さま、ミコトくんと甘々な時間を過ごすっすよ~~」
カラワーナとミッテルトは部屋を出て行った。私と尊に気を使ってくれたのだろう。そして二人きりになった私と尊は見つめ合う……
「ミコト……これで後は三勢力会談に臨むだけね」
「そうだね。アザゼル様も仰ったように、君にとっては辛い場になってしまうけれど……僕が君を支えるから」
「ありがとう。大丈夫よ。あなたが一緒にいれば私はグレモリー眷属の奴らに罵声を浴びせられようが耐えられるから」
「レイナーレ……」
そう。これで私はアーシアに神器を返し、私の愚かしい野心の犠牲となったあの娘は生き返る。そして三勢力和平会談に出て過去に犯した罪を謝罪する。そうする事で私は忌まわしい過去とはっきりと決別して、愛しいこの子と未来に向けて歩み出すのだ!
私と尊はそっと顔を寄せ合って唇を重ねる……まずは軽いキス……そして私は顔を離した尊の目をまっすぐ見つめ、そして
「ミコト……抱いて……」
と愛しいこの子に願う。
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「ミコト……抱いて……」
軽いキスの後でレイナーレは美貌を赤らめつつ、僕をしっかりと見つめてささやいた。
僕はその彼女の表情と声にドキッ! としつつも彼女の体調を気遣う。
「えっ!? で、でも大丈夫なの? まだ休んでいた方が……」
何しろ彼女はまだ、あの神器を抜き取る苦痛に満ちた儀式を終えたばかりなのだから。
「ううん、大丈夫よ。よく眠ったから、もうすっかり回復してるわ。そして私、今はあなたに思いっ切り愛されたい気分なの……」
レイナーレは体を起こして立ち上がり、美貌に妖艶な表情を浮かべて僕を見つめる。だが、彼女はそこでふと何かに気づいた様子を見せる。
「あっ、ちょ、ちょっと待ってね。その前にあなたに見せたいものがあるの」
そう言って彼女は隣の部屋へと入って行った。そして数分後、戻って来た彼女は……
「ウフッ♪ ミコト、私のこの姿、覚えているかしら?」
レイナーレは美貌に妖艶な微笑を浮かべる。彼女が着ているのは前も後ろも大きく空いた黒のドレス。
前は彼女の陰毛がもう少しで見えるぐらいのところまで空いていて、彼女の深い胸の谷間も引き締まったおへそも丸出しだ。そして後ろも彼女の起伏に富んだ美しい背中が丸出し状態となっている。そしてその布地は薄く、彼女の硬く勃起して突き出している大きく卑猥な乳首がくっきりと浮き出している。そう! この姿は僕が彼女と初めて結ばれたあの時に彼女が着ていたドレス!
「もちろんだよ! 覚えているよ! いや、絶対に忘れられるはずがないよ!」
僕は激しく胸を高鳴らせつつ答える。
「ありがとう。ミコト、嬉しいわ……!」
レイナーレは美貌を輝かせる。そして彼女は潤んだ目で僕を見つめて言う。
「そう。あの日、あなたと結ばれた事が、私の運命を変えた最初の出来事。そしてあなたの愛によって私はどんどん変えられていった……それがあって今日の私があるの。だから、あの日と同じ姿であなたに抱かれたいの……」
「レイナーレ……」
「あの日、私が本来の姿を現してあなたを殺そうとした時、あなたはあの一誠をはじめとする私がそれまでに出会った他の男たちと違って、私を恐れるどころか、私をますます好きになってくれて、【君は美しい!】【君のためなら命を懸けても構わない!】と私を命懸けで求めてくれた。だから、私はあなたの想いに応えた。そしてあなたが私を求めてあの教会に来てくれた時、私はあなたと二度と離れないと決めたの」
「…………」
「でも、あの時の私はあなたを好きになっていたけれども、まだ、それを全てだと思う事は出来なかった……あの愚かしい野望に執着していた私はあなたが必死で止めてくれたにも関わらず、あなたを騙して暴走してしまった。その結果、私は一誠に無様に敗れて醜態を晒し、ドーナシークは殺されてしまった。でも、あなたはそんな私を助けようと命懸けで一誠に立ち向かって私を守り抜いてくれた……」
「…………」
