※この作品はR-18です。

異世界帰りのハイスペック勇者様は、一緒に連れ帰ってきた最愛の狐耳少女(パートナー)と平凡で穏やかなイチャコライフを送りたい! ~微コミュ障でオタクな最強タッグのあまあMAXな共依存物語~   作:室谷 竜司

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この騒がしい日常とかけがえのない仲間たちに精いっぱいの"ありがとう"を……

「いやぁ、お夕飯も美味しかったね」

 

「あんな美味しいものをいつも食べられる月菜ちゃんはやっぱすごいなぁ」

 

「いえ、そんなことありませんわよ。全ては父親のおかげですわ。ワタクシもいつか父のようになりたいですわ」

 

 夕食後、リョウを除いた女子5人は夕食の感想を語り合いながら薊美家浴室を目指していた。今からみんなでお風呂に入るのだ。

 

 というわけだから、リョウは同行させられない。ルナの部屋で一人大人しく待っていてもらうことになった。リョウの裸を他のみんなに見せたりはしない。あと、他の子の裸をリョウに見させるわけにもいかないのである。

 

「パパの作るご飯に味が似てたかも」

 

「へぇ、そうなんだ。ってことは、メルちゃんとユリちゃんも実家ではあんな美味しいご飯食べてたんだ」

 

 とまぁ、しばらく一人きりにさせてしまうであろうリョウに心の中で謝罪をしつつみんなの会話に耳を傾けていると、不意にメルシアがぽつりとそう呟いたのが聞こえてきた。

 

 サヤも同じようにメルシアの呟きに反応し、良いな良いなと羨みの声を上げる。んー、メルシアの言うパパというのは実父のことではなくリョウのお父さんのことなんだよなぁ……。

 

「ん? 実家? あー、パパっていうのはお兄ちゃんのお父さんのことです」

 

「あれ? そうだったの? ってことは、涼君のお父さんがお料理上手ってことなんだ。そういえば、涼君もたまにお弁当作って持ってきてたもんね。なるほど、あれは父親直伝だったわけかぁ」

 

 わたしたち姉妹の複雑な事情について問われるかもと思っていたけど、幸い特に何か質問されるということはなかった。ある程度の事情を知っているサヤが上手く話を誘導してくれた。そういえば、サヤには前に一度身の上話をしたことがあったんだったね。

 

 ともかく、せっかくのお泊り会なわけだし雰囲気を暗くしたくはなかったので、サヤの気遣いはとてもありがたかった。

 

「味が似ているのも当然ですわ。だって、今の薊美家担当シェフは昔うちの経営するホテルで涼さんのお父様に扱かれているわけですから」

 

「ええっ!? そ、それってどういうこと!?」

 

「涼さんのお父様はうちのホテルのオーナー代理であり、キッチンチーフですわ。お父様に涼さんのお話をしたらそう教えてくださいました」

 

 サヤとクレハが驚きの声を上げる。まぁ、そりゃ驚くよね。なんせ、大財閥である薊美家の経営しているホテルのオーナー代理がまさかのリョウのお父さんなんだもんね。

 

 しかし、お父さんに弟子がいたとはちょっとびっくり。だから何処となく馴染みのある味だと思ったわけか。ようやく腑に落ちた感じ。

 

「どうやらお父様と涼さんのお父様は高校の時のご学友らしいですわ。その馴染みで今ホテルのオーナーを任せていると言っていました」

 

「ほへぇ、実は涼君のお家もすごかったのかぁ」

 

「でも、霜崎くんはそんなことないって否定しそうだね」

 

「それもそうですわね。っと、つきましたわよ。ここがうちの浴室ですわ。さあさあ皆さん、どうぞ中へ入ってくださいまし」

 

 霜崎家の真実についての暴露話が一区切りついたところで、わたしたち5人は薊美家浴室前まで辿り着く。広いと移動が少し大変そうだと、歩いていて思った。

 

 それからルナに導かれるまま、わたしたちはぞろぞろと廊下と脱衣所を隔てる扉をくぐっていく。その奥に広がる光景にルナ以外のみんなが一斉に息を飲むのが分かった。

 

