※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D~情念の炎~(完全版)   作:ドミトリ

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 神器【聖光の防壁】を使いこなせるようになるよう訓練に励む流音。努力によりその能力を向上させていく流音だが、その彼を突然、不測の事態が襲う。愛し合うカラワーナと共にそれに立ち向かう流音だが。

 そこに尊とレイナーレが駆けつける!


第31話・支え合う力

 僕はあれから、自分の神器【聖光の防壁(セイント・ライト・オブ・バリア)】を使いこなせるようにするための訓練を受けている。アザゼル様から遣わされた上級堕天使であり、高名な魔術師であるレーヴ先生の指導を受けている。

 

 ドドドドーーッ!! 

 身長10mもの岩石の怪物……ゴーレムが僕に遅いかかってくる。レーヴ先生がその魔力で作り出した人造の怪物だ。10mというのはゴーレムとしては小型なのだが、それでも僕から見れば圧倒的な巨体だし、彼(?)が走ると凄まじい地響きがして土煙が舞い上がる、すごい迫力だ。

 

 「…………!」

 精神を集中させる僕。はるか頭上からゴーレムの岩石でできた巨大な拳が振り下ろされる。だが、その瞬間、まばゆい光と共に周囲に神器のバリアが出現する。

 

 ドゴオッ!!

 ゴーレムの体が粉々に砕け散り、その残骸の大きな石塊がバラバラと僕に向かって降り注ぐが、バリアで全て弾き飛ばされ、僕は無傷だ。もっとも、あんな大きな落石にまともに見舞われたら間違いなく死ぬが。

 

 「ほう……ずいぶんと能力を上げてきたな。ルオン」

 「あ、ありがとうございます」

 レーヴ先生が褒めてくる。先生は年配の厳格な表情をされた方で、実際、訓練においては厳しいが、根は優しい方なのだ。

 

 最初の頃は覚悟が足りずに、なかなか思うように力を出せずにゴーレムに本当に叩き潰されそうになって、先生に寸前で止めてもらっていた。

 

 「何度同じ事を言わせるっ!!」

 先生の厳しい叱責と恐怖に心が折れかけて泣いた時も度々あった。でも、訓練を初めて数日後、先生にこう問われた。

 

 「ルオン、お前はどうしてこうも自分が上手く行かないのか分かっているな?」

 「………………」

 本当は自分でもその理由は分かっていた。でも、それを言ったら……

 

 「この意気地なしがっ!!」

 そう怒鳴られるだろうと思い、それが怖かったのだ。

 

 だが、先生は思いもかけなかった優しい表情を浮かべた。

 「お前は優しい子だ。ゴーレムが人造人形であっても、人に近い姿をして、しかも人と同様に動く存在であるので破壊する事に躊躇いがあるのだ」

 「レーヴ先生……」

 

「もう一つは、お前の心の片隅に【これは訓練だ】という意識があり、それがお前から必死さを奪っているのだ」

「…………」

 

「ルオン、お前はあのカラワーナ……彼女を愛したが故にあえて人間としての平穏な生活を捨てて堕天使となった。彼女を守る為には時にはその手を血に染めてでも。そう決意しての故だろう?」

「は、はい……」

 

「ならば、その覚悟を貫け。ゴーレムを倒す事に戸惑っているようでは、実際に敵と相対した時には命が幾つあっても足らんぞ。愛する者を守る為には時には鬼にもなる。その覚悟がお前には必要なのだ」

 

 そうだ! 僕は大好きなカラワーナ先生を守る為に堕天使になったんだ! やはり愛するレイナーレ先輩を守る為に堕天使になった國原先輩と同じく。國原先輩はレイナーレ先輩を守る為に強大な力を持つ兵藤先輩たちグレモリー眷属や【禍の団】の悪魔たちと命懸けで戦ってきた。なら、僕も國原先輩と同じ勇気と決意を持たないと!

 

 「先生! 分かりました! 僕、頑張ります!」

 僕は気持ちを新たに訓練に励み、今では瞬時に神器を発動させられるようになり、着実に進歩は出来ていると思う。

 

 でも、まだこんなものじゃ、とてもカラワーナ先生を守り切れない! もっともっと頑張らないと!

 

 ちなみに、カラワーナ先生とミッテルトちゃんは、僕とは別にやはり高名な堕天使、ペルクナス様の指導を受けている。ペルクナス様は短く刈り込んだ褐色の髪に緑色の目、背は高く胸板は厚く、肩から腕にかけて隆々とした筋肉が盛り上がっている、堂々たる体格の大男だ。

 

 本当は僕も、國原先輩とレイナーレ先輩のように、カラワーナ先生と一緒に訓練を受けたいのだが、あっ! く、訓練中にエッチな事をしたい訳じゃないけれど……

 

 でも、魔力系の僕に対してカラワーナ先生は近接直接攻撃型でタイプが違う上に、彼女はレイナーレ先輩と違って、いまだ神器を持っていない。だから現状では別々に訓練を受けるしかないのだ。

 

 ミッテルトちゃんの話によると、カラワーナ先生は訓練中も心ここにあらずという感じで、何度もペルナクス様から厳しく叱責されているとの事……

 

「ルオン、カラワーナってば、訓練中もアンタとのいやらしい妄想にふけってそんな事になってるっすよぉ~~」

「そ、そうなの……」

 

 僕はカラワーナ先生にそこまで想ってもらえている事を嬉しく思うのと同時に、自分の頼りなさのせいで彼女に大きな負担をかけている事を申し訳なくも感じる

 

 カラワーナ先生は武器を取っての近接戦なら僕よりはるかに強い。それでも兵藤先輩やグレモリー先輩、木場先輩をはじめとするグレモリー眷属の人たちや鬼崎先輩には全く問題とされていないのが実情なのだ。彼女はそれをとても申し訳なく感じている。

 

 ミコト殿やレイナーレ様のお役に私は立てていない。私は役立たずだ……

 そうしばしば彼女は口にしている。

 

 幸いにもカラワーナ先生はミッテルトちゃんと共にアザゼル様から神器の提供を告げられた。今回の訓練を経て神器を手にする事が出来れば、彼女の戦闘力は大きく上がり自信を高める事が出来るだろう。それを励みに、彼女はペルナクス様に訓練で激しく打ちのめされても必死で頑張っている、とミッテルトちゃんは話してくれた。彼女もあちこちアザだらけだが。

 

 とにかく、カラワーナ先生が神器を手にして実力を大きく伸ばした際、僕は彼女のサポートを果たして彼女を力づけ、守る事が出来るようにならなければならない! それを思うと気合はさらに高まる!

