(もう死にたい……もう一度団長さんに会えてもこんな私は見せたくない……いっそ死んでしまおう……そうすれば団長さんの中の私は清らかなままだから……)
ベッドの上で目を覚ました全裸のスノードロップはぼんやりと思う。もっとも死ぬことはできそうもなかった。舌を噛まないように口枷が嵌められていて、首には首輪がかかっている。もちろん首輪には鎖が伸びていてレンガの壁に繋がっている。ベッドで鎖で繋がれている手枷足枷については言うまでもなかった。
(体中鞭打ちの跡だらけ……)
体中に走ったミミズ腫れを見ながらスノードロップは悲しく思う。先ほどの自らの痴態が嫌でも思い出される。アネモネに何度も鞭打ちされ、最後は股間に鞭打たれて失禁しながら気をやって気絶したのだ。思えばあの時に一思いに舌を噛んで死ねば良かったのである。
「おはようスノードロップ。気分はどうかな? よく眠れた?」
アネモネが姿を見せる。冷たい声音と視線がスノードロップの全身に突き刺さる。アネモネの言葉からするにどうやらあの鞭打ち責めから一晩経ったらしい。
昨日の責めでよくわかったことだが、かつて尊敬の対象であったアネモネはもういないのだとスノードロップは思わざるを得なかった。今彼女の目の前にいるのは頼もしい花騎士のアネモネではなく、自分と団長に嫉妬の炎に身を焦がした夜叉でしかなかった。
「ふごふご! ふごぉっ! (いいわけなんかありません!)」
アネモネに鋭い視線を向けるスノードロップ。目には憎悪の炎がある。温和で心優しい性格ではあるが、さすがに事ここに至れば、かつて尊敬の対象であったアネモネにも貴族に向けるそれと同じ視線を向けている。許せるはずなどなかった。アネモネの嫉妬で自分と団長は裂かれ、自身は卑劣な罠に貶められているのである。
「まだそんな眼が出来るんだね……」
そんな視線を真正面から受けつつ、アネモネはベッド脇へと歩み寄った。手には取っ手が付いた壺のようなものを持っている。そして壺から何やら液体のようなものを手に垂らすとスノードロップの全身に塗り込み始めた。
「もごもご! もごもご! もごもご! (これ以上触らないで! 汚らわしい!)」
アネモネは声を上げて身を捩らせて抵抗するスノードロップの事など気にする様子も無く液体を全身に塗り込み始めた。特に乳房や陰部に丹念に塗り込んでいく。
「もご……もごもご! (ああっ! ああっ!)」
液体を塗り込めるアネモネの手が感じるところに触る度にスノードロップは身を揺すぶらせた。液体がミミズ腫れに染み込むと染みるような痛みが襲い来るのである。もっとも淫紋がなくても痛みすら肉悦へと移り変わらせるようになりつつあるスノードロップの肉体は敏感に反応していた。
「全くどうしようもないね……お薬を塗ってあげてるだけなのに乳首が立ってるし、オマンコがもうドロドロ。これじゃ薬も塗ってあげてもあなたのマン汁で流れてしまうわね」
アネモネが嘲るような声を上げる。事実、スノードロップの乳首は硬くしこり陰部は薬とも愛液ともつかない粘液でベタベタになっている。
「ここに鞭打ちはできなかったけど……」
アネモネの手がスノードロップのお尻の穴に伸びた。指が入り込み乱暴に腸内を掻き回す。
「むぅ……ごぉっ! (そこはだめぇ! あ……ああっ!)」
腸内への乱暴な侵入者にスノードロップの体が跳ねる。刺激の強い薬を粘膜に直接塗り込められたのである。もちろん軽く絶頂してしまった。アクメと同時に肛門がアネモネの指をキュンと甘く締め付ける。
「だらしないお尻……あるいは雌犬らしいと言った方がいいかな。あなたがお尻でイク所、私は全部見ているんだから。もしかしてあなた……オマンコよりお尻の穴の方が感じやすいのかもしれないね。処女は奪えないという事でお尻の穴を重点的に調教したのだけど、はっきり言って想像以上なのよね」
アネモネが嘲りの声を発する。もちろんスノードロップがお尻を感じやすいことをアネモネはよく知っているからこその行為であった。それは苛烈な調教の結果でもあり、自身の資質でもあった。
