※この作品はR-18です。

異世界帰りのハイスペック勇者様は、一緒に連れ帰ってきた最愛の狐耳少女(パートナー)と平凡で穏やかなイチャコライフを送りたい! ~微コミュ障でオタクな最強タッグのあまあMAXな共依存物語~   作:室谷 竜司

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雨宮さんは男を調子に乗らせるプロフェッショナルなのかもしれない……。気づいた頃には俺TUEEE街道まっしぐらでした……

 雨宮さんの背中を眺めながら、俺は改めて現在の状況について考える。と、そこで俺は重大……?な事実に思い至った。

 

「って、あれ? もしかして、次って俺の番……?」

 

 し、しまった……、雨宮さんとの話に夢中で周囲の観察を怠ってしまっていた……。ま、まずい、このまま計測に臨んでしまったら、力の下限を見誤り変な記録を出してしまいかねない……。

 

 女子と男子じゃ基礎体力に多少差が生まれるので参考になるかは分からないが、せめて雨宮さんの姿だけでも目に焼き付けておかなければ……。

 

「わわっ、し、霜崎さんが見てる……。ド、ドキドキする……けど、良いとこ見せないとっ! え、えいっ!」

 

 可愛らしい掛け声とともに勢いをつけて跳び上がる雨宮さん。その瞬間、周囲の男子たちからひそひそと話し声が聞こえてくる。聞き耳を立ててみると、どうやらその話の内容は雨宮さんの大ボリュームのアレのことだったようだ。

 

 いやまぁ、確かにすごい揺れではあったけどさ……。俺的にはそれよりもどのようにして立ち幅跳びを平凡にやりすごすかの方が重要なので、ほとんど意識すらしていなかった。そうでなくとも恐らく無感情だったとは思うが。

 

「2mジャストですね」

 

 男子たちのひそひそ越えを他所に、計測担当の教師が雨宮さんの計測結果を口にする。ふむ、2mか。ということは、男子ならだいたい2m30cmくらい跳べば充分か? いや、もう少し跳んでおくべきか?

 

 そう一人で思案している間に、雨宮さんは2回目の計測を終えて砂場から離れた。2回目の記録は2m3cmだったらしい。

 

 俺は一つ深呼吸をして気持ちを切り替える。目指すは2m30cm前後だ。俺ならできる、大丈夫だ、問題ない。

 

「し、霜崎さんの番……、ドキドキ……ワクワク……」

 

 うっ、雨宮さんの期待するような視線が突き刺さる……。あんな目向けられたら、手加減しようとしている自分が急に恥ずかしくなってきてしまうじゃないか……。

 

 それに、期待されたらどうしても応えたくなってしまうのが人間……。ちょ、ちょっとくらい……、良いよな……? だ、大丈夫、人間離れさえしていなければ大丈夫だ……。なんてことを考えながら、俺は所定の位置に立ち、着地地点の砂場をじっと見つめる。そして、軽く勢いをつけてその場から前方へと跳び上がる。

 

 その結果……

 

「え、えっと、2m64cm……ですね……」

 

 想定より30cmも遠くに跳んでしまった。こ、これ、大丈夫……なんだよな? 若干教員の反応が気になるけど、多分許容範囲内……なんだよな? くそっ、事前に高1男子の平均を調べておくべきだった……。

 

 俺はそんな後悔を胸に、二度目の計測に臨む。結果は先ほどとほとんど変わらず、2m63cmだった。一回目の記録が高かった所為で、二回目も下手に手を抜くことができなかった。

 

 俺は後悔の念を胸に、砂場を後にした。そんな俺の隣には、やや興奮気味な雨宮さんがすごいすごいと頻りに俺を褒めちぎってくる。そんなキラキラした瞳で見つめないでほしい……。またやらかしそうだから……。

 

 というか、だんだん雨宮さんの言葉が"YOU、俺TUEEEやっちゃいなよ"という誘惑の言葉に聞こえてきた……。やめろぉ、俺が欲しいのは平凡で合って、周囲からの注目じゃないんだぁ。……既に手遅れというツッコミは無しでお願いします。

