※この作品はR-18です。

目の腐った主人公が居ないんですけど。   作:銀座

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2話

はい、てなわけで何だかんだ奉仕部に入部しました。

 

いや、入部したのか?入部したというか強制されたというかいつの間にか入部していたことになってたというか。まぁいいや、深く考えはすまい。

 

そして何かガンダムファイトやらロボトルファイトがどうこうって平塚先生が言い出したと思ったら、どうにも俺は野生の美少女・雪ノ下 雪乃さんとやらと人助け勝負?をしなくちゃいけないらしい。

 

だからそれ原作主人公の仕事だろいいかげんにしろ!って思ったけど原作主人公がどうやら居ないらしいので仕方ないね。てか何これ俺ひょっとしてオリ主的立ち位置なの?

 

冗談止してくれ。

俺にあんな自虐系ダークヒーローみたいな活躍出来んぞ。無茶言うな。

 

だいたいだな、そもそもオリ主とか踏み台ってのはチート持ちの神様転生者とかの仕事だろ!あれそれ俺だやべぇ俺オリ主だった。

 

ま、待て!慌てるな俺!まだ慌てるような時間じゃないッッ!

落ち着け・・・ッ、素数を数えて落ち着くんだッッ!

 

素数とはッ、1と自分以外で割ることの出来ない孤独な数字・・・!ぼっちの俺に力を与えてくれるッッ!

 

あれ何か悲しくなってきた。

馬鹿な、素数に力を奪われてる、だと・・・?

 

「ちょっと、聞いてるの榊くん。全く、見た目からして人間的に駄目そうだと分かっていたけど、人の話を聞かないのは人として最低よ。・・・ごめんなさい、今のは人間の場合の話だったわ。」

 

 

あらやだ、少しテンパっている間にいつの間にか非人間扱いされてるわ!まぁチート持ちだから人間かと言われたら心臓刺せば死ぬからまだ人だと思うとしか言いようがない。つまりてめぇコラ何人をバケモン扱いしてんだ猫耳付けんぞコラ!

 

「・・・いきなり性癖押し付けながら逆上しないでくれるかしらケモナギくん。というか、怒るならもう少し表情を動かして声に抑揚付けなさい。ただでさえ前髪長過ぎて目が見えないのだから。」

 

「そうだぞ榊。というかお前は髪を切るかせめてサラサラにしてこい。目隠れキャラが寝癖だらけのボサボサヘアーなんて私が許さん。」

 

俺はケモナーじゃないのでその罵倒は俺宛じゃないな間違いない。エア友達にでも話しかけたのかな?てかセツのん、ウチの顧問が教師のくせに性癖押し付けてくるんだけど。なんとか言ってやって。

 

「貴方は私を拗らせ幼なじみにしたいの?それともグルメ料理人にしたいの?後者ならごめんなさい、私料理は得意だけれどそんなに歳をとってないので名誉毀損で訴えるわそして勝つわ。」

 

なんだコイツ漫画とか意外と読むんだな。なるほど、平塚先生が顧問なだけあるぜ。趣味が合うんだな。

 

そんなの知らないわ、言いがかりは止めてくれるかしら?とか何とか言ってるけどもういいや。とりあえず落ち着いたから話を進めよう。

 

で、平塚先生。勝負がどうとか言ってましたが勝負の判定方法は・・・え、平塚先生が審判なの?うっわ何それ公平性の欠片もないじゃないですかヤダー!

 

「シェルブリット・・・ッッ!バーストォッ!!」

 

うわ地味に痛い。

 

この人なんで俺には即手を上げるんだろうか。以前体罰すると今色々めんどくさいんだ。世間がな、だから肉体的にボコる事はしない!とか言ってた気がするんだが。それで精神攻撃に重きを置いているとか言ってたよーな気がする。既にうろ覚えだが。

 

てかホント鳩尾は止めてよねー。結構パワーあったし俺じゃなかったら今の普通に呼吸止まってるぞ。暴力良くない。教師何だから言葉で戒めて下さいよ。これ本当に俺じゃなかったら体罰で訴えられてもおかしくないですよ。せっかく担任教師が美人なのにクビになったら悲しいじゃないか。

 

「えっ!・・・あ、ああ。すまん、気を付ける///」

 

「うわっ・・・、エロキくん、あなたの性癖に口出ししたくないのだけれど、ごめんなさい、担任教師を口説くのはどうかと思うわ。」

 

え、今ので口説いたことになってんの?セツのん意外とピュアっピュアなのね。こんなの軽口にも入らな・・・ちょっと先生、マジで照れ顔すんの止めてくださいよ。え、マジで照れてんの?こんなので?えっっ!?先生今までちゃんと恋人いた事ありますか?結婚とか大丈夫?

