10年後、目的を達成した騎空団は解散し、クラリスもまた故郷に帰った。グランのことは好きだったが、彼の理想の邪魔になるという考えと、彼の隣は自分では無理だという諦めから彼のもとを離れ、現在は親の勧めで結婚した男性と家庭を築いて、夫と子供二人とともにそれなりに充実した生活を送ってきた。
ある日錬金術に連なる者たちが出席するパーティーに呼ばれた夫妻は、しかし夫の急用によってクラリスのみが参加することとなった。一人パーティで言い寄ってくる男を指輪で躱していると、パトロンの一人として招待されていたグランと再会する。抜け出してバーで思い出や二人のその後の話に花が咲く。昔グランが好きだったと告白するクラリスに、グランもクラリスのことが気になっていたと返す。
星の島イスタルシアへの冒険の日々から10年がたった。騎空団は解散し、団員たちは各々の人生を歩んでいた、ある者は元いた国への貢献のために戻り、またあるものは心機一転新しい土地で暮らしを営んでいた。
「それじゃあ行ってくるね、あなた」
「ああ、キミに押し付けるようで申し訳ない」
「仕方ないわよ、実験が終わらないんじゃ。私に任せて気にしないでそっちに集中してて」
「……わかった、ありがとう。いってらっしゃいクラリス」
「はい、行ってきます」
かつて騎空団に所属していたこのクラリスという女性もグランから離れ、同様に自分の道を歩んでいた。かつての放埒な喋り方は息を潜め、今は母親に似た瀟洒な雰囲気を漂わせる女性になっていた。上品な朱いドレスを着て向かう先はアガスティアの一流ホテル、今日そこで錬金術協会主催のパーティーが開かれる。以前なら無視して居たところだが、今や彼女は名門の当主、サボるわけにはいかなかった。
「おや、クラリスさん、旦那様はいかがなされました?」
「あの人は実験が佳境でして、今夜は私だけでご勘弁ください」
「なに、彼も元祖の家名に追いつこうと必死なのだろう。期待していると伝えておいてくれ」
「ありがとうございます」
話しかけてきた爺さんに恭しく頭を下げる。面倒くさいがこれも仕事の内だ、錬金術師はパトロンが居ないと食べていけない。それに結婚してからは減ったがセクハラしてくるおっさんたちよりはだいぶマシだ。
(ちょっと疲れたな……ベランダで休もっと)
とはいえ年に数回開かれるこのパーティ、ほとんどが顔見知りで話す話題も出尽くした。まだ健康がどうとか言う歳でもなし、かといって年齢の近い相手などほぼ居ないし、居てもかつて騎空士だったころの根も葉もない噂で避けられる始末。仕方なくボーイからシャンパンを貰い、夜風に当たることとした。
(はぁ、今頃皆なにやってるんだろう)
今でもたまに思い出す。あの艇での冒険、共に死線をくぐり抜けた仲間、かつて恋人だった団長。
数多くのライバルに勝ち抜き、やっと手に入れた彼の隣。でも彼の理想は大きすぎて、自由な彼に自分は着いていくことを躊躇ってしまった。今でも時々思う、もしあの時彼についていったらどうなっていただろう? 彼と共に空を駆け、いつか結婚し、そして……
(ってダメダメ! 今はもう結婚してるのに、何考えてんのウチ!?)
