※この作品はR-18です。

異世界帰りのハイスペック勇者様は、一緒に連れ帰ってきた最愛の狐耳少女(パートナー)と平凡で穏やかなイチャコライフを送りたい! ~微コミュ障でオタクな最強タッグのあまあMAXな共依存物語~   作:室谷 竜司

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朝から甘く激しいひと時を……。俺たちにとってはこれでも平常運転です

「んひゃぁんっ……♡ あぁぁぁんっ……♡ しょこ……ぐりぐりしゃれりゅの……しゅごいの……♡ んにゃああああんっ……♡ んやああああああああああッッ♡♡♡」

 

 現在、時刻は5時半、つまり早朝である。そんな時間にもかかわらず、俺とユリシアはいつものように身体を重ねていた。

 

 昨日の反省を生かし、俺は4時半ごろに起床した。そうすれば、学校がある日でも充分にユリシアと交わる余裕が生まれると思ったからな。

 

 ユリシアも俺と同じことを考えてくれていたらしく、俺が目を覚ます頃には既に俺の部屋で全裸待機してくれていた。何も言わずともこうして意思疎通が図れるということが、俺に言いようのない幸福感を与えてくれる。

 

 そうしていつもの如く朝フェラに始まり、現在はベッドの上で寝バックの体位で繋がっている。なお、この体位はユリシアの希望である。というのも、今日は俺に組み敷かれたい気分だったらしい。

 

 昨日は基本的にユリシアが上になる体位ばかりだったからな。今日はとことんMの本能を発揮したかったのだろう。そういうわけなので、俺も遠慮することなくユリシア……いや、マゾシアを後ろから激しく突きまくることにした。

 

「ああああああぁぁぁぁぅぅッッ♡♡♡ リョウっ……激しいよぉっ……♡ わたし……まだあしゃにゃのに……もうにゃんどもイッちゃってりゅぅぅぅっ……♡」

 

「んおっ……、んあっ……。ははっ、相変わらず……、ユリシアは元気だなぁ……。いや、変態の間違いか……。このエロシアめ……」

 

「いやぁんっ……♡ しょ、しょんにゃこと言っちゃいやぁっ……♡ んあっ……♡ んあぁんっ……♡ んああああああぁぁぁんッッ♡♡♡」

 

 軽くそう罵ってやると、ユリシアはそれだけで気持ち良くなってしまったのか、ぶるぶると身体を震わせて本日何度目かの絶頂を迎えてしまった。すごいな、今日はマジもんの本気マゾシアじゃないか。

 

 ちょっと楽しくなってきた俺は、試しにユリシアの真っ白くて柔らかな丸尻を掌で叩いてみる。跡がつかないよう、なるべく優しくではあるが。

 

 パシンっ……、パシンっ……

 

「ひゃあああああんっ……♡♡ いにゃあああああんっ……♡♡」

 

 ペチンっ……、ペチンっ……、ペチンっ……、ペチンっ……

 

「んきゅううううううっ……♡♡ ふにゃああああああっ……♡♡ んほわあああああんっ……♡♡ ひゅううううううんっ……♡♡」

 

 効果絶大だ。やはり、本気マゾシアは痛みすらも快楽に変換してしまうみたいだ。だが、やりすぎるとユリシアの真っ白い柔肌に傷をつけてしまいかねないので、ある程度のところでストップさせないとな。それに、なんだか新たな扉を開いてしまいそうだ。ユリシアを苦しめて喜ぶような男にはなりたくない。

 

「これだけで感じてるのか? ったく、本当に変態だな。これだからドMは……」

 

「ご、ごめんにゃしゃいぃぃぃっ……♡ で、でもぉ……気持ち良いの止められにゃいのぉっ……♡ うきゃあああああああああッッ♡♡♡」

 

 力は入れずパシンという音だけを響かせるようにしてユリシアの柔尻の端を叩きながら、本気感が出ないよう気を付けて罵声を浴びせる。さらに腰を振る速度を速めると、ユリシアはたちまち背を反らせてまたも頂へ登りつめる。

 

 すると、元々俺の一物を強く締めつけてきていたユリシアの膣肉がさらに隙間を失くすように収縮し懸命に纏わりついてくる。俺は射精感が限界まで高まるのを感じつつも、その膣肉の動きが甘えん坊なユリシアを表しているようで愛おしく感じてしまう。

 

 しかしながら、今のユリシアはSっ気の強い俺をご所望のようなので、衝動的に頭を撫でたくなる気持ちをぐっと抑え込み、あくまで強気な態度を崩さずユリシアに告げる。

 

