「では、報告と今後の方針はこのように。資料はそれぞれこちらのファイルに入れてきますので、ご確認よろしくお願いいたします」
「わかりました、今後も頑張って」
「ありがとうございます、こちらも成果を出せるよう励みますので今後もご支援よろしくおねがいします」
高級ホテルのレストラン、落ち着いた雰囲気の中で商談をしてるのはグランとクラリスだ。二人とも真剣な表情で資料を見ていたが、話し合いが終わり資料をカバンに仕舞うとともにお互いが破顔する。
「はぁー疲れたー」
「じゃああの硬い喋り方やめればいいのに」
「そういうわけにはいかないよ、一応お仕事だもん。あれだけで凄い額のお金が動いてるんだからね」
グランはコーヒーを、クラリスはオレンジジュースを飲みながら談笑を始める。先程までの硬い空気はどこへやら、まるで昔の二人のようだ。
「この後どうする?」
「どうしよっか、この島いろいろあるもんねー。どっか行きたいとこある?」
「いや特には」
商談のためのレストランを出て行く宛もないので、ぶらぶらと街を歩く。ブランドショップを見てみたり、見晴らしのいいカフェで一息ついてみたり。
「こうやってグランと歩くのも、久しぶりだね」
「そうだなぁ、あの頃も最後の方はデートなんて行けなかったからな」
「忙しくてそんな暇あんまなかったもんね」
次々現れる敵や事件に追われる中、思えば旅の終盤は恋人らしいことは何も出来ていなかったように思う。
そしてそれは今もそうだ、研究熱心で真面目な夫とデートなんて最後にしたのは何時だろうか? それもたしか研究道具の買い出しついでにちょっと服を見たぐらいな気がする。その時はこんな華やかな町並みはなかったなぁと周りを見渡すと、丁度小道の先に気になる看板を見つけた。レストランを出てからずっと探していて、ようやく見つけたそれにグランを誘う。
「あ、グランちょっといい?」
「ん? 行きたいとこ見つかった?」
「あそこ」
「えっ? あー、クラリス? まだ昼だよ?」
「良いじゃん、もう開いてるってことは時間関係ないでしょ?」
「せっかくこの島来たんだしさ、もうちょっとお店回ってみたり」
「グランは、嫌だった? ウチは今すぐ入りたい」
「……行こっか」
「ありがとっ♪」
細い路地の先、華やかな表通りと対象的な薄暗い先にある歓楽街へと歩を進める。流石に昼間だけあってあまり人は居ないが、それでもグランたちが目立つことはない。皆パートナーへの愛情で表面を覆い、身中で渦巻き今にも溢れそうな情欲をひた隠ししている。それはクラリス達も例外ではなく、グランの腰に廻った手はクラリスを確かめるよにスリスリと腰を撫で、クラリスはグランの身体に自分を押し付けてグランの情欲を誘う。表では顰蹙を買うような行為も、ここでは自然な行いだ。二人の立場などこのエリアに入った時点でもう気にする意味はない。
「クラリス、くっつき過ぎ」
「グランだって、手やらしすぎ。ずっとウチのお腹とかおしりとかすりすりしてきて、変態みたい」
「ずっと我慢してたから」
「ふふっ、ウチも」
まだ時間的に静かだった飲み屋街を抜け、街の本命である宿街が見えてくる。常に雨戸が閉められている飾り窓と誘蛾灯のようにきらめく客寄せの看板だけでどのような目的の宿屋なのかを安易に示してくれる。
「案外人いるね」
「そうだね、デートスポットが近いってのもあるのかな」
「クラリスどこがいい?」
「どこでもいい、早く入ってシたい」
「えーそう言われると悩むなぁ、どこにしよっかなー」
「ふんっ!」
「いって!? わかった、じゃああそこにしよっか」
「うん♡」
踏まれた足を庇いながら、掛けられた料金表を横目に建物へ二人は入っていく。受付を済ませ、部屋に入って早速押し倒してこようとするクラリスをグランはなぜか制止する。
「まって」
「えー、グランここまで来てまだ焦らすのー!?」
