宿の浴室は改めて見るとそれなりに広い物だった。
屋敷ほどに大きいという訳ではないが、それでも大人二人は余裕で入れる。
当たり前だろう。もとより『そういう事』を想定してこの浴室は作られているのだから。
王都という事だけあってか、最新のシャワーヘッドが付いている。
同郷である日本人たちの知識が結集した成果か、あらかじめ必要分のお湯を貯めておく必要はあるが、おおよそ俺の記憶にある日本の浴室、少し広めの個室風呂に近しい形状をしていた。
これがあるからか他の高級宿屋よりも値段が高いのだが――。
「良いところだろう? まあ、もしも王都で逢えたら連れ込みたいなぁ……って思ってただけはある」
その相手はここにはいないが。
別の相手ならここに横たわっているが。
――俺はクリスを浴室に連れてきていた。
床は木材を使用しており、タイルと違い座り込んでも痛くはない。
ほのかに香ばしいと感じる木の香りに僅かに落ち着きを取り戻しながらノズルを廻す。
さああ、と降り注ぐ湯の雨が俺とクリスの裸体を叩き出す。
それは家の窓を伝う雨のように不規則な道となって肢体を流れ落ちる。
「……ふぁぁ」
気の抜けたような声を漏らすのは、銀髪の少女だ。
心地良さそうに身体の奥から魂が抜けたような声音に、思わず苦笑する。
二人の裸体を流れる湯の雨は、汚れた身体を濡らし静かに着実に清めていく。
腰が抜けた彼女の背もたれとなり、仮面盗賊団頭領の右腕として彼女の身体を洗う。
「いや、いいから……」
「大丈夫です」
「絶対、エッチな事する気でしょ……。いや、まあ助手君が連れてきた時点で察してるけど」
「大丈夫です」
「というか、さっきから身体がちょっと熱いというか……。何かスキル使ってる?」
「大丈夫です」
「……あの、何が?」
彼女の会話に対して、少しでも安心させようと『大丈夫です』を連呼する中で思考と眼球、性技のリソースは現在彼女の裸体に注がれる。
俺に身体を預ける白い裸体は瑞々しく女体の柔らかさを俺の脳細胞に刻ませる。
さああ、と湯雨が降る中、チラリと俺を見上げるクリスの瞳には情欲の熱が燻ぶっている。
――この女も理解しているのだ。自分が目の前の男の欲情の対象である事を。
「ぁ……」
俺の胸元に頭を預け、女神は細い脚を伸ばす。
ショートカットの銀髪は水に濡れ、白い首筋は仄かに赤く染まっている。
初々しい恋人のようにチラチラと見上げ、目が合う度に目を逸らす銀髪女神の姿にいつの間にかいきり立つ怒張がぷるぷるとした尻肉にこすりつく。
「……!」
その存在に気づいたのか、咄嗟に内股を摺り寄せ、腰を浮かべようとする盗賊娘。
セクハラどころではない行為だが、先ほどの行為で耐性が出来たのか或いは諦めたのか尻肉に挟まろうとする剛直に言及はしない。
口に出せば揶揄われ弄ばれるのを、身体で理解したからだろう。
「……ねえ、早く洗ってよ」
「ん、おう」
ふとクリスが口を開く。
雨が降るようなシャワー音の中で、ポツリと口を開く。
自然と口数が減る中、頭領の言葉に頷き石鹸を泡立てる。
使える物は両手しかない為、泡塗れの手で彼女の身体に触れる。
「タオル」
「あると思うか?」
「……取ってきたら」
「断る」
シャワーの所為で流れ落ちる泡を気にせず、彼女の乳房に触れる。
ランタンの明かりが灯る浴室でジックリと彼女の薄い双丘を両手で優しく洗う。
