※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D~情念の炎~(完全版)   作:ドミトリ

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 【禍の団】の大勢の悪魔たちからの戦いを強いられる尊&レイナーレたちとグレモリー眷属。いつ果てるとも知れぬ戦いに焦る尊たちの前に思わぬ助けが!




第41話・愛の新兵器

 リアス部長の檄に僕たちは奮い立つ。そう、先日の催しで和解したとはいえ、僕の心には未だにあのレイナーレや國原尊に対するわだかまりは残っている。彼らに負けたくはない!

 

 僕たちが眼前に群がっている【禍の団】の悪魔たちと戦闘態勢に入ろうという時、陽太郎くんがすっ……と前に進み出る。

 

 彼がそっと両腕を突き出して瞑想するような仕草をすると、その手にまばゆい光が集まり、それはあの金色の曲がった刀身に、狼の頭部を象った鍔を持つ剣となる。陽太郎くんはその剣を構え、それを横凪ぎにゆっくりと振るう。

 

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 すると彼の姿は大勢の姿に分かれる。その数は20人ほどはある。

 これは……! 分身の術……!

 

 「瞬狼影斬(イリュージョン・ヴォルフ)……」

 陽太郎くんはつぶやき、それと同時に分身した彼が、目の前にいた悪魔たちに凄まじい早さで一斉に斬りかかる。

 

 「ギャアアアアアアアッ!!!」

 一瞬の内に陽太郎くんが分身したのと同じ、20人もの悪魔がズタズタに切り裂かれて、その場に倒れる。

 

「こ、こいつ……! 裏切者の分際でふざけやがって! まずはこいつからやっちまえっ!!」

 

驚愕した悪魔たちが一斉に陽太郎くんめがけて魔力弾を発射するも、陽太郎くんはそれら全てを流れるような華麗な動きでかわし、あるいは剣で切り裂きつつ、悪魔たちの間を駆け抜ける。その動きには寸分のムダもない!

 

「グヒャアアアアッ!!!」

陽太郎くんが駆け抜けたと思った次の瞬間、そこにいた悪魔たちが皆、血しぶきを上げてバタバタと倒れていく。

 

「す、すげえっ……!」

「何という早い攻撃……! 私の目でも全く捉えられない……!」

「陽太郎……! 大きな力を秘めているのは分かっていたけれど……! これほどだったのね!」

 

 イッセーくんが、ゼノヴィアが、リアス部長が、皆が今の陽太郎くんの凄まじい攻撃に驚愕して目を見張っている。

 

 陽太郎くん……彼が大変な実力の持ち主である事はこれまでの事からよく分かっていたけれど、今日、改めて見ると、今まではその力の片鱗しか見せていなかったと感じる! 僕たちは凄い仲間を得たという事か……!

 

 僕は陽太郎くんの底知れぬ実力に改めて感嘆し、彼が仲間になってくれた事を喜ぶ思いと、彼に負けたくないという思いが同時に高鳴る。それは他の仲間たちも同じなようだ。

 

 「皆、陽太郎に続くわよ!」

 「おおーーーーっ!」

 皆が一斉に戦闘に突入する。

 

 「消し飛べっ!!」

 「ぎゃああああっ!!」

 「喰らいなさいっ!!」

 「ぐわあああっ!!」

 リアス部長が【滅びの力】で5人の悪魔を消し飛ばし、朱乃さんも雷光の一撃で4人の悪魔を倒す。

 

 僕も聖魔剣を抜いて、襲ってくる敵の悪魔たちを次々と斬り倒し、ゼノヴィアも同様に敵たちをなで斬りにする。小猫ちゃんも猫又の力を解放し、素早い動きで襲い来る悪魔を殴り倒し、蹴り倒し、一誠くんも襲い来る敵を【赤龍帝の籠手】を装備した腕で次々と殴り倒す。

 

 とはいえ、敵は尋常な数ではない。倒しても倒しても次から次へと襲ってくる。

 くっ……! これではキリがない……!

 

 この後に控えるディオドラの一味との決戦を考えるとここで力を消耗してしまうのはまずい……! 

 僕たちの中に焦りが広がる。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕たちから少し離れた場所でグレモリー眷属たちも【禍の団】の悪魔たちとの戦闘を始めた。そこでいきなり鬼崎がその秘められた力を見せつけ、その攻撃の凄まじいまでの速さと破壊力に僕たちは驚く。

 

「彼……とても強い事は分かっていたけれど……思っていた以上だわ……」

「うん……」

 

 他のグレモリー眷属の面々も襲い来る悪魔たちを容赦なく屠っていく。彼らの敵を殺す事へのためらいの全くのなさに、僕は少し抵抗感を覚えるものの、僕が彼らの戦い方に口出しする権利はないし、特に今回、多くの敵を彼らが引き受けてくれる事は僕たちにとっては大いに助かる。

 

 僕たちも、流音くんの障壁で身を守り、レイナーレの【堕天の乳汁】で体力回復と戦闘エネルギーを補充しつつ、襲い来る相手を僕は【ライト・バレット】で、レイナーレは禁手化でその威力を強化された光槍で、出来るだけ殺さないように配慮しつつも次々と撃ち倒す。とはいえ、敵の数が多すぎていつ果てるともしれない戦いに僕たちの中で焦りが高まっていく。

 

 「ふひいいいっ!! 一体いつまで湧いてくるんすかぁ!?」

 ミッテルトちゃんが思わず悲鳴を上げる。レイナーレと流音くんの表情にも明らかに焦りの色が見える。特に流音くんは悲痛な表情になっている。その気持ちは痛いほどに分かる……!

 

 ここで時間を食っている間にもカラワーナさんは何をされているか分からない! 何とか早くここを切り抜けないと……!

 そう思った時!

 

 「キャッ!!」

 グレモリー眷属たちの間から悲鳴が上がった。

 あれは……姫島先輩の声!?

 

 僕たちがそちらを見ると、ロープをまとった隻眼の老人が姫島先輩のスカートをめぐってパンティーを覗いていた。兵藤が駆け出して来て、その老人から姫島先輩を引き離す。

 

 「オーディン様!!」

 僕はその老人に呼びかける。そう、それはあの冥界においてグレモリー眷属とシトリー眷属のレーティングゲームを観戦した時に会った、北欧神話の主神オーディンだ!

 

 「おお、黒龍王か、しばらくじゃな」

 オーディンは僕に応え、隣のレイナーレに視線を向ける。

 

「おおっ! これは素晴らしいのう! 堕天使の娘! お主と黒龍王が実にエロい戦い方をすると聞いておったが、今日、それをこうして拝見できるとはの! 長生きはするもんじゃて! その大きな乳房のハリといい、乳汁を垂れ流しているエロ乳首といい、まさに【ニプルクィーン】の面目躍如じゃのう! 引き締まったヘソも尻のハリもたまらんぞい! 黒龍王の小僧、お主は幸せものじゃのう! ホッホッホッ!」

 

 オーディンは僕のレイナーレの裸体を好色な目でジロジロと見つめて歓喜の声を上げ、レイナーレは美貌を真っ赤に染める。僕はそのオーディンの視線の前に立ちはだかるように立っ。

 

 「オーディン様、どうしてここに?」

 僕とグレモリー先輩が同時に同じ質問をする。するとオーディンは長く白いあごひげをさすりながら説明する。

 

 「うむ。話すと長くなるがのぅ、簡潔に言うと【禍の団】にゲームを乗っ取られたんじゃよ。今、運営側と各勢力の面々が協力体制で迎え撃っとる。ま、ディオドラ・アスタロトが裏で旧魔王派の手を引いていたのまでは判明しとる。先日の試合での急激なパワー向上もオーフィスに【蛇】でも貰い受けたのじゃろう」

 ここまでは僕たちは既に知っていた事だ。だが……

 

 「だがの、このままじゃとお主らが危険じゃろ? 救援が必要だった訳じゃ。しかしの、このゲームフィールドごと、強力な結界に覆われててのぅ、そんじょそこらの力の持ち主では突破も破壊も難しい。特に破壊は厳しいのぅ。内部で結界を張っているものを停止させんとどうにもならんのじゃよ」