 

 などと一人でバカな問答をしている間に、俺と雨宮さんは次の計測場所へと到着した。反復横跳びの計測場所のようだった。

 

「あっ、二人一組で計測するみたいですね。あ、あの、霜崎さん、私とペアで良い……ですか?」

 

「えっ、あっ、はい。お願いします」

 

「反復横跳びも期待してますね! 霜崎さん!」

 

「え、えっと……、そんなに期待されても困るんですが……」

 

 どうして、雨宮さんはこうも俺の中の野心を的確にくすぐってくるのだろうか……。期待度MAXというような瞳で見つめられ、俺の心はまたもやる気を見せつつあった。抑えるのが大変だ……。

 

「でも、霜崎さんなら本当に学年1位も狙えちゃうかもですし、期待だってしちゃいますよぉ」

 

「いやいやいやっ、それは流石に……」

 

「勉強も運動も学年トップなんてすごいなぁ、格好いい……」

 

 ……もしかして俺、本当は学園内でチートライフを送りたかったのか……? いやいや、そんなバカな話があるものか……。チートとハーレムは物語の中だから面白いのであって、現実に持ち出すのは間違っている……。そのはずなんだ……。

 

「きっとフォクサローゼリスさんも、霜崎さんが体力テストで学年トップを取ったらすごく喜んでくれると思います」

 

 何ということでしょう。さっきまで辛うじて残っていた自制心が、雨宮さんの巧みな誘惑により見る見るうちに霧散していくではありませんか。

 

 そうして、先ほどの反省は何処かに置き去りにして、俺は反復横跳びの計測に臨んでしまった。

 

「すごいすごいっ! 速い! 65回だよっ!」

 

 俺の記録を取ってくれていた雨宮さんがやや興奮した様子でそう言った。……やってしまった、またやってしまった……。ユリシアの話を持ち出された瞬間に自制心が彼方へと飛んで行ってしまった……。

 

 不幸中の幸いと言うべきかは分からないが、桁外れな数値を叩きだすという大失態はしなかった。しかし、それでも高1男子の記録としては大分高すぎるよなぁ……、絶対。

 

 周囲の学生たちも、俺の記録を聞いてぽかんとしてしまっている。あー、くそぉ、またも雨宮さんの誘惑に負けた……。いや、彼女にそんなつもりはないってことは理解しているけど。

 

 とにかく、次こそは期待に応えようだなんて考えないようにしよう。2種目で高い記録を出してしまっている時点でもはや手遅れかもしれないが、学力・運動共に学年トップなんていう面倒な肩書は背負いたくないのでな。

 

 自制心だ、自制心を保て。そして、次こそしっかり手加減して、普通レベルの結果を出すんだ。

 

 そう決意して、次なる場所、ハンドボール投げの計測場所へと向かった。

 

「あっ、私、ハンドボール投げの計測が終わったら、グラウンドでの計測全部終わりかもです」

 

 道中、雨宮さんは自身の記録用紙を眺めながらそう言ってきた。そうか、雨宮さんは俺がグラウンドに来る前に、もう既に50m走の計測を終わらせていたのか。

 

「そうなんですね」

 

「えっと、体育館での種目は……、シャトルラン……かぁ……。私、持久力には自信ないんですよね……。気が乗らないなぁ……」

 

「体力テストですし仕方ないですよ」

 

「そうなんですよねぇ……。はぁ、霜崎さんみたいに何でもできれば苦労しないんだろうなぁ……」

 

「自分だって苦手なことはたくさんありますよ」

 

 そんな会話をしながら、俺たち二人はハンドボール投げの列に並んでいたのだが、不意に俺の耳によく聞きなれた声が届いた。

 

 その声のした方へ視線を向けると、案の定そこにはユリシアの姿があった。一緒にいるのは……、紗夜と薊美さんの二人か。寺田君の姿はないみたいだ。

 