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕とレイナーレは二人での修行を終えて、アザゼル様と共に流音くんとカラワーナさん、ミッテルトちゃんと合流するために、3人が修行をしている場所へと向かっている。

 

 今後の予定だが、以前、アザゼル様から伝えられた通り、僕たちは合流した後、合同訓練をする。おそらく僕とレイナーレ、流音くんの3人の神器を組み合わせた戦術を訓練するという事なのだろう。正直恥ずかしいが、まあ仕方がない。

 

 数日後には魔王様方が主催するパーティがあり、僕たちも招かれているので出席せよとの事だ。その後はグレモリー眷属と、ソーナ生徒会長たちシトリー眷属との【レーティングゲーム】の試合が行われるという話だ。だから最後の訓練が終わったら、よく休んで修行の疲れを癒すようにとのお計らいだ。

 

 レーティングゲームとは、悪魔たちの間で行われている競技で、上級悪魔たちが自分たちの眷属を比べ合う事から始まったという。要は格闘術や魔力を使っての試合なのだが、様々なルールがあって、実戦でより強い者が勝つとは限らないという事だ。悪魔の間における地位の昇格はほとんどがこの試合で活躍して資格を得る事によるので、悪魔たちには大変重要なものなのだ。

 

 聞くと、今回はサーゼクス様の提案で行われる事になったとの事だ。グレモリー眷属たちはアーシアさんとゼノヴィアさんを除けば僕たちにとって因縁の間柄であるが、彼らとシトリー眷属の人たちは普段、仲が良いだけにシトリー眷属の皆も内心複雑なものがあると思う。

 

 それはともかく、流音くんは一生懸命訓練に励み、彼の神器を扱う能力は着実に向上しているとの事だ。カラワーナさんとミッテルトちゃんも厳しい戦闘訓練に励んでいるとの事。いずれ神器を得た時に、それを使いこなせるだけの力をつけておく為に。

 

 「ウフッ、三人に会うのが楽しみね♪ 合同訓練は正直恥ずかしいけれど……」

 「そ、そうだね……」

 レイナーレと僕はお互い顔を赤らめつつうなずき合う。だが、三人の訓練の場所へと近付いた時……

 

 ズドーーーーーーン!!!

 ガシャアアアン!!!

 凄まじい地響きの音が聞こえ、ハッ! とそちらを見ると、流音くんたちの訓練場の方で人型の巨大なものが暴れ回っている様子が、彼(?)の攻撃によって周囲の建物が崩れ落ちている様子が映る。

 

「な、何なのっ!?」

「あれは……ゴーレムか……」

「ゴーレム……」

 

 ゴーレム。ユダヤ教の伝承にある、土や石で作られた人形。自然に巨大化し作った主人の命令だけを忠実に実行する僕。だが運用するには厳格な制約を守らないと暴走して周囲を見境なく攻撃する危険が……

 

 じゃあ、あれはその凶暴化したゴーレム! それなら流音くんやカラワーナさん、ミッテルトちゃんは!

 

「レイナーレ! 行くよ!」

「ええ!」

 

 「尊! レイナーレ! まずはお前たちで対処しろ! 手に余るようなら俺が奴を片付ける!」

 「はっ!」

 アザゼル様に一礼し、三人の元へと一直線で向かう

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕たちの修行の日々も、もうすぐ終わりとなる。これから國原先輩とレイナーレ先輩に合流したら合同訓練を行う。それが終わったら数日後に魔王様方が主催するパーティがあり、僕たちも出席するから、後はよく休んで、修業の疲れを癒しておくようにとの事だ。

 

 僕は神器の禁手化までには至っていないが、瞬時に神器を出して敵の攻撃に対応出来るようになった。

 

 「この短期間で十分上出来だ」

 レーヴ先生からもそう評価をいただいている。

 

 カラワーナ先生とミッテルトちゃんも、ペルナクス様に鍛えられて相当に力をつけたとの事、実際、カラワーナ先生を見ているとそのクールビューティーな美貌がさらに引き締まって魅力を増したという感じがして、僕はこれまで以上に彼女の美貌に見惚れる。先に聞いたミッテルトちゃんの話では彼女たちにとって辛い訓練であったようだが、カラワーナ先生は一切、弱音を漏らす事はなかった。

 

 今は國原先輩とレイナーレ先輩がアザゼル様がもうすぐこちらに来るとの話を聞き、到着を待ちわびている所だ。

 

 「國原先輩とレイナーレ先輩、神器の禁手化には成功したんでしょうか?」

 「ミコト殿はやる事はしっかりとされる方だ。そしてあの方の支えがあればレイナーレ様も力を存分に発揮されるはず。必ずや成し遂げられたに違いない」

 

 「ええ、そうですよね! 國原先輩とレイナーレ先輩ならきっと!」

 「でも、あの二人の事だからエロエロな毎日を過ごしていたのは間違いないっすよねぇ~~ウチらと一緒にいてもエッチな気持ちを隠せないっすからぁ~~二人っきりなら……ムフフ……カラワーナとルオン、アンタたちはそのエロエロバカップルと合同訓練をするっすよねぇ~~一体、どんな訓練になるっすかねぇ~~」

 ミッテルトちゃんがニタニタと笑う。

 

 僕は先日のあの露天風呂での國原先輩とレイナーレ先輩の事を思い起こし、これからの合同訓練の事を想像してドキドキする。カラワーナ先生の方を見ると彼女も顔を真っ赤にしている。だが、その時。

 

 ドオオオオンッ!!!

 突然、凄まじい衝撃が襲う。まるで僕たち皆がその場から吹っ飛ばされそうなほどの凄まじい地面の揺れ!

 

 「じ、地震っ!!?」

 「違うっ!! 見ろっ!!」

 カラワーナ先生が示した方へと視線を向ける。すると……

 

 「な、何すかあっ!!? これはぁっ!!?」

 ミッテルトちゃんの驚愕の声。そこにはゴーレムが……しかし、これまで訓練で相手にしてきたゴーレムの三倍ほどもある、身長30mをゆうに越す、超巨大なゴーレムがいたのだ。思い出したのは、地球最大の動物……シロナガスクジラだった。彼(?)は巨大な腕を振り回して、辺りの建物を手当たり次第破壊している。

 

 「…………」

 ゴーレムが僕たちの方に顔を向ける。次の瞬間、ゴーレムは巨大な足を僕たちに向かって高々と上げる。

 

 「ルオンっ!! 危ないっ!!」

 カラワーナ先生が咄嗟に僕の体を抱き締めて大きく跳んだ。

 

 ズドーーーーーン!!! 

