・榊 貴一
チートマンだがアダ名はモサ男。
煽れる時に全力で煽るタイプ。
キスくらいなら冗談で女友達とかに出来ちゃう。
・雪ノ下 雪乃
ゆきのんゆきのーん!と呼ばれると少しほんわかする。
一人暮らしだけどあんまり夜遊びしない真面目ちゃん。
今回は出てこない。
・由比ヶ浜 結衣
なんか結構本音で話せる様になっちゃった。
でもまだ加減はうまくない。オリ主には奇襲で攻撃する。
ゆきのんと放課後デートしたけどすぐ終わってあんにゅい。
実は昔オリ主と絡んだらしいが・・・?
・平塚 静
既にオリ主と半同棲状態にまで持ち込んだ凄い人。
なのに恋愛能力クソザコナメクジチョロイン。
割とテキトーなセリフで攻略可能なタイプ。
オリ主の体臭をタバコに出来ないかなとか日々考えてる。
・三浦 由美子
一人称はあーし。見た目はビッチ。中身はまとも。
そしてめちゃくちゃ良い奴。これもうわかんねぇな。
原作より面倒見が良い説。
作者としては口調が難しいキャラNo.1
・猫カフェ「にゃんにゃんランド」
最近オープンしたばかりだが、名前が風俗みたい。
そのせいで早速業績不振気味。
しかし店にいる人間もにゃんこも凄い有能。
猫まみれコースの人気はとても高く、一部愛好家には天国、と絶賛される。にゃんこ達もチュール舐め放題で幸せなのでwin-win。
はいどーもこんばんは、貴一です。転生者やってます。
部屋が隣の歳上の優しいお姉さんに甘やかされる系の漫画が好きで、リアルでもこんな事ないかなーと妄想してたら、いつの間にか部屋が隣の歳上のダメなお姉さんのお世話をしてました。現実って残酷ですよね。
みゃー、と茶トラ模様の猫が、膝の上で鳴いた。とりあえず頭を撫でてみる。手のひらに頭を擦り付けて来た。
は?
やば可愛い。なにこれ素敵!
とりあえずにゃんこが満足するまで頭を撫でる。そこでふと思った。待てよ、平塚先生にやったみたいにここで波紋流したらにゃんこに安らぎ与えられるんでね?そこんとこどうなのアンサートーカー。
効果絶大!?・・・む、個体によって心地よい波紋強度が異なるため難易度大?
ふ、どうということはない。俺は猫に好かれるためなら野良猫にチュールをダースで貢ぐ男。少しばかり操作難易度が高い程度でこのチャンスを逃すような事はしない!なぁに、ガキの頃から波紋の鍛錬は積んでるし、何も問題は無い!くらえ虎太郎(茶トラの名前)!俺式ゴッドフィンガー!
ふみゃァァ・・・╰(╰ .ω.)╯コテン
みゃー・・・( ^=ω=^ )…zzZ
は?天使かよ。
てか寝た!にゃんこが俺のナデナデ中に寝た!ヤバい超嬉しい!こ、これが神の手・・・!!俺は辛く苦しい鍛錬の果てに神の手を手に入れた!やった、やったぞ!俺の努力は無駄ではなかったんだ!
バンッ
「聞けしっ!」
ふみゃっ(*ΦωΦ*)─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つバビューーーン!!
↑音に驚いてダッシュで逃げた猫。
は?
・・・は?
「いやなんか言えよ!つか何でここに来たんだし!」
「ぶち殺すぞヒューマン。」(睨)
折角の至福の時間を消し去った下手人に思わす殺意が漏れた。相手は思わずビクッと肩を竦めたあと、恐る恐る虚勢を吐いた。
「は、はぁ?何でいきなりキレてんの?こんなとこ連れてこられてムカついてんのはこっちなんだけど?」
連れてこられても何も、ツラ貸せっていうから校舎裏で告白か喧嘩かとウキウキで着いて行ったら、特に何処に寄るでもなく、その辺の人の居ない道端で、いきなり出た言葉が「で?」である。なんだコイツ頭大丈夫かなと思った俺は悪くない。
だがまぁ俺は精神的には大人なので、何となく彼女の言いたいことは理解出来た。要するにゆいにゃんの事が聞きたいのだろう。だが、何を語るにしてもこんな所で立ったままというのは少しダルい。なので俺はこう言ったのだ。何を聞きたいのかは知らないが、長くなるなら喫茶店でも行こう、と。
すると目の前の彼女は不承不承、と言った顔はしたものの、そ。と一言だけ呟いて着いてきた。
なので俺は最近出来たばかりの猫カフェに来た。
何か不思議な点があるだろうか?いや無い!
猫カフェだってカフェとつく以上は喫茶店だし、1文字とはいえ着いてくると了解したのは彼女である。別に全然いきなりでもない。なので俺は彼女を許さないし罰を与える資格がある。だからやる。
「すいませーん、こっちの子に猫まみれコースお願いしまーす。」
「え?」
「はーいかしこまりましたー!」
猫まみれコース!それはマタタビを原料とする猫の好む香料をスプレーで吹き掛けることによって、店のにゃんこ達が一気に寄ってくるコースだ!そして両手には大量のチュールが塗りたくられ、両手を猫に舐めまくられる猫好き垂涎のメニューだぞ!尚お値段1回8000円にして同時注文不可、猫の体力の問題もあって回数制限ありでスプレーの効果時間は僅か10分!猫好きでも豪の者は1時間分とか買うらしい!この店の看板メニューだぞ!
要するに猫でもみくちゃにされる夢のような時間だ。
本当は俺が受けたかったんだが、猫を大事にしない奴にはまず猫の可愛さを叩き込まねばならない。なので現在進行形で店の猫全てにもみくちゃにされ、手のひらぺろぺろされまくってひゃ!?なに?ひゃぁぁ!!と可愛い声を上げまくってる彼女の姿を写真に収め、その後動画に収める。
10分が経った頃には息も絶え絶えになった彼女に、猫はどうだ?と訊ねると、彼女は力なく呟いた。
「・・・超もふもふだった。後くすぐったかった。」
ふ、宜しい。これで君も今日から猫好きの一員だ。
ところでひとつ良いだろうか?
