さて、今日のトランスフォーマーは、台所ロマン劇場から話を始めよう!
『ああんもう好き好き! キスしちゃう』
テレトラン1のスクリーンには、その美貌さえ陳腐に思わせるほど俗っぽいドラマが展開されていた。
「やれやれ、こんな面白味のない映像を観るなんて人間の行動様式は謎だね」
肩を竦めたのはギアーズだった。同胞のミニボット、ドラッグもそれに続く。
「ふん、理解する必要はないね。だいいち、異星人の趣向について考えることが不毛でムダさ」
彼はスパイクがいても容赦なく人間へ皮肉を浴びせる。
「僕も君たちの事は、意外と分からないけれどね。……ああっ」
テレトラン1は、男女の露わになった肉体を映していた。今週のロマン劇場は、少々過激のようである。スパイクはなんとなくカーリーの肌を想像してしまい、一人でに恥辱を味わっていた。青春に由来したその恥辱は、サイバトロン軍の撃鉄を打つ羽目になる。
「も、もうそんなシーンまで観ないでいいでしょ! ほら、テレトラン1を消してよ!」
「そんなシーン? どういう事だい?」
「サンストリーカーと同じ事を思ったよ。そんなに大声を出して、一体どうしたんだスパイク」
ワーパスが総意を代弁するかのように問うた。その砲身はスパイクに向けられていた。
「それは、その……恥ずかしいシーンなんだ、僕たち人間にとって」
「? 有機生命体の『繁殖』は種の存続に重要だと聞いているが」
ランボルは冷静に意見を表した。
「だから人間の行動に興味を持つなんてナンセンスなんだよ!」
「ドラッグ君そりゃ言いすぎだ。まあ待ちなさい君たち、この吾輩ホイルジャックがご説明させてもらいますがね、オホン」
スライドするゲートから現れたのは、サイバトロン随一の発明家だった。
「人間のような──ある程度知性を持った炭素生命体が持つ感情の機微については不明な部分が多い。その原因は我々が彼らではないからであろう。では彼らになってみるというのが吾輩の着眼点でね」
「御託はいいが、何を考えているんだ? まさか、この間みたいに人間とトランスフォーマーを入れ替えようってんじゃないだろうな」
アイアンハイドが食ってかかった。スパイクは自分が機械生命体に埋め込まれたのを思い出し少し身震いした。
「大丈夫! あれは確立してから行なうべき実験だ。題して、『トランスフォーマーオーガズム作戦』!」
スパイクの表情は着実に蒼白していった。賢者の無知は、その穴を埋めるべく危険な領域に足を踏み入れるのだと、小さい彼は慄然とした。
……そんなアーク内の熱狂を、コンドルの目が盗み見ていたのは誰も知らなかった。
*
「──ハッハッハッハッ! バカバカしいぜコイツら!
「静かにしろスタースクリーム! もうよい、再生を終わらせろ」
「ハイ」
ここはデストロン臨時基地。サウンドウェーブとスタースクリームを囲い、メガトロンは敵軍の密計を目にしていた。
「コンボイたちが人間とより深い共感をすれば、奴らの依存関係も比例するはずだ」
「と、いいますと?」
「つまり、地球という戦場において地の利を得る事になる」
スタースクリームは揚げ足を取るべくメガトロンの様子を窺う。対してサウンドウェーブは物体みたいに微動だにしない。
「まさかあいつらの猿真似をするってんじゃないでしょうな? 俺はゴメンですぜ」
「最後まで聞かんかこの愚か者め! すでにデストロン軍はこの地球において孤立しているんだ、だから今更人間どもとコンタクトを取るつもりはない。よいか、総攻撃をして計画を頓挫させるのだ。時間はない、デストロン軍団! 出撃用意ッ!」
「つまりいつも通りってこった。やれやれ……トランスフォーム!」
スタースクリームは悪態を忘れずに、自分のリーダーへと付き従った。
*
ここは、サイバトロン司令室──
「おわぁ、これが人間のオチンチンかあ!」
「おいおいバンブル、もう人間だけのモノじゃないぜ。オレたちのものでもあるんだ」
サンストリーカーとバンブルは、互いの黄色い金属製の撓る『ナニ』を見せ合っていた。
スパイクは恥を知らない彼らに苦言を浴びせる気力もなかった。このままでは人間たちの信用を失墜させるに違いないと頭を抱えたが、抱えるだけだった。
「どうだい各々方、サイズに文句のある者は吾輩に申し出なさい。取り替えて差し上げよう」
「サイズはいいんだが、……なんていうか、コイツは何かに触れると妙な感覚がするぜ。痺れるというか、痛みではないんだが……」
「それは正常に動作している証拠! 心配ご無用だ」
この光景は、スパイクにとって悍ましいものであった。まるで、無邪気な少年たちに卑俗な行為を教えてしまった時みたいな──否、そんな甘いものではない、卑俗な行為を知らない無垢な大人に出会った時の恐怖感の方に似ていた。
「ハハハ、見ろよワーパスの奴、多砲塔戦車になってやがる」
ワーパスの間が悪そうな姿を見て、ギアーズが嘲る。
「畜生、これじゃ時代遅れだぜ」
「まあまあそう言い争いなさんな。これはただ人間の気持ちを知るだけではない、キチンと軍用を意識して設計された我が至高の傑作でな……」
「そんなご高説、誰も聞いちゃいないぜホイルジャックよ。どいつもこいつも、チンコだか何だか知らないが騒いでいて落ち着かんな」
一人だけ装着を拒否したドラッグがニヒルに吐き捨てた。
「それにしても不可解だな……なぜ『男性器』たるものが我々にはないのに、『女性器』たるものだけ我々は既に具有していたのか──」
「コンボイ司令官はまだ装着していないようだな……ムッ!」
鳴り響く、警報!