もにゅん、と小さくも確かな質量のある母性の塊は感度が良かった。
いわゆる巨乳の女性に対して貧乳の女性の方が感じやすいという話をどこかで聞いたが、俺の腕の中で洗われている女もその例に含まれていると考えて良いだろう。
「っ、ぁ」
湯の滴がたっぷりと降りかかった乳房。
硬くほのかに色づいた桜色の乳首。
少しでも清めようと僅かに泡が残った手で洗う。
下からすくうように揉み、ゆっくりと感触を味わう。
馴染んだ柔肉を上下左右に揉みつぶすようにして楽しむ。
親指と人差し指で両方の乳首を摘まみ、押したり、引っ張る時のクリスの反応を楽しむ。
「ぁぁ。ん……ぁ、っ」
背後から羽交い締めにされた少女に余裕は無い。
硬い肉粒をこねくり回される度に甘く蕩けた声は湯水が木の床を叩く音に掻き消される。それでも漏れる女神のはしたない声音は、唯一身体を清めている俺のみが聞く事を許されていた。
「可愛いですよ、エリス様」
「ふっ、っ、っ……!!」
逃げないようにと絡めた脚の拘束を解こうとばたつく彼女の両脚。
抵抗しているというポーズを取りたいのか、念入りに乳房や腋、首筋を手で洗うとくすぐったそうに銀鈴の笑い声を漏らした。
「ちゃ、ちゃんと洗ってってば」
「かしこまり」
「んぅ!?」
まずは煩わしい声を唇で塞ぐ。
顔を叩く湯の音が煩わしく感じ、俺はバルブのような栓をそっと閉めた。
「ん、ん……」
心地良さそうに喘ぐクリスの唇を奪う。
唐突に静まり返る空間に湯気が立ち上る中、にじゅ、という淫猥な音だけはやまず、口腔で舌の絡む音が直接脳にまで響き渡る。
いやらしさを限界まで濃縮したような唾液の絡ませ合いを女神に教え込みながら、乳房を愛撫していた俺の手は下へ下へと伸びていく。
「ひぅっ!」
ダクネスほどではなくとも程良く引き締まった腹部を撫でる。
ピクッと強張った身体を撫でながら、ゆっくりと更に下へ、女神の恥部に向かう。
「ん、んんっ……!」
恥ずかしがり腕を掴もうとするクリスの唇を貪る。
力の抜けた様子の盗賊娘、その体躯を抱きながら片手を乳房、もう片方の手を秘裂に触れさせる。ジックリと身体を洗おうと空虚な泡を手に塗れさせ、丁寧に柔肌に触れる。
「や、ぅっ!」
思えばジックリとそこに触れる機会は少なかった。
アイリスの時は奉仕精神に則り、先ほどの行為時は欲望に身を任せていた。
「あっ、ぁ、それっ」
絡み合った唾液を口端から垂らすのも気にせず、クリスは身を捩る。
薄灯りの浴室でもピンク色の肉は、花弁のようにも見えた。
実際に指先でなぞると、外側はぷにぷにと、内側は粘膜のような感触が伝わる。
「っ!」
ピクッと背中に浮かび上がる。
海老のように僅かに反らす少女の姿を見て、ゆっくりと陰唇の縁を指でなぞる。
この世界の通貨になるほどの女神の秘裂を好き放題に弄っているという事に心臓が痛みを覚える程に鼓動が高鳴り、顔を赤らめて声を漏らすクリスの顔を見下ろす。
ゆっくりと太腿が閉じ、俺の腕という部外者の排除を試みる女神。
湯水を弾く柔肌に挟まれながらも、舌でするように陰唇をなぞる俺の指先に、ぎゅっと目を閉じるクリスはん、あ、と羞恥の嬌声を漏らす。
「可愛いですよ、エリス」
様付けを抜かし呼び掛けるも、それどころではないらしい。
盗賊娘の秘裂の探索を進めながらも、空いた片手で乳房と乳首を弄られ、恥ずかし気に気持ちよさそうな声を漏らす女の姿を目に収める。