「ま、まるで銭湯みたい! 広ーい! すごーい!」

 

「毎日こんなお風呂に入れるなんて羨ましいなぁ」

 

「ふわぁ……、こんな広いお風呂初めてですぅ」

 

「足伸ばし放題だね」

 

 わたしを含め、各々が感嘆の声を上げる。頻りにすごいと持て囃され、ルナは少しばかり居心地悪そうに身体をくねらせていた。

 

「そ、そんなすごいもんじゃないですわ。そ、それよりも、皆さん早く入りましょう。涼さんをお待たせしてしまっては申し訳ないですし」

 

「あっ、それもそうだね。えっと、荷物は……」

 

「こちらの棚をお使いください」

 

「ありがとう。こういう棚あると、余計銭湯っぽく見えてくるね」

 

 言いつつ、サヤはルナに勧められた棚に着替えを置く。続けてわたしたちも棚の前にやってきた。

 

 みんなでお風呂に入るなんて初めてだなぁ。いつもは基本的に一人か、一緒に入るとしてもリョウかメルシアだもんなぁ。楽しみでもあるけど、少し緊張もしてしまう。

 

「では、先に入って待ってますわ」

 

 見ると、ルナは既に全裸になっていた。脱ぐの速っ……。というか、これだけの人数いるのに躊躇がなかった……。流石はルナだ……。

 

 まぁ、躊躇する必要の内プロポーションだもんね、ルナは。同性のわたしから見ても、ルナの裸身は綺麗だった。

 

「ちょっと? どうしてジロジロ見ているのですか、ユリシアさんは……」

 

「えっ? あっ、ごめん……。綺麗だった……じゃなくて、脱ぐのに躊躇いがなかったから」

 

「女性同士なのですから躊躇いなんてしませんわよ。それに、恥ずかしがるほど変な身体はしていないつもりですし」

 

 そう言ってルナは浴室の中へ消えていった。その堂々とした立ち居振る舞いに呆気に取られてしまった。

 

「あいつ、やっぱすごいわ……」

 

「だねぇ。私もちょっと脱ぐの恥ずかしいかも……」

 

「わ、私も……。うぅ、最近ちょっとお腹周りが気になるんだよね……」

 

 なんて感じに各々恥ずかしがりながら、それぞれ着ていた服を一枚ずつ脱いでいく。お互いにチラチラと横目で相手を伺い、足並みを揃えながら行われる脱衣はきっと客観的に見ればシュールなものだっただろう。

 

 でも、実際恥ずかしいのだから仕方ない。

 

「え、えっと、じゃあお先に失礼しまーす」

 

 そうやっているうちに、メルシアが先に脱衣を終えて浴室内に入っていってしまった。わたしたち三人の姿に若干の苦笑を浮かべていたように見えたのはきっとわたしの気のせいじゃないはず。

 

「い、急がないと……だよね……。ふ、二人とも、あと下着だけ……?」

 

「う、うん……」

 

「せ、せーので脱ごうか。ね?」

 

「そ、そうしよう、うん。じゃ、じゃあいくよ……、せーのっ」

 

 いや、ホントになんだこれ……。自分でもバカみたいなことやってるなぁとは思う。隣を見れば、同じことを思っているようでサヤもクレハも微妙な表情を浮かべていた。

 

 だが、無事わたしたちも脱衣を終えた。学校の体育の授業で着替える際に下着姿は見たり見られたりしてきたけど、こうして全裸でみんなと相対するのは新鮮だ。

 

「うぅ……、やっぱ私貧相だぁ……。というか、二人とも大きすぎでしょ……、おっぱいの暴力だぁ……」

 

 恨みがましそうにサヤがわたしとクレハの胸部の膨らみを睨む。わたしに関してはまぁ……リョウのおかげなんだけど……、クレハに関しては元々のポテンシャルだもんなぁ。脱ぐ前から分かってはいたけど、そのすごさは衣服を取り払ったことでより一層強調されているような気がする。

 

