※この作品はR-18です。

目の腐った主人公が居ないんですけど。   作:銀座

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登場人物紹介

・榊 貴一
神様てんせーしゃ。チート持ち。
意外と有能説あり。実は原作主人公をまだ探している。

・ 雪ノ下 雪乃
ゆきのんだったりセツのんだったり。
この世界では何者かの影響で少しだけオタク知識持ち。

・由比ヶ浜 結衣
ガハマさんだが本人の希望でゆいにゃんに。あずにゃんみたい!だがピンクだ。
無自覚ビッチ系処女。

・平塚 静
オリ主とゆいにゃんの担任国語教師。
オリ主が半端に有能なせいで原作主人公みたいに八つ当たりしてストレス発散出来ないので、原作よりだいぶ闇が深い。
おっぱいの付いたイケメン。


4話

こんにちわ、貴一です。神様転生者やってます。

転生して初の女子の手料理が炭という難しい問題に直面しています。

 

 

 

・・・どうしよう、炭にしか見えない。

 

「クッキー・・・?おいセツのん、俺が聞いたのはクッキーの味見役だったはずだが。何で炭の試食なのイジメ?」

 

「信じられないわ・・・私が教えてる側でどうしてここまでミスを重ねられるのかしら。」

 

「2人とも失礼だよ!ちょっと失敗しただけで食べられるよ一応!・・・食べられるかなぁ?」

 

クッキーで一応食べられるって何だ。しかも自分で作った本人が断言できないのかー。マジかー。

 

「とにかく覚悟を決めて食べなさい。私も食べるのだから、貴方だけ逃げるのは許さないわ。」

 

おや、セツのんもちゃんと食べるの?意外。思わず素直に言ったら食べなければ改善点が分からないじゃない、と返答。あらヤダ真面目ねぇ。何かちょっと涙目だし心無しか手が震えてるように見えるが。

仕方ない、部長だけ見捨てる訳にもいかんし食べるか。うん。覚悟を決めよう。だから由比ヶ浜、え、ほんとに食べるの?とか不安そうな顔やめろ。誰のためだと思ってんだ。ていうか君も食え。自分の舌で自分が何作ったか思い知れ。

 

ザリッ

 

うわにっが。てか食感がもはや完全に炭。漫画みたいな食べたら気絶するとかそんな不味さでは無いが普通に焦げ臭くて苦い。要するにむちゃくちゃ不味い。これは、コーヒーパウダーの苦味に焼き過ぎのコゲの苦味が混じってるのか。苦味増し増しだな。多分コーヒーパウダーのせいで見た目で焼き加減分かんなかったのが原因だろうか。ていうかなんでコーヒーパウダー入れたの?は?男の子は甘いの苦手だから甘さ控えめに??それなら砂糖減らすのが先だろ何言ってんの?

 

「・・・そう見たいね。入れ過ぎたコーヒーパウダーを誤魔化す為に入れた大量の砂糖が原因で思ったより焼きが早かったのね。私が見ていて焼き加減のミスなんて・・・不覚だわ。」

 

「うう、苦いよ苦いよー!苦すぎるよー!」

 

2人とも涙目でザリザリとクッキーらしき炭を食べている。うっすら見える歯が真っ黒だ。お歯黒とかいつの時代ですかね。とりあえず苦味を抑えてくれそうな牛乳をグラスに注いで配り、先程作っておいたモチモチ食感のホットケーキにメープルシロップをかけて渡す。

 

珍しくセツのんまで明確に助かった!みたいな顔して食べだした。まぁ地獄から天国だよねこの状況。このクッキー食べた後なら何食べても天国かもしれないので料理の腕を誇るのは止めとこう。

 

2人ともが牛乳とホットケーキを平らげた後、深刻な面持ちでセツのんが切り出した。

 

「さて、これからどうやって改善していくか考えましょうか。」

 

うぅむ、これは難しい問題だな。1番早いのはゆいにゃんが手作り諦めて店で買ったのを渡す、だと思うんだけどどうよ?

 

「全否定された!?」

 

「ダメよ榊君。それは最後の解決策よ。」

 

「最後にはそれで解決しちゃうんだ!?」

 

まぁ冗談はさておき。これはゆいにゃんのやる気次第だな。うん。

 

「ふぇ?向いてないとか言わないの?・・・正直、自分でも向いてないのかなって思ったんだけど。周りの皆ももうこういうのしないって言ってたし、やっぱり私もそうなのかな、って・・・」

 

いや向いてないとは思うよ。普通は素人でここまでレシピも教師役のセツのんの言葉も無視とか無いし。これが爆薬の調合とかならゆいにゃん爆発してるわ。でもこれは料理なのでそうそう人が死ぬことも無いし、これから直していく覚悟があればなんとでもなるよ。だから努力次第ですね。周りのビッチの事は知らん。

 

「不本意だけど榊君に同意だわ。そもそも由比ヶ浜さん、たかが1度の失敗で向いてないとか止めてくれるかしら。せめて100回は失敗してから言ってちょうだい。」

 

「で、でも周りの「でももストライキも無いわ。その周囲に合わせようとするのとても不愉快なので止めてくれるかしら。自分の不器用さ、無様さ、愚かさの遠因を周囲に求めるとか恥ずかしくないの?」・・・っ!」

 

 

うわキツ。セツのんキッツ。言いたくなる気持ちは分かるがもうちょい言葉に暖かみを持たせてよセツのん。何?名前に2つも雪が入ってるだけにこおりタイプなの?ふぶきとれいとうビーム使いそう。ほら見てよゆいにゃん絶句じゃん。唖然とするって辞書開いたらこの顔が載ってそうな顔になってるじゃん。

 

「カッコイイ・・・!」

 

「は?」

は?

