※この作品はR-18です。

出来損ないの転生魔術師〜三千年の時を越えて俺に会いに来たエルフがいるって本当ですか!?〜   作:☆あきつしま☆

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サラ

 謎の女性に連れられてケイティから逃げたと思ったら隣だったでござる。

 彼女は俺を抱きかかえたまま大きな部屋――おそらくは謎の女性の私室――に向かい、そこのベッドに俺をゴロンと寝転ばせた。

 

「……ここは?」

「さっきも言ったとおり、私とアイゼア君のお家。そしてこの部屋は私の部屋」

「……ケイティの家の隣だけど」

「それは意図的。貴方と彼女を監視するため、私が前のオーナーと話をした上で追い出して購入した」

「……で、君は?」

「私はサラ。アイゼア君、久しぶり。中学三年生以来」

 

 彼女はパサッとフードを外し……顔を見せてきた。

 全てを飲み込んでしまいそうなほど黒い髪と瞳。それとは対照的に雪のような白い肌。そして……喜怒哀楽が全く無い、人間味がないような表情の彼女。ちなみに胸は壁のように平らである。

 彼女は間違いなくサラだ。昔からの幼馴染で、中学三年生までは一緒の学校の一緒のクラスにいた。

 まあ、高校からは彼女はこの国で選りすぐりのエリートが行く学校である第一魔術学院に、俺はこの国で選りすぐりのバカが行く学校である第五魔術学院に行ったから離れ離れになったが。というか、中学二年生の初めころから徐々にお互い接点がなくなっていったような気がする。

 彼女は貧乏な俺のために毎日お弁当を作ってくれていたのだが、ちょうどその頃からお弁当を作ってくれなくなったし。何が原因でそうなったのかは……分からない。まあ、俺が知らない間に何かをしてしまったのだろう。よくある話だ。

 

 しかし……そんな彼女が俺を助け出してくれたとは……

 

「……まあ、まずはお礼を――」

「そんなことよりも早くその怪我の手当をしないと。じっとしていて。あと話しかけないで」

 

 彼女はうつぶせになっている俺に両手をかざしてきて……目を閉じた。

 サラは治癒魔術も使えるのか。すごいな。でも……口は閉じたままだけど詠唱はしないのか? 

 疑問に思っていた俺だったが……突然、彼女の手が明るく優しい光を発し始めた。それに伴って、俺のズキズキと痛んでいた傷も癒やされていく感じがする。

 ……これはあれだろうか……? ケイティが言っていた『無詠唱魔術』なのだろうか?

 

 

 一分後。そこには怪我が完全に治った俺がいた。

 

「……いや、まじでサラすごいな。結構重症っぽかったのにこんなにあっさりと傷を治してくれて。というかさっきのも無詠唱魔術なのか?」

「これでも治癒速度は学院では遅い方。トップクラスの人たちなら一秒で治す。あと、さっきのも無詠唱魔術。超便利」

 

 無表情のまま、サラはVサインを手で作ってくる。

 ……うーん、どういう感情なのかいまいち分からん。まあいいか。

 

「じゃあ傷も治ったところで改めて。さっきはありがとうな。色々と危ないところを助けてもらって。それと治療してくれてありがとう」

「あたりまえのことをしただけ。感謝されることじゃない」

 

 サラは一切表情を変えない。

 ……クールだな。普通は少し喜んだりするものだと思うんだが……。まあ、お礼を言えたからいいや。

 

 

 ◇

 

 夕方。

 現在、俺はバカみたいに大きい食堂で一人ぽつんと椅子に座って料理を待っている。

 治療の後、色々サラと話していたのだが……俺のお腹がぐうぐうとなったのを聞いて、彼女が料理を作ってくれると言ってきたのだ。

 それはラッキーということで、『じゃあ宜しく』と頼んで……今に至る。

 まあ、そういう感じでめちゃくちゃ暇になったので、彼女から聞いた話を頭で整理することにした。

 

 まず、サラは良く分からないけど俺とケイティの行動を監視していた。といっても、サラにも学校があるので帰宅後からだったらしいが。

 監視していた理由に関しては……何も教えてくれなかった。頑なに『私からは言えない』とか『すぐに分かる』とか言ってきたのだ。あまりにもしつこく聞きすぎたせいで、最終的に『うるさい』って言われたけど。

 

 次。まあこれは昔の話だったのだが……中学二年生から接点が薄くなっていった理由。これについては……いや、こっちもなにも教えてくれなかった。

 『いや、流石にそれは色々と隠しすぎじゃない?』と言ったら『女性は隠し事をたくさんするもの』と返してきた。こちらの方もしつこく聞いていたら『黙って』って言われたよ。

 

「はぁ……」

 

 俺はため息をつく。

 久しぶりの再会だっていうのにあいつはなんだか冷たいし。それにあれだぞ? 俺と話しているとき、サラのやつ本を読みながらだったんだからな? 相槌も打たないし目線も合わせないし、しまいには『それ以上しゃべるなら家から追い出す』とか言われたんだからな?

 さっきは『色々と話した』って言ったけど、あれは『俺が一方的に話した』ってだけだぞ。

 なんだか悲しくなってきて心の涙を流していると……ガチャリと食堂の扉が開いて、料理を持ったサラと……もう一人、大人の女性というような人が入ってきた。

 彼女は犬耳と、よく見たら尻尾が生えており、なんだか犬を擬人化させたみたいな感じだった。いわゆるケモミミっ娘である。

 サラと同じく全てを飲み込んでしまいそうなほど黒い髪と瞳、それと白い肌。あと、胸はサラと同じく断崖絶壁である。しかしながら、感情は豊かそうな感じがした。てか、今もニコニコ?と笑っているからな。まあ、何か裏がありそうなニコニコ顔だったけど。

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