「さて、数時間もしたらミミズ腫れは消えるわ。それまで少し休憩ね。腫れが消えたら、また楽しみましょう?」
全身に薬液をすっかり塗り込んでしまうと、アネモネはスノードロップの頬にキスをして囁きかけた。
「うごうごうご! (楽しみたくなんかありません!)」
スノードロップは身をバタつかせ、抗議の声を上げるが、もちろんアネモネには届かない。
「楽しみにしていてね?」
能面のような笑みを顔面に張り付かせたアネモネが立ち上がりながら言う。
「気が狂う寸前まで……責め抜いてあげる……あなたが女として生まれた事を後悔させてあげる……楽しみにして……」
そして悪魔のような表情を浮かべてトドメのような一言をスノードロップの耳元で囁いてアネモネは立ち去っていった。
アネモネの言葉は嘘ではなかった。少々沁みるものの、薬液を塗り込められた身体から見る見るうちにミミズ腫れが消えてゆき、まるで何もなかったかのような見かけになった。恐らくは相当腕の立つ薬師が調合した薬に違いなかった。
「ふふふ……ミミズ腫れはすっかり消えたみたいだね?」
ミミズ腫れが消えるのを見計らったようにアネモネが現れる。昨晩、そして先程は(スノードロップにも見慣れた)白の上着と青のスカートといった清楚な出で立ち。だが今は申し訳程度に陰部と胸部を覆った黒い革製の水着とも下着とも言える姿である。能面のような冷たい笑みを浮かべているので、その姿は堕天使のようにも見えた。
「うごうご! (いやいや! 来ないで!)」
口枷のせいで言葉にならない叫びを漏らすスノードロップ。眼からは涙、そして唇の端から涎が垂れ落ちる。
怖くて仕方がないのだった。アネモネが言う女性として生まれたことを後悔する程の責め苦、それが何かわからないからだった。これまでの責め苦ですら自らが女性であることを呪わしく思うことが何度もあったのである。
もはや今のスノードロップは花騎士でも何でもなく、年相応に怯える少女でしかなかった。世界花の加護も花騎士として積み上げた称賛も経験も今の状況では何の手助けにも救いにもならないのである。
「覚悟はいいかしら?」
そう言いながらアネモネはベッドの端、スノードロップと並ぶように腰を降ろし、人差し指でスノードロップの乳輪をくすぐるようになぞり乳首をつついた。
「ふぅっ……!」
呻きとも喘ぎともつかぬ声を上げるノードロップ。体を揺さぶってアネモネの指から逃れようとするが、それはただ白く形の良い乳房を揺らしてアネモネの目を楽しませるだけの結果に終わる。
「改めてみると……淫乱の泥棒猫にふさわしいドスケベな身体だね。もしあなたが花騎士になってなければ、あなたの天職は娼婦に違いないわ。そうであればよかったのに!」
嘲りながら乳房と乳首を指で弄ぶアネモネ。みるみるうちにアネモネの顔から表情が消えて行く。指が深く乳首を捕らえ乳房へと力強く押し込む。それを何度も繰り返す。
「うぐっ……ぐぅっ! (乳首を痛くしないで!)」
指での乳虐に悶え苦しむスノードロップ。弄ぶことに飽きたのか、ようやく乳首が解放される。もちろん、その刺激で乳首は硬くしこっていた。
「あなたのマゾっぷりにはもう呆れるしかない。乱暴にされてもこんな反応を返すんだね……」
まるで氷のように冷たい視線をスノードロップに浴びせかけながらアネモネは今度は乳房全体を手の平で掴んだ。指の間に乳首を挟み込みながら爪を立て、まるでパン生地か何かのように乱暴に捏ね回す。
「ひぐぅっ! ぬぐぅ! ぐぅっ! (痛い! やめて! もうおっぱい痛くしないで!)」
瞳の中に涙をいっぱいに溜め、唇の端から涎を垂れこぼしながらスノードロップは悶える。ようやくアネモネが手を離した時、乳房には爪の跡が赤く残されていた。それほど強く乱暴に乳房を扱われたのである。
「さて準備をしないとね……」