そこまで考えて正気に戻る。もう家庭のある自分には到底許されぬ想像だった。頭を振って雑念を追い払う。
(はぁ、もしかして思ったより酔ってるのかな。あんなこと……)
「もしかして、クラリス?」
「はい、クラリスは私……」
振り返ると同時に時が止まる。風貌は変わった、あの頃あった幼さはなくなり立派な男性となっていた。しかしそのわずかに残る面影が、幾多の戦場を駆けていたオーラが、そしてなにより直感が一瞬で彼が誰かを教えてくれた。
「グラン……?」
「そう! 良かった覚えててくれて、久しぶり!」
「お久しぶり、ってかなんでグランがここに? いつ帰ってきたの?」
「ついこの間、やっとナルグランデのいざこざが落ち着いて帰ってきたと思ったらシェロさんに呼ばれてさ」
「そうなんだ、おかえりなさい」
「ははは、ただいま」
奇跡みたいなタイミングで現れたグランに、驚きながらも帰郷を祝うクラリス。なにせ10年ぶりの相手だ、二人の話はパーティーの間には当然終わらず二次会と称して行ったバーでも話は尽きない。あの頃の思い出、他の仲間の様子、そして現在の身の上まで、本当に話が尽きなかった。
「でも驚いたよ、まさかクラリスが結婚してるなんて」
「そりゃいつまでも独り身なわけ無いでしょ? お母様からの薦めであの人と結婚したの。いい人よ、優しいし、優秀で、壊すことしか出来ない私にはもったいないくらい」
「じゃあお見合い結婚だったんだ」
「そう、でも愛してるよあの人のことは。出会いがどんな形でもね」
「正直妬けちゃうな、羨ましいよ旦那さんが」
「っ、今更何言ってんのよ。からかわないでよ」
「からかってないよ。あの頃もキレイだったけど、それよりもっと美人になったし、雰囲気も大人っぽくなって女性の魅力が増した気がする」
「もういくら後悔しても遅いよー? 残念でしたー」
「ホント、あの時強引に引き止めておけばよかったよ」
ドキリとした。なんとか平静を保てたが、心臓は今までに無いほど早く脈打っている。先程バルコニーでしてしまった妄想が蘇ってくる。
「そんな事、思ってるんだ」
「そりゃね、時々考えちゃうもん。あの時引き止めて、クラリスと一緒に旅してたらどうなってたんだろうって」
「ふーん」
「って気持ち悪いよな、悪い忘れてくれ」
正直、嬉しかった。かつての想い人がそんなふうに今も思っていてくれることが。今の夫への気持ちに偽りなど無い。しかし、もう無理だと諦めていた場所に芽生えた芽が、小さな隙間を少しずつ広げていく。
「ねぇ、もしさ」
「ん?」
「もし、私もさっき再会した時同じ事考えてた、って言ったら、引く?」
「……そんな事無いよ、嬉しい」
沈黙が二人の間に降りる。絶妙な空気。人妻としてはこの空気は良くない、今すぐ壊して笑い話にするべきだ。旧友と会って、自分の部屋で寝た後家に帰り夫とお互いを労って日常に戻るべきだ。
でも、女としては?
かつて心を交わし、しかし惜しくも別れた男。まだ自分の事を名残惜しいと言ってくれる彼は月日と共により頼れる人間になった。少年から男に成長し、しかし今もまだあの頃のように空を駆ける彼。自分の理想が、時折思い浮かべてしまうあり得なかったはずの存在が、今横にいる。
「俺の部屋、行こっか」
その言葉を断るだけの理性は、もう残っていなかった。
「んっ♡ んんっ♡ はっ♡ んー♡」
部屋に入った途端、どちらともなく口付けを交わす。子供のキスじゃない、お互いの舌を絡め合い、口内を愛撫する濃厚なキス。
「んむっ!? はっ♡ じゅるっ♡」
いつの間にか肩紐が外され、ドレスが床に落ちる。そういえば夫が初めて買ってくれたドレスがこれだった気がする。しかしそんな事を気遣う余裕なんて今はない。彼のズボンの中に手を滑り込ませ、もうすでに固くなっているイチモツを鼓舞するように優しく擦り上げる。
「ぷはっ♡ もう、グランがっつきすぎ♡」
「クラリスこそ、こんなに濡らして、そんなに興奮してるんだ」
「だってグラン、あの頃みたいに抱き寄せてくるんだもん。グランだってちゃんと固くしてるじゃん」