 と新たな情報を伝えてくれた。すると兵藤が例の無遠慮な口調で尋ねる。

 

「じゃあ、爺さんはどうやって入って来たんだよ?」

「ミーミルの泉に片方の目を差し出した時、わしはこの手の魔術、魔力、その他の術式に関して詳しくなってのぅ……結界に関しても同様じゃ」

 

 【ミーミルの泉】……オーディンが知識を得る為に巨人ミーミルに片目を差し出したというあの伝承か。

 

 僕は以前、北欧神話の本で読んだ話を思い起こす。そこでオーディンは左の隻眼の方を僕たちに見せる。そこには水晶らしきものが埋め込まれ、眼の奥には輝く魔術文字が浮かび上がっている。

 

 その水晶の義眼に映し出された文字を見た時、心身の奥底まで冷えて固まるかのように感じた。

 

 なんて危険な輝きだ……! 先ほどの【ミーミルの泉】の故事を知っているだけに余計にそう感じるのかもしれないが、神器を通してディヴェリクスからの緊張も伝わってくる。

 

 するとその時、それまで遠巻きに見ていた【禍の団】の旧魔王派の悪魔たちが叫んだ。

 「おい! あのジジイはオーディンだ! 相手は北欧の主神! 討ち取れば名が上がるぞ!」

 

 彼らは一斉に魔力の弾を撃ってくる。凄い数だ!

 

 僕たちがその魔力の弾を迎え撃とうとした時、オーディンは持っている杖を一度だけトン! と地に突いた。するとその瞬間、こちらへ向かって来ていた無数の魔力弾がボボボボボボボンッ!! と宙で弾けて消滅した。

 

 「ホッホッホッ!」

 オーディンはひげをさすりながら余裕の表情で笑う。

 

 「す、凄いわっ!」

 レイナーレが驚く。本当に軽く消し飛ばしたという感じだ。さすがは名だたる北欧の主神!悪魔たちも仰天し、顔色を変えている。

 

「本来ならば、わしの力があれば結界も打ち破れるはずなんじゃが、ここに入るだけで精いっぱいとは……はてさて、相手はどれほどの使い手か。ま、これを取りあえず渡すようアザゼルの小僧から言われてのぅ。全く年寄りを使いに出すとは、あの若造はどうしてくれるものか……」

 

 オーディンはそうぼやくように言いつつ、兵藤たちグレモリー眷属の面々に僕たちがアザゼル様から頂いたものと同じ小型通信機を渡した。さらに彼は僕たちの方を見つめる。

 

「お主たちは既にアザゼルの小僧から同じものを渡されておるな?」

「は、はい!」

 

 「ほれ、ここはこのジジイに任せて神殿の方まで走れ。ジジイが戦場に立ってお主らを援護すると言っておるのじゃ。めっけもんだと思え」

 オーディン……オーディン様は僕たちの方に杖を向けた。すると僕たちの体を薄く輝くオーラが覆った。

 

 「それが神殿までお主らを守ってくれる。無事でいるのじゃぞ。レイナーレといったか、お主のような見事な体の美女を死なせるのは惜しいからのぅ……わしを楽しませてくれた礼じゃ」

 オーディン様はレイナーレを見て言った。

 

 「オーディン様……」

 レイナーレも目を潤ませる。このオーディン様は好色でセクハラじみた事をされるのが困りものだが、実はなかなか良い方のようだ。僕のレイナーレを好色な目で見られるのは嫌だが……

 

 「ほれほれ、早く走れ」

 オーディン様は僕たちに先を急ぐよう促す。

 

 「でも、爺さん! 一人で大丈夫なのかよ?!」

 「オーディン様! お一人で大丈夫なのですか?!」

 兵藤と僕が同時に心配を口にするが、オーディン様は愉快そうに笑うだけだ。

 

 「まだ十数年しか生きていない赤ん坊どもが、わしを心配するなぞ……」

 オーディン様がつぶやくと、その左手に槍らしきものが出現した。

 あれは……!

 

 「……グングニル」

 オーディン様は僕が頭に浮かべた通りの伝説の槍の名をつぶやき、その槍先を【禍の団】の悪魔たちの方へ繰り出した。その瞬間……!

 

 ブゥウウウウウウウウウウウウン!!!

 槍から特大のオーラが放出され、空気を貫くような鋭い音が辺り一面に響き渡る……!

 

 「………………!」

 「す、凄いっ……!」

 僕も、そしてレイナーレも我が目を疑う。オーディン様の一撃が作り出した痕跡ははるか先まで一直線に伸び、深く地を抉っていた!悪魔たちはその一撃で消し飛ばされて、数十人ぐらいが消滅している……! なんて威力だ! 桁違いなんてものじゃない!

 

 「な―に、ジジイもたまには運動しないと体が鈍るんでな。さーて、テロリストの悪魔ども、全力でかかってくるんじゃな。この老いぼれは想像を絶するほど強いぞい」

 手加減してこれほどの威力……さすがは神……! 別領域の強さだ!

 

 悪魔たちは仰天し、先ほどよりもいっそう緊張の色を濃くしていた。もはや名が上がるとばかりに安易に攻めて来ようとする者はいなくなっている。

 

 「ありがとうございます! オーディン様! 皆、神殿に急ぐよ!」

 僕はオーディン様に一礼すると仲間たちに叫び、レイナーレの手を取って彼女と共に駆け出す。その後にミッテルトちゃんとレックスにまたがった流音くん、アンドレアスさんも続く。

 

 「すみません! ここをお願いします! 堕天使たちに後れを取ってはダメ! 神殿に急ぐわよ!」

 グレモリー先輩もオーディン様に一礼すると眷属たちに叫び、僕たちの後を追う形で駆け出す。

 

 その間にも後方ではオーディン様と悪魔たちの戦いが再開されている。オーディン様なら間違いなくあの悪魔たちを壊滅させるはずと僕たちはもはや確信していた。

 

 僕は隣のレイナーレを見る。全裸で走る彼女の張りつめた大きく美しい乳房が弾み、その頂の大きな乳首は石のようにカチカチに硬く勃起してビン! と突き出してその存在を主張していて実にいやらしい。黒い陰毛で覆われた秘部も、張りのある形の良いお尻も全てさらして走る彼女に僕はこんな時でも目を奪われ、僕の股間は熱くたぎる!

 

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 レイナーレはそんな僕に美貌に妖艶な表情を浮かべて微笑む。

 「ウフッ……♪ ミコトったらこんな時にまで私の裸に見とれてっ……♪ エッチっ……! でも、嬉しいわ♪」

 

 そんな僕たちをアンドレアスさんは走りつつもパシャパシャ撮りまくっている。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕たちは神殿の入り口に入るなり、耳にアザゼル様から頂いた通信機器を取り付けた。これまではその余裕がなかったが、ここでアザゼル様からの支持を仰ぐ事にしたのだ。

 

 先ほど、オーディン様を通じてグレモリー眷属たちにも同じ通信機が渡されていた。つまり、アザゼル様はグレモリー眷属にも今後の行動について指示をされるつもりなのだ。僕たちとしてはアザゼル様の直属の部下として、彼らよりも早く指示を受けたいという思いは正直ある。

 

 通信機をセットするとすぐにアザゼル様の声が聞こえてきた。

 「おう! えっとお前たちは……?」

 

 僕たちにも、グレモリー眷属にも通信機を渡しているので、どちらなのか分からないという事だろう。 

 

 「僕です。総督閣下」

 「ああ、尊たちか! 無事か?」

 「はっ! 【禍の団】の襲撃を受けましたが、オーディン様が助けてくださり、今、神殿の入り口にいます。グレモリー眷属たちもこちらにいます」

 そう、グレモリー眷属たちは今、ちょうど神殿の入り口に駆け込んで来たところだ。

 

 「総督閣下、ご配慮ありがとうございます」

 レイナーレが、アザゼル様が僕たちを助けるためにオーディン様を遣わしてくださった事への礼を述べる。

 