 凄まじい衝撃が辺りを包む!

 

 「うひゃああああああっ!!」

 ミッテルトちゃんも踏みつぶされる寸前に空中に飛び上がって難を避ける。振り返るとそこには大きなクレーターができていた。

 

「な、何だこいつは……!?」

「カラワーナ先生っ! このゴーレムは暴走して制御が効かなくなっていますっ! 作ったのはレーヴ先生ですが、おそらくその先生の制御も!」

「何!? レーヴ様が! それならレーヴ様がおられれば対処法もご存じなはずっ!」

 

「ダメですっ! レーヴ先生は今日は朝から用事があるという事で出かけられていて……そうだ! カラワーナ先生! ペルナクス様はっ!?」

「ダメだっ! ペルナクス様もやはり急用が出来たとの事で朝から出かけられたっ!」

 

「そんなあっ! じゃあ! ウチらだけでこのデカブツを相手にするってことっすかぁ!? む、無理っすよぉ! カ、カラワーナっ! ルオンっ! に、逃げるっすよおっ!」

 

 ど、どうすれば……!?

 「ルオン! 逃げるな! 迎え撃つぞ!」

 動揺する僕にカラワーナ先生の声が飛ぶ。彼女の表情には先程までの慌てた様子は全くない。

 

「えっ?」

「私もさっきは取り乱したが……ルオン、よく考えてみろ。おかしいとは思わないか? これからアザゼル様もいらっしゃるのだぞ。仮にも総督閣下が自らおいでになるという時に、ここの責任者が二人ともいなくなるなど変じゃないか?」

 

「あっ!」

「そうだ。このゴーレムの暴走はルオン、お前に対する最終試験のようなものだ。お前が逃げずに勇気をふるって奴に立ち向かえるかどうか、レーヴ様もペルナクス様もきっと近くで見ておられるに違いない。お二人がそれをしようと思われるという事は……ルオン、お前には既に奴を倒すだけの力が備わっているという事だ」

 

 僕にそんな力が……でも……!

 巨大なゴーレムを見上げる。以前戦ったはぐれ悪魔やこれまでの訓練で戦ったゴーレムなど問題とならない圧倒的なその巨体。岩石で出来た巨大な手足。その一撃を食らったら、僕もカラワーナ先生も一撃でぐしゃぐしゃに原型を全く残さず無惨に潰されてしまう!

 

 ほ、本当に僕にそんな力があるのっ?

 体が思わず恐怖でガタガタとふるえ、冷や汗がダラダラと流れる。だが、そんな僕の肩にカラワーナ先生が優しく手を置く。

 

「カラワーナ先生……」

「大丈夫だ。ルオン、お前はこの私が本気で好きになった男だ。お前があのはぐれ悪魔との戦いで見せてくれた私への想いとそこから来る勇気、これまでの訓練で得た力。それがあればお前は確実に勝てる」

 

 カラワーナ先生は美貌を赤らめる。次の瞬間、彼女は着ていたボディコンスーツをバッ! と脱ぎ捨てる。素肌の上にそのままボディコンスーツを羽織っている彼女の張り詰めた大きな乳房がぶるるんっ! と弾みつつ露わとなり、彼女のビンビンに勃起して突き出している、大きく卑猥な乳首が僕の目にさらされた。そして彼女は素早くスカートも脱ぎ捨てる。その瞬間、彼女はノーパンなので彼女の陰毛で覆われた秘部もさらされ、彼女は全裸となった。

 

 「カ、カラワーナ先生っ!?」

 突然の事に僕は驚き、こんな時なのに最愛の女性の美しくいやらしい裸体を見た胯間は激しく猛り立つ。

 

 「カ、カラワーナ……! アンタ、何やって?」

 ミッテルトちゃんも唖然とした様子だ。

 

 だが、そんな事には一切構わず、全裸となったカラワーナ先生は後ろから僕を抱き締める。彼女の方がずっと背が高いので、僕の肩のあたりに彼女の張り詰めた大きな乳房がぎゅむっ! と押しつけられ、彼女の硬く大きな勃起乳首が肩をくすぐる。

 

「カ、カラワーナ先生っ……」

「フフッ……どうだ? ルオン、私の裸を見て興奮したか? 恐れは薄らいだか?」

「は、はいっ!!」

 

 実際、僕はカラワーナ先生の素晴らしい裸体とそれが体にこすり付く感触に興奮し、心から恐怖は嘘のように薄らいでいた。

 

「そうか。ルオン、私の今の力ではとてもあのゴーレムにダメージは与えられない……だが、こうやってお前を支える事が出来るなら、私は嬉しい!」

「先生……!」

 

 「ルオン、お前と一緒なら、私は何も怖くない。今、ここで死のうともな。だからルオン、お前と私の愛の結晶をあのゴーレムにぶつけてやろう」

 彼女の愛の言葉に、肩に押しつけられる彼女の張り詰めた大きな乳房の感触に、カチカチに硬く勃起した彼女の乳首の感触に、僕は全身に勇気とパワーが満ちあふれるのを感じる!

 

【挿絵表示】

 

「ああっ! ルオンっ! お前の体に力がみなぎるのを感じるぞ! フフッ、ルオン。後で思い切り愛し合おうな」

「はいっ!」

 

 先生の言葉に僕は大きな声で応え、ゴーレムが攻撃をかけてくるのに備えて、神器発動の準備に入る。

 

 「……………」

 巨大なゴーレムは僕たちを前になぜかしばらく動きを止めていたが、やがて巨大な腕を大きく振り上げた。

 

 「ルオンっ! 来るぞっ!」

 「はいっ!」

 僕は愛しい女性の感触を感じて、彼女を守りたい。その一念で神経を集中させる。

 

 僕たちの周囲に光のバリアが形成される。直後、凄まじい勢いでゴーレムの巨大な腕が振り下ろされた。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕たちが光のバリアに包まれた流音くんとカラワーナさんを目にした瞬間、30メートルほどもある巨大なゴーレムがその腕を凄い勢いで二人目がけて振り下ろした。

 

 「カ、カラワーナーーーーっ!! ルオンくーーーーーんっ!!」

 「カラワーナさんーーーーっ!! 流音くんーーーーーっ!!」

 レイナーレと僕の絶叫が響き渡る。だが、次の瞬間。

 

 ドゴオオオッ!!! 

