そしてアザゼルは尊たちに新たな命令を下す。
夜、私の携帯に電話がかかってきた。私は現在、一誠のお宅で暮らしていて、そこには彼のご両親と、朱乃、アーシア、ゼノヴィアが共に暮らしている。そして私たちはその時、一誠の部屋に集まって、そこで談笑していた。
「はい、リアス・グレモリーですが……」
「リアス部長、僕だよ」
「陽太郎? どうしたの?」
「えっ、部長、鬼崎からですか?」
「陽太郎からか……こんな時間にどうしたんだ?」
私の声を聞いた眷属たちがと口々に言う。
「ちょっと、静かにしていて」
私はざわつく皆を静止して陽太郎との話に戻る。
「あっ、ごめんなさい。それで何かあったの?」
「うん、今日、夜道を歩いていたら、すごく気になる事があってね」
「気になる事……?」
「うん、ほら、レイナーレの部下の堕天使で、うちの学園の教師になっているカラワーナという女がいるよね」
「ええ……以前、イッセーを襲った、あの背の高い堕天使の女ね。あの女がどうしたの?」
「背の高い堕天使の女……あいつか……」
「カラワーナさん……」
「カラワーナか……」
その名を聞いた途端に一誠は不機嫌な表情を浮かべ、一方、アーシアとゼノヴィアは心配そうな表情を浮かべる。
「うん、あの女がうちの1年生の男子生徒と一緒にいてね。確か彼女は【ルオン】って呼んでいたね……小柄で華奢で、女の子のように可愛らしい感じの子だよ。まるでギャスパーくんみたいに」
「【ルオン】……」
私は思い起こす。
そういえば、1年生にうちのギャスパーと並ぶ、【男の娘】って感じの子がいるって聞いた気がしたわね……
「それで、あの女とその子がどうしたというの?」
「その二人が夜道を並んで歩いている間に突然、はぐれ悪魔に襲わたんだけど、その男子生徒が神器を発動させてはぐれ悪魔に大ダメージを与えて二人は一気に形勢逆転して、そのはぐれ悪魔を倒したのさ」
「えっ!? その子、神器保有者なの!?」
「そう。それも強力な神器……相手の攻撃を何倍にもして跳ね返すというもの」
「相手の攻撃を何倍にもして跳ね返すという事はおそらく……とにかくそれは敵に回したらかなり厄介ね……」
「そう。そしてその男子生徒は……明らかにあの女……カラワーナに好意を抱いている。いや、完全に惚れている。カラワーナが【ずっと私のそばにいてくれるか?】と聞いたのに対してその男子生徒は【はい!】とはっきりと答えていたからね」
「何ですって? じゃあ、その子は完全にあの女に籠絡されているっていうの?」
私は思わず寒気がした。堕天使の性悪女に神器保有者が籠絡される。それによる悪夢を私たちはもう散々、あのレイナーレと尊によって味わされてきた。
「残念ながら、そのようだね。これは部長に報告しておいた方が良いと思ってね」
「ええ、そうね……ありがとう、陽太郎」
私は電話を終えて眷属たちの方へと振り返る。
「部長、今の鬼崎の話は……」
問いかけてきた一誠に私はうなずき、今、陽太郎から聞いたばかりの話の詳細を皆に伝える……
「あらあらぁ~~そんな可愛い子を~~それは妬けますわねぇ~~」
朱乃が例の思い切り負の感情を込めた笑顔を浮かべる。
「どうやら堕天使どもは、ミコトに対して成功した事で完全に味をしめたようね。自分たちの魅力で神器保有者を誘惑して虜にして、それで自分たちの戦力を増強するというやり方に。ただ、やり方は好かないけれど上手いやり方だとは思うわ。好き合ってという事なら私たちも基本的に口には出せないし……」
「確かに、危険を冒さずに戦力を増強する手段としては合理的ではありますわね」
「奴ら、中身は最低でも見てくれだけは綺麗ですからね……」
私と朱乃の話を聞いて、一誠が拳を握り締めて怒りをあらわにする。
「純情で一途というのもある意味怖いですわね。あの國原くんのように一人の女にのめり込んで周りが見えなくなり、【盲愛】に取り憑かれてしまう。今の話を聞いた様子では、その【ルオンくん】という子も國原くんと同じタイプのようですわね」
「また、あの國原のような奴が出てくるのかよ。いい加減にして欲しいぜ……」
「そうですわね。私はああいう【好きな女なら何をやってもひたすら庇い、その女だけを見つめる】なんて盲目的な愛は好きませんわ」
「そう、そうですよね!」
朱乃の言葉に一誠は我が意を得たりという表情でうなずく。そんな一誠を朱乃は優しげに見つめて伝える。
「イッセーくんのようなタイプが一番良いと思いますわよ。スケベで色々な女の子に目移りしますけれども、女を見てくれだけで判断せずに中身を見て、悪い女はキッパリと拒絶して憎める。そして自分の仲間を何よりも大切にして、女の子だけではなくて男の子との友情も大切にする。そんなイッセーくんだからこそ私たちは好きなんですわ」
「朱乃さん……」
私も自分の率直な気持ちを一誠に伝える。
「イッセー、私も朱乃と同じ気持ちよ。確かにイッセーを独占したいという気持ちもあるけれども、でも、あのミコトのような愛はゴメンだわ。女好きでスケベでも盲目的にはならずに、たとえ女でも悪い女は憎んで仲間のためにそれと戦う事が出来る、自分を慕う者たちを皆、大切にして守ろうとする、そんなあなたが好きなのよ」
「部長……」
「あ、あの……待ってください。確かに私も朱乃お姉様やリアスお姉様が今、言われたようなイッセーさんのそんなところが大好きですけれども……でも、ミコトさんとレイナーレ様のような愛のあり方だってあると思いますし、あのお二人はそれで良いのだと思います。それに、以前はともかく、今のレイナーレ様にそんな悪意はないと思いますし、カラワーナさんだってそういう気持ちでその【ルオンくん】に近付いた訳ではないと思います」
アーシアが困惑した表情で言った。
ゼノヴィアもそれに同調する。
「そうだ。私も以前、ミコトとレイナーレとはずいぶん語り合って、そして最近の二人を見ても、今の二人は一緒に平穏に暮らせる事を何よりも望んで、それを喜んでいるってのが良く分かる。今更、そんな私たちに対する陰謀とかを考えたりはしてないと思うよ」
そんな二人に一誠は言う。
「アーシアは優しすぎるんだ。その気持ちを奴らにつけ込まれている。あの会談の時だって、そんなアーシアの優しさを奴らは利用して、サーゼクス様やセラフォルー様を欺きやがったんだ。そしてゼノヴィア、お前も甘すぎる」
「イッセーさん……!」
「イッセー……」
そう、アーシアは優しすぎる。それをあの堕天使どもは最大限に利用して、自分たちの立場を強めたのだ。そしてゼノヴィアも上手く利用されている。今にして思えば、あのコカビエルの事件の時、堕天使どもは意図的に先手を打って私たちより先に彼女と紫藤イリナさんに接触し、彼女たちが自分たちに好感を持つように仕向けたのだ。実に狡猾で計算高い連中……腹は立つが、ある意味大したものだとも思う。
「まあ、そうなってしまったものは仕方ないわね。私たちは今後、どんな事態が起こっても良いようにやるべき事をやるだけよ!」
「はい!」
「ええ!」
私の言葉に皆は大きくうなずいた。そう、私たちには強い絆があり、私の眷属たちには高い素質がある。そして皆が努力を惜しまない向上心に溢れている! あの堕天使どもが多少仲間を増やそうが、そんな事で私たちは負けたりはしない!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
私と流音がはぐれ悪魔と遭遇して奴を倒した翌朝の事。
「えっ? それではルオンを私たちの仲間に加えると……そしてその事をアザゼル様に申し上げると……」
私は朝食の席でミコト殿とレイナーレ様からその話を打ち明けられた。
「うん、流音くんがぜひそうして欲しいって言ってきているの」
「ウフッ♪ カラワーナ、ルオンくん、あなたとずっと一緒にいたいからって昨夜、ミコトに電話で伝えてきたのよ♪ あなたも嬉しいでしょう?」
「えっ……い、いえ……そ、そんな……」
「カラワーナ~~顔が赤いっすよぉ~~これからあのコとどうイチャイチャしようかって考えってるっしょ~~?」
思わずしどろもどろになる私を、ミッテルトが楽しそうに冷やかす。
「バ、バカ! 誰がそんな事を……! そ、それはそうと……そういう事でしたら事前に申し上げておきたい事が……」