「よし! まずは無事で何よりだ。お前たちは既に知っている通り、今、このゲーム会場は【禍の団】の旧魔王派の襲撃を受けている。お前たちが今いるそのフィールドも、近くの空間領域にあるVIPルーム付近も旧魔王派の悪魔だらけだ。そして今、手筈通り、各勢力が協力して旧魔王派の連中を撃退している」

 

 「総督閣下、僕たち4人は無事ですが、アーシアさんがディオドラに連れ去られました!」

 「…………っ!」

 アザゼル様は動揺した様子を見せた。兵藤たちグレモリー眷属の仲間たちと共にいる中での彼女の誘拐は予想外だったのだろう。

 

「アーシアさんを捕えたディオドラは、兵藤くんたちに対して神殿の奥で待っていると言いました。そしてカラワーナさんについてはその手前で僕たちの【知り合い】が捕えて待っていると言っていました」

「何? お前たちの知り合いだと? そうか……奴が……」

 

 「総督閣下! では、やはりそれは【あの男】なのでございますか!?」

 レイナーレもやはり僕と同じ事を思っていたようだ。

 

「ああ……間違いねえだろう。あの時、木場に斬り倒されてコカビエルと共に捕えられた奴はその後、回復して俺は奴を追放処分にした。今になって思えばあそこで処断しておくべきだったし、せめてお前たちに処置について聞くべきだった。あの野郎が改心なんざ絶対にする訳ねえからな」

「やはり、そうなのですね……」

「あの男……どこまで性根の腐った奴なのっ……!」

 

 レイナーレが怒りに声をふるわせ、【彼】を知らない流音くんがミッテルトちゃんに聞く。

 

「【あの男】って……?」

「元、レイナーレ姉さまの部下だったけど、とんでもないゲス野郎だったっす」

 

「まあ、今のお前たちなら奴に負けるなどまずねえと思うが、カラワーナを人質に取られているから、その点は気をつけろ。カラワーナを救い出したら、その神殿には隠し地下室が設けられているから、戦闘が終わるまでそこに隠れていてくれ。どんどん旧魔王派の連中が魔方陣で転送されて来ているからな」

 

「このフィールドは【禍の団】所属の【滅具(ロンギヌス)】所有者が作った結界に覆われているから、入るのは何とか出来るが、出るのは不可能に近いんだ。神滅具【絶霧(デイメンション・ロスト)】。空間に関する神器の中でも抜きん出ているためか、術に長けたオーディンのクソジジイさえ破壊出来ねえ代物だ。お前たちがそこに隠れている間に、俺たちがテロリストどもを始末する。お前たちは前途有望な俺の期待の大切な部下たちだ。これ以上危険な目に遭わせるわけにゃいかねえからな」

「総督閣下……」

 

「俺も今、お前たちと同じフィールドにいる。かなり広大なフィールドだから、離れちゃいるが。何かあったらその通信機で伝えろ。出来るだけ早く駆けつける」

「あの、総督閣下、アンドレアスさんは……?」

 

「ああ、あいつか! あいつ自身から話は聞いてると思うが、俺がお前たちの戦いの様子をいっぱい撮ってくれと依頼して来てもらってる。大丈夫だ。あいつは幾多の戦場を駆け抜けて来た歴戦の戦場カメラマンだからな。特別な配慮とかは一切いらねえ。自分の身は守れるだけの力は持ってるプロ中のプロだ。そうだろ? アンドレアス?」

「はっ! 総督閣下、お任せを! 彼らは素晴らしい被写体です! 良い写真と動画をたくさんお届けします!」

「おう! 頼んだぜ! 楽しみにしてる!」

 

 アンドレアスさんは元気な声で応じ、アザゼル様も嬉しそうだ。その【良い写真と動画】とは……いや、考えないようにしよう。

 

「では、くれぐれも気を付けろよ。俺はこの後、グレモリー眷属の連中と話す。それが終わったら奴らとコンタクトを取れ。その上でカラワーナ救出へ向かえ。俺がリアスたちにその事を伝えておく」

「はっ!」

 

 僕たちは通信機の向こうのアザゼル様に一礼し、そのアザゼル様とグレモリー眷属との話が終わるまで待機する。

 

 「ミコト! レイナーレ! こっちへ来て!」

 グレモリー先輩が僕たちを呼び、僕たちは彼女たちのもとへと駆け寄る。

 

「たった今、アザゼルから詳しい事情は聞いたわ。彼は【ア―シアの件は俺たちに任せて地下室に隠れていろ】と私たちに言ったけど、私たちは全員、【ディオドラとは直接決着を付けなくては気が済まない!】という事で意見が一致したの」

「リアス部長の言う通りさ。私も、イッセーも、他の皆も、私たちの大切なアーシアにあんな事をしたディオドラには直接鉄槌を下さなければ気が済まない! という事で、私たちは全員、神殿の奥へと向かい、そこでディオドラを倒してアーシアを救う!」

「ああ! あのクソ野郎のニヤケ面に思い切り拳を叩き込んでブチのめしてやらねえと気がすまねえ!」

 

 グレモリー先輩も、ゼノヴィアさんも、そして兵藤も、グレモリー眷属全員がディオドラに対する怒りに燃え、彼と直接決着を付けなくては気が済まない、その気持ちが伝わってくる。

 

「さっきのディオドラの話だと、カラワーナはアーシアが囚われている神殿の奥よりも手前で囚われているという話だったわよね。そして彼女を捕えて待ち構えているのはあなたたちの知り合いだと言っていた……という事は……レイナーレ、あなたなら分かるわよね?」

「ええ、【あの男】に間違いないわ。あの男は私の元部下……だから決着は私たちが付けるわ!」

 

 グレモリー先輩の言葉にレイナーレはうなずき、力強く誓う。彼女の目には強い意志が宿っている。

 

「分かったわ。とりあえず途中までは私たちとあなたたちは同じルートを行きましょう。そしてカラワーナが囚われている場所に着いたら、あなたたちはそこでカラワーナ救出に専念しなさい。その後はアザゼルの命令に従って地下室に隠れるのも良いし、私たちと共にディオドラとの決戦の場に赴くも良い、それはあなたたちに任せるわ」

 

「分かったわ! ありがとう!」

「グレモリー先輩、ありがとうございます!」

 

 レイナーレと僕はグレモリー先輩に礼を述べる。

 

 一方、ゼノヴィアさんはレックスにまたがっている流音くんに近づくと、彼の小さな肩をポン! と軽く叩く。

 

 「ルオン、辛いだろうがもう少しの辛抱だ! ミコトたちと力を合わせて、必ずカラワーナを助け出すんだぞ! 大丈夫だ! キミたちなら出来る! さっきのレックスとのコンビ、良かったぞ!」

 「はいっ! ゼノヴィア先輩! ありがとうございます! 必ずカラワーナ先生を助け出します! ゼノヴィア先輩もアーシア先輩の救出を必ず果たしてください!」

 流音くんは感激で涙ぐみつつ、はっきりとした声で応える。

 

 「ああ、分かった!」

 ゼノヴィアさんは笑顔でうなずき、グレモリー眷属と僕たちは共に神殿の奥へと進む。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 神殿の中は広大な空間だった。大きな広間がずっと続く感じだ。広間に巨大な柱が並ぶぐらいで他に目立ったものはない。

 

 神殿を抜けると、さらに前方に大きな神殿が現れ、私たちはそこを目指す。それを何度か繰り返していくうち、とある神殿の中に入った時、私たちは気配を感じる……!

