そうした状況を脱するための打開策を、尊たちは思案するが……
そして翌日。
僕は悩んでいた。僕たちはあの夜、グレモリー眷属の追撃を何とか振り切ったものの、彼らの激しい憎悪を浴びて、命を狙われ、追われている。彼らの手を振り切り、生き延びる道を模索しなければならない。その為に如何にすべきか? しかし、良い案は浮かばず、僕の気持ちは焦る。
まずは出来るだけ遠くへ逃げれば……いや、たとえそうしても果たしていつ見つかるか分からない。くそっ! どうすればいいっ!?
レイナーレと、愛しい彼女と一緒ならこの命を捨てても良いという覚悟はもちろんある。しかし、それはもはやどうにもならなくなった時に決めるべき覚悟だ。
まずは彼女たち3人を悪魔たちから守り抜き、皆が幸せで平穏な生活を手に入れられるよう努力をしなければならない。それが、僕たちのために犠牲になったドーナシークさんへの恩返しでもあるのだ。
だが、そのための具体的な方策が何も思いつかない。
何か、何か方法はないのかっ!?
そんな僕に背後から声がかかる。
「ミコト……」
「ミコト殿……」
「ミコトくん……」
僕はハッ!として後ろを振り向く。そこにはレイナーレとカラワーナさん、そしてミッテルトちゃんがいる。
「ミコト、【あの事】を考えているのね……ごめんなさい。私のせいで」
レイナーレが本当に申し訳なさそうな声でささやき、僕の体を後ろから抱き締める。彼女の張り詰めた大きな胸が僕の背中にぎゅむっ! と押しつけられる。
「いや、良いんだ。もう君は謝らなくて良い。それより、どうやって僕たち4人が安心して暮らせるようにするか、その事を考えよう」
「ミコト……」
「恐れながら……」
しばらくしてカラワーナさんが僕たちに話しかけた。
「まずは、情報を集めなければならないと思います」
「情報……」
「はい、まずは、現在のグレモリー眷属の悪魔どもの様子。そしてアザゼル様を始めとする堕天使上層部の動向。それらを知る事。その上で我々に打てる手がないかを考えてみる事、それが今、私たちがなすべき事だと思います」
「なるほど」
確かに、ただ闇雲に考えているだけではラチがあかない。自分たちの置かれている状況について正確な情報をつかむ事によってこそ、突破口も見えてくるというものだ。だが……
「でも、悪魔どもの情報をつかむにはあいつらに近寄らないとならないっすよね!? ウチら、全員、あの悪魔どもに顔を覚えられてるっすよ! もうエクソシストたちもいないし……」
ミッテルトちゃんが叫んだ。そう。グレモリー眷属たちの動向をつかむには彼らに近付かないとならないのだが、僕たちは全員、彼らにはっきりと顔を見られている上に、アーシアさんの一件で、彼らの復讐の標的にされているのだ。
彼らに直接近づくなどまさに自殺行為であるし、レイナーレたちの部下であったエクソシストの神父たちも、あの時に襲撃して来たグレモリー眷族たちによって殺されるか逃げ出すかしてもはや残っていない。
ちなみにあのフリードは、グレモリー眷族が襲来すると真っ先に逃げたらしい。まあ、あんな男をはなから当てになどしてはいなかったが。
ミッテルトちゃんの言葉にカラワーナさんは言った。
「大丈夫だ。我々とかねてから懇意だったあの情報屋がいる。彼に調べてもらう」
「あの彼の事? で、でも彼に頼むとなると結構な報酬が必要よ。なんせ今回は調べる事が事だし……私、あの時はミコトを連れて逃げ出すだけで精一杯で……キャッシュカードも通帳も、何もかも忘れてきてしまったの」
残念そうな、とても申し訳なさそうな表情を浮かべるレイナーレ。だが、カラワーナさんはそんな彼女に優しく微笑む。
「大丈夫です。私があの時、こんな事もあろうかとキャッシュカードも通帳も、あらかじめポケットに入れておきましたので」
カラワーナさんは自分のボディコンスーツの内ポケットに手を差し込むと、そこから通帳とキャッシュカードを取り出してレイナーレに差し出した。
「ほ、本当に!! カラワーナ、すごいわ!! ありがとう!!」
「カラワーナさん、ありがとう!!」
「そ、それほどでも……」
レイナーレと僕が感激しつつ礼を言うと、カラワーナさんは気恥ずかしそうな様子を見せた。彼女は僕たち4人の中では最年長者、やはりこういう時には頼りになる!
「では、まずはあの情報屋と連絡を取ってみます」
「カラワーナさん、その情報屋の人はその……大丈夫かな? 僕たちは今や悪魔たちだけではなくて、おそらく堕天使陣営からも指名手配されている身になっているから」
僕はそう彼女に懸念を伝える。
そんな僕を安心させようとするかのようにカラワーナさんはまた微笑む。
「大丈夫です。彼はプロですから。顧客の秘密については決して洩らしません。その分、報酬はしっかりと要求しますが」
レイナーレもうなずく。
「ミコト、心配しないで。カラワーナの言う通り、これまでも私たちは彼には度々、世話になっているの。だから大丈夫よ」
カラワーナさんはスマホを取り出して電話をかける。
「久しぶりだな。私だ。ああ……確かに大変な状況ではあるが何とか。それで、仕事を頼みたいのだが……待ってくれ! 大変な仕事だが報酬ははずむからどうか頼む!」
かなり相手は渋っているみたいだけれど、大丈夫かな?