 ゴーレムの腕が凄まじい音と共に粉々に砕け散り、その凄まじい衝撃により巨体にひび割れが出来て、ミシミシと広がっていく。だがゴーレムは悲鳴はおろか痛がる様子もない。たとえ動けてもやはり土人形だから……

 

 バリバリバリバリッ!

 ゴーレムの巨体は無数の石塊となってバラバラと崩れ去っていく。僕たちはそのすぐ下にいるカラワーナさんと流音くんを心配するが、流音くんが作り出した光のバリアはいまだ有効で、落ちてくる石塊を跳ね返す。

 

 「す、凄いわね……! ルオンくん……!」

 「うん……あんな巨大なゴーレムを粉砕するなんて……! 短い期間でよくあれほど神器を……!」

 レイナーレと僕は流音くんの成長ぶりに目を見張る。

 

 「あら……今、気づいたけれど、カラワーナったら裸じゃない……あっ! ウフッ♪ あの二人、私たちに負けないラブラブぶりね♪」

 レイナーレが目の前で繰り広げられている光景に美貌を染めつつクスッと微笑む。だが、その時……!

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕は狙い通りに神器を発動させ、攻撃してきた巨大なゴーレムは跳ね返った衝撃によりバラバラに砕け散った。僕は自分の神器が今回の特訓によって以前よりも大幅に強化された事を実感でき、また愛する女性……カラワーナ先生を守れた事に安堵して、バリアを解除した。

 

 !!!

 凄まじい疲労感が体を襲い、僕はその場にへなへなとくずおれる。

 

 「ルオンっ!」

 カラワーナ先生が叫びつつ、僕の体を抱き締めてくれて、僕は先生の張り詰めた大きな乳房の間の深い谷間に顔を埋める。

 

 普段なら、外での事だし慌てて身を離すところだが、今の僕にはその力もなく、彼女にそのまま身を委ねる。

 ああっ……カラワーナ先生の胸……とても気持ち良いっ……!

 

 カラワーナ先生はそんな僕の頭を優しく撫でてくれる。

 「ルオン……ありがとう……私を守ってくれて」

 「カラワーナ先生……」

 

 カラワーナ先生は僕の顔を優しく両手で挟むと、そっと顔を寄せてキスをしてくれる。重なり合う彼女と僕の唇。甘美な感触。だがその時……!

 

 「カ、カラワーナっ!! ルオンっ!! 上っ!! 上っす!!」

 ミッテルトちゃんが大声をあげ、僕たちはハッ! として急いで空を仰ぐ。

 

 次の瞬間、先ほど、ゴーレムによって破壊された建物の屋根に取り付けられていた、僕の体半分ほどもの大きさがある、大きな金具が僕たちの真上に落ちてくる。

 「うっ!! うわああああっ!!」

 「ル、ルオンっ!!」

 

 カラワーナ先生が僕を抱き締めたまま、身を投げ出すようにして飛び上がり、落ちてくる金具を避ける。

 

 地面にめり込む金具。無事にかわせた! と思った僕だが、次の瞬間、僕はカラワーナ先生のすらりと伸びた長くしなやかな右足が血に染まり、彼女が美貌を苦痛に歪めているのに気付いて驚愕する。落ちてきた金具が彼女の足をかすめて怪我を負わせたのだ。

 

 「カラワーナ先生っ!」

 「カラワーナっ!」

 僕とミッテルトちゃんが先生に駆け寄る。

 

 「だ、大丈夫だ……既にゴーレムは倒した。すぐにレイナーレ様とミコト殿、そしてアザゼル様もおいでだ。そうすれば治療が受けられる」

 

 カラワーナ先生は苦痛に耐えて微笑む。だが、次の瞬間、僕たちは激しい振動を感じて驚愕する。

 

 「えっ!? そ、そんな……!」

 離れた場所から先ほど倒したものと同じ位の巨大なゴーレムがもう一体近付いて来る。

 

 な、何っ……!? 一体どこから……!?

 僕は驚愕しつつも再度、バリアを作り出そうとする。しかし疲労しきった体は言う事を聞かず、その場に倒れ込んでしまう。

 「うっ!」

 「ル、ルオンっ!」

 

 足を怪我したカラワーナ先生が再び僕を抱き抱える。そうこうしているうちに、ゴーレムはどんどん近付いてくる。逃げようにも僕は極度の疲労で起き上がれず、カラワーナ先生は必死で立ち上がろうとするも、右足に怪我を負った彼女は立ち上がることも大変な状況だ。ミッテルトちゃんも動けない僕とカラワーナ先生を連れて逃げるだけの力はない!

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 ゴーレムを倒した流音くんとカラワーナさんが愛し合う様子を遠くから見つめていた僕とレイナーレ。だが、僕たちはその2人めがけて大きな金具が落ち、それによってカラワーナさんが負傷したのを見て驚き、急いで駆け寄ろうとした。だがその時……

 

 「ミコトっ! またゴーレムがっ!」

 レイナーレの声にハッとした僕が彼女の示した方向を見ると、そこにまた新たな巨大ゴーレムが地響きをあげつつ姿を現した。

 

 「ミコトっ! ルオンくんは力を使い果たして、もう神器を発動させる事は出来そうもないわっ!」

 確かに流音くんは必死で神器を発動させようという動きを見せたが、すぐに倒れ込んでしまい、彼の体をカラワーナさんが抱き抱えるも、怪我を負った彼女にとても流音くんを抱えて逃げる事など出来ない。ミッテルトちゃんも動けない二人を連れて逃げるにはあまりにも非力だ!

 

「ミコトっ! このままじゃ三人がっ! お願い!」

「うんっ!」

 

 レイナーレの叫びに僕はうなずくと、目の前の張り詰めた彼女の美しく大きな胸に手を伸ばし、その胸に食い込んでいる黒の胸当てにくっきりと形が浮かび上がっている彼女の大きく卑猥な勃起乳首をギュッ! と摘まむ。

 

 「あっ!! あひいいっ!! あひゃああああんっ!!!」

 レイナーレが絶叫して体をのけぞらし、同時に彼女の体が熱を帯びて硬直する。

ミシッ……ミシッツ……

 

【挿絵表示】

 

 「あっ!! あっ!! あっ!! あはあっ!!」

 レイナーレが美貌に恍惚とした表情でもだえる。それと同時に彼女の体から発する音が高まり、次の瞬間、彼女の体から黒のボンデージがバラバラにちぎれてはじけ飛ぶ!