 

ぐはっ、とか胸を抑えて蹲る平塚先生。あれ、ごめん。その気は無かったけど酷いこと言っちゃった?ごめんなさい。いやだって平塚先生くらいの美人で恋人居ないとか流石にないかなって勝手に思ってたんだけど・・・すいません、勝手なイメージの押し付けでしたね。

 

「その辺にしておきなさい。それ以上は致命傷よ。」

 

「はぐっ」

 

むしろそれが止めだろ。見ろ平塚先生が暗い顔で部屋の隅っこに体育座りしてブツブツ言い出したぞ。

 

あ、どうやら今のはセツのんガチで無意識だったみたい。慌てて平塚先生に謝りだした。すげぇなセツのん、無意識で人を傷つけられるなんて生き方からナイフみたいだな。触れるもの皆傷つけそう。ギザギザハートの子守りとか歌いそう。これは強い(確信)

 

 

おっと、話が逸れまくった。つか平塚先生、俺こんな面倒なことさせられるほどの罪を犯した記憶無いのでやれと言うならせめて報酬を提示して下さいよ。目の前に人参ぶら下げないと走りませんよ俺は。

 

「自分を馬に例えるとか、意外と君は自意識過剰なのだな・・・まぁ良かろう。元々そのつもりだったしな。報酬、というか敗者は勝者の言うことに絶対服従。なんでも言うこと聞く、とい「ん?今何でもって言った?」うのはどうだ・・・って、榊、お前・・・。」

 

いっけね、ついノリで食い気味に反応してしまった。雪ノ下が凄いドン引きした顔で自分の体を抱きしめながら一気に後ずさった。あらヤダ、性犯罪者を見る目だわ。てか自分で言い出したくせに平塚先生まで引いてるのは酷くない?絶対分かってて言ったよねこれ。

 

ん?てか今サラッと馬より下扱いされた俺?いやまぁ力仕事ならだいたいの人間は馬より下だし仕方ないし。

 

とりあえず、ネタとは理解してもらえなさそうだし、テキトーに言い訳して報酬無しでやろって言うしかないな。残念だが仕方ないね!イヤ本当に残念だけど!

 

「先生、流石にそれはどうかと思います。正直雪ノ下さんの了解も取らずにそれは不味いです。違うのにしましょう。雪ノ下さんが負けてもまぁいっかと納得出来る程度の罰ゲームとかで良いでしょうよ。」

 

ふ、何気に良識を押し出しつつ平塚先生が頭おかしいことにしてやったぜ。完璧なリカバリーだな!と、思ったらセツのんが待ったを掛けた。え、嘘だろお前やる気なの?

 

「ちょっと良いかしら。それではまるで貴方に勝率があるみたいに聞こえるのだけれど・・・聞き間違いかしら?」

 

何言ってだコイツ。

そらあるよ。だって俺原作主人公と違ってチート持ちだもん。逆に勝ったらセツのんヤバいレベル。ガチで美食人間国宝に選ばれるくらい。言わないけど。

 

ないわけないだろ、と言う前に何か雰囲気で俺の言いたいことを察したらしいセツのんが聞き捨てならないわ!私が貴方に負けることなどありえない!的なこと言い出した。なんだコイツ負けず嫌いかたまげたなぁ

 

「やりましょう。私なら大丈夫です平塚先生。勝てばなんの問題もないですから。」

 

「良く言った雪ノ下。そう来なくてはな!いいぞ、燃える展開になって来た・・・では私は榊の入部届捏造してくる。そういうことで頼むぞ。」

 

おい今あの人普通に捏造って言ったぞ。やっぱりまだ入部してなかったじゃん騙したな!つーか何勝手に話進めてんの、俺の意見を・・・聞かずに平塚先生は去っていった。マジかー。

 

「ふふふ、今更怖気付いたのかしら?・・・今のうちに命乞いの練習をしておくことを進めるわ。」

 

すっごい楽しそうに言う雪ノ下。何それ俺殺されんの?

