※この作品はR-18です。

男の少ないデレステ世界で2度目の人生!?   作:猫仔猫

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相変わらずのご都合主義で話が進みます



中学1年 7月① アイドル契約

6月末の日曜。雨が降り続いているので外に出る事はせずに、家の中で過ごしていた。

加蓮が奏に教わりながら勉強をしている横で、俺はPCでネット検索をしていた。

 

何を調べていたのかと言うと、まずは他のプロダクションについてだ。

その結果はほぼ全滅。765、961、283、315は検索にヒットしない。876はあったが、所属アイドルは聞いたことのない人が数名だけだった。

そして水瀬グループも存在していなかった。……これは伊織も存在していないのだろう。

これはこの世界の基本がデレステという事になんだろうな。そしてかろうじて876があるのは、日高舞が存在しているからか?

 

そして前世で有名だった歌。これもほとんど存在していない。

殆どと言うのは女性歌手の曲の内、数曲を日高舞が歌っていたのだ。これは偶然なのだろうか、それとも……

だけど、前世と同じ曲がこの世界でも受け入れられるなら、俺も歌っても良いのだろうか?

 

楽譜は書けないので、とりあえず歌詞を書いておいて。アカペラで歌ったのを録っておこうか。

まぁアイドルソングらしいのは無いけど、楓さんの歌は『こいかぜ』だし大丈夫だろう。

 

んー、歌やダンスの他に楽器の演奏でも習おうかな? そうすれば楽譜も書けるようになれるかもしれないしな。

基本はギターか? いやピアノの方が良いかな? 叔母さんに相談してみよう。

 

 

 

 

 

7月1日、ついに346プロでアイドル事業部が立ち上げされた。

俺は学校が終わると346プロに向かう。正式にアイドル契約を交わして、これからのレッスンスケジュール決めないといけないからね。

 

受付で叔母さんを呼んで貰って、一緒にアイドル事業部の執務室へと移動する。その移動の間に本社ビルの説明をしてくれた。

この本館は上層階に役員室があり、その下の階は各部門の執務室があり、会議室や応接室等もある。10階には社員食堂もあり、契約後は俺も使用できるようになる。

渡り廊下でつながる別館には、アイドル達が使う事になるレッスンルームや更衣室等のレッスン用施設。エステルームやマッサージルーム、さらには浴場等の福利厚生設備も備えられている。……もう此処で暮らせるレベルだな。

さらに驚くことに地下にはプールまであるらしい。水泳は肺活量を鍛えるのに良いからで、現在は歌謡事業部の人が使っているが、今後はアイドル事業部でも使用可能になるそうだ。

また他の別館には各種スタジオがあり、レコーディングやTV番組の作成等を社内でおこなっているらしい。

 

 

 

執務室に着くと5人の女性が居て、拍手で迎えられた。何故? と思ったけれど、俺の事は来る前に伝えられていたらしい。

 

「ほら、お前達が嬉しいのは分るが落ち着きなさい。先ずは契約をしないといけないからな」

 

そう言って書類を持ってきたのは常務――優子さんだった。

ソファーに向かい合って座り説明を受ける。未成年との契約という事で、叔母さんは一時的に保護者の立場に戻り俺の横に座っている。

事前に叔母さんから契約内容を聞いていたが、きっちり聞いておかないとな。

 

デビューするまでは基本契約料として月15万。ここからレッスン費用として5万引かれる。給与で無いのは社員では無いからだ。

デビュー後は月20万+仕事料や売り上げ等になる。レッスン費用が引かれるのは変わらない。

税金なんかも引かれると、手取りはかなり少ないな。デビュー前は仕方ないにしても、デビュー後は売れないと大変だ。そこは自分の頑張りと営業次第か。社内での仕事なんかもあるし、そこは346を信用するしかないんだろうな。

まぁ俺は男で補助があり、生活の心配は無いので気は楽だ。

 

デビュー後の仕事については、仕事の内容を確認してから受けるかどうかを決めて良いらしい。基本はプロデューサーが担当のアイドルに合うだろう仕事を取って来るのだが、俺の場合はその仕事の内容を見て、ダメそうなら断っても良いそうだ。

 

レッスンの内容やスケジュールはトレーナさんと相談しながら決めていく。初めは基礎レッスン漬けだろうな。

 

