出来損ないの転生魔術師〜三千年の時を越えて俺に会いに来たエルフがいるって本当ですか!?〜 作:☆あきつしま☆
シュルシュル……
脱衣所に入るなりケイティは服を脱ぎ始めた。
おっと、俺は目をつぶっているので大丈夫だ。何も見えていない。……いや、本当は彼女のブラが少し見えたが、それでも問題ない。あと、俺は興奮などしていない。ほら、体の震えも未だに収まっていないし。
プルプルしながら俺は部屋の端っこへと行き……体育座りをしてうずくまる。
シュルシュルシュル……パサッ……ペタペタペタ……
ケイティが近づいてくる足音が聞こえる。
……やばい、殺される……っ!
前まで『そんなことケイティがするわけ無いだろ?』とか思っていたのに、今はむしろ『ケイティだったらやりかねん』とかそういう思考になっている。さっきの暗い笑みと拳銃が原因だ。
ペタペタ……ペタっ
「ご主人様、どうされましたか? 早く服を脱いで浴室に行きましょう」
そう言ってケイティが俺の腕を触って――
「ひ、ひぃぃぃいいいいいいいい! ――ひぎゃあああああああああ!」
彼女に触られたことに悲鳴を上げ、そして顔を上げて彼女の裸体を見たことに再度悲鳴を上げた。
な、なんで全裸!? いや、今から風呂に入るんだからおかしくはないが、タオルを体に巻くとか色々やりようはあるだろ!? なんで何もせずに俺に全てをさらけ出してんだよ! あっ、下も金色だ……髪と一緒なんだな――ってヤバい! 体の震えは止まったけど鼻血が……!
「ご主人様……流石の私も触れるだけで悲鳴を上げられると泣きたくなってしまい――ご、ご主人様!? 大丈夫ですか!? ……このタオルで鼻血を!」
ケイティが右手に持っていたタオルを俺の鼻に押し付けてくる。
「ご主人様!? 体調が悪いのですか!? どこか痛いところが!? もしかして……蘇生魔術が上手く出来ていなかった……とか……? ……ご主人様! 死なないでください! もう私を一人にしないでください!」
「ひや、ふぉうじゃなふふぇ……」(いや、そうじゃなくて……)
泣きわめき出したケイティをなんとか落ち着かせようと声を出すが、彼女がタオルを無茶苦茶な力で俺に押し付けているせいで全く声が届いていない様子だった。というかくぐもって自分でもなんて言っているのか分からん。
「ご主人様! ご主人様!」
ぷるんッ……ぷるんッ!
「ふぁ、ふぁえふぉふぁくふぇ! みふぇてふ、みふぇてふかふぁ!」(ま、前を隠せ! 見えてる、見えてるから!)
「いや、いやです! 逝かないで……ご主人様ぁ!」
プルプルプルンッ! プルルルンッ!
いかん! ケイティがさっきとは違う意味でおかしくなったぞ!
俺は目の前で揺れる立派な二つの山から出来るだけ目を逸らしながら、なんとかこの状況を打破する方法を考える。
今の俺がなんといっても……おそらく彼女は聞く耳を持たないだろう。というか、今の俺だとどうすればいいのか全く分からん。
しかし……あいつならどうだろうか? あいつなら……このケイティをどうにかできるのでは……?
まあ、あいつとか言っているけど結局は自分なんだがな。
よし、そうしよう。今すぐ興奮して記憶の封印を解除しよう。なに、興奮するなんて簡単さ。俺の理性を吹っ飛ばせばいいだけなんだから。
まず、このケイティの胸をチラ見ではなくガン見します。
すると、泣きながら俺の鼻血を止めようと必死だったケイティが、俺の熱い視線に気が付き……動きが少し鈍くなります。
次に、この動きの鈍くなったケイティに両手を伸ばして……胸を揉みます。
ムニュン……ムニュン……ペチペチペチ……ムムムムニュン!
これで、視覚と触覚のダブルパンチで脳を刺激します。
しばらくすると、ケイティに対して感じていた恐怖心が綺麗サッパリと消えて……彼女の胸のことしか考えられなくなります。
「……ご、ご主人様……ンッ……お、お上手……ですね……ぁあっ」
「ふむ…………ふむ…………なるほどね………」
そして揉むこと十秒……
カチッ……
記憶の封印解除が無事行われました。
俺は動きが完全に止まったケイティからタオルを貰い受け、綺麗に鼻血を拭き取ってから声を掛ける。
「ケイティ。少しは落ち着いたか?」
「そんなことよりもご主人様……わ、私の胸のもみ心地は如何だったでしょうか……? ご主人様のために毎日保湿成分を塗ったりしてすべすべのぷにぷにに仕上げてはいるのですが……」
「……え? いや……今それはいいじゃん? というか、俺は『落ち着いたか?』って聞いたのに、その返しとして『もみ心地はいかが?』というのはおかしいだろ。まあ、いい。その様子だと落ち着い――」
――ジャキッ!
「……ご主人様、もう一度聞きますね? 私の胸のもみ心地はいかがでしたか?」
ケイティが拳銃を異次元収納空間から目に見えない速度で出して、俺の額に突きつけてきた。
おやおや。これは怖い。
「そいつは『科学』というものが生み出した百年以上前の武器だな。今は魔術の急速な発展の煽りを受けて科学自体下火となっているが……その拳銃は人を殺せる攻撃力がある。見た目からしてもうヤバそうだし、アニメでも解説していたからな。そういうことだからケイティ。それは俺が預かっておこう。女の子が持っていて良いものじゃないぞ」
彼女にその武器の危険性を説いて俺が没収しようとしたのだが……カシャッ! カチッ! と矢継ぎ早に撃鉄を起こして安全装置を解除し、ケイティは引き金に指を掛けた。
……ほうほう。なるほどね。