「何か聞きたいことあったんじゃないのあーしさん?」
早く話しなよ何時までも猫に塗れてないでさ。
全く、彼女は一体何しにここに来たんだろうか。
「どの口が言ってんだアンタッッ!!」
あらやだ顔真っ赤。でもちょっと涙目でプルプルしてて可愛い、とりあえずm9(^Д^)プギャーと返しておく。ガスっ!いった!殴られた。なんて酷いことをするんだ。そんな余裕が無いのだろうか。ダメだなー、そんな事じゃダメだわー。とりあえず猫のお腹に顔埋めて落ち着きなよ。
「するか!いい加減に・・・!」
「だから落ち着けというのに。というか俺に話させたいならまず何を聞きたいか教えてくれ。ゆいにゃんの事ってのはわかるけど、ゆいにゃんの何が聞きたいの?」
それを教えてくれないと俺に話せることなど何も無い。というか何でわざわざ俺に聞くし。よく知らんけどあーしさんなら自分でゆいにゃんに聞くタイプだと思ってたんだが。
そう聞いてみたら、彼女は何度か深呼吸して意識を切り替えたらしい。浮いてた腰を椅子に深く座り直して、ついでに脚を組んで背もたれにギシリと勢いよくもたれかかった。
「・・・別に、そこまで聞きたいことがあったわけじゃねーし。」
え、そうなの?
じゃあ一体何がしたくてツラ貸せなんて言ったん?
「・・・ユイは、」
うん?ゆいにゃんが何か。
「ユイは、あーゆう性格だから、普段からあんま、自分の言いたいこと言ったりしないし、押しに弱いとこあってナンパとかされると、あんま上手くあしらえない奴、だった。」
あー。
うん、そうね。凄い想像つくね。確かにそういう子だね、うん。
それで?
「だから、なるべくあーしが引っ張らなきゃ、って思ってたし、あまり変な奴は代わりに追い払ったりしてた。・・・けど、ウチらの中なら、だいたい言いたい事言えてるって、思ってた。」
おや、そうなのか。びっちクイーンみたいな見た目で結構姉御肌何だなこの子。口調はキツいが意外と良い奴なヤンキータイプか。
「でも、いきなりあーゆー事言えるようになったの、アンタやあの女を見てたら、って、そう言ってた。アンタらが本音で話してるの見てだって。でもさー、あーしは別に、ユイに本音隠してたつもりは無いっていうか・・・」
そうなのか。まぁ俺はともかくセツのんは確かにパンチあるキャラしてるしな。影響受けるのも仕方ない気がするけど。
「でも、あーしだって言いたいことは言うし、自分でも強気な方だと思うっつーか・・・その。」
んん?何かイマイチ言いたい事が分からんってかあーしさんがモジモジしてんの凄い違和感あるな。ええと、今の話を纏めて見ると、えー。
ん、んー・・・?ひょっとしてアレか。
「つまり自分だって雪ノ下みたいなキャラだと思うのに、自分の影響ではゆいにゃん自分の言いたいこと言えないままだったのに、なんで雪ノ下の影響は受けたのか?って話?」
「・・・そんな感じ。あと、アンタも今まで誰とも喋んなかったのに、ユイの話に出てきたし。」
うーん。
正直それは俺に聞かれてもという感じなんだが。
俺だってゆいにゃんが手作りクッキー作りたいって部室に来てから初めて会話したし、時間にしてまだ1週間も経ってないから俺に聞かれても何が影響したのかなんてさっぱりだ。
「手作りクッキー?何それ、あーし知らないんだけど?」
俺もよく知らんが、手作りクッキーを渡したい相手が居るとかなんとかで、でも自分1人じゃ出来んからって平塚先生に相談した結果うちに来て、俺とセツのんが指導しただけだ。細かい理由は本人に聞いてくれ。たぶん今ならゆいにゃんも普通に話せるだろうし。
「そういえばそんな事言ってた時あったような・・・?あー、あーし自分でやるとかないわーって言ったかも。」
なら、それで君らには相談しにくくなったのかもな。ゆいにゃんそーゆー細かいこと無駄に気にするし。そう言ったらなんか悩むような顔して黙ってしまった。
まぁゆーてそうだったとしても、それはあくまで彼女に相談しなかったと言うだけであって、何故セツのんの影響受けてあーしさんの影響受けなかったのか、ということの答えにはなんないけど。強いて言うなら、言葉の影響力ってのは「誰が」言ったのか、というのが1番影響してくる。仲間を作って言いたいこと言える位置にいる彼女と、仲間なんぞ1人も居なくとも言いたい事言えるセツのんとでは、本当の意味で強さが違う。
実際にはあーしさんは仲間作ってお山の大将気取りってよか、見た目と性格と面倒見の良さでいつの間にか周りに人が居たタイプっぽいので、そういう求心力的な能力値ではセツのんの惨敗だと思うけども。あの子は身内の面倒見は良いけどそもそも身内になるまでの審査がルナティックすぎるからな。ゆいにゃんがその中に入りつつあるのはある意味ゆいにゃんだからだと思う。
まぁそんなことまで教えんのめんどいからなんも言わんけど。
つーか喉乾いた。すいませーん、このジャンボブルーベリーシェイク1つ!あ、あーしさんなんか飲む?
「・・・トールバニラノンファットアドリストレットショットチョコレートソースエクストラホイップコーヒージェリーアンドクリーミーバニラフラペチーノ1つ。」
お、呪文かな?
かしこまりましたー!
え、今の1回で聞き取ったの!?店員さんやべー!つーか何処に書いてあんのそんなメニュー。ヤバい。
「・・・てかさ。」
ん?何かなあーしさん。
「それ。何でアンタあーしの事あーしさんって呼ぶの?」
「え?あーしが名前なんじゃないの?」
いやてっきり俺、とか私、の代わりに一人称に自分の名前使っちゃうタイプなのかと思ってたんだけど、違うの?何か強気なキャラの割に幼い子供みたいな一人称だったから、ギャップ萌え狙ってるのかなって。
「はぁっ!?そんな訳ねーし馬鹿なの?普通あーしのことあーしって言って名前だと思うとか有り得なくね?つーかギャップ萌えってなんだよ!アンタあーしの事なんだと思ってんの?」
「え、ゆいにゃんのボス的な?つまりビッチ。いやボスだからビッチクイーン?」
「は?ビッチじゃねぇし。きっも。」
えぇ、その見た目でビッチじゃないとか逆にないわー。とんでもない見た目詐欺だわー。詐欺過ぎてマイナスのギャップだわー。そんな事されたらせっかくの美人でも逆にイメージ悪くなるわー。なんか好きな男に相手にして貰えてないとかありそう。
「はぁ?アンタ、何言って・・・ねぇ、そういう事ってホントにあんの?」
ん?何が?