私はミッテルトを叱りつけつつ、ミコト殿とレイナーレ様に話を切り出す。
「何かしら?」
「は、はい……実はあのルオンは……もしかしたら既に彼からお聞きになられているかもしれませんが……神器の持ち主なのです」
「えっ? 流音くんが神器を?」
「そりゃホントっすか?」
「カラワーナ、あなた、どうやってそれを知ったの?」
「実は昨夜、こちらに戻って来たのが遅く、レイナーレ様とミコト殿のご迷惑になってはと後でお話ししようと思っていたのですが……」
私は昨夜の事件について説明する。
「そうだったんだ……流音くんがそんなに強力な神器を持っていたなんて……」
ミコト殿が言った。
「ええ、これは絶対にアザゼル様にお伝えしておかなければならないかと。アザゼル様は神器に大変精通しておられますので、ルオンの持つ神器がどのようなものであるかもすぐお分かりになると思いますし、その……今後の事もありますので」
「ええ、そうね」
レイナーレ様が私の言葉にうなずかれ、ミコト殿に伝える。
「ミコト、今、カラワーナが言ってくれたように、ルオンくんが私たちの仲間になる以上は、いざという時にあの子のその神器を有効に活用できるようにしておかなければならないし、ルオンくんが神器保有者である事をグレモリー眷属たちが知れば、連中も穏やかな気持ちではないはずよ。だから、これは早急にアザゼル様にお知らせする必要があるわ」
「うん、確かにその通りだね」
「それにしても、やっぱりルオンくんは私が見込んだ通りの子だわ。芯は強くて、一途で、大切な相手のためなら命をも賭けられる勇気を持った子。ミコトと同じで……ウフッ……私、そんな子が、カラワーナ、あなたの彼氏だなんてとても嬉しいわ」
レイナーレ様は本当にとても嬉しそうに私に微笑まれて、隣のミコト殿を見つめる。
「ミコト、あなたもそう思うでしょう?」
「うん、僕もとても嬉しい。カラワーナさん、流音くんはカラワーナさんから見ればはるかに年下だけど、とても良い子だから支えてあげてね。彼はカラワーナさんのために堕天使になる決意を固めてくれたんだから」
ミコト殿は笑顔で私に微笑まれた。
「えっ……そ、それは……その……」
もはや、レイナーレ様とミコト殿の中で流音は私の恋人だと確定してしまっているようで、私は戸惑う。
確かに昨日の出来事で私の中で流音の存在はとても大きなものになり、【いずれは彼と】という気持ちになったのは間違いないが、それでも流音に直接伝えたように、まだ私はミコト殿への想いを完全に吹っ切れてはいないのだ。それなのにもう他でもないミコト殿の中で流音が私の恋人と確定してしまっているのに私は戸惑う。
「ウフッ♪ カラワーナったら照れちゃって♪ 可愛いわ♪」
レイナーレ様が微笑まれる。こうなると私としては流音との事を否定する事もしがたく、とはいえ、肯定もしかねる。そんな私をミッテルトが意味ありげな表情で見つめている。
コイツ……絶対に何か企んでいるな……
「おい、ミッテルト、どうしたんだ? 私をそんな風にじっと見て」
「別にぃ~~」
ミッテルトは私の問いかけにとぼけた表情を浮かべる。そんなやり取りの後、ミコト殿が言われた。
「じゃあ、アザゼル様に職員朝礼の前にお話させて頂きたいと電話で申し上げておくよ」
そしてミコト殿はアザゼル様にその場で連絡をされた。そして了承していただいたとの事で、私たちは翌日、いつもよりかなり早い時間に登校する事となった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
翌朝、僕たちはアザゼル様に流音くんの事で報告と彼についてのお願いをするために、かなり早めに登校して職員室へと赴いた。既に事前にアザゼル様には電話で連絡して約束していただいていたため、僕たちが職員室を訪ねた時にはもうそこに待っておられた。
「おはようございます! そ……いえ、アザゼル先生!」
「おう! お前たち、勢揃いして来たな! それで、一体何の用だ?」
「は、はい……実は重要なお話がございまして……」
「そうか……じゃあ、またあそこで話すか」
僕たちはアザゼル様の後について化学室準備室へと向かい、僕たちが全員、部屋に入ったのをご覧になるとアザゼル様は入口の扉に鍵をかけた。
「じゃあ、話してみな」
そこで僕がまず流音くんとカラワーナさんの事を簡潔にお伝えし、次にカラワーナさん自身が昨夜の出来事についてお伝えした。
「そうか! 一年生の小僧がカラワーナに告白したってか! そしてその小僧が実は神器持ちだったと! カラワーナ、お前って実は年下好みだったのか! 面白いじゃねえか! ハハハハッ!!」
「い、いえ……総督閣下……それは……」
アザゼル様は豪快に笑われ、一方、カラワーナさんは恥ずかし気にうつむく。
「それで総督閣下、流音くんの神器はお分かりでしょうか?」
「ああ、今の話で大体分かったが、だが、俺が自分でしっかりと確かめた上で教えてやる。放課後、俺の所へそいつを連れてきな」
僕の問いにアザゼル様はそう仰られた。
「では、総督閣下、彼を私たちの仲間として迎え入れる事は許可して頂けますでしょうか?」
「ああ、そいつが神器持ちで自分からそれを希望し、その上、カラワーナの彼氏とくりゃ許可しねえって訳にはいかねえだろ」
レイナーレの願いをアザゼル様は上機嫌な様子で快諾された。
「総督閣下、ありがとうございます! それで総督閣下、もう一つお願いしたい事があるのですが」
「何だ? 言ってみろ」
「はっ、その……流音くんはカラワーナさんと添い遂げたいと願い、僕と同じく堕天使になる事を強く望んでおります。僕自身が先日、堕天使にしていただいたばかりで大変申し訳ないのですが……流音くんを彼の望み通りに堕天使にしていただけるよう、総督閣下からミカエル様にお口添えしていただけたらと思うのですが」
するとアザゼル様は僕をしっかりと見据えて仰った。
「尊、それはそいつが直接、俺に言うべき事だ。前にお前が俺に直接頼んだようにな。その上で直接、そいつに俺が返事をしてやる」
その言葉に僕は、アザゼル様の直接、流音くんを見定めたいという思いを感じた。実際、流音くんが僕たちの仲間に、堕天使になるという事は、昨日、レイナーレが彼に伝えたように、カラワーナさんとの愛を得る代償にそれまでの平穏な生活を捨てる、あえて危険な状況に身を置くという事なのだから。だからアザゼル様としては直接、彼の覚悟を見定めたいとお考えなのだ。
「承知いたしました。それでは放課後、改めて流音くんを連れて伺います」
「よし、分かった」
そして僕たちはその場を後にした。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
昼休み、私と尊が約束の時間に待ち合わせ場所に行くと、既に流音くんはそこにいた。
「あっ! 國原先輩! レイナーレ先輩!」
私たちの姿を見つけた流音くんが駆け寄って来る。
「流音くん、ごめんね。待たせちゃったかな?」
「いえ、全然そんな事ありません。それで先輩、僕は今日、これからどうすれば良いのですか?」
「ああ、その件だけれど……レイナーレ、周りは大丈夫かな?」
「大丈夫よ。昨日と同じく周囲には結界が張ってあるから」
「ありがとう」
尊は笑顔で私に礼を言って流音くんに向き直る。
「その前に確認しておきたいんだけれど、流音くん、君は神器を持っていて、昨日、はぐれ悪魔相手にそれを発動してカラワーナさんを助けてくれたそうだね?」
「あっ……そういえば昨夜、先輩に電話した時にその事をお伝えしていませんでしたね……ごめんなさい」
謝る流音くん。本当に礼儀正しくて謙虚な子。
「そんな、ルオンくんが謝る事なんてないのよ。ありがとう! カラワーナを助けてくれて!」
「僕も礼を言わせてもらうよ。流音くん、カラワーナさんを助けてくれてありがとう」
私と尊は心から彼に礼を述べる。
「い、いえ……僕、もう無我夢中で先生を助けようとして……そうしたら不思議な力が出て……」
流音くんは女の子のような可愛らしい顔を赤く染めて気恥ずかしそうに言った。本当に可愛い。
カラワーナもこれじゃあ惚れちゃうわね……!