「うおっ、ま、またイッたのか……。んぐっ……、す、すげぇ膣圧……。お、おい、エロシア……、そろそろ出すからちゃんと中で受け止めろよ……」

 

「ひゃ、ひゃいぃぃっ……♡ きてぇ……♡ いっぱい出してぇ……♡ んおおおあああああああああッッ♡♡♡」

 

 ユリシアもさらなる快楽を求めるように俺の下でもぞもぞと動く。そして箍が外れたようにまた絶頂してしまう。そこで俺も限界を迎えた。

 

「んくおおおっ……、んうあああああああッッ!!!」

 

 そうして俺はここまで貯め込んできた白濁の欲望をユリシアの最奥へと吐き出した。我が欲望は止まることを知らないというように鈴口からドプドプと溢れ出し、ユリシアの中を存分に汚していく。

 

「はぅわあああああんっ……♡♡ しゅごいぃぃ……♡ いっぱい出てりゅぅぅっ……♡♡ あぁんっ……♡ ダメ……♡ わたしまた……、んきゃあああああああああああんッッ♡♡♡」

 

 そして、ユリシアも再度絶頂。朝だけでこれだけイけるユリシアさん、マジで恐ろしい子。そんな性力お化けのエロ狐にぎゅうぎゅうと我が一物は抱きしめられ、俺は本日二発目の濃厚ミルクを搾り尽くされるのだった。朝フェラで出した一発目をはるかに凌ぐ量の濃厚ミルクは、ユリシアの下口に美味しくいただかれましたとさ。

 

    *

 

「うーむ、どうしようか……」

 

 あの後、俺たちは事後処理を手早く済ませ、各々学校へ行く準備に取り掛かった。昨日とは違い朝にセックスまで済ませることができたので、俺もユリシアも実にスッキリした気分を味わえていた。

 

 それから俺はささっと制服に着替え、身だしなみを整えてからキッチンに向かい、いつものように朝飯の用意をすぐに済ませた。そして今に至る。

 

 今、俺はメルシアちゃんの昼飯について頭を悩ませていた。普通に作ってあげて良いんだよな? 要らない……なんてことはないよな?

 

「……聞いてみるか」

 

 それが一番手っ取り早い。そう思い、俺は一度キッチンを離れ、ユリシアの部屋へと向かった。メルシアちゃんもそこにいるはずだからな。というか、流石にまだ寝ているだろうか?

 

 などという心配は、ユリシアの部屋の前に来るなり吹き飛んだ。中からユリシアとメルシアちゃんが仲睦まじ気に談笑している声が聞こえてきたからだ。

 

 俺は扉をノックする。すると、小さな足音が扉に近づいてくるのが分かった。それと同時に、メルシアちゃんの慌てたような声も聞こえてくる。ん? どうしたのだろうか?

 

「んにゅ? リョウ、どうしたの?」

 

 そんな中の様子に俺が首をかしげていると、すぐさま扉が開け放たれて中からユリシアが顔を覗かせた。その恰好はほとんど全裸だった。

 

「おいっ、まだ着替えてなかったのかよ!」

 

「あはは、うん。下着選んでたの」

 

「あ、ああ、そういうことだったのね。でも、早く着替えちゃいなよ? そのままだと風邪ひくぞ?」

 

 そう言って俺はユリシアを部屋の中へと押し戻す。この時期の朝はまだ冷え込むので、風邪をひいてしまうという心配ももちろん本心だ。しかし、俺がユリシアに着替えを促した一番の理由は、ムラムラしてしまうからである。欲望が滾る前にどうにかしないと、俺はまた悶々とした気持ちを抱えながら学校に行く羽目になる。あれ、滅茶苦茶辛かったんだぞ?

 

 すると、俺の本心を何となく察してくれたユリシアは、俺の言葉に従ってすたすたと衣装棚に戻ってくれた。

 

「それで、どうかしたの? 何か用があるんでしょ?」

 

「あっ、そうだった。えっと、用があるのはメルシアちゃんになんだけど」

 

「ふえ? あたし? えっと、何かな? お兄ちゃん」

 

 それまでじっと俺たちのやり取りを眺めていたメルシアちゃんが、突然自分に話が振られたことに驚きつつ、小首をかしげて俺に疑問の視線を向けてくる。

 

「メルシアちゃん、これから俺たち学校で家を空けるけど、お昼ご飯どうする? 俺が用意しちゃっても平気?」

 