「流石にシャワーは浴びよう? 今日結構暑かったからさ」
「ウチそんなの気にしないよ?」
「俺が気にするの、こんなベタベタの状態でクラリスとシたくない」
「ちぇー、早くしてよねー」
ぶーたれるクラリスを置いて、グランは一人シャワールームへ向かう。
(ふー、生き返るー)
熱いシャワーは何時浴びても気持ちいいものだ。これからまた汗だくの状態になるとは言え、シャワーがあるなら浴びておくに越したことはない。そこまで切羽詰まった状況でもないのだから。
(それにしてもクラリス、なんというか、随分エロくなったなぁ)
昔はどちらかと言うとホテルに誘うのも押し倒そうとするのもグランで、クラリスがそれを受けてくれるという方が多かった。しかし今回はめっきり逆だ。
(女性はあのくらいの年齢が一番性欲強いって言うし、クラリスもそうなのかなぁ)
「おじゃましまーす」
「うおっ!? ク、クラリス!?」
「お背中流しますよー、座ってー」
「お、おう。ありがとう……?」
言われるがまま座ると、背中に柔らかい物が押し当てられる。
「どう? 気持ちいい?」
「そりゃ気持ちいいけど、どうしたの?」
「どうしたのって?」
「いきなりシャワー乱入してきて、寂しかった?」
「本気で言ってる?」
「?」
「んなわけ無いじゃん、コレだよコレ」
焦れったそうな、面倒くさそうな表情をしたクラリスの手が前に伸び、グランのまだ半勃ちの肉棒を掴む。
「うわ、ウチがこんなことシてあげてるのにまだ固くないじゃん。許せない」
「いや溜まりすぎでしょ、どんだけよ」
「そんな事いいからさ、早くシよ」
「ベッドでね、すぐ出るから」
「いい加減怒っていい?」
「クラリスすぐ動けなくなるからベッド以外だと30分くらいで中断しなきゃだけど、クラリスはそれでいいの?」
「早く出てきてねー」
「……すごいなホントに」
流石にこれ以上機嫌を損ねると不味いので、さっさとシャワーを終えて出る。ベッドに全裸で腰掛けていたクラリスの顔がぱっと明るくなってこちらに駆け寄ってきた。
「もういい? もうシていい?」
「犬みたいだな。良いよ、シよ」
「やった!」
瞬時にお互いの唇が密着する。薄布一つ挟まない裸での濃厚なキス。普段挨拶で夫にするものとは違う濃厚なキスが、背徳感という劇薬を両者に与え興奮を加速する。
「っぷは。グラン、キスだけでこんな大きくしちゃってる、えへへ」
「キスする前からドロドロだったクラリスに言われたくない」
「あ、バレてたの? ちょっとまっててねー」
一旦離れると、クラリスがゴソゴソと自らのカバンを漁りだす。
「へへへ、グラン、これなーんだ」
「ゴムだな」
「そ、持ってきた。着けるね」
「口で着けてくれるんだ、えっろ」
グランの長大な肉棒にクラリスは器用にコンドームを口で被せていく。
「んー♡ はいおまたせ、ベッド行こー」
「上手いね、何時もやってる?」
「んなわけ無いじゃん、あの人とはゴムなんて使いませんー」
「そっか、じゃあそんなゴムで避妊してまで欲しいんだ」
「当然♡」
ベッドの上に寝転がり、足を腕で抱いて大きく広げるクラリス。グランに自分の秘所を大きく晒すその下品なポーズでグランのガチガチに勃起した肉棒を誘う。
「こんな下品な格好しておまんこぱくぱくさせてさぁ、恥ずかしくないの?」
「やぁ♡ 今は、グランしか居ないからぁ♡ んっ♡ あっ♡ 挿入ってきたぁ♡」
先端をあてがった肉棒が、ズルズルと前戯の必要もないほど濡れたクラリスの膣内に挿入っていく。肉棒が埋もれる度ビクビクと身体を震わせながら、彼を奥へ奥へと誘う。
「クラリス濡れすぎ、奥まですぐ来ちゃった」
「だって、我慢してたんだもん」
「路地入ったときから? 抱かれたくらいで濡らしちゃうんだ」
「ううん、もっと前。グランと会ったときから、またあの気持ちいいセックス出来るんだ、って思ったらもう溢れてきちゃって……♡」