僕は不安に思いつつもカラワーナさんの交渉の様子を見守る。
「レイナーレ様、彼が出て欲しいそうです」
「ええ!」
カラワーナさんの言葉にレイナーレがうなずき、彼女からスマホを受け取る。
「お久しぶりね。ええ、まあ何とか。えっ!? そ、それは……ええ、それはそうよね。では、それでお願いするわ」
レイナーレは話を終えたらしく、カラワーナさんにスマホを返し、僕に告げる。
「ミコト、何とか引き受けてもらえたわ。私たちをめぐるグレモリーの悪魔どもの動向と、堕天使上層部の状況の調査。相当な額のお金を請求されたけれど、まあ仕方ないわね」
「そうなんだ……でも、引き受けてもらえたのは良かったね」
「ええ、そうね。背に腹は代えられないしね」
レイナーレは微笑みつつ、うなずいた。
【相当な額のお金】っていくら位なんだろう?
僕はそう思いつつもそれを彼女に聞く事は控えた。
「でもレイナーレ、君は人間界の銀行に口座を持ってたんだね?」
「ええ、私の仕事は何かとお金がかかるから……今の依頼でかなり減ってしまうけれど、それでもまだずいぶん残っているわ。だから安心して」
やっぱり、かなり莫大なお金を払うんだ……
「でもレイナーレ、堕天使の君が人間界でそんな事が出来るの? その、身分証明書とか……」
「うふふっ♪ 私には人間の記憶を操作する力があるのよ。だからそれくらいの事は何でもないわ♪」
僕の問いにレイナーレはそう微笑む。
「そ、そうなんだね……」
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それから1週間が過ぎた。その間に僕たちは最初に身を隠した場所からさらに、駒王町からさらに遠方の、グレモリー眷属たちがまず訪れる事はあり得ないと思われる町へと逃れ、そこで家を借りてひとまず住む事とした。
その家もなかなかに設備が整っていてかなり広い家で、レイナーレの「お金は結構持っている」という言葉は本当のようだ。
その新しい隠れ家に移り住んで間もないある日、レイナーレが言った。
「ミコト、例の情報屋に頼んでおいた情報が届いたわ!」
そこで僕たちは早速集まって、レイナーレからそのもたらされた情報について聞いた。それによれば……
まずグレモリー眷属たちに関する情報について……もちろん彼らは血眼になって僕たちの行方を追っている。悪魔たちの間では言うに及ばず、レイナーレたちが属していた堕天使陣営にも協力を要請して。
ただ、注目すべき情報として、グレモリー眷属たちはアーシアさんの遺体を特殊な装置を用いて保管しているらしい。何でも上級悪魔であるグレモリー先輩には死んだ人間を自らの眷属にするために転生悪魔として復活させる能力があるという事だ。
しかし、神器持ちの人間の場合にはその神器もなければ復活させるのは無理であるらしい。だからそのためにも、彼らは必死で僕たちを捜しているとの事だ。
さらにもう一つ、アザゼル総督を始めとする堕天使上層部の様子についての情報……それによれば堕天使上層部はグレモリー先輩からの僕たちの捜索および引き渡し要請に対して、捜索への協力は約束したものの引き渡しについては
「それは身柄を確保して事情を確認した上で判断する」
と返答したとの事だ。
また、彼らは今のところは手配書を公にするなどといった行動は起こしていないとの事。彼らとしても何らかの思惑があるのではという事だった。
「…………という事なの。それで、今のお話を聞いた上で今後、どうしていくべきか皆の意見を聞きたいの。遠慮せずに話して」
レイナーレが皆に切り出した。ちなみに僕のすぐ隣に彼女がいて、テーブルをへだてて正面にカラワーナさんとミッテルトちゃんがいるという形である。
「アーシアさんの遺体が保管されていて、グレモリー眷属たちは彼女を眷属……転生悪魔として復活させる事を望んでいる。そしてその復活のためにはレイナーレ、君がアーシアさんから奪った神器が必要だと言うんだね?」
「ええ……」
レイナーレの話を聞き終えた僕はそう彼女に確認し、彼女はそれにうなずく。
「それなら、それを使って、グレモリー眷属と交渉する事は出来ないかな? レイナーレ、君が神器を返す代わりに、グレモリー眷属に君の安全を約束させるというのは」
僕の言葉にカラワーナさんとミッテルトちゃんもうなずく
「確かに。あの憎い悪魔どもと交渉するなど気は進みませんが仕方ないですね……」
「そうっすね。ウチもあのドーナシークの仇の悪魔どもに頭を下げたりなれ合うのはイヤでたまらないっすけど……姉さまとミコトくんの安全のためにはそれが一番っすよね……」
レイナーレも辛そうな表情を浮かべたものの、その後、決意を秘めた表情で僕を見つめる。
「ミコト。あなたがそうしたいというのであれば、私はそれに従うわ。私を誰よりも愛してくれているあなたに、あんなひどい過ちを、罪を犯してしまった私をこれほどまでに愛してくれるあなたに、私はどこまでもついていくわ。あなたが一緒にいてくれれば、私はどんな屈辱にも耐えられるから……」
「レイナーレ……」
僕の心に彼女を愛おしく思う気持ちがあふれる。
「しかし、実際に悪魔どもと交渉するとなると、難しいですよ」
カラワーナさんが厳しい表情を浮かべる。