うわ思わずセツのんと被った。見ると今度はセツのんが辞書に載りそうな唖然顔である。そりゃそうだ。

 

戸惑ったようにセツのんが私結構キツいこと言ったはずなのだけど?って聞いたら、いや引いたけど全然建前とか言わないの、全部本音って感じで凄い!みたいなこと言って目をキラキラさせてる。ゆいにゃんやっぱマゾやん。

 

とりあえずセツのんは予想外のストレートな尊敬にタジタジなので、サラッと口を挟む。良いかねゆいにゃん、調理の基本は足し算引き算。でも理想値ってのがあってな。さっきみたい甘さ控えめ、でコーヒーを足したり、それに慌てて砂糖を山ほど足したりしてしまうと、それはそれでダメなんだ。ちょうどいい具合ってのがある。要するに足せばいい、引けばいいって訳でもないのさ。

 

と、言うわけでセツのん。今度は正しいお手本見せてから、もっかい教えてやって。

ゆいにゃん、君はとにかくセツのんのお手本と同じ様に作れるまで余計なアレンジ一切禁止。どの材料もg単位で同じになるよう手を抜かずにやるんだ。良いね?

 

「うん、分かった。ごめんねゆきのん。次からはちゃんとやる。もっかい教えて?」

 

「・・・はぁ、とりあえずは一通り私がやってみせるわ。しっかり見ていてちょうだい。」

 

そう言って手際よく作業を始めるセツのん。さっきのゆいにゃんと違って安心して見てられる、淀みない正確な作業である。ゆいにゃんも真剣に見てるし。うん、これなら心配いるまい。

 

案の定できたクッキーはパティシエなの?ってくらい美味かった。ま、まァ私のだいたいカントリーマアムには負けるけどね?(震え声)

 

ゆいにゃんもうわおいっしー!と喜んで食べた後、よし、頑張るぞー!と腕まくりしてもう一度作業に取り掛かった。うん、気合い十分だね。これはもう見てれば大丈夫そうだ。

 

そう判断して、俺は俺の仕事に取り掛かる。では正露丸を先に飲んで・・・行くぜ、クッキー(炭)・・・!

 

俺は、食べ物を粗末にしない男だッッ!!たとえ食べ物に見えなくても!俺はどんな食べ物も残さず食べるようにと俺を育てた農家の両親を誇りに思う!故に、例えこれで死んでもその教えにッ、俺はドンと胸を張るッッ!!

 

 

 

クッキー(炭)何かに、絶対負けないっっ!俺たちの戦いはこれからだァァ!!

 

 

 

 

 

◻️◻️

 

 

 

クッキー(炭)には、勝てなかったよ・・・

 

 

 

あの後何とかクッキー(炭)を全部食べきったが胸焼けになって瀕死。セツのんは何か感心したみたいな顔して、「頑張ったわね、偉いわ。」なんて褒めてくれたが、死にかけないとお褒めの言葉貰えないとか軍隊かな?

ゆいにゃんは何か英雄でも見たような顔して、凄い凄い!とはしゃいでいたが、食べただけで凄いって言われるようなモン作った自覚はあるのだろうか。っていうかその後もさっきよりは全然マシになったとは言え、自分たちで食べきれないからって試作品俺に持ってくんの止めて。また胸焼けしてるんだよ殺す気か。

 

そしてその後も何度かやり直してるうちに外はすっかり暗くなって、少し残業してたらしい平塚先生が様子を見に来た。だが瀕死の俺には一瞥もくれず、もう少しだけやりたいというゆいにゃんに「ふ、青春だな・・・あまり遅くならないうちに帰るんだぞ。」とニヒルに笑って白衣を翻して去っていった。何だあいつカッコイイな!だから男が尻込みして余計結婚出来ないんだろうな!とか考えてたらその後戻ってきた平塚先生が差し入れと称して持ってきた中身入り缶コーヒーを投げつけられた。めっちゃ痛い。

 

 

・・・そして、とうとう最後の成果が焼きあがった。

 

 