「そんな前から? あんな真面目な話しながら濡らしてたんだ?」
「うう、だってぇ……奥思っきり虐めてもらえると思ったら我慢できなくて」
「これ?」
グランが腰をぐりぐりと押し付けると、途端にクラリスの身体が快感にのたうち嬌声が上がる。
「これ、これぇ! 奥、ポルチオぐりぐり好きぃ♡ ああああぁぁぁぁ♡♡♡」
「クラリス、昔からほんとコレ好きだよなぁ」
ごりごりと、容赦の無い責めがクラリスのポルチオを断続的に襲う。首が攣りそうなほどのけぞり、シーツに幾重にもシワが寄り、無限に垂れる愛液でシーツのシミが広がっていく。まだ挿入しただけなのに、ベッドに二人が来てから10分も経っていないのに、数え切れないほどの絶頂がクラリスを襲っていた。
しかしグランもいつまでもクラリスの肉バイブになっている訳でない。一度彼が腰を動かせば、先程の連続したとろけるような快感とは違う、脳の神経を焼き切らんばかりの衝撃を伴った弾丸のような快感がクラリスに襲ってくる。ゴリゴリと膣内を削られる快感は何度経験してもなれることはなく、繰り返す挿入と快感で子宮口が開き身体が子作りの準備を整える。
「ぐらんっ♡ やっぱすごっ♡ はげしぃ♡」
「嫌?」
「ううん、すきぃ♡ グランの雄セックスすきぃ♡」
力強いピストンの度にクラリスの腰がマットレスに沈み込み、ベッドがギシギシと悲鳴を上げる。苦痛を伴いそうなほどのセックスだが、クラリスの顔は光悦で染まっていた。だらしなく涎を口の端から流し、整っていたオレンジの髪はボサボサで、時折快感に気を飛ばされそうになると歯を食いしばって耐える姿など彼の夫は見たこともないだろう。グランが射精して、クラリスが何度目かの絶頂に達し、それでも終わらない。一度で終わるはずもないし両者ともそれを望んでいなかった。
「なぁ、クラリス今日何時にもましてエロかったけどどうしたの?」
「ん? っ♡ なんでも、はぁ♡ ないよ?」
何時間か後、ようやくお互い落ち着いたのかようやくペースが落ち着いてくる。クラリスがグランに跨り、いわゆる騎乗位の体勢でゆっくりとお互い惰性的に快感を貪っている。
「嘘だあ、欲求不満すごかったよ」
「うーん、まぁ欲求不満て言えばそうだけど……」
「? 旦那とシてないとか?」
「ううん、あの人とは週5でしてるよ」
「週5って、旦那さんすごいな」
「グランだってそれくらいするでしょ?」
「するけどさ、普通は多くて週3とかだよ」
「え、マジ?」
「マジ」
ウチ、そんなエッチだったんだ……というクラリスの今更すぎる自覚を聞き流し、グランは更に問う。
「じゃあなんでだ? 媚薬みたいなの飲んだ?」
「飲んでるわけ無いじゃん!」
「だよなぁ」
「ただ、その……」
「ただ?」
「さっきも言ったけど、あの人のグランよりちっちゃくて、その……」
「奥まで届かない? だから物足りないと?」
こくん、と恥ずかしそうに頷くクラリス。今更何を恥じらう必要があるのだろうと疑問に想いつつ、その罪深いまでの淫乱さに頭を抱えたくなる。こうしている間にもクラリスは日頃の鬱憤を晴らすように自分のポルチオを自ら腰をグラインドさせながらグランの先端でこりこりと刺激し続けている。
「ほんと淫乱な身体してるよなクラリス」
「淫乱にしたのはグランでしょ」
「そろそろ時間だけど、どうする?」
「ちょっとまって、最後に一回だけ、っ♡♡!」
クラリスが大きく身体を揺らし、ポルチオを容赦なくゴリゴリと押し付ける。グランの硬い肉棒はそんな圧をもろともせず、しっかりとクラリスの弱点を刺激し続ける。
「あ、あ、あ、あ♡♡♡♡ これすご♡ んんっ♡ ん、っ~~~~~~♡♡♡♡♡♡!!!!」
最後にはベッドがズレそうなほど激しい動きとともに大きくのけぞり、そのままグランの上に倒れていく。絶頂の余韻を楽しみつつ、この時間が終わるのを惜しむように唇をそっと近づけた。
