※この作品はR-18です。

目の腐った主人公が居ないんですけど。   作:銀座

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【注】WARNING【注】

・今回は趣味と愛を思う存分ぶっ込んだ結果、文字数が何時もの二倍くらいあります。

・後半はもはやオリジナルなの?ってぐらいキャラ崩壊があります。

以上の2点に注意して、納得出来た方だけお読み下さい。


8話

おはようございます、どうも貴一です。転生者をしています。

最近よくキャンプ飯動画を観るんですが、外国人の方々が、日本では売ってる店を探す方が苦労しそうな大きな肉を豪快に焼いてるんですよね。それは良いんですが、パンに挟んで食べる場合厚いままだと食べにくいのか、凄く薄くスライスしちゃうんですよ。最初からスライスした肉買えば?と思うのは間違いでしょうか。

 

 

 

「職場見学?」

 

「そうそう、サカキンはもう行くとこ決めた?」

 

いや、決まっては居るんだが通りそうにないらしいので他の人間に合わせることになりそう。平塚先生にそう言われた。今年から何か3人1組が固定らしいので、俺が行きたいところはおそらく俺1人しかいないから他のとこに合流だとさ。

 

「・・・貴方、また突拍子も無い所を希望したの?」

 

失礼な。俺は何時も現実的ですぅ。何ならゆいにゃんだって知ってるくらい有名なところですぅ。

 

「由比ヶ浜さんが知ってるくらい有名な・・・?まさか観光地とか言わないわよね?あのね榊君、今回は職場見学だからディスティニーランドとかを職場と言い張るのは無理があるわよ?」

 

「えぇっ!?・・・ってなんだー。出来るならあたしもそれにすれば良かったとか考えちゃったよ。」

 

ゆいにゃんェ・・・。まぁそれはそれで面白そうだが、生憎俺ディスティニーランド嫌いなんだよね。遊びの選択肢にも入れないレベル。

 

「はぁっ!?なんで!?超楽しいじゃんディスティニー!何が不満なの?!」

 

「人混みと待ち時間。ウォータースプラッシュひとつ乗るのに3時間待ちはやる気なくす。二度と行かない。」

 

「あぁ・・・それは私も同感ね。あれだけの人混みに長時間居るのも辛いのに、アトラクションひとつにそんなに待たされたら私でも嫌になるわ。」

 

「えぇっ!ゆきのんまでそんなこと言うの?それ絶対行く時期間違えてるよ!ちゃんと空いてる時期に行けばアトラクションそんなに待たないし、人もそんなに多くないよ!・・・ていうか誰と行ったの?友達?」

 

友達?・・・んー、まぁ友達かなぁ。

平塚先生って友達の範疇に入れていいのだろうか。いや別に恋人でもないしな。実は先週の土曜日に、朝一急にドライブに付き合わされたと思ったら行き先がディスティニーランドだったのだ。

 

いやまぁ、平塚先生が随分気合いの入ったカッコだなーとか思ってはいたが、ちょうど戸塚の依頼であるテニスの指導期間が終わった直後で、戸塚と奉仕部メンバーで軽く夜遊びしたのだ。その後何か不機嫌な平塚先生に深夜までダル絡みされ、ようやく寝れたと思ったら早朝に叩き起されて眠気MAXだった俺は、普通に平塚先生の車の助手席で寝た。そして起きたらディスティニーランドだった。

 

なんかよく分からないが平塚先生は最初やたらウキウキしてたのだが、なんかのイベント期間中だったのか単に土曜日だからなのか分からないが、とにかく混んでいた。そのせいでアトラクションひとつが最短で1時間待ち。何処も彼処も人だらけで中の飲食店も使いにくく、仕方なく乗るアトラクションをメインの幾つかに絞ってさっさと帰る、という事にしたのだが、それで3時間待ちのウォータースプラッシュを引いた時は俺よりも平塚先生がイライラしてしまっていたので、やる気なくして結局アトラクション2つくらい乗っただけで帰ってきた。

 

当然ウキウキで2人分の1日フリーパスを買った平塚先生はお通夜状態だったので、家に着いた後はこれまためんどくさい事になっていた。おかげで機嫌直してもらうために今度は違う日にちゃんとデートする事になってしまったのだ。うん。もう行かなくていいかな。

 

とか回想してたら何か沈黙してる2人。なに?何か変なこと言ったか俺。あ、待て分かったぞ。どうせあれだろ?俺にディスティニー一緒に行く友達いたんだーっていう話だろ?ふ、こう見えて俺はたまに遊ぶくらいの友「ねぇサカキン。」あ?何よ。

 

「その友達って、もしかして女の子?」

「そうだけど?」

 

いや、幾ら俺でも男と2人でディスティニー行くくらいなら1人で遊園地行くわ。まだマシ。まァ平塚先生が女の子?って言われたら大人の女性ですと答えるしかないけど、まぁあえて言わずとも良かろう。

 

「へ、へー、そう・・・なんだ。何か、意外。」

 

「そう、ね・・・。私はてっきり、1人で行ったものかと思って、いたわ。」

 

・・・?何か動揺してるけど?なんかあった?そんなに俺に遊び友達いた事が意外か?まぁ平塚先生は友達じゃないとか言われたら俺は1人で行ったことになるのでセツのんの考えもあながち間違いでもないが。つーか君らは何処に行こうとしてんの?職場見学。

 

「あ、ああ!職場見学ね!あたしは1番近いとこ!」

 

「そ、そうね。まずは職場見学よね。私は・・・まだ決めてないけれど、何処かシンクタンクか、研究開発職かしら。」

 

職場見学で1番近いとこってなんぞ???初めて聞いたなそれ。セツのんはまぁセツのんらしいが。え、何ゆいにゃんどったの?ヒソヒソ話?・・・シンクタンクって何ってあーた・・・(憐憫の目)

 

「由比ヶ浜さん、シンクタンクというのは・・・ごにょごにょ」

 

「あ、そーなの?や、やー!知らなかった!そういう事もあるよねっ!てかサカキンは結局希望どこに出したの?希望通らなかったって奴!」

 

「そう言えば・・・貴方が先生にどんな無茶振りしたのか気になるわ。何処にしようとしたの?」

 

「ん?築地。」

 

「・・・榊君、貴方魚介類の仲介業者か漁師にでもなるつもりだったの?」

 

「えぇっ!そうなのサカキン!?なんで!?」

 

いや全然違うけど。単に食品加工場とか見学行くと、商品試食させてくれること多いじゃん?普段築地まで足伸ばすこと無いし、せっかくだから新鮮な魚介類食えたりしないかなーって。

そう行ったらセツのんが頭痛そうにこめかみを抑えた。逆にゆいにゃんがそれも良いかも!みたいな顔をする。

 

「榊君、貴方ね・・・はぁ、由比ヶ浜さんの近い所、もどうかと思うけれど、貴方も大概だわ。貴方、職場見学が何のためのものか考えた事があるの?」

 

将来何になりたいか、なりたい職業の実際の仕事がどんなものか職場を見て、その職業に就くにはどんな努力が必要か、とかを調べる為のものかな。それが分かってるならって?いやだって俺にそういうのしないし。あ、ヒモやニートになる訳では無いから悪しからず。では何になるかって?秘密。まぁ気が向いたら教えてあげよう。

 

「分かってるのなら良いけれど・・・貴方が何になりたいのかは知らないけれど、本当にやりたいことがあるなら今のうちに真剣に考えておいた方が良いわよ。」

 

大丈夫大丈夫、もうなってるから。詳しく言う気は無いが、既に平均的なサラリーマンの生涯年収の20倍は稼いでいる。まぁ俺が凄いんじゃなくてアンサートーカーの力だけど。てか俺よりゆいにゃんの方がヤバいと思うんだ。

 

「あ、あたしはまだそういうのは考えてないかなー。あはは・・・進路かぁ。みんなちゃんと考えてるんだ・・・。」

 

いや全然考えてないが。俺はもう余程のことが無い限りわざわざ働く必要もないからな。とはいえ、前世の俺はいつまでもやりたいことが見付からず、惰性で入った会社で苦労した。なのでゆいにゃんはしっかり考えて行き先を決めて頑張った方がいいと思うので、一応人生の先輩としてスーパー悩んで決めろと言っておく。

 

さておき、俺ちょっと用あるからそろそろ帰るわ。あと任せた。

 

「え?今日は早くない?どっか行くの・・・ってまさか、デート、とか言わないよね?」

 

ははは、まさか。ちょっと呼び出し受けてるだけだよ。俺もよく知らんが、向こうに用事があってこのくらいの時間まで暇潰ししてろってお達しでな。

 

「呼び出し・・・?御家族の方でも来たの?」

 

いや何でそうなったの?え、電話帳?まぁ確かに俺の電話帳とか家族抜いたら片手で足りるくらいしか入ってないけど。セツのんとゆいにゃん入れてそれだから俺の電話帳の中身の薄さが、よく分かるよね!

 

ん?家族じゃないなら誰かって・・・あれだよあれ、ビッチクィーン・・・じゃなかったあーしさん、もダメなんだっけ、ユーミンからだよ。

 

「はぁっ!?優美子から?なんで!?って言うかいつの間に連絡先交換したの?」

 

「・・・どういう事かしら、榊君。」

 

ん?何そんなに苛立ってんの?別に連絡先の交換くらい誰だってするやん。まぁ何時かと聞かれたら少し前だな。ほら、先週の火曜日市教研で部活やらずに帰ったろ?あの時、暇だからその辺散策してたら何か遭遇した。で、何か2人でカラオケ行ってそこで?

 

「カ、カラオケ?2人で?あたし達とも行ったことないのに!?」

 

や、だって俺カラオケ嫌いだし。俺音痴だからさー。まぁユーミンの奴に無理矢理連れていかれたんだが。アイツ俺の得点見て爆笑しやがって・・・!

 

「・・・榊君。ひょっとしてディスティニーランド一緒に行ったのは・・・」

 

あ、それは違う人だぞ。てかディスティニーに俺と2人で行くわきゃなくね?ユーミンはキラキラにお熱じゃん。ま、上手くいってないみたいだが。こればっかりはな・・・ってかセツのんはともかく、ゆいにゃんはユーミンから話聞いてないの?聞いてないのか。へー。

 

「ゆきのん、先週の火曜って確か、2人で買い物行った日?そっか、あの日に・・・。」

 

・・・?

なんかよく分からんけど俺そろそろ行くね?「待ちなさい。誰が行って良いと許可したの?」えぇ・・・むしろなんでダメなの?どうせ今日も依頼人来ないと思うんだけど。

 

「来なくてもダメだよ!部活はちゃんと最後までやらないと!」

 

ゆいにゃんまで!?君そんなに真面目なこと言うキャラと違うだろうに。つーかこの部活の最後までって、何時もテキトーやん。だいたいセツのんが本閉じるまでじゃん。

 

「とにかくダメよ。早退の事前連絡を怠った貴方が悪いわ。三浦さんにはお断りの連絡を入れておきなさい。良いわね?」

 

(´・ω・`)そんなー

 

・・・ま、確かに俺も事前連絡を忘れてたのは事実だしな。仕方ないか。分かった、ユーミンにはメールで連絡入れとくよ。

 

「(ホッ)・・・そうそう、部活はちゃんとやらないとね!」

 

や、ゆいにゃんも普段真面目に部活やってないと思う・・・いや、なんでもないです。ピピピあ?電話・・・ああ、ユーミンからだ。「!?」

 

すまんね、ちょっと電話するね?ってうわ何すんだ!え、何スピーカー?何故だし。まぁ別に聞かれて困るような話もないからいいけどさ。もしもーし。

 

『もしもし、じゃねーんだけど?やっぱ無理ってなに?』

 

部活ー。何か今日は最後までいる日っぽい。すまん勘弁!

 

『は?仕事がなければ抜けれるって言ってたじゃん。なんで今言うの?』

 

面目次第も無い。いや、俺だって行く気はあったんだよ?マジマジ。

 

『チッ!・・・分かった。今度、ちゃんと埋め合わせしろよな?』

 

ええ?元々がキラキラの代わりだし、俺がやる必要ある?埋め合わせはキラキラにさせたら?・・・あーはいはい、分かりましたよ。ちなみに、何時がいいとk「榊君、何時まで長話しているの?」「そうだよサカキン!ちゃんと部活真面目にやって!」あ、ちょ、お前ら!!な、何をするだァー!す、すまんそんな訳で又後でメールするわ!申し訳!