そして尊は本題に入る。
「うん、それでね、流音くん、今日のこれからの事なんだけれど」
「はい」
「君には放課後、僕たちと一緒にアザゼル様のところに行って欲しいんだ」
「【アザゼル様】……あの、カラワーナ先生と一緒にここに赴任されたアザゼル先生の事でしょうか?」
「ここの先生というのは仮の姿で、あのお方は実は私たち堕天使の主様……堕天使の総督閣下なの。私も尊も、そしてカラワーナもミッテルトも、皆、あのお方に仕えているのよ」
「えっ!? アザゼル先生ってそんなに偉いお方だったのですか!?」
私の説明にさすがに流音くんは大いに驚く。
「そうよ。そしてルオンくん、あなたが私たちの仲間になるのなら、そして堕天使となってカラワーナと結ばれるなら、あなたもあのお方を主としてお仕えする事になるのよ。だから必ずご挨拶に行かなければならないの。それにアザゼル様は神器にとてもお詳しくて、アザゼル様なら、あなたの持つ神器がどんなものかがすぐにお分かりになると思うわ」
「そ、そうなのですね……緊張します……」
流音くんは言葉通り緊張した様子を見せる。そんな彼に今度は尊が話しかける。
「それでね、流音くん。君が神器の保有者だという事は君に事前に断らなくて申し訳なかったけれど、僕たちからもうアザゼル様に申し上げておいたよ。ごめんね。君の神器の事を確認していただくために、どうしてもアザゼル様には先にお伝えしなければならなかったから……」
「い、いえ、お気遣いいただいてありがとうございます」
謝る尊に流音くんはむしろ礼を言った。そんな彼に尊は最も重要な事を伝える。
「そして、君がカラワーナさんと添い遂げるために堕天使になる事を決意してくれた事についてなんだけれど……」
「は、はい……」
「それについては君自身で直接アザゼル様に申し上げてお願いして欲しいんだ。君がその覚悟をしっかりと見せれば、きっとアザゼル様は承知してくださるから。アザゼル様はそういうお方なの」
「は、はい……! わかりました!」
尊の言葉に流音くんは緊張しつつも、はっきりとした声で返事した。尊と私はそんな彼にうなずく。
「よし! じゃあ、流音くん、放課後よろしくね!」
「はい! 國原先輩! レイナーレ先輩! よろしくお願いします!」
流音くんは深々と頭を下げ、そして私たちはそこでいったん別れた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
放課後、僕にとって人生を変える重要な出来事がいよいよ訪れる……!
ホームルームの席に座っていた僕のところにミッテルトちゃんが寄って来る。
「ルオン、いよいよっすよ。準備はOKすか?」
「う、うん……」
僕はうなずきつつも思わず緊張で体がふるえるのを感じる。そして次の瞬間、教室がざわっ! と騒がしくなる。國原先輩とレイナーレ先輩が僕を迎えに来てくれたのだ。
「見て、レイナーレ先輩よ」
「やっぱすげえ美人だな……」
「國原先輩も一緒よ」
「ていうか、この二人はいつも一緒だろ? あーーーっ羨ましいぜ!」
そんな同級生たちのささやきが聞こえる。もうこの二人は学園中で知らない者はいないほどの超有名カップルなのだ。
「さあ、ルオン、行くっすよ」
「う、うん」
ミッテルトちゃんが僕の肩を叩き、僕はうなずいて、先輩たちが待つ教室の入り口へと向かう。
「流音くん、ではよろしくね」
「は、はい。よろしくお願いします」
僕たち4人はアザゼル先生……いや、アザゼル様の待つ化学準備室へと向かう。そんな僕を見て同級生たちがささやく。
「何だ? 水神の奴、いつの間にレイナーレ先輩や國原先輩の知り合いになったんだ?」
化学準備室前に来た僕たち。國原先輩がドアをノックする。
「総督閣下、流音くんを連れて参りました」
「ああ、入りな」
中から声がかかり、そこで僕たちは部屋の中へと入る。アザゼル様は部屋の真ん中にあるテーブルのところに腰掛けていて、その傍にカラワーナ先生が立っている。僕をじっと見つめているアザゼル様の視線に僕は極度に緊張する。この学校の新任教師だと聞いた時と、堕天使のトップだと聞いた後では当然、全く印象は違う……!
「そ、総督閣下……ぼ、僕は1年生の水神流音といいます……ど、どうぞよろしくお願いいたします……」
「そう緊張しなくていいぜ。そうか、お前が流音か。聞いてた通り、カワイイじゃねえか。なっ、カラワーナ」
アザゼル様はニヤッと笑いつつ、隣にいるカラワーナ先生に目配せする。
「えっ……わ、私はその……」
カラワーナ先生は顔を赤くして戸惑っている。
「じゃあ、まずはお前の神器について確認するとするか。流音、俺と一緒に化学室に来い。尊たちはちょっとここで待っていてくれ」
アザゼル様は椅子から立ち上がりつつそう言った。
「はっ! 承知いたしました!」
國原先輩たちは頭を下げ、僕はアザゼル様の後について準備室の奥とつながっている化学室へと入る。そして……
「やはりな。流音、お前の持つ神器は【聖光の防壁(セイント・ライト・オブ・バリア)】だ。」
化学室から戻ったところでアザゼル様は僕にそう言われた。
「【聖光の防壁】……」
「聖なる光が集まり、強力なシールドを形成して敵が加えてきた攻撃を吸収し、そのエネルギーを数倍にして跳ね返すという神器だ」
「それは凄い神器ですね……!」
國原先輩の言葉にアザゼル様はうなずかれる。
「ああ、そしてこの神器は治癒系の魔力と組み合わせれば味方の回復にも大いに役立つ。味方に対してシールドを張って、そこに治癒系の魔力を放てば、それが数倍の効果をもって味方に跳ね返る訳だからな」
「そ、それは素晴らしいですわ……!」
「うん、これはうまく使えば大変に大きな力になる!」
レイナーレ先輩が目を見張り、國原先輩がそれに大きくうなずく。
「ただ、流音。今のお前では、一度この神器を発動したら、再び発動出来るようになるまで24時間はかかる。つまり、この神器を発動するに必要なエネルギーを一回で使い果たしてしまうんだ。」
「えっ! そ、それでは一度神器を発動したら、僕は役立たずになってしまうと……」
アザゼル様の言葉に愕然とする僕。その僕にアザゼル様は笑いかける。
「あくまでも今は、という事だ。これからの努力次第で、お前は自分の魔力を高める事で次の発動に必要な時間を短縮していく事は出来る。だから頑張れ」
「は、はいっ!」
そのアザゼル様の激励で、一端、沈んだ僕の心は再び燃える。
そうだ! 僕は頑張って自分の力を伸ばしてカラワーナ先生を守れるようになるんだ! レイナーレ先輩を守るために努力を続けて自分を高め続けている國原先輩のように……!
「という訳でだ。流音」
「は、はい」
「これについては既に尊たちと話をしているという事だが……お前がカラワーナと恋人同士になって尊たちの仲間に……俺の部下になるという事は、お前はこれまでの普通の人間として平穏に暮らす日々を捨てるという事だ。時には昨日、はぐれ悪魔に出くわして戦ったように、命の危機にも直面する。改めて聞くが、それを引き受ける覚悟がお前にあるか?」
僕の心を見定めるように見つめるアザゼル様。その問いに僕は迷わず答える。
「はい! 僕はその覚悟です! だって、ここには僕の大切な人がいますし、國原先輩もレイナーレ先輩もとても良い方々で優しくしてくださいますし、迷うことはありません!」
「ルオン……」
「流音くん……」
「ルオンくん……」
僕の言葉にカラワーナ先生は顔を赤くし、國原先輩とレイナーレ先輩はとても嬉しそうな表情を浮かべてくれている。
「そうか! 俺としてもお前が配下に入ってくれるのは大歓迎だ。よろしく頼むぜ」
アザゼル様は上機嫌という感じで僕を受け入れてくださった。
「はっ! よろしくお願いいたします! それで、総督閣下、お願いがあるのですが……」
「おう! 何だ? 言ってみな」
「は、はい……総督閣下、僕を堕天使にしていただきたいのです。僕は國原先輩がレイナーレ先輩と添い遂げるために人間から堕天使になった事を聞きました。僕もカラワーナ先生と添い遂げたい。大切な女性とずっと一緒にいて共に歩んでいきたいのです! ですので僕を堕天使にしてください! よろしくお願いいたします!」
そう僕は自分の思いの丈をアザゼル様に申し上げた。すると……
「総督閣下、僕からもぜひお願いいたします!」
「私からもぜひお願い申し上げます!」
國原先輩とレイナーレ先輩がその場に平伏して僕のために嘆願してくれる。僕はそれに思わず胸が熱くなる。
國原先輩……! レイナーレ先輩……!