乳房や乳首を虐げることに飽きたアネモネが荒々しい息を吐きつつ立ち上がる。忙しく部屋を行き来して必要な道具を揃えて行き、スノードロップにもあれこれと準備を施す。もちろんスノードロップも無意味な抵抗を試みたが、癇癪を起こしたアネモネに乳房を二度三度と蹴り上げられて押し黙ってしまう。
「これでいいかな……」
満足気にアネモネが呟く。ベッドの上でスノードロップはM 字開脚の形で戒められていた。足を閉じようにも膝のところで棒を渡され閉じる事が出来ない。腰の所には陰部と臀部を少し差し上げるような形でクッションが宛がわれた。クッションは上体にも宛がわれ、少し身を起こした形となる。
「これを忘れていたわね……」
わざとらしくアネモネはいい、股間が丸写しになるように大鏡がスノードロップの前に固定される。上体が起こされているので、スノードロップの目には自身の陰部がよく見えるようになっていた。
(自分でもよく見たことないのに……ああ……なんていやらしい形をしているんだろう……)
初めてマジマジと見る自分の陰部に頬を紅潮させるスノードロップ。鏡に映された陰部は何も刺激を受けていないのにかかわらず、膣口がヒクヒクと慄き、窄まりが物欲しげに収縮していた。
「自分でも思うでしょう? 自分が淫乱と言うにふさわしいドスケベな身体の持ち主だって! オマンコもお尻の穴もあなたの体全てが淫乱なのよ! あなたは淫売として生まれて来たんだよ!」
スノードロップの戸惑いを察したアネモネが耳元で囁く。陰部に指を伸ばし、膣口を丁寧に指で寛げる。ぬちゃりと粘液質の音がしてピンク色の肉襞が大鏡に映される。つぅと透明な液体が一筋零れ落ちた。
「むぅっ……うぅん……! (ああんっ! 指で拡げないでぇっ!)」
その様に思わず目を背けるスノードロップ。しかしアネモネが顔を強引に大鏡に向けて目を逸らすことを許さない。ならばと瞳を閉じるものの、乳房が抓られて目を開けることを強要される。結果、アネモネの指の刺激で陰部がドロドロのぐちゃぐちゃになるまで目を逸らすことが許されなかった。
「まずはあなたの大好きなお尻の穴から行きましょうか」
アネモネはそう言うと、用意していたディルドーをスノードロップの目の前に差し出す。スノードロップには見覚えのあるディルドーだった。外で気をやった時にお尻に差し込んだディルドーである。僅かにスノードロップの目尻が下がり、戸惑いとも期待とも言える色が瞳に薄く浮かぶ。
「見覚えがあるでしょう? 見ただけでもお尻が切なくなるよね? 多分あなたが一番好きなディルドーだと思う。あの時のあなたの反応は本当に素敵だった」
アネモネはそう言いながらディルド-をスノードロップの頬に押し当てる。そして今度は首筋、乳房と順々に下になぞって行く。
「本当はこれであなたの処女を惨たらしく奪いたいとこだけど!」
アネモネはそう言ってディルドーを膣口に押し当てなぞり上げる。
(愛してもいない誰かに惨めに捧げるぐらいなら……いっそこれで処女を奪って……)
観念したように瞳を閉じるスノードロップ。わずかに腰を動かして自ら陰部にディルドーを押し当てる。
「ダメよ? そんな逃げなんて許さない! あなたの処女は然るべきところで然るべき形で奪われるべきなんだから! あなたは淫売らしく誰かのオチンポをオマンコいっぱい咥え込んで下品なよがり声を上げながら処女を喪うのがお似合いなんだからね!」
スノードロップの行動の意を察したのか、アネモネは僅かに表情を歪める。本当はアネモネとてそうしたい所なのだがもちろん貴族からは釘を刺されている。
アネモネはディルド-を膣口から離し、スノードロップの愛液を絡めるように陰部全体をなぞり上げた。これまでの刺激で徐々にその量を増やしていた愛液が絡みつき、たちまちの内に妖しく濡れ光る。そしてディルドーが窄まりに強く押し当てられた。
「あなたのドスケベなお尻の穴がディルド-を咥え込む様をよく見るのよ!」