「なんか、ザ不倫って感じのデートだったね今日」
「実際不倫だからな」
一仕事終えてすっきり顔のクラリスは上機嫌で路地を出る。あんなに高かった日がもう沈みかけ、街は夜の顔をし始めていた。
「ちょっとお酒呑んでから帰らない? そのほうが気分も乗るし」
「うわー、グランの帰ってもスるき満々じゃん♡」
「さっきクラリスは何回も気持ちよくなってたけど俺二回しかイケてないからな」
「え、そんなだったっけ? ごめん」
「良いよ、昔もこういう事結構あったし」
目についたバーで適当なカクテルを楽しむ。これだけは昔と違う、あの頃にはなかった習慣だ。あの日、再会したあの日からの習慣。その前に何をしていようと、バーでカクテルを頼み、全てをリセットする。その後を全力で楽しむために。
「クラリス、ファジーネーブル好きなの?」
「うん、なんで?」
「よくそれ頼んでるなーって」
「ウチみかんとかオレンジ好きだから、コレも好き」
酔って上気したクラリスの頬が、妙に色っぽく見える。酔ってるからか、さっきまでの肉食系だった時からのギャップか。
「ふぅ、そろそろ行こっか」
「あ、ああ、うん」
その横顔はまさしく美女のそれで、グランが見惚れてしまうのも仕方のないことだった。店を出ると夜の涼しい風がアルコールで熱くなった頬を撫でる。
「はーお酒久しぶりに飲むとおいしーねー」
「普段はあんま飲まないの?」
「あの人はそんなにお酒好きじゃないの、それに外に出ることもあまりないし。ああいうの飲むのはほんとにグランと来るときくらいかな」
夜灯に照らされ、ふわふわと歩く彼女はただ美しく。この女性を手放し他の男の元に渡してしまったのが今更ながら惜しく感じ、しかし今、自分の目の前に居ることに若干の幸福感を感じる。そしてこの美女が先程まで自分によって、面影もないほど乱れていた様を思い出すと、この上なく興奮した。
「クラリス、早く帰ろう」
「なんでー? もうちょっと楽しもうよ」
先ほどと立場が逆転しているのにも気付かず、二人はふらふらと公園を歩く。
「もしかして、我慢できなくなっちゃった?」
「クラリスが魅力的過ぎてさ、正直今すぐ犯したい」
「やーん、ケダモノー♪」
酔っているせいか何時もより大げさなリアクションでグランをからかうクラリス。
「いいよ、帰ろっか。部屋」
その溌剌な笑顔から一転、妖艶な男を誘う笑みへと変わる。
二人が宿泊するホテルの一室、ベッドの上に倒れ込んだ二人はひたすらに口付けを交わす。深い、お互いの唾液を交換し、舌を絡め合うキス。
「んはっ♡ シャワーは良いの?」
「そんな余裕ない」
「えーウチ浴びたいなー」
「ごめん、我慢して」
「んふふ、冗談だよ。でもこうやって焦らされる気持ち、ちょっとは理解できた?」
「もうしないよ、ごめん」
「いーよ、今ウチもめっちゃシたいし」
ズボンを下げるとグランの既に固くなった肉棒がバネ仕掛けのように飛び出してくる。
「うわー、カチカチじゃん♡ 準備万端だね♡」
「クラリス、手で撫でるの気持ちいいからやめて……えっとゴムどこだ……?」
ゴムを付け終わると、そのままクラリスのスカートをはだけさせショーツだけを脱がせ、先端を割れ目に押し当てる。
「ごめん、クラリス、その、前戯とかする余裕今無くて」
「ふふっ、そんな余裕ないグラン見たの久しぶりかも」
こぼれた笑顔は、上気した頬によってこの上なく妖艶なものとなっていた。足を手で抱え、グランが入れやすいように割れ目をグランに差し出す姿勢、昼間と同じ姿勢をクラリスが取る。
「いいよ、挿入れて。ウチで気持ちよくなってね、グラン」
「っ!」
「っあぁ♡♡♡♡ さいしょからっ、はげしっ♡♡♡」
最初からトップスピードの、手加減のないピストンがクラリスを襲う。相手を気持ちよくしようという配慮など無い、自分が気持ちよく射精するためだけの、相手の膣で気持ちよくなるためのピストン。