 

ブツッ

 

「ふーん?そーゆー事か。・・・ま、別にいーけど。」

 

 

◻️◻️

 

・・・あの。なんなの?さっきからやたら不機嫌だけど。

文句があったら口に出していただけるとありがたいです。

 

「何も無いわ。」

「なんでもない。」

 

えぇ…なんだよもう。女子高生の気持ちはホントによく分からんな!やれやれ、今日は久しぶりの猫カフェだったというのに「猫カフェ?」およ、どったんセツのん。猫カフェに興味アリアリ?え、ないの?なんだ残念。

 

「待ちなさい。確かに興味はないけれど、後学のために聞いておくわ。猫カフェとは猫と触れ合える喫茶店の事よね?何処にあるのかしら?」

 

うわ食い付き強っ!それで興味無いは無理あるだろ。まぁいいけどさ、前戸塚連れて4人で行ったラーメン屋の近く。ゆいにゃんも知ってるんじゃね?前にちょっとだけ来たことあったし。あそこのにゃんこ可愛いくてさぁ。名物猫まみれコースがまた素晴らしいのよ。

 

「あー、あそこかぁ!思い出した!サカキンが優美子苛めてた店だ!」

 

「可愛いとは?どんな猫がいるのかしら。猫まみれコース・・・興味深い名前ね。どのようなものなのかしら(メモメモ)」

 

俺は苛めてない。人聞きの悪いこと言わんで貰えますかー?そしてセツのんはガチすぎ。メモとる程の内容じゃないよ。つーか興味深いって言っとるやん。まぁ猫まみれコースは猫好きにとっての天国と言っても過言じゃないが。そしてどんな猫がいるか・・・って愚か者!お前はいる猫で行くかどうかを決めると言うのか!この猫は無理!とか言っちゃう気か!真に猫が好きならどの猫も好きだと言ってみろ!なお俺はスフィンクスだけは無理。毛がない猫とか見てて悲しくなる。虎とかライオンは可愛いと思う。

 

「おおー、凄い、サカキンが元気だ!・・・ん?今普通に無理って言ったよね!?」

 

「た、確かに。私とした事が・・・まずは自分の目で確かめないといけないわよね。」

 

俺のログには何も無いな (すっとぼけ)

 

そうだセツのん!肝心なのは実体験だ!とにかくまずは行ってみないと始まらない!なんなら今度俺が一緒に連れて行ってm「あたしも行く!」お!おう。ゆいにゃんも行きたいの?全然いいけど。あれ、でもユーミンがゆいにゃんは犬派だって言ってたような?あ、猫も好きなの?そっか。

 

「待ちなさい。まだ私は行くとは言ってないわよ。」

 

え、セツのんこないの?あれだけ猫が好きそうなのに。・・・あ、そうか。人前で猫にデレデレ出来ないタイプか。居るよねそーゆー人。漫画だとヤンキーに多い。

まぁ、それなら仕方ないな。場所は教えるから1人で存分に楽しんでくれ。ゆいにゃんはどーする?一緒に行く?

 

「え?・・・うん。あたしは、サカキンと行こっか…な。」

 

そう?じゃあ何時が良い?なんなら明日の部活後とかでも「待ちなさい、私はまだ行かないとも言ってないわ。」ええ、優柔不断なの?結局どーしたいのって、ああもう良いや。何かどうしようか悩んでるのは分かった。面倒くさいから一緒に行くべ!はい決まり!

 

「ふ、ふん。仕方ないから一緒に行ってあげるわ。感謝する事ね!」

 

「良いかゆいにゃん、あれがツンデレだ。良い見本だからよく覚えてくんだぞ?」

 

「ほ、本当だ。サカキンの漫画で読んだのとほぼ一緒のセリフだ。ゆきのんがツンデレって本当だったんだ・・・!」

 

そうだ。これで信じたろ?たまにゆいにゃんに酷いこと言うように見えても、セツのんは思ったことを口にしてるだけで本心は何時もあんな感っっ殺気!?

 

(っ’-‘)╮ =͟͟͞͞ブォン

=͟͟͞͞( ˙-˙ )サ

 

何だよもう。照れ隠しに物投げるの止めろって何時も言ってるだろ?あと俺がチーターだからいいけど、せめてゆいにゃんに間違って当てても問題無いような物を投げろし。

 

「大丈夫、貴方が避けなければ由比ヶ浜さんに当たる事はないわ。」

 

それ恋人を庇うヒーローに敵対する悪役のセリフっっ!!

 

 

 

この後散々物投げられた!

 

 

◻️◻️

 

 

「それ、でッ?何の、御用かしら・・・葉山、隼人くん?」ゼーゼー

 

「あ、いや。頼み事ならここに行けって・・・あの、雪ノ下さん?大丈夫?何なら出直すけど・・・?」

 

「問題、無いわ・・・!」ゼーゼー

 

問題アリアリで草。

 

あの後しばらくセツのんの猛攻をゆいにゃん庇いながら捌いたり、そもそも俺の近くにゆいにゃんが居るから庇う必要があるのであって、俺が移動すれば問題無くない?よし瞬間移動だ!でセツのんの背後を取ったり、投げられるものが無くなったセツのんが格闘戦を仕掛けてきたりしたけど、物もセツのんの手も足も全部紙一重で避けてやって、セツのんが俺を見失う度に超必殺技の、背中を指で縦につーっとやるヤツ!で敏感肌のセツのんにひゃうぅん!って3回ほどやった結果、まぁ俺の勝ちでセツのんは息も絶え絶え、という訳ですねウケるww

 

そしてその直後にキラキラが依頼だとかで来てしまったので、息を整える間もなくセツのんはあーしてキラキラに向き合っていると言うわけだ。ぷーくすくす!ねぇセツのん今どんな気持ち?照れ隠しで人に物投げ始めた挙句格闘戦まで仕掛けたのに1発もカスりもせず一方的にやられ、そのまままさかの依頼人来ちゃって汗だくで息も絶え絶えで対応するのとかねぇ今どんな気持ち?m9(^Д^)プギャー

 

「いつか・・・いつか見てなさいよ榊君・・・!」

 

いつか?何セツのん、ひょっとして俺に攻撃当てるのはそう簡単じゃないって認めちゃうの?あのスーパー負けず嫌いのセツのんが?今は勝てないって負けを認めるの?!ほほーん?それは凄いなー!俺ついにセツのんに負けを認めさせちゃったかー!っべーわぁー!マジっべーわぁー!俺ホントに偉業を成し遂げちゃったわぁー!セツのんごめんねー?強くってさぁー?

 

「・・・〜〜ッッ!」プルプル

 

お、泣いちゃう?泣いちゃうのセツのん!あの強気で負けず嫌いのセツのんが涙目でプルプルしてるけど、まさか負けを認めた上で泣いちゃうの?良いのか?そんな自分にまで負けて良いのkゴスっ!いっった!え、今俺なにに殴られって、おまっ!ゆいにゃん!、それ俺が買ったカルピスの原液瓶!え、今それで俺殴ったの?お前それビール瓶並の硬度だぞ?!

 

「うっさいサカキン!それ以上ゆきのん苛めたらあたしが許さないかんね!!大丈夫ゆきのん?よしよし、もう大丈夫だかんね!ゆきのんはあたしが守るから!」

 

やだカッコイイ!でもゆいにゃん、そうは言うけど、そやつは俺が守らなければゆいにゃんに直撃するルートでハサミとか投げてんで?いーのかそれは。当たらなかったら問題ない!?シャアかな?

 

「・・・えぇと、その。3人とも仲がいいんだな?」

 

あ、ごめんキラキラ、存在忘れてた。まぁ俺達の仲の良さは抜群だから。それはそれはもう仲良しだから。どれくらい仲良しかって言うとゆいにゃんの入部歓迎会とか一切やってないけど何かもう幼馴染なの?ってレベルでやり取りができるくらい。なんなら俺が入部した時もセツのんは歓迎会とかしてくれなかったけど、俺達皆仲良しだから!

 

「えっと、それは仲良しなのか?」

 

それは誰にも分からない。そう、俺たちにさえも・・・!

 

「もはや唯の自称じゃないの。」

「てか気付いてたならやってよ入部歓迎会!」

 

ふ、やっても良かったのだが、どうにもセツのんがぼっち生活に慣れ過ぎて歓迎会という選択肢が浮かびもしなかったみたいで、しかも最初は地味にこう、壁のある子やからやってもたぶんゆいにゃんが気を使うだけでつまんないだろーなーと思って。まぁ今ならやっても大丈夫かなとは思うけれど。

 

「・・・あー。どうしよう、あたしにもそんな感じになってそうな想像ついちゃった。」

 

「2人とも失礼なこと言わないでもらえるかしら。私はこれでもそれなりに知識はあるのよ?社交辞令くらい言えるわ。」

 

ほら見ろ。ご覧の有様だよ!・・・まぁいっか。セツのんがぼっち気質なのは今に始まった事じゃないし。今はゆいにゃんいるから何とかなるでしょたぶん。きっと。おそらく。メイビー。

 

「榊君、貴方本当にいつか覚えていなさいよ・・・?」

 

いいからそろそろ依頼人の話聞いてやりなよ。さっきから会話に加わっていいか困った様な顔でこっち見てるだろ?依頼人放置とかそれでも部長なの?もう呼吸も整ってる筈でしょうに。・・・あれ?それともまだだった?

 

「・・・ッッ、要件を、聞きましょうか。葉山君。」

 

「(なるほど、今までのは彼女に呼吸を整えさせる為の・・・)ああ、じゃあすまないが聞いてもらえるだろうか。最近出回ってるメールの事で・・・」

 

 

と、ようやく依頼の話になった所で、いつも通りセツのんに話は任せる。ゆいにゃんが一緒になって聞いてくれてるので、俺は大まかな内容だけ聞きながら、お茶でも出そうかと思い・・・先程俺を殴るのに使われたカルピスが目に入った。ふむ?

 

これでカルピスを作って、ついでにアンサートーカーを使って皆の好みの濃度を調べればそれはそれで好評な気がするが、それだと捻りが足りんな。どうしよう・・・ん?キラキラは部活終わってすぐ来たのか。なるほど?

 

そう言えば今は6月。まだ暑くてエアコン無いと死ぬ!というほどの暑い日々にはなっていない。なってはいないが、2ヶ月ほど前の気温に比べたらだいぶ暑くなって来た方だし、今日だって風がなければ汗をたっぷりかいてもおかしくない。なんなら先程激しい運動をしたセツのんは普通に結構な汗をかいていて、話を聞きながらたまに俺が渡したタオルで汗を拭いている。ふむふむ?

 

よし、じゃあカルピスでかき氷にしようそうしよう。季節的にはまだちょっと早いけど暑けりゃ美味いのがかき氷。構いはすまい。とゆーー訳で、かき氷機を取り出します。電動の方が楽だけど、あれは音がうるさいので昔ながらの手動タイプの方が話を妨げないだろう。となれば、氷はやはり天然氷がいいよね。そういや確か栃木かどっかの山で天然氷買ったな。

 

そんなことを考えながら懐からマジシャンが被ってそうなシルクハットを取り出し、そこに手を突っ込んで古めかしい大きな手動かき氷機を取り出す。そしたら、シルクハットを上からペタンと手で押しつぶす。するとあら不思議、ペタンコになったシルクハットが消えたので、パンと両手を叩くとそこには大きな天然氷が出てきます。そこでさっそく氷をセット。削った時にどうしても氷が器から漏れてしまうので、テーブルと床が水で濡れないようにタオル敷いて、器は・・・んー?なんかちょうど良いのないな。うーん、ちょっと小さいけどサンデーグラスに、ってあ!使い捨てのお椀があった。この器見ると祭りのかき氷思い出すよね。これでいっか。で、スプーンは使い捨てのスプーンでいいや。

 

ーーーさて、かき氷にかけるシロップ、カルピス以外に今ならイチゴとメロン選べるけどどっちがいい?

 

「あたしイチゴ!少し多めにかけて!」

 

「練乳はないの?じゃあ私はカルピスだけでいいわ。」

 

「いやその反応は流石におかしいと思う。」

 

お?キラキラかき氷嫌いか?天然氷だし昔ながらの手動かき氷機だから、氷がサラサラで美味しいぞ?さすがに抹茶氷の用意は無いから宇治金時は勘弁してくれ。あんこはあるんだけどね、不完全なもの出すのはちょっとね。

 

「違うそうじゃない。そこじゃない!今もっと色々おかしい所あっただろ!?いきなり出てきたシルクハットとかそこに入り切らない大きさのかき氷機とか色々!!」

 

お?おー!なんだそんなことか!そういや最近2人とも慣れちゃって反応薄いから忘れてたわ!そりゃそうだね!じゃあそんな時にはこうだ!

 

 

「ふ、イリュージョンさ(`・ω・´)キリッ」

 

「もうサカキン完全に言いたいだけだよね。」

 

 

んなこたぁない。

 

 

このあと皆でかき氷食べたよ!