アネモネは叫び、一息にディルドーを窄まりに根元まで押し込んでしまう。
「ふぐぅっ! うがぁっ!」
いくら愛液で濡らしていたとはいえ、一息に奥まで突きこまれスノードロップは痛みに悶え苦しむ。首をよじって顔を苦痛に歪める。
「さすがに一息だと苦しいみたいね。でもあなたのお尻の穴は喜んでいるみたいよ!」
苦痛に歪むスノードロップの表情を半ばうっとりとして見つめるアネモネ。手を動かしてスノードロップの腸内を抉るたびにスノードロップの表情が歪む。
「もっと私にあなたの苦痛の声を聞かせて?」
アネモネはスノードロップの口枷を外す。
「だめぇ! だめえっ! むぅ……うぐっ!」
口枷を外され、スノードロップの唇から喘ぎと悲鳴が漏れる。アネモネの手が伸びて顔を強引にアネモネの方へ向かされ、唇をアネモネの唇が塞いでしまう。アネモネの舌が乱暴に口内に入り込み、スノードロップの舌を舐め回す。もちろんその間にもディルドーはスノードロップの腸内を乱暴に嬲り続けている。
「むぅっ! ふぅっ! うううんんっ! うううんんっ!」
そうこうしている間にスノードロップの身体が大きく震えた。口内と舌を蹂躙されディルドーにお尻の穴を嬲られて絶頂に達したのである。もちろん先日と同じように、スノードロップの絶頂とタイミングを合わせるようにディルドーが打ち震え腸内へと灼熱の粘液を勢いよく叩き付け、スノードロップの肛虐の興奮にさらなる彩りを添えるのだった。
「どうやらイッたみたいだね?」
擬似的とはいえ腸内の射精に絶頂に達し瞳をトロンと甘く疼かせたスノードロップを見てアネモネは唇を離した。
離された唇と唇の間に二人の唾液の入り混じった橋が架かる。一方のスノードロップは瞳を甘く疼かせたまま半開きの唇から湿った吐息を漏らし、淫蕩な表情を浮かべて肩を大きく喘がせている。
大鏡にはいまだ窄まりに突き刺さったディルド-、そして絶頂に慄き膣口からトロリトロリと蜜を滲ませる様が大写しになっている。アネモネはディルドーを引き抜いた。ぽっかりと開いたスノードロップの尻穴から、泡立った白い粘液がドロリと垂れ落ちた。しかし窄まりはまだ満足していない様子で、新たな刺激を求めてヒクヒクと肉感的に蠢いている。
「救いようがないほどスケベな尻の穴ね! まだ欲しがってるわよ! 分かった! まだまだしっかりと咥え込みなさい!」
アネモネはそう言うともう一度ディルド-をスノードロップのお尻の穴に深々と突き刺すのだった。スノードロップの唇からまた甘く湿った吐息が漏れた。
「この程度で終わりと思われたら困るんだけどな……」
アネモネはスノードロップの被虐の表情に背筋を震わせながら立ち上がった。アネモネの太ももにもべっとりとした筋が垂れている。スノードロップを責めつつ自身も興奮しているのだった。そして今度は赤くて太い蝋燭をスノードロップの目の前に差し出す。
「嫌です……ああ……それだけは勘弁してください……」
蝋燭を見たスノードロップの声が強張り、快楽とは違う恐怖に身を震わせる。あの淫紋を知った「ウィンターローズのHなウソホント」に蝋責めの記述もあったのだ。蝋責め専用の蝋燭を用いて、火傷しない程度の温度で溶け落ちる蜜蝋を女体に垂らして責め嬲るのである。本には上級者向けなので専用の蝋燭を用いたとしても決して安易に真似はしてはいけない。そう記されていた。
「ふーん、何をするか知ってるんだ……」
アネモネはニヤリとしながら蝋燭にマッチで火を灯す。揺れ動く炎がスノードロップの恐怖をさらに掻き立てる。鞭で打たれるのと熱蝋を体に垂らされる、そのどちらが辛いのかはこれから明らかになるのである。
「覚悟は良いかな? あなたが望むなら……淫紋を作動させてもいいのよ? 垂らされる熱蝋の痛みが淫紋で消えるかもね。もちろんあなたは淫乱だから淫紋と熱蝋が効きすぎて大変なことになっちゃうかもしれないけれど!」
アネモネはニヤニヤ笑いを大きくしながらスノードロップに問いかける。もちろんスノードロップは即答できない。
