性行為が始まる合図はキスからなのはクリスの時と同じだった。
寝台を軋ませて、毛布に包まる俺に迫りくる白銀の女神。
瞼を閉じ唇を窄める姿は、エリスのキス顔はこの世界の誰もが一度は想像しても、本物を見た事は無い。一度死んで蘇生された人間が夢に見ても細部までの再現は不可能だろう。
ぼやけた肌色の視界に瞼を閉じて、俺はそんな彼女とのキスに応じる。
毛布に包まった俺に横から唇を触れてくる姿に、クリスに慰められなし崩し的に行為に及んだ時の事を幻視する。――流石にあの時と比べて歯はぶつからないが。
「クリス様も上手くなりましたね」
「……エリスですよ。カズマさんもあの時よりも上手ですね」
情熱的なディープキスよりも、恋人のような唇の柔らかさに充足感を得るキスをしてくるエリス。白皙の肌に朱色を差しながらも愛おし気な表情で俺とキスする姿はクリスと重なる。
ちゅる、ちゅっと唇の肉をはみ合わせ、玩具のように俺の唇を弄ぼうとする彼女は機嫌が良いのか眦を和らげて、男が惚れてしまいそうな柔和な笑みを、微笑を浮かべた。
それだけで昂りを見せる己の鼓動。
それだけで数多の男を堕とす事が出来る魔性の笑み。
これが女神なのかという思いが胸中を過る。
同時に僅かに冷静な思考が雰囲気に呑まれきれずに水の女神に向かう。
目の前の幸運の女神が身に纏う衣服は記憶にある物よりも僅かにボロボロである。それでも神器だけあるのか、ほつれた部分や裂けて肌を露出させた部分が自動で修復されていく。
いつの間にか横になっていたエリスが俺の上にのしかかっていた。
女神は人にのしかかるのが好きなのか、俺の首筋に顔を埋めると嬉しそうな顔を見せる。
「カズマさんの匂いだぁ……」
「――――」
そういえばアクアもこんな事をしていたな、と思い出す。
抱き枕と化した俺を抱くエリスは、胸に顔を埋める姿はそっくりだった。
何が楽しいのか、男の汗臭い匂いを嗅ぐ度に嬉しそうな顔を見せていた。
「あの、エリス様……」
「あんまり堅苦しい言葉遣いはしないで下さい、カズマさん。前にも言いましたがクリスの時のような感じでお願いします」
「それはエリス様が普段使っている口調に変えたら考えます。あと、ちょっと、アクアの様子を見てくるので――」
「は、ぇ、だ、だめです!」
「…………」
「先輩なら、疲れて眠っているだけですから!」
俺に抱き着くエリスは抱擁する腕に力を籠めて続く言葉を拒絶する。
状況と大義名分があれば行為に及ぶ俺ではあるが、流石にアクアの反応が無いのが少し気になる。彼女の性格的に突撃してこないという事はあり得ず、状況的にエリスと何かあったとしか考えられない。流石に死んではいないだろうが。
少し前まで抱いていた女の事に関心を示す俺の姿に、エリスは悲痛な表情を見せる。
「お願いします! 一緒にいて下さい! 一緒の、カズマさんと一緒のベッドで、どうか、私を抱いて下さい。いっぱいいっぱいエッチな事してもいいですから!」
心が痛むような女の叫びに、下半身が疼き背筋が微弱な電流が奔ったように震える。
エリスの目尻に涙を浮かべる姿に言いようの無い薄暗い快感に心が歓喜の叫びを上げた。この世界で多くの人間が目の前の女神を信仰する中で、偉大な女神は俺だけに感情を揺らしている。
自分の身体を好きにして良いと、その柔らかい唇で告げたのだ。
唇の感触でそれならば、エリスの身体はいったいどれだけ――、
「っ」
エリスが俺の下半身の膨らみに気づき、ほぅ、と熱い吐息を漏らした。