「いやだから、その、見た目とイメージ違うと逆にダメ、みたいなこと。」
んー。人による、ないとは言わない。でも受け取り手の問題だから、たぶんだけどよっぽど腹に何か抱えてない限り、あーしさんに言い寄られて悪く思う奴はそうそう居ないと思うけど。え、受け取り手の問題って何かって?
そうさなー、見た目スーパービッチのあーしさんが、実は中身はハイパー堅物負けず嫌いのセツのんみたいだったら、何かガッカリするじゃん?どうやっても人間は初対面の相手を見た目で判断するから、ナンパ野郎がビッチっぽいあーしさんは簡単にヤレそう!って声掛けたら全然違くて、ふざけんな!ってなる。この場合あーしさんは悪くないじゃん?でもナンパ野郎からしたらあーしさんの見た目がスーパービッチなのに!と納得いかないわけだ。
そんなこと知るかって?そりゃそうだ。でもそれが言える相手ならそれで済むでしょ?それで済まないから困ってるんじゃない?違う?え、なぜ分かったってあーた、自覚ないの?
「あーしさん今思いっきり恋する乙女の顔してたけど。」
「は?してねぇし。つーかアンタ人のことビッチビッチ言い過ぎだし。キモイ。あーしは別にビッチなんかじゃないし、男取っかえ引っ変えして自慢する趣味なんか無いから。」
ほう、あーしさんにとってビッチってそんなイメージなのか。なるほどねぇ。でもあーしさんレベルの女に迫られてうんと頷かない何てよっぽどのイケメンしか・・・そういや1人居たな。なんかキラキラしてる奴。言われてみればべーわの人とキラキラのとあーしさんでよく一緒にいるところ見たようなみてないような?
「・・・モサ男、アンタあーしだけじゃなくて隼人の事すら名前も覚えてないの?一応同じクラスじゃん。」
おっと、そのセリフは俺の名前をフルネームで言えてからにして貰おうか!
「は?モサ男みたいな陰キャの名前なんてあーしが知るわけないじゃん。」
言えねーんじゃねーか。まぁなので俺が知らなくても仕方ないよね。つーかあのキラキラ、やたらキラキラしてるし周りにあーしさんやゆいにゃんみたいなヤンキー侍らせてるからガラ悪いので近付きたくない。
「隼人はガラ悪くなんかねーし!つかあーしらもヤンキーじゃねーし!」
見た目ヤンキーだからヤンキーでいいよもう。てかあのキラキラ狙ってんだったら、今のままじゃ多分無理だぞ。よく見てないけど何となく分かる。アレはその他大勢と同じ目で見てくる奴には靡かんタイプだ。
「はぁ?知った風なこと言ってんな。モサ男アンタ何様だし。」
あっそ。まぁそれならいいや頑張れ。
つーか確かに俺が口出しすることでもねぇわ。悪かったな変なこと言って。お詫びにここは払うよ。元々そのつもりだったけど。
「要らない。別にアンタに奢らせようなんて気、さらさらないし。ワリカンで。」
お待たせしましたー!ジャンボブルーベリーシェイク1つと、トールバニラノンファットアドリストレットショットチョコレートソースエクストラホイップコーヒージェリーアンドクリーミーバニラフラペチーノ1つでございまーす。ご注文は他にございませんか?こちら伝票になりまーす。
ほーん?俺は別に構わんけど、ほんとにいいの?ここが猫カフェって事忘れてない?
「ウザッ。良いから伝票よこせ。・・・はぁっ?!何これ!?」
ふははは!だから言ったろうに。猫カフェは入店するだけで料金掛かるし猫と触れ合うグッズにも金が掛かるんだよ!しかも先程君が味わった猫まみれコースは1回8000円だ!どーだ知らなかったろー?ふーはははは!
「ぐっ!・・・ちっ、しゃーない。」
およ、ホントに払うの?真面目なんだな。それで何でそんな見た目なのか。
「うっさい。モサ男には関係ない。」
それもそうね。ところで俺も伝票見たいんだけど、貸してくれる?
そう言って伝票返してもらったらそのまま店員さんを呼び、カードで、と言ってカードと伝票を渡す。割り勘しようと携帯で計算してたあーしさんが俺の早業に苦虫噛み潰したような顔をした。
いやそんな顔されても元々払わせる気ないし。払わせる気があったら普通の学生のあーしさん連れてこんなとこ来ないし。心配しなくとも俺はこう見えて結構稼いでいるのだ。
「だから何?どんなバイトで稼いでるか知らないけど、その金はアンタが働いて手に入れたもんで、それで金持ってるから払って当然だなんて言うような奴とあーしを一緒にすんな。払うったら払う。」
「・・・うわぁ。」
「・・・何その顔。なんか文句でもあんの?」
いやゴメン。素直に良い奴過ぎてびっくりしてた。何なのあーしさんヤバいくらいいい女なんだけどどうなってんの?
「は、はぁっ!?いきなりなんだし!!きっも!うざっ!」
いやだってねぇ?これは本気で驚いた。思わず声が出たレベル。普通の高校生だったら必死にバイトして金貯めた友達に平気で金持ってんだろ奢ってくれよって言う奴多いんだけどな。
でもその金が、自分たちが部活で汗流したり遊んだりゲームしたりしてる間に、その友達が自分のそういった部活やら遊びやらの時間削って稼いだ金だって理解してる奴は本当に少ない。それが分かってるあたりあーしさんは凄い。かなり人の事きちんと見てる。ヤバい。
「〜〜ッッ///うっさい!もう分かったから黙れし!あとこれ!」
あ、それは本当に仕舞って。マジで。
もしかしたら勘違いしてるかもしれないが、俺はこういう時ポンと金を出せる男に憧れて金を稼いでる。つまりこれは俺の為にやってる事なので、むしろ逆にここで俺が払わないと俺のプライドが許さない。なのであーしさんには涙を飲んで俺の顔を立ててもらおうか。
そう言って納得いかなさそうなあーしさんとちょっと睨み合い。だがこればっかりは俺が引く気ないので、一切譲らない。いやその辺の勘違い女とかに奢るほど俺もお人好しじゃないが、こんないい女に金出させたらチート使って金稼いでる意味無いよねホント。
少しの間睨み合いは続いたが、結局俺の本気を知ったのか、それともこんな事で意地張る俺に呆れたのかは分からないが、あーしさんは引いてくれた。しぶしぶ、といった表情でだしたお金をサイフに仕舞い直すあーしさんにありがと!と笑顔でお礼を言っておく。正直面倒事かと最初は思ったが、あーしさんがこんないい女だと知れたので非常に楽しい時間になった。
うん、イケメンがモテるのとか正直最近はどうでも良かったんだけど、こんないい女に言い寄られて靡かないキラキラはやっぱ爆発した方がいいわ。なんで俺特典にキラークイーンって頼まなかったんだろ?