席を立ってすぐ腰に手を回して来たグラン。恋人時代はよくやっていた、デートの終わり際やクエストの帰り際、帰りを惜しむ時、より濃厚な時間を求めた時、グランは決まってこちらの腰を抱き寄せてきた。グランはそういう時必ず手をこちらの腰の横ではなく、少し深く、鼠径部のあたりまで持ってくる。それを身体はまだ覚えていたようで、彼の手が腰に回された瞬間、下着がジワリと濡れるのがわかった。
「あの頃もホテルに付いた頃にはもう準備万端だったよね、もしかしてそういう事?」
「うん♡ だってグランの体温直で感じちゃって、わかるんだもん。あ、これからセックスするんだなって。いつもみたいに気持ちよくさせられるんだなって♡」
下着の上からグランの太い指が割れ目をなぞってくる。そのもどかしい僅かな刺激に耐えていると、今度は彼の興味は胸に移ったようだ。ブラを外して胸を楽しそうに揉みしだいてくる。
「クラリス、もしかしてあの頃より胸大きくなった?」
「少しだけ。よく気づいたね、ってそりゃそっか昔から胸弄るの好きだったもんね」
「クラリスだって好きだったでしょ? 乳首早くっておねだりしてたじゃん」
「あっあれはグランが凄い焦らしてくるから……今日はやめてよね?」
「そんな余裕ないから安心して」
「そう、よかっ、んん゛う゛ぅ♡♡♡♡!?」
いきなりぐりっ、と強めに乳首を抓られる。昔はそれが合図だった、そしてそれは今もそう。
「身体は覚えてるんだね、嬉しいな、急に感度良くなった」
「それっ、久しぶりっ♡ やっ♡ 乳首すごいっ♡ ひっ♡」
「クラリス、旦那さんに言ってないんだ。乳首強くした後めっちゃ気持ちいいって」
「そんなの、言えるわけ♡ あひゃあ♡♡♡!?」
「そりゃ言えないか。普段はパーティー中みたいにお淑やかに振る舞ってるんでしょ? そんなクラリスが乳首ちょっと弄っただけで感じまくる変態だなんて、言えるわけないよね」
「やだぁ♡ 乳首だけやだぁ♡ 早く♡ 早くおまんこにも頂戴ぃ♡♡♡」
「そっか、クラリス乳首でイク度におまんこ切なくなっちゃうんだったね、よっと」
ベッドに降ろされた瞬間、一瞬我に返る。ついにグランとしてしまうんだと、これまでの行為でも言い逃れは出来ないが、ここより先は本当に取り返しのつかないことになる。本当に良いのだろうか、家で頑張っている夫を裏切って、元カレと寝る。断じて良くはない、よくはないが、もう止められない。
「ってちょっと待って、ゴム付けて」
「そうだった、ごめん。昔は付けてなかったから、その流れで」
「今は避妊薬飲んでないからさ、ごめんね?」
「いや、頭の回らなかった俺が悪いよ、ありがとう」
危ないところだった、流石にこの一線は守らないといけない。昔とは違うのだ、気をつけなければ。
「でもさ、俺実はゴム付けてするの結構好きなんだよね」
「え、なんで? 気持ちよくないって聞くけど」
「そりゃ生でしたほうが直に感じられて気持ちいいけどさ、生命の営みとかを無視して快楽のためにセックスしますっていう感じがするから好きなんだよね」
「えーなにそれ、ちょっと変態みたい」
「でもそうだろ? 俺たち今からお互いに気持ちよくなるために朝までセックスするんだよ?」
「あ、朝まで……」
「ん? 途中で帰すと思った? 無理だよ、帰さない」
ゴクリとつばを飲む。彼の言葉はむしろ帰れないのほうが正しいだろう。付き合っていた時もグランとシてそのまま帰れたことなどない。休憩の時間で足りたこともないし、翌日の予定をキャンセルしたことすらあった。そのくらい毎回メチャクチャにされる、足が震えて腰が砕けて、ほんとうにぐちゃぐちゃになるほどのセックスをしていた。
「それにさ、クラリスもこんなになってるのに途中で帰すつもりなんて失礼でしょ?」
「やぁ、ウチすごい濡れて……」
「ホントだね。前戯、いる?」
首を振る。そんなものでお茶を濁すなんて許せない。自らの足を抱え、グランに自分の秘所を露わにする。きっと下品におまんこがぱくぱくとグランの肉棒を強請っているのだろう。しかしそんな恥ずかしさは一切ない。今は自分のおまんこにグランのおちんちんを入れてもらうことしか考えられなかった。