彼女の反応を見ながら陰唇部分をなぞると終着点に辿り着く。
果実のように硬く柔らかくなった小さなクリトリスに指先が軽く触れる。
ぴん、とクリスが背を伸ばすのを感じた。
「ゃ……、そこ!!」
「ここが良いんですね」
「ちがっ、や、ぁあっ!!」
肌に張り付いた薄毛の中で小さくも主張するソレは指先で突くだけで、俺の腕を掴む手のひらに力が入り、忘れかけていた抵抗を再開する。
俺は指を見て爪の長さを確認すると、そっと挿入する。
「は、……あ」
熱く濡れた肉が指をねぶる。
先ほどまで怒張を挿入していた場所に入れた細い指に吸い付く膣壁の感触。
俺の指を呑み込んだ膣は先ほどよりも濡れ、指先に絡みつく愛液と白濁の存在は先ほどの情事を鮮明に思い出させる。
「あー、そりゃそっか」
「っ……!」
先ほどの行為の証明をするように引き抜いた指には精液と愛液が絡みついている。
指を抜いた瞬間、トロリと媚肉から白濁のソースが腿を伝う様子に、ふとクリスの顔を見ると羞恥の限界点を超えたのか顔を手で覆っていた。
「凄いエロいですよ」
「言わないで……」
「女神様はエロいですね。そういう種族なんですか?」
「ち、ちがっ……!」
「ここ、責任もって綺麗にしますね」
「あ、あのカズマさん、そこは私が……ッッ!!!」
抗議の声を上げようとするクリスの口はパクパクと開閉するだけだった。
木の桶に溜まっていた湯を膣内に指と共に注ぎ奥から行為の証明を掻きだす。にじゅり、と淫靡な音と共に奥へ指を進ませると彼女の喉がひくつくのが分かった。
指が狭い肉の通路を抉じ開ける。
肉は濡れ、奥から入口まで指を掻き戻す度に女神は情けない声を漏らす。
「凄いですよ、エリス様。ほら、いっぱい出ましたよ」
「……! !」
ごぽっ、と膣内の洗浄を行い白濁が消えた媚肉。
代わりに真新しい蜜液が俺の手を濡らす中で、俺はふと膣内で指を曲げた。
「ぁぁぁっっっ……!!!」
突然だった。
確認するまでもなく突然絶頂に達したクリス。
ぷしゃ、ぷしゃ、と愛液が腿肉を伝う中で、俺は何が起きたかを冷静に考えた。
見間違えではなければ俺の予習とスキル、幸運が彼女に極上の悦楽を与える事に成功したらしい。つまりは――、
「……ここ?」
「ぁぁぁっ!?」
指の第二関節を曲げる。
その状態の指で膣の臍側の壁をこりこりと擦る。
「ぁ、ぁっ、やっ、……やだそれっ……!」
指の腹で弱い場所を軽くつつき。
「ひぁあああっっっ……」
膣壁を入り口まで抉るように刺激する。
「ぁ、ぁぁ、ぁ、あああッッ!!」
ぴちゃ、ぴちっと床で液体が跳ねた。
俺の腕を掴み首を反らす少女の膣からぷしゃ、ぷしゃりと蜜が噴き出す。
「まっ、……まって。それ、らめ、……らから」
髪の毛を乱し、呼吸を乱すクリスに快楽を与える。
先ほどとは異なり本気で抵抗しだす彼女の肢体を全力で抑えつけ、指を動かす。
「ぁ、また、ィ、ゥゥ~~~~!!!」
追い打ちの気分で膣壁を指で弄るとクリスの声が浴室に響く。
びゅううっと小水を思わせる飛沫が俺の身体を濡らす。
征服感が俺の胸中で湧き上がり思わず笑みが浮かぶ中、ぐったりとした彼女を床に下ろす。
「はー……ぁ……」
糸の切れた人形のように腰から崩れた少女の元に昂った怒張を近づける。
「ゃっ、……ちょ、やめ」
ぺちん、と頬を叩く。