「あっ、フォクサローゼリスさんたちですね。何だか楽しそうです。やっぱり、フォクサローゼリスさんは悪い人には見えませんね」

 

「はい、とても良い子です。もちろん、紗夜……陸下さんも薊美さんも」

 

「あの、もしかしてですが、普段は陸下さんのこと下の名前で呼んでたり?」

 

「え、ええ、まぁ。へ、変……ですかね?」

 

 紗夜に言われるまま下の名前呼びに変えたけど、恋人でもない異性を軽々しく下の名前で呼ぶことには未だに抵抗を覚えてしまう。だから、第三者との間で紗夜の話題を上げる際は、できる限り苗字を使うよう意識している。それでも、先ほどのように間違えそうになることはあるけど。

 

 雨宮さんにはあっさり間違いを指摘されてしまった。その瞬間、やはり変なのかと不安になってしまう。距離感って難しいよな。

 

「変じゃないと思います。けど……、良いなぁ……。ち、ちなみに、薊美さんのことは普段どんな風に呼んでいるんですか……?」

 

「えっと、彼女のことは普段から薊美さんって呼んでます」

 

 どうしてそんな質問をしてきたのか若干疑問に思いつつも、俺は素直にそう答える。そんな俺の回答を聞いた雨宮さんは、どうしたわけか難しい表情を浮かべ始めてしまった。

 

「ど、どうかしました?」

 

 気になったので聞いてみる。すると、雨宮さんは意を決したように勢いよく顔を上げ、じっと俺の顔を見つめてきた。な、何事!?

 

「あ、あのっ、し、霜崎さんっ……」

 

 そして、何かを言い出そうと口を開く。……が、彼女が本題を切り出すよりも早く、俺の耳に雨宮さんともユリシアたちとも違う声が届いた。

 

「やあ、霜崎君。ここにいたんだね」

 

「ん? あっ、寺田君!? いたのか」

 

「うん、結構前からグラウンドにはいたんだ。霜崎君の存在には気づけなかったけどね。っとと、もしかしてお話の邪魔しちゃったかな?」

 

「え? って、そうだった。すみません、雨宮さん。それで、何でしたっけ?」

 

 寺田君の視線を追うと、そこにはしょんぼりと佇む雨宮さんの姿があった。ついつい寺田君に意識を向けてしまい、一瞬雨宮さんのことを忘れてしまっていた。うーん、申し訳ないことをしたなぁ。

 

 とにかく、先ほどの話に戻そうと声をかける。

 

「い、いえ……、何でもないんです……。その……、また後日……勇気が出たら話します……、しゅみましぇん……」

 

「その、なんかごめんね?」

 

「だ、大丈夫です、気にしてませんから……」

 

 明らかに気にしているよな……。でもまぁ、彼女が何でもないと言うのだから、これ以上深く尋ねるのは逆に失礼かもな。とりあえず、この話は終わりにしよう。

 

「あっ、申し遅れました。ボク、寺田雅って言います。霜崎君と同じ1年B組です。よろしく」

 

「あっ、丁寧にどうも。えっと、私は雨宮紅葉です。C組所属です。よろしくお願いします、寺田さん」

 

 寺田君と雨宮さんの二人は自己紹介を済ませる。すると、寺田君がちょいちょいと俺の肩を突いてきた。何事かと寺田君に視線を向けると、彼は背伸びをして俺の耳元に口を寄せてくる。その仕草は男がやるもんじゃないと思う。特に寺田君がやると、本気で男か女か分からなくなってくるから。

 

「また女の子引っかけたの?」

 

 なんて考えていると、寺田君は俺にだけ聞こえる声量でそんなことを言ってきた。いや、人聞き悪いなぁ……。それじゃまるで、俺がナンパしたみたいじゃないか……。俺は無言で寺田君を睨む。そんなんじゃないという意思表示だ。

 

「そ、そんな怖い顔しないでよ……」

 

「寺田君が変なこと言い出すからだろ……」

 