「グランの太くて熱いちんちん、ウチのイヤらしいオマンコにください♡」
「っ、どこで覚えたんだよ、そんな下品なおねだり!」
「ああっ♡ 来た♡ グランのおちんちん来たぁ♡」
もう最後に受け入れたのは随分昔。でもあの頃と変わらない、大きくて硬い、おんな泣かせのちんぽ。カリ高で、ちょっと反ってて、弱点を容赦なく責めてくる。
「どう? 旦那さんと比べて?」
「やぁ♡ 言わせないでぇ♡」
「どうなの? 言わないとこれするよ?」
入り口を責める浅いストロークで焦らしてくる。発情した身体にこれをされると途端に余裕がなくなってしまう。カリがGスポットを刺激する度に猛烈な快感に襲われるのに絶妙にイけなくて、もどかしさが湯水の如く溜まっていく。
「やぁ♡ 焦らさないって言ったのにぃ♡ 意地悪しないでよぉ♡」
「ほら、どうなの?」
「グランのほうが良い! おっきくて太くて気持ちいいのぉ♡ カリでGスポットごりごりってされるし、奥までちゃんと突いてくれるこのおちんぽのほうが気持ちいいのぉ♡♡♡♡」
「なに、旦那さんこれ出来ないんだ。もったいないなぁ、クラリスはここが一番好きなのにね」
「あっ♡ だめっ♡ 奥ぐりぐりだめぇ♡♡♡ 変な声出ちゃうぅ♡♡♡」
「出せよ、昔みたいに動物みたいな下品な声だしてイけっ!」
「いやぁ♡ んっ♡ ん゛ん゛っ♡ んおっ♡ お゛お゛っ♡ あ゛あ゛あ゛あ゛ぅぅぅ♡♡♡♡」
自分の声だと信じたくないほど野太く下品な声が部屋に響く。夫は決してしてくれない、することの出来ない責め。女の奥の奥、雌の本能を刺激し、女としての幸福を知ることが出来る、最大の弱点への容赦のない肉棒での責め。
「やめっ♡ おかしくなるっ♡ イキすぎてウチおかしくなっちゃうよぉ♡」
「良いじゃん、今までイけ無かった分気持ちよくなっちゃえよ。俺も気持ちよくなるからさ」
「ひぃ♡ お゛っ♡ パンパンってぇ♡ 凄いぃ♡」
「これも好きでしょ?」
「うん♡ これ好き♡ 膣内ゴリゴリッってされて、全部気持ちいいの好きぃ♡」
常人にはありえない長さのストロークで、グランの太い肉棒が膣内を蹂躙する。激しく重いピストンでベッドのスプリングが軋むたび一瞬の意識の空白とともにイキ声を発してしまう。人外かと思うほど長い彼の肉棒を身体の奥、子宮が潰れそうなほど押し込まれるのと少し腰を振れば抜けそうになるほど引き抜かれるを繰り返す。押し込まれると苦しさと快感で半狂乱になり、引き抜かれると寂しさともどかしさ、もしかして本当に抜けてしまうのではないかという焦燥感に狂いそうになる。それがいつまでも続く。
「ぎっ♡ う゛っ♡ ぁあ゛っ♡ おっ♡」
「おー、蕩けてきた。あの頃と変わらないね」
いつまでも、というのは決して大げさではない。グランの並外れた体力と耐久力で鍛えた人間でも5分保たないであろうこの激しいピストンを彼はずっと続けるのだ。昔からそうで、真剣に自分が気持ちよくないんじゃないかと悩んだこともあったくらいだ。
「っても久しぶりのクラリス気持ちよすぎてもう限界だ、出すよ」
「ウチも、ウチもイクから!! 一緒にぃ♡♡♡!!!」
バチンッ! と力強く腰を叩きつけ、先端が子宮口に押し付けられると同時に、グランの欲望が解き放たれる。びゅーびゅーと薄皮越しにも分かる力強い射精。ゴムを付けているのにまるでこちらを孕ませるかのようだった。同じくイッた私の身体はそんな刺激でも敏感に快感を感じ取り、それだけでまた小さくイッてしまう。お互いが止まり、余韻を楽しむ、私達のセックスで数少ない静かな時間。硬さを失って抜けてしまう彼の肉棒からゴムを外してあげると信じられないほど重く、まるで風船のように膨らんでいた。付けておいてよかったという安堵と、ちゃんと歳を重ねた自分でも気持ちよくなってくれたのだという嬉しさを感じる。
「やっぱクラリス最高だ、全然保たなかった」
この保たなかったというのはグラン基準である。
「ありがと、グランも気持ちよかったよ。久しぶりに何度もイかされちゃった」
「そりゃ良かった、この後も何度も気持ちよくしてあげるからね」
「え?」
「え? じゃないよ、言っただろ? 朝まで帰さないって」
