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今日のトランスフォーマーは、サイバトロン月面基地から話を始めよう!
「報告します司令官! アダムスの偵察によると、ジャガーの妊娠は確実だったようです!!」
「フム……そうか分かった。もう下がってくれい」
項垂れたコンボイの青い視線の先に、自分の巨大なナニがあった。踵を返したコンボイ司令官の背中──と臀部──を見つめるバンブルは彼の心労について気にしていた。
「司令官、やっぱりオイラたち、無責任な中出しをし過ぎたんでしょうか」
「ああ……だが仕方がない。ミスをいつまでも悔いている時間は私たちにはない」
粛然と語るコンボイの声は、サイバトロンを多少は安心させた。デストロンをレイプする作戦を有効打だと信じ、それを推し進めたのはリーダーの彼だったのだが、デストロンは子供を宿し、結果的に彼らは殖えてしまったのだ。むろんこの事態に責任を感じないわけがなかった。
そんな彼の重圧は誰かに分けられるものではなかったのだ。
「フン、だから反対したんだよ。こんな事ばっかりしてるから地球から追放されたんだ」
ドラッグがチクリと皮肉を浴びせる。片腕を損傷したアイアンハイドが、診察台から上半身を起こして反論する。
「おいドラッグ、あまり滅多な口を利くんじゃないぞ──お前のヴァギナを閉じなくなるまで拡げてやってもいいんだぜ」
「やれるもんならやってみな、お前の小さいオチンコじゃ挿入されたかどうかもわかりゃしない」
「なんだと……!」
基地の空気に亀裂が生じた。この緊張感には一同も慣れているようだったが、それを放っておくほど彼らのリーダーは愚かではなかった。
「よせ二人共! 確かにドラッグの言う通り、我々がよかれと考え人間の真似をしたが、そのほとんどから顰蹙を買ってしまったのは紛れもない事実だ」
「しかし、司令官」
アイアンハイドは拳を握りしめながら、歯を食いしばっていた。血気盛んな彼の陰茎も、またいきり立っていた。
「アイアンハイド、我々はやれることをやるだけだ。肩の力を抜け」
「はい、司令官……」
そう言ってアイアンハイドは自分の聳立する赤黒いペニスを激しくしごき始めた。
「おい! 肩の力を抜けと言ったのだ! ヌけとは言っていないぞ!」
「す、すみません、ですがどうもチンコがイライラして……」
月面の暗部に備えられたサイバトロンの臨時基地は、彼らが『トランスフォーマーオーガズム作戦』を開始してから間もなく完成したものである。
地球での度重なる戦争、そして大規模な性行為は人間たちを忽ち不愉快にさせた。人間たちは各国の科学力の粋を結集させ、アンチエレクトロンフィールドの力によってトランスフォーマー両軍を撃退するのに成功していた。
「人間の文化について、先に理解しておくべきだったのだ……それに、生殖というものの本質についても、だ」
デストロン軍の妊娠は、彼らの戦力拡大につながってしまっていた。
*
ここは、セイバートロン星の都市、アイアコン。デストロンたちはスペースブリッジを保有していた事により、人間たちの反撃から逃れ、さらにこの母星を自軍の恣にしていた。
戦略的な優位性は圧倒的に彼らのものであった。
「アア! ジャガーノ膣カラ、赤ン坊ガ!!」
珍しく声を荒げるのはサウンドウェーブだった。驚いたジェットロンたちがジャガーに目をやる。
「おい見ろよサンダークラッカー、ジャガーの奴出産していやがるぜ」
「…………」
呑気に哄笑するのはスカイワープだった。一方サンダークラッカーは、その瞳に色を失っていた。彼の両のレンズとオプティックセンサーは、サンストリーカーとランボルの好奇心の結晶、眼孔姦によって汚されていた。
汚されたのは、彼の回路に収まる心もであった。以来、サンダークラッカーは誰とも口を利かなくなった。
「ジャ……ジャガァーッ!! ガンバレ!! オマエハ、強イ!」
サウンドウェーブが喝を入れた、その時である!
