異世界帰りのハイスペック勇者様は、一緒に連れ帰ってきた最愛の狐耳少女(パートナー)と平凡で穏やかなイチャコライフを送りたい! ~微コミュ障でオタクな最強タッグのあまあMAXな共依存物語~ 作:室谷 竜司
正直、高をくくっていた。リョウがくれる刺激を身体で覚えてしまっていたとしても、なんだかんだ自分でも今まで通りそれなりの刺激なら与えられるはずだって思っていた。だって、リョウ曰くわたしは敏感エロ狐らしいし。
けど、それは大きな間違いだった。わたしの身体は完全にリョウを覚え込み、そしてリョウに依存してしまっていた。
「そ、そんなぁ……。こんなの……生殺しだよぉ……♡」
呼吸は荒く顔も熱い。それに、今もなおわたしの膣口からはねばねばした愛液が止めどなく溢れ出している。
でも、今わたしは気持ち良くなる手段を持っていない……。なんせ、自分ではどうにもできないのだから……。
そんな悶々とした気持ちを抱えながら、悪足掻きでもするかのように無我夢中で乳首にしゃぶりつきおまんこと尻尾の毛先を擦り合わせ何とか大きな快感を呼び起こそうとしていると、周囲が見えなくなってしまっていたのか股を開くために横に伸ばした片脚が隣で眠るリョウの脚に触れてしまった。
わたしはそれによりほんの少しだけ冷静になる。未だ興奮は抑えられないし乳首を舐める舌やおまんこに尻尾を擦り合わせる手の動きも止められないけど、回りの状況に意識を向けることができるくらいには落ち着きを取り戻した。……興奮してる時点で落ち着けてない……? うるさいよ……。
わたしは自分の乳首をしゃぶりながらではあるが視線をリョウの方へと向ける。いつもの男らしくてカッコ良いものとは違う、眠る時にしか見せないちょっと子供っぽい可愛らしい表情……。少し視線を下に下げれば、向こうの世界で幾度となくわたしのことを守ってくれた頼もしい腕がわたしの瞳に映る。
胴体はきゅっと引き締まっていて世間一般的に見れば細い部類に入るのだろうが、小柄なわたしから見れば充分大きくて逞しい。いつもわたしを抱き留めてくれる硬いリョウの胸は、昔からわたしのお気に入りの場所。
そんなリョウの姿を瞳に捉えた瞬間、わたしの胸はトクンと高鳴る。それと同時に、これまで微弱だった感部への刺激が少し大きくなった。びりびりとした甘い電流が全身を流れる感覚に、わたしは長く嬌声混じりの熱い息を吐いた。
「んんん……♡ んふぅぅぅぅ……♡ んぁふぅぅぅぅ……♡」
けど、やっぱりまだ足りない……。わたしの最愛の人を見ているだけでも刺激は強くなったけど、すぐに絶頂に至るにはまだまだ弱すぎる。実際に本人に触れてもらわない限り、このもどかしい快感が嫌でも続いてしまう。
「リョウ……♡ リョウぅ……♡ んふうぅぅぅ……♡」
リョウの名前を呟いてもダメ……。やっぱり、直接的にリョウを感じられないと、この微弱な快楽からは抜け出せない……。
「あ……」
ふと、視線をさらに下に下げると、わたしの視界にリョウの緩く広げられた手が飛び込んでくる。わたしのものより一回りも二回りも大きなリョウの手……。勇者として戦いを重ねるごとに硬くごつごつした感触に変わっていってしまったが、それでも変わらずわたしに温もりをくれた優しくて温かな手……。
幾度もわたしの頭を撫でてくれた大好きなリョウの手が、手を伸ばせば届く距離にあった。まるで、今のわたしのために差し出されているかのように。
恐らく、リョウの手であればわたしはすぐにでもイクことができると思う。手っ取り早く気持ち良くなりたいのなら、寝ているリョウの手を文字通り借りる外ないだろう。
しかし、辛うじて残るわたしの理性が待ったをかける。果たして、手だけとはいえ寝ているリョウの身体を利用するような行為は許されるのだろうか? それはあまりにも自分勝手なリョウに対する依存心……なのではないだろうか?