そうなのだ。グレモリー眷属が、特に兵藤が、アーシアさんを復活させる事を強く望んでいる、それは間違いない。
だが、あのグレモリー眷属たち、特に兵藤のレイナーレに対する憎悪の凄まじさからして
「アーシアが復活するのか! じゃあ、これまでの事は水に流そう!」
などという寛大な対応はとても期待できない。
いや、兵藤は絶対にレイナーレに対する厳しい報復を望むに違いなく、他のグレモリー眷属の面々もそれは同じなはずだ。それはここにいる皆が承知している事で、重苦しい空気がその場を包む。
しばらくしてカラワーナさんとミッテルトちゃんが共に申し出た。
「ここは一つ、私が交渉に出向きましょうか?」
「ウチも行くっすっ! ウチだって姉さまとミコトくんの力になりたいっす!」
その二人の顔には決死の表情が浮かんでいる。特にミッテルトちゃんは死の直前のドーナシークさんから直接、レイナーレと僕の事を託されたのだ。それだけに強い思いがあるのだろう。
しかし僕の脳裏にはあの木場と塔城がカラワーナさんを追い詰めた時の冷酷な態度が、そして兵藤が、レイナーレと僕を身を張ってかばったミッテルトちゃんをなんのためらいもなく殴り飛ばした姿が浮かぶ。彼らは敵と味方を峻別し、【敵】と見なした相手には全く容赦しないのだ。
「カラワーナさん、ミッテルトちゃん、ありがとう」
僕はまず二人の気持ちに深く感謝して礼を述べ、その上で彼女たちの言葉に答える。
「二人の気持ちはとても嬉しいけれど、でもダメだよ。あのグレモリー眷属の元へ君たちが直接行ったりなどしたら、まず絶対に無事には帰してくれないと思う。ねえ、レイナーレ」
僕は隣にいるレイナーレに意見を求める。
「ええ、ミコトの言う通りよ。あの連中は私たちを憎み抜き、嫌い抜いているわ。あなたたちがあの連中の元に行ったらそれこそ何をされるか……」
レイナーレは言葉に詰まり、彼女の瞳に涙があふれる。
「だからお願い、行かないで! 私、もう、大切な人を失うのはイヤなのっ! うっ、うううっ……」
さめざめと泣くレイナーレ。僕はその彼女のふるえる体を抱き締めつつ、二人に自分の思いを伝える。
「僕からもお願いするよ! カラワーナさん、ミッテルトちゃん、君たちはレイナーレにとっても、この僕にとっても絶対に必要な人なんだ! そんな君たちを失うわけにはいかない! だから行かないで!」
「レイナーレ様……ミコト殿……」
「姉さま……ミコトくん……」
カラワーナさんとミッテルトちゃんの目にも涙が光る。
「レイナーレ様……ミコト殿……それほどまでに私たちの事を……ありがとうございます!」
「姉さま……ミコトくん……ウチ、嬉しいっす!」
二人ははらはらと涙を流した。
しばらくしてカラワーナさんは改まった様子で切り出す。
「では、もし悪魔どもと交渉するとなれば、誰か力のある第三者に間に入ってもらわねばなりませんね」
「そうね。でも、リアス・グレモリーやその兄の魔王サーゼクス・ルシファーと対等に話せる仲介者といえば……」
レイナーレが考え込む。
そして僕も思う。
そんな人物は一人しか考えられないよね……
「はい、我らが総督閣下、アザゼル様しかございません」
カラワーナさんは僕やレイナーレが予想した通りの名前を出した。
「やはりそうね。でもアザゼル様は今回の件で私に対してお怒りのはず。それに悪魔どもの私たちの捜索願いをアザゼル様は受け入れたのよね……」
悲痛な表情を浮かべるレイナーレ。
そんな彼女にカラワーナさんは言った。
「はい、確かに。しかし、先ほどのお話の通り、上層部は私たちの捜索には同意したものの、私たちを連中に引き渡すか否かについては返事を保留したとの事。また私たちの手配書もまだ公表していないとの事。それに実はもう一つ、私には期待できる要素があると思うのです」
カラワーナさんの言葉に僕たち三人は思わず一斉に反応する。
「【期待できる要素】!? カラワーナ、それは何なの!?」
「カラワーナさん、それは一体!?」
「カラワーナ、一体何すか!? それは!?」
「それは……ミコト殿がレイナーレ様に命を狙われながらもレイナーレ様を愛して、命を賭けた求愛をしてお二人が結ばれた事、そしてミコト殿がやはりレイナーレ様を愛するが故に命を賭けてグレモリー眷属に立ち向かった事、それを聞けばきっとアザゼル様は興味を示されるのでは、という事です」
「えっ!? で、でもそのような理由で堕天使の長が僕たちに情けをかけてくれる可能性が?」
カラワーナさんの話に僕は驚き、思わず声を上げる。その僕にカラワーナさんは自分の思うところを説明してくれる。
「アザゼル様はかつて神に仕える上級天使でした。そのアザゼル様が堕天されたのは人間界へ行って、人間の女性に恋をしたからだと伝え聞きます。そのような過去をお持ちのアザゼル様であれば、きっとミコト殿のお気持ちに理解を示されるのではないかと。アザゼル様にお会いした事もない私が言ってもお信じになれないとは思いますが、私はそう思うのです」
カラワーナさんは僕をじっと見つめた。彼女のその表情は僕の事を心から信頼してくれている……自惚れかもしれないが、そのように思えた。
そんな彼女を見ていて僕も
もしかしたら……!