 

いや、待てセツのん。落ち着け、良く考えろ。そのルールで本気でやる気か?止めようぜマジで。言っとくけど俺勝ったらマジでエロい事するよ?流石に嫌だべ?

 

「・・・脅しのつもりかしら?貴方に負けることなどありえないから大丈夫よ。というか、本気でいやらしいことするつもりなのね。知ってたけど。私の半径50m以内に近寄らないでくれるかしら変態木くん。」

 

「?当たり前だろ何言ってんだ。ハッキリ言うけど、俺らの歳でお前ほどの美少女好きにしていいって言われて手を出さなかったらそれはもはやホモか不能だぞ。俺は健康な男子でホモじゃないから手を出す。」

 

「・・・ッ///、真顔で犯行予告とはやるわね。。いいわ、どうせ負けないのだし、やれるものならやってみなさい。」

 

なんだコイツやべー。

何で今までまともに会話したことも無いような人間にここまで敵愾心抱けるんだ。勝つとか負けるとか、見知らぬ他人が何ほざこうがどうでも良くね?いちいちその辺の人間にまで負けてたまるか!ってやってんの?どんだけ負けず嫌いなの?

 

・・・え、何?会話はした事ないけど1度俺に負けてる?え、ウソだ。だって俺セツのんと絡んだのが既にこれが初めてなんだけど。なんかで戦ったっけ?

 

「くっ、眼中に無かったというわけね。所詮ぽっと出のまぐれかと思っていたのだけど・・・たった3点差よ。そんな圧勝した訳じゃないわ。バカにしないで貰える?不愉快だわ。」

 

完全に言いがかりなんですがそれは。・・・てか3点差?

 

ん?んん〜〜・・・?

 

あ、テストか。そういや前回のテスト、99点で揃えた気がする。

ごめん、あの時はたまたま99の気分だったんだ。そんな気にしてたとは。すまぬ。そういやその件でカンニング疑われて平塚先生に詰められたっけ。チートだからカンニングじゃないけどズルはしてるからな。結局手を抜いてた扱いされてこれからは真面目にやれ、とか怒られた気がする。

 

「待ちなさい。99点で揃えた・・・?そんなまさか、貴方わざとあの点数に・・・ッッ!?」

 

ああうん。そうね。

なんかごめんな。ほら、俺のチートのひとつがアンサートーカーだからさ。テストとか問題見た時点で終わりなんだよね。だから最近は将来の金策の目処がたったのでテストとか狙った数字に揃えて遊んでるんだよね。99だったのはたまたま独歩さんがいつか1になると信じてた・・・ってやってたの印象に残ってただけなんだ。その前のテストじゃ確かカイジにハマってたから全部ピンゾロってことで11点で揃えた気がする。

 

「見てなさい、次の中間では私が圧勝してあげるわ・・・!」

 

あ、これ聞いてないや。

 

どうやらセツのんはかなりの負けず嫌いらしいです。まる。

 

 

◻️◻️

 

 

てかさセツのん。ノリで入部とか勝負とか決まったけどさ。やるやらないはもう別にいいんだけど、そもそも奉仕部ってどんな仕事してんの?ノルマとかある?

 

「貴方、そんなことも知らずに入部したの・・・?呆れた、そんなことで勝負になると思ってるのかしら。」

 

めんごめんご。ぶっちゃけセツのんが俺の入部知ったのと同時に俺も自分が入部したこと知ったからさ。平塚先生も罰とか言って何するのか教えてくれずにここまで連れてこられたし。だいたい平塚先生のせいだよ。

 

そう言うと頭痛そうに額を抑えるセツのん。読んでた本を閉じて、渋々ながら説明してくれた。助かるー!もう設定とかどんな事してたとか細かく覚えてないからね、うん。

 

で、詳しく聞いてみると要するにやってることはスケット団だった。つまりほとんどボランティア。まぁ名前からして奉仕部だしね。仕方ない仕方ない。一応完全解決よりは解決方法を教えていくのがメインとか言ってたが、無償奉仕には変わりないのでボランティアだ。本人はボランティアを凄い上から目線で持つものが持たざるものへ施す無償の慈悲とか何とか言ってるが結局ボランティアなのでツッコミはしない。うん。

 

む、待てよ?てことはちょっとスタイルは良くないけどセツのんがヒメコで俺がボッスン、平塚先生がチュウさんで・・・あれ、スイッチ役は?てか俺もゴーグル付けても集中力上がんねーしあそこまで器用じゃないな。ダメだ詰んだ。

 

「何の話をしているの貴方は・・・。まぁとにかく依頼人が来て、その依頼に対して私達は解決方法の提示、それによって依頼人自身での解決を図れるようにする。それが私たちの基本スタンスよ。他に何か質問は?」

 

この部活が何時から出来たもんか知らんけど、どのくらいの依頼が来んの?一日に一回以上くる?