 

 「あっ!! ああああああああーーーーーーーんっ!!!」

 絶叫と共に、僕を常に虜にしてやまないレイナーレの硬く勃起してビン! とそそり立つ大きく卑猥な乳首が、彼女の黒い陰毛で覆われた秘部があらわになっていく。

 

【挿絵表示】

 

 両手の手袋と黒のブーツを除いて、完全にボンデージが吹き飛んで全裸となったレイナーレ。彼女はその美しく卑猥な裸体を僕の前にさらし、美貌に妖艶な表情を浮かべて僕を見つめる。

 

 「あっ……あはあんっ……さあ……ミコトっ……来てっ……」

 「うんっ!」

 

【挿絵表示】

 

 僕はうなずくと、レイナーレの張り詰めた見事な球形の大きく美しい乳房の頂にビン! とそそり立っている、彼女の硬く勃起した大きく卑猥な両乳首を見て、こんな時でも激しく胯間をたぎらせる。

 

 ああっ! レイナーレっ! 君はやっぱり最高だよっ! 僕の愛しい女神っ!

 

 熱い想いで心をたぎらせつつ、彼女の乳首を指でぎゅりいっ! と強くひねり上げる。

 

 「ふ、ふひいいいいいっ!!! ミ、ミコトおおおっ!!! いいわ!!! いいわあっ!!! 好きいっ!!! 大好きいいいっ!!!」

 レイナーレが絶叫する。僕はそのまま彼女の乳首をぎゅりぎゅりぎゅりいいいっ! と強く、激しくひねり回す。

 

 「ふぎいいいいいいいいいいっ!!! ミ、ミコトおおおおおおっ!!! あっ!! あひいいいいいいいいいいいっ!!!」

 凄まじい絶叫と共にレイナーレの裸体が大きくのけぞる。

 

【挿絵表示】

 

 ビュビュビュッ!!

 彼女の大きくていやらしい魔性の乳首から光輝く乳汁が奔流のように噴き出し、僕はそれにはむっ! と吸い付く。

 

 「あっ!! あはああっ!!」

 僕はレイナーレのカチカチに硬く勃起し、それでいてムッチリと弾力感のある大きな乳首をじゅるるるるーーーーーっ! と激しく吸い上げ、そこからあふれ出す濃厚な乳汁を飲み干す。

 

 「あっ!! あはあああんっ!!! ミ、ミコトおおおっ!!! ああああああーーーーんっ!!!」

 僕の全身に力がみなぎり、あのより露出度の高いボンデージ姿となり禁手化を果たす。

 

 僕はレイナーレの乳首から唇を離し、光輝く乳汁でテカテカと光っている彼女のその乳首を再び指でギュッ! とつまむ。

 「あっ!! ああああんっ!!!」

 

 絶叫して裸体をのけぞらすレイナーレの乳首から僕の手に光のエネルギーが乗り移る。そう、僕の必殺技……僕とレイナーレの愛の結晶である【ニプルブラスト】を放つ準備が整った。

 

 「あはっ! ミ、ミコトっ!! わ、私もっ!!」

 僕に激しく乳首を攻められて、裸体をびっしょりと汗で濡らして激しくあえいでいたレイナーレが叫び、彼女はゴーレムに向けて右腕を突き出す。それは自分も攻撃に参加するという意思表示。

 

 そう、僕に乳首を攻められる事で彼女も僕と同時に禁手化を果たしており、今の彼女の力は普段よりもはるかに高まっているのだ。

 

 レイナーレの手から赤い閃光が発して、巨大な光槍になった。それを見た僕は彼女に叫ぶ。

 

「行くよっ! レイナーレっ!」

「ええ! ミコトっ!」

 

 レイナーレが大きくいやらしい乳首を、神器【堕天の乳汁】の禁手化の証である黄金色に輝かせながら、美しい裸体を躍動させてゴーレムめがけて光槍を投げつける。

 

【挿絵表示】

 

 同時に僕も彼女との愛の証である【ニプルブラスト】をゴーレムに向けて放つ。

 

【挿絵表示】

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 もはや神器の発動が出来ず、動く事すらままならずカラワーナ先生に抱き抱えられている僕。だが、そのカラワーナ先生も動けない!

 

 誰かっ!! 誰か来てっ!!

 僕は祈る気持ちで助けを求める。その瞬間……!

 

 

 ズゴォッ!!

 赤く輝く巨大な光槍がゴーレム目がけて飛んで来て、その胴体を刺し貫き、胴体に大穴が空いて、僕たちに迫っていたゴーレムの動きが止まる。

 

 「あの光槍は……!」

 カラワーナ先生の声が響く。僕がそちらを見る間もなく、次の瞬間、今度はまぶゆいばかりの巨大な光弾が飛んで来てゴーレムを直撃した!

 

 ボオオオオオーーーーーーーンッ!!!

 凄まじい爆音と共にゴーレムの巨体は文字通り粉微塵に粉砕された。

 

 僕たちは光槍と光弾の飛んで来た方を見つめる。もちろんそこには……

 

 「國原先輩っ!! レイナーレ先輩っ!!」

 「レイナーレ様っ!! ミコト殿っ!!」

 「レイナーレ姉さまっ!! ミコトくんっ!!」

 

 そう、そこにはレイナーレ先輩とよく似たボンデージ姿となった國原先輩と、全裸となって大きな乳首を黄金色に輝かせているレイナーレ先輩がいた。

 

 「カラワーナっ!! ミッテルトっ!! ルオンくんっ!! 良かったっ!! 無事でっ!!」

 レイナーレ先輩が目を潤ませる。

 

 「レイナーレ様……ミコト殿……ありがとうございます! それにしても、あの技の威力とこのお姿……お二人とも禁手化を果たされたのですね!」

 カラワーナ先生も目を潤ませて言った。二人は優しい表情でうなずいてくれる。

 

「や.やったっすね! 姉さま! ミコトくんっ!」

「それはおめでとうございます!」

 

 ミッテルトちゃんが喜びの声を上げ、カラワーナ先生も目を輝かせて祝福しつつ立ち上がろうとした。しかし彼女はそこで足の痛みに顔を歪める。

 「うっ……」

 

 「カラワーナ先生!」

 「大丈夫よ。私に任せて」

 レイナーレ先輩が優しく僕に微笑む。

 

 全裸のレイナーレ先輩は張り詰めた球形の美しい大きな乳房の頂のまだ黄金色に輝いている大きく卑猥な乳首をキュッ! とひねる。

 「あんっ!」

 

 レイナーレ先輩の甘い声と共に乳首からブシュッ! と黄金色に輝く乳汁が噴き出し、彼女は黒の手袋を脱いで手に塗りつけると、それをカラワーナ先生の傷口に塗り込む。すると……

 

 「えっ!」

 瞬く間にカラワーナ先生の足の傷口がふさがり.彼女の足は元通りとなった。

 

 す、凄い……! これがレイナーレ先輩の神器【堕天の乳汁(フォーレン・ブレスト・ミルク)】の持つ癒しの力!