と希望が湧いてきた気がした。
【巨大組織のトップで堕天使の長】と聞くと近寄りがたくて、失敗したり罪を犯したりした部下には情け容赦ないというイメージを持ってしまうけれど、カラワーナさんの話では結構人情味(人間ではないけれど)のある人なのかな……
そこで僕は皆に言う。
「よし、じゃあカラワーナさんが言ってくれたように、アザゼル様を頼りにグレモリー眷属との交渉の可能性を探る、その方向で行くという事で良いかな?もしグレモリー眷属たちが僕たちをあくまでも憎悪するとしても、アザゼル様の保護を取り付ける事が出来れば、彼らだって容易には手を出せなくなると思うし」
「ええ、ミコト、それで良いわ!」
「異議なしっす!」
レイナーレとミッテルトちゃんは快く賛同してくれた。元々、レイナーレはアザゼル総督の寵愛を欲してそのためにあの計画を進めていた。結果としてその主の意向に背いてしまった彼女だが、依然として主に対する尊敬の念は持っているようだ。
「でも、まずはアザゼル様の人柄と意思をしっかり確認しないと。そして出来れば僕たちの気持ちをアザゼル様に訴える事が出来れば……レイナーレ、その情報家の人にまたその辺りの確認をしてもらう事は出来るかな?」
「ええ、ミコト、お金はまたずいぶんとかかるとは思うけれど、彼に頼んでみるわ!」
そんな形で話し合いはまとまった。そして僕とレイナーレは二人の愛の巣……寝室へと入った。ちなみにレイナーレは先ほど僕と一緒に近くのドラッグストアに買い物に行った(もちろん、万が一の用心のために帽子とサングラスで変装して)事もあり、白のブラウスに黒のミニスカートという、いわゆる「女教師」を思わせる姿をしている。その姿も彼女のセクシーな素晴らしいスタイルの体によく似合っている。一方、僕は白いワイシャツに黒の長ズボンといういつもの姿をしている。
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「それにしても……アザゼル様がカラワーナさんの言うような方だと良いのだけれど」
私と共に寝室に入った尊がそうささやいた。
その彼に私は微笑みつつ応じる。
「うふっ♪ 大丈夫よ。きっとアザゼル様はミコトの事を気に入ってくださるわ♪」
「どうしてそう思うの?」
「カラワーナもそう思っているけれど、ミコト、あなたにはそれだけの魅力が、奇跡を起こせる力があるの! 私はそれを信じるわ。あなたならきっとアザゼル様のお心をつかむ事が出来るわ!」
「そ、そんな……僕はこれまで、レイナーレ、君と会うまでは恋人も友達もいなかったのに……」
私の言葉に戸惑いを浮かべる尊。
「それはあなたの周りにいた人間たちに見る目がなかっただけよ。あなたはこの私の心を虜にして、カラワーナもミッテルトも、皆があなたの事を慕っているわ。そして、あなたはあの恐ろしい一誠から……グレモリー眷属の悪魔どもから私を守り抜いてくれたわ。あなたはとても素敵な男の子よ! だから自信を持って! 私のミコト!」
そう私は心の底からの思いを愛しいこの子に伝える。そしてそんな私を尊は愛おしげに見つめてくれる。
「レイナーレ……」
「ミコト……」
私たちはお互いを潤んだ目で見つめ、そしてそっと唇を重ねる。
「あふっ……あむっ……」
私は尊の唇に自分の唇を重ね、そしてこの子の歯をこじ開けるように自分の舌をこの子の口内へと侵入させる。そしてこの子の舌に自分の舌を絡め、口内を余すところなくなめ回す。
「るろっ……れろれろっ……ぺちゃあっ……うふっ……ミコト……キス、気持ちいい……?」
「ぷはっ……ふああっ……レイナーレっ……すごく気持ち良いよっ……君のキスっ……」
「うふっ♪ 嬉しいわ……もっともっとしてあげるわ……私の愛しくて可愛いミコトっ……あむっ……ちゅうううっ……」
私はむさぼるように尊の舌を求め、彼の口内に自分の唾液を流し込む。その私の濃厚なキスに尊は女の子のように可愛い顔を真っ赤に上気させて恍惚とした表情であえぐ。そのあまりの可愛さに私の胸は激しく高鳴る!
ああっ!! なんて可愛いのっ!! 私のミコトっ!! 好きよっ!! 好きよっ!! 大好きよっ!! あなたさえいれば私は他に何もいらないわっ!!
そして長い長いキスの末に私たちはようやく唇を離す。私たちの唇と唇の間に一瞬、唾液の糸がつながり、そして消える。そして尊の目は彼が好きでたまらない、私の自慢の張り詰めた大きな胸に注がれている。
そう、これから私は全裸になって、この自慢の体で愛しいこの子を存分に喜ばせてあげるのだ。そしてそのために、私は特別な趣向を用意していた。
****************************************************************
レイナーレの甘く濃厚なキスで夢でも見ているような甘美な感覚に浸り、その後、いつもながら彼女の美の女神をも圧倒する素晴らしい体に見惚れる僕。そんな僕をレイナーレは美貌を赤く染めて妖艶な目で見つめる。
「ミコト、あなた、私の暴挙を止めようとした時に言ってくれたわよね。【僕にとって君は今でも至高の堕天使だよ!】って……」
「うん! だって僕にとって君はその通りだから!」
彼女の言葉に大きくうなずく僕。僕にとって彼女はまさしく【至高の堕天使】なのだから。その僕の言葉にレイナーレは目を潤ませて嬉しそうに微笑む。
「ありがとう、ミコト。私は今まで自分の力を過信して自惚れて、愚かな野望に身を焦がしていたわ。でも、一誠に無様に負けて、あなたに救われて私は目が覚めたわ。これからの私はミコト、大好きなあなたのために生きる、あなたにとっての【至高の堕天使】になるわ」
「レイナーレ!!」
レイナーレの、誰よりも愛しい彼女の愛の言葉に僕の心は歓喜で高鳴る!