 

 グレモリー眷属たちも私たちも足を止めて、一斉に構える。前方から現れたのはフードを被ったローブ姿の小柄な10人ほどの敵。以前、私たちを襲った者たちと同じで全員女性だろう。その時……

 

 「やー、リアス・グレモリーとその眷属の皆。そして黒龍王とレイナーレとその仲間たち」

 神殿内にディオドラの声が響く。

 

 その声に一誠たちグレモリー眷属たちも、私たちも辺りを見回すが、あの男の姿は見当たらない。

 

 「ハハハ、辺りを見回しても僕は見つからないよ。僕はこのずっと先の神殿で君たちを待っているからね。それはそうとグレモリー眷属の諸君、遊ぼう。中止になったレーティングゲームの代わりだ」

 どうやら声を魔力で飛ばしているようだ。

 

「お互いの駒を出し合って、試合をしていくんだ。一度使った駒は僕のところに来るまで二度と使えないのがルール。後は好きにしていいんじゃないかな。第一試合、僕は【兵士(ポーン)】八名と【戦車(ルーク)】」二名を出す。ちなみにその【兵士】たちは皆既に【女王(クィーン)】に昇格しているよ。ハハハ、いきなり【女王】八名だけれど、それでも良いよね? 何せ、リアス・グレモリーは優れた眷属を持っているとかで有名な若手なのだから」

 

 話を聞いただけではグレモリー眷属側が圧倒的不利なように感じる。だが、リアス・グレモリーはそれを快諾する。

 「良いわ。あなたの戯言に付き合ってあげる。私の眷属がどれほどのものか、刻み込んであげるわ」

 

 もちろん、アーシアが人質に取られているから要求に応じておいた方が良いという判断もあるのだろう。しかし、それだけではないようだ。私は隣にいる尊に尋ねる。

 

「ミコト、リアス・グレモリーは自信満々なように私には見えるのだけど、あなたはどうかしら?」

「そうだね。僕もそう思うよ」

 

 「やっぱりそうね。それで、あなたはこの勝負、どうなると思う?」

 「グレモリー眷属の圧勝だと思うよ」

 いずれの問いにも迷わず即答する尊。

 

「どうしてそう思うの?」

「さっきの悪魔の大軍との戦いでもあの中には上級悪魔がたくさんいたけれど、グレモリー眷属も、僕たちも彼らと十分に戦えていた。それに僕も、レイナーレ、君も、絶対的に不利だと思われていた相手が予想を覆して勝ったのを何度も見て来たよね。実戦で等級とかは決して絶対なものではない。そして、その等級だのに胡坐を掻いて相手を見下している者は必ず負ける」

 

 「ええ、そうね……そうよね……!」

 尊の言葉に私はこれまでの事を思い起こす。そう、私はあの教会での戦いで【人間から転生したばかりの下賤な下級悪魔】と見下していた一誠に無様に敗れた。その後、当時はまだ神器を持つ人間だった尊は、私への一途な愛の為に命がけで圧倒的な力を持つ悪魔の一誠に立ち向かって、彼と引き分けて私を守ってくれた。

 

 その後も尊は何度もグレモリー眷属たちに立ち向かって、私を守り抜いてくれた。そうなのだ。等級だのに胡坐を掻いて相手を見下している者は、そんなものに気押される事なく、大切な者の為に必死で努力する者に必ず負けるのだ。それを私は仇敵だった一誠と、誰よりも愛しい尊、その二人から学んだのだ!

 

 私たちは再びグレモリー眷属たちの方へ目を向ける。

 

 「こちらはイッセー、小猫、ゼノヴィア、ギャスパーを出すわ」

 リアス・グレモリーはそう宣言し、4人を呼び寄せて何やら指示を与えている。そう、リアス・グレモリーは自分の眷属4人がランク的には格上のディオドラの眷属8名に必ず勝てると確信しているのだ。

 

 かつての私がもし今のディオドラの立場だったとしたら、あの男と同様に【こんな下賤な下っ端どもに我々が負けるはずがない】と高を括ったであろうし、第三者の立場で見ていたとしても、ディオドラ側が勝つと疑いもしなかっただろう。でも、今は尊の、そしてリアス・グレモリーの見立てが正しいと確信出来る。そう、私は成長したのだ! 私を一途に愛してくれる愛しい尊の、常に私を支えてくれるカラワーナとミッテルトに流音くんという素晴らしい仲間たちの、私たちを導いてくださる偉大なる主アザゼル様のお陰で!

 

 「部長、彼らは……」

 ゼノヴィアが私たちの方を見つめつ、リアス・グレモリーに話しかけている。リアス・グレモリーはうなずくと、私たちの方を振り向く。

 

「聞いての通りよ。私たちはディオドラの眷属たちと彼が提案したルールで戦う事になったわ。でも、これはあなたたちには関係のない事。早くカラワーナのもとへ行ってあげなさい」

 

 そう私たちに告げると、彼女は今度はディオドラに向かって叫んだ。

 「ディオドラ、この堕天使たちはあなたが考えたこのイベントとは無関係だし、私たちも彼らの協力を必要としないわ。だから、彼らをカラワーナの所まで行かせてあげて頂戴」

 「なるほどね。確かに。それに【あの男】に彼らを食わせて、その様をあのショタコン堕天使に見せるというのも面白そうだね♪ 分かった。許可するよ」

 

 ディオドラはあっさりと承知した。それにしてもこの男は私たちが【あの男】に負けるのが確実だと考えているのか。それほどまでに私たちを見くびっているのか……だが、それは私たちにとっては好都合だ!

 

 でも……【私たちを食わせる】というのは……?

 私はそこが少しひっかかったが、急いでいる事もあり、深く考えない事にした。

 

「さあ、早く行きなさい」

「ありがとうございます! グレモリー先輩!」

「ありがとう!」

 

 私たちはリアス・グレモリーに深々と頭を下げ、顔を上げるとゼノヴィアと目が合う。

 「じゃあ、頑張れよ!」

 

 「うん! ゼノヴィアさんたちも頑張ってね!」

 「ゼノヴィア、ありがとう!」

 ゼノヴィアの激励に私たちはうなずくと、その場から駆け出す。

 

 そして私たちは次の神殿へと駆け込んだ。そこには三人のローブに身を包んだディオドラの部下がいたが、彼女たちはディオドラから命令を受けているのだろう。何もせずに通してくれて、私たちはその次の神殿へと向かう。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 僕たちは新たな神殿を目前に駆ける。あのグレモリー眷属がディオドラから真剣勝負の試合を提案された神殿にいたディオドラの眷属は十名、次の神殿に待機していたのは三名、という事はこの神殿にはおそらく二名がいて、それが最後のはずだ。

 

 まだ、カラワーナさんと彼女を捕えている【あの男】の姿は見ていない。僕たちはその居場所について【ディオドラが待つ一番奥の神殿の手前】としか聞いていない。という事は、カラワーナさんと奴がいるのはこの神殿を出た、ディオドラのいる最深部の神殿の手前か……僕はそんな事を考えつつ、レイナーレと手を取り合って新たな神殿に駆け込む……すると……

 

 「や~~おひさ~~ほえ? レイナーレ姉さん、また素っ裸でやんすねぇ~~相変わらずスケベな体を晒しまくっておいでやんすかぁ~~」

 予想よりも早くあの男……そう、フリード・セルゼンが姿を現した。

 

 「フリード……!」

 僕たちは身構える。彼の後ろには黒い布をかぶせられた大きなものが見える。

 

 「おんや~~大して驚いてないみたいやんすね~~ああ、ディオドラの坊ちゃんから話聞いてたんかね~~? まあ、かってのお仲間同士、今日はたっぷり歓迎させていただきやす~~そしてそちらの兄ちゃん、カメラ持ってるってのは戦場カメラマンですかい? こいつは面白れえ~~ぜひ、この俺様の姿をバッチリ撮ってもらいたいねぇ~~」

 彼はいつもの小馬鹿にしたおどけた調子で言った。こういうところはやけに鋭い。

 

「カラワーナ先生はどこっ!?」

「ワンッ!!」

「ほう~~キミがショタコンのカラワーナ姉さんがお気に入りのショタっ子でやんすねぇ~~見るからにひ弱そうじゃありませんかぁ~~そこのクソ犬は以前、コカビエルの旦那のトコにいた奴かねぇ~~あっさり飼い慣らされたみたいだねぇ~~」

 

 フリードは尋ねる流音くんとレックスと嘲笑しつつ、後ろにある【あるもの】からバサッ!と黒布を剥ぎ取る。

 「ほ~~ら、ここにいるぜぇ~~」

 

 「…………! カラワーナ先生っ!!」

 「カラワーナっ!!」

 流音くんが、レイナーレとミッテルトちゃんが叫ぶ。そこには、全裸にされたカラワーナさんが、X字型に組み合わされた十字架のようなものに張り付けられている。その顔は頬が腫れて、口元から血が滲み、体にも傷跡が幾つもある。間違いない、ひどい虐待を受けたのだ……!

