※この作品はR-18です。

出来損ないの転生魔術師〜三千年の時を越えて俺に会いに来たエルフがいるって本当ですか!?〜   作:☆あきつしま☆

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部屋割

「ここは……どうやら食堂のようですね。この家の前のオーナーはかなりの富豪で、家には何十人もの女性を住まわせていたらしいですから、こんなに長いテーブルが中央に置かれているのでしょう」

 

 ケイティが探索中に目に入ってきた食堂の中に入りながら、この家の前所有者の情報を話してくる。

 まあ、新築っぽい感じはしなかったから、前オーナがいることは分かっていたが……これは冗談抜きの富豪だったらしいな。どこもかしこも天井にはシャンデリアが吊るされていて、床には超フカフカの赤い絨毯が敷き詰められているし。

 

 一通り食堂を堪能した後、そこを出てトコトコと廊下を歩いていくと……大浴場と書かれた扉が見えてきた。

 少し気になったので、その扉を開けて中に入ると……バカでかい脱衣所が見えてきて、その先をさらに進むと……これまたバカでかい大浴場が現れた。

 

「この浴場は、近くから湧いている温泉の源泉をかけ流しているようですね。効能は疲労回復、神経痛、筋肉痛、腰痛、ストレス解消などの他に、美肌効果もあるようです。また、外には露天風呂やサウナもあるらしいですよ?」

「そりゃすごいな……。しかし、よくあれやこれや覚えているな……ケイティは記憶力が良いのか?」

「記憶力は人並み程度です。ただ……これからご主人様と一緒に暮らすことになるお家なのです。しっかりと頭に情報を入れるのはご主人様の奴隷として当然です!」

 

 えっへんという顔をしてくる。

 ……意気込みが凄い。でも、悪い気はしないな。

 

「なるほど。まあ、無理をしない程度にこれからも頑張ってくれ」

「はい!」

 

 いい雰囲気になったところで大浴場をあとにし、次に俺達はこの家にたくさんある部屋を見て回った。どの部屋も内装やベッドが豪華で、昨日まで住んでいた家とは大違いだ。

 俺はいちいち『うぉー』とか『ほえー』とか言いながら楽しい部屋回りをした。

 で、一通り家の探索をし終えて大体を把握した俺達は、お互いの部屋を決めることにする。

 

「ケイティはどの部屋が良い? お前が選んで買ってくれた家だ。先に決めていいぞ」

「では、ご主人様と同じ部屋でお願いします」

 

 ……ん? 俺と一緒の部屋……? 

 

「あー、すまん。ちょっと耳が遠くなっていたようだ。もう一度言ってくれ」

「ご主人様と同じ部屋でお願いします」

 

 ケイティの顔を見る。彼女も俺の顔を見る。俺が首を傾ける。彼女も同じように首を傾ける。

 ……なんか可愛い……ではなく!

 

「俺の部屋の隣、というわけではなくて?」

「隣ではなく、同じ部屋です。ご主人様と一緒の部屋で一緒に寝ます」

 

 ほう、なるほど……なるほど……

 ……いや、それはいかんでしょ。男と女が同じ部屋で寝るのはいかんでしょ。昨日は仕方無く寝たけど……ずっとそんな調子だったらいつか間違いが起こちゃいますよ。というか、俺は思春期真っ只中の男子高校生。なにかの拍子に暴走してもおかしくないのだ。

 これはマズイと彼女の考えを改めさせようとする。

 

「なあケイティ。この家にはこんなに沢山部屋があるんだぞ? なのにわざわざ二人が同じ部屋で寝るのか? 流石にそれは家が可愛そうと言うか、そんな感じがしないか? というか、ずっと俺と一緒というのも息が苦しいだろ? お互いにプライベートな空間と時間があったほうが、良好な関係が築けるという一般人の声があってだな……」

「なんと言われようと私はご主人様と一緒に寝ます。それに、前のオーナーである男性の方が使っていたであろう一番大きくて豪華な部屋で二人一緒に寝るのであれば、狭さも息苦しさも感じないはずです。私的には、ご主人様と一緒にいられないほうが苦しいです。特に胸が苦しいです。プライベートな空間や時間があったほうが良いという意見も分かりますが、私はそう思いません。あと、元ご主人様も最初は『別々で寝よう』とおっしゃっていたのに、一週間も経つと『やっぱりケイティと一緒に寝たい』となっていたので、ご主人様もおそらくはそうなるはずです。いえ、必ずなります」

 

 ケイティが俺にグイグイと近づきながら力説をする。

 ……いや、やけに押しが強いな……。そこまでして俺と一緒に寝たいのか……?

 というか、転生前の俺は何をしているんだ? 恥晒しも良いところだぞ!

 しかしながら、本音で言えばケイティと一緒に寝たいのも事実。いや、やましい意味とかではなくて、昨日は緊張してしばらくの間寝られなかったのだが、ケイティの吐息とか、寝顔を見ていると……心が穏やかになっていって、最終的にはいい気持ちで寝られたのだ。

 ケイティと一緒に寝る時に感じる謎の緊張さえ解ければ、最高の睡眠を取ることが出来るだろう。

 でも……

 

「やっぱり、男と女が一緒のベッドで寝るっていうのは駄目だと思う。昨日みたいなことを繰り返していたら、いつかトンデモナイことに――」

「――ご主人様。私と交わした約束をお忘れですか? それに……そんなに私と一緒に寝るのが嫌なのですか?」

 

 一撃必殺の上目遣いからのうるうる攻撃をケイティがまたもや仕掛けてくる。

 ……自分の武器を分かっている女ほど手強いものはないとは良く言ったものだ。

 男子高校生の俺は彼女の魅力に抗えるわけもなく『……そこまで言うのであれば仕方ない。うん。ケイティがそこまでいうなら仕方ないよな。一緒の部屋でいいぞ』と言ってしまう。

 ケイティは満面の笑みで、『ありがとうございます!』と返事をしてきた。笑顔が眩しい……

 

 そんなこんなで部屋割が無事決まった後、彼女に前のボロアパートに置いてあった物はどうしたのだと聞いたら、明日業者がこの家に荷物を届けてきて、適当に整理しておいてくれると言ってきた。正直全部破棄してもらっても困らないものばかりだったのだが、あったらあったで使うものも中にはあるので、持ってきてくれるのはありがたい。

 

 で、その後はケイティの手料理を初めて食べた。

 食べた感想? めちゃくちゃ美味しかったよ。いや、お世辞抜きで本当に美味しかった。そうだな……高級料理店に行ったら出てくる料理みたいな盛り付けで、味も超一流のシェフが作ったみたいな。いや、俺の味覚に合うように微調節がされていたから、超一流を超えているかもしれない。

 まあ、そんな素晴らしい料理を食べながら、俺が壊れたラジオみたいな感じで美味しい美味しいと何度も言ってたら、ケイティが突然涙を流し始めて『何事!?』っていう感じになったが、それは嬉し涙だったらしい。心臓に悪いから泣かないで欲しいよ、本当に。

 そんな感じで新しい家での一日が過ぎていった。

 

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