 

 僕は思わず目を見張るが、同時に先輩の裸身を直視している事に気づき、今更ながらに先輩のセクシーでエッチな体に思わず胯間がうずいた僕は慌てて目をそらす。

 

「どう? カラワーナ? もう何ともないでしょう♪」

「は、はい! ありがとうございます!」

「レイナーレ先輩! ありがとうございます!」

 

 「しかし、レイナーレ様、この癒しの力と言い.あの攻撃力といい、とても大きな力を得られましたね」

 感激の表情で見つめるカラワーナ先生。レイナーレ先輩はとても嬉しそうだ。

 

「ウフッ……そうなの……この神器はね……禁手化すると宿主の能力を飛躍的にUPさせる力があるのよ♪ そして、私がこの力を持てるのは全てはミコトの愛ゆえなのよ♪」

「なるほど……フフッ……やはりレイナーレ様とミコト殿には敵いませんね」

「そうですよね……! 本当に國原先輩とレイナーレ先輩は凄いです!」

 

 「流音くん、君も凄いよ! この短期間でこれほど神器を使えるようになったんだから!」

 國原先輩は僕を褒めてくれる。だけど、僕は喜べない。

 

 「そ、そんな事ないです……僕……國原先輩とレイナーレ先輩が来てくれなかったらカラワーナ先生を守れなかった……僕……僕……情けないです……」

 あの時を思うと悔しさと情けなさで僕の目に思わず涙があふれる。

 

 「それは違うぞ。ルオン。お前は私を守る為に全力で戦ってくれた。それだから力を使い果たしたんだ。そんなお前の気持ちが私はとても嬉しかった。それに、私たちがあんな事になったのは完全に私のミスだ。私はお前よりずっと戦闘経験があるのに、もう一体のゴーレムの存在に気づけず、その上、注意を怠ってあんなケガをしてしまった。謝らなくてはならないのは私の方だ。すまない。ルオン」

 カラワーナ先生が沈痛な表情で頭を下げる。

 

 「いえ……先生は僕を守ろうとして……」

 僕が言いかけると、今度は國原先輩が言った。

 

「そうだよ、流音くん、君がそんなに自分を責める必要なんてないんだ」

「國原先輩……」

 

「愛する女性を守るのに力不足だったと君が悔やむのは分かる。僕だってレイナーレを守る為に自分が力不足だと何度も感じた事があるから。でも流音くん、君はカラワーナさんを守る為に一生懸命訓練して神器の能力を向上させて、そして今日、見事ゴーレムを倒した。確かに思いがけない事態が起こって危険に陥ったけれど、君は今回、カラワーナさんの為に全力を尽くしたんだ」

「先輩……」

 

 「それに、今日の事を君が悔やむのなら、それを今後に活かせばいいじゃないか。さらに自分を成長させて常にカラワーナさんを守れるようにしていけばいいんだ。僕もレイナーレをこれからもずっと守れるように努力していくよ。だから、流音くん、一緒に頑張ろうね!」

 國原先輩は僕を優しく励ましてくれる。そんな先輩の気持ちに僕は感激する。

 

「國原先輩! ありがとうございます! 僕、もっともっと神器を使いこなせるようにしてカラワーナ先生を絶対に守ってみせます!」

 

 「ウフッ……カラワーナ、あなた、こんなルオンくんが大好きでしょ?」

 「は、はっ! 大好きですっ! そうだぞルオン! 私は今日の事でさらにお前の事が好きでたまらなくなった! だから、何も気にしなくていいぞ!」

 

 「ウフッ……じゃあ、カラワーナ、もう一回、キスしてルオンくんを安心させてあげなさい」

 「は、はい……ルオン……大好きだ……愛してる……」

 「僕も大好きです。愛してます……カラワーナ先生……」

 僕と彼女はそっと顔を近づけ、唇を重ねる。

 

 「ふはーーーーーっ! エロエロバカップルは姉さまとミコトくんだけでお腹いっぱいなんすけど、さらに第二弾誕生って訳っすかぁ~~それにしても姉さまとカラワーナ、いつまで素っ裸でいるつもりなんすかぁ~~でっかいオッパイ見せつけて、ウチへの当てつけのつもりっすかぁ~~」

 

 ミッテルトちゃんは少々不機嫌そうに言った。どうやら彼女はレイナーレ先輩にカラワーナ先生という二人の巨乳美女に挟まれて、結構、胸の事は気にしているようだ。

 

 「あっ……! そ、そうね……そろそろ服を着ないと……」

 「そ、そうですね……」

 

 レイナーレ先輩とカラワーナ先生は恥ずかしげな表情で顔を見合わせ、急いで衣服を身につけた。まあ、レイナーレ先輩は例のほとんど全裸に近い黒のボンデージ姿、カラワーナ先生もやはり露出度の高い、赤のボディコンスーツ姿だが。

 

 落ち着いたところで、僕は気になっていた事を國原先輩とレイナーレ先輩に尋ねる。

 「でも、お二人ともあれほどの技を放ったのに、そんなにお疲れの様子はありませんね?」

 

 そう、僕としては自分があの神器の発動で完全に疲れ果ててしまったのに対し、國原先輩とレイナーレ先輩は驚くほどに元気なのが不思議だったのだ。

 

 「ええ、本当にそのようですが……」

 「何でそんなに元気なんすか?」

 カラワーナ先生とミッテルトちゃんも僕と二人を比較して不思議に思ったようだ。

 

 「あっ、それはね……私の神器には傷を癒すだけじゃなくて、疲労を回復する力もあるのよ……その……恥ずかしいけれど……私のお乳を飲む事によって……特に禁手化を果たすと特にその効果が強まるの」

 レイナーレ先輩は美貌を真っ赤に染めて恥ずかしそうにしつつ教えてくれた。

 

「つ、つまり……レイナーレ様は自分の体内を駆け巡る乳汁によって、ミコト殿はそれを飲む事によって体力を回復出来ると、そういう事ですね?」

「ええ、そうよ」

 