「・・・次は、あーしが払うから。」
「なんだ、次も一緒に来てくれるのか?キラキラに嫉妬されちゃうな。」
「・・・調子乗んな。アンタなんか隼人の相手にもなるかっつの。」
いやまず俺と2人で来るってことを否定しろよ馬鹿なの?というかよく考えたらなんで今日も俺と2人で来たの?別に俺呼び出すにしたってキラキラとゆいにゃん以外はいたって良くない?
え、今日は誰も予定合わなかった?キラキラ達は部活で国体目指してるから練習の邪魔したくない?はぁー?何それ良い奴かよ。あーしさん最高に良い奴かよ。これでもうちょっと素直ならゆいにゃんもあーしさん相手に怯えないのに。
「うっさい。ユイはあーゆーところ含めてユイだから、アレでいんだよ。」
ほーん。
ま、それもそうね。にしてもゆいにゃんももったいない。
「・・・は?アンタ、なんでそれ」
すまんね、俺チート持ちだから。ぶっちゃけ最初から知ってたよ。
あのセツのんと自分の違いがどーとかいうのも割と本音みたいだったけど、1番知りたかったのは、ポッと出の癖にあれだけゆいにゃんに影響与えた俺らが、正確には男の俺がか?とにかくまともな人間かどうか知りたかったんでしょ?ゆいにゃんは押しに弱いし流されやすいから、変な奴の影響受けたらどうなるか分かんねーもんな。
まぁ、付き合いの浅い俺でさえゆいにゃん放っておいたらダメ男に金貢ぐために身売りとかしてボロボロになって、それでも中々放り出せなくて苦労しそうだなとか思うからね。そーゆーとこひっくるめてゆいにゃんだと思ってたりすると余計に心配になるよねー!あっはっはっ!
まぁ心配しなくとも、俺別にゆいにゃんと恋人でも何でもねーし。友達でさえ無いから悪影響もクソもないんだけどね。・・・どうよ、安心した?
「ふん。・・・嘘つけ、友達じゃなかったらユイがあんな楽しそうに喋ってるわけねーだろ。」
そんな事言われても俺現にゆいにゃんと連絡先の交換さえしてないけど。あ、携帯見る?マジで入ってないよほら。
「は?うわ、本当に入ってない・・・てかアンタ、家族以外だと平塚先生しか入ってないってヤバくね?つかあの女すら入ってないじゃん!むしろなんでこれで平塚先生は登録されてんだし。」
隣に住んでて、家事全般が壊滅的な平塚先生の代わりに、先生の日常生活を管理してるのは俺だからです。・・・いやこれ言ったら平塚先生の教師としての威厳が消し飛ぶな止めとこう。俺が授業よくサボるから面倒見の良い平塚先生はわざわざ連絡事項とかメールで送ってくれるのさ、と言って平塚先生の株を上げておく。
ま、何にせよそんな訳なので安心しておくれやす。今度からは無理して2人で来る必要も無いよ。というかそもそも来る必要が無いよ。なので出来たらいつもの皆と来たらいいんじゃない?ゴスっ。痛!いや待って今なんで俺蹴られたの?俺変なこと言ってなくない今?!むしろ珍しくまともなこと言ってなかった?
「うっさい!大きなお世話だっつの!・・・ユイは犬派だし、姫菜はこーゆーとこ興味無いし、隼人は・・・どうせ2人じゃ来てくれないし。とにかく、アンタなんかに気を遣われる筋合いないっ!」
ハイハイ分かった分かった、それは悪うござんしたー。変な気を回して大変申し訳ございませーん。つーかそれは良いんだけどそろそろ帰らね?いつまでその呪文ドリンク飲んでんの?は?俺のブルーベリーシェイクもまだ全然減ってない?ははは、あーしさんに合わせてただけですぅ。こんなもん俺にかかれば秒ですぅ。
「は、嘘つくなし。その量のシェイク一気とか出来るわけないし。」
はっ、愚か者め。俺は波紋の呼吸・常中が出来るくらい強力な肺活量を持つ男だぞ?見てるがいい。ふんっ!
ギュオッッ!!
「・・・は?何今の消えたんだけど。ありえねー・・・」
ふーははは!見たかこれぞ俺の努力の成果!
それに比べてあーしさんは・・・はぁー。ま、あーしさんはそんなもんよね。まぁ女子だからね。仕方ない仕方ない。あ、俺先帰っていい?
「てめっ・・・!舐めんな、女子だからってチビチビ飲むことしか出来ない訳じゃないっつの。あんなもんキャラ作ってるだけだから。家じゃ麦茶ガブ飲みしてっから。モサ男みたいな陰キャは女に幻想抱き過ぎなんだよきっっも!」
ほーーーん?
まぁ口だけならなんとでも言えますからねぇ、な・ん・と・で・も!!
と、煽ったらとうとう我慢の限界に達したらしいあーしさんは、いきなり飲んでたストローで呪文みたいな名前の飲み物をかき混ぜ始めた。みるみる上に乗ってたチョコやらホイップやらが溶けてなくなり、完全に溶けきったところで、混ぜるのに使ってたストローを抜き、トレイの上に置いた。そしてガッとグラスを掴むと一気に呷った!おお、なんという飲みっぷり!流石あーしさんカッコイイ!ところで、一気飲みしてるとこ悪いんだけど、1ついい?
「実はさっきからゆいにゃんがそこの窓からこっち見てるんだけど、知ってた?」
ブハッッ!!
うわ危なっ。
「ゲホッゲホッ!〜〜ッッ!?ユイ?、は?・・・何時から?」
あーしさんがユイはそーゆーとこ含めユイだから、あれでいーんだよってツンデレ言ってるところから。セツのん居ないところ見ると、意外とあっちははやくおわったみたいだねー?
