綾小路清隆の非日常 作:Dirac
入学して数日が経過した。
皆さん社交性がよろしいようで、既にいくつかのグループが形成されています。
え? 私ですか? もちろんぼっちでございますとも。
「哀れね」
その証拠に今もこうして隣人の黒髪ロングちゃんに煽られている始末です。
あっ、少しテントを張ってしまいました。私は特殊性癖持ちではないのでやめてもらってもいいですか?
「自分の心配をしたらどうですか?」
「私は一人が好きだもの」
「独りしか知らないでしょう」
「言ってくれるわね。私はあなたと違って友達欲しさに挙動不審になったりしないの」
「どれだけ金を稼ごうと、孤独死する人間は負け組だと思いませんか?」
「随分と話が大きくなったわね」
そんなに大げさな話でしょうか?
「生き方は選べますが、選ばなくても幸せになれる。それこそ彼らは野生の勘で手繰り寄せるに違いありません」
「過大評価も甚だしい……」
「哲学は人に寄り添わなければなりません」
「耄碌してるわね。お可哀そうに」
まったく酷い言われようです。
しかし私には彼女以外に話し相手がいない。……ええ、悲しいことに。
「二人とも仲がいいんだね! 昔からの知り合いだったり?」
……おうふ。
プリティーガールは今日もバインバインです。私は今日もバッキバキです。
「……」
「……ねえ」
「……」
「……ちょっと聞いてる?」
「念願のおともだちじゃない。反応してあげたらどうかしら?」
「私が話しかけられていたとは思いませんでした。用があるのはあなたに対してなのでは?」
「息ぴったりだね?!」
「だそうですよ?」
「心外ね」
やめて! 私のライフはもうゼロよ!
「それで、一体何の用ですか?」
「用がないと話しかけちゃダメ、かな……?」
「駄目です」
(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)
「今なにか醜悪な音が聞こえたような気がするのだけど……」
「ハハハ、まさかまさか。冗談ですよ、気軽に話しかけてください」
「あ、ありがとう! これ私の連絡先! これからよろしくね!」
「ええ」
「それじゃっ!!」
スプリンター顔負けの速度でプリティーガールは走り去っていった。
「なんだったのかしら?」
「……さあ?」
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「あのクソ陰キャ、絶対許さない!!」
(ガン! ガァン!!)
「ブラコン喪女もお高く止まりやがって! 糞! クソがぁ!!」
(ガキィッ! ゴッ! ブリュッ!! ガシャァ!!)
「ハァ、ハァ……」