異世界帰りのハイスペック勇者様は、一緒に連れ帰ってきた最愛の狐耳少女(パートナー)と平凡で穏やかなイチャコライフを送りたい! ~微コミュ障でオタクな最強タッグのあまあMAXな共依存物語~ 作:室谷 竜司
リョウに「大切」って言われて言いようのない嬉しさが込み上げてきちゃったわたしは、思わずリョウの身体に自分の身体を凭れさせ、その大きな背中にわたしの小さな手を回してしまった。
そして、ふわふわした気持ちのまま、わたしは思わずリョウに本心を吐露してしまった。口にしてから数秒間、わたしは自分が何を言ったのか理解が追いつかず固まってしまっていた。しかし、理解するや否や、わたしの顔はどんどん熱さを増していった。
ど、どうしてあんなことを言っちゃったんだろう……。まだもう少しリョウには隠しておくつもりだったのに。まだ、わたしのこの恋心はリョウに打ち明けるつもりじゃなかったのに……。バ、バレちゃった……かな……?
などと頭の中で焦りながらいろいろ考えていると、リョウの逞しい腕がわたしの身体を包み込んだ。わたしが困惑しているうちに、リョウはわたしの身体をその腕の中に収めてしまった。
「ああ、俺も大好きだぞ、ユリシア」
「ふ、ふにゅっ……!?」
さらに、表情を伺うために顔を上げた時、リョウはわたしの耳元で"俺も大好き"と囁きかけてきたのである。
だから、思わず変な声を出してしまった。わたしの心臓の脈動が早さを増し、顔もさらに熱くなってきた。も、もしかして……、思いが届いたの!? こ、これって……、通じ合ったってこと!?
「っと、ごめん。くすぐったかったか?」
けど……、見上げた先にあるリョウの顔には、照れの色など一切ないように感じられた。あ……、これは絶対分かってない顔だ……。わたしの「好き」を、多分親愛とか友愛と勘違いしてる……。
というか、少し考えれば分かることだよ。いつもいつも、さり気なくアピールしても全く気付く様子も見せないリョウなんだよ? こんなタイミングでの「好き」って言葉を、告白とは受け取るはずがないよ、絶対。
そもそも、リョウはわたしのことなんて妹か友達程度にしか考えてないもん。長い間、二人っきりで旅をしてきたけど、リョウがわたしに振り向いてくれるような素振り、一度だって見せたことないもん。わたしは、ずっと前からリョウのことを一人の男として好きなのに。はぁ、片想いッてやっぱりつらいなぁ。
こうしてリョウがわたしの身体を抱きしめるのも、頭や耳を撫でてくれるその手つきも、前から何一つ変わっていない。まるでわたしのことを子ども扱いするような感じ……。心の奥の奥で引っ掛かりを覚える。けど、それでも気持ち良いと感じちゃうし、嬉しいとすら思っちゃう。
そして、心の何処かでは今の関係がこのまま変わらないでほしいとも思ってしまっている。今のわたしたちの関係を壊したくない。だから、わたしは一歩を踏み出せずにいた……。好きだってリョウに伝えたら、今のわたしたちの関係はなくなっちゃうんじゃないかって、不安に感じてしまっていた。
けど、この気持ちは日に日に大きくなっていく。もう、わたしにはどうすれば良いのか分からないよ……。
そんなことを考えていると、不安や切なさが徐々に涙となって込み上げてくる感覚があった。
泣いたところで何も解決しない。そんなことは、リョウと出会う前に嫌というほど経験した。だけど、それでも感情制御はできず、わたしの視界が滲み始める。こんな気持ちになっているのも、全部リョウの所為なんだからね……。
わたしは、リョウに泣いていることを悟られないよう、その固くて逞しい彼の胸に顔を埋めて隠した。もしかしたら、泣いていることなんてリョウにはお見通しかもしれない。だけど、泣き顔を見せたくなかった。これ以上、子ども扱いはされたくないから。
次第にわたしは、リョウの温もりや大好きなその匂いに安心し、ゆっくりと意識を手放して眠りの世界に落ちていった。向こうの世界にいた時と全く同じだった。
*
「ふわぁ……、あれ……?」
「おっ、起きたみたいだな。よく眠れたか?」
「え、あ、わたし……、寝ちゃってたんだ……。って、ずっとこのままにしてくれてたの?」
「まぁな。起こすのも悪いと思って」
「ご、ごめんね。ずっと座ったままじゃ疲れたでしょ?」
「いいや、全然。ユリシアこそ、痛いところはないか?」
しばらくしてわたしは目を覚ました。そしてすぐ、リョウの腕の中にいたのだと思い出す。どうやらリョウは、わたしが目を覚ますまでずっと抱きしめてくれていたみたいだった。
もぅ……、どれだけ優しいんだろう、リョウは。ますます好きになっちゃうじゃん。これ以上わたしのことをメロメロにして、リョウは何がしたいんだろうね。って、どうせ無自覚なんだろうけどさ。
「わたしは平気。すぐに退くね。ありがとう、リョウ」
「もう少しこのままでも良いんだぞ?」
「う、ううん。大丈夫。これ以上、リョウに迷惑はかけられないよ」
「そっか。分かった」
わたしはリョウの腕から抜け出し、改めてお礼を言う。リョウも笑顔でそれにこたえてくれた。わたしは、そんなリョウの顔を直視できなかった。
ホントは、これ以上リョウの温もりとか匂いを直に感じていたら、今度こそわたしの心がどうにかなっちゃいそうだったからなんだけどね。
でも、リョウから離れる時、言いようのない寂しさとか名残惜しさを感じてしまったのは、リョウには内緒。
というか、リョウも少しくらい名残惜しいって思ってくれても良いんじゃないかなぁ。意識されていないのは、やっぱりつらいよぉ。女としての魅力、わたしにはないのかな?