興奮したように、どこか嬉しそうな顔を見せる彼女の姿に、発散していたであろう性欲が身体に満ち溢れていくほどの獣欲に駆られる。
限界まで反り立つ肉棒の存在が毛布越しにエリスに主張していた。
目の前の女を捕食したい。
押し倒して、衣服を脱がし、滅茶苦茶にしてやりたい。
乳房を揉みしだき、恥部を舐めまわし、奥の奥まで子種を注いでやりたい。
純情無垢な彼女の色を自分好みに汚し長く伸びた白銀の長髪を撫でたい。彼女の香りを肺に満たし、羞恥を煽り、陰嚢が空になるまで射精してやりたい。
「いいんですよ……」
「…………」
「好きなようにして良いんですよ? ……でも、ちょっとは優しくして下さいね?」
そんな醜い欲望を許容するかのように、幸運の女神は笑みを浮かべる。
俺の頭を撫で、祝福するように、いじらしい言葉を告げる姿に我慢出来なかった。
返答の代わりに俺は彼女の唇を奪う。
優しい触れ合うだけのキスとは異なり、今度は奪うような、情熱的なディープキスを幸運の女神と行う。瞳を見開いた彼女を抱き寄せると、一筋の涙を流したエリスは俺の首に腕を廻し、キスに応じる。
嬉しい、と行動で示す彼女はコクリ、コクリと唾液を嚥下していく。
キスの隙間から女神が呼気を漏らす中で、彼女の羽衣に手を掛けると、ピクリと硬直するエリスの瞳には羞恥と共に喜悦が混ざっている。
上体を起こし、俺の目の前で自らの衣服に手を掛ける彼女は年相応の少女のように顔を赤らめていた。その初々しさを感じる彼女の動きの一コマ一コマを眼球に焼き付ける。
「…………」
脱げ、と目で告げると、はい、と目線で返す。
従順なメイドのように主人の命令に従う女神はゆっくりと羽衣を脱いでいく。
修道服を模した、或いはその原型となった彼女の衣服が、彼女自身の手で脱がされていく。男の下卑た視線に晒される事を是とし、ゆっくりと、僅かに震える手で白い裸体を晒していく。
そうして衣服を乱れさせ、素肌を俺に見せていくエリスは何を考えたのか、俺に向けて白銀に彩られた頭を僅かに傾ける。一瞬その意味が分からなかったが、エリスの青色の瞳の揺らぎに俺は無言で手を伸ばした。
「……取りますよ」
「……」
まるで式場で花嫁の薄いウエディングベールを持ち上げるように、エリスが頭に着用しているベールを他ならぬ俺の手で丁寧に脱がせる。
これが、女神がただの女になった瞬間なのだろうか。
まるで何かの儀式のようで、ベールを脱ぎはらりと零れる白銀の髪は滑らかに肌を伝う。
ぷわりと漂う銀の長髪が掌をくすぐり、思わず指で撫でると、んぅ、と吐息を漏らすエリス。
くすぐったそうに笑みを浮かべる彼女は可愛らしくも、どこか官能的な魅力を醸し出す。
癖になりそうな髪の毛を指で梳きながら、餅のように柔らかい頬に掌で触れると、上から置かれるエリスの掌。柔らかい手が男の武骨な手を優しく包み、僅かに隠せていない欲情の視線で俺を見上げる。
「ん……っ」
「…………」
察したように瞼を閉じるエリスはどこかの駄女神とは違い空気が読める。
期待するかのように唇を窄める彼女にキスをすると、どこか虚ろな瞳で頬を緩ませた。
「カズマさん。キス、上手ですね……」
「お頭とも一杯、しましたから」
「私と……、ふふっ、なら私がカズマさんのキス経験を育てたんですね。最初の歯がぶつかる頃から随分成長しましたよね」
「それは……恥ずかしいんで忘れて下さい」
「嫌です。ずぅぅっと忘れませんから」