「い、良いの?」

 

「もちろん。んで、どうする?」

 

「え、えっと、お願いしたいんだけどね、めぐるお姉さんのところにも行きたいなって思ってるの」

 

「あ、そうなんだ。そしたら、お弁当作ってあげるよ。そうすれば、それ持ってめぐるさんのところ行けるしね」

 

「あっ、それが良い! その……、お願いできる?」

 

 少し申し訳なさそうに、だが期待するようなメルシアちゃんの視線が俺に注がれる。俺から提案したことなんだし、遠慮なんてしなくて良いのにな。

 

 そう思いつつ、俺はメルシアちゃんからのお願いに大して大きく頷いた。

 

「良いよ、任せて。でも、あんまり期待しないでくれな?」

 

「お兄ちゃんの作るご飯、すごく美味しかったから期待しちゃうよ。お兄ちゃん、ありがとうね」

 

「照れるなぁ。んなら、その期待に応えないとな」

 

 メルシアちゃんのキラキラした眼差しを受けて、俺の料理に対するやる気が急激に上昇していくのを感じた。素直に褒められるのってやはり嬉しいもんだなぁ。

 

 俺とメルシアちゃんがそんなやり取りをしていると、不意にジトっとした視線を感じた。まぁ、その視線の主は当然ユリシアなのだけど。

 

「リョウ、デレデレしてる……」

 

「いや、してないんだけど……」

 

「むぅ、ホントかなぁ……?」

 

 分かりやすいヤキモチだった。ヤベェ、滅茶苦茶可愛いんだけど……。正直、ヤキモチを焼くユリシアのことをもっと見ていたいくらいです。

 

 だが、あんまりからかいすぎるとユリシアがいじけてしまうので、俺は雑念を振り切りユリシアにフォローを入れ……ようとしたところで、メルシアちゃんが先に口を開いた。

 

「もしかしてあたし、お兄ちゃんに脈あり?」

 

「えっ……、メルシアちゃん……?」

 

 にこにこと笑みを浮かべながら、メルシアちゃんが俺にゆっくり近づいてくる。あっ、これ、完全にユリシアをからかおうとしている目だ。意地悪な妹だなぁ。というか、マジでユリシアが臍を曲げかねないので止めていただきたい。

 

「メ、メルシアっ!? あなた、やっぱりリョウのこと狙ってたのねっ!?」

 

「ふふふ、だったらどうする? ねぇねぇ、お兄ちゃん♪ お姉ちゃんからあたしに乗り換えない?」

 

「ダ、ダメっ!! リョウはわたしのリョウなのっ!!」

 

「いやいや、それはお姉ちゃんが勝手に決めたことでしょう?」

 

「なっ……、う……うぅぅ……」

 

 こちらを恨みがまし気に睨んでくるユリシア。うわぁ、やってくれたな、この妹……。これで被害を受けるのは俺なんだけどなぁ……。ユリシアを宥めるの、結構大変なんだからな?

 

 俺は一つ嘆息すると。じりじりと俺に近づいてきていたメルシアちゃんの小さな頭をぽかりと叩く。

 

「うにゃあっ!? お、お兄ちゃん……!?」

 

「おふざけはそこまでにしような? ユリシアが既に泣きそうな顔しちまってるから。あと、悪いけど俺はユリシア一筋だから。ごめんな」

 

「うっ、ご、ごめんなさい……。ちょっと調子に乗りすぎたの……」

 

 なるべく優しい声で叱ると、メルシアちゃんは素直にぺこりと頭を下げてくれた。うん、基本的には良い子なんだよ、メルシアちゃん。

 

「お、お姉ちゃんも、ごめんなさい……。からかっただけなの……」

 

「い、良いよ」

 

「っとと、いきなり叩いちゃって悪かったな」

 

 しょぼんと落ち込んでしまったメルシアちゃんの姿を見てちょっと申し訳なく感じてしまった俺は、先ほど叩いてしまったメルシアちゃんの頭を軽く一撫でしながら謝罪する。

 

「んえ? へ、平気。悪いことしたの、あたしだから」

 

 すると、メルシアちゃんはぶんぶんと首を横に振る。

 

「メルシアちゃんは良い子だな。そんじゃ、この話はおしまい。ほら、もう朝飯できてるから下行こうな」

 

「あっ、うん! お兄ちゃんのご飯だ♪」

 

 おっ、どうやら元気を取り戻してくれたらしい。耳と尻尾を大きく揺らしながら、メルシアちゃんは部屋から飛び出していく。

 

