ソードアート・オンライン 背徳な攻略者 作:ボルメテウスさん
「たくっ、相変わらず慣れないな」
俺はそう言いながら、地面に降り立つと同時に上空から迫ってくる相手を見つめる。
紫色の光を纏った一撃が来ると同時に俺はすぐに手に持った刀でその攻撃を受け止めていく。
一撃一撃が重く、攻撃が来る度にその威力は増していく。
「まだまだぁ」
「ちっ」
その声が聞こえるのと同時に俺はバックステップを行いながら、刀を構え直す。
だが同時に迫った最後の一撃が俺を切り裂く。
「僕の勝ちだね」
「あぁ、負けた負けた」
そう言いながら、俺はその場で倒れ込み、対戦相手を見つめる。
「それにしても、さっきのは何々!!
戦い方は僕と結構似ているのに、色々と違うよね!!」
「俺は普段はGGOでプレイしているからな。
あっちで培った知識を応用しただけだよ、ユウキ」
そう言いながら、俺は対戦相手であるユウキに言う。
「そうかぁ、別のゲームとの合体か、結構面白そう」
俺の言葉を聞き、楽しくなったのか、ユウキは笑みを浮かべる。
現在、俺がいるのはGGOではなくALOである。
というのも、GGOが久しぶりの大型アップデートが行われる事になり、その間は暇だったので、久しぶりにALOにログインしていた。
そこで偶然知り合ったのがアスナに紹介された事のあるユウキだった。
顔見知り程度だったが、アスナから俺の事を聞かされていた為、すぐに勝負を申し込まれ、結果は先程のように惨敗である。
「それにしても、本当に久しぶりだね」
「あぁ確かにな。
今は、身体はどうなんだ?」
「うん、ばっちり」
そう、Vサインで答えるユウキ。
彼女、ユウキは数ヶ月前までは余命僅かな少女だったが、現在はその病気は既に回復していた。
本来ならば治療不可能だったはずの病気だったはずだが、その病気はある意味本来ならば不可能なやり方で治療を行った。
「まさか、あいつが命を救うとはね」
「???」
何を言っているのか分からないユウキだったが、実際に彼女を救ったのは皮肉にも俺達を閉じこめた元凶である茅場 晶彦だ。
彼が生前に行った自身の脳に大出力のスキャニングをかけることで自身の記憶・人格をデジタル信号としてネットワーク内に遺すという技術。
それを医療行為に応用し、ユウキの肉体を一時的にALOに完全に移行後、病気の原因になっている細菌を含めた血液を除去。
その後は血液を再度挿入する事で原因を全て駆除し、完全な健康体へと戻す手術だ。
それは余りにも現実離れしており、実際に成功するかどうかも怪しい手術だ。
だが、彼女はそれでも生きたいと思い、挑戦した。
その結果、今もこうして彼女は元気で過ごせている。
結果だけ見れば成功だが、その治療方法はある意味、今後は使えるかどうかは怪しいらしい。
というのも、ユウキの場合は3年間仮想現実の中に入っていた為、人格などがほとんどALOに保存されており、茅場が行ったような急激なスキャンではなく3年の時をかけたからこそ成功したやり方だ。
そういう事もあって、ユウキのような手術を今後行うにはまだまだ未来の話であり、実現も夢の話になった。
それでも、ユウキを救ったのは茅場である。
「んっ、どうしたの」
「なんでもない、とりあえずもう一勝負するか」
「うん!!」
同時に俺達は再びデュエルを行う事にした。