 そう、滅茶苦茶でかいのである、クレハの胸は。わたしのよりもさらに……。上には上がいる……、自然界の掟というやつだね。

 

「ち、ちょっと二人とも!? そんな見られたら恥ずかしいんだけど……。あんまりあっても良いことないんだよ……? む、旨なんて……。男の子にジロジロ見られるし……、走ったりすると痛いし……」

 

 確かに、ジロジロ見られるというデメリットはある。特に木戸田みたいなクソ野郎に見られていると思うと少しぞわっとする。

 

 まぁでも、それくらいのことなら我慢できるくらいのメリットがわたしにはあるのだけど。そう、何を隠そうわたしのこのおっぱいにはリョウを夢中にさせる最強………いや、最胸の魔法が秘められているのだ。

 

「というか、紗夜さんだってシュッとしてて綺麗なスタイルしてるじゃない」

 

「い、いやいや、ただただ胸がなくて貧相なだけだよ……。良いなぁ、私も二人みたいにぼいんぼいんなナイスバディになりたかったよ……、トホホ……」

 

「べ、別にナイスバディってわけじゃないと思うんだけどなぁ……」

 

「そ、そうだよ。わたしなんて他は小っちゃいし。それにほら、まだ下の毛だって生えてないんだし」

 

 ちょっとずつ緊張も解れてきたことで、わたしも若干大胆になってきた。自身の股間を指差しながら、まだパイパンであることをアピールしてしまう。

 

 サヤもクレハも、あとルナも、それぞれ量は異なれど一応生えてはいる。なので、この場で生えていないのはわたしとメルシアの二人だけである。

 

「えっ? あっ、ホントだぁ。えっ、もしかして天然?」

 

「う、うん。剃ったりはしてないよ。まだ生えてこないの」

 

「へぇ、なんかレアかも。でも、アンダーヘアなんてなくて良いよ、絶対。生えてても良いことないから」

 

「そうそう。蒸れるしね。お手入れも大変だよ」

 

 なんだか生々しいトークが展開され始めてしまった。もっとも、その流れを作り出してしまったのはわたしなのだけど……。

 

 でも、そうなのか……。あっても良いことないのかぁ。というか、クレハは毛の手入れとかしてるんだ。確かに大変そうだなぁ。

 

「あはは、私は整えるほどの量じゃないからその辺はありがたいけどね。でも、胸がないのはやっぱ女としてはちょっとなぁ……」

 

「大丈夫だよ。きっとこれからだよ……へくちゅっ……。うぅ、少し冷えてきちゃったかも……」

 

「あっ、そ、そうだね。んじゃ、そろそろ私たちもお風呂入ろっか」

 

「だねぇ」

 

 すっかり恥ずかしさもなくなったところで、わたしたち三人も浴室へと足を踏み入れることにした。

 

 がらりと扉を開け中に入ると、椅子に座って身体を洗いながら談笑しているメルシアとルナの姿を見止めた。

 

「あっ、みんなやっときた」

 

「三人とも、遅いですわよ。何してたのですか?」

 

 ようやく入ってきたわたしたちの存在に気づくと、二人はこちらに視線を向けそれぞれブーイングを飛ばしてきた。

 

「ご、ごめんごめん、恥ずかしがってたら遅くなっちゃった……」

 

「恥ずかしい……って、女性同士なのに?」

 

「ま、まぁ、女の子同士でも恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ。特に私なんてこの中で一番貧しいから……、胸とか……お尻とか……」

 

 またも自虐を始めるサヤ。相当自分の身体に自信がないようだ。んー、わたしからすればそんなこともないと思うんだけど……。

 

「身体なんて千差万別ですわ。他と比べる者じゃありませんわよ……って、丁度メルシアさんにもお話していたところなんです。そういうわけですから、紗夜さんも順位付けなんかせずにオンリーワンの自分の身体を大事にしてあげてくださいな」

 

「そ、そっか。うん、ありがとう、月菜ちゃん。やっぱり月菜ちゃんは考え方が大人だなぁ。格好いいや」

 

「ですよね! あたしもすごく感動しちゃいました。ルナさんのこと、尊敬しちゃいました」

 