「だから、いつだってあなたが大好きな私のこの体で……あなたのためのこの【至高の体】であなたを喜ばせてあげるわ。あなたのためなら、どんな恥ずかしいエッチな事でも私はしてあげるわ。その代わり、永遠に私だけを愛して。私だけを見て。【至高の堕天使に愛される男】に浮気なんて絶対に許されないのよ。分かった?」
「もちろんだよ! 僕は兵藤くんとは違う。君ほどに素晴らしい女性にこれほどまでに愛されているのに浮気なんて出来る訳がないよ! 僕は永遠に君だけを見つめる! 君だけを愛するよ! 君の体を毎日毎日、思い切り愛し続けてあげる! 僕のレイナーレ!」
レイナーレの求めた愛の誓いに即答する僕。それを聞いたレイナーレの美貌が歓喜で輝く。
「ああっ!! 嬉しいっ!! 嬉しいわっ!! 私のミコトっ!!」
そして彼女は美貌に妖艶な笑みを浮かべる。
「ウフッ……じゃあ、今の約束通り、毎日、あなたが大好きなこの体であなたを喜ばせてあげるわ♪ では、まずは今日は……」
レイナーレは手をベッドに向けて差し出す。するとそのベッドの上に薄いシートのようなものが形成されてベッド全体を包み込む。さらに彼女がベッドの下の床に手を差し伸べると、そこにも同じく薄いシートが形成される。
な、何をするつもりなのかな……!?
僕は期待に胸を躍らせつつ彼女を見守る。
そして部屋のほぼ全体にシートを敷き終わったレイナーレは僕に微笑みつつ言った。
「ミコト、あなたはベッドの上に座って。そして私がいいと言うまで私に触れちゃダメよ」
「うん……」
僕はうなずいて彼女の言う通りに彼女から離れてベッドの上に腰かける。レイナーレはそれを見届けると、部屋の中央に来てそこに立った。
「ウフッ……」
レイナーレは僕を見つめて妖艶に微笑む。その彼女に僕はドキッ! と胸を高鳴らせる。そして彼女は白いブラウスの一番上のボタンに手をかけてそれをはずす。すると彼女の張り詰めた大きな乳房がぶるっ!とうごめき、彼女の深い胸の谷間の入口が僕の目に映る。
!!
僕は思わずドキッ! とする。レイナーレはそんな僕を妖艶な目で見つめ、さらにブラウスのボタンをはずしていく。
「ウフッ♪ ウフフッ♪」
レイナーレがブラウスのボタンをはずす度に、彼女の張り詰めた大きな乳房がユサリと揺れて彼女の深い胸の谷間が露わとなっていき、さらに彼女の引き締まったへそも露わとなる。それをじっと見つめる僕の股間はうずく。
あの体のほとんどが露出している黒のボンデージ姿の彼女の姿はもちろん大好きだが、こういう彼女の服で隠れている素晴らしい体が露出していくのを見るのもまた素晴らしい!
レイナーレはブラウスのボタンを下まで外すと、次に腰に手をかけて黒のミニスカートのホックをはずす。彼女のしなやかな足をつたってスカートがストン……と床に落ちる。
「ウフッ♪ ウフフッ♪」
レイナーレはまた妖艶に微笑むと、ボタンを外したブラウスをゆっくりと脱ぐ。彼女の張り詰めた大きな乳房がぶるんっ! と大きく揺れて、ブラジャーに包まれたその形が露わとなる。そのブラジャーの布地が薄いため、彼女の常に硬く勃起している大きくいやらしい乳首がくっきりと布地の上に浮き上がり、今にもブラジャーの布地を突き破りそうだ。
「あっ! ああっ!」
僕は耐えがたい股間のうずきに思わずそれを手で押さえる。
「ウフッ……ミコト、まだ我慢して。まだまだこれからなんだから……」
そうレイナーレは微笑むと、腰にまた手をかけて、体を回して腰を振りながら、僕に見せつけつつパンティーを脱いでいく。僕の目に彼女の引き締まった丸く美しいお尻が、その割れ目が、お尻の穴までが晒されて僕の股間はさらに激しくうずく。
そしてパンティーを脱ぎ終わった彼女は僕を潤んだ目で見つめる。
「さあ、ミコト、いよいよあなたが大好きな私の乳首を見せてあげるわ。さあ、しっかりと見てっ!」
レイナーレはゆっくりと背中に手を回してブラジャーのホックをはずす。そして彼女はゆっくりとブラジャーを下へとずらしていく。彼女の乳輪が見え、そして彼女の硬く勃起してビン! と突き出した、大きくいやらしい乳首がぶるっ! と弾むようにして僕の視界に現れる!
!!!
その瞬間、僕の股間は激しく猛り立ち、僕はその股間を右手で押さえながら叫ぶ。
「あああっ!! レイナーレっ!!」
全裸となったレイナーレ……僕はその美の女神も及ばぬほどに美しく卑猥な裸体を前に、思わず彼女に手を伸ばすが、その手を彼女は抑える。
「ダメよ。さっき言ったでしょう。私がいいと言うまで、私の体に触れちゃダメだって。お願い、もう少しだけ我慢して」
そして彼女は部屋の隅に行って、さっきドラッグストアに行った時に買って来たものが入っている袋を探る。僕は彼女が買ったものを一々確認はしていなかったので、それに何が入っているのかはよく知らない。
レイナーレはその袋からチューブ状のものを取り出すと、それを自分の顔を除く全身に塗り付けていく。
!!!