「あの時から私は決めたわ。私は自分の自己満足のためではなく、ミコト、愛しいあなたのための【至高の堕天使】になるって……その時、滅びに向かっていた私の運命は大きく変わった。あなたは私が長い時をかけて求めた、アザゼル様の御信任をあっという間に得て、ミカエル天使長の好意も得たわ。そしてそれはただ、私への愛のためにあなたが頑張ってくれた結果……」
「レイナーレ……!」
「そして同時に私も大きく変わっていったの。あの自分本位で己の野望のために他人を犠牲にする事が平気だった私が、ミコト、愛しいあなたを喜ばせる事に、あなたを支える事に何よりも喜びを感じるようになったの……! 今日、私はアーシアから奪った神器をあの娘に返した。そして私は一週間後の和平会談で過去の過ちを謝罪し、ミコト、あなたはミカエル天使長の手できっと堕天使になる。そこから私とあなたの新しい人生が始まる……! 私はそれが嬉しいの! 嬉しくてたまらないの!」
「レイナーレ!」
僕は感極まってレイナーレを抱き締め、僕と彼女はそっと顔を寄せて唇を重ねる。
「あむっ……ううんっ……」
そして僕は唇を離すと潤んだ目で僕を見つめているレイナーレに伝える。
「レイナーレ、僕もそうだよ。あの日、君と結ばれた事で僕の運命は大きく変わった」
「ミコト……」
「あの日、君が本当の姿を僕に見せてくれた時の気持ち、あの衝撃を僕は決して忘れない。本当に人を好きになるってこういう事だったんだって……命を懸けて君を求める、その事に何の恐れも迷いもなかったもの。そして君はそんな僕の想いに応えてくれて、その素敵な体を僕に任せてくれた。そして君は【約束だから】と首を差し出した僕を殺さないでくれた。その後、僕を置き去りにして行ってしまったのは結構恨んだけどね」
「ミコト……!」
「そして君を追って教会にたどり着いた僕を君が受け入れてくれて、君といつも一緒に暮らせるようになった時はまさに天にも昇る気持ちだった。今までずっと恋人どころか友達すらいなかった僕が、君ほどの美しくて素敵な女性を恋人にして一緒に暮らせるなんて、それまで想像も出来なかったもの」
「…………」
「グレモリー眷属たちが襲ってきて、激怒している兵藤と対峙した時、正直、怖かったけれど、でもレイナーレ、君を失ってしまう恐怖と比べればそれははるかに小さかった。そして君がそばにいて僕を支えてくれた。だから僕は頑張れたんだ」
「ミコト!」
「レイナーレ、僕は誓うよ。絶対に和平会談でグレモリー眷属から君を弁護して守り抜いて見せる! ミカエル天使長や魔王の支持を掴んで見せる! そして必ず堕天使となって君と添い遂げる!」
「ミコト……!! 嬉しいっ!! 嬉しいわっ!! あなたがそれほどまでに私を愛して大事にしてくれるのが……私、会談でどんなに侮辱されても耐えて見せるわ! そしてこれまでの事をしっかりと謝罪するわ! だからミコト、絶対に堕天使になって! そして永遠に私と一緒にいてっ! 私のミコト!」
「レイナーレ! うん! 絶対に僕は堕天使になるよ! そして君と永遠に一緒にいるよ!」
「ミコトっ!」
レイナーレは感極まったという表情で目に涙を溜めて僕を見つめる。そんな彼女に僕の胸は彼女を愛しく思う気持ちで激しく高鳴る!
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尊に初めて抱かれた時の黒のドレスを再び着て、自分のこれまでの想いを彼に伝えた私。その想いを尊はしっかりと受け止めて、改めて永遠の愛を私に誓ってくれた。
私はそこで、過去と決別して尊と共に新たな人生を歩む決意を彼に伝えた。ちなみに尊は私にこれまで一度も過去の事を尋ねた事はない。それはこの子の優しさによるもの。そう、この子が大切に想ってくれているのは今、目の前にいるこの私なのだ。
私にどんな過去があろうと、この子にとって私が誰よりも愛しい存在である事は変わらないのだ。そう思ってくれているからこそ、この子は私に過去の事を聞いたりなどしない。
そう……【なぜ堕天したのか?】【なぜ、あのような無謀な行動に走ったのか?】、そんな事をこの子は一切、私に聞こうとはしないし、そんな事を知りたいというような素振りすら見せない。だが、もし私がその事を自ら話したのなら、この子は本当に親身になって話を聞いてくれるに違いない。私はそんなこの子の優しさが大好きだ!