 

 「こいつはひでえ……」

 さしものアンドレアスさんも厳しい表情で、カメラを回すのを控えている。

 

 衰弱してうなだれていたカラワーナさんは顔を上げて驚いた様子で僕たちを見つめる。

 「ル、ルオンっ……!? ミコト殿……! レイナーレ様……! ミッテルト……!」

 

 「僕のカラワーナ先生に何をしたっ!?」

 流音くんが怒りの叫びをあげる。フリードはニタニタと凶悪な笑みを浮かべる。

 

「ああ~~このアマぁ~~この俺様がてめえらに敵うワケねえとか、クソ生意気な事ぬかしやがるんでなぁ~~ちょっとお仕置きしてやったぜぇ~~分かったかい? ボクぅ~~」

「…………つ!!」

 

 流音くんの華奢な体が激しくふるえる。いつも温厚で優しく礼儀正しい流音くんがここまで怒るのを僕は初めて見る。僕も激しい怒りに胸を焦がしつつも彼に聞く。

 

 「ここにはディオドラの部下が二人いると思ったが……? 彼女たちはどこに?」

 「へへへッ! あの【騎士】の二人でやんすかぁ~~?」

 フリードは口をモゴモゴさせ、ペッ! と何かを吐き出した。それは……

 

 「ゆ、指っ!!?」

 流音くんが驚愕の叫びをあげる。そう、それはまさに人の指だった……!

 

 「俺様が食ったぜ」

 フリードは狂気に満ちた表情を浮かべる。

 

 何だって!?

 僕はさすがに驚愕したが、そこでミッテルトちゃんが嫌悪に満ちた表情を浮かべる。

 「そいつ、もう人間辞めてるっす」

 

 するとフリードはニンマリと口の端を吊り上げ、人間とは思えない表情で哄笑をあげた。

 「ヒャハハハハハハハハハハーーーーーーーッ!! 俺様はよおっ!! あの腐れ【騎士】にぶった切られた後よぉっ!! ヴァーリのクソ野郎に回収されてよおっ!! 腐れアザゼルにリストラ喰らってよおっ!!」

 

 凄まじい声で喚き散らすフリード。その彼の体の各所がボゴッ! グニュリッ! と異様な音を立てながら不気味に盛り上がり、彼が着ていた神父の服を突き破り、角だか何だかよく分からないものが体から生えていく。全身が隆起していき、腕も脚も何倍にも膨れ上がる……!

 

「行き場をなくした俺は【禍の団】に拾われた……奴ら、俺に力くれるっていうから何かと思えばよぉ! 合成獣(キメラ)だってよぉ! ギャハハハーーーーーッ!!」

 

 彼の背中の片側だけコウモリのような翼が生え、もう片側には巨大な腕が生えてきた。顔も原型をとどめないほどに変質し、突き出した口には大きな牙が生える。そう、それはもはや醜悪きわまる化け物だった! 流音くんはもちろん、レイナーレもミッテルトちゃんも皆青ざめる。

 

 「【禍の団】の奴ら……何て事を……」

 アンドレアスさんは嫌悪感に顔をしかめつつもシャッターをパシャパシャと回している。

 

 そうか……! さっきディオドラが【あの男に僕たちを食わせるのをカラワーナさんに見せるのも面白い】と言っていたのはこの事だったのか……!

 

「ヒャハハッ!! 不公平じゃねえかよお!? この俺様は腐れアザゼルに放り出されて、こんな姿にモデルチェンジしちまったってのによおっ!! てめえらはその腐れアザゼルにえこひいきされて楽しくやってやがってよおっ!! てめえらだって散々悪事働いたってのによおっ!! てめえら全員喰らってやらねえと気ぃ済まねえんだよおっ!!」

 

 フリードは醜悪な姿で憎悪にまみれた呪詛を僕たちに吐く。だが、その彼に僕は言い返す。

 

「違う! レイナーレも、カラワーナさんも、ミッテルトちゃんも、皆、かつての過ちを悔いて、アザゼル様に誠心誠意仕える事を誓って頑張って来た。だからアザゼル様も彼女たちを受け入れ、認めてくださったんだ! だがフリード、君はあの時、レイナーレを見捨てて逃げたばかりか、コカビエルの反逆に与して当然アザゼル様に処断されてしかるべきところを追放に留められたにも関わらず、逆恨みして【禍の団】の誘いに乗ったのがこの結果だ。改心するチャンスは何度もあったにも関わらず……! そして今もアザゼル様や僕たちを逆恨みしてカラワーナさんにひどい仕打ちを! おまけに仲間の女性たちまで!」

「ああ? ナヨナヨ野郎! てめえ、偉そうに俺様に説教かよぉ~~虫唾が走るぜぇ~~別にこんな奴ら仲間なんて思っちゃいねぇよぉ~~お互い利用するだけの関係よぉ~~弱っち過ぎるから喰って俺様のパワーの源にした方が役に立つからそうしたまでよぉ~~」

 

 罪悪感などかけらもなく身勝手な罵詈雑言を叫ぶフリード。そんな彼の姿に思わず怒りを覚える僕。だが、その時、レイナーレが一歩進み出る。

 

 「フリード、あなた、私たちを全員喰い殺すと言ったわね。そんな事が出来ると思っているのかしら?」

 「ああっ?」

 醜悪な顔を向けて凄むフリードに対して、レイナーレは美貌に不敵な笑みを浮かべる。

 

「私たち、以前、あなたと一緒にいた頃はもちろん、最後に会った時から比べてもずっと強くなっているのよ。あなたごとき最低のゲスがこの至高の堕天使と、その素晴らしい夫に敵うと思っているなんて、本当におめでたいわね」

「てめえ……顔と体しか取り柄のねえ露出狂のクソ堕天使が……」

 

 フリードに辛辣な言葉を投げかけるレイナーレ。彼女としても大切な部下であるカラワーナさんを傷つけられて大いに怒っている故だろう。その彼女に汚い暴言で応酬するフリード。

 

 「カラワーナ先生にした事……許せない!」

 「ウオオオンッ!」

 流音くんとレックスも身構える。

 

 「よし! 君たちが奴を倒す様子、しっかり俺が撮らせてもらう!」

 アンドレアスさんが叫び、カメラを構える。

 

「調子くれてんじゃねえぞおおおおおっ! てめえらっ! おい、ナヨナヨ野郎! てめえにゃ確かに二度負けたけどよぉ~~でもよぉ~~俺もこんな姿になっちまったけどよぉ~~その分、強くもなったんだぜぇ~~てめえが偉そうに説教しやがったように、ディオドラの【騎士】二人をペロリと平らげてよお~~そいつらの特性も得たんだぜぇ! てめえをぶっ殺して、その高慢ちきなエロ堕天使のエロい体を食い漁ってやるぜぇっ! そしてヘボカメラマン! てめえは俺がそいつらを食い荒らす様子でも撮ってテレビで放映しやがれっ! ギャハハハハッ!」

 

 そう叫んだフリードは全身から生物的なフォルムの刃を幾重にも生やしてそれをこちらに向けて発射しようとした。だが、その瞬間、流音くんが僕たちの前に進み出る。

 

 「ル、ルオーーーーーンつ!!」

 拘束されているカラワーナさんが叫ぶ。しかし、フリードが全身の刃を発射する直前に流音くんの神器【聖光の障壁】が発動し、閃光が僕たちを包み込む……!