レイナーレが自分の体に塗り付けたもの。それはローションだった。それを塗り付けた彼女の張り詰めた見事な球形の大きく美しい乳房が、その頂の、充血して変色し、石のようにカチカチに硬く勃起したいやらしい大きな乳首が、引き締まったへそにくびれた腰が、秘部を覆う黒い陰毛が、引き締まった丸く美しい尻が、すらりと伸びた手足が、その全てがねっとりとしたローションで卑猥にテカテカと光り輝き、そのあまりの卑猥さに、僕の股間はもう限界に近付く!
「ふああああっ!! レイナーレっ!!」
僕はもう両手で爆発寸前の股間を必死で抑え込む。そんな僕をレイナーレは目を見張って見つめる。
「ああっ!! ミコトったらそんなにオチンチンを大きくしてっ!! そんなに可愛い顔を真っ赤にしてっ!! 私のこの姿にそこまで欲情してくれるのねっ!! 嬉しい!! 嬉しいわっ!!」
レイナーレは両腕を開いて、自慢の裸体を見せつける。僕は股間の激しいうずきに耐えながら、それをただひたすら見つめる。
照り輝く、張り詰めた大きな乳房、硬く勃起したいやらしい大きな乳首、引き締まったへそ、くびれた腰、秘部を覆う黒い陰毛。常に僕を虜にして離さない、美の女神をも圧倒する彼女の至高の裸体!
そして彼女は美貌に妖艶な笑みを浮かべて言った。
「さあ、ミコト、私のこのローションまみれの体であなたを存分に喜ばせてあげるわ♪」
彼女の表情には、自分の裸体の美しさと、その魅力が僕を虜にしている事への絶対的な自信が溢れている。
「ああっ!! レイナーレっ!! なんて素敵なのっ!! なんていやらしいのっ!! 君のローションまみれの体っ!!」
ローションにまみれたレイナーレの裸体のあまりのいやらしさ、美しさに僕は激しく興奮して彼女に抱き付こうとする。
しかし彼女は腕を突き出して僕を制止する。
「待って! ミコト、あなた、服を着たままじゃ、その服がローションまみれになってしまうわ。まずは服を脱がないと」
「あっ! そ、そうだね……」
レイナーレの言葉にハッとした僕はその場で服を脱ぎ捨てて全裸となる。その僕の男根はもはや爆発寸前に膨れ上がり、そそり立っている。
「ああっ……ミコトっ……あなたったらこんなに可愛い顔なのに……なんてオチンチンは立派なのかしら……」
レイナーレは美貌にうっとりとした表情で僕の猛り立った男根を見つめる。
そしてレイナーレは大きな乳房を揺らせながら、テカテカと卑猥に光る裸体を見せつけながら僕に近付き、僕を抱き締める。彼女のローションを塗り付けたヌルヌルですべすべな大きな乳房が僕にむにゅっ!と押し付けられ、いつもとは違った感触に僕の興奮は高まる。
「ウフッ……さあ……」
レイナーレは僕を抱き締めると、裸体を上下させて僕の体にローションでヌルヌルになった張り詰めた大きな乳房を、へそを、秘部をこすりつける。
「あっ!! ああっ!! あはあっ!!」
彼女のヌルヌルしたテカテカに光る硬く大きな乳首が、弾力感にあふれた大きな乳房が、引き締まったへそが、陰毛に覆われた秘部が、僕の胸に、お腹に、そして男根に何度も何度もこすりつけられ、僕はその心地よく素晴らしい快感にあえぐ。
「ウフッ……ミコト……どう? ローションでヌルヌルの私の体、気持ち良い?」
レイナーレは裸体を僕に擦り付けて上下させながら、美しい顔を火照らせて、僕を潤んだ目で見つめつつ、そう聞く。
「ああっ!! レイナーレっ!! 凄く気持ち良いよっ!! 君のヌルヌルの体っ!!」
「ウフッ……嬉しいわ……もっともっとしてあげるわ……私の可愛いミコト……」
レイナーレの魅惑の裸体が僕の体の上を何度も往復する。彼女の大きく卑猥な乳首が僕の体中をすりすりとこすり、彼女の張り詰めた大きな乳房が僕の体に押し付けられて卑猥に変形しつつ、僕の肌の上を滑る。僕はその素晴らしい感触に夢心地な気分になる。
そしてテカテカに卑猥に光る、レイナーレの大きな乳首のあまりのいやらしさにたまらなくなった僕は、ついに彼女のその乳首を指でぐにっ!と捕える。
「あっ!! あはああんっ!!!」
レイナーレがビクン! と裸体をのけぞらせる。僕は指でつまんだ彼女のローションでヌルヌルの大きな乳首をそのままニュルニュルとしごき上げる。その感触は素晴らしい!
「あっ!! あっ!! あはあっ!! ミ、ミコトおっ!! 乳首ニュルニュルしごかれるのっ!! と、とっても気持ち良いわあっ!! い、いつもの乳首攻めとはまた違った感じっ!! あっ!! あはあんっ!! ああああんっ!!!」
僕はレイナーレのヌルヌルの乳首の感触に夢中となり、レイナーレは僕にその乳首を攻められる快感に長い黒髪を振り乱して激しくもだえる。さらに僕はレイナーレのローションでツルツルする張り詰めた大きな乳房をにゅりっ! にゅりにゅりっ! と激しく揉みしだく。その感触もまた格別だ!