 

「今までで2回だけよ。1回目は平塚先生の依頼で資材室の整理。2回目は図書委員の手伝いね。」

 

それはもうただの雑用では・・・まぁいいや。完全に解決方法の提示もクソもない依頼だったってことはよく分かったわ。てかそれだと勝負も何も依頼が来ないまま終了とかありそうだな。そもそもこの部活の事知ってるやつ少なそうだし。まぁ忙しいのは面倒いから良いけど。

 

「そうね。その可能性も十分にあるわ。依頼があれば私の勝ちは揺らがないと思うけれど、その場合は可哀想だから引き分けで許してあげるわ。」

 

うーん、この上から目線よww

 

とりあえず説明が一通り終わったからか、閉じていた本を再び読み始めた雪ノ下。原作でも主人公と並んでやたら本読んでるイメージなだけあって本当に本の虫だわこの子。体弱そう。

 

あ、そうだセツのん。もう幾つか聞いていい?この部活ってちゃんとウチの部室として登録されてんの?あ、登録されてんのね。それで、そこに置いてある電気ケトルはセツのんの私物?

 

「そうよ。・・・というか、流れで放置していた私にも責任はあるけれど、セツのんっていうの止めてくれないかしら。馴れ馴れしいわ、チャラキくん。」

 

いやだってセツのんもさっきから俺の事あだ名で呼んでるし。ぼっちっぽくてコミュ障の気があるセツのんの精一杯の歩み寄りかなって思ってたんだけど。え、違うの?まぁいいや。とりあえず俺も幾つか私物持ってきて良い?こんだけ広くてこれしか使ってないのも勿体ないしさ。

 

「貴方がそれを言うのかしら。まぁいいわ。貴方になんて呼ばれようと私には関係ないし、好きに呼んでちょうだい。私物についても好きにしていいわ。ただしゴミを散らかしたり、卑猥なものを持ち込んだりしたらセクハラで訴えるわ。」

 

逆に男なら何処にでも卑猥な何某を持ち込むと思ってるセツのんの発想の方が卑猥な気がするけど俺は優しいから追求しないでおこう。思春期だもんね、仕方ないよね。

 

とりあえず明日あたり幾つか持ってくるわ。さんきゅ!この部室の鍵はセツのんが持ち歩いてるのか?あ、毎日帰る時職員室に返却してんのね、了解。

 

よし、許可もでたし、多少力込めて部屋の改造しよう。何か秘密基地作ってるみたいで楽しくなってきた!

 

 

◻️◻️

 

それからしばらく、俺とセツのんは互いにたまに軽口挟んだり無言になったりしながら本を読んだりケータイでゲームして過ごした。

 

外の景色が茜色に染まる頃、セツのんが読んでいた本をパタン、と閉じて立ち上がる。今日はもう終わりか?

 

「ええ。依頼がなければ基本的にはこのぐらいの時間に上がって大丈夫よ。何らかの理由で私がいない場合はきちんと戸締りと鍵の返却を忘れないでね。」

 

あいよー。

ではまぁ帰りますか。

 

そのまま何となくセツのんと並んで職員室に鍵を返しに行く。無駄にニヒルに咥えタバコしながら(喫煙所では無いので火はついてない)ノートパソコンのキーボードを叩いてる平塚先生にやだイケメン!とお世辞を言いながら挨拶して帰る。

 

昇降口で上履きから外靴に履き替える。すっかり慣れてしまったが、前世では外仕事が多い職種で、会社に行っても上履きに履き替えることなどなかったので、転生者した当初はこれだけで感慨深い思いをしたものだ。懐かしい。

 

特に何があるわけでも無いので、そのまま2人で歩いていく。別に一緒に帰ろうとしてる訳ではなく、単純に住んでるところが違う以上、どこかしらで道が別れる。その時挨拶すれば良いかなーとお互いに思っているだけだろう多分。

 