「そうか……お前たちの気持ちは良く分かった。それでカラワーナ、お前はどうだ?」
アザゼル様がカラワーナ先生の方を見つめて彼女に尋ねる。
「わ、私は……その……」
「カラワーナ……?」
「カラワーナさん……?」
カラワーナ先生は戸惑った表情を浮かべ、その彼女をレイナーレ先輩と國原先輩が怪訝そうな表情で見つめる。
そう、昨夜、カラワーナ先生が自分で僕に話したように、あのはぐれ悪魔の一件で先生の心は僕に傾いてはくれたものの、それでも未だ彼女の中には國原先輩への秘めた思慕が残っているのだ。だから先生はあの時、僕に「もう少しだけ待って欲しい」と頼んだのだ。だから今、急に返事を求められて戸惑っているのだ。
するとその時……
「全くカラワーナ、アンタこんな時に何やってるんすかぁ~~? アンタったらルオンの事好きなクセに~~やれ【私はずっと年上だから】だの【教師と生徒だから】だのとウダウダと悩みまくってぇ~~これ以上グズグズしてるとウチが取っちゃうっすよぉ~~」
突然、ミッテルトちゃんがそう言うと、僕をいきなり後ろから羽交い締めにした。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
私は仰天した。突然、ミッテルトが流音に後ろから抱きつき、彼を羽交い締めにしたのだ。
「こらっ! ミッテルトっ! 何をするっ! 総督閣下の御前でっ!」
「俺は別に構わねえよ。好きにやってくれ」
私は思わず怒鳴るが、アザゼル様は面白そうに様子を見守ろうというご様子だ。
「ミ、ミッテルトちゃんっ! や、やめてっ!! あっ!! あっ!!」
「あーーーーっ! ルオンったらこんなにアソコを大きくしてぇ~~カラワーナのいやらしい姿でも想像してたっすかぁ~~カワイイ顔してドスケベなんすねぇ~~」
「ぐっ……」
私は思わず後ろを向いて二人の方を見ないようにするも……
「あーーーっ! カラワーナってばそっぽ向いてえ~~ルオンがこんなにアンタの事を想ってるってのに冷たいっすねぇ~~ルオン、こんな冷たいオンナやめてウチに乗り換えたらぁ~~ウチならいつもいっぱい優しくしてあげるっすよぉ~~ほーーら、こんな感じにぃ~~」
「ミ、ミッテルトちゃんっ!! そ、そんなあっ!! や、やめてっ!! あっ!! ああああっ!!」
~~~~~~~~っ!!
私の中でそれまでに感じた事がないほどの熱いものがこみ上げ、そしてついに私は……
「やめろおっーー!! 私のルオンに手を出すなあっーー!!」
絶叫し、ミッテルトを突き飛ばして流音を抱き締めていた。
私に抱き締められた流音は顔を上げて私を見つめて目を潤ませる。
「カラワーナ先生……! 今、【私のルオン】って言ってくれましたね……! 僕、嬉しいです!」
「ルオン……!」
するとミッテルトは私を見つめて思い切り悪戯っぽい表情で笑った。
「ほーーーーっ! ちゃんと言えたじゃないっすかぁ。【私のルオン】って。そしてしっかりルオンを抱き締めてぇ~~お熱いっすねぇ~~カラワーナぁ~~」
「ミッテルト……お前……」
私は唖然としてアイツを見つめる。
「なるほどな……カラワーナ、お前は流音との歳の差や教師と生徒の立場の違いを気にして流音との関係を公けに認める事をためらってたって訳か。だが、今、お前ははっきりと流音に対する想いを態度で示した。それでどうだ? もう一度聞く。お前は流音にずっとそばにいて欲しいか? そのために堕天使になって欲しいか?」
アザゼル様は私に再度問われた。もうこうなったからには私の返事は一つしかない。
「は、はっ! 私はルオンに堕天使になって欲しく思います! そしてずっと私のそばにいて欲しいと思います! ですので総督閣下、私からもお願いいたします! どうかルオンを堕天使にしてくださいますようお願いいたします!」
「よし、分かった。では俺からミカエルの奴にその件を申し入れておく。先日、尊を堕天使にしてもらったばかりだし、奴としてもさすがにそうしょっちゅうという訳にはいかねえだろうが、今回はカラワーナの彼氏という立場に加えて強力な神器の持ち主って事もあるからな。加えて奴のお気に入りの尊の弟分となりゃ、きっと奴も認めてくれるだろうぜ」
「あ、ありがとうございます!」
「総督閣下、このご恩は生涯忘れませんっ!」
流音も、私もアザゼル様に心からの礼を申し上げた。
「いいって事よ。だが、流音。こうしてお前が俺の部下になった以上、これからは俺の部下としてカラワーナや尊、レイナーレやミッテルトと共にしっかりと働いてもらうぜ」
「はいっ! 総督閣下、僕、頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします!」
流音は決意を込めた表情でアザゼル様に忠誠の誓いを申し上げた。
そして私と流音はミコト殿とレイナーレ様の方を振り返る。お二人は私たちをとても優しい目で見つめられている。
「カラワーナさん、流音くん、良かったね!」
「ウフフッ♪ カラワーナったらルオンくんとの歳の差や教師としての立場をそんなに気にしてたのね……私だって実際のところはミコトよりもはるかに年上だし、別にそんな事気にしなくて良いのに……でも、カラワーナったら真面目だから」
「は、はい、ありがとうございます……!」
「ありがとうございます!」
結局、ミコト殿は私の想いには気付かれる事なく終わったか……私がさっきアザゼル様への返答に戸惑った理由も……だが、これでいい! やはりミコト殿にはレイナーレ様しかふさわしい方はいないのだ!
私はこれまでの胸の中のモヤモヤがようやく吹っ切れた感覚を味わっていた。
そして私と流音はミッテルトと目が合う。するとアイツはニヤッと笑う。
「カラワーナ、ルオン、これは貸しっすよ! ウチも総督閣下の前であれをやるのはすごく度胸がいったんすからね! もう心臓がバクバクもんだったっすよぉ~~」
「ああ……そうだな……すまんミッテルト、ありがとう」
「ミッテルトちゃん……びっくりしたけれど……でもありがとう」
私と流音はミッテルトにも礼を言った。アイツのぶっ飛んだ行動には仰天したが、確かに今回はアイツに大いに助けられたのは確かだ!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
そして流音くんの件が一段落ついたというところでアザゼル様が仰った
「じゃあ、話が一息ついたところで悪りぃが、実はお前たちにもう一つ、重要な話があるんだ」
「えっ? 総督閣下、それはどのような事でしょうか?」
「ああ、俺がここに赴任するに当たって、グレモリー眷属の連中の指南役……すなわちオカルト研究部の顧問となる事を条件とされたってのは以前、話したよな?」
「は、はい、伺いました」
「それでな、そのグレモリー眷属の連中は夏休みにリアスの故郷、つまり悪魔界に行って自らの能力を強化する為の合宿を行う。あの連中はこれからの悪魔界をしょって立つ素質のある人材。それに見合うだけの力を付ける必要があるし、また悪魔界の上層部との結びつきを深めなくちゃならねえという事もあるからな」
「は、はい……」
「それでな、その合宿に俺も顧問として同行する」
「えっ!?」
アザゼル様の言葉に驚く僕たち。更にアザゼル様はより衝撃的な事を言った。
「そして、その合宿にはお前たちも同行しろ」
「えっ!? えええっ!!」
僕も、レイナーレも、そこにいる皆が仰天する。
「それほど驚く事じゃねえだろ? この前の特訓が終わった時、俺は言ったろ? 【今回の特訓は序の口に過ぎねえ。近々、さらに本格的な特訓を行う事になるから覚悟しておけ】ってな」
「た、確かに仰る通りですが……でも、堕天使の僕たちが悪魔界のいわばホープたちと一緒に訓練をするなんて……サーゼクス様をはじめとする悪魔界のトップの方々が何と仰るか……」
僕は率直に懸念を口にする。だが、アザゼル様は平然とした表情で言われる。
「ああ、そいつは大丈夫だ。サーゼクスと奴の両親、すなわちリアスの両親には既に許可は取った」
「えっ!! サーゼクス様とグレモリー先輩の御両親にも!?」
僕は思わず驚愕の声を上げる。
その僕の反応にアザゼル様はニヤリと笑う。
「ああ、サーゼクスの奴、この前の三勢力会談の時の件で尊、お前の事をえらく気に入ったようだからな。それにセラフォルーもお前たちをとても気に入ってる。サーゼクスやセラフォルーがそこまで言うのなら問題ないだろうって、あっさり承知してくれたぜ」
「そ、そうなのですね……でも、グレモリー先輩や兵藤くんたちグレモリー眷属の承諾は……」
「いや、あの連中にゃまだ伝えてねえ。明日にでも伝えるつもりだ。何、兄貴のサーゼクスも両親も受け入れに賛成だって事じゃ、さすがにあいつらも受け入れざるを得ないぜ」
「そう、ですか……」
僕は隣のレイナーレを見つめる。彼女の顔はこわばっている。無理もないだろう。
アザゼル様は黙っている僕たちをしばらく見つめた後、仰った。
「お前たちが何を心配しているかは分かる。確かにお前たちが参加するとなりゃ、グレモリー眷属の連中はいい顔はしねえだろうし、向こうに行ったらお前たちに反発する連中もそれなりにいて、嫌な思いもするだろう。だがな、お前たちも和平が成立したとはいえ、未だグレモリー眷属との関係はあの通りだし、【禍の団】の事もある。今のままじゃ不安だろ?」
「そ、それは確かに……でも……」
言いかける僕をアザゼル様は手で制して続ける。
「それにお前たちが参加しないとなりゃ、グレモリー眷属の連中だけが特訓して、その実力をさらに伸ばすって事になるぜ。ただでさえ、今のお前たちとグレモリー眷属たちとの力の差はまだまだ大きい。お前たちが合宿に参加しないとなりゃ、その差はさらに大きく広がるって事になる。そうなりゃ、あの会談の時に約束した一誠たちとの勝負なんか到底、まともな勝負にゃならねえって事になっちまう。お前たちはそれで良いのか?」
「…………!!」
確かにアザゼル様の仰る通りだ。僕は誰よりも愛しいレイナーレを守っていかなければならない! そのためにはさらに強くなっていかなければならない! 気持ちが逃げていてはダメなんだ!