後は細々とした守秘義務事項だ。仕事の内容やスケジュール、他のアイドルに関する事等を外に漏らさないようにとか。

SNSへは346プロが作成したソフトウェアを通して、アイドル用のアカウントへ投稿する事等。

 

 

「後はそうだな……名前か。うちでは本名で芸能活動をしている者が多い。だが芸名を禁止しているわけでは無いから、本名で活動をしたくない理由があるなら、芸名でも構わないんだ。まぁ問題としては、うちから移籍した場合は使っていた芸名が使えなくなるって事だな」

 

契約内容の説明が終わると、芸名の話になった。

移籍すると使えなくなるが、346以外の事務所でアイドルするつもりは無いし、何かあって移籍するくらいなら引退するしな。

でも正直、名字言い辛いからなぁ。名前だけにして貰うか……いや、ならいっその事ローマ字にするのが良いかな。

 

「それじゃあ芸名はローマ字で『Jun』でお願いできますか」

 

これなら名前で呼ばれるのと変わらないから違和感も無いだろうし、サインもしやすいよね。

叔母さんも姉さんが付けた名前を大事してくれているって喜んでいる。

 

 

芸名も決まったので叔母さんも交えて契約書を作成する。これで正式に346プロ所属のアイドルとなったわけだ。

 

「はい、これが純君の入館証ね。明日からはこれを身に付けていれば、許可されている場所は出入りできるからね。無くさないように注意する事」

 

契約書にサインをすると、叔母さんから入館証を渡された。

これで受付を通さなくても入れるようなる。重要なものだから、言われた通り無くさないように十分気をつけないとな。

 

ケースに入れられた入館証を首に掛けると、またもや部屋にいる人たちから拍手をされた。

 

「これで契約成立ね。純君、これからお仕事でお世話になる人たちに挨拶をしないとね」

 

叔母さんの言葉に頷いて立ち上がり、契約書にサインするのを見守っていた人たちの方を向く。

 

「えっと、346プロとアイドル契約をした、笹埼純です。男なので余計な手間をかけさせてしまう事が有るとは思いますが、よろしくお願いします」

 

挨拶の言葉を出して頭を下げると、再びの拍手で歓迎された。

 

「みんな純君の担当Pになりたがっていたんだが……。とりあえずデビューまでは、笹埼君が担当する事になった」

 

叔母さんは部長代理で、担当は多く持つ予定は無いらしい。常務、部長、叔母さんを除いた3人がプロデューサーになるのか。

今月末に発売される雑誌と、公式サイトでアイドルオーディションの告知を行うので、それまではアイドル事業部としての仕事はほぼ無いんだと。だからこその、引継ぎ期間を含めた兼務なんだろうな。

 

 

契約をしたという連絡が行ったのか、システム部の人がやってきた。

契約の時に話に出たソフトウェアを俺のスマホに入れて、それの使い方を説明してくれた。

 

機能の1つ目はスケジュール機能。自分の予定を登録するとカレンダー形式で表示してくれて、検索すれば自部署の人のスケジュールも確認できる。

そして許可されている人のスケジュールも登録可能らしい。これはPが担当のアイドルの仕事やレッスンを登録する為に使うらしい。

なので可能な限り予定は登録しておくように言われた。内容を見られたくない場合は、非公開すれば時間のみ表示されるとの事。

 

2つ目はコミュニケーションツール。某Sl●ckみたいなもので、全社からのお知らせや、所属部署からのお知らせもこれに届く。

個別にメッセージのやり取りやグループでのやり取りもできる。アイドルグループを作ればデレぽみたいな使い方も可能だな。

 

3つ目は社内限定メール。コミュニケーションツールだとログが流れてしまうので、大事な連絡はメールで残すようにとの事。

 

4つ目はSNS投稿機能。所属芸能人の公式アカウントに紐づけされていて、検閲され問題が無ければSNSへ投稿されるらしい。漏洩防止と炎上防止だな。

俺の場合は公式アカウントを作成する来年の4月までは使用できない。後、検閲を行う人が居ないから夜間の投稿は禁止との事。

私用のSNSは禁止ではないが、そちらでは芸能活動関連の投稿は禁止。これは契約内容に含まれていたな。

 

他にも機能はあるが、俺が使うのはこれだけらしい。

よくもまぁスマホのアプリにこんだけ詰め込んだものだ。ちょっと感心してしまう。

 

 

 

これで、今日の残りの予定はトレーナーさんとの顔合わせだけらしい。

レッスンルームに居るというので案内されて移動するが、何故か全員ついて来た。常務と部長までも一緒だ。

 

レッスンルームに行くとトレーナーさんが居た。

青木麗さん。大学卒業後に芸能総合養成所で2年3か月のトレーナー勤務。この度346にヘッドハンティングされて、アイドル事業部専属のトレーナーとなったらしい。

今年の春に大学を卒業した妹が居るが、養成所に就職したばかりなので、アイドル事業部が正式稼働する来年の春に合わせて転職する予定なのだとか。

 

……うん、確実に後二人妹さんがいて、四姉妹だよね?