「や、止めてくださいな、恥ずかしいですわ」

 

 メルシアからの熱い眼差しを受けて照れたルナはそう言いながらシャワーのお湯を頭からかぶった。

 

 そんな彼女の姿にくすりと一つ笑みを溢し、それからわたしも洗い場にかけられたシャワーヘッドを手に取り洗体・洗髪に移った。わたしに続くようにしてサヤとクレハも身を清め始めていた。

 

 そうして身体を綺麗にし終えたわたしたちは、揃って広い湯船に身体を沈め一息つく。うん、5人が一斉に浸かっても余裕の広さ、素晴らしい……。

 

「う、浮いてる……。ぷかぷか浮いてる……」

 

「すごいですわね……、先ほど千差万別とは言いましたが、あれは流石のワタクシも嫉妬してしまいますわ……」

 

「え、ええっ!? ちょっと、そんな見ないでってばぁ……」

 

 二つの巨房が水面に浮かぶ様子を羨ましそうに見つめるサヤとルナに、クレハが恥じらいながら抗議の声を上げている。

 

 でも、仕方ないよね……。あれはどうしても見ちゃうよね……。わたしも家でリョウとお風呂入ってる時なんか、同じような状態のおっぱいをよくリョウにガン見されてるし。

 

「そ、その、興味本位でちょっとお尋ねしたいのですが……、紅葉さんは一体何センチなのでしょうか……なんて」

 

「あっ、それ私も気になる! ついでにカップ数も」

 

「あ、あたしも……ちょっと気になるかもです……」

 

「えええっ、それは流石に恥ずかしいよぉ……。そ、そんなキラキラした目で見ないでぇ……。じ、じゃあ、みんなのも教えてよね……? 私一人だけ公開するのは嫌だからみんな道連れだよ」

 

 なんかよく分からないけど、お互いのスリーサイズを暴露する大会に発展してしまった。わたしが多分一番のとばっちりだよね、これ……。まぁ良いけど。

 

 そんなわけで、まずは当事者であるクレハから……。

 

「は、恥ずかしいなぁ……。え、えっと、この間の身体測定では確か……95/61/86……だったかな……」

 

「えっ、95!? で、でっか!! な、何カップなの!?」

 

「あ、Iカップ……です……」

 

「ほえぇ、マジかぁ……。大きすぎ! 少しくらい私に寄こせやい!」

 

「うわぁん、やめてよぉっ! ひゃん、くすぐったいからぁ!! そ、そういう紗夜さんはどうなの? みんな言う約束だからね?」

 

「私? ふふん、聞いて驚くが良い! 71/55/73だ! Aかっぷだ! 去年とほとんど変わってないよ……、う、うううぅ……」

 

 自分で自分の心を抉り、サヤがその場に崩れ落ちる。情緒不安定か……と言いたくなるほど、サヤの感情の起伏は激しかった。

 

 そんなサヤをクレハが宥めつつ、次の暴露を視線で促してくる。本気で全員道連れにするつもりだ、クレハの奴……。

 

「く、紅葉さん、目が怖いですわよ……。ちゃんと言いますから。ええっと、ワタクシは確か、上から83/59/80……だったと思いますわ。で、カップ数も言うんでしたわよね……。Dカップです……これ、ちょっと恥ずかしいですわね……」

 

 おお、流石のルナでもこれは恥ずかしいんだ。にしても、やはりバランスの取れたスタイルしてるなぁ、ルナは。見た目良し、性格もまぁまぁ良し、それでいて頭も良い……。薊美家令嬢はホントにすごいものだ……。

 

 なお、クレハはルナの恥ずかしがる姿を見れてご満悦のようだ。満面の笑みが眩しいよ……。

 

「え、えっと、次はあたし……ですか。ん、んん……、一番最近計ったやつだと……あの時の……だよね……。んんっと、69/54/71……だった気がします。え、Aカップ……です……」

 

 まぁ、メルシアはこの中では最年少だしね。まだまだ成長する見込みもあるってものだよね。……って言っても、わたしたちとは1歳しか年変わらないのだけど。

 

