中盤以降はTV収録。
現実の収録とは全然違いますが、突っ込みはご遠慮ください。
新たに契約した4人もレッスンを開始する。
今月デビュー組に麗さんが付きっきりになるので、4人のレッスンを見るのは基本聖さんと明さんだ。
寮生組の経験を元に麗さんがレッスンプログラムを組んでいたし、休日は午前と午後で別れる為に麗さんに見てもらえる事もあるらしい。
卯月さんは4か月だけとはいえ養成所に通っていたんだから、別メニューかと思ったら他の3人と一緒なんだよね。
細かく分けられるほどトレーナさんが居ないからなぁ……
みんながレッスン漬けの中、GW後半は例年通り叔母さんと楓さんとの3人で温泉旅行だ。
今年は熊本の松島温泉に行ったんだよ。海が見える露天風呂に、新鮮な海の幸と凄く満足できた。
海水浴場も近くにあったし、夏なら海水浴も楽しめたんだろうなぁ。
唯一の難点は行くのが大変だったという事だ。家から空港、飛行機で2時間弱。そこからレンタカーで2時間以上かかっていたし。
その移動中に食事の為に立ち寄った店で、思いがけない出会いがあったんだ。
食事が終わってトイレに行ったところ、個室の扉の向こうには、灰色に近い銀髪をツインテールにした少女がパンツを下している姿があった……
その少女は俺を涙目で見上げながらおしっこを開始してしまった。
俺はその音に我に返って個室を出て扉を閉めたよ。
そして終わった少女と交代して、終わってトイレの外に出たところで捕まって、少しお話をしたんだ。
そんな気はしていたが、小学校6年生の神崎蘭子ちゃんだった。
話を聞いた所、限界まで我慢していたらしく、鍵を閉めるのも忘れてパンツを下したところだったらしい。
で、漏れる寸前だったので、呆気にとられた俺の前でおしっこを開始してしまったと。
黒をメインとした服だったけど、まだゴシック系の服じゃないし、喋り方も普通だった。まだ小学生だしね。
これからゴシック&蘭子語へと進化するのだろうか? 何がきっかけで目覚めるのか、興味があるね。
「お兄さんは、私の恥ずかしい所を見たんだから、責任を取るべきです。……とお母さんが言ってました」
そう言われて『つながるん』のフレンド登録をさせられてしまった。
将来可愛く成長するのは分っているし、やりとりするのも楽しそうなので喜んで交換したよ。
GWが明けると、菜々さん、友紀さん、紗枝ちゃんのレコーディングが行われていった。
初のレコーディングという事もあって緊張したのか、1日では終わらずに何日かかかってしまったけど、何とか終えることが出来たらしい。
次はミニライブに向けて振り付けの練習だ。頑張れ!
3人が振り付けの練習を始めた2週目の金曜日の夕方。
俺は美波さん、愛梨さん、アーニャと一緒に、ちひろさんに連れられて別棟に向かっていた。
これからバラエティ番組の収録が行われるのだ。
初めてこっちの棟に来たけど凄いね。公開収録とかもあるからか、案内図や関係者以外立ち入り禁止の札をたくさん見掛ける。
まずは今日使用されるスタジオの場所を確認して、それから楽屋に移動する。
そして荷物を置いたら、今日の番組の司会者さんへ挨拶をしに行く。
力関係にもよるけど、今日挨拶に行くのは司会者さんの所だけで良いらしい。
というのも、男の俺が他の出演者さんの楽屋に挨拶に行くのは、色々と面倒事の種になるんだそうな。
それと他の出演者には、今日のゲストは誰なのか伏せられているらしいから、3人も挨拶には行かなくて良いと。
部屋の前に行くと、ドアに『うーじー茶所様 控室』という張り紙がしてあった。
346のタレント事業部に所属する大御所のタレントさんで、TVで見る限りではちょっと口の悪いお婆さんって感じなのだが……
ちひろさんがドアをノックすると、中から「どうぞー」という声が返ってきた。
ドアを開けてちひろさんを先頭に入室していく。
全員が部屋の中に入ったのを確認して、ちひろさんが代表して挨拶を行う。
「初めまして。本日一緒に仕事させて頂く、アイドル事業部の者です。順番にJun、新田美波、十時愛梨、アナスタシアです。よろしくお願いします」
「「「よろしくお願いします」」」
ちひろさんに紹介された後、4人でお辞儀をする。
「あらー。あらあら。話には聞いていたけど、若い子ばかりね。それに本当に男の子まで居るじゃないの」
うーじーさんは椅子から立ち上がると、俺達の前まで歩いてきた。
「うーじー茶所よ。男の子が芸能界入りすると業界も活発になるんだけど、すぐに辞めちゃうのよねぇ。Jun君だったわよね、大変だとは思うけど頑張ってね。貴女達も彼の事を支えてあげるのよ」
早速毒舌の洗礼かと思ったら違ったようだ。なんか近所のお婆さんたちと似たような感じがする。
戸惑いながらも「はい、頑張ります」と言うと、手に口を当てて笑い出した。
「普通の言葉で驚いてしまったかしら? TVで乱暴な言葉を使うのは、若い子の言葉ではキャラ付けとか言うのだったかしらね?」
おぉう、大御所のタレントさんでもキャラ作りしていたのか。
いや、そのキャラで大御所まで上り詰めたから、止められなくなっているのかもな。