確かにアネモネの言うとおりで、淫紋による悦楽が熱蝋の痛みを消すかもしれない。しかしその逆も十分にあり得るのである。それを考えると非常に歩の悪い賭ではあった。
「淫らに狂いたかったらいつでも言ってね? とりあえずやってみましょうか?」
答えられないスノードロップを見てアネモネは妖しく焔がゆらめく蝋燭を見せつけるようにまず左の肩口に蝋燭を近づける。そして一滴肩口に垂らす。垂らされた肩口に赤い蝋の歪な花が咲いた。
「ああっ! 熱い! こんなのダメぇっ!」
悲鳴を上げて体を揺らして身悶えするスノードロップ。僅か一滴だけ垂らされただけでも鋭い痛みが走る。瞳にじわじわと涙が浮かび始めた。
「お願いします……淫紋を……作動させてください! …………アネモネ……様……」
蚊の鳴くような声で淫紋の作動をスノードロップは懇願する。肩口に垂らされただけでもこの様な痛みなのである。これから行われるであろう敏感な場所への蝋責めは耐えられそうもなかった。淫紋がもたらす快楽、これが痛みを打ち消してくれる事を期待するしか他に手はなさそうだった。自らを貶めたアネモネに屈服するという屈辱など考えている余地はなかった。
「え? 何か言ったかな? 聞こえなかった」
アネモネは意地悪げな笑顔を顔中に貼り付けている。さらにもう一滴今度は反対の肩口に垂らした。
「ああっ! 熱い! お願いします! 淫紋を作動させてください! アネモネ様!」
瞳に一杯の涙を浮かべてスノードロップはもう一度声を、今度は大きく上げる。
「意外と覚えが悪いんだね? あの人はあなたにお願いする時の言葉遣いも教えているはずだけどな?」
遂に自分への媚びまで含み始めたスノードロップの言葉にアネモネは一瞬はニヤリと笑みを浮かべるものの、すぐに表情を冷たくした。今度は蝋燭を胸元に近づけ、白い乳房に炎を近づける。
「覚えの悪い淫売の泥棒猫にはお仕置きがいるみたいね!」
「ああっ! アネモネ様! ああっ熱い!」
今度は乳房に溶けた蝋を垂らされスノードロップは大きく体を震わせて悶絶した。涙がボロボロと顔面を濡らしている。
「言いますぅ……ちゃんと言いますからぁ……」
スノードロップの言葉はもはや親のお仕置きに耐える童女に近しいものになっていた。肉体だけではなく心迄もが折れかけているようだった。
「アネモネ様お願いします……どうかスノードロップの淫紋を作動させてください……スノードロップは淫乱な泥棒猫です! お尻にディルド-を咥えこんではしたなくよがる淫売です! オナニーするのが大好きです! お尻にオチンポ様をハメて頂きお腹の中にザーメンを出してもらうのがとても大好きです! ですから……どうか……淫紋を作動させてください……!」
顔中を涙でグチャグチャにしてスノードロップは叫ぶ。それはほとんど心が折れた証拠だった。今のスノードロップには熱蝋がもたらす痛み、それをどの様にして耐えるか、しか考えが及ばなかった。耐えるためならどれだけでも自らを貶める言葉でも口に出来た。
「ふふふ……ようやく自分が淫乱な泥棒猫だって認めたんだね……」
「はい! 私は淫売の淫乱な泥棒猫です! だから……お願いします!」
「じゃあ作動させてあげる。でも……どうなるかは知らないわよ? 精々本当に狂ってしまわないように祈ることね!」
スノードロップがほぼ屈服の態度を示したことにアネモネは満足気な気持ちを抱く。と同時に心の何処かに一抹の寂しさもある。
昨晩スノードロップを鞭打ちしながら吐露した心情の通り、スノードロップと団長が相思相愛の間になっていなければ、今も害虫との戦場で助け合う心の底から信頼のおける戦友同士の間柄でいられたのである。貴族と結託して彼女を卑劣な罠にかけ、肉奴隷に調教することもなかったのである。もちろん、何もかも手遅れであった。
(可哀想なスノードロップ……だからせめてどんな変態な行為でも喜んでオマンコを濡らす淫乱な肉奴隷にしてあげるね!)