でも、希望は捨てちゃいけない。サヤもメルシアもね。もしかしたら将来、この中で一番のナイスバディになっている可能性だって有り得ない話じゃないわけなんだからね。

 

「んで、ユリシアさんは?」

 

 あ、そっか。メルシアまでいったってことは、最後はわたしか……。若干の躊躇はあるけど、もうみんな暴露した後だし大してハードルは高くないかな。

 

「わたしはね、この間の身体測定では88/57/80だったよ。カップ数はGです。うん、みんなが言った後だからそこまで恥ずかしくないかもね」

 

「バストサイズだけずば抜けてるのすげぇ……。というか、ユリちゃんGカップだったんだぁ……。実際のサイズ聞くと余計半端なく見えてくるわぁ……」

 

「そうかな? えへへ……」

 

「くっ、その身体を使って毎晩のように涼さんを誘惑しているわけですのね……。羨ましい限りですわ……」

 

 ルナから無遠慮に注がれる視線……。まぁ、ここは同道としていよう。むしろどや顔なんかキメちゃったりね? どやぁ!

 

「なっ、そ、それは挑発ですか!? ワタクシ、今挑発されていると受け取って良いのですわよね?」

 

「ふふん、リョウはわたしの心都身体にメロメロよ。誰かが入り込む隙なんて何処にもないんだから」

 

「い、いいえ、絶対にユリシアさんを超えてみせますわっ! そんな淫乱ボディになんか負けませんわよ」

 

「ちょっ、誰が淫乱ボディやねんっ!」

 

 湯船の中でもバチボコなわたしとルナ。いつものようにヒートアップし、やがてお互い立ち上がって睨み合う。

 

「あら、ふふふっ。確かに淫乱ボディではないかもしれませんわね。胸だけ無駄に大きい以外はまだまだおこちゃまのようですわね」

 

「ど、何処見て言ってんのよっ!」

 

「別に? うふふっ、つるつる……うふふふふっ」

 

「ば、馬鹿にすんなぁ!! これでもリョウには好評なんだぞ!! パイパンは」

 

 やっぱりルナとの関係はこうでなくちゃね。遠慮なく言いたいことを言い合える悪友……それがルナだとわたしは思っている。

 

「り、涼君はおっぱいとパイパンが好きなんだ……、ごくり……」

 

「はわわわわ……、なんか聞いちゃいけないことを聞いちゃってる気がするよ……。で、でも、霜崎くんがおっぱい好きなら……チャンスはあるのかな?」

 

「く、紅葉ちゃん!?」

 

「ふえっ!? あ、いや、な、何でもない! 何でもないから!!」

 

 わたしとルナのバチバチの裏でそんなやり取りがあったようだが、わたしたちの耳には届いていなかった。当然、事態を傍観していたメルシアの小さな溜息にも気づくことはなかった。

 

    *

 

 騒がしい入浴タイムも終わり、わたしたちはルナの部屋に戻ってきた。今はリョウがわたしたちに変わって入浴中である。

 

 覗きにでも行ってそのままエッチしちゃおうかなぁ……などとも考えたけど、流石に他人の家出は止めておくことにした。というか、リョウに怒られそうだし。

 

 今日一日はお預けになると思うので、また明日リョウにいっぱい可愛がってもらうことにしよう。ふふふ、明日が楽しみだ♪ 濃厚なエッチになるだろうね。

 

 というわけで、今は各々好きなことをして過ごしている。ルナとクレハはすっかりテレビゲームの魅力に魅入られてしまったようで、メルシアを伴いレースゲームに興じている。わたしはそんな三人の楽し気な様子を後ろから見守りつつ、もう一人の存在を横目で確認していた。

 

 そう、サヤだ。彼女は部屋の隅で一人、小型PCとにらめっこしていた。というか、ぶっちゃけるとエロゲをプレイしていた。

 

 勇気あるな……。友人の家にエロゲ持ち込むなんて……。まぁ、サヤらしいと言えばらしいのかもしれないけどね。

 