「はぁっ!?早く言えし!なんで今言うんだっつの!」
まーまー、それよかあーしさん、はいこれハンカチ。何って、顔拭いた方がいいよ?呪文ドリンク鼻から垂れてるし、何なら軽く化粧剥げて凄い事になってるから。
「ッッッ!?!?〜〜っ、よこせっ!!///」
「激写。」ピローン。
「は?」
かーらーのー?
「撮影開始。」ピローン。
「は?・・・ちょ、ちょちょ待てっ!なんで今撮ったし!?つか動画もやめろ!ま、待った!今顔拭く、拭くから・・・やめっ!やめろォ!」
だが断る。
はっはー!
まさかあの勝気なあーしさんのこんな姿が撮れるとは!今日はあーしさんの色んな素顔が見れてとても嬉しいです!ところで、陰キャ陰キャと馬鹿にしてたモサ男に鼻から呪文ドリンク垂らしてる顔激写されるとか今どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?m9(^Д^)プギャー
「ぐっ、アンタ・・・後で覚えてろよ?」
お?覚えてていいの?なんだ、消そうと思ってたけどやっぱりこの画像残しておくか。え?大丈夫大丈夫ちゃんと毎日この画像見て忘れないようにしておくよww
お?顔真っ赤で涙目プルプル!今にも泣きそうだけどどしたの?何か悲しいことでもあった?ちょうど良かった、今ちょうど凄い面白い画像を手に入れてね、これなんだがはっ、殺気!だが甘いな!そんな攻撃は当たらんのだよ!
ブン!
ヒョイー
フ、アマイナ!
ゴスっ
いった!馬鹿な、何処からってゆいにゃん!いつの間に!?
「うっさい!優美子涙目じゃん何してんのサカキン!優美子を苛めたらあたしが許さないからね!!」
はぁー?苛めてませんー。むしろ苛められたのは俺の方ですぅー。言いがかりはやめてもらえますかー?
「うそつけー!どう見たって優美子が被害者でしょ!サカキンに苛められたときのゆきのんやあたしみたいな顔になってるもん!絶対サカキンが悪い!」
ちょ、人聞きの悪いこというのやめて貰えますか?俺がいつお前たちを苛めたというのか。むしろ何時も苛められてるのは俺の方である。だって何時もキモイとかモサモサとか言われてるし。はい論破。
「うっさいうっさい!とにかくサカキンが悪い!ねぇ優美子大丈夫?サカキンってあんなモサモサのくせに結構えげつない奴だから・・・」
「ちょ、ユイ、大丈夫だから今こっち見んなし!」
「何で!?サカキンになんかされたの!?サカキン女の子の顔にイタズラなんてサイッテー!馬鹿!」
「ちょ、違っ・・・とにかく本当にこっち見んな!今化粧落ちてブスになってっから!!」
「・・・え?化粧?
「・・・へ?まじ?」
「うん。ほら、鏡。」
おもむろにバッグから手鏡を取り出して、あーしさんの方に向けるゆいにゃん。そこには、先程まで呪文ドリンクで滲んだり剥げたりしてたはずの化粧が、まるでそんなことが無かったかのようにそのまま残っていた。
「・・・なんで?仮にドリンクで落ちたのが嘘だったとしても、あーし、確かにこのハンカチでかなり顔拭ったのに・・・?」
簡単である。
まぁそんなこと説明する気は無いので、?顔をしてる2人に声を掛ける。
だから言ったろ?苛めてないって。そもそもさっきだってあーしさんが、ゆいにゃんは私の方が大好きだー!とか抜かすから、俺のゆいにゃんへの愛がお前なんかに負けるかー!って言い争ってただけだし。まぁ結果として俺が勝ったので、ゆいにゃんへの愛は俺の方があーしさんより上です。
「いや負けてねぇし!!」
ほら、そんな訳であーしさんもゆいにゃん大好きって事を認めたので本当に苛めとかは無いです。
「え、ホントに?そうなの優美子!?・・・えへへ、恥ずかしいけど、うれしいな。」
「い、いやちがっ「あ、やっぱり、そうだよね・・・そんなこと、あるわけ」わ、なくも、無いけど・・・」
はい撃沈。
まぁゆいにゃんのあの悲しそうな顔食らったら否定できないよね。仕方ない仕方ない。という訳で俺の完全勝利です。お疲れ様でしたー。
じゃあ俺帰るね。ちょうどもういい時間だし、暇つぶしに付き合ってくれてありがとねあーしさん。2人ともビッチなのは分かるけどあまり夜遊びすんなよ。じゃ、また!
「「ビッチじゃないしっ!!」」
ビッチは皆そういうんですぅー!
そう叫ぶと殴られる前にダッシュで逃げた。
「・・・行っちゃった。くっそー、サカキンめー!次ビッチって言ったら蹴るって言ったのに、蹴る前に逃げられたぁ!!明日学校で絶対蹴ってやる!」
そう言って自分の前で憤る彼女は、今まで見た事もないくらい素のままの彼女のような気がした。
・・・あーしの前で怒るとか、今まで見た事無かったのにな。
「・・・ねぇ、ユイ。、」
でもそれがとても自然に見える。ならばこれはきっと、良い変化なのだろうとも思った。
「あ、優美子本当に大丈夫だった?サカキン割と女の子でも容赦無いから・・・。」
「へーき。それよか、あのモサ男、何て名前だっけ?」
「へっ?榊 貴一だけど・・・あ!もしかして優美子の名前も覚えてなかったとか!?うー、あたしの時も名前覚えてなかったし、アッタマきた!電話で文句言ってやる!」
そう言って携帯を取り出した由比ヶ浜に、いーよもう、と優美子が声をかけた。
「どうせ明日も同じクラスだから、明日あーしが直接文句言う。だからいーって。・・・つーかユイはあいつの連絡先知ってんの?アイツの電話帳にユイの名前無かったけど。」
「・・・あー!そういえばお昼に聞こうと思ってたのに、鍋のインパクトで忘れてた!だから後で連絡するって言った時小馬鹿にしたように笑ってたんだ!ま、またやられたー!」
うがー!と地団駄を踏むユイ。とても自然で、さりとて初めてみる自分の友達の姿。けれども、その騙されやすさに変わらない彼女らしさも見えて、何故だか少し笑いが漏れた。
色々言いたい事もあるけど、何だかんだ自分に遠慮しなくなったユイはこれはこれで悪くない、と思う。だから、明日会ったらまず出会い頭に思いっきり引っ叩いて、さっき撮った画像と動画を削除させる。そのあとはまぁ、ちょっとくらい会話してやってもいいかな?