「ユリシアも、早く着替えて下においでな」

 

 部屋に取り残された下着姿のユリシアにそう一声かけてから、俺もキッチンへ戻ろうと踵を返す。

 

「あ、うん。あ、あの、リョウ……」

 

 ユリシアの部屋から立ち去ろうとしたところで、俺はユリシアに呼び止められる。振り返ると、ユリシアはもじもじしながらこちらを見ていた。ユリシアの下着姿、今の俺には目の毒なんだけどなぁ。興奮しそう。

 

「その……、わたし一筋って言ってくれて嬉しかったよ♡」

 

「お、おう、そっか」

 

「わたしも、リョウ一筋だよ♡ わたしはリョウのものだからね♡」

 

「ああ、知ってる。俺もユリシアのものだからな」

 

「う、うん♡ え、えへへ♡ そ、それじゃあ、すぐに着替えて下行くね♡」

 

「はいよ、待ってる」

 

 それだけ言って、俺はそそくさとユリシアの部屋から退散する。これ以上あそこにいたら、学校に行くことも忘れてユリシアとイチャイチャし始めてしまいそうだったから。

 

 あー、くそ……。顔が熱い……。あの不意打ちはちょっと卑怯すぎやしないだろうか? 畜生、可愛すぎるんだよ、ユリシアは。

 

 そんなことを考えつつ、俺はぱたぱたと自分の顔を手で扇ぎながらキッチンへと戻るのだった。

 

 それから俺とユリシア、メルシアちゃん、それとめぐるさん分のお弁当を手早く完成させた。ユリシアとメルシアちゃんにはその間に朝食を済ませてもらった。二人とも、俺を待ちたいと言ってくれたが、料理が冷めないうちに食べてほしいと言ったら渋々ではあるが聞き入れてくれた。

 

 ちなみに、めぐるさんの分のお弁当を用意したのは何となくだ。せっかくだから俺とユリシアの分のお弁当も作ってしまおうと考えたのだが、それならば三人分も四人分も変わらないと思い、めぐるさんにもお裾分けすることにした。

 

 そうして俺も遅れて朝食に手をつけ始めた。結論、やっぱり冷めると美味しくないな。お弁当を作る前に食べておくべきだったと後悔した。

 

 その後、俺たちは身支度を整えてから家を出た。メルシアちゃんの服選びに手間取ってしまったが、上着を着せることで何とか胸元ゆるゆるシャツを隠すことができた。

 

「今日の午後、買いに行こうな。いつまでもこのままっていうのは嫌だよね」

 

「う、うん……。ありがとう、お兄ちゃん」

 

 いつまでも姉の服を着続けるのも妹的にはあまり良い気分ではないだろうと思い、俺はメルシアちゃんにそう提案した。するとメルシアちゃんは嬉しそうに頷いてくれる。ああ、なんか良いな、妹って。メルシアちゃんは別に俺の妹ってわけじゃないけど。

 

 ちなみに、メルシアちゃんは自身の隠蔽能力で耳と尻尾を隠している。そうしないと、ユリシアとは違って周囲の人全員に見られてしまうからな。

 

「その……、なんかごめん……」

 

「お姉ちゃん? そういう憐みは要らないからね?」

 

「そそそそういう意味じゃないよ!?」

 

「ふーん、そうですか」

 

 そんなやり取りをしながら俺たちは最寄り駅まで歩いて向かい、電車に乗って例の神社がある駅を目指す。学校に向かう途中の駅なので、メルシアちゃんを先に神社に送り届けてからでも充分間に合う。

 

 なお、電車内はやはり混雑しており、ユリシアは案の定目を輝かせていた。だが、今日はメルシアちゃんもいたからか、昨日のように俺に悪戯を仕掛けてくるようなことはなかった。というか、嬉しそうだったのは最初だけで、

 

「メ、メルシア、リョウにくっつきすぎだよ……」

 

「そ、そんなこと言われても……」

 

「こんな混雑した中じゃ仕方ないさ」

 

「それは分かってるけどぉ……」

 

 ということがあり、ユリシアは途中からちょっとだけ不機嫌になってしまっていた。これに関して、メルシアちゃんには何の責任もないからな。ユリシアもメルシアちゃんを責めるのはお門違いだと理解はしているんだと思う。

 

 それでも、どうしてももやもやとした気持ちになってしまうのだろう。これが複雑な乙女心ってやつなのかね。というかこれ、後が怖いなぁ。メルシアちゃんを神社まで送り届けた後に何されるか分かったもんじゃない。覚悟しておこう。