ふわ、とオーブンを開けた瞬間に漂う香ばしい匂い。取り出されたそれは2回目と違って形にも歪みはほとんどなく、1つとして焼き過ぎも無い。綺麗な仕上がりだった。少し冷めるのを待って、程なく3人で試食する。サク、という軽やかな食感と共にじんわりと広がるまろやかな甘み。確認のためもう何枚か食べてみるが、それぞれに焼きムラも無く、文句なしに美味しいクッキーだった。さすがにセツのんのお手本よりは味が落ちるが、十分に成功と言って差し支えないだろう。セツのんも満足そうに頷いた。それを見て思わず、と言った風にゆいにゃんが叫んだ。

 

「やった・・・やったー!!出来たー!私にも出来たよゆきのーん!!」

 

「ちょ、いきなり抱きつかないで由比ヶ浜さん!というかさっきから思ってたけど、貴方までそんな呼び方をするの?!」

 

いーじゃん可愛いじゃんゆきのーん!話聞いてる?と2人はゆるゆりな空気を出しながらじゃれあっている。微笑ましい光景だった。まぁ実際に苦労したし、嬉しいならいい事だ。うむうむ。

 

どうやら流石のセツのんでも、女子からの積極的な好意相手には無碍な対応も取りにくいらしい。若干困ったような顔で、チラチラとこちらに助けを求めるような視線を送るセツのんに菩薩のごとき暖かい微笑みを向けて手を振る。せっかくの青春イベントなんだからしっかり青春しなさい。セツのんもぼっちだからあまり経験ないんだろうし、良い機会だろう。別に見捨てた訳じゃないよ、うん。

 

まだまだキャーキャーやってる2人を後目に、俺は片付けを担当する。いやもう普通に夜だしね。早く片付けないとな。とうの昔に生徒は下校しなさいって放送は流れ終わったし、なんなら何時も1番遅く帰るらしいバスケ部が先程集団で校門を出ていくのが見えた。途中でゆいにゃんは親に連絡入れたくらいだ。俺とセツのんは一人暮らしだからあんまり関係ないけど。

 

ササッと片付けて、完成したクッキーは割れないように丁寧にキッチンペーパーで包んでタッパーに詰める。包装とかはゆいにゃんが自分で出来るらしい。女子って凄い。

 

使った器具の水気を拭き取って元の場所に戻し、調理台のガスの元栓をしめて、水道の蛇口を倒して蓋をする。これで片付けは終わりだ。エプロンを外した2人にそろそろ帰るぞ、と声を掛ける。ゆいにゃんがはーい!と元気よく返事して、セツのんがくたびれた顔で無言のままバッグを手に取った。

 

 

家庭科室の鍵を返しに行くと、1人で残ってた平塚先生がもう終わるから少し待ってろと言う。どうやら車で送ってくれるらしい。やだほんとイケメン。帰り道がほぼ一緒な俺とセツのんはともかく、ゆいにゃんは夜道の独り歩きになるので皆で先生を待つことにした。え、俺に送れって?セツのんどーすんだよ。

 

 

「えへへへ」

 

 

まだにっこにこのゆいにゃん。よっぽど自分の手で完成させたそれが嬉しいらしい。あまりにも嬉しそうな顔をするので、さっきまで疲れ切ってたセツのんも微笑ましいものを見る目で、良かったわね、何て優しく声を掛けている。うむ、青春である。

 

実際ゆいにゃんはかなり頑張った。誰にあげるのか知らんが、相手も喜ぶ事だろう。

 

「えへへ、そうかなー?あ、そ、そういえばサカキンも貰ったら嬉しいと思う?」

 

そりゃな。ぶっちゃけよっぽどのモテ男でもない限りゆいにゃんくらいの可愛い子にクッキー貰えたら、男なら誰だって喜ぶと思うで。うん、なんなら俺は2回目の奴でも有頂天になったと思う。そう言ったらゆいにゃんが固まった。あれ?どうかした?

 

 

「2回目の・・・?あんまり美味しくなかったじゃん!アレでいいの?!なんで!?」

 

「え、いや貰えるなら美味しい方がそりゃ嬉しいけど。そもそも俺なら可愛い女子からクッキー貰えた時点でもう嬉しい。なんなら手作りじゃなくても嬉しい。買ったやつを目の前で別の袋に移し替えて手作りだよって嘘ついて手渡されても何だかんだ喜ぶ気がする。要は気持ちが篭ってれば何でも嬉しい。」

 

そう言ったら何かゆいにゃんもセツのんも何言ってんだコイツ?みたいな顔で絶句してる。いや、理解出来ないかもしれんがモテない男子なんてそんなもんだぞ。可愛い女の子から毎朝笑顔でおはよ!って声掛けてもらえるだけでその子を好きになっちゃうぐらいチョロい生き物だからな。

 

俺は今でこそ転生者なのであんまり他者と関わりを持たずに生きているが、前世だって別にモテた訳じゃない。なんなら黒歴史的には原作主人公に共感してたくらいである。前世では彼女ができる前、バレンタインに初めて明らかに義理チョコと分かるチロルチョコ渡されたって大喜びした。この年頃のモテない男子なんてホントそんなレベルである。

 