「サイバトロン戦士! デストロン軍の襲撃に備えろ!!」
アイアンハイドが司令官を代行して啖呵を切る。
「こ、コレを付けたままでか? ええい仕方がない」
各々の色彩をしたソレを、股からぶらんと垂らしたままサイバトロン軍は天空に敵を見据える。
「ああん? あいつら、何を脚の間にぶら下げてやがるんでしょう」
フレンジーは極めて単純に疑問を持った。
「ワシにも分からんが、あの計画は挫く必要があるに違いないぞ。さあ、デストロン軍団、アターック!」
メガトロン率いるデストロン軍団が一斉にレーザーライフルによる掃射を開始した。
さあ、戦いだ!!
「よいか諸君、まずは奴らを地上に叩き落とすのだ! 自由を奪ったら我々の攻勢だ!」
ホイルジャックは自分の計画を成功へと仕向けるべく指令した。
「それならこのジェットパックを使って、やってやろう!」
「オレもいくぜ兄弟!」
ランボルとサンストリーカーが空へと駆け上がった。目まぐるしい砲撃を掻い潜りジェットロンにしがみついた。
一方、ギアーズはサウンドウェーブに射撃を命中させていた!
「グアアッ」
「ようし、一丁コイツをぶち込んでみようじゃないの!」
「ナ、ナニヲスル」
仰向けになったサウンドウェーブに、小柄のギアーズが乗り上げる。
「ナンダソノ棒ハ」
「なんだか、やる気が高まってきたぜ──こうすればいいんだっけか」
ギアーズは、サウンドウェーブに『なぜか』具わった、閉じた穴の器官に陰茎と思しきものを押し当てる。
「ウ、ウワアッ」
やがて、それはズブリと這入り、ギアーズの快楽中枢を強烈に刺激した!!
「イ──イジェエエエクト!!!!」
情報参謀の下の口は、愛液という潤滑油で溢れ返っていた!
「こいつはたまんねえぜ! おい、お前らもやってみろ!!」
次々と膣を求める、サイバトロンたち!!
「なんだかギアーズが昂っているが……しかし有用な作戦と見た! 俺も後に続かせてもらうぜ!」
アイアンハイドの巨大なペニスは、フレンジーの小さな膣口を貫いた!!!
「や、やめろおッ!!!! ウ、ウヒャアアアアアッ!!!!!! か、勘弁してくれえええッッ!!」
「おい! みんな! こうすると気持ちいぞ!」
フレンジーを実験台のようにして、アイアンハイドは激しく腰を揺らす。
「クソッ、上手く撃ち落とせねえぜ……あのブリッツウィングの野郎」
「そういう時はだねワーパス君、下の砲身を擦ってみなさい」
「あん? こうか──オッ!? や、ヤベエ!」
ワーパスは敵兵を見上げながら、マスターベーションを始めた!
「う……なにかが出る!クる!!」
「それを
シコシコシコシコ!!!!
「ウウオオオオオ!! 喰らええええ!!」
二重の射撃をついに避け切れず、白濁したエネルギー液を被ってしまったブリッツウィング!
「ウオッ、なんだこれは……く、くせえええッ!!!」
地に伏したトリプルチェンジャーの彼に、狙っていたと言わんばかりのホイルジャックの手が伸びた。
どうなったかは、述べるまでもない。
「ワーパスめ、なんだか一歩先にいった芸当をやりやがって……ようし!!」
サンストリーカーは空中で、スカイワープにしがみついたままペニスを中に挿れた!
「ぐわああッ……な、なんだこの感触は、方向指示機能がヤラれそうだ」
スカイワープはトンボのように周回しながら飛び、黄色い敵を下ろそうとするも、彼らの結合部はあまりにも深かった。
「こりゃなかなかダイナミックだぜ! あああっ、たまんねえ!」
ランボルは、なんとなく兄弟を奪われた気がしてチリチリと燃える感情を覚えたが、それを嫉妬と分からないままサンダークラッカーとセックスしていた。
「クソったれ、なんだこの気持ちは……!」
二機の戦闘機が空中で犯されている──
人呼んで、これ、
「うあっ、オレもアレが出そうだ……ウウッ!」
ビュルルルッ!!!