アネモネは蝋燭を一度身体から離し、空いている手をスノードロップにかざす。そして短く詠唱。スノードロップの体に淫紋が淡く浮かび上がり、体の芯に魔淫の悦楽の火が灯る。
「ああ、ありがとうございます! アネモネ様ぁっ!」
スノードロップのあげる悦びの声。その悦びの声を聞きながら、アネモネは今度は乳首に熱蝋を垂らす。
「ああっ! あ……でも! 痛いのに……痛いのに気持ちいい! 乳首が痛いのに気持ちいいです! こんなの初めてぇっ!」
乳首への熱蝋に弾けたように体を揺さぶり乳房を振り乱して声を上げるスノードロップ。しかしその声は痛みでは無く肉悦の声だった。もはやアネモネへの憎悪など消え失せたかのように瞳を甘く潤ませて屈託なく喘ぎ声を上げて肉悦を貪っている。
熱蝋の刺激と淫紋の効果が大きな相乗効果をもたらしてスノードロップの心と身体を被虐の魔悦にグズグズに蕩かせていた。
「全くどうしようもない変態さんだね! (いくら淫紋が作動しているとはいえ……これは……どういうこと?)」
アネモネは嘲りの言葉を吐き捨てた。確かに事態は自分の望んだ方向に向かっているのだが、スノードロップの反応が自分の想像を遥かに超えていたのである。自分では手に負えない禍々しい何かをスノードロップから引きずり出してしまった気がする。調教しているのはスノードロップを自分が、ではなくスノードロップが自分を、の様な気さえしている。
(まさかここまで淫乱だなんて思わなかった……でもそれなら!)
肉の悦びに喜悦の声を上げるスノードロップの反応に魅入られるようにアネモネは熱蝋の雨を両方の乳房や乳首に降らせる。あっという間に乳房や乳首が蝋の花で覆い隠された。
「いいっ! おっぱいも乳首も痛いのいいっ! ダメぇ! こんなのダメぇっ! ああっ! 感じちゃってるぅ! 蝋燭をおっぱいと乳首にたくさん垂らされて凄く感じちゃってるぅっ! あのね! オマンコも喜んでいるみたいなんです! 凄くオマンコがジンジンしてぇっ! エッチなお汁がどんどん出てくるのぉっ! アネモネ様ぁっ! 垂らしてぇっ! スノドロの淫乱オマンコにも蝋燭いっぱい垂らしてぇっ!」
これまでの全てをかなぐり捨てて淫らに身をくねらせ、矢継ぎ早に思い付く限りの淫語を叫ぶスノードロップ。その様は正に淫売そのもの。スノードロップの魔性に魅入られたアネモネがこれまで用いていた紅い蝋燭ではなく、(恐らくは普通の、つまり火傷の危険性がある)白い蝋燭に火を灯して陰部に近付けた時でさえ、被虐に甘く潤んだ瞳に期待の色を強く浮かばせていた。
そして白い熱蝋が一滴、スノードロップの陰唇、淫らな肉芽に垂らされる。
「あああああああっ! イクぅっ! オマンコのエッチなお豆に蝋燭垂らされてイクぅっ!」
淫紋が無ければ神経が焼き切れる位の強烈な刺激。しかしそれすらもスノードロップの肉体はもはや悦楽としか認識しない。絶頂の興奮に身体が大きくのけ反り震える。そして溶け落ちた蝋の白い花の咲いた肉芽の下。淫らな肉穴は悦びに打ち振るえ、白く粘ついた本気汁をトロリと沸き溢すのだった。
「アネモネ様ぁ! もっとぉ! もっと蝋燭を垂らしてぇっ! スノドロのオマンコやお尻の穴も蝋燭で虐めてえっ! 何度も何度もイカせてぇっ!」
一度の絶頂では物足りない様子のスノードロップは顔中を随喜の涙と涎でドロドロにして叫び、乳房を振り乱し、窄まりにディルドーを咥え込んでいるお尻を淫らにくねらせる。
もちろん、アネモネは是非もない。スノードロップが淫紋と蝋燭責めで魔淫の境地を極めはじめたのと同じく、アネモネもまたスノードロップの魔性に嵌まり込んでいた。スノードロップを跨ぐようにしてベッドの上に立つと、自身の滲ませた愛液でべとべとになっている革の下着を脱ぎ捨てる。そして片方の手でスノードロップへの蝋責めを続け、もう片方の手で自身の陰部をスノードロップに見せつけるように弄り始める。やがてポトリポトリとスノードロップの身体の上にアネモネの愛液が垂れ落ちていった。