そう言ったらえぇ、私の苦労は一体・・・!?と魂が抜けたようなことを呟くゆいにゃん。慌てて説明を追加する。

 

いやいや、あくまで相手がモテない男子だった場合の話だし。ゆいにゃんが誰に渡すのか知らんけど、仮にめっちゃモテる男だったら美味しくなければ1口かじってゴミ箱にポイ、だから美味しいに越したことはないし、何より今まで出来なかったことが出来るようになるって事は凄いことだぞ。苦労したかいがあったと思うよ俺は。

 

そう言って頑張ってフォローしてみたが、ゆいにゃんは一気に気が抜けたみたいな顔で放心してる。セツのんは余計なことを、と睨んでくるし散々である。なんかごめん。

 

「ねぇ・・・サカキンだったら、私からクッキー貰ったら嬉しい?」

 

「・・・?いや俺の意見要るそれ?「いいから答えて!」そりゃ嬉しいですけど。つか可愛い子からのプレゼントで喜ばないぼっちはおらんぞ。なんなら苦労してたゆいにゃん見てるから貰ったら小躍りすると思うよ?」

 

「そっか。・・・そっかぁ。なら、まぁ・・・いいのかな?」

 

良いのか。まぁそれで良いならいいや。とりあえずゆいにゃんも幾分か気も晴れたみたいなのでよしとしよう。セツのんもとりあえず良しとしたみたいだ。いや疲れてやる気失くしただけかもだが。

 

すると1台の車が俺たちの目の前に止まった。平塚先生が窓を開けて待たせたな、と手を振る。俺たちは3人で平塚先生の車に乗り込んだ。ようやく家に帰れる、と俺は息を吐いた。

 

 

 

◻️◻️

 

 

あの後、親御さんが心配してるゆいにゃんを先に家に送り届けた先生は、俺たち2人での初依頼達成を祝って、ラーメンを奢ってくれた。

 

コッテコテの豚骨ラーメンで、由比ヶ浜ブラッククッキーで胸焼けしてた俺にはキツイチョイスだったが、味はかなり良かった。この時間にこんな脂っこいものを、と、豚骨ラーメン自体あまり食べた事ないらしいセツのんが、最初難色を示したが、一口食べたら何だかんだ綺麗に食べ切ってたくらいだ。かなり良い店を教えて貰ったようだな。胸焼け治ったらまた行こう。

 

そんなこんなで再び平塚先生の車での帰り道である。俺たち2人が同じマンションに住んでいることはさっき話の流れでバレたので、現在はからかわれながら俺が助手席で道案内をしている所だった。

 

「そこ右です。で、その先の十字路まっすぐ行ってください。」

 

「はいよ了解。・・・2人はこっちの方なのか。知らなかったな。実は私もこっちの方なんだ。帰りが近くて良いな。」

 

「平塚先生も?何なら私と変わってくれませんか?こんな性犯罪者予備軍と同じマンションだなんて、いつ襲われるか怖くて眠れません。」

 

ははは、こやつめ(#^ω^)

俺の脳内はセツのんほど思春期に染まってないぞ。一緒にしないでくれ。

 

「は?」

「は?」

 

「はははは!2人とも仲がいいのは分かったが、車の中で暴れるのはやめてくれ。まだローン払ってるんだこの車。」

 

あ、それは大変だな。俺も前世で新車買った時は苦労したから気持ちは分かる。しょうがないので大人しくしてよう。納得いかないセツのんが生徒が不純異性交友に走る前に止めるべきです!とか何とか言ってるが、先生は避妊はちゃんとしろよ。でも出来たらきちんと責任取って結婚しろ・・・私も結婚したい、と取り合わない。

 

いやこれ取り合わないっていうか自爆してそれどころじゃないだけだな。うん。相変わらず結婚に見放されてるらしい。結婚を司る神様に唾吐いたりしたんだろうか。趣味と性格が男らしいのとタバコくさくて飲んだくれなのを除けば見た目も中身もいい人なんだがな。・・・あ、これ結構ダメか。仕方ないね。

 

 

とか何とかやってたらもうすぐ着きそうなので、先生、そこ左曲がって直ぐです、と声をかける。

 

「お?そうか左だな・・・ん?

・・・なぁ榊、雪ノ下。お前達の住んでる所ってラリパレスか?」

 

いえ違いますけど。マンションですよ。グレイスコンフォートっていう所です。結構セキュリティ良いんですよ。ってか俺はともかくセツのんはラリパレスじゃ無理でしょう。あそこは壁が薄いからなぁ。

 

「・・・そうか。」

 

「そうなの?確か意外と安くて設備整ってる所よね?私もセキュリティの問題で候補から外したけれど・・・」

 

お、珍しくセツのんが食い付いた。よし、せっかくだから説明しようじゃないか!後部座席のセツのんの方を向いて、俺の知る情報騙って見る事にした。

 

おお、昔住んでたんだがな。ある時から隣の部屋からギターの音が凄くて寝れない日々が続いたことがあったんだ。最初は我慢してたんだが、あるとき我慢出来なくなって朝一で文句を言いに行った。すると呼び鈴鳴らしてもドア叩いても出てこないから居留守使われたと思って、何日か掛けて何度も行ったのさ。しかし何日立っても顔を出しやしねぇ。でも毎晩ギターの音は鳴り止まない。流石に待ってらんねぇってんで、管理会社に電話した。するとなんて答えたと思う?