仰向けになっていた彼女はそっと瞼を開き目の前の怒張の存在を認識すると、慌てて目を逸らし恐る恐る俺の顔を見上げた。
肉茎と俺の顔を交互に見上げる捕食寸前の子羊を思わせる眼差しに喉を鳴らす。
「クリス」
「ゃ、ゃ……!」
何をするのかを察して瞳を見開く耳年増な女の唇にペニスを宛がう。
屈んだ俺は美しい銀髪に手を入れてクリスの頭部を掴むと、彼女はそっと目を伏せた。
「ぁ……ぁむ」
生温かい口内に肉竿が包まれる。
目線だけで何も告げてはいないが要求内容を理解したらしい。
ちゅぷ、ちゅぱ、と小さな口でおしゃぶりのような奉仕を強いる。
「おふ……おお、いいぞ」
「ん、ぷっ、んむっ……!」
正面からのフェラでは無いからか頬肉を突き上げるような形となる。
クリスの頬肉は舌よりも柔らかく弾力があり、舌のざらついた感触と共に怒張をしごくにはうってつけの代物だった。
なによりも女神をただの肉穴として凌辱している事に言いようの無い快感を覚えた。
――こんな事をしているのは、こんな事を出来るのは世界で自分だけだ。
そんな欲望に満ちた考えに至ると血管が浮き出る程に昂る怒張を少女の口腔で揺する。
「もぶっ! んんっ! んえっ……!」
様々な感情が脳裏を過り、それらを上書きする快楽に奥歯を噛み締める。
銀髪を揺らし、俺の腰を叩くクリスが涙目で慈悲を乞うが、腰の動きは止まらない。
頬肉と舌、唇と彼女の口を犯す事の悦びに満たされる中で亀頭を擦り続けて。
「お!」
勢いよく白濁が噴き出す。
彼女の頬肉の裏側を精液で汚し、舌上に飛び散らせるのを感じる。
「んん~~~!!」
射精の余韻に俺は大きく吐息する。
だが彼女の小さな口内から引き抜くことはしない。
逃げようとするクリスの頭を抑えることを忘れずに見下ろし、告げる。
「エリス様」
「――――」
涙目の少女の銀髪を撫でながら、名前を呼ぶ。
ジッと見つめ合い数秒、彼女は観念したようにこく、こくんと喉を鳴らす。
んふ、と熱い鼻息をこぼす彼女からゆっくりと剛直を引き抜いた唇には精液と唾液が混ざり合った物が糸を引いていた。
「さて、クリス」
「……は、はい」
喉に違和感があるのか僅かに眉をひそめるクリス。
話しかけるとビクッと震える彼女に何故か敬語で返答されるが、特に気にせずに口を開く。
「身体、洗おうか」
「…………ええっと、えっ、急に?」
「? 何言ってるんだ? 身体を清めに来たんだろ」
「あれ……? あっ、これが賢者タイム……」
「ほら馬鹿な事言ってないで椅子に座れって。今度はちゃんと洗ってやるから。さもないと女神史上で一番凄い事をするぞ!」
「ぇぇ……あ、あのカズマ君。さっきのでまだ足腰に力が入らないんだけど」
「仕方ないな~。ほら肩貸すから」
「……ありがとう」
クリアな頭脳を持つ俺が告げると、急に脱力したクリス。
仕方なしに彼女に肩を貸すと、ふにふにとした感触が俺の身体に触れる。
シャワーを使うべくバルブのような栓を俺は開き、彼女が椅子に座るのを手伝って。
ふと彼女の身体を背中側から見下ろす。
銀髪が良く映える雪肌、肩から肩甲骨を伝い、くびれた腰を伝って尻肉に湯が伝う姿は。
…………。
「――ふむ」
「カ、カズマ君?」
「お頭の身体。なんかエロいですね」
「え、えと……」
――さああ、と降り注ぐ湯の雨が俺とクリスの裸体を叩き出した。