僕は他の皆を見る。するとレイナーレも、カラワーナさんもミッテルトちゃんも、先ほどまでの不安に満ちた表情から強い意志のみなぎる表情に変わっている。そして僕はレイナーレと見つめ合い、うなずき合う。
「総督閣下、承知致しました。悪魔界への合宿、よろしくお願い致します」
僕たちは揃ってアザゼル様に申し上げた。
「そうか! よし!」
アザゼル様は満足気にうなずかれる。
「それで総督閣下、お聞きしたいことがあるのですが」
「何だ?」
「冥界での合宿とは、具体的にどのような事をするのでしょうか?」
「ああ、まず向こうで悪魔の名家の連中とその眷属悪魔たちと顔見せ、若手悪魔たちとの会合、そして自分の能力を伸ばすための修行だ。お前や流音は主に神器の力を伸ばすための訓練という事になる」
「それで訓練とか、宿所はグレモリー眷属の人たちとは別にして頂けるのでしょうか?」
「ああ、それについては共に泊まるのはグレモリー家の屋敷だが、とにかくお前たちには想像つかねえぐらいだだっ広いから、その辺は安心しろ。当然部屋は別々だ。後、訓練については尊、特にお前の神器の場合、レイナーレの存在が不可欠だろ? さすがにそれをグレモリー眷属の奴らと一緒に訓練するって訳にゃいかねえからな……だから基本的にはこれも別々だ」
「あっ……!」
「……!」
さすがに僕とレイナーレは真っ赤になる。とはいえ、部屋も訓練も別々というアザゼル様の言葉に、僕も彼女も安堵する。
「國原先輩の神器にレイナーレ先輩が不可欠というのは?」
「聞くな!」
流音くんの疑問にカラワーナさんが顔を赤くして叫ぶ。その様子を見てミッテルトちゃんがニタニタと笑っている。
「後、今回のこの合宿は一応、部活動って形で行う。とはいえ、さすがにグレモリー眷族の連中としてもお前たちをオカルト研究部に入れろと言っても納得しねえだろうし、お前たちとしてもそれは嫌だろう。だからお前たちはここで自分たちの部を作れ」
「部をですか……」
アザゼル様の突然の命令に戸惑う僕たち。そんな僕たちにアザゼル様はさらに説明される。
「ああ、オカルト研究部には入れねえって事じゃ、別に部を作るしかねえからな。それに部活動という形にしとかねえと、流音とか大変だろ?」
「あっ……!」
確かにそうだ。僕は実家の両親とは離れて暮らしているし、レイナーレとの事は両親にバッチリと認められているので問題ないが、流音くんは自宅で家族と共に暮らしているのだ。その彼が長い日数、泊まりで出かけるとなれば、いい加減な理由ではご家族が納得しないだろう……
「ご配慮、ありがとうございます」
流音くんはアザゼル様に礼を述べた。その彼にアザゼル様はうなずかれ、さらに指示をされる。
「既にソーナ・シトリーに新しい部の設立の許可は取ってある。顧問はカラワーナ、お前がやれ。俺は副顧問という形でオカルト研究部と兼ねるからよ」
「は、はっ!承知いたしました!」
カラワーナさんが深々と一礼する。
「後はお前たちで部の名前と役職を決めて生徒会に申請しろ」
アザゼル様の指示を受けて僕たちは話し合う。
「まず部長は……もちろんミコトで決まりね!」
「えっ? レイナーレ、君の方がふさわしいんじゃない?」
レイナーレは首を振る。
「ううん……私よりミコト、あなたの方がずっと状況判断力に優れていて、ここまで私たちを導いてきてくれたんだもの……あなたがいなかったら私たちはとっくの昔に死んでいたわ……だからあなたこそがリーダーにふさわしいわ」
「そ、そう……?」
「そうですよ! ミコト殿こそふさわしいと私も思います!」
「異議なし!」
という形で、満場一致で僕が部長に決まった。
「では、副部長は当然、レイナーレ様という事で」
カラワーナさんの言葉に皆が賛同してこれもあっさりと決まった。
「では、書記・会計は……ミッテルトとルオン、二人で分けるという事になるが……」
「ウチはヒラでいいっす。ルオンに任せるっす」
「お前……単に面倒なだけだろう? とはいえ、ミッテルトに書記や会計を任すのも不安といえば不安……ルオン、私が補佐してやるからお前が兼任しろ。部員の数も少ないし、仕事も大して多くないから」
「は、はい! 先生と一緒に出来るのなら……」
そんな形で、部長は僕、副部長レイナーレ、書記兼会計が流音くんと決まった。
「後は部の名前か……皆、何か良い案があったら出してね」
そう僕は言ったが、皆、なかなか良い案が浮かばない……
「ミコトくんが好きなものから名前とったらいいんじゃないっすかぁ?」
「じゃあ、レイナーレ部」
「やめてっ! 絶対にやめてっ!」
ミッテルトちゃんの言葉を受けて僕は冗談半分に言ったが、即、当のレイナーレの一言で却下された。まあ当然か。実際、そんな名前にしてレイナーレ狙いの男たちに押しかけられても困るし……
【セイクリッド・ギア部】……いや、それだと神器を知らない人に「それは何?」と聞かれたら面倒だ。じゃあ……
「【ミューステリオン研究部】というのはどうかな?」
「ミューステリオン……?」
首をかしげるレイナーレたちに僕は説明する。
「ギリシア語で【神秘的なもの、人知では計れないもの】といった意味だよ。英語の【ミステリー】の語源なんだけれど、【ミステリー】というと【推理物】というイメージが強いから、こちらの方が良いんじゃないかって思うんだけれど、どうかな?」
「【ミューステリオン】……良い響きね! いいわ、それにしましょう!」
「良いと思います!」
「良いですね」
「まあ、いいんじゃないっすかぁ」
皆が賛成してくれて、部の名前は【ミューステリオン研究部】と決まった。
「では、後はお前たちで生徒会に申請書を出しとけ。それと明日、グレモリー眷属の連中に俺とお前たちが合宿に同行する事を告げる。その際、お前たちもその場に出席しろ。まあ、嫌な顔はされると思うが、そこは我慢しろ」
「は、はい……承知致しました」
正直、気は重いが、実際に悪魔界に行けば、もっと嫌な思いをする事は避けられない。こんな事でへこたれる訳にはいかない。僕はレイナーレの手を握り、彼女もうなずいて握り返してくれる。
「それとこうなった以上、流音、お前が堕天使になるのは合宿前が良い。至急、ミカエルに頼んでおくから、奴から返事が来次第伝える。そのつもりでいろ」
「はいっ! ありがとうございます! よろしくお願いします!」
アザゼル様の言葉に流音くんは深々と頭を下げた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
本当に今日は色々な事があった……
化学のアザゼル先生が実は堕天使のトップに君臨するとても偉いお方だと聞いて驚き、そのアザゼル様と対面して僕の持つ神器について詳しく聞き、僕は堕天使になりたいという望みを受け入れられ、近々、天使長のミカエル様からそれについての連絡を得る事になった。
その際、ミッテルトちゃんの思いがけない行動のおかげで、僕はカラワーナ先生から正式に恋人として認められた……! そして僕たちはアザゼル様の命令で新たに部を結成して、オカルト研究部との合同合宿という形で悪魔の世界へと行く事になった。