 

 

 

 

◻️◻️

 

あの後皆でかき氷食べながら詳しくキラキラの話を聞いてみると、なんでも今特定の人物を中傷するチェーンメールがクラス内で回っていて、それがキラキラの仲のいい友達なんだとか。

 

これで人間関係ギスギスさせるのも嫌だから止めたいんだけど、犯人を見つけず穏便に解決したい、というのがキラキラの依頼だった。

 

 

そこでセツのんがその依頼を受けて、早速犯人探しに踏み切る判断をした。いやなんでだよ。キラキラもいきなり依頼を無視されて思わず話聞いてた?とか聞いてる。俺もそう思ったから気持はよく分かる。

 

しかしセツのんによると、その手の犯人は1度ボコボコにしてそういうことするつもりが無くなるまで叩き潰さないとダメなんだ、と、自分の過去の経験を元に強く語ってくれた。何かセツのんも結構地雷あってウケるな。

 

そこで犯人探しの為に、情報整理してたら、意外なことにゆいにゃんが原因を突き止めた。原因は職場見学だと。

 

そう、中傷されてるキラキラの友達は全部で3人。しかし今年から職場見学は3人1組。キラキラを入れると1人余ってしまうのだ!それが原因でその中の誰かがやったんじゃないか、とゆいにゃんは友達同士の人間関係の面倒くささを実体験を交えて語った。1部友達のいた経験のないセツのんは話が理解出来なかったみたいだが、まぁそれは問題ない。

 

 

「ふむ・・・。なぁゆいにゃん。今言ってたキラキラの仲のいい友達って、何か何時もっべーわーって言ってる金髪カチューシャと、茶髪の目の細い筋肉と、坊主頭の眉細い奴であってる?」

 

「わ、凄い。サカキンが人の顔覚えてた!そうだよ!」

 

「意外ね。貴方がクラスメイトの特徴を覚えているなんて。」

 

「いや戸部と大和と大岡な。というか、それで2人ともそれで驚いちゃうんだな・・・」

 

 

よせよ照れる(*´д`*)

 

さておき、そういや前見た時印象に残ってたから思い出した。たぶん今回の事の解決なら簡単だぞ。ただキラキラにはなんの利点もないけど、それでいいなら。

 

「・・・内容を聞かせてくれ。」

 

「職場見学のグループ、お前が抜けろ。」

 

前に見た時、お前がトイレか何かで席外したらあいつらいきなり会話無くなってた。うるさいのがいきなり静かになったから何となく覚えてる。たぶんあいつら同士は友達じゃないんじゃないか?お前という共通の友達に集まってるだけで。ならそのグループからお前が抜ければ、お前が仲のいい友達と職場見学行けなくなる代わりに争う理由もなくなると思うよ。

 

今からだとどこも職場見学のグループも決まってるだろうし、そいつらも今更他のグループには入れんだろうから、運が良ければその3人で行ってちょっとぐらい仲良くなるんでない?まぁキラキラは今からグループ探し直しで面倒だろうけど、その気になればお前なら何処にでも入れるだろ?

 

と、言ったら考えてこんでしまった。たぶん俺の言葉の信憑性と実際にこの提案を受けた時のことを考えているんだろう。俺としても必ずとは言えないが、アンサートーカーに確認したら原作ではこうやって解決したらしいし、たぶん問題ないと思う。それに、ゆいにゃんはおろか、セツのんも口出ししてこないので、妥当だと判断したんじゃないかな。

 

ちら、と外の様子を見る。

すると、最近日が伸びてるにも関わらず外が薄暗くなりつつあった。時計を見ると・・・18時か。バスケ部も練習終わる頃だな。まぁ元々キラキラが部室に来たのが部活終わってからなので、このくらいになるのは仕方がない。仕方がないが、これ以上は遅くなるのも事実だしな。ふむ。

 

よしじゃあこうしよう。明日、件の3人といつも通り会話してみて、それで何だかんだ言い訳して離れて、それで離れたところからこっそり3人の様子を伺ってみたらどうだ?それからどうするか決めたら良いと思うぜ。だから今日のところはもう帰ろう。これ以上は遅くなるし。

 

「ん、そう、だな・・・ああ、もうこんな時間か。分かった、そうしてみる。遅い時間まですまないな。今日のところは帰るよ。」

 

「気にしなくていいわ。依頼だもの。どうするかは葉山君に任せるけれど、他の方法を取りたい、という場合は早めに言ってもらえると助かるわ。」

 

「分かった。じゃあ、また明日な、3人とも!」

 

「うん、またねー!」

 

・・・うむ、行ったな。では俺達もそろそろ帰るか。俺はかき氷機と食器類を洗ってから帰るから、2人とも、先帰っていいぞ。鍵は俺が職員室に返しとく。

 

「あたしも手伝うよ?サカキンには何時も美味しいものご馳走になってるし!」

 

「そうね、私も自分の分の食器くらい自分で片付けるわ。」

 

要らん要らん。つーかセツのんはともかくゆいにゃんは暗くなる前にはよおかえり。女の子なんだから親御さん心配すんぞ。

 

「いやそれは嬉しいけど、サカキン言ってることがお父さんみたいなんだけど。てか、いくらゆきのんが一人暮らしだからってともかくは無いでしょ!」

 

「や、もちろん一人暮らしで怒る親居ないってのはあるけど、俺とセツのんは帰り道一緒だから。同じマンションだし。」

 

「あっ。」

「えっ?」

「えっ?」

 

・・・あれ、どうかした?あ、そっか言ってなかったっけ?俺も一人暮らしなんですよね。あ、それは知ってるの?そういや言ったような気もする。どっちだっけ?まぁいいや。だからゆいにゃん、セツのんは最悪俺が「ちょっと待った。」おっ?どした。

 

「ゆきのん?」

「な、何かしら由比ヶ浜さん。」

「ゆきのんとサカキン、同じマンションだったの?」

「そ、そうね。誠に遺憾なことに、同じね。」

「じゃあ、これまで部活終わりの帰り道も?」

「そういうことに・・・なる、かしら。」

「この間ゆきのんの家で勉強会した時、なんで教えてくれなかったの?」

「それは、その・・・特に教える必要もない、と思って。」

 

お、なんだ2人で勉強会なんかしたの?仲良いねー。

なお俺氏は普通に呼ばれてない。いや、呼ばれてもテストとかアンサートーカー任せなので勉強とか教えらんないし、アンサートーカーがある以上教わる必要も無い訳で、実際呼ばれても困るから断ったと思うけど。

 

とかやってるうちに片付け終わってしまった。まぁ元々かき氷機がデカいだけで、洗い物の数は少ないからな。使用したもの全て空間倉庫に放り込んで、部室の電気を消して鍵を占めると、2人はまだ何かやってる。いやもう早く帰れば?

 

「誰のせいだと思ってるのかしら・・・?」

「サカキン、ゆきのんと同じマンションだったんだ・・・そうなんだ・・・」

 

いや俺のせいなの?つーかそれを言うなら、そもそも奉仕部で住んでるとこ違うのゆいにゃんだけだぞ。顧問の平塚先生も同じマンションだし。何なら平塚先生に至っては俺お隣さんだし。

 

「えっ。」

「えっ。」

「えっ?」

 

なんでセツのんも驚いてんの?え、同じマンションなことは知っててもお隣とは知らなかった?・・・言われてみればそうか、最初に平塚先生に送ってもらったときセツのん先帰っちゃったもんね。ま、不思議な偶然もあるもんだよね。ともかくもう帰ろーぜ。

 

「あたしだけ、仲間外れ・・・?」

 

いやそれは仕方なくねってかそこ気にする?たまたま俺達が一緒だっただけであって、家が別々なの当たり前じゃん。え、それでも気になる?そんな事言われてもなぁ。実際、俺とセツのんは部屋が1階分離れてるんだが、それだけでもう会うことほとんどないぞ。部活一緒じゃなきゃ帰り道にも遭遇しないし。これマジだぞ。俺もセツのんも2年になって奉仕部になるまで互いに同じところに住んでるって知らなかったからな。何なら隣の平塚先生にも気付いたの最近だし。真面目に同じマンションに住んでるねってだけ。

 

それでもなんか羨ましい?うーん、まぁそういうのは理屈じゃないからまぁ、そういうこともあるか。でもそうなると同じマンションに住むしかないんだが、あそこ家賃高いから、俺や平塚先生みたいに独立してるか、セツのんみたいに家が金持ってないといきなり一人暮らしするには無理があるしな。

 

うーん、たまにセツのんちにでも泊めてもらうか、もしくはルームシェアするかかな。うちのマンション、千葉の物件の癖に高いだけあってかなり部屋広いから、2人でルームシェアとか余裕でできるよ。それともうちに泊まる?なんつって。

 

「それは駄目よ。」

「それだ!」

 

えっ。

 

「由比ヶ浜さん、貴方・・・?」

「や、ち、違う違う!ゆきのん!ゆきのん家の方にお泊まりしたいな!って、そういうこと!いくらあたしでも流石に男子の家に泊めてとか言わないから!」

 

 

あ、あー!なるほど。それはそうだよね!いや自分で言っといてなんだが有り得ないよね普通!でもびっくりした。ちょっと本気でドキッとした。でもそりゃそうか。いくらゆいにゃんでもそこまでビッチじゃないよね。

 

「そ、そこまでも何もあたしは全然ビッチじゃないから!!でもそっか、ドキッとはするんだ。・・・今だけはビッチでも良かったかな。」

 

「ま、まぁ私の家にならそうね、たまにならその・・・泊まりに来ても構わないわ。」

 

「ほんと!?やった!じゃあ今度泊まりに行くからね!また勉強教えて!」

 

仕方ないわね、なんて言ってるがセツのんも満更でも無さそうな顔してるので、多分楽しみにしてる。うむうむ、仲良きことは良きことかな。というか友達の居ないセツのんに友達が出来るって微笑ましいな!まぁ俺は未だに友達何か出来てないんだが、それはさておき。・・・さっきのはマジでびっくりした。ヤバい。ゆいにゃんマジでビッチになったかと思った。いやほんと女子の発言ってこの年頃だと簡単に男を勘違いさせるよね。ある意味皆で魔女だよほんと。

 

 

おっと、つかそろそろ帰らんと本当に遅くなるな。早く帰ろーぜ。ゆいにゃんも途中までは道一緒だっけ?ってうわ、なんだよ急に。腕に抱き着いて何がしたいの?誘惑?ちなみにその場合は平塚先生で慣れてるから無駄だぞ。

 

「や、サカキン!ものは相談なんだけどー?」

 

む?珍しいな。何かね?

 

「たまにはあたしも家まで送ってって!」

 

「別に構わないけど。」

 

「そこを何とか!・・・え、いいの?なんかあっさり。」

 

「や、よく知らんが、確かゆいにゃんの家の方が遠いし。セツのんというかウチらのマンション大通り沿いだから人通りも結構あるし、何ならセツのんはゆいにゃんと違って護身術もスタンガンも持ってるからな。安全面ではゆいにゃんの方が不安だし、送れと言うなら別に構わないけど。」

 

「まぁ・・・それは確かね。私ならその辺の変質者2、3人相手でも遅れをとることはないと思うわ。それはそれとしてこんなか弱い女の子を見捨てるのはどうかと思うわよ、榊君。」

 

セツのん自分が強いと胸を張りたいのか、か弱い女の子ですアピールしたいのかどっちなの?や、女の子は複雑なんだよとか言われても困るよゆいにゃん。まぁあれじゃね、たまにはゆいにゃん送ってくのも良いんじゃね。どうせ途中までは道も一緒なんだし。とりあえず歩きながら考えようぜ?

 

 

「お前ら、何してるんだ・・・?」

 

 

「ひゃあっ!」

「ひぃうっ!」

 

うわびっくりした!・・・なんだ、平塚先生じゃないですか。そこの暗がりからいきなり声掛けるのやめて下さいよ。つーかなんで声しゃがれてんの?一瞬ホラーかと思ったじゃん。

 

「ん"ん"ッッ、すまない。少し喉に唾が絡んだみたいだ。それにしてもまだ残ってたのか?もう暗くなるぞ?」

 

「やー、珍しく遅い時間に依頼があったんですよ。今から帰るところです。」

 

「そうか、ならば良いが・・・その腕はなんだ?教師の前で不純異性交友とはいい度胸だな?」

 

「へっ?あっ!ち、ちが!これはそうゆうんじゃないです!」

 

平塚先生の言葉に慌てたゆいにゃんは俺の腕をバッと離し、両手を上に上げて弁明する。ああ、ゆいにゃんの巨乳の感触が・・・や、誘惑には屈しないけどそれはそれとしておっぱいの柔らかさってずっと触れていたい気持ちになるよね。ギリ!うん。うん?今なんか変な音しなかった?

 

なんかあったかと周りを見渡すと特に何も無い。気のせいだろうか。と、見るとセツのんとゆいにゃんが何か変な顔して俺と平塚先生を交互に見ている。どったの2人とも。なんかあった?