「でもなぁ、陸下さんと薊美さんの件があるからなぁ……」

 

「はぁ……、どれもたまたまなんだよ……。変な勘違いは止めてくれ……。あと、紗夜の件知ってたのな……」

 

 寺田君の物言いに、俺は溜息を吐いてそう返す。何度も言うようで申し訳ないが、俺にハーレム眼房なんてこれっぽっちもないんだ。悪い……かどうかは分からないが、とにかく偶然に偶然が重なった結果が今の状況なのである。

 

「ご、ごめんごめん……。君も大変だね……。あと、陸下さんが君のこと好きなのは、見てれば何となく分かるから」

 

「あ、あの、どうかしました?」

 

 俺と寺田君の二人だけでひそひそ会話していると、雨宮さんが少し寂しそうな声色でそう問いかけてきた。ちょっと放置しすぎてしまったな。そんなつもりはなかったのだが、仲間外れにされたと思わせてしまったかもしれない。

 

「っとと、ごめんね、雨宮さん。霜崎君は罪作りな男だねって話をしてたんだ」

 

「罪作り?」

 

「い、いや、気にしないでください……」

 

「そ、そうですか、分かりました。あっ、もう次私の番ですね」

 

 雨宮さんの言葉につられるように列を見ると、確かに雨宮さんの前に他の学生の姿はなかった。いつの間にか列の先頭まで来ていたようだ。

 

「私、中学の時にソフトボールやってたので、ちょっと自信あったりするんですよぉ。だから、霜崎さ……お、お二人に格好いいとこ見せちゃいます!」

 

「は、はい、期待してます……?」

 

 全くもって隠せていない誤魔化しに、俺はつい微妙な反応をしてしまう。鈍感主人公なら"ん? なんて?"で済ませられるのだろうが、現実の男はそんな都合の良い……?悪い……?耳は持っていない。

 

「フフッ、頑張ってね、雨宮さん。霜崎君に格好いいところ見せるために、ね」

 

「ひぅっ……、い、言わないでくださいよぉ……、せっかく誤魔化したのにぃ……! し、霜崎さんに気づかれちゃうじゃないですかぁ……!」

 

 ごめん、もう気づいてる……。が、ここは彼女のためにも知らないフリをしておこう。たとえ鈍感系主人公スキルは持っていなかったとしても、それを自発的に演じることは可能なのだ。

 

「え? どうかしたんですか?」

 

「なななにゃにゃにゃんでもないんでしゅぅっ!! しょ、しょれじゃあ私、行ってきましゅっ!」

 

「は、はい、頑張ってください……」

 

 顔を真っ赤にさせながら、雨宮さんは担当教員のもとへと駆け寄っていってしまった。俺はそんな彼女の背中に気の抜けたエールを送る。

 

「本当は気づいてるんでしょ?」

 

「ま、まぁ……ね……」

 

「気づかないフリをするとは、やっぱり優しいね、君は。にしても、あの子は陸下さんと同じ臭いがするね……、フフッ。からかいがいがありそうだなぁ」

 

「寺田君って、時々どぎついよな……」

 

 悪い笑みを浮かべる寺田君に、俺は若干引きながらそう言う。今後も、雨宮さんは寺田君の前では苦労させられそうだな。

 

「そう? あっ、見て。フォクサローゼリスさんたちがこっちに気づいたみたい」

 

 寺田君は俺の言葉に一瞬首をかしげてみせたが、ユリシア・紗夜・薊美さんの3人がこちらに視線を向けてきていることにすぐに気づき、俺にそう知らせてくれた。

 

 俺も彼女たちへと視線を向ける。相変わらず、薊美さんからの熱すぎる眼差しが痛い……。と思ったら、今度はユリシアと言い合いを始めた。あの二人、あれでデフォなんだよなぁ……。そして、そんな二人を他所に、紗夜が遠い目をしながらこちらに手を伸ばしてきていた。……あれは一体どういうことだろうか……?