「あ、が……」
「ふうー……これが中出しってやつか」
スカイワープは力なく、股間から白濁液を垂らしながら墜落した。
「メガトロン様! こいつらなんだかおかしいですぜ」
「状況は不利か……デストロン軍団、退却!!!」
「待てい!」
我先に逃げ出そうとするメガトロンとスタースクリームを制止したのは、コンボイだった!!
「コンボイ司令官だ……!」
かような興奮の坩堝においても、コンボイに向けられた眼差しは敬愛そのものだった。
しかし、彼の股座からも、露骨に巨大な、むしろ凶悪なサイズのソレがそそり立っていた。
「お前たちの悪行もこれで最後だ。……サイバトロン戦士!! 奴らに追い打ちをしかけるぞ!」
一斉に自分のナニをコキ始める、サイバトロンたち!!!!
「お、おい何をするつもりだ」
「そんな事どうでもいいでしょう! お、俺は逃げますぜ──」
ドビュルルルルーーーーッ!!!!!!!!!!
「どわぁっ!?」
未曾有の精液がデストロン軍を襲い、機能停止に追い込む!
「これでお前たちは手足も出まい」
「ググ……コンボイ……貴様」
メガトロンのエンブレムに付着した汚物を見下すコンボイ。その表情は、どことなく優越感や満足感を匂わせるものであるのがマスク越しでも見て取れる。
「ゆくぞ!! サイバトロン戦士!!! 種付け作戦発動だ!!!」
「うおおおおおおお!!!!!!」
正義の戦士たちの熱量を阻止できるものは、誰もいなかった!
パンパンパンッ!!!
「よ、よせ! コンボイ!! ワシは、ワシはぁあ!!」
「グ……イくぞメガトロン……! 中に!!」
「ひゃ、やめろコンボイ!!!!!
「ホアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
ビュルルルルルルッッッ!!!
「う、あ……」
まさに怒涛の勢いで注がれる、コンボイのザーメン!!! これはメガトロンにとって、致命的な中出しとなったと同時に、屈辱の破瓜となった。
そして、遁走に失敗した航空参謀は!
「わ……や、よせ、やめてくれ、お願いだ、見逃してくれ──」
「やなこった!」
「お前の鼻につく態度にはウンザリしてたんだよ!」
「その減らず口を塞いでやろう、オラッ」
底の知れない性欲を与えられたアイアンハイドとワーパス、そしてギアーズの三人による強姦が始まっていた!
「ウワアアアアッ!!!!」
「ふむ……実験は大成功ですな!」
見事な快進撃が、ホイルジャックの行なう計画の成功を証左していた。
「しかし……気になるな。なぜ我々に雌の機能と、それに──」
ホイルジャックは岩陰に隠れて考察していた。
「なぜ、トランスフォーマーが絶頂に至ると、目視が困難なレベルの『黒いなにか』が生じるのだろう」
彼の
*
戦闘はサイバトロンの完勝に終わった。
「作戦は大成功でしたな、司令官」
「ああ……ホイルジャックの発明史上、最大の成功だな。ハッハッハッ」
基地では作戦のフィードバックが行われていた。
「しかし、これは本来『生殖』、つまり殖える行為であります。ですんで、デストロンの連中の
「へえ! つまり工場いらずってワケだ」
バンブルが無邪気に自分のマラを握り締めた。
「問題なのは、射精をした後しばらくの間、意欲が失われてしまう心理状態に陥る事だな」
「ああ司令官、それは人間の雄がみせる『賢者タイム』というものを再現したのです。ううむ、それよりも新たな課題が見つかりまして」
ホイルジャックが頭を掻きながら、歯切れ悪く述べる。
「人間と違って、我々の交尾には黒い微粒子が発生しましてね、これに危険性があるかどうか調べん事には」
「何だと? それは調査の必要があるが……どうするんだ」
「あの物質を微量でもいいので採取できればと。そのためには」
「ようしわかった! サイバトロン戦士!! セックス開始ーッ!!」
「待ってたぜ! おい、オレとヤるぞサンストリーカー」
「そんなにハシャぐなって」
「俺は自分でコくのが好きだぜ」
「俺は口に出すのにハマったよ。あのスタースクリームの表情を思い出すと……ウッ」
思い思いに欲望を滾らせる機械生命体たち。
「フム……大事にならんといいが」
その微粒子がいずれ結合しひとつの意思を持ち、
見ないほうがいいと思います。
マーベル版G2に出たスウォームについては、生殖も自己分裂みたいなもんだなと感じたからこういう展開にしました。。。