 

「入居者同士の問題は入居者同士で解決しろ、かしら。そうやって入居者のトラブルに関与しない会社も多いと聞くわ。」

 

「外れ。正解は貴方の部屋の隣に現在入居者は居ません、だ。」

 

「!?ちょっと榊君、ホラー話だなんて聞いてないのだけど?」

 

そう思うよな?実際俺も最初は超ビビった。だが事実はとてもしょーもないもんだった。

 

実はな・・・隣じゃなくて、一番端の部屋から聞こえてたんだよ。

 

 

「・・・それはおかしいわ。あなたの部屋と一番端の部屋が何部屋離れてたのか知らないけど、いくらなんでもそこまで音が届くなんて・・・」

 

その当時は俺も角部屋だったからな、1階5部屋だから3部屋離れてた事になるな。そして困ったことにそれが有り得たんだよなぁ。

 

知ってる?アパートとかの集合住宅って一部屋ごとの壁の厚さや断熱材の量がちゃんと建築法で決まってるんだと。だがその当時のラリパレスはその建築法をガン無視、壁の厚さは3分の1だわ、断熱材は入ってないわでなー。酷い目にあったわ、マジで。

 

「・・・ゾッとする話ね。これから先、何があって何処に住もうともラリパレスは選ばないと決めたわ。」

 

「あくまで昔の話だから、今は改善してるかもよ?知らんけど。」

 

「・・・着いたぞ2人とも。」

 

おっと、つい夢中で話してしまった。まぁ今の話前世の都市伝説とこっちで似たような物件の噂話があったから話したネタなんだがね。思いの外聞き入ってくれるからつい話し過ぎてしまった。いつかネタばらししよう。てかやべ、先生に場所教えるの忘れてた。・・・あれ、でも着いたって言ったよな。

 

あれ?駐車場?どこここ。

 

「グレイスコンフォートの地下駐車場だ。入口が正面ロビーの真裏にあるから、車を持ってないと知らなくても無理はない。」

 

ああなるほど。そうだったんですか。

・・・ん?じゃあなんで先生が知ってるんですかねぇ?

 

「あの、平塚先生・・・まさか、先生もここに?」

 

「ああ。・・・私としても予想外だったな。」

 

ふぁー!?

マジでか。え、ホントに?

 

あれ、原作で2人が一緒のマンションに住んでる設定とかあったっけ?ダメだ全然覚えてない。つーか大まかな内容すらうろ覚えなのに細かい設定とか覚えてるはずが無かった。

 

マジか。流石にこれは予想外だったわ。つーかセツのんの時もそうだけど、俺ここ入って1年経つのに先生とこの辺りで遭遇したことさえないんですけど。セツのん見た事あった?

 

「無いわ。あったらこんなに驚いたりしないもの。」

 

「雪ノ下との事は分からんが、私は基本的に出勤時間が生徒よりかなり早いし、帰りは逆に生徒よりずっと遅い。それに休日はあまり外に出ないからな・・・。」

 

先生ェ・・・!

 

つか凄い。このマンションに奉仕部の部員と顧問全員揃ってるわ。何の因果だろこれ。梁山泊?

 

「水滸伝?意外なチョイスね。でも私は榊君と戦友になるつもりは無いから願い下げよ。」

 

「史上最強の弟子か。私は岬越寺先生が好きだな。」

 

・・・先生ェ。

いや俺いつもだいたいネタのほうだから、今回は珍しくセツのんの方が正しいんだけど・・・。そこでノータイムで漫画の方が出てくるってやべーなおい。でも俺はそんな先生が結構好きです。ちなみに俺はアパチャイが好き。何だかんだあの人が1番誰かの為に身体張ってるからね。

 

そう言うと平塚先生は目だけで、ほう?やるな小僧。と語りかけてくる。俺も同じく目だけでふ、お前もな。と語りかけてみた。いや出来てるかは知らんけど。なんかノリで。とりあえずその空気に満足したらしい先生が手を差し出して来た。改めて宜しく、という事らしい。何かバトル漫画で今まで敵対してたライバルが仲間になったみたいなシーンだが、たぶんそのままズバリそんな感じのことを先生はやりたいんだと思われるので、とりあえず付き合ってあげよう。うん、やっぱまだ満足してなかったみたい。

 

つーか先生も結構厨二だよね。人殴る時必殺技とか叫ぶし。原作主人公の親友と話合いそうな気がする。俺まだ会ったことないけど。いやだって体育の授業とか暑い日とか普通にサボってるし。前世の高校生時代は体育好きだしあんま意識してなかったけど、今の俺としては汗まみれの男同士でペア組んでストレッチとかキモイから無理。吐き気がする。是非も無いネ!