オカルト研究部……グレモリー眷属の人たちとの関係がいまだ良くないらしい事が不安ではあるものの、それまで見た事も聞いた事もない異世界に行くというのはワクワクするし、アザゼル様や國原先輩たちが共にいてくれるのは心強いし、何と行ってもカラワーナ先生と一緒に過ごせるのは嬉しい……! そしてその合宿参加の前に僕は堕天使となり、カラワーナ先生や國原先輩と同じ立場になって参加する予定だ。
そして明日はグレモリー眷属の人たちに、合宿に同行する事を伝えるために挨拶に出向く。正直、少し怖い気もするが、アザゼル様や國原先輩、カラワーナ先生が一緒にいてくれるから大丈夫だろう。
そんな事があった今日は僕にとってまさに【人生の新たな船出】となった。そして僕が國原先輩たちと別れて、もう暗くなった自宅への帰路を歩いていると……
「ルオン!」
「カラワーナ先生!」
カラワーナ先生の声に僕は振り返る。僕が夜道を一人で帰る事を心配して追いかけて来てくれたのだろう。
「カラワーナ先生、僕、とても嬉しかったです……! カラワーナ先生が皆の前で僕にずっと一緒にいて欲しい。堕天使になって欲しいと言ってくれて……!」
「ああ、私もこれで吹っ切れた。あの時のミッテルトのとんでもない行動には驚いたが……あいつはお前にあんなチョッカイを出したり、お前に部の仕事を押しつけたりととんでもない奴だが、でも根はいい奴だ。許してやってくれ」
「はい! 分かっています。何といっても今日はミッテルトちゃんのおかげで僕たちはこうなれたんですから、彼女には感謝しています!」
「ああ……そうだな……ルオン、これからよろしくな」
「はい!」
そしてカラワーナ先生は顔を赤くしてそわそわとした様子を見せる。
「な、なあ……ルオン……」
「は、はい……」
「そ、そのな……ここで……キス、していいか……?」
「あっ……で、でも……人に見られたら……」
「結界を張ったから大丈夫だ」
「あっ……それなら……」
その瞬間、カラワーナ先生の顔がそっと僕の顔に寄って、僕の唇に彼女の唇が重なる。
「あむっ……ううんっ……」
初めてのカラワーナ先生の口へのキス……それはとても甘美な感触で僕は、まるで夢を見ているような心地だった……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
僕たちは校門の所で流音くんと別れて自宅に戻った。だが学校から出て少し経ったところでカラワーナさんがそわそわした様子を見せる。
「?……どうしたの? カラワーナ」
「あ、あの、私、少し用事がありますので先にお帰りください。では失礼します」
カラワーナさんはそう言うと僕たちから別れて走っていった。
「ウフッ……カラワーナ、間違いなくルオンくんに会いに行ったんだわ」
「うん、きっとそうだね」
レイナーレが微笑み、僕もそれに同意する。
「でも~~このまま朝帰りなんて事にならないっすかねぇ~~」
「それはないと思うわよ。ルオンくん、可愛らしいけどなかなかしっかりしている子だもの。軽率な行動をして誰かに見られないようにちゃんと気を付けるはずよ」
「えーーーーっ! つまらないっすよぉ……姉さまとミコトくんはいつもあんなにいっぱいヤリまくってるのにぃーーーー」
「な、何を……!」
ミッテルトちゃんの言葉に顔を真っ赤にするレイナーレだが、その後、彼女はしんみりとした表情となる。
「……でも、それは仕方ないのよ……私たちと違って、あの二人は教師と生徒だから……まあ、キスくらいはしているかと思うけれど……」
二人の事を思いやっているレイナーレ。
実際、そうなのだ。世間の目は、教師と生徒のそうした関係についてはとても厳しい。たとえ本人同士が本気で愛し合っていても世間はなかなかそうは見てくれない。しばしばニュースなどでも見るように興味本位で騒ぎ立て、身勝手に叩くものだ。
それでもあの二人の場合、流音くんが間もなく堕天使になれば、堕天使界にいけばそんな事も気にすることなくおおっぴらに愛し合えるのだが、人間界では当面は自重しなければならない。
「あの二人が周囲の目を気にせずに結ばれる事が出来るような、そんな機会を私たちが作ってあげれば良いわね」
「うん、そうだね」
レイナーレの言葉に僕はうなずく。
「へへーーー その時はこっそりその様子をビデオに撮ってやるっすよぉ♪」
「こらっ! このマセガキっ!」
ミッテルトちゃんが悪戯っぽい表情で言うのをレイナーレが叱りつける。
そして僕たちは家に戻り、カラワーナさんもそれほど時間がたたないうちに戻って来た。そのカラワーナさんの表情は生き生きしている。
「あれは……フフッ……カラワーナ、ルオンくんときっとキスはしたわね♪」
「うん、おそらく……」
そう僕とレイナーレは微笑みつつ、うなずき合う。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
夕食の後、私と尊は私たちの寝室へ入る。そして私たちは語り合う。
「今日は本当に色々あったわね……でも良かったわ、カラワーナとルオンくんの事がアザゼル様からも認められて、ルオンくんが堕天使になる事もほぼ決まって……」
「うん。カラワーナさんにはこれまでずっと寂しい思いをさせてきてしまったから、こうなってとても嬉しいよ。レイナーレ、君もそうでしょう?」
「ええ、もちろんよ。良かったわ。この日が早く来て」
「それにしてもルオンくんは良い子よね。優しくて礼儀正しくて素直で、それでいて芯が強くて……ミコト、あなた、とても可愛い弟ができた、そんな気持ちじゃない?」
「うん、本当にそう思うよ。だから僕もあの子を支えてあげたいと強く思うの。レイナーレ、君と僕とであの子とカラワーナさんを全力で応援していこうね!」
「ええ! そうね!」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
僕とレイナーレはカラワーナさんと流音くんの事を笑顔で語り合った。でも、その後、レイナーレの表情が曇る。
「でも……驚いたわね……まさか私たちが悪魔界へ……それも仇敵のリアス・グレモリーの故郷に行く事になるだなんて……」
「レイナーレ、怖い……?」
「ええ……本当のところはね……」
無理もない。レイナーレに非はあったとはいえ、そして一応の和解が成ったとはいえ、これまで何度も彼女を追い詰め、無慈悲に殺そうとした、彼女のこの美しい自慢の体を無惨に消し去ろうとした。そして彼女の大切な部下であったドーナシークさんを殺した仇敵の故郷なのだから……
それに堕天使と悪魔の戦いはつい先日終わったばかりなのだ。先ほどアザゼル様が仰っていたように、悪魔界にはあのグレモリー眷属たちのように堕天使に激しい憎悪と反感、偏見を抱いている者が多いに違いない。そんな中に行けば、直接、サーゼクス様の意を受けた人たちは別としても、間違いなく厳しい目にさらされる事になるだろう。冷ややかな視線はもとより、罵声を浴びせられたり、暴力をふるわれる恐れさえ十分にある。でも、僕たちは行かねばならないのだ……!