半脱ぎのエリスとの口付けは、世界中の甘味を煮詰めたような、甘い味がした。
実は女神と相性が良いのではないのか、と勘違いしてしまう程にエリスとの触れ合いは刺激的だ。きっと愛する男に都合の良い身体に即座に調整されるのかもしれないと本人が聞けば憤慨しそうな事を考えながら、エリスに続きを促す。
先ほどよりも緊張感が減ったのか、恥ずかしがりつつも丁寧に衣服を脱いでいく。
徐々に、徐々に葡萄の皮を剥くようにエリスの生肌が俺の前に晒されていく。
世界中で最も信仰されている女神のストリップショーは俺の口から言葉を奪っていく。ただ、この一分一秒を忘れてはならないと瞬きを忘れて彼女を見つめる。
やがて、羽衣を脱いだエリスの純白の下着だけに包まれた肢体が現れた。
雪肌の肩を撫でる彼女、絹のように滑らかな髪の毛を赤らんだ耳に掛けるエリス。
「そういえば、どうしてそんなに恥ずかしがるんですか? 可愛いですけど」
「……えっと」
「ほら、クリスの時とか裸を見てますし……お風呂とか一緒に入って隅々まで奉仕しましたし」
「そ、それとはまた別ですから……、それにこの身体を好きな人に見せるというのは初めてですから……緊張、してるんです」
「――――」
「変じゃありませんか?」
「……綺麗です」
――メインヒロインはここにいた。
ありきたりな言葉に嬉しそうな顔で瞳に光を差すエリスに俺は思わず苦笑する。
はふ、とエリスは胸元や恥部を隠し身を丸める。いつの間にか伸びていた俺の手は彼女のくびれた腰を撫でると小さく悲鳴を上げたエリスは俺の指に合わせ腰から下をくねらせる。
いつの間にか内腿は蜜で濡れており、エリスは恥ずかしそうに目を伏せる。
「その、期待していたので……」
「……、なにを」
「カズマさんと……そういう事が出来るのを……です」
男心を擽るのが上手いのか、エリスの言葉の一つ一つが俺の心身を震わせる。
ぶるり、と頭を振ると同じく揺れた亀頭から滴が肉竿を伝う。今すぐに彼女を滅茶苦茶にしたいという欲望を抑え込み、最高のストリップショーを見せた彼女にお礼を言って、抱き寄せる。
このまま最後の一枚まで己の手で脱ぐまで、己の獣欲を抑えられそうにない。
「ナニマさんとナニが出来るのを期待していたって? すいません、もっと詳しく」
「そ、それは……うむ!?」
セクハラのし甲斐があるエリスの身体を強く抱きしめる。
柔らかい少女の身体、温かい体温とミルクのような甘い香りが官能を高めていく。背中まで伸びた白銀の髪ごと抱きしめると小さく吐息を漏らし、目を潤ませると口を程良く開く。
クリスを通じて一緒に繰り返してきた少女との口付けは熟れた果実よりも甘く淫らだ。
エリスと毛布に包まり、じっくりと口腔で交わる俺たちは数分ほど掛けて、唾液の糸を引きながら顔を離す。だがこのキスの後は先ほどと異なり互いの身体はぴったりとくっついたままだ。
そんな風に肌を重ねる事に心地よさを感じる中で、俺はエリスの身体に触れる。
処女雪のような肌、純白の下着よりも白い肌に優しく軽く口付けをした。
ちゅっと紳士のように唇で女神の身体に触れると、小さく喘ぎ声を漏らすエリス。彼女の肌にキスをしていく。
余す事のないように白い皮膚を吸い、離す。
誰も触れた事の無い神秘に脚を踏み入れた事に言いようの無い快感を覚えながらも、同じく気持ちよさそうな呼気を漏らすエリスの肌に踏破の痕を残していく。