 

 

とりあえず握手から流れでジョジョ風ピシピシパンパングッグッの挨拶までやって先生も今度こそ満足したみたいで、行こうか、と歩き出した。ちなみにセツのんはネタが理解出来なかったみたいでとうの昔に自分の部屋に帰った。

 

あの子はイマイチ知識にムラがあるんだよな。原作ではこの辺の知識ゼロだったはずだから、少しでもある今がおかしいんだろうけど。どれくらいネタに対応できるかまだ把握しきれぬ。そのうち布教するかなんかしよう。

 

エレベーターの前で先生と2人並んで待つ。どうやらセツのんの他に利用者が新しくいたようで、電子パネルには12の表示。最上階なのでちょっと待つだろう。ここ地下だし。すると平塚先生がおもむろに口を開いた。

 

「どうだ、榊。まだ2日目だが依頼をこなした感想は。やっていけそうか?」

 

・・・さて、どうでしょうね。

まぁ俺のことは何とかなると思いますよ。俺の事ならね。俺基本的にぼっちですが、別にコミュ障じゃないし。人間関係やる気ないだけで。

 

 

「・・・まぁ、そうだろうな。君は何だかんだやれる男だ。正直見てる方からすればもっと真面目にやれと言いたくなる時もあるが、意外と君は考えて動いている。小賢しい奴かと思えば、何故か空恐ろしく感じることもある。何ともあやふやだが、あるいはそれすらもあえてやってるのか?」

 

ははは、まっさかー。俺がそんな凄い人間に見えますか?ノリで生きてるだけですよ。まぁ、買いかぶられて褒められるならそれも悪い気はしないのでもっと褒めてくれても良いですよ?

 

そう言うと、平塚先生はチラ、と俺に一瞬だけ視線をやって、すぐに戻した。そして抜かせ、と一言だけ言って笑った。ちょうど目の前の扉が開いてあかりが漏れる。エレベーターがついたのだ。

 

平塚先生が先に乗り込んでボタンを押す。そして、俺が乗ると何階だと聞くので、9階とお願いする。すると先生はまた笑い、今度は何号室かと聞いてきた。おやまぁ、これは。

 

「907。角部屋ですよ。先生は?」

「おいおい、女の部屋を確認するのか?エロ猿「あ、じゃあいいです。」・・・冗談だ。906だよ。ホントにこんな事もあるんだな。」

 

女性と男性って今マンションで隣になるとか無いって聞きましたけどね。例外もあるって事でしょうか。てか隣の部屋で思い出した、何時も7時ぐらいに出ていく音がしてたの平塚先生だったんですね。朝早いなーと思ってたら。高校教師もブラックだなぁ。

 

「聞こえてたのか?ここは防音しっかりしてるイメージだったんだが。教師に限らず今は何処もそんなものさ。君もいずれ味わう。今から備えておくことだ。」

 

や、しっかりしてますよ。扉の開閉音だけですね。あれだけは何故か聞こえます。あ、俺はそういうのしないんで。

 

前世で散々やったからな、という言葉だけ隠しつつ、9階で平塚先生と並んで降りる。そのまま部屋まで僅かな距離だが、話しながら歩く。

 

「そういうのしないってなんだ。まさかお前、ニートとかヒモとか言い出さないよな?アイツらみたいなのは駄目だぞ!恐ろしいくらいに駄目な生き方だ!奴等はな、結婚をチラつかせていつの間にか家に上がり込み、気付いたら合鍵を作って自分の荷物を運び込み!そして人がちょっと家事苦手だと知るや否や君を支えたいんだー、とか何とか言ってろくに仕事もしなくなり、家事だけしてるから問題ないでしょと言わんばかりに平日でも家でゴロゴロ!挙句の果てには人の部屋に浮気相手の女まで連れ込んで、さも1人で必死に働く私が悪いみたいな事を言って逆上し、別れたら私の家具まで一緒に持っていくようなとんでもないろくでなしなんだぞ!?」

 

うわいきなり何?!さっきまでのちょっとシリアスな空気今の一瞬で吹き飛んだんだけど!思わずビックリして足を止めて先生を見る。一気に捲し立てたせいなのか、単純にそれぐらい気持ち籠ってるのかは分からないが、何時もクールにかっこ付けてる先生が涙目だった。うっわ、マジかよガチじゃん。

 

・・・ん?あれ待って。今怖い事に気付いた。その話、先生の体験談ってのはよく分かったんですけど、よく聞いたらアイツら、って複数形ですよね。平塚先生、まさか・・・

 

「うぅぅ・・・だっでな"ぁ"ぁ"、アイヅら、ぼんどにずるいんだぁぁ!わ".わ"だじが結婚じだいってわがっででざぁー!」

 

ガチ泣き!?あ、哀れすぎる・・・!

 

いきなり泣き出した平塚先生にマジビビる俺。いやだってこの人ラーメン屋で酒飲んでないよ!?そりゃ運転手だからね!つまり素面でこんな情緒不安定になるくらいのトラウマって事でしょ!?あかん、俺も泣きそうなレベル・・・!