 

 

お互いの自己紹介が終わったら、歌う事になってしまった。レッスン内容を決める為にも、現在の発声や肺活量を確認したいとの事だ。

トレーニングウェアは持って来ていなかったので、ダンスの方は後日に確認するとの事。

 

レッスンルームにあるPCには女性ボーカルの曲しかなかったので、アカペラで前世の曲を歌わせてもらう事にした。

歌うのは大事MANブラザーズバンドの『それが大事』。年齢的にラブソング系はまだ早いしね。いや、来年には14歳になるし……まぁいいか。

 

歌い終えると社員の皆さんは褒めてくれてが、トレーナーさんは「ちょっと息が切れかけている所があったから、肺活量を鍛えようか」という感想だった。

息継ぎに失敗して、息が切れかけた所があったのを聞き逃さなかったらしい。流石はマストレさんだ。

 

他にも歌えるのはあるのかと聞かれたので、鞄から歌詞を書いたルーズリーフを取り出して渡した。

先に歌った『それが大事』の歌詞も含めて4曲分。玉置浩二の『田園』、SMAPの『世界に一つだけの花』、KOKIAの『ありがとう...』だ。

『ありがとう...』だけは女性歌手の曲だし、歌唱テクも全然足りないけど……

 

 

見せた残りの3曲も歌って見せて欲しいと言われたので、順番に歌っていった。

そして最後の『ありがとう...』を歌い終えたら、叔母さんに抱きしめられてしまった。

 

「きっと、天国の姉さんにも届いたわよ……」

 

常務さんは俺の事情を知っているのか、目を瞑って顔を上に向けていた。

他の社員さんは叔母さんの行動に戸惑っているみたいだけどね。

 

 

「純君、良かったですよ。カラオケに行った時より上手くなっていますね」

 

何時の間にか楓さんがレッスンルームに入ってきているし。

 

「君は確か……モデルの高垣楓君だったかな。何故此処に居るのかね?」

 

って、常務さんも気づいてなかったのかよ。

 

「通り掛かったら、百合枝さんと純君が見えたもので、つい……。申し訳ありません。それと……アイドルに転向する為には、どうしたら良いのかを聞きたくて。ですね」

 

「そうか、君の事は笹崎君が担当していたのだったな。だから純君の事も知っていたと?」

 

「ふふ、純君とは深い仲なんですよ」

 

何か楓さんと常務の間で火花が散っているような気がするんだけど……

社員の方たちもさり気なく距離を取り始めているし。

 

「だから、純君の後を追ってアイドルになりたいというのかね?」

 

「いいえ、アイドルに転向したいというのは――」

 

常務さんの質問に、楓さんは順を追って話していった。

大学卒業も叔母さんと一緒に仕事をしていくつもりだったこと。その叔母さんがアイドル事業部へ移動してしまうと聞いた事。学生の兼任から専業になる時に、始めは信用できる人が近くにいて欲しいと思った事……

そしてアイドル転向を叔母さんに話した後に、俺がアイドル事業部でお手伝いできないかと口にした事。

 

「――そうして立上げの7月を待っていたら、純君がアイドルになるのが先に決まっていたんです」

 

楓さんの話に齟齬が無いかを叔母さんに確認した常務さんは、腕を組んで少し考えた後に口を開いた。

 

「人気モデルが抜けるとなると、モデル事業部には痛手かもしれないが……本人の希望だからな。だが、レッスンなど大変になると思うが大丈夫かね?」

 

「オーディションに応募してくる子やスカウトされる子も、初めは素人で私と変わらないのでしょうし、それなら私に出来ないことは無いと思いますから」

 

「よかろう。来年の春までは学生・モデル・アイドルとしてのレッスンと大変だろうが、君自身が選んだ道だ。頑張る様に」

 