 なんて考えつつも、わたしもそのエロゲの内容が気になってしまう……。あのキャラ絵、なんか何処かで見たことあるような気がするんだよなぁ……。

 

 って、ああ、そうか。くらててだ! くらててのキャラにそっくりなんだ。通りで見覚えあると思ったら……。

 

 ってかさ、くらててのエロゲなんてあるの!? その事実に驚きなんだけど……。ちょっとサヤに聞いてみようかな……。もしかしたらただ似てるってだけで別物かもしれないしね。

 

「サヤ、そのキャラ何となくくらてての美緒ちゃんに似てない?」

 

「んー、だって美緒ちゃんだもん……って、ユリちゃん!? い、何時の魔に……!? というか、気づいてたの!?」

 

「うん、まぁね。それ、エロゲだよね? くらててのエロゲなんてあるんだね」

 

「き、気づかれてないと思ってた……、不覚……。えっとね、これは同人エロゲだよ。くらててのファンの方が二次的に作成したものなの。だから、声優とかは美緒ちゃん本人じゃないよ。頑張って似せようとしてるのは伝わってくるけどね」

 

 なるほど、同人か。同人なら二次創作とかもできるんだね。なんか面白そうだ。わたしもサヤに交じってエロゲ観賞としゃれこむことにした。

 

 丁度、美緒ちゃんが裸エプロン姿になっている一枚絵がどどんと表示されているシーンだ。んん、これはなかなか……。

 

 くらててにはラッキースケベとかえっちなハプニングとか、そういうシーンはなかったからね。ファンもむずむずしていたのだろう。だからこうして同人作品として世に出回っているわけなのだろう。

 

「わぁお、エッチだねぇ」

 

「そだねぇ。んん、乳首がちょっと覗けてるのが良いね」

 

「流石っ! ユリちゃん分かってるぅ」

 

「まぁね」

 

 そうしてエロゲに夢中になっていたわたしたちは、背後で流れていたテレビゲームの音がすっかり消えていたことにも気づいていなかった。

 

 そして、シーンが切り替わる際の画面のブラックアウトでようやく気づいた。……クレハ・ルナ・メルシアの三人が後ろで一緒に画面を眺めていた、という事実に。

 

「うひゃあっ!? み、みんな見てたの!?」

 

「そ、それ、くらてての……美緒って子だよね……?」

 

「な、なんて破廉恥な……」

 

 言いつつも、クレハとルナの視線は画面に固定されたままだった。わたしたち同様、彼女らも夢中になってしまっていたようだ。やはり、男手荒れ女であれエロに逆らうことはできないようだ。

 

「……」

 

 メルシアも無言で画面に没頭しているようだった。というわけなので、ここから先は5人でエロゲ観賞会をすることになったとさ。

 

 えっちなシーンが来るたびに、みんなごくりと唾を呑み込みながら食い入るように画面を凝視しているのが面白かった。しかも、数人太腿を擦り合わせてすらいた。興奮してしまったみたいだ。顔も真っ赤だったしね。

 

 後に、お風呂から戻ってきたリョウに見つかりみんなして慌てふためいたのは言うまでもない。この時ばかりはサヤの顔も赤くなっていた。

 

 結局、最後までハチャメチャな一日だった。でも、こんな騒がしくて平和な日常が戻ってきたということが無性に嬉しかった。

 

 それもこれもみんなのおかげだね。考えれば考えるほど、みんなへのありがとうの気持ちが強くなっていく。

 

 明日またお礼を言おう。ルナが用意してくれた布団の上でわたしはそう決心、それから目を閉じ……。

 

「んっ……♡ んぅ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」

 

 ……ようとしたけど、できなかった……。みんな寝静まったと思ったのか、誰かがオナニーを始めてしまったみたいだ……。

 

 きっと、さっきのエロゲの余韻がまだ残ってたんだろう。しかし……、リョウも一緒の空間で寝ているというのに勇気あるなぁ……。

 

 とまぁ、あんまり盗み聞きされるのも嫌だろうし、今度こそ寝よう。というわけで、おやすみなさい、This World。

 

    *

 

「月菜ちゃん、ありがとうね! お泊り楽しかったよ!」

 