特に話すことがあるわけでも無いので、僅かな時間の道連れに、偶にちょっと話しかけて一言二言返したらまた無言。ちらほらと同じ制服の高校生が周りに見える。時に自転車に乗って追い越し、時にコンビニで立ち止まってるのを追い越したりしながら歩く。・・・歩く。

 

 

そうして歩き続けて、流石に一つおかしな点に気付く。

 

 

「いや待て。何かずっとそのまま歩いて来たけど、セツのん何でまだ着いてきてんの?」

 

「何を言ってるのかしらストーカー君。それはこちらのセリフだわ。今日部員になったばかりとは言え、いい加減にしないと通報するわよ?」

 

「馬鹿言えこの希少価値系美少女が。俺は自分の家に帰ってるだけだわ。お前こそ何でずっと着いてきてんだ。分かれ道でさよなら言うタイミングずっと逃しっぱなしじゃねぇか。」

 

「希少価値・・・?まぁ確かに私は美少女だけれど、そんなに煽てても無駄よ。言われ慣れてるわ。それに何故貴方なんかに私がついていかないといけないの?私も家がこっちにあるだけよ。」

 

はは、こなた、希少価値でググッてみろこの美少女。

 

つかセツのんもこっちなのか。マジか。知らんかったけど意外と家近所だったのか。1年間ずっとこの道歩いて往復してたのに気付かなかったわ。

 

「あくまでもしらを切るつもりなのねこのストーカー。まぁいいわ。ホントに家にまで着いてきたら容赦なく通報するだけだもの。それよりも、こなた、希少価値、っと・・・?っっっ!!??」

 

誰がストーカーだこのストーカー。俺だって「殺すわ。」ってうぉお!?いきなり何しやがる!って、ああ、希少価値の意味が分かったのか。意外と調べるの早いな。

 

つーかちょくちょく思ってたんだが、セツのん意外とガハラさんみたいな事やってんな。今もハサミで襲いかかってきてるし。とりあえず避けるけど。

 

「くっ、当たりなさい!」

 

ははっ、嫌ですが何か?つーかセツのん貧乳気にしてたの?めんごめんご。スタイルがなだらかなだけで顔はトップクラスじゃん気にすんなよ。ってうお、勢い増した。ふ、だが甘いな。俺は武力系のチートも持ってるのだよ!

 

そのなわけで5分くらい避け続けてやったらセツのんが力尽きた。うーむ、運動神経は悪くないが、持久力が足りてないな。普段から勉強ばっかりであんまり運動してないだろ?少しは運動しなきゃダメだぞー!

 

「ハッ、ハッ・・・くっ、息ッ切れも、しない、なんて・・・!屈辱だわっっ!!一思いにッ、殺しなさい!」

 

なんかくっ殺女騎士みたいな事言い出して笑う他ないw

ふ、普段から運動はしないけど運動神経の良さ的にやろうと思えば運動も出来る!って思ってたタイプだな!馬鹿にしてた男に喧嘩売って返り討ちにあうとか・・・w今どんな気持ち?ねぇ今どんな気持ち?m9(^Д^)プギャーwww

 

あ、すっごい涙目でプルプルしてる。アクア様みたいで可愛ええ。

 

面白かったのでセツのんが息整えるまで程々に弄ってみたよ!

 

 

◻️◻️

 

いやー、面白かった。

 

あ、あの後はストーカー扱いが面倒なので俺がセツのんの前を歩いています。ちゃんと自分のウチに向かってますよアッピルですね。

 

後ろでくっ・・・!とかまだ先程の敗北を引きずってるセツのんには、お詫びを兼ねて午後ティーを奢りました。いや、原作主人公には悪いけど俺マッ缶は流石に無理だわ。あれだって入ってるのミルクじゃなくて練乳だぞ?甘いわ!頑張ってもボスのレインボーまでだわ!でも午後ティーは平気な不思議。午後ティーは悪魔の発明ですね!

 

 

とことこ、とことこ

 

 

つーかまだセツのんが後ろ着いてくるって事は、本当に家近所だったんだな。まぁうちの周辺にマンションやらアパートやら沢山あるし、こんなこともあるだろ。でも放課後は部活があったセツのんと時間的に合わないのは仕方ないにしても、朝一で遭遇した覚えがないとか凄いな。まぁ俺朝はギリギリまで寝るタイプなんだけど。

 

そうこうしてると、ようやくウチに着いた。そこそこ大きなマンションだ。俺は茨城からこっちの高校に来てるので一人暮らしなのだ!まぁそれでこんなしっかりした所を選んだのはセキュリティがどうこうよりも単純に部屋が広くて防音とかしっかりしてて、風呂トイレ別、スーパーが近いとか条件良い所を厳選した結果である。まぁ一月の家賃は高いがそこはそれ。俺はチート持ちなので自前で余裕なのだ!