 

 「ギャアアアアアーーーーーーッ!!!」

 フリードの絶叫が響き渡り、彼が放った刃は全て彼の体に跳ね返り、彼の体中に突き刺さり、血が噴き出している。

 

 「な、何だあッ!! このガキ……ぐああああっ!!」

 驚愕するフリード。だが、そこで彼は目を後ろのカラワーナさんに向ける。

 

 「なるほど……てめえらが強くなったってえのは確かみてえだな……だが、俺もタダじゃやられねえぜっ! そこのショタコン堕天使を喰い殺してやらあっ!!」

 そう憎悪に満ちた叫びを上げてカラワーナさんに襲い掛かかるフリード!

 

 「カラワーナ先生――――っ!!」

 流音くんが絶叫して思わず駆け寄ろうとする。だが、その瞬間!

 

 ズゴオッツ!!

 風を切り裂く音が響き、ブーメランのように光槍が飛んできて、フリードの前頭部をズバッ! と切り裂いた。間一髪、レイナーレがフリードのカラワーナさんへの攻撃を阻止すべく投げつけたのだ。

 

 「グヒャアアアアッ!!!」

 フリードの絶叫と共に辺りに血しぶきと脳のようなものが飛び散る。あまりに凄惨な光……!

 

 流音くんもさすがに青ざめている。だが、そこでミッテルトちゃんが、流音くんの腕をつついて、カラワーナさんの救出を促す。それにハッ! とした様子の流音くんはミッテルトちゃんと共にカラワーナさんの拘束を外して、彼女を安全な場所に避難させる。

 

「グッ……、グエッ……ケッ……俺もついにここまでかよ……だが、てめえらも、あのクソ悪魔どもも、ディオドラも裏にいる奴らも倒せねえぜ……何よりも【神滅具】所持者の本当の恐ろしさをまだ知らねえんだからよ……ヒャハハハッ!」

 

 頭の上半分を失った状態で、なお醜悪な顔で笑うフリード。だが、次の瞬間

 「グエエエエエエッ……! へっ、あばよ……」

 

 最後の言葉と共に、フリードの醜悪な顔が、胴体が塵のように崩れて跡形もなく消滅した。後には彼が着ていた神父服のわずかな破片が舞っているだけだ。

 

 僕は思う。この男があのような性格になったのはどんな事情があったのだろうと。僕たちの為にも、仲間たちの為にも、そして彼を逃せば多くの人々がさらに犠牲になる事を考えても、レイナーレがこの男を倒した事は全く間違っていない。だが、僕の心にはむなしさが残る。

 

 「……………………」

 レイナーレが悲しそうな表情を浮かべる。どんなに問題のあった男でも、裏切者でも、彼女にとっては部下であったのだ。複雑な思いがあるのだろう。僕はそんな彼女の肩をそっと抱く。

 

 「ありがとう……ミコト」

 レイナーレが微笑み、僕と彼女は一緒にカラワーナさんたちの所へ向かう。

 

 「先生っ! しっかりしてくださいっ!」

 「カラワーナっ! しっかりするっす!」

 流音くんとミッテルトちゃんがカラワーナさんを介抱している。

 

 「ああっ……ルオンっ……ああっ……」

 カラワーナさんはあえいでいる。無理な姿勢で長時間拘束された事、フリードにより虐待された事により心身共に著しく消耗して疲れ果てているはず。

 

 「先生っ! 僕はここにいますっ!」

 流音くんは涙を流してカラワーナさんに呼びかけている。

 

 「ルオンくん、ミッテルト、私に任せて」

 レイナーレは二人に告げると、仰向けに横たわっているカラワーナさんの前に膝を下ろして、彼女の体を抱き上げる。

 

 「カラワーナ、私よ」

 「あっ……レイナーレ様っ……」

 レイナーレの呼びかけにカラワーナさんは小さな声で応じる。

 

 「カラワーナ……ごめんなさい……私がもっと気を付けて警戒していればあなたをこんな目には遭わせなかったのに……」

 レイナーレの潤んだ目から一筋の涙がこぼれ落ちる。

 

 「レイナーレ様……そんな事は……」

 「さあ……あなたを癒してあげるわ……私のこの乳首を吸って」

 レイナーレはいつの間にまた絞り出したのか【堕天の乳汁】が滴っている自分の大きく卑猥な勃起乳首を示す。それを見てカラワーナさんは少しためらいを見せるが、意を決したようにそれに吸い付く。

 

 「あんっ! ウフッ……」

 レイナーレは少しビクッ! と裸体をふるわせたものの、僕に乳首を触られたり吸われたりする時のような過敏な反応はせず、自分の乳首を吸うカラワーナさんを慈愛に満ちた表情で見つめる。

 

 僕も、そしておそらく流音くんも若干、複雑な気持ちはするが、今はもちろんそんな事を言っている場合ではない。【堕天の乳汁】を飲んだカラワーナさんの裸体からフリードによってつけられた無数の傷が消え去り、彼女は生き生きとした表情を取り戻す!

 

 「レイナーレ様……ありがとうございます!」

 カラワーナさんはレイナーレに礼を言って立ち上がり、流音くんを見つめる。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 レイナーレ先輩の乳首から【堕天の乳汁】を飲むカラワーナ先生。その姿に僕は若干、複雑な思いを抱いたが、それは國原先輩も同じだし、第一、今はそんな事を言っている場合ではない。

 

 【堕天の乳汁】を飲んだカラワーナ先生の裸体からフリードに付けられた無数の傷が消え去って、彼女の美しい裸体が元通りになる。先生はレイナーレ先輩に礼を言って立ち上がると、僕の方を見つめる。彼女の切れ長の目から涙がこぼれ落ち、僕も熱い想いで胸がいっぱいとなり、自分の目から涙があふれ落ちるのを感じる。

 

「ルオン……!」

「カラワーナ先生……!」

 

 共に目から涙を流して見つめ合う僕とカラワーナ先生。カラワーナ先生が両腕を広げて僕に来るように求める。僕の目に涙に濡れて頬を赤く染めた先生の美貌が……彼女の張りつめた大きくて美しい乳房が……その頂の硬く勃起して突き出している彼女の大きく卑猥な乳首が……引き締まったへそにくびれた腰が……秘部が……滑らかな肌が……映り、僕は彼女のその素晴らしい裸体を余すところなく見つめ、彼女が無事な姿で僕のもとに戻って来てくれた事を心から実感する!

 

 「カラワーナ先生っ!!」

 「ルオンっ!!」

 僕は愛しい彼女の名を叫びつつ、彼女の胸に飛び込む。彼女はその僕の体をしっかりと抱きしめてくれる。カラワーナ先生の張りつめた大きな胸の感触、彼女の硬い大きな乳首が僕の頬をくすぐるのを感じて僕は強い幸福感を感じる!

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 流音とレイナーレ様によってフリードから解放され、さらにレイナーレ様の神器【堕天の乳汁】の力で苦痛と疲労からも解放された私。その私を流音は涙を流して無事を喜んでくれる。

 

 流音の涙に濡れた美少女のように可愛い顔……胸に飛び込んで来た彼の私が力を入れれば折れてしまいそうな華奢な体……彼の声……それに私は自分がディオドラとフリードの手から救われた事を実感する!