「ごめんクラリス、気使ってる余裕ない」
「いい、のぉ♡! ウチ、これ一番好きだから、っ♡ ウチで気持ちよくなって、射精してぇ♡」
グランの女泣かせの肉棒は、こんな粗暴なセックスですら女性を光悦に至らせるに足る快感をもたらす。高く張ったカリが膣内を余すこと無く蹂躙し、その長さで普通の男性では届くことすらかなわない雌の最奥に食い込む程に責め立てる。
「グラン、昔みたいに、いっぱいウチ使って、ぱんぱんってして、ウチといっぱい気持ちよくなろ? ね?」
二人が付き合い始めて頃は本当に酷かった。暇さえあればお互いが覚えたての快感を求めて所構わず盛りだす。猿の番でももうすこし品性があるというものだ。普段プライベートには口を出さないカタリナが説教するほどだった。
「あ、グラン射精そう? いいよ、そのまま射精して♡ ウチのことなんて気にしないで、好きなように射精して♡」
天使のささやき、今のグランに抗えるはずもないし、するつもりもない。腰を限界まで押し付けて、性を発散する。
「あは♡ ゴム越しでも射精してるの分かるよ♡」
「クラリス、なんかいつもより余裕あるな」
「昼間散々発散させてくれたからね、多少は」
「そっか、でもまだ続くよ」
「どんとこい♪」
使用済みのゴムを投げ捨て、即座に新しいものを着ける。どっしりと膨らんだゴムがその射精量を物語っているが、グランのソレは萎える気配など一切ない。
「今度はちゃんと帰らせてよね」
「ごめん、約束できない」
「えー、なにそれー」
と言いつつ、嬉しそうな笑みをこぼすクラリス。予定通りに帰れないなんてことはクラリスも想定内だ。むしろ嬉しかった。今や富も名声も得て、女になど困ること無いグランが、もう30に差し掛かろうとしている、しかも人妻となった自分に夢中になっているという事実にどうしようもなく興奮を覚えていた。その気になればどんな女も落とせる彼が、他の誰でもない自分で気持ちよくなってくれているという事実に、言いようのない優越感を抱いていた。
「じゃあさ、今日はとことんしてよ。昔みたいさ、どろどろになって、立ち上がれなくなるまで」
「……文句言うなよ?」
「久々にしてみたくなったんだ。そういう、後先考えないセックス」
これでもう止まらない。ブレーキはなにもない。夜も昼も関係ない、時間なんて気にせず、失った時間を取り戻すように性欲を満たし快感に喘ぐ。いつまでもいつまでも、二人の情事は終わらなかった。
チェックアウトの時間などとうに過ぎた頃、ベッドには息絶え絶えのクラリスとまだ余裕そうに縁に腰掛けるグランの姿があった。
「良かったよこの部屋が今日も空いてて」
「ヒュー……ヒュー……んくっ♡ ぐら、ん まだ……?」
「もちろんまだするよ? 俺全然余裕だもん」
クラリスが化け物を見るような目で見る。本当にグランは一晩中ずっと動きを止めなかった。クラリスが何度絶頂しようと、彼が何度射精しようとお構いなく続けた。寝ることなど当然出来ず、気絶することすら許されれず、他の女が生涯で経験することが出来ないような快感を常に受け続けていた。クラリスの買ったゴムも今やすっからかんで、そこら中に散らばっている。
「5箱も、使ってまだ……余裕なの……?」
「安心して、いっぱい買ってきたから」
そう言ってグランが持っていた袋をひっくり返すと、中からは軽食とスポーツドリンク、そして両手で数え切れないほどのコンドームの箱がわらわらと出てくる。
サッと血の気が引くが逃げることも出来ない。伸びてきたグランの手に、未だ素直に反応する身体が放置され冷えた身体をまた熱くする。
(2日も帰りが遅れた言い訳、考えておかなきゃな)
そんなことを考えながら、クラリスの意識は再び快感の濁流に呑まれていった。
どんなゲームでも人妻とか未亡人キャラもっと増えて欲しい。
増えなくてもこうやって想像して書くのですが。