 

 そうしているうちに例の神社の最寄り駅に到着し、一旦下車してメルシアちゃんを神社まで送り届ける。しばらくは俺とユリシアがメルシアちゃんを送り迎えすることになるだろう。

 

 それから、神社に到着した俺たちはめぐるさんにメルシアちゃんを託し、ついでにめぐるさんにお弁当を渡してから踵を返して駅まで戻り、再び電車に乗って今度こそ学校を目指した。

 

 予想はしていたが、ユリシアは昨日以上に激しい手つきで密着状態の俺の股間を撫で回してきた。相当我慢していたみたいだ。

 

 さらには、自分の股間を俺の脚にぐりぐりと押し付けてきやがった。電車の中でそこまで大胆になれるものなのかと、怒りや呆れを通り越して感心すらしてしまった。

 

 結局、俺もユリシアも電車の中で一回ずつイッてしまった。周囲の人たちに気づかれないよう注意しながら浄化魔法を使って汚れは処理したが、臭いとか平気だよな? 充満する前に処理できたよな?

 

「おい、ユリシア。あれはやりすぎだ」

 

「だって……、我慢できなかったんだもん……」

 

 降車後、俺は早速ユリシアを叱る。すると、ユリシアは少しだけ頬を膨らませてそんなことを言う。

 

「はぁ……、もう少し自制心を身につけた方が良いぞ」

 

「う、うん。そ、それで……その……、お、お仕置き……は?」

 

 期待するような目で俺の顔を覗き込んでくるユリシアに、俺は大きな溜息を溢してしまう。どうせそんなことだろうとは思った差。

 

「……それが目当てか、分かってたけど。ったく、今日の夜な」

 

「は、はぁい♡ 楽しみだなぁ♡ え、えへへへへ♡」

 

 先ほどまでの不機嫌な様子は何処へやら、ユリシアはへにゃっと頬を緩ませ嬉しそうに笑みを溢していた。隠す気すらないんだろうなぁ。

 

 お仕置きの内容、考えておかないとな。ユリシアを喜ばせ……じゃなくて、反省させるためのきつ~いやつをな。……ごめん、俺も俺でかなり毒されてしまっているみたいだ……。ちょっと楽しみになってます、ハイ。

 

「あっ、ヤッホー、お二人さん!」

 

「あ、おはよう、サヤ。グッドタイミング、かな?」

 

「うん、私も今到着したばかりだからね」

 

 ホームから改札階に上がってすぐ、俺たちは陸下さんと出くわした。だが、二人のやり取りから察するに、これは偶然出くわしたというわけではなさそうだ。

 

 あと、ユリシアの切り替えの早さにはもはや脱帽ですわ。

 

「もしかして、待ち合わせしてたの?」

 

「あれ、知らなかったの? ユリシアちゃんから聞いてない?」

 

「あっ、ごめん、伝え忘れてたよ。あの後、リョウにおし……じゃなくて、眠くなっちゃったんだよね」

 

 コイツ、また口を滑らせそうになってたな……。いつか本当に何かしら口走ってしまいそうで怖いな……。

 

「そうだったのね。まぁ、そんなわけで、今日から私たち待ち合わせすることにしたんだ。だから、涼君もよろしくね」

 

「俺、いても良いのか?」

 

「そりゃもちろん。というか、涼君をユリシアちゃんから引き剥がしたら、ユリシアちゃんが寂しがっちゃうからね」

 

「わたし、リョウがいないとダメな子だからね♪」

 

「自慢気に言うことじゃないだろ……。でもまぁ、そういうことならお言葉に甘えて、俺も一緒させてもらうよ」

 

「そうこなくっちゃね!」

 

 陸下さんも加わり、俺たちは三人並んで駅構内から抜け出した。

 

「そういえば、昨日はきりもみで心癒せたのか?」

 

「うん。いやぁ、やっぱりSMは最高ですな。ついつい三回もオナっちゃったよ。……って、何言わせとんねん!」

 

「えっ、俺の所為なの!? そ、そんなつもりはなかったんだが……、すまん」

 

「い、いやいや、冗談だから! あ、謝らないでってば!」

 

 とまぁ、そんな感じで談笑?しながら、俺たちは朱鷺舟学院へと歩みを進めた。途中、ちらほらクラスメイトを見かけたが、まぁ別に話しかけに行く必要はないだろうと思い、俺は二人との会話に集中した。