自分のために恋人を利用する……。これほどまでの最低な行為、許されるはずがない。わたしは今、そんな最低な行為をしようと考えてしまっている。全ては自分の快楽のために……。
でも……、もうほとんど残っていない理性では、わたしの中で暴れ狂う本能を止めることなどできなかった。気づけばわたしはリョウの緩んだ手に自分の手を伸ばし、それを掴んだまま自分の下腹部に運んでいた。
「わたし……、ホントに最低だよ……」
などと小さく自分に罵倒を浴びせながらも、わたしの手の動きが止まることはない。リョウの人差し指を優しく握りしめ、そのまま愛液で濡れたわたしのおまんこの割れ目にぎゅっと押し当てる。
「んあああっ……♡ あああああぅぅんんんっ……♡♡」
その瞬間、一際大きな電流がわたしの全身を駆け抜けた。あまりの強い刺激に、思わず声を抑えることもできなかった。そんな自分の嬌声を聞いて、一瞬我に返ったわたしは頭の中で魔法を練り上げる。さっきリョウが使っていたものと全く同じ魔法を。無論、手を止めるという選択肢は今のわたしにはなかった。
「ドームウィンド……、んひゃあぅ……♡」
嬌声混じりではあったけど、無事部屋の周囲に風壁を作り出すことができた。もっとも、これでは隣にいるリョウには丸聞こえなんだけど……。というか、リョウの手を掴んでいるからリョウが起きちゃう可能性はさらに上がってしまった。
それでも、そんなことはお構いなしというようにわたしの手は本能のままにリョウの指を握り、夢中になってわたしのおまんこに刺激を与え続けている。割れ目を指でなぞったり、割れ目を押し広げてその奥の領域を掻き乱すようにしてやや乱暴に動かしてみたりなど、いろいろなパターンで自らに刺激を加えていった。
ぐちゅぐちゅというはしたない水音が室内に大きく響くが、わたしの行為は激しさを増していくばかり。いつの間にか自分を罵ることすら止め、襲い来る大きな快楽の波に溺れてしまっていた。
「んあっ……♡ んあっ……♡ あんんんああああああああああッッ♡♡♡」
やがて絶頂に至るも、わたしは休むことなくリョウの指を掴んだ手を動かし続け、狂ったように自分自身を攻める。興奮は極限にまで達し、全身の汗腺からは多量の汗が噴き出ている。もちろん、おまんこからは相も変わらずねばっとしたえっちなお汁が絶え間なく溢れ続けており、指が動くことで奏でられるはしたない水音は一秒ごとにその音量を増していく。
リョウの指はリョウのおちんちんほどではないにしろわたしの指よりはずっと太く、膣内に押し入れればわたし一人の時よりずっと深くまで突き刺さる。わたしの膣壁は吸い付くかのようにリョウの指を締め付け、もっともっと奥へと引きずり込もうとしている。
まだわたしの身体では子供を宿すことはできないけど、生殖本能はしっかりと身についているようだった。残念ながら、今突っ込んでいるのはリョウの指なので、どんなに搾り取ろうと締め付けてもお目当てのものは出てくるわけもないんだけど。
それでも構わないと言わんばかりの勢いで、わたしはリョウの指を自分の膣内に出し入れし、膣壁を欲望のままに擦る。
「ああんんううぅぅぅ……♡ じゅぽじゅぽって……リョウの指おちんちんがわたひのにゃかにぃぃぃ……♡ ひゃああああうううううッッ♡♡♡」
再度絶頂。しかし手は止まらず、リョウの指の膣内への抜き挿しは終わらない。今日一日でもうどれだけ分泌したかも分からない愛液を、休みなく膣内から掻き出す。普通の人なら恐らく脱水症状になっていると思う。けど、わたしはこの程度で音を上げるほど弱い身体は持ち合わせていない。だから、このまま行為を続けたところで何の問題にもならないのである。
そこでわたしはとあることに気づく。人差し指よりも中指の方が長さがある。ならば、より深くに刺激を与えるためには、わたしのおまんこに突っ込む指は人差し指でなく中指の方が良いはず……。
だからわたしは瞬時に人差し指から中指に持ち替え、そしてそのまま中指をずぶりとわたしのおまんこに突き挿した。うん、やっぱりこっちの方がより奥まで届く。わたしは気持ち良さのあまり腰を浮かせながらぴくぴくと身体を震わせていた。
さらにそれだけに留まらず、わたしは先ほどまで膣内に挿し込んでいたリョウの人差し指をもう片方の手で握り、それをわたしの硬く勃起したクリトリスに這わせる。すると、身体から脳の奥底に至るまで、わたしの全てが痺れてしまうほどの甘い電撃が陰部神経の求心路を通って全身に広がっていく。
わたしは無意識のうちにリョウの腕に自分の乳首を擦りつけ、おまんこだけでなくおっぱいでも貪欲に快楽を食らい尽くしていた。
