※この作品はR-18です。

出来損ないの転生魔術師〜三千年の時を越えて俺に会いに来たエルフがいるって本当ですか!?〜   作:☆あきつしま☆

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やぶ蛇?

 次の日。

 いつものごとく朝ギリギリに起きて、目にも留まらぬ速さでカップ麺を食べ、学校へ行く支度をちゃちゃっと済ませてから『行ってきまーす』と言って家から出ようとしたのだが……玄関まで俺に付いてきていたケイティに制服の後ろ襟を掴まれる。

 

「ぐはっ……! お、おい! いきなり何をするんだよ!」

 

 ひとまず襟を掴んでいる手を離してもらって、彼女の方を振り返ると……ほっぺをプクーと膨らませて俺の事を睨んできていた。

 ……ハムスターみたいで可愛いが、朝から一体何なんだ?

 

「要件は手早く済ませてくれ。いつもギリギリに起きてご飯を食べているから時間的余裕がないんだよ。まあ遅刻しても怒られはしないが」

 

 確かに怒られないが放課後に反省文を書かされるので、それが面倒で嫌なのだ。

 そういう理由で俺が急いでいるような雰囲気を出していると……ケイティが怒った口調で、

 

「昨日、『私を置いてどこかに行ったりとか消えたりしないでくださいね? ずっと一緒ですからね』と言ったらご主人様は『約束する』と、そうおっしゃってくださったのに……昨日の今日で早速それを破るおつもりですか!? 三千年前のことに関してはご主人様とこうして再び出会えたので水に流しますが、二度目はありません! 仏の顔も三度までということわざがあるようですが、私の顔は一度までです!」

 

 と言ってきた。よく覚えているなぁ……というか、激おこじゃん。朝からガミガミ言われるのは勘弁願いたいんだが。

 しかし、俺が約束したのは事実だ。事実なんだけれども……

 

「……仕方ないじゃん。俺は高校生。面倒くさいが学校に行かなきゃいけないんだよ。まあ、学校の成績は下から数えたほうが早いし、なにより魔術がろくに使えないから、正直言って魔術学院に行っても行かなくても同じような感じではあるが」

 

 学校に行くこと自体、貧乏な俺にとっては金の無駄だと思っていたんだが……すでに一年分の学費は払ってしまったからな。せめて今年は行っておかないとそれこそ金の無駄になる。いや、ケイティのあの通帳を見た後だと、学費なんてはした金なんだけど。

 はぁ、とため息をついていると、ケイティが俺の手を優しく握ってくる。

 

「……またそういう暗い考えをして……いいですか? ご主人様は必ず魔術を使えるようになりますから。それに、成績だって私がいるから大丈夫です! 学校へ行かなくてもいいというのは正直同感ですが……お友達と一緒に過ごす時間も大切ですよ?」

 

 ……昨日も思ったが、その謎の自信はどこから湧いてくるんだ? まあ、彼女は嘘をほとんどつかないタイプの人っぽいから、本当に魔術が使えるようになるのかもしれない。それは大歓迎である。

 しかし……ケイティも優しい顔をして結構エグいことをぬかしよる。『お友達と一緒に過ごす』とか……

 

「……友達は……いや、なんでも無い。とにかく、なんだ……その、気遣ってくれてありがとう。で、結局どうすんだよ。俺は学校に行かなきゃいけない。でも、ケイティは学生ではないから学校には入られない。ただ、俺とは離れたくはない。解決策としては、俺と同じ学院の生徒になるくらいだが……」

「……その解決策、いいですね! それならご主人様と離れ離れになりませんし、どうやらお友達がいない……あっ! いえ! 学校生活が充実していないご様子ですし。私がご主人様と同じ学校に転入すれば、全てまるっと解決しますよね! 私が、ご主人様に『青春』と『リア充生活』というものを提供して差し上げます!」

 

 ……口を閉じるのが遅せえよ。ほとんど全部言ってんじゃねえか。そこまで言ったなら最後まで言い切ったほうがまだ良かったぞ。

 ただ……高校で『青春』、『リア充生活』かぁ……ケイティみたいな美人さんとそういうことするとか……最高じゃん。あ、いや、別に俺は今のままでも良いですけどね? 

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