さっきあれだけ出したのにもう臨戦状態の肉棒にさっそく2つ目のコンドームが装着される。拒否しようにも当初の想定通りさんざんイかされた身体が動くわけもなく、なんの抵抗もなく先端を入り口にあてがわれてしまう。
「ねぇ待って、ウチもう明日の朝のチケット取ってるんだよ? 名残惜しいの分かるけど」
「俺の艇に乗っていけばいい、大丈夫だよパトロンが見つかったってことにすればさ」
「そういう問題じゃ、んんんんん♡♡♡♡♡」
思考とは裏腹に身体は再びの行為を喜び、挿入ってきた肉棒に歓喜する。
「グラン、抜いて、っ♡」
「昔と比べて強情になったね。でもさ、身体は変わらないよ」
「うううううぅぅぅぅぅ♡♡♡♡」
「こんな浅い所クチュクチュしただけでさ、クラリスのおまんこ凄い喜んでるの分かるよ。ぎゅーって締め付けてくる」
高く張ったカリでGスポットをこりこりと掻かれる。一度擦られる度に理性がゴリゴリと削られていく。
「だめっ♡ 帰らなきゃ、あの人がぁ♡」
「ほんと強情だなぁ、オラッ!」
「♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡!!!!!!!!!」
反則だ、奥は駄目だ。たった一回、奥を突かれただけで思考が一瞬でピンク色に染まる。今夜だけにしなければ、明日に残らないように、なんていう甘っちょろい考えはことごとく無に帰し、そのための理性は音を立てて崩れ落ちる。先程までの興奮が再び精神と身体を支配し、無意識に足がグランの腰を絡め取る。万が一にも逃げないように、朝まで雌を享受させてもらえるように。
「この、鬼畜♡」
ニヤリとグランが笑い、彼の腰が動き出す。すると再び部屋は性欲と快感に満ちた声で埋まっていった。
「グランのアホ! バカ! クズ!」
「だから悪かったって、ね? 艇出すからさ」
「当たり前でしょ誰のせいでこのチケット使い物にならなくなったと思ってんの!? ホント信じらんない性欲でしかモノ考えられないの!?」
「おっしゃるとおりだけどあの時はクラリスも」
「あ?」
「ナンデモナイデス……」
かつてないほど、というか今までで一度たりとも想像できないほど激怒するクラリスにパトロンとなったはずのグランですらタジタジである。
「あー! もしかしてクラリスですか!?」
「ルリアー! 久しぶり! 元気だった?」
そして一瞬での身代わり、何度見ても女性とは恐ろしいものだ、星晶獣より恐ろしいのではないかと思う。
「へー、グランがクラリスさんのパトロンになるんですねー」
「そ、実際にはウチと旦那のだけどね。だからこれからちょくちょくグランや皆にはお世話になると思うから、またよろしくね」
「はい! 昔みたいで楽しみですねー!」
「グランも、”よろしく”ね?」
一瞬、ほんの一瞬だけ見せた別の顔。皆にも、旦那にも見せたことのないおそらくグランだけが知っている顔。これからもよろしく、それはつまりそういうことだろう。
「ああ、よろしくな」
グランに下品な笑みが混ざるのも仕方のないことだ。これからまた、昔のような肉欲に溺れる日々が始まるのだから。
数多くの作品の中から読んでいただきありがとうございます。
人妻が再会した元カレと浮気して性欲に溺れる展開の話がメチャクチャ好きだけど思ったより少ないので書きました。クラリスなのは単純にそういうのが似合いそうだなと思ったからです。
グランは例に漏れずめっちゃモテます。今も昔もモテモテです。クラリスと別れてからはセフレいっぱい、一人の夜なんてほぼない状態です。底なしの体力と精力、あと自慢のイチモツでどんな女もイチコロです。でも彼女は作らないのでけっこう引きずってるのかも知れませんね。
クラリスは両親に薦められた相手とお見合い結婚して幸せな家庭を築いています。不自由ない生活を送っていますが唯一性生活だけはすこし物足りない模様。とはいえ旦那が悪いわけではなく元カレのグランが規格外だっただけです。グランと付き合えていただけあって性欲はめちゃくちゃ強いです。旦那さんの研究が長引いているのも夜に強制切り上げイベントが発生するからです。