 

ふ、やり方わからなくても、アンサートーカーにかかれば当たる株とか1発なのさ・・・(`・ω・´)キリッ

 

そんな訳で流石にここでお別れだろうとまだ着いてきてたセツのんを振り返り、また明日、と声を掛けようとしたら、あらヤダ、凄い渋い顔。

 

「悪夢だわ・・・!こんな性犯罪者予備軍と同じなんて・・・ッ!ひ、引越しを検討しないといけないわ。」

 

うわァ。

 

マジかよ、マジかよ・・・マジかよ!近所に住んでるどころか同じ建物かーい!そら帰り道一緒になりますよね!そりゃそうだわ!

 

うっわ、よく考えたらその可能性はあったな。この辺でセキュリティ1番しっかりしてんのここだし。言われてみれば原作でセツのん一人暮らししてたような気もするし、女子の一人暮らしで実家金持ちだったらここになるかもね!考えてみれば当たり前だった!全然考えて無かったけど!

 

なんとまぁ、流石にこれは予想外だったな。アンサートーカー使えば1発なんだが、疲れるから普段は切ってるからな・・・うーん、これはちょっとめんどくさい。分かっていたら鉢合わせないように気を付けてたんだが。

 

まぁやっちまったもんは仕方ないね!人生は諦めも肝心だ。やれやれだぜ、と肩を竦める。

とりあえず入口のオートロックを解除して、エレベーターへ向かう。

 

たぶん苦虫10匹くらい噛んだままの顔でセツのんも着いてきている。

 

ボタンを押して、すぐ開くエレベーター。このマンションは一定時間使用されないと1階に戻るようにエレベーターが設定されている。こういう時すぐ乗れて楽だ。

 

エレベーターに乗り込んですぐ9階を押す。最初は1番上の12階にしようと思った。このマンションの1番上はベランダが広くなってるタイプだったからだ。だが自分のズボラさは知ってるので、最初はそこにテーブルセットとかハンモックとか用意しても、全く手入れとかしないで放置して、片付けめんどくさくなる未来が見なくても予想出来たので止めておいた。

 

逆に9階まではベランダの屋根が広くて光が入りにくいが、防鳥ネットが張ってあって鳥などにベランダが汚される心配もない。洗濯物も余程強い雨が無いと干しっぱなしでも大丈夫、さらには9階位からは虫も来ない。かなりいい部屋なのだ。

 

無言でエレベーターに乗り込んで来たセツのんに、何階か聞く。10階、と渋るように言うので10階のボタンを押した。直ぐに動き出す。

 

てか一つ上の階かよ。このマンションは10階から斜めに切ったような形に変わり、一部屋ごとの広さが変わっていく。その流れでベランダも広くなり、最上階である12階に至っては一部屋である。つまり何が言いたいかと言うと10階からベランダの屋根が斜めになってくので防鳥ネットが張られていない。日差しは良く入るが運が悪いと洗濯物が鳥の爆撃を受けるし洗濯物は免れてもベランダは免れない。つまり余計な掃除が増える。はっはー、セツのんご愁傷さまだぜ!まぁ言わないけど。

 

「・・・貴方も、一人暮らしだったの?」

 

「ん・・・まァな。茨城から出てきた。」

 

何故?と問われたような気もするけど、流石に原作主人公のフォローの為とか言えないし、ましてやその原作主人公が居なかったなんてもっと言えない。さてね、と肩を竦める。チン、と音が鳴った。9階に着いた。降りる。ああ、そうだ雪ノ下。

 

「何?」

 

「また明日。じゃあな」

 

挨拶が遅れた。言い切ったと同時にエレベーターが閉まる。まぁいいか。

さて、部屋に帰るとしますかねぇ。

 

エレベーターに背を向ける、そして歩き出したその瞬間に。

 

掠れるような小さな声で、ええ、また明日、と聞こえたような気がした。

 

 

 

続く。

 

 

 

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