 

「っ!・・・いえ、何でもないわ。・・・まさか、ね。」

 

「う、うん。・・・今のは、気のせい、だよね?」

 

まぁいいや。平塚先生にも言われたことだし、今度こそ帰ろうぜ。ほら、ゆいにゃんも送ってってやるから。じゃあ平塚先生、俺ら帰りますね。お疲れ様でーす。

 

「待ちなさい、榊。私ももう終わりだから、ついでにお前達も車で送ろう。校門前で待ってなさい。」

 

うぇっ?や、それはありがたいけど俺今日はスーパー寄るから大丈夫・・・って、もう行っちゃったし。何だ平塚先生、やけに急いでるけどなんかあったんだろうか。まぁ行っちゃったもんは仕方ない。なんかそういうことになったけど良いよねゆいにゃん。歩かなくて済むぜよ!と、思ったらゆいにゃんもセツのんも消えていった平塚先生の背中を追うように暗がりの先を見つめている。なんぞ?

 

「サカキン。・・・平塚先生になんかしたの?」

 

は?いきなり何言ってんのゆいにゃん。どちらかと言うと俺は何時も平塚先生になんかされてる方なんだけど。強いて言うなら1回冗談でキスした事あるくらいだけど、ラリホーヒーリングで寝かしつけたら落ち着いていたのであれはノーカンだ。なので俺はたぶん何もしてない。最近は煽ったりからかったりしてるのもセツのんやユーミンくらいだし。あとたまにゆいにゃん。

 

「本当かしら・・・貴方の表情、髪の毛が邪魔で分かりにくいわ。今度切りなさい。」

 

「あ、それいい!あたし前からサカキンの顔ちゃんと見てみたいと思ってたんだ!ずっとモサモサだし、いつも寝癖もそのままだし!葉山君くらいにバッサリやっちゃいなよ!」

 

え、やだ。俺は少なくとも高校卒業するまで髪を切る気はない。例えモサモサと呼ばれようとこれは変える気ないぞ。

 

「えー!なんで?!サカキン身長も高いし、身体も触ってみるとがっしりしてるし、そのモサモサの野暮ったい髪の毛切れば人気出るかもよ?」

 

「榊君。由比ヶ浜さんの言う通りだわ。貴方の顔がコンプレックスを抱かざるを得ない果てしない醜さの塊であったとしても、野暮ったくて清潔感のないその頭よりはマシだわ。人気は出なくとももう少し近寄る人間が増える可能性があるのよ?」

 

 

いやセツのんはそれ優しくフォローしてるようでお前ブサイクだから素直に諦めろって言ってるよね?いやまぁ、顔がコンプレックスなのは本当だから良いんだけどさ。

 

「やっぱそんな酷い顔なの?・・・サカキン可哀想。」

 

すまんゆいにゃん、ガチの哀れみは止めてもらえる?俺だって傷付く事もあるんだよ?え、なにセツのん、顔が全てじゃない?ああ、ありが・・・ただ凄く人生に不利なだけ!?お前、もはや俺をバカにしたいだけだな?

 

はぁ、と溜息が漏れる。とりあえず校門前までは行かなきゃなので、歩きながら顔のコンプレックスについて話をする。

 

「別に俺自身は自分の顔をそこまでブサイクだとは思ってない。たとえブサイクだったとしても親から貰ったもんだ、それをいちいち気にしない。」

 

「・・・?では何故貴方は今顔を隠してるの?」

 

「・・・近所のガキ共に泣かれるんだ。」

 

「え。なにそれどゆこと?」

 

簡単な話である。単純に俺の顔は超強面なのだ。それこそ気の弱い小学生の女の子なんかは、俺の顔見ただけで涙目になるくらいに。自分でもたまに鏡見るとヤクザが居る!って思うから気持ちはよく分かる。

 

「・・・よく分からないわね。それならそこまで気にする必要もないじゃない。」

 

や、それが俺の顔は中々にトラブルを生むのだよ。顔が怖いってのは言ってみれば老け顔にみえるんだな。それに加えてガキの頃からぼっちでそれなりに運動も勉強も出来たから、こう・・・なんつーのか。俺は意外とモテた。

 

「は?なにそれ自慢?キモイんだけど。」

 

や、そう聞こえるのは分かるんだが、違うんだよね。ほら、こういっては何だが、小学生で女子にモテるには足が早いとか運動出来る事で、中学生で女子にモテるにはちょっと悪っぽいとかだろ?そんで、何故か幼い頃の女子は同い歳の男より精神的に大人だから、歳上を好きになりやすい。

 

「・・・まぁ、分からなくは無いわね。私はそういうの興味なかったけれど、同い年の男子が動物に見えるくらいには精神の成熟度に差があったと思うわ。いえ、私に限っては今もそうだと思っているけれど。」

 

セツのんはそれだといつか動物みたいに思ってる奴と結婚するとか大変だな。まぁさておき、そんな訳で俺はモテたんだが、そうなると当然同性からやっかみを受ける。ぼっちなせいで味方も居なかったから、余計にイメージだけが広まるわけだ。女子からは何か凄い大人っぽくてちょっと悪い男みたいなイメージ押し付けられるし、男子からは女に媚び売るスカした奴と言われる訳だ。

 

「うわぁ・・・。それ、もしかしなくても余計に孤立しない?」

 

した。それはもうした。しまくった。実を言うと少し話すくらいの友達の1人2人居たんだが、中一のバレンタインでチョコ貰いまくった辺りで男子からの嫌がらせが一気に加速して、俺と仲のいい奴まで攻撃受けそうだったから仕方なく俺から近付くの止めたくらい孤立した。アイツら何で俺に嫌がらせすれば女子の目が自分に向くと思ってたんだろ。つーかそういう所がガキみたいでヤダって言われてるんだから、逆に俺への嫌がらせ率先して止めたらそれだけでモテると俺は思うんだが。

 

「・・・よく分かるわ。私に嫌がらせしてる暇あったら、山田さんも吉田さんも自分磨きの1つでもするべきなのよ。本当に底意地の悪さだけ存分に見せ付けるから意中の相手に見向きもされないことになぜ気が付かないのかしら。」

 

分かってくれるセツのんも悲しみ背負ってることが分かって何か凄く親近感湧く。けどまぁとにかくそんな日々を送っていたんだが、1つ問題があってな。俺実は先祖返りなんだ。

 

「先祖返り?あー、部室の漫画で見たかも!え、じゃあサカキン妖怪とかが先祖にいたの?」

 

「由比ヶ浜さん・・・。そんなわけないでしょう。この場合は、外国人とか、そういうことかしら。」

 

そうそう。俺もよく知らんけど、俺のジジイはアイヌの血を引いてるらしいんだが、昔の北海道ではアイヌは外の人間との結婚を全然拒んで無かったとか。で、その当時は結構樺太からロシア人とかが北海道に来てたらしいんだよね。俺も詳しくはないけど。

 

「なるほど・・・それじゃあ貴方の変わった色の髪の毛、染めた訳じゃなかったのね。」

 

「ね、何かくすんだというか汚れたというか、変な色の金髪だなーとは思ってたけど。・・・あれ、それがなんで問題なの?」

 

実際昔はよく、センスのない染色だとかなんちゃって外国人とか言われたわ。

や、問題になるのはここからでな。それまでも人目の無いところで数人にちょいちょい絡まれては居たんだが、一人一人懇切丁寧に心をへし折ってやったら、それが少し甘かったみたいで、1度PTA会長の親とか言うのに泣き付いたバカが居て、俺の両親が学校に呼び出されたんだわ。するとほら、俺は両親と顔が全然似てないから、これ幸いとばかりにそれをやり玉に挙げて騒ぐ訳だ。そのPTA会長とやらはそれはそれはもう俺の母親を不貞者扱いしたし、父親はそんな母親に強く出れない小物扱いされた。俺の両親引くぐらい大恋愛の末の恋愛結婚なんだけどな。

 

「なにそれ、最悪・・・!」

 

「それはまた、どうしようもない劣悪な人種ね。」

 

そんなんになっても俺の親は俺を責めなかった。なんならお互いがお互いを愛し合ってるから気にしないし、お前が意味もなく暴力を振るう人間じゃないって分かってる。何も気にするなって言ってくれた。けど、俺の両親は先祖から受け継いだ田んぼと畑で日々農家やってる普通のおっさんとおばさんだ。そういう周囲からの悪意に対抗できるような人じゃない。しかもPTA会長とやらは何がしたいのか、うちの周囲の家にまであることない事吹き込んで、そっちからもウチが責められるようになった。

 

「・・・それは。その、大変だったわね。」

 

「まぁな。それくらいからかなー?髪の毛伸ばし始めたの。」

 

「そう、だったんだ・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

 

あ、やべ。ちょっとシリアスな話過ぎたか?何か凄い静かになってしまった。

別にそんな気にしなくても良いんだけどな。ちゃんとそいつら綺麗に叩き潰したし。むしろやり過ぎで俺が両親に怒られたくらいだし。

 

いやだってさ、散々俺の家族の事適当な悪い噂とか流して、オマケにどんな権力持ってたのか知らないけどうちの野菜だけ売れないようにとか色々やりやがるから、これはもう俺も黙ってる必要ないよね。ってなるよね?元々は子供同士の喧嘩に首突っ込んできた相手の親もどうかと思うし。

 

だからネットと町内放送の両方で、ご自慢の息子達が俺に何しようとしたか録音していた音声や、隠し撮りしていた俺が30人に囲まれてリンチくらいそうになって返り討ちにした映像とか全部流した。そのついでにPTA会長とかいう奴らの家がどんな風に周りの家に悪評流したのかとかそういう映像も流し、更におまけでたまたまその家がやってる建築会社が溜め込んでた不正の証拠も流して、更には反社会勢力とも繋がりあったからそのへんも全部警察に流した。

 

すると面白いくらい変化があって、実は色んな家がPTA会長の家とやらと様々な面で繋がりがあったらしく、まぁ色々荒れる荒れる。本当なら地元の有力者だから警察も無かったことにしたかったんだろうけど、ネットにも流したからそうも出来ない。

 

そのついでのゴタゴタで絡んできた子分の家の細かい余罪も全部流して、ついでに地元の警察の署長にも繋がりがあったから監察にも流した。そんで進退窮まってうちの家に火をつけに来た浅はか過ぎる同級生とその親連中、まぁ原因全部燃やして証拠隠滅図ろうとしたんだろうけど、俺が当然待ち構えていてその映像も撮って流し、ついでに現行犯はボコボコにした。

 

その結果、俺の通っていた中学校は、実に50人もの生徒が一気に消え、1度クラスが再編成されることになった。ついでにPTA会長とやらの家と会社はもう完全な更地になって最近コンビニになった。

 

やー、こういうのって普通は泣き寝入りな訳なんだけどね、俺氏チーターだからさ。彼らも相手が悪かったよね。まさか俺がチート持ちとは想定してなかっただろうし、想定できるわけもないとは思うけどさ。・・・まぁ地味に最後警察にも関係者がいた事が発覚したせいで、警察がかなり情報規制して火消しに掛かったのか、新聞やテレビにはほんのちょっとしか流れてないけど。

 

 

まぁまさか俺もこんな厨2のいじめられっ子が妄想する復讐ストーリーを自分でやることになるとは思わなかったけど!いやだってしゃーないんや!何か前世で務めてた個人建築企業の社長みたいに、これ見よがしに反社組織の名前使って嫌がらせしてくるんだもんアイツら!前世は泣き寝入りだったけど今はチートあるからね!そりゃ仕返しできるならやっちゃうよね!

 

ただちょっと思ったより関わってた人間多くて、ただでさえ人が減りつつある地域だったから、一気に人が減りすぎて結局うちは白い目で見られるし!両親やじじばばも流石にこれはやり過ぎってんでスーパー怒るし。そのせいで半分逃げるように俺こっちの高校受験する羽目になるしで実は原作主人公の事がなくとも俺こっちの高校受験するしかなかったんだよね。うん。所詮俺みたいな一般人はチートを持つと使っちゃうのよね。うん。

 

そんな訳で実際問題俺自身はあんまりもう気にしてないっていうか、チートをガンガン使ったのあれが初めてでいい実践経験になったというか、とにかく別に悲惨な過去とは思ってないんだけど・・・まぁこれは別に言わなくてもいっか!

 

ついでに言うならそれは目元を髪の毛で隠してる理由であって、髪の毛がモサモサなのは単純に切るのが面倒なだけだったりもするんだが、それも黙っておこう!うん!