首筋から鎖骨へ、背中の滑らかな感触を掌で味わいながら、片手はブラへ。
ブラを外すと白い柔肉がぷるりと揺れる。
真正面から見るエリスの乳房はプリンのようで、ふっくらとしたソレは掌に収まり、しっかりと手に馴染んだ。
面白い事にクリスの時よりも僅かに乳房の膨らみ具合は上だった。
「というか、エリス様のおっぱいって」
「はい……?」
「結構ありますね」
「ぇ、ぁ、そ、そうですか……?」
サイズ的には日本で言うところのBからCサイズ程度だろうか。
確かにアクアやダクネスのような巨乳ではないが貧乳という訳でもない。
何度か揉んだ事のあるクリスの乳房よりも僅かに大きい柔肉を、一瞬巧妙な神器かと疑ったが己の掌は間違いなく彼女の生乳であると証明している。
流石に現在進行形で成長しているアイリスの乳房よりやや下回っているが。
「めぐみんやクリスよりはあるんじゃないかな……」
「えっと、たぶん、はい……」
「…………」
「や、やっぱり小さいのは駄目ですか?」
「何を馬鹿な事を言っているんですか!! 大きければ正義なんて事はありませんし。パッドなんていらないので下さい。ナイスおっぱい!」
「あ、ありがとうございます? ……褒めてます?」
最大の賛辞を籠めてサムズアップする俺を半眼で見上げるエリス。
もしかして揶揄っているのでは、と懐疑的な目線も胸を揉む手に力を加えるまでだった。乳首をこねるように胸を揉まれるのが好きだった事はクリスの性感と同じだった。
くり、くり、と押し潰すような愛撫で女神は余裕なく震え、濡れた喘ぎを漏らす。
「はっ、ぁ……」
パン生地を捏ねるように彼女のコンプレックスでありながらも弱点である乳肉を揉みながら、俺は片方の乳房で唯一硬さを主張する尖端にキスをする。
ツン、と上を向いた肉粒は赤く色づき、唇の肉で挟み転がすとエリスは気持ちよさそうに俺の耳に喘ぎ声を注いだ。
「ひゃ!!? ぁ、ぁ、んんッッ!!」
俺に抱かれ逃れる事も出来ず、授乳経験を俺に奪われる。
佐藤和真色に染め上げられる純粋無垢な、否、無垢だった女神の身体を味わう。
敏感なのか、乳房への刺激だけで達した彼女は、俺に身体を預ける。
肩に手を置いて、自らの喘ぎ声がはしたないと口元を手で覆う。
クリスの時は気持ち良いと甘えた声を発していた唇は震えるばかりで、自らは簡単には屈しないという女神の維持という物を思わせる。
決壊寸前の防波堤のように、壊して欲しいと身体で告げるような態度。
さらりと触れる毛先が耳をくすぐり、俺の頭に顎を載せて吐息を漏らす銀髪の少女。
そのいじらしいともあざといとも言える態度に。
いっそ、壊してやりたいと、男に、快楽に、狂わせてやりたいと怒張が反った。
床にタオルを敷き、お互いに座ったままの体勢で彼女の母性の塊に顔を埋めていた俺は、乳首を唇から解放すると、背中に指を這わせ赤らんだ耳元に低い声音で立ち上がるように告げる。
ピクッと身体を震わせながら従順に従うエリスは俺が何を望んでいるのかを知っている。
クリスを通じた経験で知らない筈が無いのだ。
「んっ、ん……」
半裸の彼女が身に纏う、最後の一枚。
俺という観客を前に立ち上がったエリスは内腿を摺り寄せる。
慎ましい胸元を通り過ぎ、視界に入る臍、くびれた腰にキスをしたり、指先でなぞると、くすぐったさと快楽の混ざった吐息を漏らす。
皺が寄る程に尻肉を掴みながら、レースの下着に手を伸ばすと湿った感触。
女神エリスは、俺の愛撫で感じていた。