ちなみに私の過去を聞かなかったのは、あの一誠も同じだ。しかしあの男が私に聞かなかったのは尊の理由とは全く違う。ただ単に興味がない、考える価値も感じていない、それだけの事なのだ。あの男にとって私は【自分を騙して殺した悪魔以上に悪魔な堕天使】であり、憎悪の対象でしかないのだから。【悪い奴】なのだから怒りと復讐の対象でしかない。だからそんな女の事など一切考える必要などない、そういう事なのだ。
だからあの男は私が【これで私を馬鹿にした者たちを見返す事が出来るわ!】と叫んだ時、それを気にも留めずに聞き流した。あの言葉に私のどんな思いが込められているのか、そんな事は全く考えもせずに。もしあれが尊であったなら、この子は絶対に【それは一体どういう事なの? 君に一体何があったの? 教えて!】と私から何としてでも聞こうとしたに違いない!
そして私がそんな事を考えていると、尊の心配そうな声が聞こえた。
「レイナーレ……?」
「えっ?何?」
「うん……君がまた、何かをとても深刻に考えているみたいだから……」
「ええ、私ね……あの夜、あなたが私を助けに駆けつけてくれる前に、アーシアから神器を奪った時、こう叫んだのよ。【これで私を馬鹿にした者たちを見返す事が出来るわ!】と……その時、あの一誠もその場にいて私のその言葉を聞いていたの。でも、あの男はその言葉を気にも留めずに聞き流したの……」
そう、私は尊にあの夜の出来事で、彼の知らなかった事実を伝えた。
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僕はレイナーレから、あのグレモリー眷属に襲われた夜の事で、僕が知らなかった事実を知らされた。それはレイナーレがアーシアさんから神器を奪った時の事、レイナーレはその時、
【これで私を馬鹿にしていた者たちを見返す事が出来るわ!】
と積年の思いを叫んだのだ。しかし、あの兵藤はその彼女の言葉を聞いてもそれを気にも留めずに聞き流したというのだ。
確かに、あの時にレイナーレがアーシアさんにした事は許し難い事ではあっただろう。だが、兵藤は彼女が道を踏み外して大きな危機にさらされているのに、彼女を救おうという努力を何一つしなかった。彼女がそんな状況に陥った、その理由を知る大きな手がかりが彼女の口から出たというのに、彼はそれを気にも留めなかった。
僕ならそんな事は絶対にあり得ない。力及ばなかったとはいえ、僕は彼女にあの無謀な企てを止めさせようと懸命に努力したし、もし僕が彼女のそんな言葉を聞いたなら、絶対に彼女のその言葉に込められた事情を聞かずにはいられなかった、それは断言できる!
そう、彼は少しも彼女を大切になどしていなかった。それにも関わらず彼は
「本当に大切に思っていた」
と以前、僕にも言っていたが、それを彼女に直接言ったというのだ。そんな言葉がレイナーレの心を打つはずなどない。
しかし彼は自分が彼女に【誠実だった】と思い込み、彼女を【俺の心を踏みにじった悪魔以上に悪魔な堕天使】と憎悪して罵り続けている。その彼女への憎しみは仕方のない事なのだろう。だが、彼の言う【本当に大切に思っていた】、それは断じて違う。それは断言できる!