 

 

とかなんとかやってたら校門前前について、少し待ったら平塚先生の車が来たので皆で乗り込み、そのまま何事もなく家まで送り届けて貰うのだった。

 

あ、いや。そういや別れ際ゆいにゃんが何か言いたげな顔してたが、まぁ明日聴けば大丈夫だろう。たぶん。

 

 

 

 

◻️◻️

 

 

マンションのエレベーターで、1人だけ上の階のセツのんに平塚先生と2人で別れの挨拶をする。

 

「じゃなセツのん。また明日。」

 

「おやすみ、雪ノ下。」

 

「ええ、榊君も平塚先生も、おやすみなさい。」

 

そう言って分かれる、いつもの光景。強いて言うなら仕事で終わり時間が違う平塚先生がいるくらい。それだけの違い、だと俺は思ってた。でも今日は何故かちょっと違って、珍しくセツのんが俺を呼び止めた。

 

「榊君、ちょっと!」

 

「うん?何か?」

 

咄嗟にエレベーターの延長ボタンを押して、扉が閉まるのを防ぐ。で、セツのんの方を振り返ってみると、だいたいの場面で言いたい放題言えちゃうセツのんが、珍しく言いにくそうな顔をしている。なんぞ?先に降りた平塚先生も、角の所で止まってこちらを不思議そうに見ていた。

 

「貴方と、平塚先生って・・・」

 

おっと、セツのんが勘付いたか?実は俺が毎日三食平塚先生のメシ用意してるとか、ほとんど毎日俺に抱き着いて匂い嗅いでるとかバレたら、肉体関係とか一切ないけどそうは見えない、というのは俺も理解している。最近じゃ風呂掃除の手間が増えるからって風呂もウチで入るし、何ならいつの間にか俺の部屋に平塚先生の着替えとかが入った衣装ケースが置かれてるくらいなので、学校にバレたら普通に平塚先生はクビになる。俺は別に一生暮らすのに問題ない金額の貯金もあるから高校なんか退学になってもそんな気にしないけど、平塚先生はまずい。社会的信用とかも含めていきなり地に落ちる。

 

なのでバレないように結構気を使ってるんだが、どこで勘付いたのか?何にしても流石セツのんだ。やりおる。さて、どうやって誤魔化すか・・・。

 

「・・・いえ、そうじゃないわね。少なくとも、貴方はそうじゃない。」

 

「や、意味が分からんのですがそれは。」

 

何か凄く訳分からんことを言われたでござる。せめてもうちょっと分かりやすく言ってくんない?とか思ってたら唐突にネクタイを引っ張られた。自然身体は前のめりになり、目の前にはセツのんの顔。お?何事?

 

「貴方が何をしたのかは分からないけれど、平塚先生に気を付けなさい。」

 

「・・・え、どゆこと?」

 

「それは私が聞きたいくらいよ。もういいわ、ではまた明日、榊君。」

 

そう言って俺の体を押してエレベーターの外に押し出すと、セツのんはそのまま扉を閉めて上の階へ行ってしまった。いや本当にどゆこと?

 

もうちょっと説明が欲しかったかな、と、とりあえずセツのんに気を付けろ扱いされた平塚先生を見ると、呆れたように肩を竦めてる所だった。

 

「雪ノ下と仲良さそうで何よりだが、教師の前で不純異性交友とはいい度胸だな?」

 

「それさっきも言ってませんでした?や、つーかそんな良いもんじゃないですよ。そりゃ最初の頃に比べたらだいぶ打ち解けた気はしますが。」

 

「ふ、冗談だよ。何より今の私は教師じゃないしな。営業時間外で。」

 

「そういや教師にもタイムカードとかあるんですか?」

 

「あったら、いや、それで付けた時間で給料が増えるなら私は今頃朝練のある部活の顧問をしている。」

 

「あー・・・。高校教師も大変ですね?お疲れ様です。」

 

「ははは、そう思ってくれるなら今日は美味しいものが食べたいな。」

 

だが残念!今日はスーパー寄ってないので、適当に在庫食材を使って料理を作ります。確か豆腐とひき肉が余ってた気がするので、最有力候補は麻婆豆腐です。

 

「なに、問題ない。なんたって君の料理は美味いものしかないしな。」

 

フホホホ!よく分かってるでおじゃるな平塚ティーチャー!ま、わちきチーターですから(。・ω´・。)ドヤッ

 

とかなんとかやってたら、俺の部屋の前に着いた。まぁエレベーターからの距離なんてたかが知れてるから当然だが。家の鍵を開けて、平塚先生にまた後で、と声を掛けようとして。

 

 

不意に鍵を掛けたばかりの扉が開かれる。平塚先生だ。

 

そりゃそうだ、この状況でそんなことするのは平塚先生しかいない。なんだ、ひょっとしてまた風呂うちで入る気だろうか。着替えも最初は下着と寝巻き1セットしか無かったのに、最近では4セットくらい置いてあるのだ。正直年頃の男子高校生の部屋に平塚先生くらいの美人の下着が置いてあるとかいつか魔が差しそうで怖いのでやめて欲しいのだが。

 

とか考えながら平塚先生に抗議してやろうと思い、平塚先生を見る。そして気付いた。あれ?平塚先生、笑顔が固いってか・・・何か無理してる?どうかしました?

 

「ーーバレてしまったか。じゃあもう仕方ないな。」

 

その言葉と同時、俺は平塚先生に突き飛ばされ、自分の部屋の玄関に押し込まれた。お?と疑問に思ったのもつかの間、平塚先生は後ろ手に鍵を閉めると、そのまま俺に飛び付いてきた。

 

なんだ、また我慢できなくなったのか。やれやれ仕方ないなー?といつものあれかとこの時もまだ呑気に考えてた俺は、胸に飛び付いてきた平塚先生を普通に抱き留めると、いつも通り背中と頭に手をやって、優しく波紋を流そうとしてーーー異変に気付いた。流す波紋が肉体に抵抗されるような感覚・・・これは、いつもと平塚先生の望む波紋の波長が全然違う?え、なにこれ?

 

 

と、思った次の瞬間には、平塚先生の口が俺の首に強く吸い付いていた。ヂュゥゥ、と音がするほど力強い吸引。地味に痛い。てかこれ絶対に跡になるやつ!ちょ、平塚先生?!見える所は止めてって、うわもっかい!?

 

 

思い切り吸い付いたと思ったら、唐突に口を離して、労わるように、跡のついたところに舌を這わす。そしてまた徐ろに別の場所に強く吸い付く・・・を、繰り返す。

 

 

とりあえず落ち着くまで、と思った俺はそのまま放置していたが、中々終わる気配がなく、最初は右側だけだった吸い付きは、そのまま左側にも及び、だいたい吸い付ける場所が無くなると、今度はくまなく、まるで汗を拭き取る様に丹念に舌を這わせ始めた。たぶん今鏡を見たら俺の首筋はまだら模様になっているだろう。

 

そして、隅々まで丁寧に丁寧に、それこそ首筋どころか胸元から耳まで舐め尽くした平塚先生は、ようやく顔を上げた。

 

 

だがその顔は、いつも俺が見ている顔では無かった。

 

 

平塚先生はいつも、学校やこの家で、俺に抱き着き、俺の胸元に顔を擦り付け、俺の匂いを胸いっぱいに吸う。正直結構変態だと思うけど、それでもその時の平塚先生は、目を細めて口元は緩み、んふふとだらしない笑い声を漏らしながら、それでも酷く満足気で・・・何と言うか、親戚の幼い子が、大好物のハンバーグを口いっぱいに頬張った時のような、幸せそうな顔をしている。

 

それはつまり幼子の様でもある訳だが、だからこそ俺は、童心に帰るような心地になることで先生が癒されるのならば、まぁ少しくらい変態的な事をされても構うまい、と思っていた。

 

というかぶっちゃけ、子供みたいだと思ってた。何より俺の精神が実年齢とズレているせいか、11個歳上の平塚先生を歳下の様に思っていたところもある。

 

 

だからだろうか。

 

 

その顔を見た時俺が思ったのはある意味で大きく的外れだったと思う。

 

 

顔を上げた彼女の眼はどうしようもなく潤んでいた。

 

彼女の長い髪がかかる頬は上気して赤く染まり、俺を丹念に味わった口からは荒い呼吸と共にうっすらと涎が垂れている。

 

不思議なことに、その表情は変わらないのに幾つもの感情が読み取れた。それは嫉妬に、悲しみ、苦しみ、恐怖や喜び、そして何よりも強い興奮が伝わってきた。そう、その時の彼女はーーー

 

 

誰が見ても分かるくらいに発情した女の顔を、浮かべていた。

 

 

 

一方俺は。

 

ーーーもうこんな顔するくらい成長したのかぁ。

 

非常に的外れなことを考えていた。

 

 

◻️◻️

 

 

 

ーーーどうしたもんか。

 

俺はこの段階になってまだ、そんなことを考えていた。

 

 

何でこうなったか、というのはとりあえず棚上げしておいて。よく考えたらその兆候はあったと思う。

 

以前あのくだらない恋のハウツー本というほとんどネタ帳みたいな本を使って平塚先生に実践した時、割とあっさり平塚先生は引っかかった。

 

あの時は正直引っかかった平塚先生に気を取られて、平塚先生こんなのに引っかかったちゃうのかー、と残念に思ってただけだった。が、たぶんあれは逆に考えるべきだったのだ。そう、あんなもんに引っかかるくらい、平塚先生は俺を意識していた、とそう考えるべきだった。

 

・・・いや考えられるか!そりゃ今生では小中とモテた。だがそれはあくまでチートを持って転生したアドバンテージありきの話で、こんな事を言っては何だが、あの年頃の女の子はそもそも大人っぽい落ち着いた男子、と言うだけで好意的に見てくれる。仮に俺の精神が周りの男子と同じ、普通の子供だったら、あんなにモテたはずは無いと断言出来る。だって俺周りにチート見せてないし、あの頃本当にただのぼっちだからな!

 

そして、相手は平塚先生。それこそ実際の精神年齢では俺の方が歳上だが、それにしたって数歳だ。平塚先生の細かい男性遍歴は知らんが、チラッと愚痴を聞いた限りだと歳上もいた。平塚先生にとっての歳上なら、それこそ俺の実の精神年齢と変わりないわけで、チートが無ければ俺はそれらの男性と大差ないはずでーーなどと考えていられたのはそこまでだった。

 

しばらく見つめ合っていたが、不意に平塚先生が両手を俺の首に回した。そして、そのままゆっくりと顔を近付けて来て、その唇はまっすぐに俺の唇へとーーー!

 

 

「ストップです。」

 

 

唾液で濡れた唇に、目を奪われていた。

 

あと少し遅かったら、あの艶やかな唇を止められなかった。

 

間一髪、指一本間に挟む事が出来た。

 

 

でも平塚先生は、止められた事に少しだけ悲しそうな顔を浮かべたが、それで止まることはしなかった。

 

べロリ、と挟んだ指に舌が絡み付いた。

付け根から、指先へとゆっくり舌が上っていく。

 

そして、やがて舌が指先を通り越そうという時に、バクり、と俺の指は飲み込まれた。

 

 

温かい。同時に生々しい粘膜の感触。

 

俺の人差し指に、平塚先生の舌が絡みつき、舐めまわし、甘噛みし、ストローのように吸い・・・それが俺の指を何に見立てての事か、いとも簡単に分かってしまう。

 

たっぷり1分。

 

それだけの時間をかけてしゃぶり尽くされた俺の指は、ちゅぽんと平塚先生の唇から抜け出た時、彼女の唾液でぬらぬらとテカっていた。

 

平塚先生の唇には、俺の指と繋がる様に、唾液の糸が見えた。彼女はどうしようもなく熱を含んだ声で、たった一言。

 

 

「ーーーやだ。」

 

 

子供のように、けれど情欲に濡れた女の顔で、たった一言。そう彼女は呟いた。

 

そう、その一言で彼女は俺の静止を振り切った。もう一度俺の指を咥え、今度は俺の目を見つめながら、見せつけるようにゆっくりと丹念に舐め上げる。

 

 

その姿に、どうしようもなく目を引かれる。反応が遅れていると自覚する。けど、ぼんやりとその様子も見てしまう。否、目を離せない。

 

するとそれに気を良くした彼女は、俺の指を咥えたまま、着ていた白衣を脱ぎ捨てた。床に白衣がストンと落ちた。互いにまだ玄関に立ったまま、けれど平塚先生は少しずつ、自分の衣服を脱ぎ捨てていく。

 

やがてネクタイを外し、ワイシャツを脱ぎ捨てて、透けるような薄手の黒いキャミソールと黒いブラジャーだけの上半身になると、腰のベルトを外して、ズボンのホックを外し、チャックを下げる。元々少し緩めのを履いていたのだろうか、それだけでズボンがストンと落ちた。下には黒いショーツだけだった。

 

目が吸い寄せられるように、平塚先生の下着姿をじっと見つめた。正しくガン見、という状態だったと思う。

 

すると彼女は俺のその視線に気付いたのか、口に含んだままだった指を離して、嬉しそうに言った。

 

「気に入ってくれたか?」

 

俺は咄嗟に反応できなかった。つまりそれは、言葉もない程に彼女の身体に見入ってしまったという事で。当然それは平塚先生にも伝わって、彼女は艶やかに、嬉しそうに笑った。

 

「良かった・・・!ここ最近は、毎日・・・勝負下着にしてたんだ。君に、何時見られても良いように。」

 

そう言うと、未だ彼女の身体から目を離せない俺を置き去りに、平塚先生は更に進んだ。

 

優しく、されど大胆に彼女は俺に抱き着いた。先程と同じように、いつもと同じように、無意識に彼女を抱き留めた。されど、否応なく伝わってくる、平塚先生の温もりや、匂い。いつもより服が無いだけでここまで違うものか、知ってるけど知らない、普段と今の差異。