一方その頃、騎士団の宿営地では蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
「アネモネさんはいないの? スノードロップさんは?」
「どちらもいないのよ~だから今のところ当直のチョコモスちゃんが最上位だと思う」
騎士団営舎に届けられた一通の緊急文書を前に緊迫した声でやり取りをするチョコレートコスモスとコスモス。団長も団長補佐も、そして団長不在の間騎士団の指揮権を預かっているアネモネも、その補佐とされているスノードロップもこの場に居なかった。
さすがにその次までは決めていなかったのだが、騎士団の規則に照らし合わせればその場合は本日の当直花騎士がその任にあたることになっている。そして今日はチョコレートコスモスが当直の役割だった。ここ最近はチョコレートコスモス、あるいはコスモスが休日の当直を務めることが多くなっていた。その理由と言えば情けない話で、とある失態から多額の借金を負い、その返済のために休日手当が割り増される当直勤務を自ら買って出ているだけに過ぎないのである。
理由はさておいて彼女達の前にあるのは普通の手紙ではなかった。王室の紋章が浮かび上がった蝋で封印されている手紙だった。それは騎士団のしかるべき立場にある人物のみに開封が許された重要な文書であり、本来なら当直の花騎士でもおいそれとは開封出来ない代物である。
「私が開けちゃっていいのかなぁ? 確かにアネモネさんもスノードロップさんもいない今は今日の当直の私が団の最上位みたいだけど……」
チョコレートコスモスの声には緊張がある。普通ならアネモネもしくはスノードロップの帰りを待って、両人のうちどちらかが開封するべきであった。しかし、文書の入った封筒には「団の責任者が封印を解き文章確認後即座に行動すること」を示す文章が書き込まれていたのである。言ってしまえば最重要の緊急文書であった。
「どちらもいないんだからチョコモスちゃんがするしかないのよ!」
コスモスが焦れたように行動を促す。即座に開封し行動を起こさなかった場合、懲罰の対象ともなりうる最重要の書類だけあって、普段の呑気な態度はコスモスからは消えていた。
「分かったわよ……開けるね……」
覚悟したチョコレートコスモスがペーパーナイフで封印を解く。そして震える手で文書を取り出した。読み進める間にチョコレートコスモスの体がどんどんと震え顔が強張っていった。
「コスモスちゃん! みんなを……今ここにいるみんなを……中庭に集めて! 今すぐお願い!」
読み終えたチョコレートコスモスはコスモスに背中を向ける。そして全身を震わせながら声を絞り出した。
「一体何が起こったの?」
「説明はみんなを集めてからするから……私も手伝うからとにかく今はみんなを中庭に集めて!」
チョコレートコスモスのただならぬ気配にコスモスも背筋をピンと伸ばす。そして二人は執務室を飛び出した。
「緊急呼集! 緊急呼集! 緊急呼集! 今ここにいる花騎士は全員中庭に集まって!」
二人はそう大声で叫びながら宿営地を走り回る。途中で見かけた花騎士には声をかけて中庭に集まるよう、他の花騎士にも伝えることをお願いしながら宿営地を駆けずり回る。やがて鐘も鳴り始めた。気を利かせた誰かが鳴らしているのだった。
やがて中庭に(休暇やパトロール任務、あるいは兼業もちなどで今この場所にはいない花騎士を除き)騎士団に所属する全ての花騎士が揃った。皆突然のことに不安気な表情を浮かべてざわざわと話し合っている。
「みんな……どうか落ち着いて聞いてね……その……」
花騎士達を前にして今にも泣き出しそうな表情を浮かべたチョコレートコスモスはゆっくりと口を開き、文書に記された事を話し始めた……