「確かに私は自分の身勝手な目的の為にアーシアに、そして一誠にひどい事をしたわ……それは悪かったと思っているし、謝罪しなければならないと思うわ。でも、あの一誠、あの男の言葉には絶対に納得出来ないの……」
そう言って、レイナーレは厳しい表情を浮かべる。僕はそんな彼女を再び抱き締める。
「あっ……ミコト……」
「レイナーレ、僕も君と同じ気持ちだよ。君の事を少しも大切になど思っていなかったのに、【本当に大切に思っていた】などと言う兵藤。そんな彼の態度には納得できない! 大丈夫だよ! 僕が君を彼から、そして彼の仲間たちから絶対に守り抜くから! 僕の愛しいレイナーレ!」
「ああっ!! ミコトっ! 嬉しいっ! 嬉しいわ! 私もあなたが一緒にいてくれれば、たとえあの連中の前でも自分を奮い起たせる事が出来るわ!」
レイナーレは再び感極まった様子で叫ぶ。
「さあ、ミコト、私を抱いて」
レイナーレが強い意思のこもった目で僕を見つめる。その彼女に僕はうなずくと、僕は彼女に伝える。
「うん。君が着ているそのドレスはあの時と同じ。そして君のその美しさも。でも、一つ違うのは……」
そう言いつつ僕は、レイナーレの着ている黒のドレスの布地を今にも突き破りそうに硬く勃起して突き出し、自己主張している彼女の卑猥過ぎる大きな乳首を見つめ、それを指ですりっ……! ととさする。
「あっ!! あはあんっ!!」
レイナーレがビクン! と体をのけぞらせて甘い声であえぐ。
「そう、あの時の君の乳首はこんなに大きく、いやらしくなかった。君の乳首がここまで大きくいやらしくなったのは、僕が毎日、この乳首を愛し続けているから。そして君がこの乳首で僕を支え続けていてくれるから……そう、君のこの乳首が大きくなったのは僕と君の愛の絆がどんどん深くなっている証拠。つまりこの乳首は僕と君の【愛の実り】なんだ」
そして僕はその【愛の実り】を直に見ようと、レイナーレの両肩に手を置いて、彼女の黒のドレスをするっ……とずり落とす。
「ああっ……ミコトおっ……」
レイナーレの嘆息と共に彼女の滑らかな肌を黒のドレスがすべり落ち、彼女はその美の女神も圧倒する、僕を虜にしてやまない、あまりにも美しくていやらしい素晴らしい裸体を僕の前に晒す。
そして僕は彼女の張り詰めた弾力感にあふれる、美しく大きな乳房の頂にビン! とそそり立つ、僕と彼女の【愛の実り】である、あまりにも卑猥な、僕が見る度にそれだけで射精しそうになる硬く勃起した彼女の大きな乳首を今度は直に眺める。
「ああっ……! 本当に素晴らしいよ……! 君と僕のその【愛の実り】!」
僕はいつもながらの彼女のいやらしい大好きな乳首を見た感激と、これまでに彼女との間に育んだ愛の軌跡を思い起こして感無量となり、今度は直に彼女の乳首をすりすりとさする。
「あっ!! あっ!! あんっ!! ミ、ミコトっ!! あはんっ!!」
レイナーレは美貌に恍惚とした表情を浮かべて甘い声でもだえる。
そしてレイナーレは美貌に妖艶な微笑みを浮かべて、以前、僕を誘惑した時に取ったポーズを取る。そう、自分の美貌と美しくいやらしい魅惑の裸体への自信にあふれた不敵な表情を浮かべて、その自慢の張り詰めた美しい大きな乳房と、あまりにもいやらしい大きな勃起乳首を僕に見せつけるポーズを。
「ウフッ……♪ そうね♪ 私のこの乳首はミコト、あなたの愛を受けて、そしてあなたを支えるためにこんなに大きくいやらしくなった……この乳首はまさに、あなたと私の【愛の実り】。あなたは永遠に私のこの胸に、乳首に夢中ね。そしてあなたは常に私のこの胸で、乳首で力を得るのよね。この至高の堕天使のこの胸で、この乳首で! そう、あなたは永遠にこの私に夢中……私だけを見つめるの。そうよね? 私のミコト」
「うん! そうだよ、レイナーレ! 僕は永遠に君のその胸に、乳首に夢中! そして君だけを見つめて、君だけを愛し続ける! 大好きだよ! 僕の至高の堕天使!」
僕は興奮のあまり、股間がどうしようもなくうずくのに耐えながら、目の前のあまりにも美しく、あまりにもいやらしい最愛の女性に向かって叫ぶ。
「ああっ……!! 嬉しいっ!! 嬉しいわミコト!! さあ……来てっ……」
レイナーレが妖艶な目で僕を見つめて誘う。もう股間のうずきが限界に達した僕はむしゃぶりつくように彼女の魅惑の裸体に飛びつく。
「ああっ!! レイナーレっ!! 僕のレイナーレっ!!」
「あはあっ!! ミコトっ!! 私のミコトっ!!」
僕はまず、またレイナーレの卑猥過ぎる硬く大きな魅惑の乳首を指ですりすりっ! すりりっ! と何度も何度も激しくさすり、またビンッ! ビンッ! と激しく指ではじく。僕の指の動きと共にレイナーレの乳首がぶるっ! ぶるぶるっ! ぶるるんっ! とまるで意思を持つ生き物のように卑猥にうごめく。
「あっ!! あはああっ!! はあんっ!! ミ、ミコトっ!! ち、乳首気持ち良いわあっ!! あっ!! はあああんっ!!」
あまりにもいやらしい大きな乳首をぶるん! ぶるんっ! と弾ませて美貌に恍惚とした表情を浮かべて淫らにもだえるレイナーレ。彼女のその姿に、指に感じる彼女の乳首の硬くムチムチとした感触が僕の彼女への恋情が、欲情が爆発する。
ああっ!! レイナーレっ!! 君は何でそこまで素敵なのっ!! 何でそこまでいやらしいのっ!! 僕は君がいてくれさえすればどんな事だって乗り切っていける!! 愛してる!! 愛してるよっ!! 僕のレイナーレっ!!