僕はレイナーレの体をギュッ! と抱き締める。
「あっ……! ミコト……!」
「大丈夫だよ! 僕がいつだって君のそばにいるから……」
「ミコト……! ええ! あなたが一緒にいてくれれば私は大丈夫よ!」
レイナーレは潤んだ目で僕を見つめて言う。僕はそんな彼女が愛おしくてたまらず、彼女とそっと唇を重ねる。
「あむっ……ううん……」
そして僕たちは唇を離す。僕を見つめるレイナーレの美貌はほんのりと赤く上気している。
「レイナーレ。僕は永遠に君だけを見つめて君だけを愛して君を守る。それが流音くんとカラワーナさんを支える事になるとも思うの」
「ミコト……」
「僕は流音くんに僕たちの真実を伝えて、彼にカラワーナさんの恋人になる為に必要な覚悟を伝えて決意を促した。流音くんはその僕の期待にしっかりと応えてくれた。でも、それによって僕は彼が普通の人間として平穏に生きる道を奪ってしまった……」
「…………」
「でも、それだけに僕は、僕たちの期待に応えてくれた流音くんを支えてあげたいの。僕が君だけを愛して、たとえ何があっても君を守り抜く姿を見せ続ける事が出来れば、カラワーナさんを愛して彼女を守り抜こうという流音くんを勇気付けて支えてあげる事が出来る……そう思うの」
「ミコト……! ええ、そうね! でも、あなただけがその責任を感じるのはおかしいわ。ルオンくんのカラワーナを愛するのに必要な覚悟と決意を促して、彼の平穏な日々を奪った、その件については私も同罪だもの。だから、私もあなたと愛し合ってあなたを守るわ! その姿を見せてルオンくんとカラワーナ、二人を支えるわ!」
「レイナーレ……! うんっ!」
レイナーレの愛の言葉に僕の心は感動で満ち溢れる。
そしてレイナーレは美貌に妖艶な笑みを浮かべる。
「ウフッ……♪ ミコト、あなたを絶対に離さないわ♪ 永遠にあなたは私だけを愛して私だけを見つめるのよ♪ だから私はいつだって裸になってあげるわ……あなたが永遠に私だけに夢中であって欲しいから……」
彼女はそう語りつつ、自ら制服のリボンをするっ……と外し、スカートの前掛けを外して、スカートを脱ぐ。露わとなる彼女のしなやかに伸びた美しい脚。黒のパンティーに覆われた彼女の引き締まった綺麗なお尻に僕の目はくぎ付けになる。
「ウフッ……♪」
レイナーレは妖艶な目で僕を見つめて微笑みつつ、制服のブラウスのジッパーをゆっくりと引き下ろす。彼女の張り詰めた大きな胸がゆさりと揺れて、彼女の深い胸の谷間が、引き締まったへそが僕の目にさらされて、いつもながら僕の股間は激しくうずく。
「ウフフッ♪」
レイナーレはブラウスを脱ぐ。黒の薄いブラジャーで覆われた彼女の張り詰めた乳房がゆさりと揺れて露わとなる。そしてそのブラジャーの薄布を今にも突き破りそうに、彼女のカチカチに硬く、ビン! と勃起して突き出している大きく卑猥な乳首がくっきりとその形を示して自己主張している。
「ウフッ♪ ミコトったらもうそんなにオチンチン大きくしてっ……♪ まだまだこれからなんだから、もっと我慢しなきゃダメよ♪」
レイナーレはお尻を横に揺らしつつ、ゆっくりと黒のパンティーを脱ぐ。むき出しとなる彼女の黒の陰毛で覆われた秘部、引き締まった丸く綺麗なお尻に僕はただ見惚れる。そしてパンティーがぱさっ……と彼女の足元に落ちる。
「ウフッ……♪ さあ、あなたが好きで好きでたまらない、私のいやらしい乳首を見せてあげるわ♪ しっかりと見てっ……♪」
レイナーレがまた美貌に思わずドキッ! とするような妖艶な表情を浮かべる。そう、彼女は自分の自慢の美しくいやらしい体が僕を虜にしている事、特に自分のあまりに卑猥な乳首が僕の心を捉えて離さない事が嬉しいのだ。
レイナーレが背中に手を回してブラジャーのホックを外す。プチッ……という音。そして彼女は黒のブラジャーの布をゆっくりと少しずつ下へずらしていく。妖艶に微笑みながら……
「ウフッ……♪ ウフフッ♪」
まず彼女の乳輪がさらされ、次いで彼女の膨れ上がり、カチカチに硬く勃起してビン! と突き出している大きく卑猥過ぎる乳首がぶるっ! とうごめきつつ僕の目にさらされる。
その瞬間、僕の股間がもう耐えきれないほどに激しくうずき、ビン! と猛り立つ。僕はレイナーレと共に暮らすようになってからほとんど毎日、彼女を全裸にして彼女の乳首を見ているが、何度見てもこの彼女のいやらしい乳首がさらされる瞬間はどうしようもないほどに興奮してしまう。
そしてレイナーレの張り詰めた乳房から黒のブラジャーが完全に剥がれ落ちて床に落ち、彼女は全裸となって、その美の女神よりもはるかに美しくていやらしい、僕の宝である最高の裸体を僕に見せつける。
「ウフッ……♪ ミコトったらそんなにオチンチンたぎらせてっ……そんなに夢中で私を見つめてっ……それほどまでに私のこの体に夢中なのね……♪ 嬉しいわ♪ さあ、好きなだけ見ていいのよ……この体はあなたのものなんだから……」
美貌に恍惚とした表情を浮かべて僕を見つめるレイナーレ。僕は彼女の重力に逆らうかのように張り詰めて突き出している、見事な球形の大きく美しい乳房に、その乳房の頂にビン! と槍のように突き出している、硬く勃起した彼女のあまりにいやらしい大きな勃起乳首に、引き締まったへそに、起伏に富んだ美しい背中に、見事にくびれた腰に、キュッ! と引き締まった丸く美しいお尻に、すらりと伸びたしなやかな足に、彼女の全てにいつものようにただただ心を奪われる!
「ウフッ……♪ どう? ミコト。私以上の胸を持った女が他にいるかしら? 私以上に、あなたを虜にするいやらしい乳首を持った女が他にいるかしら? 私のこのおへそ……私のこのお尻……私のこの背中……これ以上の体の女が他にいるかしら? 答えてっ。私のミコト」
そう僕に自慢の裸体を見せつけつつ問うレイナーレ。その彼女に僕はもう破裂しそうなほどに猛り立った股間のうずきに必死で耐えつつ叫ぶ。
「ああっ! レイナーレっ! いるわけがないよっ! 君のその張り詰めたムチムチの大きな胸以上に素晴らしい胸を持った女性なんてっ! 君のそのカチカチな大きくていやらし過ぎる乳首以上の乳首を持った女性なんてっ! 君のそのおへそやお尻、背中以上のものを持っている女性なんてっ! 他にいるはずがないよっ! 大好きっ! 愛してるっ! 僕のレイナーレっ!」
その僕の叫びにレイナーレは目を潤ませる。
「ああっ! 嬉しいわっ! ミコトっ! さあ、来てっ! 私を存分に愛してっ!」
「ああっ! レイナーレっ!」
僕は興奮して愛しい彼女の名を叫びつつ、僕が愛してやまないその最高の裸体に近付き、まず、その丸いお尻をすりっ……とさする。
「あっ! ああん!」
僕はすべすべでなめらかなレイナーレの素晴らしい裸体を全身くまなくさすりまくる。彼女の丸いお尻を……起伏に富んだ背中を……太股を……引き締まったおへそを……黒の茂みで覆われた秘部を……そして張り詰めた大きな乳房を……カチカチに勃起したいやらしい大きな乳首を……
「ああっ! レイナーレっ! 素晴らしいよっ! 君の体っ! こんなにすべすべして良い触り心地でっ!」
「あっ! あっ! あはあんっ! ミ、ミコトっ! き、気持ち良いわあっ! あ、あなたの手の感触っ! あっ! ああんっ!」
次に僕はレイナーレの裸体に舌をはわせる。まずはお尻をるろっ……と舐める。
「あんっ! ああん!」
さらに僕は彼女の太股に、黒い陰毛に覆われた茂みに、どんどん舌をはわせていく。
「あっ!! ああっ! あはあああんっ!! ミ、ミコトおっ!! あああんっ!!」
そこからさらに上に向かってレイナーレのおへその穴を舌でほじくるように舐め回す。
「あっ!! ミ、ミコトっ!! そ、そんなとこ……あはっ!! き、汚いのにいっ!! あっ!! ああああっ!!」
「汚くなんかないよ……大好きな君のおへそなんだもの……すごくおいしいよ♪ るろっ……れろれろ……ぺちゃあっ……ウフフ……本当においしい♪……るろるろ……」
そして僕はさらに上の、僕が最も好きなレイナーレの張り詰めた大きな乳房を、その頂の僕の神器【情念の炎】のパワーの源であり、僕を癒してくれる【堕天の乳汁】の宿る、僕にとって最高の宝物である彼女のビン! と勃起した大きな乳首を存分に舐め回す……
「るろるろ……るろっ……ぺちゃあっ……ああっ! レイナーレ! 君の胸は……乳首はやっぱり最高っ! ウフフ……君のいやらしい乳首に僕の唾液をいっぱい染み込ませてあげるね……はむっ! じゅるるるるるーーーーっ!」
「あはああっ!! はああんっ!! ミ、ミコトおっ!! いいわあっ!! 私のこのいやらしい乳首にっ!! あっ!! あ、あなたの唾液を……あはんっ!! い、いっぱい染み込ませてえっ!! あっ!! そ、そしてもっといやらしい乳首にしてえっ!! あっ!! ああああああっ!!」
僕は夢中でレイナーレのカチカチに硬くて大きなレイナーレの卑猥極まる乳首を舌で舐め回し、吸い上げ、しゃぶりまくる。その彼女の乳首は僕の唾液がたっぷりとこびりついてテカテカと卑猥に光り、僕の舌の動きに沿ってブルブルッと生き物のように卑猥にうごめく。そして僕に乳首を愛撫される彼女は甘い声で淫らにあえぎまくる。
そして、激しく執拗にレイナーレの乳首をむさぼった僕は、ようやく彼女の乳首から、彼女の張り詰めた大きな乳房から顔を離す。
「ああっ……あはあんっ……ああっ……はああんっ……ミコトおっ……」
レイナーレは美貌に恍惚とした表情を浮かべてあえいでいる。
僕は目の前に突き出しているレイナーレの卑猥な乳首をまた見つめる。その乳首は僕の彼女への愛、すなわち僕の愛撫による激しい刺激が絶え間なく注ぎ込まれているため、そしてそこに宿った彼女の神器【堕天の乳汁】のエネルギーによって、初めて結ばれた頃に比べ、数倍もの大きさに膨れ上がり、カチカチに石のように硬く勃起してビン! と槍のように突き出してその卑猥さ、いやらしさはたまらない!