 

 「カラワーナ先生っ……! 良かったっ……! 良かったですっ……! 先生が無事でっ……! 先生に何かあったら……僕っ……! 僕っ……!」

 私の胸に顔を埋めて涙を流す流音。彼の目は赤く腫れている。私がディオドラの部下どもに連れ去られてから、私のためにどれだけ泣いたのだろう……そう思うと私の心に彼を愛しく思う心があふれる。

 

【挿絵表示】

 

「ルオン……済まなかった。心配かけて。私がもっと普段から周囲に気を付けていれば……そしてあの時、お前の【一緒に帰ろう】という言葉を聞いていればこんな事にはならなかったのに……本当に済まない」

「いえ、僕が悪かったんです。僕が普段から先生の立場をもっと考えて、慎重に行動していれば……僕が女の子たちの嫉妬を買わなければこんな事にはなりませんでした。カラワーナ先生……ごめんなさい。これからはもっと気をつけます!」

 

「ルオン……そうだな。これからはお互い極力気をつけよう。お前の卒業までは……大丈夫だ。お前とならきっと乗り越えられる!」

「カラワーナ先生……はい! そうですよね……! カラワーナ先生となら絶対に乗り越えられます!」

 

 「ルオン!!」

 「カラワーナ先生!!」

 私たちは互いの名を呼んで見つめ合い、唇を重ねた。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 涙を流しながら抱き合い、無事を喜び合うカラワーナさんと流音くん、その二人を僕もレイナーレも、そしてミッテルトちゃんも見守っている。普段なら裸のカラワーナさんと流音くんが抱き合っていたら、すかさず突っ込むであろうミッテルトちゃんも、今回はこういう事情なだけに温かい目で見つめている。そんな僕たちに声がかかる。

 

「やあ、無事に助け出せたようだね!」

「ゼノヴィアさん!」

「ゼノヴィア!」

 

 僕たちはいつの間にかやって来ていたゼノヴィアさんを見つめる。彼女の後ろには兵藤やグレモリー先輩たちグレモリー眷属の面々が控えている。

 

「ルオン! 見事に彼女を助け出したね! おめでとう! カラワーナ、素敵な彼と仲間たちがいて良かったな!」

「ゼノヴィア先輩……! ありがとうございます!」

「ああ、ありがとう……」

 

 ゼノヴィアさんの祝福に流音くんは涙を流して礼を述べ、カラワーナさんも敵に捕らわれてしまった事を恥じている故か、恥ずかしそうにしつつも礼を述べる。

 

「ゼノヴィア、ここに来たという事は、あなたたちもディオドラの部下たちとの戦いに、もう勝ったという事ね!?」

「ああ、圧勝さ!」

 

 レイナーレの問いにゼノヴィアさんはウィンクして見せる。やはり僕の思った通りだった。今のグレモリー眷属の実力からして、ディオドラの眷属程度に負けるのはもちろん、苦戦すらするはずはない。

 

 「ところで、確かここにはディオドラの【騎士】2名がいるはずなんだが……? キミたちは知らないか?」

 「実は……」

 僕はディオドラの【騎士】たちの身に起こった悲劇とフリードとの戦いの顛末を伝える。

 

 「そうか……フリードが【禍の団】の手で怪物にされてディオドラの【騎士】を……そしてキミたちがそのフリードを……」

 ゼノヴィアさんは複雑な表情を浮かべた。彼女はフリードと面識があり、また彼女とフリードはかつては共に教会に仕えた身であった事から、複雑な思いがあるのだろう。

 

 「部長たちに事情を伝えてくる」

 ゼノヴィアさんは仲間たちのもとへと駆け戻って、彼らに僕から聞いた話を伝えた。皆、一様に驚いた表情を浮かべて僕たちの方を見て、グレモリー先輩と兵藤が僕たちに近付いてくる。

 

「あなたたちも見事にカラワーナを助け出したようね」

「はい。グレモリー先輩、先ほどはありがとうございました」

 

「フリードが化け物になっていてディオドラの眷属を喰い殺し、そんなあいつをお前たちが倒したと聞いたが、本当か?」

「うん。そうだよ」

「そうか……」

 

 僕の答えに兵藤は複雑そうな表情を浮かべた。兵藤にとってもフリードはずっと敵であったが、彼の最期を聞いて思うところがあるのか。

 

「とにかく、これでディオドラの眷属との戦いは終わったわ。私たちとしては、後はディオドラのもとへ向かって彼と決着をつけてアーシアを救い出すだけだけど、さっきも言ったけれど、あなたたちはこれからどうするの? 私たちと同じくディオドラのもとへ向かうの? それともアザゼルの命令に従って地下室に行くのかしら? あなたたちの本来の目的は既に果たした訳だから、あえて命を賭ける無理をする必要もないわけだけど……」

「皆で話し合って決めます」

 

 「そう、分かったわ。では、私たちは先に行くわね」

 グレモリー先輩と兵藤が仲間たちの元に戻るのを僕は一礼して見送り、グレモリー眷属の面々はディオドラが待つ最深部の神殿めがけて駆けて行った。

 

「さて、これから僕たちはグレモリー眷属の後についてディオドラのもとへ向かうか、それとも最初のアザゼル様からのご指示通り、地下室に行ってそこで戦闘が終わるまで待つか、どちらかを選ばなくてはならない。皆の意見を遠慮なく言ってね」

 

 まず、レイナーレが僕をじっと見つめ、口を開く。

 「私はディオドラのもとへと行きたいわ。あの男は私の運命を狂わせた男……それに私の大切なカラワーナにひどい仕打ちもした……だから、私は私はあの男と決着をつけたいの。一誠たちグレモリー眷属もディオドラと戦う気満々だから、直接、私があの男と戦えるかは分からないけれど、それでもチャンスがあれば一太刀浴びせたい思いはあるし、どんな形であれ決着を見届けたいと思うの。ミコト、あなたと一緒に」

 

「私もあの男のもとへ行きたいと思います。あの男はレイナーレ様に理不尽な悪意を持って危害を加えようとし、私も奴から恥辱を受けました。ですから、私もあの男がどうなるか、その決着を見届けたく思います」

 

「カラワーナ先生がそう思うのなら、僕も同意します」

 

「ウチも姉さまとカラワーナの意見に同意するっす。あの細目悪魔がメタメタにやられるのを見届けないと納得出来ないっす」

 

 カラワーナさんも流音くんも、ミッテルトちゃんも気持ちは同じだ。皆、ディオドラに対して怒り心頭なのだ。

 

「皆の気持ちは分かったよ。では、行こう! 行ってディオドラとの因縁に決着をつけよう!」

「ええ!」

「はい!」

 

 僕の言葉に皆が一斉にうなずいた。するとそこでディヴェリクスの声が響いた。

 

「尊、レイナーレ、俺も今のお前たちの力があればディオドラの眷属はもちろん、ディオドラ自身にも十分勝てるとは思うぜ。とはいえ、奴は次期魔王候補で名門の上級悪魔、その上、【禍の団】も奴に加勢している。どんな隠し玉があるとも分からねえ」

「ディヴェリクス……うん、確かにそうだね」

「油断は禁物ね」

 

「それでだ。お前たちは奴との決戦に出向く前に、さらに強力な攻撃が出来るように準備しておく必要がある」

「なるほど……そうだね!」

 

 ディヴェリクスの言葉に納得する僕。一方、レイナーレは美貌を真っ赤に染める。

 「さらに強力な攻撃が出来るようにするって……それは……」

 「そう! 分かってるじゃねえか! ハハハッ!」

 「やっぱり……」

 

 レイナーレは仕方ないという表情を浮かべる。そして僕はカラワーナさんたちに伝える。

 「ごめんね。ディオドラの所に行く前に、僕とレイナーレの攻撃力を強化しておく必要があって……その訓練の間、申し訳ないけどしばらく外で待っていて欲しいんだけど……」

 

「ミコトくんと姉さまの攻撃力アップの訓練って事は……イヒヒッ♪ またスケベな訓練をするって事なんすね♪」

「まあ、ミコト殿とレイナーレ様が十分にその力を発揮される為には必要ですからね……じゃあ、ルオン、ミッテルト、レックス、私たちは外に出るぞ」

「は、はい……では、國原先輩、レイナーレ先輩、外でお待ちしてます。行こう、レックス」

「キャオンッ!」

 

 4人が神殿の外に出て行き、残った僕とレイナーレはディヴェリクスの指示を仰ぐ。

 

「それで、僕たちはどうすれば良いの?」

「いつもと同じように尊、お前は熱い想いを込めてレイナーレの乳首を思い切りしごきまくれ。そしてレイナーレ、あんたは尊を助けたい、支えたいという想いを思い切り募らせろ」

「うん、分かったよ!」

「ええ、分かったわ!」

 

 僕とレイナーレはうなずくと、お互いを見つめ合う。僕は全裸のレイナーレの後ろに回ると、大好きな彼女の張り詰めた大きな乳房に背中越しに手をかける。両手に感じる彼女の乳房の弾力感、硬くコリコリな彼女の大きく卑猥な勃起乳首の感触……