「あ、あんまりそういうのは……!」
「おっ、これ何ですかねぇ」
「し、知りません」
指先に付着した女神の淫液を彼女に見せると指先を手で包み隠そうとするエリス。
己が如何にいやらしい淫魔にも勝る至高の存在である事を口にすると、顔を赤くする彼女は初々しさと共に羞恥の涙すら浮かべている。
シンプルながらも機能性の高く、薔薇の装飾が施されたショーツは布地が薄い。
透明な肌を包み込む男を誘ってやまない下着は生地が薄いのか、俺の指越しに熱く柔らかい恥丘の感触が直に伝わるだろう。
染みの広がっている部分に少し触れると、慌ててエリスが俺の腕を掴み首を振る。
「ぁ。ぁ……!」
ただ触れただけで絶頂に達しそうなエリス。
グッと唇を噛みしめながらも、腰を硬直させる姿を見上げた俺は、彼女が着用する最後の布切れを、ゆっくりと脱がした。
脱がされるのを惜しむように淫糸が下着と恥部を繋いでいた。
むわりと漂う雌の香りを鼻腔で味わいながら、一糸まとわぬ姿となったエリスの恥部にジッと目を向けた。
鼓動を忘れ、喉を鳴らす犬のように夢中になった。
初めて見る幸運の女神の秘裂。
薄い陰毛はクリスの恥部と遜色は無いが、感度が高いのだろう。
止めようとする細い女の腕を気にも留めず陰唇部を開くと、愛液がトロリと奥から溢れ出る。
なんて、もったいないのだろう。
「ぁ、ぃゃ、んふっ……!」
「ん、んむ……」
「ぁぁぁ……す、吸っちゃ……ひぅッ!」
びくくっと僅かに身を強張らせ小さく達するエリスを余所に蜜液を舐めとる。
床に垂らすくらいならば、喜んで舐めとろうと、かつてクリスにしたように唇と指での奉仕を決める。クリスの時よりも敏感な彼女ならば悦んでくれるだろう。
その推測は、露わになったエリスの陰核に息を吹きかけた瞬間に確信に変わった。
「そ、それ、強っ……」
知っているとも。
クリスを通じてどれだけ弱いか教えてくれた。
どこか甘いとすら感じる女神の蜜液で喉を潤しながら、腰を引こうとするエリスの尻肉を掴む。太腿と同じく柔らかく程良い脂の乗った肉だ。
絶対に逃がさないと、目の前にある小さな陰核に触れると呼気が変わった。
「……そ、それは、だめ」
言葉通りの事が起きた。
くり、くり、と彼女の慎ましいクリトリスを包皮ごと押し潰す。
奥から溢れる蜜液が秘裂からこぼれ、もったいないと直接貝状の肉ごと啜った。
「ァ……っ、……! ぁー~~~……」
悲鳴も嗚咽も嬌声も無い、最も静かで深い絶頂。
生まれたての小鹿のように脚を振るえさせ、口端から垂れる涎にも気づかないエリス。絶頂の波に晒され小刻みになる呼吸を繰り返す彼女は立つことも出来ず、遂には崩れ落ちた。
そうして倒れ込んできたエリスの脚を掴んだ俺はやや手荒に対面座位を取る。
股を開かせて汁の溢れた亀頭を宛がう。
法悦の空に昇ったばかりの彼女の表情を見ながら無理やり割り拓く。
「ぐっ……」
「……!!」
処女だというのに良く濡れた肉が剛直を包み、ぎゅっと締め付ける。
一息に奥の奥まで貫いた俺は、慎ましい胸に噛み付き、乳首を吸う。
あ、あ、と恍惚に身体を震わせている彼女は絶頂の波に呑まれたままのようだった。
「しゅ、きに……」
好きに動いて。
そう解釈した俺は、しかし彼女と同じくらいに限界だった。
初めてアイリスと行為に及んだ時のように余裕が少なく、体に感じる快楽は脳を狂わせるようだった。胸肉を吸いながら、軽く揺さぶるだけでエリスは聞いた事も無い嬌声を上げる。