「うん、私もすっごく楽しかった。誘ってくれてありがとう」

 

「ええ、こちらこそ来てくださってありがとうございました。とても楽しい時間を過ごせましたわ」

 

 次の日、昼過ぎまで引き続き遊んだわたしたちだったが、流石にそろそろ解散しようということになった。

 

 みんな名残惜しそうではあったけどね。……ただ、リョウだけは今朝からものすごく居心地が悪そうにしていたんだけど。

 

 もしかしたら、昨晩の誰かのオナニーをリョウも効いてしまっていたのかもしれない。そりゃ確かに気まずいよね。

 

「また機会があれば何時でも来てくださいな。歓迎いたしますわ」

 

「はい、その時はまた一緒に遊んでください」

 

 ルナ、すっかりメルシアになつかれちゃって。姉としてはちょっとばかし複雑だけど、メルシアにまた友達ができたと思えばそんな姉の嫉妬も薄らぐというものだ。

 

「もぅ、本当に可愛い子ですわ、メルシアさんは。うちの子になってほしいくらいですわ。どうですかね?」

 

「え、えっと、それは流石に……」

 

「ちょっとルナ、うちの妹に変なこと言わないでよ。また何時でもメルシアとは会わせたげるから」

 

「そういうことなら我慢いたしますわ」

 

 ルナの感情が少しヒートアップしすぎていたのでストップはかけておく。流石に妹を差し出すわけにはいかない。

 

「それと……ルナ、いろいろとありがとうね」

 

「な、何ですの? いきなり……」

 

「お泊り会のこともそうだし、学校でのことも……。とにかく、ルナがいてくれて良かった。改めてお礼言わせて」

 

「ユリシアさん……。だ、だから、貴女にそういうのは似合わないですわよ……」

 

「今くらい、素直になったって良いじゃないのさ……」

 

 最後はいつものように軽口の叩き合いになってしまったけど、ちゃんとお礼は言えた。それで充分だ。

 

「え、えっと、それじゃあ薊美さん、またね。今度はうちにもおいでよ」

 

「あら、それは素敵ですわね! 是非お邪魔したいですわ」

 

「ここみたいに広くはないけどね。それでも良ければ」

 

「いえいえ、広さなんて関係ありませんわ。むふぅ、楽しみですわ」

 

 そんな風にリョウも薊美さんと一言二言やり取りを交わし、そうしてわたしたちはルナの家を去った。

 

 はぁ、ホントに楽しかった。良い思い出ができたよ。

 

 それに、メルシアにとっても良い刺激になったんじゃないかな。

 

「楽しかったね、お姉ちゃん、お兄ちゃん」

 

「そうだな。まぁ、男一人だったから、俺はちょっと肩身狭かったけど」

 

 そう言って苦笑を浮かべるリョウ。あはは、昨晩のことを大分ひきずってしまっているみたいだ……。まぁ、他人の自慰の様子を聞いてしまったんだし、当然と言えば当然か。

 

 これはもう、後でわたしで上書きしてあげないとね。帰ったら早速リョウとエッチだ。頑張るぞ!

 

「にしても、ユリシアと薊美さんは相も変わらず仲が良いよなぁ」

 

「んー、そうかも。なんか、相性が良いなって自分でも思うんだよね」

 

「この間、変な夢見て俺に縋りついてきていた奴のセリフとは思えないな、ははっ」

 

 ……そういえば、そんなこともあったなぁ。あの時はまだルナのことを完全に信用できていなかった。

 

 けど、今は違う。ルナはもう、わたしの大切な友人だ。ホント、今思うとなんであんな夢見たんだろうなぁ……。

 

「大丈夫。もうあんな夢は見ないから」

 

「本当か? まっ、ユリシアがそう言うなら信じるさ」

 

 ふわりと頬を撫でるリョウの手の心地良さに、わたしは自然と笑みを溢していた。うん、やっぱり平穏な日常が一番だ。

 

 これからも、サヤやルナ、クレハ、そしてリョウ、メルシアたちと、穏やかで楽しい毎日が遅れると良いな。

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