「ふわあああああああっ……♡ こんにゃのしゅごしゅぎぃぃぃ……♡ んうううああああああっ……♡ イクイクイクイクっ……♡ きもひいいのとまらにゃいいいぃぃぃぃっ……♡ ひゅああああああああッッ♡♡♡」
乳首とクリトリス、それから膣内の同時刺激でわたしの頭の仲は真っ白になり、そしてふわりとした浮遊感とともに本日何度目かももはや分からない絶頂を迎えた。それと同時に、わたしの全身から力が抜け落ちてしまう。握っていたリョウの人差し指と中指がわたしの手からするりと抜け、リョウの手が愛液溜まりと化したベッドシーツの上に力なく落ちる。
というか、こんな大量の愛液を自分一人で分泌してしまったなんて、元々人の常識を逸脱した存在とはいえちょっと引く。もうお尻の下までぐっちょりだよ。これでもなお脱水症状にならず、少し喉が渇いたなぁ程度で済ませられている自分が怖い。
なんて感じに自己分析を行っていると、不意にわたしは今に至るまで行ってきた自分の行為に対する嫌悪感とリョウに対する罪悪感に苛まれ始める。
やってしまった……。欲望に身を任せてリョウを利用してしまった……。自分にブレーキもかけられず、わたしはよりにもよって最愛の人を自分の欲求を満たすための道具として扱ってしまった……。
「最低……、ホント最低……。こんなことしたらわたし……、リョウに嫌われる……。どうして止められなかったんだろう……」
自己嫌悪に陥りながら、わたしは隣で未だにすやすやと一定のリズムで寝息を立て続けるリョウに視線をやる。味方によっては、わたしがリョウの寝こみを襲ってしまったことになる。そんなの、最低行為以外の何物でもない……。
リョウはわたしの大切な人であって、決して自分の心を満たすための玩具なんかじゃない……。なのに……、なのにどうしてわたしはこんな愚行を犯してしまったんだろう……。これじゃ、リョウに嫌われても文句は言えない……。嫌われて当然のことをやってしまったのだから……。
自分自身に怒りをぶつけても、自分の行いに後悔したとしても、もう後戻りなどできない。なら、浄化魔法で全てをなかったことにする? いや、わたしはそこまで最低に成り下がるつもりなんて毛頭ない。リョウに嘘を吐いてまで良い子ぶりたくない。そんなの、自分が惨めなだけだから。
「嫌……嫌だよ……、うぐぅ……うぅぅぅ……、わたし……リョウに見捨てられたくないよ……」
だけどわたしの口から飛び出したのは、こんな最低行為を行ってもなおリョウに縋りつこうとする、何処までも醜い言葉だった。
自分に対する嫌悪感や怒り、リョウに対する罪悪感……、これらの感情が心中で渦巻いているにもかかわらず、わたしはそれでも必死に手を伸ばしリョウの傍にいようとしているのだ。
こんなことして許されるはずもないのに……、心の何処かでリョウは優しいから許してくれるかもなんていう望みを抱いてしまっている……。リョウの優しさにつけ込み、自分の幸福感を満たそうとしている。なんて身勝手で醜いのだろう……。流れる涙すら汚物に見えてきた……。
わたしはこの世の誰よりも自分勝手で、この世の誰よりも最低な女……。リョウの隣になんている資格もない。リョウの思いすら踏み躙ったクズ女……。それなのに、わたしの手は諦めずリョウに伸ばされ、やがてその頬に触れる。
「嫌だよぉ……、わたし……リョウと離れたくないよぉ……。お願い……、許して……許してください……、何でもするから……。お願いだよぉ……、傍にいさせてよぉ……」
なんていう戯言を呟きながら、わたしはしばらく涙を流し続けていた。こんなにネガティブな思考になるのは初めてかもしれなかったが、それを疑問に思う心の余裕は今のわたしにはなかった。
そうしてわたしは、どっと押し寄せてきた疲労感に身を任せるようにして意識を手放してしまった。後処理も服を着ることも忘れて……。
*
夢を見た……。
何もない殺風景な場所にわたしはいた。隣にはリョウがいて、目の前には例の神様が浮かんでいた。これは……、丁度こっちの世界に来る直前のこと……だよね? となると、この殺風景な空間は神様の住まう異空間かな。
夢の中のわたしも、相変わらずリョウのことしか見ていない。呆れるほどリョウ一筋なんだよね……。こうして第三者目線で眺めていると、何とも恥ずかしい気持ちになってくる。
「それでですね、貴方には二つほど選択肢があります」
神様はそう言うと、あっちの世界に残るか元の世界に帰るかという二卓をリョウに提示した。うん、あの時と全く同じだね。ってことは、この後リョウは"二つの世界を行き来することはできないのか?"と神様に質問するんだったよね。