「うげ、産まれた」
スカイワープの表情は、瞬く間に破顔から引きつった笑みに変わった。
「ジャガー……オマエノ、子供ダ」
出産に際し、哀れっぽい声を発声回路から捻り出していたジャガーは、翻って母性が彷彿するのを自身に感じていた。ジャガーから誕生した少し赤色の機械生命体は小さく震えていた。
「多分、ランボルの奴の子供だろうな。しかしこれで我らの戦力はまたひとつ増強されたというワケだ」
「メガトロン様!」
レーザーウェーブを連れて現れたリーダーに、一同は視線を奪われた。
「裏切者の所在をレーザーウェーブが調べ上げた。奴を捕らえに行くぞ! デストロン軍団、出撃だーっ!」
*
スタースクリームは、スペースブリッジでセイバートロン星に逃げ延びる直前、メガトロンを臆病者だと激しく批判した。それに反感を買ったメガトロンは彼を置いて帰郷したが、スタースクリームはガダルカナル島にて独自に部隊を編成していたのだ。
「ようし、こいつらのパーソナルコンポーネントを、と……これでよし、さあ、目覚めろ! 野郎共!」
一人ひとりのトランスフォーマーたちが、ビークルモードからロボットモードへと変形し始めた。
「ブレストオフ、ブロウル、ボルター、スウィンドル、そしてオンスロート!」
デストロンの犯罪者集団に、再び命が吹き込まれた!
「こんな事もあろうかと、以前セイバートロン星に戻った時にコイツらを持っておいてよかったぜ……さあテメエら、オレ様はスタースクリームだ。今からお前らは、」
「なんだアお前は?! 俺たちを誰だと思ってやがんだこの野郎!!」
オンスロートは背中に備えられたキャノン砲からミサイルを射出した。標的は言うまでもない!
「グアアッ! ま、待ちやがれ! オレの腹には子供がいるんだ! ちったぁ優しくしろってんだよ」
「うるせえ死にやがれコイツめええっ!」
5人の総攻撃が、身重のスタースクリームを狙う!!
「いいか、お前らにはエネルギーを供給する方法がねえんだ! それにこの地球はテメエらを歓迎しねえ! このままじゃお陀仏だってえのを知れ! このノータリンめが!」
「なんだと? おい、砲撃やめ!」
オンスロートたちは太陽を背にしたスタースクリームをよそに、自らが置かれた状況について確認しあっていた。やがて、短い臨時会議が終わると、逃げ腰の彼へとボルターが呼び掛けた。
「分かった、先刻の非礼は詫びよう──だが、我々にこんなオンボロボディを与えた意味はなんだ」
宇宙兵ブレストオフが不満を申し立てる。会話に応じたと見、スタースクリームは交渉を再開した。
「いいか、あの憎きメガトロンをクズ鉄にしてやるんだ。お前らにはそのチャンスを与えてやったのさ」
再び浜辺へと着陸した彼は、被弾した左翼を撫でながらオンスロートらを言い包めようとする。……のだが!!
「スタースクリームよ……お前、確かここへ来た時、チクニーをしていたな?」
「なッ……そ、そんな事ぁどうでもいいだろうが! あ、あれは気持ちがいいからしてるわけじゃねえ、エネルギーの補給のために──」
「やっぱりな! チクニーは空気中からエネルギーを摂取できるってェ事は、お前に頼る必要なんざねえんだよ!」
「い、いけねえッ」
スタースクリームは、恥を隠す為にもっともらしい言い訳をしたのを激しく後悔した。墓穴を掘ったこの失策はあまりにも致命的だと彼は痛感しただろう。
「おい、こいつをどうしちまおうかね? ヒヒヒ……」
「お前ら、やめろ、わかった、なんでも言う事聞く! だから……」
スウィンドルがスタースクリームを羽交い絞めにした。眼前に立ったのは、ブレストオフだった。
「長い眠りから覚めたんだ──パワーが落ちてないか試さねえとな? オラッ!」
力自慢のブレストオフが、文字通りの鉄拳を航空参謀の腹に突き刺した!!
「グアアァアアアアッッッ!!!!」
スタースクリームの腹は裂け、中から未熟な機械の破片が散らばった。
「これが帝王切開ってヤツだな。ワハハハハ!!!」
「おいブレストオフ、こんな野郎にエネルギー使ったってしょうがねえぜ」
「わかってらぁ!」
オンスロートの呼びかけは、チクニーを意味した!
やにわに乳首を弄り始めた、5人!