どうやら楓さんのアイドル転向は常務さんに受け入れられたようだ。

まぁここでダメ出ししても、アイドルをにならないだけでモデルは辞めてしまうのだろうし、その場合は346が人気モデルを失うだけの結果になる。その事を常務さんは、先程の楓さんの話で気が付いていたんだろうな。

 

 

楓さんの歌唱力も確認したいとトレーナーの麗さんが言うので、楓さんも一曲歌うことになった。

俺と違ってこの世界の女性歌手の歌だけどね。

 

PCで再生された曲がスピーカーから流れ、それに合わせて楓さんが歌う。

 

声量は少ないが、この時点でも歌手として十分通用するくらいに上手だ。

カラオケでも90点台後半が当たり前だったしな……

 

トレーナーさんを除く6人は、楓さんの歌唱力に驚いている。こんなに上手いとは普通思わないよなぁ。

これで歌の練習をしたことが無いというのだから、チートくさいよな。

 

「どこで身に着けたのかは分からないが、技術は及第点だな。後は声量を増やして、感情をもっと込める様になる事だな」

 

これが聞き終わった後のトレーナーさんの感想だった。

 

 

 

「――そうすると、平日は月水金、そして土日の週五回で進めてみようか。高垣君は仕事がある場合、そちらを優先でな」

 

そっか今はトレーナーさんは一人だから、毎日は出来ないよな。

 

「はい、学校のある日は17時から19時の二時間。休みの日は14時から18時、休憩を挟むので三時間ですね?」

 

「うむ。時間はあるし、焦らずに行こう。……それでだな、純君は……プールは平気かな? いやっ男の子だからね。水着とはいえ肌を晒すのが嫌だったりはしないかと、確認をしておかないとね」

 

プールのくだりで俺が首を傾げたので、焦ったように説明を付け加えてくれた。

周りに男が居ないからわからないけど、世間の男はそうなのか? あの先輩ですら女の子を侍らしているんだが……。引き籠った男達はそうなのだろうか?

 

「んー、全然平気ですよ。むしろ麗さんのような、美人でスタイルの良い人と一緒にプールに行けるのは嬉しいです」

 

「もう、純君ダメですよ。そんな事を言われたら、女の人はその気になっちゃいますから」

 

楓さんが俺の言葉にダメ出しをしてきた。

ちょっと頬を膨らませている。嫉妬しているのかな? あぁスタイル云々の所が気に入らなかったのかもしれないな。

 

「もちろん楓さんと一緒にプールでレッスンするのも嬉しいし、楽しみだよ」 

 

皆の前で言わせんなよ。流石にちょっと恥ずかしいぞ。

 

「んんっ。初めの1時間は発声かダンスのレッスン。後の1時間はプールで心肺能力の強化。休日の場合は発声とダンス両方することになる」

 

「「はい、明日からよろしくお願いします」」

 

「うむ、それとだな。大学に通っている私の妹がいるのだが、同じようにトレーナーになりたいと言っていてな。レッスンを見学させてやってもいいだろうか?」

 

俺の事を含め、ここで見聞きした事は口外厳禁を厳守。かつ、レッスンを受ける者が許可したなら。という条件で常務の許可は出ているらしい。

 

トレーナーさん、三女は確か……明さんだったかな? 姉妹たちの中で一番胸やお尻が大きかったはず。

数年後には346のトレーナーになるんだろうし、問題は無いかな? 

 

 

 

当面のレッスンの予定も決まり、今日の予定が終わったところで楽器を習える所が無いか聞いてみた。

芸能プロダクションだからその手の情報やつながりはあるだろうし、自分で探して下手な所に当たるよりは良いだろう。

 

そうしたら麗さんが、レッスン前の時間で良いなら教えてあげると言ってくれた。

学校が終わって寄り道せずにくれば4時には着くだろう。休みの日も早く来れば、週5時間は教えて貰える事が出来る。

 

トレーナーさんはピアノ、ギター、ベース、ドラムに加えて、トランペットにサックス等の管楽器も演奏できるらしい。

もうこの人一人で音源作れちゃうんじゃね?

 

とりあえず、ピアノとギターで前世の曲を弾ける様になる事を目標にしてみようか。

 




年齢的にルキトレちゃんが高1、トレーナーさんが大学2年かな?
トレーナー姉妹が揃うのは当分先になりますね。……それま書き続ける事が出来るのか?(ぉぃ)



選曲が80~00年代なのは作者がおっさんだから。仕方ないね……
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