「あっ!! あはあっ!! はああんっ!! ミ、ミコトおっ!! もっともっと揉んでえっ!! あっ!! ああんっ!!」
僕たちはローションプレイを存分に満喫する。
そして……
「ミコト、ベッドに寝転んで」
僕はレイナーレの言う通りにベッドに寝転ぶ。
するとレイナーレは、まず自分の陰毛に覆われた秘部に改めてたっぷりとローションを塗り付ける。テカテカと光り輝く彼女の黒い陰毛。そのいやらしさに目を見張る僕。
次にレイナーレは僕のそそり立つ男根にローションを塗り込む。
「あっ!! レ、レイナーレっ……あはあっ!!」
レイナーレのローションを塗り付けた手で男根をいじられる快感に僕は思わず大きな声であえぐ。そんな僕をレイナーレは愛しげに見つめてくれる。
「ああっ……! ミコトっ……! なんて可愛いのっ……!」
そして僕の男根にローションをたっぷりと塗り込んだレイナーレは、僕の上に騎乗位になって、同じくローションを塗り込んだ自分の秘部と僕の男根をこすり合わせる。いわゆる【マンズリ】というやつだ。
「あっ!! レ、レイナーレっ!! ふあっ!! あはあああっ!!!」
レイナーレの陰毛と僕の陰毛が激しくこすり合わされ、ジョリジョリ!といやらしい音が響き、僕の男根は激しい快感にもう射精寸前になる。
「あはあんっ!! ミ、ミコトっ!! き、気持ち良いかしらっ!? ああんっ!!」
「ふああっ!! う、うんっ!! 凄く気持ち良いよっ!! レ、レイナーレっ!! 君も、君も気持ち良いのっ!? はあああっ!!」
「も、もちろんよっ!! だ、大好きなあなたのオチンチンとっ!! わ、私のアソコがっ!! あ、合わさってるんだものっ!! あっ!! あはああああっ!!」
僕はレイナーレのマンズリで今にもイキそうになるのを必死でこらえつつ、目の前でぶるんっ! ぶるぶるっ!と激しく躍動している彼女の乳房に手を伸ばして彼女の勃起乳首を再び指に捕らえる。
「あっ!! あはあああんっ!!!」
そして僕は彼女のローションでヌルヌルとしたいやらしい大きな乳首をまたニュルニュルとしごき上げる。
「ああああんっ!! ミ、ミコトおっ!! ち、乳首ものすごく感じちゃうっ!! はあああんっ!!」
僕に乳首をしごかれてレイナーレは甘い声で激しくあえぐ。でも彼女は僕の男根へのマンズリを止めない。
「ふああああっ!!! レ、レイナーレっ!! ぼ、僕もうっ!! イ、イクううううっ!!!」
「あはあああっ!!! ミ、ミコトおっ!! わ、私もイクわあっ!! あっ!! あああああああーーーんっ!!!」
僕とレイナーレは共に絶頂に達した。そして……
「はあんっ……ああんっ……ミコトっ……好きよ……大好きっ……」
「はあはあっ……レイナーレっ……僕も、僕も大好きっ……」
「どう? 私のローションプレイ、満足してくれたかしら?」
「うん! 最高だったよ! 君のローションプレイ!」
「ウフッ……嬉しいわ♪ これからもっともっとあなたを喜ばせてあげるわ♪」
「うん! とても楽しみだよ! 僕の至高の堕天使様!」
そして僕とレイナーレはまた唇を重ねる。彼女と愛し合いつつ僕は思う。
ああっ……!! レイナーレっ!! こんなにまで美しくてエッチで素敵な君は、まさに僕にとっての【至高の堕天使】! 僕は君が一緒にいてくれれば何だって出来る気がするよ! 絶対に君を守り抜いて君と添い遂げてみせる!! 愛してるよ!! 誰よりも!!
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その2日後、僕たちはレイナーレたちの知り合いである例の情報屋の人を通じてアザゼル総督に手紙を送った。
その内容は……今回の事件についての詳細を正直に報告し、謝罪をした上で、僕とレイナーレがそれぞれ直筆で率直な現在の思いを総督に伝え、庇護と僕たちがずっと共に生きていく事の許可を願い出たものだった。レイナーレがアーシアさんから奪った【聖母の微笑】をグレモリー眷族へ返還する事も誓った。
レイナーレは情報屋の人に莫大なお金と共にその手紙を渡して、総督のもとに届けてくれるよう依頼した。そのお金は仕事の報酬に加えて、手紙を確実に、間違いなくアザゼル総督に届けるために必要な、堕天使のしかるべき人々への賄賂も含まれていた。
とにかく、これですべき事はやった! 後は結果を待つだけ!