 

そこに意識を奪われた。

 

そして彼女は俺の首筋に再び唇を寄せ・・・肩に齧り付いた。

 

「ッッ!!」

 

一気に痛みが走った。甘噛みではない。ブレザー越しに硬い歯が肉を押し潰す感覚。何故、と思う間もない。何故ならそれだけで終わらなかったからだ。

 

俺の肩から口を離し、平塚先生は更に手を動かした。ゆっくりと、されど手際良く俺の制服のブレザーのボタンを外すと、あっさりとブレザーは床に落ちた。帰り道に大きく緩めたままだったネクタイを引き抜いて、ワイシャツのボタンを1つ1つ、丁寧に外された。

 

やがてボタンを全て外すと、平塚先生は俺の首元に両手を差し込み、左右に広げる様に、滑らせるようにワイシャツをズラしていき、やがて俺の上半身はタンクトップ1枚になってしまった。

 

ああ、と感極まったかのように平塚先生は声を漏らし、撓垂れ掛かる様に胸に顔を擦り付けた。

 

「ああ・・・ああ!これが、これが榊の身体!!はぁ〜・・・凄い服がないとこんなに違うのか!今まで散々抱きついてたから、何となく分かってたけど、凄い引き締まって、それでいて隆起した筋肉・・・!なんて、なんて雄々しい・・・ッッ!!」

 

うっとりと、心酔するように、溺れるように。彼女は一頻り生の感触を堪能すると、もう一度首筋に吸い付いた。

 

今度は先程と違って、優しく、啄むような吸い付きだった。少しずつ、少しずつ、唇は啄む場所を変えていき、やがて先程、思い切り噛み付いた肩へと辿り着くと・・・

 

ガリッッ

 

「〜〜ギッ!!」

 

今度は容赦なく歯を立てた。硬い歯が肉に突き刺さる感触。間違いなく血が出ているだろう。その血を、平塚先生が啜る音がするから間違いない。

 

けれど、その痛みのおかげで、ようやく少し意識が晴れた。

 

色々言いたいことはあるけれど、まずは・・・。

 

 

「平塚先生、あんまり血を飲むとお腹壊しますよ。」

 

「ジュルルル・・・っ、大丈夫だ。私が榊の血で体調を崩すことなんて無い。分かるんだ、なんとなく。」

 

「・・・後でお腹壊しても、俺は知りませんからね。」

 

 

痛みほど大した傷では無かったのか、どうやらすぐ血は止まったようで、平塚先生は名残惜しそうに、己の歯の形に付いた傷跡をぺろぺろと舐めまわしていた。しかし、口を離すと、嬉しそうに俺の肩を見てーーー

 

「ふふふっ、これなら誰が見ても分かるな♪」

 

と、満足気に笑った。

 

 

◻️◻️

 

痛みのおかげで一周回って落ち着いた。

 

けどそれは別に状況が改善した訳では全くない。

 

平塚先生は嬉しそうに肩の傷跡に何度か頬擦りしたかと思えば、鬱陶しくなったのか、俺の上半身最後の守りだったタンクトップを剥ぎ取った。そしてそのまま自身もキャミソールとブラジャーを無造作に外すと、辺りにパサっと落とした。

 

薄暗い玄関の明かりの中、平塚先生の端正な身体が綺麗に浮かび上がった。大きな曲線を描きつつ、それでいて重力に逆らう張りと、思わず吸い付きたくなるような艶やかな肌。そして、僅かに濃い色素の頂点は、見てわかるくらいに屹立としていて、彼女の強い興奮が見て取れた。

 

これまで以上に、目が吸い寄せられる。気を抜いたら目どころか手が吸い寄せられて、そのまま力強く揉みしだいてしまいそうだった。それだけ俺自身の理性が溶けてきている証拠だった。このままではまずい、とどこか冷静な頭で考える。けど、自分の股間に、熱く血が集まっているのは、もうどう頑張っても誤魔化しようがない。

 

突然、平塚先生も俺の股間の怒張にはすぐ気付いた。そして艶やかにニンマリと笑った。そのまま、嬉しそうに、互いに守るものの無くなった上半身をくっ付けた。

 

熱い。

平塚先生の興奮が、そのまま熱になったかのような、体温。

 

触れ合う部分が、熱を移されたかのように汗をかき、それに気を良くした平塚先生が、俺の体で自分の体を擦るように、ゆっくりと体を擦り付けていく。身体に擦り付けられ、上下に動く度、俺の胸でひしゃげ、潰れ、なのにその固く尖った乳首だけは必ずムクリと顔を出す。その光景が、とてもやらしく見えて。俺のパンツの中で、息子が更に大きくなった気がした。

 

 

俺の身体に自らの身体を擦り付けていた平塚先生は、いつの間にか身体を擦り付けるのに合わせて、俺の肌に舌を這わせていた。淫靡に濡れる瞳が、上目遣いに俺を見る。何故だか少し、俺の中の嗜虐性が顔をもたげた。

 

 

この女を自分のモノにしてしまおうか。

 

 

そんな思考を、かぶりを振って振り払う。そういうのはナシだ。そんなことやろうと思えばたぶんいつでも出来た。それこそ精神的に弱ってる平塚先生ならやろうと思えば簡単に受け入れてくれたと思う。だが、そんな事したくないから距離を保ったんだ。

 

・・・そんな思考が、漏れたのか。

 

平塚先生は、擦り付けてた身体を見せ付けるように、ゆっくりと身体をはなして、俺の肌を舐め上げていた舌を、大きく伸ばしたいやらしい顔のまま、両手を広げて、言った。

 

「良いんだ、榊。君なら、この身体を好きして、良いんだ。君の思うように、やりたい様に嬲って、蹂躙して、滅茶苦茶にしてくれて構わない・・・いや。

 

ーーー私は君に、犯されたい……っ!」

 

 

あ、これは駄目だ。

 

うん……少し、お仕置きだな。

 

 

「ーーあっ♡」

 

弾かれた様に手を伸ばした。

 

平塚先生の脇の下に肩を差し込み、腕を反対の脇へ伸ばす。

肩を差し込んだ勢いのまま、彼女の上半身を後ろに崩し、その瞬間に反対の腕で両方の膝裏を刈り取った。そのまま一気呵成に平塚先生を横抱きに抱え上げ、態と荒々しい足取りでベッドのある寝室まで向かう。

 

蹴り破る勢いで扉を開け、ベッドの前まで行くと彼女を放り投げた。

ギシリ、とベッドが軋む。しかし、そこは最高級のキングサイズベッド、なんの問題もなく平塚先生を受け止める。

 

平塚先生は投げられた場所がベッドの上だと知ると、より嬉しそうに、笑みを深くして、再び両手を広げて、俺を招き入れる様に、蠱惑的に囁いた。

 

「きて、榊。

……君に、私の全部をあげる。」

 

その言葉に誘われる様に、俺は彼女を押し倒した。

 

両手首を掴む様に押し倒すと、彼女の胴体を馬乗りになるように跨る。

 

体重を全てかける訳では無いが、動けなくなる程度には乗る。

 

そして、平塚先生の身体が、完全に動けなくなったのを確認して、逃げ場のない彼女へ、まるで無理矢理口付けするように顔を近付けていきーーー!

 

平塚先生は、とても嬉しそうに、俺の口付けを待った。

動けない様に拘束された事を、喜んでさえいた。

 

だから俺は、もう何も容赦しない事に、決めたんだ。

 

 

「……このままキスして貰えると、思いましたか?」

 

「……えっ?」

 

うん、散々好き勝手やってくれたけど、俺がこのまま平塚先生を犯すと思ったら大間違いだぞっと。

 

「え、ええ?な、…えっ、なんで?」

 

あ、どうしました平塚先生。ようやく希望が叶うと思ったのに、寸前で止められてしまった気分はどうですか?キスして欲しいですか?犯して欲しいですか?11歳も歳下の高校生捕まえて、思う存分ぐちゃぐちゃになるまで蹂躙して欲しかったですか?

 

「ざーんねーん。今のままじゃ貴方の願いを叶えてあげられませんねぇ。」

 

「え、そん…そんな!や、やだ!やだやだ!」

 

おやおや、そんなに暴れても無駄ですよー?何だか駄々こねる子供みたいですね平塚先生、可愛いですよー?でもそれだけじゃちょっとねー。手を出すには足りないかなー?

 

「え、あ・・・う、うそ、だ!嘘だ、駄目なの?やっぱり私じゃ駄目なのか!?そんなの嫌だ!やだやだ!抱いて、抱いてくれ榊ぃ!!」

 

ンン!うーん。どうしよっかなー?抱いてあげたいけどなー。こんなに必死な平塚先生隅々まで可愛がってあげたいけどなー?その為には平塚先生に教えて欲しい事があるんだけどなー?

 

「あ、ああ!ほんとか!?抱いてくれるのか?私を捨てないでくれるのか!?な、何でも答える!なんでもっ!!」

 

顔色に変化なし、されど半錯乱状態・・・ふむ。

そーですねー。じゃあ今から言うことに嘘偽りなく答えてくださいねー?ウソついたら・・・まぁ、それはその時教えてあげますよー。じゃあまずは手始めにぃ、

 

「なんで今日いきなりこんなことしたんですかー?」

「そ、それは、その・・・」

 

おや、いきなり詰まっちゃうの?ふーん。じゃぁもういっかな。うん。何でも答えるって言ったのにねー。

 

「あっあっあっ、ま、待って!言う!言うから!取られたく、なかったんだ!・・・榊を、他の誰にもっ!!」

 

お?ふむふむー?

いいね、その調子でお願いしますよ平塚せんせー。じゃあ次ね?

 

「何でいきなりそんな話になったんですかー?こう言っちゃ何だけど、今俺に最も身近な女って先生しか居ないはずですけどー?」

 

「だ、だって、前に1回、軽いキスしてからっ、何も!何もしてくれないし!ここ最近ずっと・・・他の女の匂いがするんだぁ!」

 

あー、確かにあれからしてないけど、あの時は冗談だって言ったでしょー?本気にしちゃったの?つーか他の女の匂い??

 

「やだ!あれが嘘なんて絶対嫌だあ!私にはもう榊しかいない!榊に嫌われるくらいなら死んだ方がマシだ!・・・なのに、なのに!最近ずっとずっと、榊から他の女の匂いがするんだ!何度も何度も、上書き、したのにぃ!」

 

えぇー?いやどんだけ進退窮まってんの?平塚先生くらいの良い女ならいくらだって良い男いるだろうに。言っちゃなんだけど俺人間としてそこそこ底辺よ?チート持ってるからマシに見えるだけで。

 

んー、匂い、匂いねぇ。あ、上書きってそっか、身体擦り付けてたのがそういう事なのなら、その匂いが着いたってのはアレか、ここ最近戸塚の依頼でテニス部の練習してた時、言われてみたらほぼ毎日ゆいにゃんやセツのんのストレッチで結構触れ合ったな。・・・でもあれ平塚先生が連れてきた依頼人じゃん。

 

「嫌だ!他の男なんてもう要らない、榊、榊がいい!榊の他に誰も欲しくない!・・・なのに、榊から毎日、他の女の匂いしてて・・・最初は気にしないようにしてた!けど、どんどんどんどん胸が痛くなって・・・」

 

む、少しマシになってきたか?

ふーん?それで俺の肩にこんなでっかい歯形付けたの?

 

「え、あっ!ご、ごめん!痛かった!?痛かったよね、ごめんなさい!ちが、違うんだ。怪我させたかった訳じゃ…でも、その。」

 

や、俺が聞きたいの今それじゃないんだよなぁ。人の体にこんなでっかい歯形付けて、満足気だった理由を聞きたいんだよねぇ?

 

「あ、あぅ……それ、は。その……」

 

お、顔色が悪くなった。少し頭まわってきたな。よしよし。

答えられないの?別にいいけど。うーん、でも理由も無しにそんなことする人の近くに居られないなー。引越しも検討しなきゃかなー?

 

「それは嫌だ!それだけはッ、それだけは止めてくれ!「じゃあ何故?」それは、その・・・ま、マーキング、というか。」

 

マーキング?それはつまり、俺は貴方のものだと?他の女に向けて、そう主張しようとしたの?俺に無断で、俺の身体に傷付けて?