確かに、実年齢は一つしか離れていないのに、わたしは背も低いし声もちょっと幼いかもしれないけど……。むぅ、リョウのタイプって、やっぱり大人っぽくてわたしなんかよりずっと色気のあるような人なのかなぁ?
もっと大きくなりたいなぁ。リョウの理想に近づきたい。って、まだリョウのタイプが大人のお姉さんって決まったわけじゃないもんね。望みは捨てちゃダメだよね。
幸い、胸にだけは自信あるし。背は低いけど、胸の発育は良いんだ、わたし。そこはちょっと誇れるかも。ゆ、誘惑とかすれば……、もしかしたらリョウもわたしにメロメロになってくれたりしないかなぁ?
……うーん、しないかな、多分。リョウはそんなえっちじゃないし、胸だけで女の価値を決めつけるような人じゃないもんね。
むしろ、えっちなのはわたしの方なのかなぁ……。いつも、好き同士のわたしとリョウがその……いろいろとえっちなことをしている夢を見ちゃうんだよね……。その度に、リョウに気づかれないように身体の火照りを解消しているんだよね……。リョウには申し訳ないっていう気持ちでいっぱいなんだけど、どうしても止められない……。
最後に残るのは虚しさだけだって言うのに、それでも切なさと一時の快楽に身をゆだねてしまう。本能には抗えない。ホント、困ったものだよ……。
なんて考えている今も、また少しずつ身体が火照り始めちゃってる。思い出しただけでこれなの? というか、今はリョウのすぐ目の前なんだけど……!? ま、待って、今はダメ!! が、我慢しないとダメだから、ユリシア!!
わたしの意思とは関係なく、お腹の下あたりがどんどん熱さを増していくのが分かる。そして、そのまま温かいものがじわりじわりとわたしの下着を侵食していく。おしっことは全然違う……もっと別のものが、無情にもわたしの下着を濡らしていく。ダメ……、全然止まってくれない……。
気づくと、わたしの両乳首も硬度を増していた。けど、いつもとは違って服の上からでは目立っていない。これって、えっと……ブラジャーだっけ? それのおかげなんだよね。
わたしの元いた世界にはこんな代物なかったから、こっちの世界に来てすぐに違和感を覚えた。締め付けられるというほどじゃないけど、何かが巻き付いているという感覚に最初は慣れなかった。
でも、よくよく考えてみたら、すごい便利アイテムなんじゃないかなって思えてきた。だって、これがあるおかげであんまり胸が揺れないし、なんか守られているような感じがするんだ。それに何より、今みたいな状況の時乳首が目立たない。良いなぁ、リョウの世界にはこんなものまであるんだね。
って、今はそんなこと考えている余裕なんてなかったんだぁ……。うぅ……、ホントにそろそろ耐え切れなくなってきたよぉ……。いくらブラジャーがあるとはいえ、乳首が布に擦れる感覚は以前と変わらない。その度に刺激が加えられ、わたしの快楽のボルテージがどんどん上昇していく。
わたしは必死に下唇を噛んで、刺激によって漏れ出そうになる声を寸でのところで押しとどめる。そして、更なる快楽を求めるべく本能的に股の付け根に伸びてしまいそうになるわたしの手を何とか理性で抑え、これ以上の快楽から自分を遠ざけるべく両脚をぴっちりと閉じる。
心臓の鼓動は早鐘を打ち、顔……に限らず全身は熱く火照り息も荒いものになっていく。これは果たして、リョウの目の前で発情してしまっていることへの羞恥心からなのか、はたまたそんなピンチな状況に興奮してしまっているからなのか、正常な思考を保てない今の自分には理解する余地もなかった。
というか、臭いとかって大丈夫かな? リョウはわたし同様五感鋭敏化の能力を持っている。もしかしたら、気づかれちゃっているかもしれない……。
そもそも顔を真っ赤にして息を荒げている時点でバレバレなのかもしれない……。い、嫌だよ……、リョウにえっちな子ッて思われちゃうよ……。それに……、臭いとか思われてたらどうしよう……。
いろいろな不安が脳裏を過るが、全て気分の高まりの前に打ち消されていってしまう。もう……ホントにダメ……。
「おーい、飯できたぞー」
「おっ、飯の時間か。ユリシア、飯だってよ。行こうぜ」
「へ……? あ、うん……。そうだね……。はぁ……はぁ……」
「ど、どうした!? 体調でも悪いのか!? もしかして、慣れない異世界の空気で、気分でも悪くしちまったか?」
「う、ううん。大丈夫……だよ……。まだちょっとだけ寝ぼけてただけだから……。そんなに心配しないで……。でも、心配してくれてありがとうね」
「いや、俺の勝手でユリシアをこの世界に連れてきちゃったんだ。だから、心配するのは当然だよ。でも、そういうことなら安心した。ほら、父さんも待ってることだし、さっさと行こうぜ」
「うん、分かった。あ、そ、その前に、その……お花摘みにだけ行かせて……。確か、トイレっていうものがあるんだよね?」
「ああ、案内するよ」
わたしとリョウは連れ立ってリョウの自室を出て、リョウに案内されるまま階段を降りて階下へと向かった。下腹部に微かに残る熱を抱えながら。