僕とレイナーレは自分たちの想いがアザゼル総督に届く事をただひたすら願っていた。
そして僕は隠れ家の庭で神器を発動させての訓練に励む。万一、グレモリー眷属に見つかって再び襲撃されてもレイナーレたちを守る事が出来るように。レイナーレもその場にいて訓練を見守っている。
「トゥワイン!!」
僕の叫びと同時に僕の手から神器が放たれ、敵に見立てた丸太に絡み付き、僕はレイナーレへの思いを心に込める。
するとその瞬間、バリィィンッ!!! と丸太はバラバラに砕け散った。それを見たレイナーレが歓声を上げる。
「ミコト、凄いわっ!!」
ディヴェリクスも上機嫌だ。
「おう! あの赤龍帝の小僧との戦いでずいぶんと力を上げたな! まあ、この程度の力がなけりゃ、とてもあの小僧からレイナーレを守るなんて出来なかったからな!」
「じゃあ、次は新しい技を試して見ようぜ!」
「何をすれば良いのかな?」
「レイナーレ、新しい丸太をそこに立ててくれ!」
「ええ! 分かったわ!」
ディヴェリクスの指示でレイナーレが新しい訓練用の丸太を運んできて、立てる。
「相棒、今度はあれに向かって【ライト・バレット(光の弾丸)】と叫べ」
「うん、分かったよ」
ディヴェリクスの指示に僕はうなずくと、愛しいレイナーレの美しくいやらしい裸体を思い浮かべ、彼女を守りたいという想いを先ほどよりもさらに強く込めつつ、神器を付けた右手を標的の丸太に向けて突き出し叫ぶ
「【ライト・バレット】っ!!」
その瞬間、僕の右手からボワッ!と光の弾が放たれ、それは丸太をドゴンッ!!と直撃して丸太に大きな穴が空いた。
「どうだ。これまでの熱線よりもはるかに威力は大きいし、トゥワインと違って慣れれば連発も可能だ」
「連発も可能、という事は一度に複数の敵を攻撃する事も可能という事だね」
「そういう事だ。【フラッシュ】や【ダーク・ブレス】と組み合わせればかなり重宝するぜ」
「なるほど……! ディヴェリクス、ありがとう!」
そんなやり取りをディヴェリクスとしているとレイナーレが駆け寄って来た。
「ミコト! 本当に凄いわ! ウフフッ……これも私への愛ゆえの成果よね♪」
レイナーレは嬉しそうに妖艶に微笑む。そんな彼女に僕も嬉しくなる。
「うん! 君の裸を思い浮かべながら撃ったから♪」
「も、もうっ! ミコトったらエッチっ!」
僕の言葉にレイナーレは美貌を真っ赤に染める。
「でも、そういえばミコト、あなた、神器の技を発動する時に必ず技の名を叫ぶわね?」
「あっ、そういえばそうだね……」
今まで意識もしていなかったが言われてみればそうだ。僕が新しい技を覚える時には、必ずディヴェリクスからその技の名を叫ぶように言われているし、技を発動する時には必ずレイナーレの事を想いつつ、技の名を叫んでいる。
「それはな、相棒、お前がレイナーレへの想いを込めて叫ぶ技の名が言霊となって神器に……それに宿る俺に響くんだ。そしてそれによって技が発動される、そういうシステムになってるんだ」
「なるほど……そうなんだね!」
ディヴェリクスの説明に僕は納得する。
そして同じく説明を聞いていたレイナーレも感激の表情を浮かべる。
「そうなのね……! ウフッ♪ ミコト、やっぱりあなたと私は一心同体なのね♪ 嬉しいわ♪」
「レイナーレ……!」
僕はそんな彼女を抱き締め、改めて彼女と共にいられる幸せをかみしめる。
(次回に続く)
今回の第6話の以前のお話からの変更点は尊とレイナーレの愛し合う場面がローションプレイとなり大きく変わった事、そしてその後に尊の訓練シーンが追加された事です。
まず二人の愛し合う場面の変更についてですが、これについては読者の方から「二人のセックスシーンがワンパターン過ぎる」という指摘がありまして、新しい趣向を取り入れた方が良いかなと思い、今回はローションプレイという形にしました。まあ、僕は凌辱とか乱交、アナルセックスとかは抵抗があるのでそれらは描くつもりはありませんが、今後もそれ以外の新たな趣向を取り入れていこうと思っています。
そして尊の訓練場面。尊の神器による技の発動について具体的な説明を加えました。これは今後のストーリーの展開に関係してきます。
前回、尊の決死の踏ん張りやドーナシークの犠牲によって、何とかグレモリー眷属の襲撃を逃れたレイナーレたちですが、一誠やリアスの激しい憎しみを買った彼女たちの危機的な状況は続いている。そうした中で、今後、どうやって一行が平穏な生活を手に入れる事が出来るか、今回はそれを模索する回でした。
このお話ではレイナーレはアーシアの神器を奪ったままの状態で逃げており、グレモリー眷属側としてもアーシアを復活させるためには彼女の神器を取り戻さなくてはならない。それを利用してレイナーレに手を出さない事をグレモリー眷属側に約束させられないか、……そういう取引を尊は考えた訳です。尊としてもアーシアに対しては強い罪の意識があり、彼女を復活させてあげたいという思いは強くありますので。
とはいえ、直接交渉はあまりにも危険すぎる(というか、ほとんど自殺行為)であるため、レイナーレたちの主である堕天使総督アザゼルを頼る事は出来ないか、それが出来れば……! という話になった訳です。
そしてアザゼルの過去から、彼はきっと愛するレイナーレを手に入れ、彼女を守るために命を張った尊に好感を持つのでは……! それを期待しようという話になった訳です。まあ、この場合、取引が成功してアーシアが復活したとしても、グレモリー眷属の、特に一誠のレイナーレや尊に対する憎悪、嫌悪感は変わらないでしょうが……
そしてタイトルの【至高の堕天使】。レイナーレは以前からこれを自称していた訳ですが、言葉は同じでもその内容は以前(第4話まで)とは大きく変わっています。
以前のレイナーレは堕天使界での出世を望む野望を示すものとしてこの言葉を使っていましたが、今の彼女は愛する尊にとっての【至高の堕天使】でありたいと思っています。もっとも尊にとっては彼女は今でも十分、彼にとっての【至高の堕天使】である訳ですが。
次回は尊とレイナーレを思わぬ事態か襲います。それは一体、どんな事態か!?
それでは、どうぞ次回をご期待ください!(^^)