 「はあーーーーーっ! お手上げっす! このエロエロバカップルはまさに最強っすね~~」

 ミッテルトちゃんが両腕を上げて肩をすぼめ、カラワーナ先生は僕に小声でささやく。

 

「ミッテルトも言うように、あのお二人の間に分け入るなど、誰をもってしても不可能だな……」

 

 そして僕たちはそれぞれの修行中の事について語り合った。しばらくするとアザゼル様が僕たちの前に姿を現した。

 

 「よお、見事にゴーレムどもを倒したな!」

 「総督閣下……!」

 アザゼル様の方を見つめる。正直、カラワーナ先生も僕も心中穏やかではない所がある。

 

 その雰囲気はアザゼル様もすぐに察したようだ。

 「カラワーナ、流音、俺に何か言いたい事があるのか?」

 「い、いえ……そのような事は決して……」

 「遠慮しなくていいぜ。思った通りに言っていい」

 

 再度促されて、カラワーナ先生がなお躊躇いを見せつつもアザゼル様を見つめ、口を開く。

 「で、では……ご無礼をお許しください。この度、突然ゴーレムが暴走したのも、その時、レーヴ様とペルナクス様がおいでにならなかったのも、そしてルオンが一体目のゴーレムを倒した直後にまた新たなゴーレムが現れたのも、その……全ては総督閣下のご指示によるのでございましょうか?」

 

 「ああ、そうだ」

 アザゼル様ははっきりと、全く悪びれる様子もなく答えられる。

 

「………………」

「納得いかねえのか?」

 

 「お言葉ですが……私も、そしてルオンもあの時、死を覚悟いたしました!」

 カラワーナ先生はあえて非難の表情を主に対して向ける。僕も口には出さずとも同じ気持ちだ。

 

「ああ、そうだろう。だが、戦いとはそういうもんだ。その覚悟がなけりゃ本気の訓練は出来ねえ。それともお前は、なあなあに甘い気持ちで訓練して、いざという時にその覚悟もねえ状態になって流音を無防備な状態にしてえのか?」

「そ、それは……し、しかし!」

「あのやり方でなけりゃ、流音に本気の神器発動をさせる事は出来なかった……それは理解しろ」

 

 「は、はっ……」

 カラワーナ先生は一礼して引き下がったものの、まだ納得出来ていない様子がはっきりと出ている。僕もまだ割り切れない気持ちがある。するとそこで國原先輩が口を開いた。

 

「カラワーナさん、流音くん、総督閣下は僕たちにも同様の訓練を課されの。…そしてあの兵藤にもとても厳しい訓練を課されたんだよ」

「えっ!? それは?」

 

 思わず聞き返したカラワーナさんと僕に、國原先輩は自分たちが事前に知らされずに強大なドラゴンであるターンニーン様と戦わされた事、兵藤先輩が課されたという過酷な訓練について話してくれた。

 

「そう……だったのですね……」

「総督閣下は僕たちをここに連れてきて、君たちを助けるように命じられた。さらにご自分はもしもの時にはすぐに皆を助けに行けるように準備されていた。おそらく君たちを訓練していた上級天使の方々もいざという時にはすぐに動くよう総督閣下はご命令されていたに違いないんだ」

 

 「ミコト殿……そう、そうですよね……総督閣下は部下思いのお方……私たちの事を気遣って下さっているからこそ、あえてこのような事をされたのですね……」

 「そうですよね……」」

 カラワーナ先生も僕も思わず感じ入る。

 

 「総督閣下、閣下のお気遣いを理解出来ずに無礼な態度を取ってしまった事をお許しください」

 「総督閣下、申し訳ありませんでした」

 

 「何、分かってくれて嬉しいぜ」

 アザゼル様は微笑まれ、それと同時にレーヴ先生とペルナクス様が姿を現した。

 

「いやはや、その少年は全てをお見通しであったようですな」

「さすがは総督閣下も、そしてミカエル天使長殿や魔王サーゼクス殿も認められただけの事はある」

 

「レーヴ先生!」

「ペルナクス様!」

 

僕とカラワーナ先生は思わず叫ぶ。一方、お二人とは初対面の國原先輩とレイナーレ先輩は興味ありげな表情で見つめている。レーヴ様が僕に話しかける。

 

 「ルオン、お前はよく頑張った。この短期間でよくこれだけの力を身につけた」

 「レーヴ先生……ありがとうございます!」

 僕は深々と頭を下げ、心の底からお礼の言葉をお伝えした後、気になっている事をレーヴ様に尋ねる。

 

「でも……僕は一度、あの神器を全霊を込めて発動したところ、体が疲れ果ててしまい、続けて発動出来ませんでした。これを防ぐにはどうしたらよろしいのでしょうか?」

「ルオン、お前の神器は元々、単独では十分にその力を使いこなせないものだ。攻撃すれば数倍のダメージを受けるのを敵が知っていれば、当然、相手は警戒するからな」

 

 「確かにそうですね。では、流音くんの神器をより有効に役立てるにはどうすれば……」

 僕とレーヴ様の話を聞いていた國原先輩がそう言うと、アザゼル様がニヤッと笑われる。

 

 「尊、お前、俺が以前、この神器について、その名とその効果について説明した時の事を覚えてねえか? 敵の攻撃を吸収してそのエネルギーを数倍にして跳ね返す事が出来る……と言った後の話を」

 「えっ? た、確かち……えっ!! えええっ!!!」

 國原先輩はアザゼル様の言葉の意味を理解したらしく真っ赤となる。

 

 次いでレイナーレ先輩も美貌を真っ赤に染める。

 「そ、それはっ……!!?」

 

 二人の様子を見ていて僕もあの時の話を思い起こす。

 た、確か、治癒魔法を僕の神器のバリアで跳ね返せばって……えっ!! えええっ!!