「んあぁたまらねぇぜコイツぁようう」
「お、おお……なんだか股ぐらからエネルギーが零れちまう」
「俺らのエネルギーが溢れ返ってんだろ、まさか故障じゃねえだろう」
「お、おい、俺たちの名前、『チクニトロン部隊』にしねえか? もうチクニーのプロフェッショナルだしよ」
「ヘッ、スウィンドルにしちゃいいネーミングじゃねえか! ハハハハハッ!」
微動だにしなくなったスタースクリームは、計画が潰えたのを屈辱に感じていた。だが同時に、別のプランへ移れるはずだと冷静に案じていた。
彼の真の謀なぞ知らず、犯罪者集団は孤島を愛液で満たすほどチクニーを繰り返していた。
*
サイバトロン月面基地でも、エネルギー問題について取り沙汰されていた。
「司令官、もう月へと亡命して10日経とうとしています。エネルギーについてどうお考えでしょうか」
マイスターが少し不安げに唱えた。コンボイは雄大な態度で返事をする。
「問題ない、マイスター。私たちには、エネルギーを供給する術があるのだ」
「勿体ぶらないで教えてくださいよ司令官!」
バンブルは退屈そうに自分の膣口にスパナを出し入れしながら、猫なで声をあげる。
「おいおいバンブル、エネルギー不足なのにオナニーは……」
「いや、大丈夫だアダムス。よく聞けみんな、我々は人間からエネルギーを貰っていたが、現在ここに追いやられているな」
「そういえば人間たちが、トランスフォーマーの排除を21世紀までに遂げるなんて公約を掲げていましたね」
マイスターが軽口を叩くように言う。しかし言葉の裏には、差別的で、独断的な面が見受けられた。
「そうだ。だが、あれは人民たちの表向きの『ショー』に過ぎない」
「どういう意味です?」
「私はアメリカと極秘裏に連絡を取っている」
唖然とする、サイバトロン戦士たち!
「なんですって? それじゃ私たちは未だに人間たちと繋がりがあると?」
マイスターが彼らの総意を背負わんばかりに、関心について問うた。
「アメリカはアポロ計画を実現できなかったんだよ。それを私が手伝った。その代わりに……と言った所だ」
アメリカの月面着陸計画は終わっていなかった。皮肉にも、実現に至らしめたのはトランスフォーマーの手によるものであったのだ!
「彼らは宇宙を航行する技術に乏しい。だからホイルジャックに人間たちに技術を教えるよう密命を下した」
バンブルがホイルジャックの死を心の奥底で悼みながら、コンボイに疑問を告げる。
「では、どうやって人間からエネルギーを?」
「デストロンが置き忘れたスペースブリッジを流用させたんだ。こちら側のゲートは、この基地から離れた地域に隠してある」
妙に冴えているコンボイに愕然とせざるを得ないサイバトロンたち。その謎に一石を投じたのがアイアンハイドだった。
「司令官、近頃のあなたは増して聡明だ──まさか、賢者タイムを?」
「その通りだよアイアンハイド。私は、常日頃からオナニーを続けている。この後も自室で行なうつもりだ。エネルギーはアメリカが提供してくれる。いいか、交尾はしてはいけない、するならオナニーをするんだ!」
「はい! 司令官!!」
射精という悦びを再び手にした彼らは、水を得た魚であった。各人、思い思いにナニをしごいた。しかし、全ての戦士が、なぜ我々は増殖してはいけないのか、という疑念について考えなくもなかったが、考えなくもなかっただけであった。そんな些末な発想は、目前の快楽によって消え失せた。
「ホイルジャック……君の生前の言葉が本当なら、デストロンはもう……」
*
サイバトロンが月へと逃げ果せようという時、ホイルジャックは黒い微粒子についての研究を続けていた。しかし、成果は出ないまま、アメリカ軍に殺害されてしまったのだ。オメガスプリームでサイバトロンが月へ向かった頃、彼が握っていた科学技術の全てはアメリカ軍の手に堕ちてしまっていた。
「知ってるかいスパイク、アメリカは秘密裏にサイバトロンたちの科学技術を貰っているんだって」
「チップ、どこでそんな情報を?」
「エネルギー省の情報をハッキングしたのさ」
「へえ、それじゃあサイバトロンたちはどうしてるんだ?」
「どうやら月に隠れているみたいだね。いずれにしても、対価を払う必要はなくなったってワケ」
*
「おい、これでいいのか?」
「ああ、言った通りだったろ? オレ様は特別だってな」
ガダルカナル島の上空で、二体の半透明な物体が会話をしていた。
「フン、しかしお前が本当にオレ様だとはな……何を企んでいやがる」