 

 紗夜の講堂の意味が分からず首をかしげながらも、一応俺は3人に手を振っておく。すると、薊美さんがユリシアから視線を外し、またもキラキラした瞳でこちらをうっとりと見つめてくる。そうしたらまたユリシアに頭を叩かれ口喧嘩を始める……。飽きないねぇ……。

 

「フォクサローゼリスさんと薊美さんってさ、ト○とジ○リーみたいだよね」

 

「言われてみれば確かにな」

 

 寺田君とそんな会話を交わしていると、"えいっ"という可愛らしい掛け声がすぐそこから聞こえてきた。見ると、雨宮さんがボールを投擲したようだった。

 

「20.4m」

 

 そしてすぐに、計測担当の教員から記録が伝えられる。ふむ、高1の女子で20mも投げられるのは多分すごいことなんだろうな。記録係の教員も感心したような声を上げているし。

 

「雨宮さん、本当に投擲系特異なんだね」

 

「みたいだね……っと、第2球も綺麗に飛んだなぁ」

 

「21.0m」

 

「おお、さっきよりも伸びたね」

 

「だなぁ」

 

「ふぅ、終わった終わったぁ。どうでしたか?」

 

 すごいなぁと口々に感想を言い合う俺たちのもとへ、教員から記録用紙を受け取った雨宮さんが駆け寄ってくる。その表情は誇らし気だった。

 

「すごかったよ。フォームも綺麗だったし……って、ボクからの感想よりも霜崎君から言ってもらった方が嬉しいかな?」

 

「だからぁ! からかわないでくださいよぉっ!」

 

「でも、本当に綺麗でしたよ、雨宮さん。宣言通り、とても格好良かったです」

 

「ひぅっ!? しょ、しょう……でしゅか……」

 

 寺田君にまたもからかわれてわーわーと騒ぐ雨宮さんだったが、俺が素直な感想を述べると俯いて黙り込んでしまった。

 

「あっ、照れてるね」

 

「べ、べちゅにしょんにゃことにゃいでしゅよぉっ! わ、私っ、ちゅぎのけいしょく言ってきましゅぅっ!!」

 

 噛み噛みになりながらそう言うと、雨宮さんは全力疾走でその場から離脱してしまった。げ、元気だなぁ……。シャトルランの前に力尽きなきゃ良いけど……。

 

「まぁたそんな意地悪を……」

 

「あはは、楽しくてね。それにしても、霜崎君の褒め方って、まさしく女っ誑しのそれだよね」

 

「えっ、マジ……!?」

 

 と、そこで、教員に次を促され、俺はハンドボール投げの計測に向かった。俺が女誑し……、そんなバカな……。俺は改めて自分の発言を振り返るのだった。

 

 なお、ハンドボール投げの計測だが、雨宮さんがこの場からいなくなったことで誰からの誘惑も受けずに済むと高をくくっていたのだが、ユリシアたちからの期待するような眼差しに充てられ、結局俺はここでもやらかしてしまった。

 

「霜崎君、すごいなぁ。44.7mだって」

 

「あ、あはは……、はぁ……」

 

 もはや溜息しか出なかった。

 

 その後、寺田君もハンドボール投げの計測を終えて、俺たちはユリシアたち女性陣と合流した。どうやら寺田君も、雨宮さんと同じでグラウンドでの計測は全て網羅したようだったが、雨宮さんとは異なりそのまま俺たちについてきた。

 

 合流してすぐ、ユリシアと薊美さんが下の名前で呼び合い始めたことを知ったり、反復横跳びの計測を終えた紗夜がギブアップ寸前の状態になっていたりとまぁいろいろあったが、ようやくユリシアと合流できたことになんだかんだ喜んでいる自分がいた。やっぱ俺にはユリシアがいないとダメなんだなぁ。そう思った。

 

 それから女性陣が各々ハンドボール投げの計測を済ませ、俺たちは次に50m走の計測に向かうのだった。ちなみに、ユリシアも若干手加減を忘れ、女子にしては高すぎる数値を叩きだしていた。

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