クリスと同じように媚肉を穿る剛直は、まったく同じ位置にある弱点を突く。
ぱんぱんと竿で突くだけで蜜が跳ね、女の悲鳴が漏れる。
彼女の双丘を押し潰すように胸板をくっつけ、唇を奪いながら、より密着するようにピストンを繰り返すと室内には水音と肉が肉を叩く音が響いた。
「ぁっ、ぁっ、はっ!!」
体は目の前の雌に種付けする事だけに動いていた。
腰を叩きつけ、獣欲に身を任せて唇を交わらせ、引き抜く度に肉襞が雁裏を絡みつく。名器と呼べる女神の媚肉が蠕動する度に、数えるのを忘れた絶頂がエリスを襲い続ける。
「ゃっ、カズマしゃ……しゅき、すき……ぁっ」
俺は夢中で腰を振る。
先ほどの蛮行へのお仕置きも込めて、媚肉で亀頭をしごく事を止めない。
獣のように孕ませるつもりで、止まる事の無い俺の腰になまめかしい脚が絡みつく彼女は、首を振り欲情に乱れた表情を隠そうと首筋に顔を埋め、唇で薄皮を吸っていた。
ギシギシとベッドが軋む中、俺は夢中で腰を振り、振って――、
「~~~~~ッッッ!!!」
エリスの声の無い喘ぎが耳朶に響いた。
全身を硬直させる彼女を抱いたまま、マグマのようなこみ上げる物を吐き出す。
どくどくと絶世の美少女に、女神の奥の奥に淀んだ白濁を注ぐ。
俺の体を抱きしめて悦びに震える彼女の瞳は虚ろだった。
意識を失ったのか、極上の身体は子種を放った俺に感謝するように剛直に甘い締め付けをもたらした。恍惚としつつ俺の肩付近を甘噛みしながら気を失っているエリスを抱き枕に、そっと俺は目を閉じた。
天井を見上げ、俺を全身で抱きしめた彼女が意識を取り戻すのに数分ほど掛かった。
+
「カズマさんってやっぱりアイリスさんと結婚するつもりなんですか?」
「……まあ」
毛布に包まりながらピロートークよろしく、イチャイチャとエリスの肌と戯れていた頃。
夜の帳が降りた事を窓から見上げつつ、互いに一糸まとわぬ姿で暖を取る。
女神の柔肉を撫でる度に小さく呻く姿を捉えながら、俺は彼女の言葉に耳を傾けた。
「それは、どうして?」
「…………責任って奴だな」
「責任」
「なんだかんだ言って、俺の事を好きになってくれたし。ゲームを一緒にするのも楽しいしな。強くて可愛いくて……あとちょっと世間知らずなお姫様だ。そんな子に告白されて思わず一線超えてしまいましてね……」
「カズマさん。でもめぐみんさんともダクネスとも一線は超えませんでしたよね」
「あいつらは……あのぬるま湯みたいな関係が楽しくて。俺を争うめぐみんとダクネス。二人の姿を見て俺を取り合わないで! って感じでニヤニヤするみたいな……ごめんなさい」
「最低。カズマさんはやっぱり最低です」
「それは俺が良く知っています」
「開き直らないで下さい」
半眼で俺を見るエリスを通じて二人に謝罪する。
僅かに頬をむくらませる彼女は慎ましい胸肉を俺の胸板で押し潰しながら耳元に囁く。
「そんなカズマさんは私たちに手を出しましたけど……どう責任取るんですか?」
「…………」
「アイリスさんに、この国で最高位に属する王族の娘に手を出した冒険者サトウカズマさん。同じく女神である私たちに手を出したのに、何も責任を取らないんですか?」
ぷわりと漂うエリスの香りは何かの花の香りだった。名前は思い出せない。
いつだったか生前の日本で嗅いだ事のある優し気な香りだ。慈しむように俺の頭を撫でるエリスの青の瞳、アイリスと似たどこまでも澄み切った大空のような瞳がジッと俺を見つめていた。