「オレ様が頭脳明晰だってのはオマエも知っているだろう──メガトロンの野郎に一泡吹かせてやるのさ」
「そして、デストロン軍のニューリーダーを、ってか?」
驚くことに、彼らはスタースクリームに他ならない。それも、二人ともさながら幽霊であった。
「オレぁ信用できねえぜ。このスタースクリーム様はこの世に一人しかいねえんだ」
「お前はまだまだ未熟なんだよ。何も知りやしない。……にしても、ここは俺の知っている過去とは何か違うような気がするぜ」
未来からやって来たスタースクリームは、少し違う過去の自分に予言をした。ユニクロンという災厄、トランスフォーマーの盛大な死、そして、400万年前の戦争やガルバトロンについて……
「お前は姿形はオレそっくりだが、でたらめしか喋らねえ。オレの回路がイカレちまったのか? こんな奴が見えるなんてよ」
「まだ信用できねえみてえだなア? っと、そろそろ寒くなってくる頃だ、適当に乗り移っちまおうぜ」
「うっ、本当だ寒くてしょうがねえ! チッ、今は従うしかねえか」
「過去のお前をなんて呼びゃいいかな……そうだ、お前は今日からスタースクリームⅡだ」
未来のスタースクリームは、予めガダルカナル島へ行くようにと過去の自分を導いていたのだ。そして、死んでしまったとしてもお前は死なない、とも予言していた。進退窮まっていたスタースクリームⅡは、その声に耳を傾けるしかなかったのである。
「気に入らねえな、勝手に二号にしやがってコイツっ!」
「おっとオレらは幽霊なんだ、殴れやしねえぜ。それより、オレの時はコンバットロンの連中なんざあっさり従えたってのに……ん? あれはメガトロン!」
島に降りたデストロン軍団たち! そこへ居合わせたのは、コンバットロンならぬチクニトロン部隊!!
「この島はちょうど臨時基地にしようとしていたのだが……あの裏切者めはどこへ行ったのだ」
「ようメガトロン、ご挨拶にコイツをお見舞いしてやるぜ!!」
オンスロートが光子ミサイルを放った! 続いて、チクニトロン部隊は自分の乳首を弄りながら、掃射を開始した!!
さあ、デストロン軍による内乱の始まりだ!!
「貴様らはあの反逆者共かっ──デストロン軍団! あのふざけたチクニー愚連隊を懲らしめろっ!!」
「できるかな? チクニトロン部隊! 合体だっ! トランスフォーメーション!」
チクニトロン部隊は、6人目を隠していた。合体兵士となった姿を。
「な、奴らは合体兵士なのか!?」
「そうだ、そしてこう呼ばれている──」
彼ら5人が、重々しい金属音と共に結合し、一体の巨大なトランスフォーマーになった。
「
巨大な彼の尻の裂け目から、悍ましいと称するべき極太のビーム砲が迸った!
「ウオアッ!? なんだあのデカイケツは!?!?」
「警報! 警報! 逃ゲタ方ガイイ」
かのアナルビームによって、島はほぼ変形してしまっていた。海は蒸発し、生態系を崩しかねない威力でもって、デストロン軍を震撼させた。
「俺の尻に敵う相手はいない! しかもチクニーによってエネルギーは無限大! さあ、どいつから破壊してやろうか」
他方、幽霊二人は上空から内乱を下瞰していた。
「あ、あの野郎、オレ様がチクニーを教えたってのに、自慢げにやりやがって!!」
「おいⅡ、お前あのケツデカ野郎に乗り移ってみろ」
「なんだと!? ……クッ、お前ウソをついたら承知しねえからな!」
「いいからはやくしやがれってんだ!」
その時である!!! さらなる天空から、黒色そのものの『群れ』と云えよう何かが彼ら金属生命体を狙って接近してきたのだ!!!
「な、なんだ次から次へと!!」
メガトロンはいち早く異常事態に気づき、撤退の指示を下そうとした。……のだが!!
「ウ、オ、オアアアッ!!! 助けてくれええっ!! 飲み込まれ、る、」
「やいメガトロン! オレ様は死んでねえ、このケツデカ野郎のボディで──ウワアアアッ!!!!」
メガトロンもろとも、ブルーティック・アスもその暗黒の何かに呑まれてしまったのだ!!
「こ……こいつぁ、まるで生き物みたいに動いてやがる」
「に、逃げようぜ」
フレンジーとスカイワープが恐れをなしているのを、その黒色は見逃さなかった。
「あああああ!! 助けてくれええええっ!!! ぐ、あ、」
その場にいるデストロン軍団を全て呑み込んだその存在──スウォームは、記憶を辿るように北東へと向かっていった。
「な、なんだよあの生き物は……お、オレぁ知らねえぞ」
一人残された未来のスタースクリームは、喰われたⅡが戻ってこないのを知り、本質的な死を予感していた。
つづく……