「優美子・・・?どしたの?」
「ん?何が?」
「なんか、凄い上機嫌に見える・・・ような?」
もしかして、苛められて喜んでる?
流石にそれは遠慮なくなりすぎ(#^ω^)
「ユイ、引っぱたくよ?」
「わぁー!ごめん、ウソ!嘘だから!!」
やれやれ、と呆れつつ。たった数日でここまでユイを変化させた男にはもう1発増やそう、と思った。そこでふと、とあることを思い出した。良く考えてみれば、あのモサ男・・・榊はどこかで見たことがあったのだ。あれはそう、一時期ずっと別の何処かを見ていたユイの視線、それを追い掛けていた先にーーー
「ね、ユイ?」
「ふぇ、なに?」
「そいやさー、
ピシッと、目に見えてユイが固まった。なるほど、どーりで最近妙に浮ついてる訳だ、と思った。ならば最近の彼女の変わり様は、ひょっとしたらあの女よりも榊の影響の方が強いのかもしれない。あるいは、自分から見てもあの女と榊は気さくな関係に見えたから、あの女みたいに榊と気さくに会話したくて、が原因なのかも。
あの、とかその、とか、まだしどろもどろのユイにこれ見よがしににふーーーん?と嫌らしく笑って見せると目に見えてユイが怯んだ。うん、こっちのほーがユイっぽいし!
「・・・手作りクッキー、作ったんだって?ちゃんと、渡せたん?」
そう聞くと彼女は一瞬顔色を悪くして、けれども直ぐに真っ赤に染めた。そして、見たことがないほど乙女のような、そんな顔をして。
「えっと・・・一応?」
はにかむように、とても可愛く笑ったのだった。
◻️◻️
夜。
あれから家に帰って、夕食の準備も終わる頃にで平塚先生も帰ってきた。
平塚先生の三食面倒を見ている関係上、平塚先生の部屋のキッチンもこっちのキッチンもどちらも俺の領域だが、わざわざまともな調理器具やら何やらのない平塚先生の部屋で調理する利点はほとんど無いので、食事の時はもっぱら俺の部屋に来てもらうことになっている。
あとは本来自由時間なのでどっちに居ても良いのだが、土曜日のあれから、平塚先生はこちらで夕食をとった後、だいたいそのまま俺に引っ付いて(*´д`)スーハースーハーとやってるので、自分の部屋にはほぼ着替えと寝る為に帰ってるだけの状態だ。
正直普通に匂い嗅いでるのとかドン引きだし、基本的には休日だけの話なのにこうして平日も家でなでなでを要求されてるのでちょっとどうかと思ってはいるのだが、3日目となると正直慣れてきて、先生の身体やら匂いやらに反応しなくなってきたのでまぁいいかと思うようになり、だいたい好きなようにさせている。
現在は夕食も終わって、そのまま俺の部屋でソファーに座ってダラダラしているのだが、ソファーに横になって読書していた俺に当然の様にのしかかり、胸に顔を擦り付けて俺の匂いを嗅いで、おちつくぅーと悦に入ってる平塚先生も一緒だ。
・・・家に着いて夕飯の前に風呂入っておいてよかった。ひょっとしたら平塚先生なら汗の臭いとか気にしないかもしれないが、匂いが強い方が良い!とか言い出されたら流石の俺も逃げる自信がある。
にしても本当によく飽きないなこの人。少し猫みたいだ、と思ったら昼間の猫カフェを思い出した。そういやあそこには癒された。という事は、平塚先生にも効くのではないだろうか。別に癒される方法は俺でないと駄目、と言うこともあるまい。
という訳で早速提案してみた。「んー、やだ。」即決である。いや何故だし。猫可愛いじゃん。超癒されるじゃん!
「猫より私は榊の方が癒される・・・人前では抱き付けないし、何ならむしろ私が猫になって榊に全身撫で回されたい・・・!」
うわぁ。
ダメだこいつ早く何とかしないと。
というか俺一応次の健康診断までに平塚先生を健康体にしたら、平塚先生の世話焼くのも辞める予定なんだけど、これ大丈夫なんだろうか。てか平塚先生契約内容覚えてるんだろうか。・・・まぁ、深く考えたら疲れそうだし、先のことは後回しでいいか。平塚先生の完全快復計画はまだ始まったばかりだし、ゆっくりやろう。
「てか平塚先生、そろそろお風呂入って来たらどうですか?ぼちぼち9時ですし、今入らないと昨日みたいに寝ちゃって、また朝一慌ててシャワー浴びる羽目になりますよ?」
「え〜。まだこうしてたい・・・!あ、何なら一緒に入るか?「もう入りましたので。」・・・つれない(´・ω・`)」
「ほら、アホなこと言ってないで、早く入りましょう。昨日寝落ちした平塚先生をベッドまで運んだの俺なんですからね?」
「ああ、意外と逞しい腕に優しく護るようにお姫様抱っこされて嬉しかった( • ̀ω•́ )✧」
起きてたんかい。それなら自分で歩いて欲しいんですがそれは。
「惜しむらくはそのままベッド中まで護りに来てくれなかったことかな。」
それ、廃棄王女のチョイ役貴族のセリフやん。しかも性別違うし。本当に先生の趣味いちいちおっさん臭いな。まぁ何でも良いですけど、地味に読書の邪魔なんでそろそろ本当に離れて下さい。あとはよ風呂入れ。
「むぅ、仕方ないな・・・。所で、ずっと夢中で読んでいるが、なんの本なんだ?」
ネットショップで適当にジャケ買いした本です。帰ってきたら届いてたんですが、中々に内容がぶっ飛んでて面白いです。タイトルは「恋の百戦錬磨!ありとあらゆる恋を経験した超人気少女漫画家が教える恋愛の必勝法!〜これで貴方も勝ち組リア充間違いなしっ!〜」です。何が凄いって調べたらこの少女漫画家の漫画どれも売れてない上に、必勝法を教えるくらい勝ってる筈なのに独身なんですよねこの人。というかよくこの内容で出そうと思ったな。これで恋愛が成功したら相手は異性じゃなくて異星人だと思うんだが。
「要するに恋のハウツー本か?意外な本を読むんだな。というか、読んだだけで馬鹿にするのは良くないぞ。何事もまず大事なことは実践だ。疑ってかかる前にやってみるのが成功の秘訣なんだぞ?」
何いきなり教師モード入ってんですか。教師モード入る前に風呂入って下さい。というかそのセリフはこの本を読んでから言ってくださいよ。
「いや、これは私の経験談だぞ。意外と意味不明な行為に見えても、何故か上手く行くことがあるのだ。かく言う私もこの手の本には結構世話になった。」
ジャケ買いした俺が言うのもなんだけど、この手の本結構買った上に実践してんのか平塚先生・・・。というか、それに釣られる程度の男にしか効果がないって事に気付かないんだろうかこの国語教師。だってそれ以上の男に効果があったら今ここで俺の胸にしがみつきに来てないだろうし。
まぁそれはいいか。どうせ言ったところで変わりは・・・待てよ?