 

 僕は思わず仰天し、カラワーナ先生の方を見ると彼女も顔を真っ赤にしている。

 

 「そうだ。皆、よく理解したようだな! ワハハハッ!」

 アザゼル様は高らかに笑われる。皆が唖然とする中、ミッテルトちゃんだけはニヤニヤと笑っている。

 

「大丈夫だ。戦場で【あれ】を何度もやってるお前たちなら、別に大した事じゃねえだろ! ワハハハハッ!」

「ミ、ミコト……ちょ、ちょっと……あまりに……」

「うん……僕も恥ずかしいよ……でも……やるしかないみたい……」

「し、仕方ないのね……」

「うん……流音くん……カラワーナさん……そういう事だから……」

「は、はい……」

 

 僕たち4人は完全に固まっていた。一方、アザゼル様は愉快そうに宣言する。

 「よし! そうと決まりゃ! 次はその訓練をやるとしようぜ! まあ、今回の合宿中にはもう無理だろうがな!」

 

「ミコト……これで私たちは……」

「うん……」

「間違いなく、【三界(三勢力)一のエロエロバカップル】の名を響かせる事になるっすね!」

 

 諦観した感じの國原先輩とレイナーレ先輩と、やけに楽しそうなミッテルトちゃんだった。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕たちがそれぞれの修行の為にアザゼルから修行プランをもらって分かれてから、早くも二週間以上が過ぎた。

 

 僕は同じ剣使いという事で祐斗と共に訓練を続けている。未だ神器の禁手化を果たしていない、他のグレモリー眷属の面々とは異なり、祐斗は既に禁手【双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)】を手にしていた。詳細は彼に聞いて初めて知ったが、かつて非人道的な聖剣開発の計画の為の実験台とされて果てた祐斗の同志たちの想いを力にしているとの事だ。

 

 だが、祐斗はそれにいささかも満足はしていなかった。その禁手の力がコカビエルとの戦いでは通じず、その後のヴァーリとの戦いでも親友の一誠の役に立てなかったと彼は悔しさでいっぱいだったのだ。

 

 だから祐斗は自分を一から鍛え直した。日々、彼の師匠と共に剣の基本から学び直し、地味なトレーニングも愚直なまでに行い続けた。僕もそんな彼と共に同様の訓練に励んだ。彼は言っていた「禁手化に至ったからといって慢心すれば、それが弱みに成り果てる」と。

 

 「祐斗、何が君をそこまで駆り立てているんだ?」

 「何よりもグレモリー眷属は【赤龍帝だけの眷属】と思われるのがイヤなんだ。僕は主……リアス・グレモリーの剣となり、大切な仲間のイッセーくんの隣で彼の相棒として立ちたいんだ。『リアス・グレモリーは赤龍帝だけじゃなく【聖魔剣の木場祐斗】も有している』そう言われたいんだ」

 

 僕はその言葉に、彼の一誠に対する強い友情、どんどん大きな存在になっていく親友に付いていきたいという願いと主のリアス部長に対する思いを感じた。そんな彼の姿に、強く、熱い絆で結ばれているグレモリー眷属のあり方にますます惹かれていくのを覚えていた。そう、それは【禍の団】に属する事では決して味わう事が出来なかった思い……

 

 だから僕は祐斗にとことんまで付き合った。彼と同様に剣の基本訓練を、地道なトレーニングをこなし続け、日々、彼と手合わせを続けた。

 

 いよいよグレモリー邸に戻り、離れ離れになっていた仲間たちと合流する日も近くなっていたある日、祐斗は言った。

 「陽太郎くん、君に渡したいものがあるんだ」

 

 「これは……」

 渡されたのは一振りの日本刀だった。一目見て禍々しい霊力が宿っているのを感じさせる、まさに【魔剣】という形容がピッタリの剣だ。

 

「昔、ある人から授かった魔剣【吸血妖刀 茨鬼】さ。強大な力を秘めた魔剣だけれど、生半可な者が用いたならば、剣の魔力に乗っ取られて精神を破壊されてしまう。今の僕にはとても使いこなせない代物……でも陽太郎くん、君ならば必ず使いこなせるはず」

「何故、これを僕に?」

 

 「陽太郎くん、君は僕など比べものにならないほどに強い。でも、それでも君は僕の修行に一から付き合ってくれて、僕がさらに強くなるよう力になってくれた。恩を着せるような態度など少しも見せずに……そんな君への僕のせめてもの感謝の気持ちさ。良かったら受け取って欲しい」

 僕はその祐斗の気持ちに胸が熱くなるのを覚える。

 

 「ありがとう。祐斗。大切に使わせてもらうよ」

 僕は礼を述べて剣を受け取った。すると祐斗は端正な顔に心から嬉しいという感じの笑顔を浮かべる。

 

 「僕の方こそ、受け取ってもらえて嬉しいよ」

 僕は早速、その魔剣【吸血妖刀 茨鬼】を用いて訓練を始めた。

 

 ついにグレモリー邸に戻り、皆と合流する日がやって来た。迎えに来たグレモリー家の使用人が操る馬車に乗って、僕と祐斗はグレモリー邸へと向かう。

 

 「フフッ、イッセーくんたちが修行でどんな成果を上げたのか、楽しみだね」

 「そうだね。楽しみだ」

 祐斗の微笑みに笑顔で返す僕。しかし僕の心は乱れに乱れていた。

 

 祐斗……君は僕が【禍の団】の一員だという事を。そして僕が君たちに近付いた目的を知っても、なお、僕にそんな笑顔を向けてくれるのか? それとも、あのレイナーレや國原尊に向けている憎悪の眼差しを僕にも向けるのか?

 

 僕の心に真実を彼らに知られるのを恐れる気持ちが広がる。だが、それを明かす決断をしなければならない時は一刻一刻と迫っていた。

 

(次回に続く)




 今回のお話の流音&カラワーナの対ゴーレム戦、前回の尊&レイナーレの対ターンニーン戦と同様に、アザゼルの思惑により、本人たちとしては突然、命を賭けた真剣勝負を強いられるという形になりました。彼&彼女たちの場合、一誠たちとは異なり、肉体を鍛え上げてそれを持って肉弾戦を戦うタイプではなく、魔力をもって戦うタイプなだけに、より、単なる訓練では命を賭けた真剣勝負の感覚を身につけるのは難しいという事があり、こんな形となりました。

 ちなみに、今後行われる尊&レイナーレと流音&カラワーナの合同訓練、皆の様子から、大体どのようなものなのかは察しがついたかと思います。まあ、彼&彼女たちの場合、戦いの場では羞恥心はとことん捨てよという訳で…(笑)

 最後の鬼崎と木場の二人の訓練と会話、鬼崎がグレモリー眷属たちにどんどん心を惹きつけられていく様子と、それ故の彼の激しい葛藤を描きました。

 次回は原作の流れからすると、魔王主催のパーティと、そこに黒歌に美猴ら、【禍の団】のヴァーリチームに属する面々が登場する話となるのですが、そのお話に入る前にオリジナルのお話を入れたいと思います。どんなお話なのかはお楽しみに!
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