そして僕はレイナーレの張り詰めた、横になってもその形を崩す事のない、ムッチリとした弾力にあふれる彼女の美しい大きな乳房をぐにいっ! と力を込めて掴む。僕の指を押し返してくる彼女の乳房の弾力。
「あっ!! あああああんっ!!」
レイナーレが裸体をのけぞらせて絶叫する。そして僕は彼女の乳房をそのまま力いっぱい、ぐにゅっ! ぐにっ! ぐにぐにっ! と何度も何度も揉みしだく。僕の指がめり込み、彼女の乳房が卑猥に変形する。
「ふああああっ!! ミ、ミコトおっ!! 良いわあっ!! もっともっと揉んでえっ!! あっ!! あはああああっ!!」
乳房を揉まれる快感に絶叫するレイナーレ。その彼女の痴態に僕は興奮して、さらに彼女の乳房を夢中で揉み続ける。
そして僕は再び、僕たちの【愛の実り】、すなわち僕が好きでたまらないレイナーレの魔性の乳首への攻めを再開する。まずはその乳首をるろっ……となめる。
「あっ!!」
レイナーレがまた甘い声をあげて裸体をふるわせる。そして僕は彼女の硬く勃起した大きな乳首を、乳輪を存分になめ回す。
「ああっ……! レイナーレっ……君の乳首、何度なめ回してもおいしいっ……! 僕の最高の御馳走っ……! 僕の最高の宝物っ……! 君のこの乳首はっ……! るろっ……れろっ……ぺちゃあっ……ああっ……本当に何ておいしいのっ……」
「あはあんっ! はああっ! ふあああんっ! わ、私もっ! あ、あなたにこうやって乳首なめ回されるのっ! さ、最高に気持ち良いのおっ! も、もっとなめ回してえっ! あっ! あああんっ!」
僕はレイナーレのカチカチに硬く勃起し、その上、ムチムチとした弾力感にあふれる大きな乳首に夢中となり、何度も何度もなめ回す。僕の舌が彼女の乳首を、乳輪を余すところなく這い回り、彼女の大きな乳首が先ほどの指による攻めと同じく、ぶるっ! ぶるるっ! とまた卑猥に躍動する。そしてレイナーレは僕に乳首をなめ回されて、美貌に恍惚とした表情を浮かべて、僕の頭を優しく抱きつつ、甘い声でもだえる。
そして僕はいったんレイナーレの乳首から顔を離すと、今度はそれを指でグリグリッ!と強くひねり回す。その硬くコリコリとした感触とムチムチの弾力感を同時に味わえる彼女の大きく卑猥な乳首は本当に、指で味わっても舌で味わっても最高だ!
「あっ!! あひいいいいいっ!!! ふひゃあああんっ!!! ミ、ミコトおっ!! ち、乳首そんなにグリグリされたらあっ!!! あっ!! あひゃあああああんっ!!!」
乳首を襲う強烈な刺激にレイナーレは長い黒髪を振り乱して、裸体をのけぞらせて絶叫する。
そして僕はレイナーレのその乳首にぶちゅうっ! と思い切り吸い付く。
「あっ!! あはああああああっ!!!」
レイナーレがまた絶叫して裸体をのけぞらす。そして僕は彼女の乳首に何度も吸い付き、しゃぶり、吸い上げる。僕の唾液まみれとなった彼女の大きく卑猥な乳首はテカテカと卑猥に
輝き、そのいやらしさはたまらない!