 

「・・・だって。だって!嫌だったんだ、榊が、君が他の女のものになるのが、本当にやだったんだ!私はあれからッ、初めて君に抱きしめてもらって眠ったあの時から、ずっとずっと君に惹かれてて!君に、振り向いて欲しかったんだ!けど、私が必死にアピールしてたって、私と君との時間の差は埋まらないのに、同じ歳だってだけで、あんな簡単に・・・っ!」

 

「や、俺前も言ったけど平塚先生の事かなり好きですよ?何か勘違いしてるみたいだけど。てかそれたぶん奉仕部の2人のことだと思うんですけど、あいつらと俺別になんもないですけど。」

 

「嘘だ!だって、あんな・・・あんなにたくさんアピールしたのに、全然君は気にもとめてなかった!私がノーブラで抱きついたって、素知らぬ顔で読書してるのに、さっき、由比ヶ浜に抱き着かれてた時は口元緩んでた・・・!私があんなに必死にやったって見ても貰えないのに、他の女はあんな、あんな簡単に・・・!」

 

あ。あー・・・。そういう事かー。あーなるほどねー・・・うん。

 

「それ見てたら怖くなったんだ!あんな、あんな風に距離を詰められるなら、あっという間に彼女は榊と結ばれて、初めてとか、私がもう榊にあげられないもの、たくさん持ってる相手と比べられたら、私じゃもう届かない!こんな年増で、駄目な男に騙されてばかりの馬鹿な女じゃ、傍にも置いて貰えなくなって・・・そんなことばかり考えてたら、今すぐ何とかしなきゃって・・・」

 

で、いきなり俺の首にキスマークつけまくって肩に歯型付けて、そのままの流れで関係持とうと?

 

「あ・・・うう・・・っ!」

 

ふむ。やったこと落ち込むくらいには落ち着いたし、理由も何となく分かったからもういいか。そう思った俺は平塚先生を拘束していた両手を離して、馬乗りになってた身体からどいて、ベッドから降りた。さて、まずは・・・

 

「え・・・!ど、何処に行くんだ?や、やっぱり私なんか抱きたくないか!?や・・・やだ!待って、置いてかないで!」

 

何か勘違いした平塚先生が慌ててベッドから起き上がって、飛び付いてきた。や、違うって。別に置いていこうとかそういうのじゃないから一旦離して。

 

「嫌だ!そう言って出ていく気だ!そしたらもう2度と戻ってこないんだ!・・・勝手に傷跡付けたのは謝る!私にできることなら何でもする・・・だ、抱きたくないって言うなら、それも我慢するから!だからせめて、嫌いにならないでくれ・・・ッッ!!」

 

や、出ていくも何もここ俺の家だし。唐突に平塚先生のトラウマ挟むの止めて。俺はそんな馬鹿な男と違うし。つーかさっきから勘違いしてるみたいだけど、別に歯型付けられたこと気にしてないし。

 

「じゃ、じゃあどうして離れて行こうとするんだ?わ、私は君にだけは置いてかれたくないんだ!そ、そんなことされるくらいなもう・・・!」

 

「や、電気つけるため。」

 

カチッ

 

「えっ?」

 

んー!絶景かな絶景かな!やっぱ薄暗い玄関の照明よりも、ちゃんとした明かりの元で見た方が良いね。年増だって?とんでもない!こんなに綺麗な身体してるのに?馬鹿なの?それ本気で言う奴は阿呆だと思います。つーかこんないい女置いて出ていった平塚先生の元彼共はスーパー馬鹿。断言できるわ。

 

「ふふ、綺麗ですよ平塚先生。」

 

「え、あっ・・・あぅ///」

 

そういえば、忘れてました。平塚先生、顔上げて下さい。

 

「え?ぁ…んぅっ!ん…んちゅ……んぅ♡」

 

今度は冗談にしない。啄むような真似もしない。唇と唇を触れ合わせてから、一気に舌を差し込んで、平塚先生の口腔を好きな様に貪ったあと、引き出すように平塚先生の舌に自分の舌を絡めて、引き寄せるようにより深く、より濃密に口付けを交わし、唾液をたっぷり混じり合わせて、平塚先生の口の中に流し込んだ。ゴクリ、と喉が鳴るのを聞いてから、平塚先生の目を見つめながら、ゆっくりと口を離した。

 

「んぅ…はぁ…はぁ…」

 

とろん、と潤んだ瞳でこちらを見る平塚先生を、優しく抱きしめて、その身体の感触を素肌で味わう。

ふふふ、随分待たせてしまったみたいですね?きちんと言えたご褒美です。どうでしたか?

 

「あ、その……凄い、幸せで、気持ち良かった……けど。」

 

けど?

 

「なんか、手馴れてる感じがして……やだ。」

 

「あははは!それは申し訳ないです。」

 

まぁある程度の経験はある。前世ではそれなりに恋愛とかしたし。でも今生では童貞なので見逃してもらいたいところ。つーか俺が前世でも今世でも童貞だったら、とうの昔に平塚先生に溺れてる自信がある。うん。

 

誤魔化しを兼ねて、平塚先生を抱きしめて居た腕を1本離して、彼女の顎を持ち上げた。潤んだ瞳が、こちらの瞳を揺らすように見つめた。

 

今度は、平塚先生にもタイミングが分かるようにゆっくり、けれど先程よりも想いを込めて。

 

「……んぅっ」

 

優しく、平塚先生に合わせるように舌を絡める。一転して穏やかなキスに、平塚先生が一瞬だけ目を丸くした。けれど直ぐに自分のペースで出来ることに気付いたのか、自分から積極的に舌を動かし始めた。

 

しばらく平塚先生に合わせて舌を動かし、平塚先生が慣れてきたところでもう一度余裕を崩しにかかる、

 

背中にあった腕を使って、尾てい骨から背中の半ばまで、背骨のラインに沿ってつつー、と指を走らせた。平塚先生が落ち着いた事で、波紋の好みも元に戻ったので、平塚先生の好みより少し強め、ピリピリと痺れる程度の強さで指先から波紋も流す。

 

「・・・んぅ…んっ!?ひゃぁぁああ!?」

 

ついでにアンサートーカーで平塚先生の性感帯も確認し、指と波紋の相乗効果で反応してしまった彼女の腕を掴み、身体固定して逃げられない様にしながら、もう一度唇を奪って最初と同じように口腔を蹂躙する。

 

背中の指はそのまま少し強めの波紋を維持しながら、指先でステップを取るように、まばらに背中を指先で突つく。その度に彼女の嬌声があがり、少し楽しくなって波紋の強弱をランダムに変えて、彼女の感覚の隙をついて最大限の反応を引き摺り出す。

 

「ひゃ、まっ、んぅっ……ぷはっ、ちょっとま、…榊っ、これ、ダメ!」

 

だが止めない。背中を突ついて遊んでた指先で、もう一度滑るように背骨をなぞり、再び大きな反応を呼び起こした瞬間に、何気なく手を横から、平塚先生の耳と髪の毛の間に入るように差し込んだ。

 

アンサートーカーで調べた結果、背中と耳の裏が弱いらしいので容赦なく責めて行こう。差し込んだ手の指全てを使って、髪と耳の両方を弄りつつ、唇を離せない様に頭を引き寄せる。

 

「んぁうっ、んん…っ!はぁっ、なにこれ、あ、まっんぅぅ……ッッ!!」

 

逃がさない。波紋の呼吸の為の息継ぎついでに、平塚先生の呼吸を少し息苦しいくらいまでに調整しつつ、口腔を絶えず蹂躙する。刺激によって反応が弱くなって来たら、腕を掴んでいた手を離し、その指先を今度はデタラメにぐねぐねと曲がりながら、鼠径部からへそを通って胸へと登る。

 

「んんんーッッ!!」

 

けれど指先は絶対に乳首に触れず、くすぐるように、乳輪の周りを滑りまわる。当然波紋を流したままなので、平塚先生には今1番気持ちいい所をほんの少しだけカスり続ける様な、何物にも耐え難いもどかしい感覚を襲って居るはずだ。もちろん彼女の乳首は痛いほど充血して、ピンと屹立している。

 

「〜〜〜っっっ!?んぅー!!」

 

そうやってもどかしさでたまらなくなったギリギリを見極め、唐突に唇を離して彼女の耳元に寄せ、一言。

 

「イけ!」

 

波紋を強めに込めた、脳髄に電気を走らせるような快感を耳から流し込んだ。その時、固く充血した、1番触って欲しかったであろう乳首を同時に強めの波紋と共に抓りあげる!

 

「〜〜っっっ!?!?んああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」

 

ビクビクビクッ!!

 

プシッー

 

耳と乳首から、直接脳に駆け上がるような強烈な快感を、焦らしに焦らして絶頂に飢えてた身体に叩き込まれた平塚先生は、強烈な絶頂を迎えた。堪えきれなかった奔流が、少しだけ漏れて彼女のショーツを超えて、太ももから流れ落ちた。

 

 

「ふぁ……ぁ……」

 

 

あまりの快感に足の力が抜けたのか、へたり込む様にペタンと尻もちつく平塚先生。その顔は快感と情欲の涙で濡れていて、口はだらしなく開いたまま、端からつぅーと涎が垂れていた。

 

 

「おや平塚先生、どうしました?まだまだ軽く触っただけじゃないですか。そんなことでこ(・)れ(・)に耐えられますかねぇ?」

 

 

俺はそう言ってへたり込む平塚先生の前に、ズボン越しに大きく膨らむ股間を見せ付けた。

 

「あ、ああ……♡」

 

それを見た平塚先生は更に興奮したようにだらしなく表情を蕩けさせた。そして、たどたどしい動きで、腰のベルトに手を伸ばそうとしてーーー

 

「残念、お預けですよ?」

 

「・・・えっ?」

 

俺はその手を掴み取って、彼女を絶望に叩き込む言葉を吐いた。

 

「今日はここまでです。ふふふ、期待しました?でもダメです。残念ですねぇ?」

 

「ふぇ、な、なんで……?や、やだ!やだぁ!ここで終わりなんて絶対やだぁぁ!!」

 

「煩い。」

 

「ひゃっ!!……あ、ご、ごめんなさい!でも、でもぉ……!」

 

ふふふ、大丈夫大丈夫、怒ってるわけではないですよー?あくまで今日は、です。でも何でここで止めるか分かりますか、平塚先生?

 

「え……?あ、その、私が噛んだり、我儘、言ったから……?」

 

全然違いまーす!そんなこといちいち気にしてませーん。何ならやたら気にしてるこの歯型、波紋の呼吸で生命力上げるなり、スタンドでこの部分の時間巻き戻すなりで直ぐにでも無くせるし。まぁ平塚先生はこの歯型があった方が良いみたいだから敢えてこのまま残すけど。

 

「正解はお仕置きの為です。平塚先生、貴方が効果無いと勘違いしていた日々の色仕掛け、俺がどれだけ苦労して我慢していたか知っていますか?傷心の平塚先生の心の弱みにつけ込むような真似はすまいと、どれだけ苦心して平静を保っていたか知っていますか?」

 

「えっ?……そうなの、か……?」

 

そうだよ(ガチギレ)

当たり前だわ!年頃の高校生が日々あんなに平塚先生みたいな歳上の美人に触れられて、おまけにちょいちょい風呂上がりとかで下着姿とか見せられて我慢出来るわけないだろ!でもほぼほほ毎日ウチに来るから下手に部屋で抜けなくて、俺が我慢すんのどれだけ苦労したと思ってんだ!何なら俺転生者である程度前世で耐性作ってなかったら本当にもうとっくの昔に押し倒してたわ!

 

それをしなかったのは何故かって!?平塚先生の身体を知ったら溺れる自信があるからです!!(断言)それはそれは猿のように毎日学校も行かず、何なら学校でもところ構わず平塚先生を抱き続ける。うん。自分で言うのもなんだが、平塚先生を抱くためだけにスタンド使う自信ある。何故なら俺の身体波紋の呼吸・常中のせいで身体能力だけじゃなくて生命力も上がり続けてるから!俺の一物とかそのせいで前世よりずっとずっと成長しちゃってるから!余計に我慢すんの大変だったから!

 

それでも何故我慢してたかって?そんなことしたら俺はともかく平塚先生の生活無茶苦茶になるだろいい加減にしろ!別に平塚先生くらい余裕で養えるだけの金はもうあるけど、それでは平塚先生の為にはならない。ただでさえ俺が生活のほとんどに手を出しているのに、仕事まで奪ったらもう本当に平塚先生は生活の全てを俺に依存する、俺無しで生きられない様になる。俺はチートだから基本的に普通の人間よりも遥かに死ににくいけど、それだって絶対ではない。ある日いきなりぽっくり逝く可能性がない訳では無いのだ。その時、平塚先生も連座して、というのは俺が嫌だ!

 

「だから自己暗示までかけて色々我慢してたんですけどねぇ・・・っっ!!」

 

「そ、そんなに真剣に私の事を・・・?さ、榊ぃぃ!!」

 

そうだよ真面目に考えてたんだよ!まさかここまで好いてもらえてるとも思って無かったけど、色々台無しにしてくれたので、お仕置きです。良いですか平塚先生!

 

「え、あっ……///分かった、何でも、する。」

 

今、何でもするって言ったね?二言はないね?もう取り消させないよ。・・・ところで唐突ですが、平塚先生。貴方、俺に隠れてたまーに、煙草吸ってますね?