 

 そうこうしている間に学校に到着した俺たちは、昇降口で靴を履き替えてから教室に向かう。そうして、C組の教室前で二人と別れてから俺は隣のB組の教室に入った。

 

 声をかけるか迷ったが、扉を開けたら中にいたクラスメイト達から挨拶が飛んできたので、俺も軽く挨拶を返すことにした。どうやら、あの緊張した雰囲気は本当に昨日だけだったようだ。

 

 俺は自分の席に荷物を置くと、スマホにワイヤレスイヤホンを接続して自分の世界に入り込……もうとしたところで、不意に左肩を叩かれる感覚を覚え、俺はそちらに視線を向ける。

 

「おはよう、霜崎君」

 

「えっと、おはようございます」

 

 俺の左隣に座っていた男子学生にそう声をかけられた。俺も失礼にならないよう返事をし、何か用かと首を傾けてみせる。

 

 確か彼の名前は……、寺田(てらだ) (みやび)……だったかな。昨日の自己紹介でそう名乗っていたはずだ。ユリシアほどではないが、俺も記憶力には自信があるから、きっと間違いないはずである。

 

 男子にしては少し小柄で、顔立ちも何処か幼さを感じさせる。中性的な容姿をしている……というのが正しいだろうか? 一見女子と見間違えそうになってしまう。男物の制服を着用しているからすぐに理解できたけどさ。

 

 そんな彼は右隣の俺に視線を向けながら人懐っこい笑みを浮かべていた。一体何用だろうか?

 

「ごめんね、特に用はないんだ。でも、せっかく隣同士になったんだから、少しお話がしたくてさ。ダメかな?」

 

「い、いいえ、問題ありませんよ」

 

 仕草も女子っぽいな、この人。などと思いつつ、俺は彼の言葉に首を横に振って応える。正直、向こうから話しかけてくれたのはとてもありがたかった。俺から話しかけにいく勇気はなかったのでな。

 

「そう、それなら良かったよ。あっ、ボクの名前、憶えてる?」

 

「寺田君……で合ってますか?」

 

「うん。改めて、寺田雅です。よろしくね」

 

「霜崎涼です。よろしくお願いします」

 

 俺が敬語を使っている理由か? そんなの、緊張しているからに決まっているじゃないか。だって俺、最初はユリシアにも敬語だったんだぜ? 今の俺からは想像できないかもしれないけどな。

 

 だから、キャラ作りとかそういうつもりで敬語を使っているわけでは断じてない。そこは理解しておいてほしい。か、勘違いしないでよね!

 

「もしかして、まだ緊張してる?」

 

「え、ええ、まぁ……少し。直に慣れてくるはずですので、それまではご勘弁を」

 

「良いよ、気にしなくて。あっ、そうそう、さっき君たちのことを駅で見かけたよ。一緒にいた金髪の子が確か君の彼女さんなんだよね?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「とても可愛らしい子だね。ちなみに、出会いとかって聞いても良い?」

 

「出会いですか。えっと、秋葉原ですかね」

 

 真実を話すわけにもいかないので、俺はこちらの世界の記憶を頼りにそう答えた。というか、やはりこういう話題はみんな興味あるんだなぁ。

 

「へぇ、秋葉原か。もしかして、アニメとかゲームが好きなのかな?」

 

「そうですね。いわゆるオタクというやつです」

 

「なるほど、そうだったんだね。でも、最近のサブカルチャーはレベル高いから、引き込まれるのも無理ないよね。ボクも実はアニメが好きなんだ」

 

「あ、そうなんですね」

 

「いやぁ、同じ趣味の人がいるなんて嬉しいなぁ」

 

「自分も、嬉しいです」

 

「どんなアニメ見るの?」

 

「そうですね……、最近だと……」

 

 というところで、最終登校時刻を告げるチャイムが教室内に鳴り響き、教室の前扉から藤崎先生が入ってきてしまい、俺と寺田君はそこで会話を中断することとなった。

 

 だが、彼とはきっと良い友人になれる。今の短いやり取りで俺はそんな予感を覚えていた。

 

「皆さん、おはようございます。それでは、出欠の確認をしますね」

 

 そうして藤崎先生は点呼を取り始めた。

 

 さてと、今日から本格的に高校生活が始まる。いやまぁ、今日は一限から五限までずっとオリエンテーションで授業は一切ないのだが。

 

 俺は少しの緊張と少しずつ膨らみつつある期待を胸に、オリエンテーションに臨むのだった。

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