 

どんだけ溜め込んでるんだろうこの人。普段はあんなにかっこいいのに・・・あれ、ひょっとして普段のアレもかなり無理してたりするんだろうか。

 

うん、止めよう。深く考えたら平塚先生見る度俺が泣いちゃうかもしれん。うん。俺は何も気付かなかった。

 

「ぞれでざぁ、アイヅらざぁ、何かあるとずぐ言うんだよぉ、やっぱり結婚止めるっでぇぇ!!」

 

あ、いかん全然治まらない。つーか段々声でかくなってきた。コレはあかん、傍から見たら俺が事案扱いになる気がする!俺のチートは世論とかSNSの炎上とかには無力なんだ。これはまずい。何がまずいって今俺たちがいるの904号室前なんだけど、玄関のドアがちょっと開いて不審者見る目でこっち見てる部屋の住人さんがいることだよね!マジでやばい!

 

 

とりあえずギャン泣きしてる平塚先生の頭を両手で胸に引き寄せる。すると思いの外すんなり引き寄せられたっていうか胸にすがり付いて来たので、なるべく優しく抱きながら、左手は背中に、右手は頭にやってそれぞれ優しく撫でる。何気に落ち着くように優しーく波紋を流す。特典でスタンド貰ったから波紋の呼吸も使えるんじゃないかと思ってアンサートーカーで調べたら頑張れば使えるようだったので密かに練習してたのだ!ゾンビとかグールみたいなもんだから効果高いだろうと思ってね!まさか実戦ではなくこんな風に使うことになるとは思ってなかったけど練習しておいて本当によかった!!

 

とりあえずそのまましばらく撫でて波紋を流し、それとなく先生の話に相槌うっておく。合間で覗いてる904号室の方にすいませんと目線と頭だけ動かして謝っておくことも忘れない。そして多少落ち着いた所でもう休みましょう、と先生を促し歩いて先生の部屋の前まで行く。

 

まだ少しぐずる先生を頑張って促し、鍵を出してもらってドアを開ける。一人暮らしの女性の部屋の中を見るのも悪いので、先生だけ押し込んで帰ろうと思ったら、急に平塚先生は俺の胸にすがり付いてた腕を背中に回し、ぎゅうっとしがみつく方向にシフトした。頭を胸に強く擦り付けて、まるでイヤイヤ!と駄々をこねる子供のように離れるのを嫌がる。

 

 

「もう"ぢょっど、ごのままぁぁ"・・・」

 

「・・・左様でございますか。」

 

そうしてあげたいのは山々なのだが、流石にこのままだと俺も困るんだよね。だってまだ904号室の人覗いてるからね!俺スタンドあるから前向いたまま後ろ見れるからね!分かるんだよね!

 

どうしよう、平塚先生情緒不安定過ぎる。ここまでいくとギャップ萌ですまないレベル。平塚先生の心の闇がヤバい。原作主人公は周りのJKのヒロインより平塚先生を真っ先に救わなければならなかったのでは??

 

仕方ないので、先生の部屋に足を踏み入れる。先生は大人しく着いてきた。離れる気配はないっぽいので、諦めて玄関を閉めて中に入らせてもらう。平塚先生が抱き着いたままなのでやりにくいが、何とか革靴を脱いで廊下に上がり、暗くて見にくい廊下の灯りを付けるため、スイッチを探す。基本的には俺と同じようなへやだから、この辺に・・・あった!

 

カッ!!

 

「いやマジかよ。」

 

思わず声が出た。

玄関に、ゴミ袋の山。別に散らかっている訳ではない。明日がリサイクルの日なので、纏めてあるだけだってのは分かるんだ。分かるんだが・・・ざっと見で5袋くらいあるうちの4袋が全部缶ビールのゴミなんですけど。何なら残り1袋は日本酒の瓶である。

 

要するにぜんぶ酒。え、これ全部1人で飲んだの?うっっわ、いやでもリサイクルって2週間にいっぺんだから・・・いやそれでも多いよ!この人もうアル中になっててもおかしくないな!やべー!つーか知れば知るほど平塚先生の心の闇深過ぎな件について。全然底が見えないんだけどどういう事なの?いや本当まじヤバい。どれくらいヤバいかっていうと、ヤバい以外の語彙力消え去るレベルでヤバい。

 

平塚先生が泣き止んだらサラッと退場しようかと思ってたけど、これを見たら逆に怖くて先生1人置いて帰れねぇー!気付いたら取り返しのつかない所まで沈んでそうだなこの人!もう手遅れかもしれないけど!!

 

 

・・・くっ、仕方ない!正直かなり怖いが、波紋を流してるせいか少しずつ落ち着いて来ている!このまま波紋で身体の疲れをとって、栄養のあるもん食べさせてぐっすり眠れば多少は精神も回復するはずだ!・・・回復するよね?いや、回復すると信じよう!