確かに言ったところで何一つ変わりは無さそうだが、果たしてこの問題を放置していいのか?何とかしてしっかりとこの手の本を鵜呑みにしないようにさせないと、何だかんだと結婚できず、俺が高校卒業してもこうして俺に引っ付きに来ちゃうのでは?
それこそ今度の健康診断なんかで終わらない未来が確定しちゃう気がする!うーむ、まずいな。何がまずいって凄いその想像に違和感がない。普通に有り得そうな未来だ。
そうなるとどうにかしてここで訂正しておきたいな。しかしこういうのは1回でも成功しちゃうと意外と訂正が効かない。何故なら成功したことによって本人が効果があると思い込んでいるからだ。
うーん、なんかいい方法はないだろうか、と、いうところで自分が読んでいる本に気付いた。そうか、これもその手の本のひとつだしな。これを俺が平塚先生に実践して、あまりのくだらなさが伝われば多少の認識に変化があるかもしれない。ふむ、思い付きだが、試してみてもいいかも知れないな。
よし、そうと決まれば実践あるのみ。でもどうせだから1番くだらないのにしてみよう。
えーと、なになに?
『王道にして邪道!しかして効果絶大!身体でする誘惑術!』
正面から身体で誘惑とか書いてるのもアレだが、この本の内容と比べたら比較的普通だな。却下。
『愛され体質になる為に!バレない追跡法!!(※悪用厳禁!』
愛され体質とストーカー行為の関連性はどっから来たのか。意味が分からん。これはかなりの地雷臭がして一見良さげだが、ざっと見た感じ今平塚先生に実践するのは無理そうだな。残念だが却下だ。
『超簡単喪女脱却術!人の男の奪い方!~幸せは、案ずるより盗むが易し~』
これ働いて自分の欲しいもの買うより、持ってる奴から奪えば良いみたいな話か?自分では彼氏作れないのに、彼女がいる男から奪えるのか?いや、そんな魅力あるならとっくに彼氏居るのでは……?まぁだいぶネタとしては面白そうな話だが、こちらも現状平塚先生に恋人が居ない以上今使えないし、そもそも平塚先生に恋人がいるならこんなことになってないから却下だな。本当に面白そうだけども。
『これで貴方も必ずリア充!一撃必殺!無敵の必勝告白法!』
これだ!告白なのに無敵とか一撃必殺とか明らかな地雷しかない!一応告白術だからこの状況でもやれない事はないし、これにしよう!これに決めた!
『レッスン1、まずは唐突に俺様キャラになりましょう!普段大人しかったり気弱だったりすればするほどギャップ萌えで効果が高まります。』
のっけから何言ってるかもう分からないけど、まぁだからこそ平塚先生の認識を変化させるには効果があるだろう。これは逆に期待してもいいかも知れない。
『レッスン2、俺様になり切ったら唐突に相手の異性に冷たく当たりましょう!それはもう荒々しく、相手を傷付けるくらいの勢いで!』
いや、傷付けたらあかんのでは?まぁ、いい、やってみよう。
「おい、邪魔だ静。いい加減に退け、駄目女。」
「!?ちょ、え?あ、・・・ああ、ごめん!嫌だったか?今退くから!」
『レッスン3、相手が豹変した貴方に驚いたらチャンス、怯えて腰が引ける相手の腰を力強く抱き寄せ、相手の顔5センチの距離まで顔を寄せて相手の目を睨みつけましょう!この時、居丈高に離れるな、と言うのを忘れてはいけません!』
冷たくして退けたのにすぐに自分で引き寄せちゃうの?情緒不安定な奴じゃんそれ。つーかその距離で睨みつけるってヤンキーのケンカみたいだな。やるけど。
「あ、あの、ごめんな榊?私重かったか?嫌な思いさせてごめん、これからは気を付けるから、嫌いに「何してる。俺から離れんな」ひょえっ!?」
グイ、じー。
「え、えっと、その、さ、榊?顔が近い、んだが・・・///」
『レッスン4、しばらく睨みつけて、相手の防御力が下がった気配がしたらすかさず上から目線のままこう言い放ちます。「今からお前にキスをする。額なら友達として、唇なら恋人として。お前がして欲しい方を選べ。」この時、腰に回してない方の手を何気なく相手の顎に添えて、クイッと持ち上げましょう。効果が抜群に上がります!』
相手の防御力が下がった気配ってなんだ?(困惑)ポケモンかな?てかキスを異性にできる時点で相手はもう友達ではないと思うんだが。やるけど。
(防御力が下がった気配が分からん!もういいか、いっちゃえ。)
クイッ
「静。」
「・・・はい…。」
「今からお前にキスをする。額なら友達、唇なら恋人として、お前がして欲しい方を選べ。」
「え?!そ、そそそそれは・・・私たちは教師と生徒いやでも、えっとえっと、そ、それなら・・・!///」
『レッスン5、相手が何処を差し出しても1回全部無視!抱いていた腰を離して少し突き飛ばし、冷酷に冷徹に「俺がお前如きにキスなどすると思ったのか?身の程を弁えろ」とこき下ろしましょう!こうすることで相手のプライドやら精神やらを粉々にして、次のステップにて暗示を受け入れやすくします!』
暗示って言っちゃったよ!告白ではなくなってるよもう!やるけど。
「さか、き・・・んっ///」←唇を差し出す
ドンッ!