と思っていたんだけど、リョウの次の言葉はわたしの予想していた者とは違っていた。
「なるほど。それなら、元の世界に戻りたい。父さんに会いたい」
「まぁ、そういう返答をなさるとは思っていました」
あまりにもあっさりとしたリョウの返答に、夢の中のわたしはぽかんと口を半開きにして唖然としてしまっていた。
「リョ、リョウ……、帰っちゃうの……?」
「そりゃあね。元の世界に戻れるって言うなら戻るに決まってるさ。何も迷う必要なんてないよ」
「じゃ、じゃあわたしもっ!! わたしも連れてって!! 神様、それくらいは別に良いでしょ? できるよね?」
「ええ、貴方一人なら何とかなります。涼さん、どうなさいます?」
けど、わたしは食い下がり、自分もリョウについていこうと神様にお願をしていた。ホント、リョウのこと好きすぎでしょ、わたし。
神様はわたしのお願いを聞き入れてくれ、リョウに最終的な判断を委ねていた。けど、その時のリョウの瞳がわたしの知っているものよりも暗いように見えた。いや、暗いというより何処か嫌そうな感じ……。
わたしは嫌な予感をひしひしと感じながら、リョウの次の言葉を待つ。夢の中のわたしは、そんなリョウにすがるような瞳を向けている。
「いや、ユリシアは連れて行かない。俺一人で帰る」
リョウの答えは、またもそんなあっさりとしたものだった。そして、わたしの嫌な予感は的中していた。
「えっ、ど、どうしてよ!? どうしてわたしを置いて行っちゃうの!? わたしたち、パートナーだよね!? なのになんで……」
「お前のいるべき世界はここだからだ。それに、パートナーって関係は旅の間だけだろ? その後の話には関係ない」
何処までも冷たいその言葉は、夢の中だというのにわたしの心に深く突き刺さった。夢の中のわたしは、そんな言葉を直接浴びせられ、涙目になりながら首を横に振っていた。
「リョ、リョウ……、どうしてそんなこと言うの!? これまでずっと支え合ってきた仲じゃん!! なのに……、どうして急にそんな冷たいこと言うの!?」
「行ったはずだよ、それは旅の間だけだって。何度も言わせるな。確かに、これまでユリシアにはいろいろ助けてもらったし、感謝だってしている。けど、それだけだ。俺とお前は勇者とそのパートナーで合って、ユリシアは俺そのものには何の関係もない。私生活にまで首を突っ込まれるのはごめんだ」
「そんな……。嘘……だよね……、そんなこと……リョウが言うはず……ないもんね……。へ、変な冗談は止めてよね……」
「はぁ……、面倒だな……。俺はすぐにでもこの世界の呪縛から解かれたいんだ。それにはユリシア、お前がいると邪魔なんだよ」
もう既に、夢の中のわたしの瞳からは大粒の涙が止めどなく溢れ出ていた。リョウの言葉は、それほどまでに冷たいものだったのだ。
「ひ、酷いよ……リョウ……。わたし……、ずっとリョウのこと好きだったのに……。リョウと離れたくないのに……。なんでわたしを突き放すの……?」
「ユリシアが俺のこと好きなのは知ってたよ。でも、正直鬱陶しい。たとえ仲間であるお前でも、そういう関係は御免だ。まぁ、そういうことだから、精々平和になった世界で伸び伸び生きてくれ。んじゃ、神様頼むよ。俺を元の世界に戻してくれ」
「い、良いんですか? 流石に彼女が可哀そうなのですが……」
「知らん、放っといても問題ないだろ。それより早く」
「は、はいっ、分かりました。それでは……」
「嫌……嫌ぁっ!! リョウ、わたしを置いてかないでっ!! わたしを一人にしないでよぉっ!! ねぇっ、ねぇってばぁっ!!」
「……やっと帰れる……」
わたしの悲痛な叫びも意に介さず、リョウは神様の作り出した魔法陣に乗っかりすぐに光に包まれ、早々にその場を離脱してしまった。夢の中のわたしは必死に手を伸ばしていたが、それも当然リョウには届かない……。
「で、では……その……、お元気で……?」
それだけ言い残すと神様もその場から消滅し、夢の中のわたしはいつの間にか元の空間に戻されてしまっていた。誰も傍にいないまま……。
そしてわたしは、リョウに見放されてしまったことへの悲しみと絶望に耐え切れず、その場に崩れ落ち大声で泣き続けた。しかし、誰にも届かない……。ただ虚しく響き渡るわたしの鳴き声だけが、その空間を支配していた。
わたしはわたしで、夢だと理解していてもずきずきと心が痛んでしまっていた。きっとわたしは眠りながら涙を流しているのだろう。それほどまでの絶望感を味わってしまっていた。
……いつかこうなるのかな……、現実でも……。胸中に渦巻くのは、そんな不安感や寂寥の念だった。