 

「ぎくっ!な、何故それを・・・!?あ、やだ!ごめん!違うんだ!た、確かにたまに吸っちゃったけど、本当に少しだけだ!君に止めるよう言われてから、本当にほとんど止めてたんだ!た、たまに寝起きとか、うっかり癖で火を付けて吸ったりしちゃっただけで!本当なんだ!君との約束を破ってしまったことは謝る!けど、裏切ろうと思ったわけじゃないんだ!だ、だから許して、捨てないで!」

 

平塚先生が認めた瞬間、思わず冷たい視線を送ってしまったら、ものすごい平塚先生が怯えてしまった。だが、敢えて誤解を解かず、腰に縋り付く平塚先生を振りほどいてしゃがみ、平塚先生に目線を合わせる。平塚先生の顔に右手を添えて、左手は僅かに浮いた彼女の腰へ伸ばし、ショーツの中へと入り込んだ。

 

「え、あっ!や……ぁん!んぅ、ひぅ……!」

 

「良いですか平塚先生。2週間です。2週間後、俺は貴女を抱きます。それまで貴女はずっと煙草を我慢すること、そしてそれまでの間、俺の焦らしに耐えて貰います。」

 

「んっ♡はぁぁん、それは、どういう……んゃぁあ!」

 

ショーツの中で軽くなぞる様に彼女のクリトリス周りを親指の先で撫でながら、陰唇の中へ中指を這わせ、けれど入口の上を優しく引っ掻く様に上下させるだけの、絶妙に快感を覚えるけれど絶対に絶頂には到れない。そんな愛撫をしつつ、耳元でお仕置のルールを説明する。

 

「これから毎日1回、今日したみたいな事を平塚先生にします。た(・)だ(・)し(・)、(・)何(・)が(・)あ(・)っ(・)て(・)も(・)二(・)週(・)間(・)後(・)ま(・)で(・)は(・)挿(・)入(・)は(・)し(・)ま(・)せ(・)ん(・)。(・)良(・)い(・)で(・)す(・)か(・)、(・)挿(・)入(・)は(・)絶(・)対(・)に(・)し(・)ま(・)せ(・)ん(・)。けれど、毎日1回こうやって貴女に快感を与えます。与えるタイミングは完全に俺の気分にします。特に何時、という決まりはありません。そして、その時は拒否を認めません。俺の気の向くまま、何時いかなる時も俺の思うように快感に悶えて貰います。」

 

「そして平塚先生自身には、煙草の他にオナニーを禁じます。俺は嘘を見抜けるので、これを破った時点で2週間後貴女を抱くことはありません。俺の言葉を信じず、敢えてバレないようにやる事を止めはしませんが、その場合は慈悲を期待しても無駄です。そして、これが最も重要なポイントですが・・・今(・)日(・)と(・)違(・)っ(・)て(・)、(・)俺(・)は(・)貴(・)女(・)を(・)絶(・)対(・)に(・)イ(・)か(・)せ(・)ま(・)せ(・)ん(・)。」

 

「んんっ♡はぁ、そ、そんな……それじゃぁっっ♡わた、しっ、ずっと生!殺しッッ!!」

 

その通りです。最も長いセックスと呼ばれるポリネシアンセックスでさえ最長で5日ほど。詳しくは知りませんが、誰かに聞いた話によると1度吸った煙草の影響がだいたい抜けるまでに2週間。お仕置きなので、より長い方に合わせました。この2週間の間に、平塚先生には煙草の影響の抜けたキレイな身体と、どうしようもなく絶頂に飢えた、最高のセックスを味わうに相応しい身体に自らを仕上げて戴きます。

 

きっととてもとても苦しいと思います。何でも良いからイキたくなって、でもそこでオナニーしたりしたらアウト。ストレスで煙草吸ってもアウト。2週間、片時も休まず、朝起きた瞬間から学校で授業してる時もご飯食べてる時も、風呂やトイレに入ってる時も、それこそ夢の中ですら、俺に抱かれる瞬間を夢見て、毎日一回、中途半端な快楽に震えながら、俺(・)に(・)抱(・)か(・)れ(・)る(・)そ(・)の(・)為(・)だ(・)け(・)に(・)、(・)2(・)週(・)間(・)、ひたすら悶々とした日々を送って貰います。

 

「ぁうん♡ひゃ、ま、そ、そんなの……私、壊れちゃ♡あ!ぁん!や、やだ、おねが、ぃん♡いじわる、しないでぇ……♡」

 

駄目です。それに意地悪ではありません。お仕置きです。ですが、2週間きちんと言われた通りにできたら、ご褒美も用意してあります。そう言って平塚先生のショーツの中から手を抜くと、立ち上がって腰のベルトを緩めて、パンツごとズボンをずり下ろして平塚先生の前にそれを勢いよく放り出した。

 

ビタン、と勢い余って平塚先生の顔を叩いたそれは、俺の一物は平塚先生の顔の半分程を覆い隠す太さで、明らかに平塚先生の頭より大きかった。

 

「あ、うそ……こんな、私の腕より…?こんな凄いの、見た事ない……!!こんなので、こんなのでされたら、…私ッッ♡♡」

 

「2週間、ちゃんと我慢出来たら、こ(・)れ(・)で平塚先生をめちゃくちゃにします。少し特殊なサイズなので、余程のことが無い限り平塚先生は俺以外で満足出来ない身体になるでしょう。当然俺も貴女を二度ともう離しません。そう、貴女の望み通りに。・・・ああ、ついでにその時、俺の特殊サイズ用の避妊具も用意しときますが、そ(・)れ(・)を(・)使(・)う(・)か(・)ど(・)う(・)か(・)は(・)平(・)塚(・)先(・)生(・)に(・)任(・)せ(・)ま(・)す(・)。」

 

さて、平塚先生。ルールを理解出来ましたか?ちなみに言うと、実はお仕置きを拒否も出来ます。何なら今から俺を襲って、お仕置もルールも知ったことか、と無理矢理挿入するという選択肢もあります。その場合は俺は抵抗しませんので、どうぞお好きなように。その他には俺に拘らず、他の手頃な男を引っ掛ける、という方法もありますねぇ。ただそれをした場合、今後俺が平塚先生に干渉することはもう無くなるので、それを承知の上でお願いします。

 

「……ずるい、ずるいぞ榊…!こんなの見せられて、そんなこと言われたら、そんなこと言われたらっ!地獄みたいなお仕置きなのに、絶対絶対、苦しくて辛くて、泣いてしまうくらいに恐ろしいのに……受けるしかっ、受けるしかないじゃないかぁ♡♡」

 

「宜しい。ではお仕置きを受けると合意戴きましたので。平塚先生、少しサービスです。こ(・)れ(・)、口でなら好きにして良いですよ。」

 

そう言った瞬間、平塚先生は弾かれたように俺の一物にむしゃぶりついた。根元から鈴口まで、丹念に舌で舐め上げ、玉袋を吸い、俺の首筋にしたように、一物に跡をつけるかのように強くキスの雨を降らし、大き過ぎて口に入り切らないと泣きそうな顔で嬉しそうにはしゃぎながら、大口を開けて亀頭を口に含み、頭を動かすようにしてカリを唇で扱きあげた。

 

俺自身も見た目は余裕振っていても、散々平塚先生の痴態を見て、その身体に触れたのだ。挿入出来なくても限界だったのは変わらない。直ぐに絶頂を迎えーーー

 

「〜〜〜ッッ!?!♡♡♡」

 

夢中でしゃぶっていた平塚先生の口内で爆発し、溜まっていたせいかエロ漫画でしか無さそうな量と勢いで一気に彼女の口から溢れた。それでも平塚先生は漏らすまいと喉を鳴らして勢いよく飲んでいたが、元々波紋の呼吸・常中で極限まで高められ、禁欲によって限界まで抑えられていた射精だ。それで間に合うはずも無く、勢いに耐えかねた平塚先生の身体から逆流し、鼻から精液が飛び出した。その時流石に呼吸が出来なくては咥え続けられなかったのか、口から飛び出た一物は、されど最後の噴火を見せて、白濁が開いたままの顔面を汚した。我ながらほんと漫画みたいな量を出してしまったが、ある意味これもチートの産物なので仕方あるまい。

 

「んぅっ、ゴホッゴホッ……けほっ、なにこれ、凄い量……こんなの、生で中に出されたら、絶対……絶対、妊娠、するぅ♡♡」

 

「さて・・・そ(・)れ(・)は(・)平(・)塚(・)先(・)生(・)が(・)好(・)き(・)に(・)し(・)て(・)良(・)い(・)で(・)す(・)よ(・)。ですが、その味、その温度、その匂いを忘れないで下さいね?貴方はこれから2週間、それにどうしようもないほど思い焦がれながら生きていくのですから。」

 

俺が言った最終通告。これが本当に最後の分岐点。これを受け入れたら最後、彼女はもう、これから2週間後まで、気の狂うような淫獄に、自ら落ちてゆかねばならない。

 

けれど、彼女は。

 

平塚先生は、顔に掛かった白濁を舌で舐めとると、どうしようも無く発情した、艶然とした笑顔を浮かべて。

 

「………んぅっ!ゴクン。ああ、分かった♡♡」

 

その味を確かめるように飲み下しながら、嬉しそうに了承した。

 

 

続く。

 

 

 

 




唐突にエロをぶっ込んでくスタイル。

登場人物紹介のネタバレが嫌いな人がいるみたいなので、とりあえず今回は後書きに。

登場人物紹介

・榊 貴一
神様転生者にしてチートからチートを生み出したチーター。
生み出したチートによって、ハーレム系エロ漫画の主人公みたいな肉体を手にした男。
与えられたチートも、生み出したチートも、余すことなく全てのチートを使って女に好き放題快感を叩き込めるエロ無双系オリ主。理論上快感を感じる機能が壊れてるとかでない限り全ての女はセックスでこいつに歯が立たない。まさに淫獣である。
ついでに言うなら生粋のメンヘラキラー。弱点は一物が大きくなり過ぎて初心者には向かないこと。

・雪ノ下 雪乃
最近なんだかんだゆいにゃんとオリ主を身内認定しつつある。だが、それ以上には自分から踏み込めないので、オリ主から来て貰えるように無意識に甘えてしまうクセが出来たことに気付いてない。
なお、エレベーターでオリ主に忠告した時、オリ主にキスした?と勘違いした平塚先生の殺気を食らった。しかし合気道やってたので耐えた。凄いぞセツのん!
猫大好き。きっと前世は呉でくノ一みたいなことしてた。

・由比ヶ浜 結衣
色々めっちゃ頑張ってる。多分1番正当なヒロイン。
しかし今回で完全に平塚先生に先を越された。
オリ主の腕に抱き着いた時、嫉妬に狂う平塚先生にスーパー病み睨み食らって状態異常、怯むになった。それが敗因。

・平塚 静
歪んだまま、自らの全てをさらけ出して、結果としてオリ主と禁断の契約を結んでしまった。もう完全に彼女はオリ主の傍から離れられない。オリ主自ら頑張って遠ざけてたのに、自分からオリ主に近付いてしまったから。なお、これからの事は割とノープラン。オリ主に抱かれる事で今は頭がいっぱい。
本作のメインヒロイン。なのに最大最強のチョロインという闇深情緒不安定系ヒロイン。これもうわかんねぇな。

・三浦 優美子
前話から飛んだ時間の中で、いつの間にかオリ主と交流を深め、ごくごくたまーに2人で遊びに行く中になった。なお、何度も何度もあーし呼びを否定し、下の名前で呼ばせようと画策。やがて面倒になったオリ主からユーミンというあだ名で呼ばれるようになる。ビッチ極まりない見た目のくせに、松任谷由実の曲とか歌うと凄いという設定捏造。なのでユーミン。ごめん嘘。それは後付け。葉山君が好きだが、オリ主といる時の居心地の良さに、何となく癒されている。
なおオリ主は実は1番いい女こいつじゃねーかなと思ってる。

・戸塚 彩加
完全無敵の男の娘。彼を傷付けるものは裏で密かに彼を守る紳士淑女の会に闇へと葬られるという。前回テニスの時騒いでいたギャラリーが、僅かでも彼を馬鹿にしていたら、彼らは永遠にパリピに戻れないところだった。
オリ主から全集中の呼吸もどきを教わり、ついでにテニプリを借りた結果、ツイストサーブと白鯨を使えるようになりつつある。しかし本人としてはあの一戦で見たオリ主の波動球が忘れられず、適正のない己の身体に歯噛みしている。

・葉山 隼人
なんでこの子の名前カタカナで変換されがちなん?通称キラキラ。
正直原作では割とキーパーソンの類だが、書くのがめんどくさい作者が推敲を重ね、最終的にあーしさんを出したい作者が諦めて出す決断をした結果、彼関係の依頼はだいたいマキで進む宿命になった。

・大岡くんアンド大和くん。
べっちと違って作者が顔とか全然知らない上に興味がなかったので、作者の中でラグビー部と野球部の知り合いを勝手に当てはめられた容姿を持つ。出番はもはや完全にないぞ!
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