彼女のこのいやらしい乳首は僕を魅了して虜にし、そして僕の神器【情念の炎】のエネルギーの拠り所として僕に勇気と戦う力を与えてくれて、さらにそこに宿った神器は僕を癒してくれる。彼女のこの乳首があるから、僕はあの恐ろしい兵藤たちグレモリー眷属に立ち向かってこれたし、様々な危機を、困難を乗り越えてくる事が出来た。
そしてこの乳首はこれからもさらに僕を強くして支えてくれる。この乳首があれば僕は更に神器の能力を高めて、レイナーレを守る力を強める事が出来る! これから向かう悪魔界での修業はアザゼル様も仰っていたように、まさにその絶好の機会だ! そう思えば僕はこの先待っている、厳しい修行を乗り越える勇気と覚悟が湧いてくる!
僕はその思いを込めて彼女の大きな乳首をきゅりっ! と指で強くつまみ上げる。
「あっ!! あはあああああんっ!!!」
性感帯の乳首に強い刺激を受けたレイナーレは張り詰めた大きな乳房をぶるんっ!と弾ませ、裸体を大きくのけぞらせて絶叫する。
「レイナーレ、アザゼル様が仰っていたよね? 今回の訓練では僕や流音くんの神器の能力を伸ばす事が重要になるって。そして僕の神器の能力を高めるには、レイナーレ、君の存在が不可欠だって。それはつまり、君のこの乳首が不可欠だという事……」
僕はそう彼女にささやきつつ、さらに彼女の乳首をぎゅりっ! ぎゅりぎゅりっ! ぎゅりりいっ! と強く、激しく何度も何度もひねり回す。
「はひっ!! はひゃああああああんっ!!! ミ、ミコトおおおっ!!!」
僕はレイナーレの後ろに回って、彼女の両乳房を彼女の背中からぎゅむっ! とわしづかみにする。僕の指がレイナーレの張り詰めた大きな乳房に深々と食い込む。
「あっ!! ああああああんっ!!!」
レイナーレがまた絶叫する。僕はもう履いているズボンを突き破りそうなほどに猛り立った男根を彼女のお尻に押し付け、掴んだ彼女の乳房をぎゅむっ! ぎゅむぎゅむ! ぎゅむうっ! と激しく揉みしだく。その僕たちの正面には大きな鏡があって、僕に乳房を揉みしだかれてもだえる全裸のレイナーレと、制服を着たまま彼女の乳房を揉みまくる僕の姿が鮮明に映し出され、僕はそれを見てさらに興奮する。
「レイナーレ! 僕は今度の修行で絶対に神器の能力を……自分の力を高めて見せる! そして君をもっともっと守れるようになる! そのためには君が、君のこの胸が、君のこの乳首が絶対に必要なんだ! だから僕は君のこの胸を……君のこの乳首をこれまで以上に求める! 君のこの乳首から更に大きな力を引き出す! 」
僕はそう叫びつつ、さらに激しくレイナーレの乳房を揉みしだき、彼女の硬く勃起した卑猥過ぎる乳首をさらに強くひねりまくる。
「ふっ!! ふぎいいいいいいいっ!!! ミ、ミコトおおおっ!!! 良いわああっ!!! もっともっと激しく私のこの胸をっ!! あひいいっ!!! こ、このいやらしい乳首を求めてえっ!!! ひぎいいっ!!! こ、この胸はあっ!! ひっ!! こ、このいやらしい乳首はあっ!! あひっ!! あ、あなたのものだものおおっ!!! だ、だからあっ!! はひっ!! 好きなだけ私のこの乳首を触ってえっ!! ひねり回してえっ!! お、お願いっ!! 私のミコトおっ!! あひいいんっ!!! ああああああーーーーーーっ!!!」
僕の激しい攻めにレイナーレは裸体をふるわせ、のけぞらせて絶叫し、それまで以上に卑猥に膨れ上がった彼女の大きな乳首がピクピクとふるえ、次の瞬間、ビュッ! ビュビュビュビューーーーーーッ! と【堕天の乳汁】が噴き出した。
「ああっ……あはあっ……はあはあっ……ああっ……ミコトっ……いっぱい出たわ……私のミルクっ……」
レイナーレが美しくいやらしい魅惑の裸体をびっしょりと汗で濡らしつつ、嬉しそうに僕にささやく。
「うん……レイナーレ、僕は君のこのミルクの力をもっと引き出したい……そして僕の力を強めて君にそれを還元したい……」
「えっ? それはどうやって?」
「それはね……今、そのやり方をあれこれ考えているんだけど、また後で話すよ……今は君のこの乳首を……ミルクを味わいたいの」
そう言って僕は乳汁を噴き出しているレイナーレのいやらしい大きな乳首にはむっ! と吸い付き、くわえた乳首をじゅるるるるーーーーっ! とまた強く、激しく吸い上げる。
「あはああああああっ!!! 吸って吸ってえっ!! お願いもっともっと吸ってえっ!! 愛してるっ!! 愛してるわっ!! 私のミコトおおおっ!!! あっ!! ああああああああああんっ!!!」
(次回に続く)
今回のお話はカラワーナと流音の二人がメインのお話となりました。
冒頭のグレモリー眷属たちのシーン。この作品は尊と一誠、この2人の愛のあり方の違いによる両者の対立、行き違いというのが大きな焦点になっていますので、尊・レイナーレ側から見た視点だけではなく、一誠を慕うグレモリー眷属側から見た尊の評価もこのように書いています。
まだ知り合って間もないですが、流音は尊やレイナーレたちの強い信頼を得ています。彼が性格的に尊とよく似ているのが、尊が好きで彼を信頼している堕天使美女たちの好感を得ているという点が大きいですね。
そしてカラワーナは尊への想いを吹っ切って、流音と肉体的にはまだですが、精神的にはしっかりと結ばれました。これはミッテルトがあえて流音にちょっかいを出してカラワーナを煽ったのも大きいですが、前回の事件でカラワーナの中で流音の存在が一気に大きくなっていた事、そして前回も彼女自身が言っていたように【所詮、私はレイナーレ様には勝てない】という事を内心悟っていたという事がありますね。
まあ、尊の性格と彼の神器の特性からいっても、彼はレイナーレに終生一途である事を宿命づけられているわけで、一誠とは対照的なキャラ設定からしても、彼が複数の女性と関係を持つというのはあり得ない訳です。それに流音がカラワーナのために堕天使になる事を決意したという状況の中で、カラワーナが曖昧な態度を取る事も許されない状況になったという事もあります。ただ、二人の場合、教師と生徒という社会的立場上、慎重な行動が求められるわけで、それは今後、二人を悩ませる事になります。
ミッテルトは悪戯っ子ぶりを今回、大いに発揮してくれましたが…でも、彼女は彼女なりに仲間思いなわけで、今回はカラワーナと流音のキューピッド役となりました。とはいえ、流音に部の書記と会計の両方を押しつけるというのも彼女らしいですが…(;^^)
最後の恒例の尊とレイナーレの激しい愛の交わり、そこでの尊の言葉
【君のこのミルクの力をもっと引き出したい。そして僕の力を強めて君にそれを還元したい】
これは今後の冥界合宿編につながっていきます。
次回はアザゼルに連れられた尊たちが、グレモリー眷属に彼らの合宿への同行の話を持ち出すところから始まります。そこで果たしてどんな事態が起こるのか……? そしてその後は……!
それでは、次回をお楽しみに!(^^)