嘘を吐く事は赦されない。吐いてもバレるという確信があった。
その視線に感情は無くひたすらに俺の回答を求めていた。
「……責任は」
「それにカズマさん」
「はい」
いつの間にか乾いた口内で舌を動かそうとする俺。
頭を回し、ようやく発した掠れた言葉を遮るエリスは小さくも良く通る声音で話を続ける。
「……先輩にはあんなに好きって言っていたのに、私には言ってくれないんですか?」
「……。……。エリス、様」
「はい」
「その、……好きです」
「私も好きですよ? これで両想いですね!」
嘘では無かった。
出会った瞬間から好きであったと言っても過言ではない。
何よりもこうして身体を重ねた以上、彼女が口にする責任という物も取ろうと思った。
思い始めていた。
「嬉しいです、カズマさん」
「……クリスと二人で一つ。日替わり定食みたいに一人ハーレムが出来るところも好きです」
「恥ずかしがらなくても良いんですよ? そういう事がしたいなら今後は出来ますから」
照れ隠しだと言い当てるエリスに俺は閉口する。
この小悪魔のような可愛らしい女神に俺は勝てる気がしなかった。
「カズマさん」
「はい」
「ちなみにどれぐらい好きですか?」
「えっ、あー……アクアくらいに好き、かな?」
「……ふーん」
鼻先が触れる程の距離での会話。
ジロリと半眼で見つめられるとジワリと焦燥が俺の胸中を過る。
「…………」
「…………」
「い、言っておきますがねぇ! そっちはさっき刺してきたんですからね! 痛かったんだからな! アレでちょっと株が下がってアクアと並んだんですよ! 俺の中での好感度はアイリス、エリス様、パーティーメンバーみたいな順番だったのにどうしてくれるんですか! おおん!」
「えっ!? あっ、そんな順番だったんですか!?」
「そうですよ、唯一の常識人ポジがゆんゆん以外に消失したんですよ! なんだよストーカー属性って! 誰も望んでねぇっての!! 大体なんだこの身体、エロ過ぎだろ!!」
「ひゃあ!? やめっ、ちょっ、そこを開かないで下さい!」
毛布の中でエリスの肌をまさぐる。
先ほどまでの行為の痕が色濃く残る中で彼女と触れ合う。
そんな風にじゃれ合いながらも、エリスは俺に抱き着いて小さな唇を震わせる。
青色の瞳が俺を捉える。
ゆっくりと柔らかな掌が俺の胸板に触れ、鼓動が高鳴る。目と目が合う。
「でも、ちょっと目を逸らすとホイホイと浮気する意志の弱いカズマさんに、私たちは本気になったんですよ」
「意志が弱くてもアイリスさんを諦めない真面目なカズマさんを私たちは諦めません」
「私たちの事を考えてくれるなら、今はそれでいいです」
「アイリスさんと結婚して、アクア先輩と私とも結婚するんですよね? それなら皆幸せですね。カズマさんもハーレムを作れて幸せですね。ほら、前に『よーし、パパ。ハーレム作っちゃうぞ』って言ってたじゃないですか! アレが叶うんですよ。男冥利に尽きますね」
「そんな人生を死ぬまでの間、ずっと送るって良いと思いませんか? アイリスさんは優しく純粋で私たちも好きですし。そんな風になれるように私たちがしっかりと頑張りますから」
「さっきですね。色々あってアクア先輩も納得してくれましたよ」
「――だからカズマさんもこれ以上他の女と浮気したら、流石に許しませんからね?」
――そう告げたエリスは微笑を見せると、ゆっくりと唇を重ねた。
エリス様のお胸の大きさは抱き枕カバーを参考に。