「あっ……」

 

 僕はビンビンに勃起して突き出しているレイナーレの両乳首をギュリッ! とひねる。

 「あっ!! あはああんっ!!」

 

【挿絵表示】

 

 レイナーレが絶叫してビクン! と裸体をふるわせる。僕は彼女のそのいやらしい大きな乳首をさらに彼女への熱い想いを込めてグリグリッ! グリリイッ! と激しくしごきまくる。

 「ふっ!! ふぎいいいいいいいーーーーーーーっ!!!」

 

「ああっ!! レイナーレっ!! 好きっ!! 大好きっ!! 君を傷つけようとする者、君を悪意を持って陥れようとする者を僕は決して許さないっ!! だから僕に君を守る力を与えてっ!! 僕の、僕の愛しいレイナーレっ!!」

「ふひいいいいいいいっ!!! ミ、ミコトおおっ!! う、嬉しいわああっ!! そ、それほどまでに私を愛してくれてえっ!! は、はひいいいいいいっ!!! す、好きでいてくれてえっ!! わ、私も大好きなあなたを守る力が欲しいのおおっ!! はひゃああんっ!! 愛してるっ!! 愛してるわあっ!! 私のミコトおおおっ!!」

 

 僕が加え続ける乳首への激しい刺激に、レイナーレは絶叫し、裸体をのけぞらせてもだえ狂う。僕はひねり回しているカチカチに硬い彼女の乳首が熱い熱を帯びてきているのを感じる。そして乳首がぶるっ! ぶるっ! と振動するのを指に感じる。

 

 こ、これは……!!

 

 僕は指を離して彼女の張り詰めた大きな乳房からビンビンに勃起して突き出している大きくてあまりにも卑猥な乳首を見つめる。その乳首はやはり生き物であるかのようにぶるっ! ぶるっ! とうごめいている。それはあまりに卑猥過ぎる光景で、僕は自分の股間が猛り立つのを感じる。

 

 「あっ……! あっ……! ああっ……!」

 レイナーレが激しい刺激のせいか、目に涙を溜めて、裸体から汗を滴らせて自分のうごめく乳首を見つめる。口を半開きにしている彼女の口元からは普段はない、尖った牙が覗いている。彼女は感情が高ぶると歯が牙状になるようだ。それもまた僕からするととてもセクシーに感じる。

 

【挿絵表示】

 

 「あっ!! あっ!! あああっ!!」

 レイナーレの喘ぎ声が大きくなり、彼女の乳首がビクビクとそのうごめきが激しさを増し、普段から大きくて卑猥なその乳首はさらに大きく肥大化する。そのあまりにも淫靡な風景に僕の股間はもう張り裂けそうになり、射精寸前になるのを必死にこらえる。

 

 「ひっ!! ひいいっ!! ち、乳首が熱いっ!! 熱いわあああっ!!!」

 これ以上ないほどに肥大化したレイナーレの乳首は黄金色に輝く光を発して照り輝き、膨張した彼女の乳首の穴が大きく開く。その凄まじい刺激にレイナーレは涙を流して裸体を激しくふるわせて絶叫する。

 

【挿絵表示】

 

 僕はそんな彼女に叫ぶ。

「レイナーレっ!! 頑張ってっ!! もうすぐ、君と僕の愛の結晶が!!」

 

 そして……!

 

 「あっ!! ああっ!! ミ、ミコトっ!! で、出るわっ!! あなたと私の愛の結晶がっ!! あっ!! あひゃあああああーーーーーーーんっ!!!」

 レイナーレの凄まじい絶叫と共に彼女の肥大化した乳首の大きく開いた穴から

 ドビュビュビュ――――――ッ!! 

 と大量の輝く乳汁が凄まじい勢いで噴出する。そしてその大量の乳汁は空中で固まり、2本の槍状のものとなって宙に浮かんだ状態でまばゆく輝く……!

 

【挿絵表示】

 

「おおっ!! 見事出来たな!! お前たちの新兵器【ニプルスピア(乳首の槍)】が!!」

「ニプルスピア……!」

「ああ、【堕天の乳汁】がお前とレイナーレ、二人の想いを要素として固まって武器となったもんだ。その硬度はダイヤモンドを超える硬さであらゆるものを貫く。さらに……」

 

「レイナーレ、槍に対して自分のそばに来るように心で訴えろ」

「はあっ……はあはあっ……えっ? ええ……」

 

 まだ激しく裸体を汗でびっしょり濡らしてあえいでいたレイナーレだが、ディヴェリクスの声に反応すると宙に浮かんでいる2本の輝く槍に念じる。すると槍は彼女のすぐ傍までゆっくりと宙を泳ぐように近づいてきて、彼女の傍で止まった。

 

 「それを両手に取れ」

 「ええ……」

 レイナーレは宙に浮かぶ2本の【ニプルスピア】を手に取る。

 

 「えっ!? こ、これは……! 全身に力がみなぎる気がするわ!」

 槍を両手に持ったレイナーレは驚きと歓喜に満ちた表情を浮かべる。

 

【挿絵表示】

 

「あんたと、あんたが愛する尊の愛の結晶だからな。じゃあ、今度はその槍の片方に「ミコトの所へ行け」と念じてくれ」

「ええ! じゃあ、ミコト、受け取って!」

 

 レイナーレはうなずくと、持っていた槍の一方を僕の方へ向けつつ、そっと手放す。するとその槍はまたゆっくりと僕の方へと宙を泳いで向かってきて、僕の手前で止まった。

 

 「これがレイナーレと僕の愛の結晶……【ニプルスピア】……」

 僕は輝く槍を見つめつつ手に取る。

 

【挿絵表示】

 

 すると先ほどレイナーレが言った通り、手に持った瞬間に全身に力がみなぎるのを感じる……!

 す、凄い……!

 

 「驚くのは早いぜ。この槍にはいろいろな機能があるんだ。今からそれについて説明してやる」

 「うん! お願い!」

 僕とレイナーレはディヴェリクスから【ニプルスピア】の様々な機能について聞いた……

 

 「ディヴェリクス、ありがとう! じゃあ、そろそろ行こうか」

 「ええ!」

 僕はレイナーレとしっかりと手を取り合って、皆が待つ神殿の出口へと向かった。そこでカラワーナさんたちと合流した僕たちは、いよいよディオドラの待つ神殿に向かう。

 

(次回へ続く)

 




 今回の第41話。7月中、忙しい日が続いていたため、前回の更新からだいぶ日が経ってしまいました。

 正式にグレモリー眷属の一員となった鬼崎。その戦闘能力の凄まじさをここで見せました。今後、彼はさらに強大な力を見せつけていく事になります。以前、書いたものから、少し戦闘場面の描写を増やしました。

 あまりの敵の数の多さに窮地に陥った尊たちとグレモリー眷属に対して、最強の助っ人オーディンの登場! 色好みの彼にとってレイナーレの抜群のスタイルにあまりにもエッチな戦いぶりは応えられない…! すっかりお気に入りになったようです…(;^^)

 フリードとの再会と彼との決着戦。原作ではフリードに引導を渡したのは木場でしたが、この作品では彼以上にフリードとは因縁が深いレイナーレにしました。レイナーレにとってフリードは自分を裏切った元部下であり、しかも大切なカラワーナに酷い暴行を加えた男ですので、彼女が始末をつけるべき相手という事で。

 流音とレイナーレの怒涛の連撃でフリードを葬った尊たち。そして解放されたカラワーナと流音との感激の再会……今後、二人はこれまで以上に周囲に気を付けて行かなければなりませんが、この二人なら何とか乗り切っていくでしょう!

 尊とレイナーレの新兵器【ニプルスピア(乳首の槍)】。いかにもこのエロエロバカップル(ミッテルト談)らしいネーミング(笑) 果たしてどんな機能を持つのか? 次回明らかに!

 次回はいよいよディオドラとの対面。その後はどんな展開が…? どうぞ次回をお楽しみに!^^
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