「あむっ! ちゅううううっ! ちゅばっ! るろっ……れろれろっ……はあっ……ああっ……! レイナーレっ! 好きっ! 大好きっ! はむっ! じゅるるるるるーーーーーっ!」
「あああああんっ!!! ミ、ミコトおっ!! わ、私も大好きいっ!! あはああっ!! もっともっと吸ってえっ!! あっ!! ああああああああーーーーーんっ!!!」
レイナーレの乳首を……彼女との【愛の実り】を指と舌で思う存分味わい、むさぼる僕。その僕の攻めに淫らにもだえ、絶叫するレイナーレ。それは延々と続いた。
そして……
長く激しい交わりの後、僕とレイナーレはベッドの上で抱き合って体を休めている。そしてレイナーレが僕に話しかける。
「ねえ、ミコト……」
「何……?」
「ええ……私、アーシアの神器を彼女に返したわね……それはもちろん当然の事なんだけれど、これで私は癒しの力を失ったわ……でも……ミコト、私はあなたを支える力をまた持ちたいの……」
「君は僕を十分に支えてくれているよ。君の愛が、君の体が僕に戦う力を……困難に立ち向かう力を与えてくれているんだ。君がいなければ僕は神器を発動する事すらできなかったし、とてもあのグレモリー眷属たちと戦うなんてできなかった。【ニプルブラスト】も君がいるからこそ使える技なんだ」
「ええ、そうね……でも、私はそれに加えて癒しの力を持ちたいの。以前、それを、あの【聖母の微笑】を求めた時は、私は自分の身勝手な欲望のためにそれを求めた。でも、今はミコト、愛しいあなたを支えるためにその力を持ちたいの」
「レイナーレ……」
彼女の言葉に、僕の心に彼女を愛しく想う気持ちが満ちあふれる。
「ねえ……ミコト、さっき言った通り、あなたが大好きな私のこのいやらしい乳首はあなたと私の【愛の実り】……」
そう言ってレイナーレは美貌に悩ましげな表情を浮かべつつ、つい先ほど、僕が激しく攻めまくった大きく卑猥な勃起乳首をまた見せつける。その彼女に僕の股間はまた激しくうずく。
「私のこの乳首があなたの神器の発動の源……そしてあの【ニプルブラスト】の凄まじいパワーもこの乳首から出る。それならその力をあなたを癒す力にも還元できるんじゃないかと思うの」
レイナーレの言葉に僕は股間の激しいうずきに耐えつつ答える。
「うん……そうだね。君のこの乳首が僕に与えてくれる力を考えれば確かにそれは可能かも。その可能性を探ってもいいかもしれないね」
そして僕は昨日のアザゼル様の話を思い起こして思う。
アザゼル様が開発した【人工神器】を活用すれば、レイナーレが望むように彼女の乳首を癒しの源にもできるかもしれない! 確かめる価値はある!
「うふっ♪ そうでしょ! じゃあ、それを探ってみま……あっ!! あはああんっ!!」
レイナーレが言い終わるのを待たずに、もう股間のうずきに耐えられなくなった僕は彼女の乳首をまた指できゅっ! とひねる。
「ミ、ミコトおっ! ま、また乳首をっ! さ、さっきしたばかりなのにっ……! あっ!! ああああんっ!!!」
そして僕はまた彼女と激しく求め合った……
(次回に続く)
このところ、仕事面でも、家庭的にも色々とありまして、前回の更新からずいぶんとかかってしまいました。楽しみにして頂いている方々、申し訳ありません(>_<)
今回の第15話、大きな変更点としては、まず冒頭のカラワーナとイリナの会話シーン。これは前の話には全くなかったものですが、新たに追加となりました。
それと、以前のお話ではコカビエル編の後に鬼崎が初登場して、彼が一誠や木場を唆して事件が発生、というエピソードがあったのですが、今回の完全版では鬼崎の登場がずっと早まった事で当然それはなくなり、ストーリー構成が大きく変わりました。
レイナーレがあの、初めて尊と結ばれた時に身に付けていた黒のセクシードレスを着て彼と愛し合う場面。彼女にとってはまさにそれまでの過去と決別して愛する尊と共に未来ヘと向かう決意を示しています。
そして前回のコカビエルと対峙した場面といい、今回の尊との会話の中でのセリフといい、彼女に以前の強気な性格が戻って来ています。あの教会での戦いで怒る一誠に圧倒されたショックと、自分の暴走により愛する尊を命の危機にさらし、ドーナシークを犠牲にしてしまった事で自信を喪失して気が弱くなっていた彼女ですが、尊の愛に支えられて何度も危機を乗り越え、実力を高めた事で自信を次第に取り戻し、強めている事を示しています。
今回の表題の【愛の実り】…まあ、そういう事で(赤面)(^_^;)
いよいよ次回は三勢力会談、そしてそれに先立って尊とレイナーレの願いを叶える上で不可欠な、あの人物との初対面となります!
それでは、次回をお楽しみに!(*´∀`*)