「きゃ、榊?何を・・・?」
「なんて顔をしている。俺が本気でお前如きにキスなどすると思ったのか、身の程を弁えろ。」
「・・・っ!?そ、そんな・・・やっぱり私じゃ」
『レッスン6、相手がショックで呆然としたらすかさず距離を詰めてください!そして、もう一度顔を近付けて顎をクイッとします!そこで目と目を見つめ合わせて、ポツリと呟く!「どうした?そんなにキスして欲しかったのか?』
暗示はどこに行ったんだ?(困惑)というかすかさず距離詰めろって、突き飛ばしたの自分なのに。何だこの著者頭イカれてんのか?まぁやるけど。
スっ←もう一度平塚先生の懐に入る
「えっ・・・?」
「どうした?そんなにキスして欲しかったのか?」
「そ、それは・・・!」
『ファイナルレッスン!相手が言葉に詰まったその瞬間!この瞬間を待っていた!視線を逸らそうとする相手をここぞとばかりに両手で顔を掴んで、しかし軽く触れるようなフレンチ・キス!当然相手は物足りない!なので最後にこう言いましょう!「これ以上欲しければ・・・お前が何を差し出せばいいのか、もう分かるな?」これで勝ち確!もう相手は貴方の愛の奴隷です!後は煮るなり焼くなりお好きにどうぞー!』
とうとう奴隷とか言い出したぞ(驚愕)
というかそもそもこれは告白なんだろうか?ボブは訝しんだ。
まぁこれで最後だしやるけど。
ぎゅ ←両手で顔を挟むように掴む。
「え?さ、榊・・・ンっ」
スっ ←本当にすぐ離れる
「あ・・・そんな、まだ・・・」(物足りない)
「もっと欲しいのか?・・・これ以上欲しければ、お前が何を差し出せばいいのか、もう分かるな?」
「・・・コク。」
よし終わり!
いやー、やったのは良いけどあまりに馬鹿馬鹿しすぎて羞恥心で死にそうになるなこれ。考えた奴馬鹿じゃねぇのマジで。俺の強いメンタルでこれならまかり間違ってこれ実践したやつは死ぬな。間違いない。成功すれば死なないかもしれないが、これが成功するとか絶対にないので確定で死ぬ。ザキより怖いなこの本。
「サカキ・・・」
あ、平塚先生、なんか急にすいませんでしたね変なことして!でもこれで分かったでしょ?この手の本がどれだけアホなこと言ってるのか。分かったら先生もこの手の本を鵜呑みにするのはやめて・・・何で服脱いでんの?
「榊・・・いえ、榊さま。言われた通り、私の全てを捧げます。だから、だからどうか、私に情けを・・・!」
「榊様・・・ッッ!_(ˇωˇ」∠)_ スヤァ…」
び・・・びっくりしたっっ!!
転生して17年間で1番びっくりしたッ!!
思わず使用を控えようと思ってたキュアトーク使っちまった!あれそんな名前だっけまぁいいや!
つーがあれ、今もしかして平塚先生この馬鹿みたいな告白に引っかかってた?何か最終的に愛の奴隷とかにするとかいう告白はどうなったの?とか言いたくなるこの馬鹿な本のアレに引っかかってた?
ウッソだろお前・・・
本の通りの演技するだけで恥ずかしいから我慢するのが精一杯で平塚先生の事全然見てなかった・・・!まさか効果出てたとは、予想外過ぎるッ!
いや、ハウツー本鵜呑みにして効果がどうとか言ってるから大丈夫かな、とは思ってたけどそうか、今までそんな胡散臭い恋愛ハウツー本で効果が出るような相手も相手だが、それが効果あると感じちゃう程度に感性がアレな平塚先生も似たようなもんなのか!!
マジかよ、マジかよ・・・!
この人もう28歳でそれなりに恋人がいた事のある大人の女性何だぞ?いくら何でも恋愛弱者過ぎない?これじゃ確かにまともな男捕まらんかもしれぬ・・・。
どうしよう、健康とかそういう事に関しては俺にも手助け出来るけど、恋愛能力に関しては俺は無力だぞー?セツのんだってモテるだけで恋愛能力が高い方には見えぬ。つまり現在の奉仕部では助力出来ない。平塚先生が結婚出来る可能性が・・・!だ、駄目だ俺!ここでアンサートーカーは使うな!俺のアンサートーカーは普通のアンサートーカーじゃないんだ!落ち着け俺!
・・・よし、深く考えるのは止めよう。うん!未来のことは未来の俺が何とかする。深く考えてはいけない。うん。
・・・とりあえず、半裸の平塚先生が風邪引かないうちに部屋に戻して、パジャマでも着させてベッドに放り込んでおけば大丈夫だろう、うん。
まぁ、流石に寝て起きれば平塚先生も正気に戻ってるだろ。たぶん。きっと、めいびー。
戻ってなかったらどうしよう・・・?
が、頑張れ明日の俺!
続く。
書籍名
「恋の百戦錬磨!ありとあらゆる恋を経験した超人気少女漫画家が教える恋愛の必勝法!〜これで貴方も勝ち組リア充間違いなしっ!〜」
著者
台場・フランソワーズ・薫子
著者紹介
「パリは萌えているか?よろしい、ならば結婚だ」「いとも容易く行われる完全完璧なお見合い術(※ただし相手の意識は無いものとする」「猿でもできる異性の落とし方〜古代ローマ編〜」など、数々の恋のハウツー本を世に送り出してきた恋の鬼才。46歳独身既婚歴なし。あまりにも突飛なタイトルと理路整然ならぬ理路漠然としたハチャメチャな論理、そして著者の精神状態を危ぶみたくなる意味不明を通り越して日本語なのに言語不明と呼ばれる文章、なのに何故か警察が有害指定図書と出版社に抗議するほど緻密で完璧な犯罪計画(誘拐術や監禁術など)を描写してみせることから「これ本当に恋のハウツー本?ギャグ小説じゃなくて?」とネットで話題に。この手の本が大好きな一部の変態とネット民の間で大人気になり、彼女の生み出した作品は全て「女神の恋愛指南書(※ただし異星の者に限る)」と呼ばれる様になった。シリーズ累計60万部のベストセラー作家。これで落ちたら人の終わり(笑)、むしろ実践したら一周回って新人類wなどと1部のファンは毎回呟きながら最新刊を楽しみにしてると言う。作中の「錯乱してこそ恋」は流行語大賞候補にも選ばれた。