 

 

ふ、今日が金曜日で良かったぜ。明日は休みだからな・・・!こうなったら俺の本気のリラクゼーションを見せてやるぜ!俺の全身全霊をもって平塚先生を甘やかし!そして癒す!名付けて平塚先生完全回復計画!

 

そうと決まったら善は急げ、未だにしがみついてる平塚先生の腕を波紋で緩めてササッと外し、何か言われる前にお姫様抱っこで抱え上げる。そのまま移動してリビングのドアを開け・・・お、おう。ここは結構服とか下着とか散らかってるのね。ま、まぁ一人暮らしなんてみんなこんなもんでしょ!前世の俺の部屋ならもっと酷かったからへーきへーき!

 

平塚先生を角ににぶつけないように最新の注意を払って、比較的綺麗なソファーにジャンピング着席!!着席の瞬間に床ごと空間を固定したので、振動とかは響いてないはずだ!たぶん!

 

そしてお姫様抱っこ状態だった平塚先生の体を起こして、膝の間に入れて必殺のあすなろ抱き!え、やだ?正面から抱きしめられたい?りょ、了解ぃ!!

 

御本人からの要望により、ちょっと体勢を入れ替えて、先生は両足で俺の腰を抱え込むようにして膝に乗り、再び正面から抱き合うような形にする。先程と同じように左手は背中に、右手は頭の上に置いて撫でる。さらにもう一度優しくじんわりと波紋を流す・・・が、これで終わりではない!

 

ここでさらに!追撃である!

 

波紋の呼吸で生んだ波紋エネルギーを、呼吸のリズムと共に全身へ流し、酸素のように血管をかけ巡らせたあと、二酸化炭素のように、口から吐く。この時!アンサートーカーによって導き出された平塚先生専用の声の波長に併せて耳元で囁くことで!!鼓膜を伝う声の振動とともに、波紋のエネルギーを伝えるっっ!

 

すると波紋エネルギーは鼓膜を伝って脳へと流れ、波紋エネルギーを受け取った脳は、強烈なリラックス効果のある脳内麻薬を分泌し・・・要するに声で相手を落ち着かせることができるぞ!

 

これぞ波紋によるリラックス効果のある癒しボイス!名付けて、ウィスパー・キュアボイス!(適当)これに左手からの波紋と右手からの波紋を併せて三位一体!癒しの砂塵大嵐!!

 

なお効果とかその辺の話は実はよく分かりません!何故ならたった今アンサートーカーに平塚先生を落ち着かせる方法を、とぶん投げしたら答えとしてこれがでてきた!つまりぶっつけ本場だよ!なので効果があるかどうかは実は不明だが、効果があると信じよう!

 

では行くぜ!せーのっ!

 

「平塚先生・・・貴方は良く頑張っていますよ。」

 

「・・・ざがぎぃぃい、!」

 

「大丈夫、今日は俺がずっと傍に居ますよ・・・。だから、安心してくださいね?」

 

「・・・・・・ウン。」

 

 

や っ た ぜ !!

 

勝った!第3部完っっ!!

 

凄い効果だなこれヤバい!効果高すぎてむしろ引く!何これ暗示か催眠かってぐらい効果あるんですけどキモイ!これマスター出来たら余裕で犯罪者になれるじゃん!なんておっかない技だ、封印指定食らうなこれは。

 

何が怖いって今の技で俺中身あること一切言ってないからね!つーか俺が傍に居たから何だよ!どう安心できるんだよ!そういう説明一切しなくても平塚先生落ち着いちゃったよ!こっっわ!

 

この技使えれば誰でも新宗教起こせそう。どちゃクソ危険な技を覚えてしまった。俺のモラルにかかる負担ヤバい。マジ気をつけよう!

 

 

でも1ついいかな!

 

・・・ここから先はどうしたらいいんだろうか!

 

 

このまま先生落ち着かせて、寝落ちするまでこの体勢だとしたら、俺動けないんですけど!

それにノリと勢いでここまで来たけど、普段の平塚先生からは想像も出来ない柔らかさといい匂いがする!

前世で初めて彼女出来て、初めて2人きりで良い雰囲気になって慌てた時を思い出す!今体が若返ってるから耐性なくて地味にキツイぞ!

 

く、つまりこれはアレか。昔のコッテコテの恋愛マンガくらいにしか存在しない、好きな女の子と何でか同衾することになったけど手を出せずに悶々とした夜を過ごすっていう、現代の恋愛マンガじゃ読者の大草原不可避なアレなんだな!?そ、そんなもん出来るわけ・・・!

 

で・・・できらぁ!!

 

いいぜ、やってやんよ!俺の頑丈なメンタル舐めてんじゃねーぞ!何なら平塚先生より精神年齢高いかんな!見た目は子供、精神は大人を地で行くリアルコナンくんだかんな!

 

 

行くぜ、俺の男気見せてやる!

 

うぉぉ、野郎・オブ・クラッシャー!!!

 

 

この後めちゃくちゃ素数数えた。

 

 

続く。

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