その後少し話をさせて貰ったんだけど、元々は漫才師でツッコミ担当だったんだって。
そのままバラエティ番組に出るようになって、乱暴に喋るキャラで定着してしまったんだとか。
「そうだったんですねぇ。うーじーさんの事を知れて嬉しいです」
一番打ち解けているのは愛梨さんだ。なんか仲の良い孫と祖母って感じだ。
「収録中は厳しい事を言ったり、変に絡んだりするかもしれないけど、許して頂戴ね」
「はい。でも初めてのTV収録なので、手加減してくれると嬉しいです」
本気出されたら泣きそうになると思うので、本当に手加減お願いします。
一度楽屋に戻ると衣装に着替えてからメイクをして貰う。
眉を整えたり、スタジオのライトの影響を考えてのファンデーションくらいだけどね。
ミニライブの時の人よりは手際が悪く感じるな。
毎回違う人と言うのも嫌なので、指名出来ないか聞いてみよう。
収録開始時間の15分前に、スタッフさんに案内されながらスタジオへと移動する。
今日の俺達はスペシャルゲストという事で、出演者の人たちには秘密にされているので、見つからないようにセットの後ろ側へと誘導された。
「こういうの、ワクワクします。ね」
アーニャは楽しそうにキョロキョロと見渡している。
まぁセットの裏側なんて、あまり見る機会無いだろうしね。舞台の袖とは違った乱雑さだし。
10分前になると出演者が集まってきて、時間になるとリハーサルから行われる。
俺たちゲストは台本によると紹介があってから登場みたいだ。その後は雛壇に移動して、映像と司会によって番組が進んで行くと。
映像などは本番まで秘密で、司会のうーじーさんにしか教えられていないらしい。
台本に無い素の反応が欲しいからみたいだけど、レギュラーの人たちも大変だね。
そんなわけでこの番組のリハーサルは、通常は開始のゲストの紹介から登場、雛壇に移動するまでしか行われないらしい。
後は本番でメインの部分を2時間近く収録して、編集により1時間番組に仕上げると。
つまりこの番組はうーじーさんの司会力と編集の妙により成り立っている事になる。……おそるべし346クオリティ。
だけど今日はゲストも秘密なので、その部分も行われずに、ほぼ雑談のマイクチェックみたいなものだけで終わってしまっていた。
そして本番の収録が始まる――
「TVの前のみなさん今晩は。『うーじーの知っても役に立たない事』の時間ですよっと」
まずは司会のうーじーさんによる挨拶からの雑談だ。
「――そして今日のゲストはスペシャルなんだけど、誰でしょうか? じゃあ○○」
「えっ、じゃあ●▲さんとかですか?」
「はい、違います。本当に何を考えたら●▲の名前なんて出てくるのか」
うーじーさんに指名されたタレントが有名な人の名前を挙げるが、うーじーさんに一刀両断にされた。
「いやいや、ノーヒントは無理がありますって」
「スペシャルだって言ってんだろ! ここ最近大きな話題になっている人物を思い浮かべれないあんたが悪い」
その言葉に雛壇の人たちから期待や戸惑いの言葉が漏れる。
「じゃあ出て来て貰おうか。はい、ゲストの登場だよ」
うーじーさんがそう言うと、スタッフさんからも出のサインが出されたので、俺を先頭にセットの門を潜って順番に登場していく。
セットの前に出ると、雛壇に居る人たちから驚きや喜びの声が上がった。
中には立ち上がったりした人も居るし、大丈夫なのか? いや番組的には美味しいのか?
「ほら自己紹介しな」
「はい。えー、4月に346プロからアイドルデビューしたJunです。今日はよろしくお願いします」
「おや、今日だけかい?」
「苛めないでくれるなら、次も考えておきます」
「こら、純君、失礼でしょ」
うーじーさんとのやり取りに美波さんが注意を入れて来た。
うーん、番組的なやり取りのつもりだったのだが、美波さんは真面目だからなぁ。
「おや、しっかりした子じゃないか。あんた達も自己紹介しなよ」
「あっ、新田美波です。同じく346プロのアイドルです、6月にCDデビューも予定しています」
「十時愛梨です。祖母がうーじーさんのファンなので、一緒に仕事が出来て嬉しいです」
「アナスタシアです。アーニャと呼んで下さい」
3人の自己紹介が終わると、雛壇の下段の真ん中に座るように誘導された。美波さん、俺、アーニャ、愛梨さんの順だ。美波さんは俺のストッパー役らしい……解せぬ。
他の出演者の様子を見ると、後ろに居られるのはちょっと怖いものがあるが、収録中だし自重してくれるよね?
「さて、今日のテーマはこれ!」
うーじーさんの言葉でモニターに映し出されたのは――
裸の女性の写真をバックに『男性に聞いてみたい性のこと』という文字だった。
「ほんっっっっとうに馬鹿だね。ここの制作陣は。これ絶対、Jun坊が出演OKした後に決めただろ。番組あげてのセクハラかっつーの!」
その文字を見て、うーじーさんが番組スタッフたちに向けて暴言を吐いている。
それも織り込み済みなんだろうね、スタッフさんたちは笑っているし。なんならうーじーさんが企画を出した可能性もあるしな。
「というか、答えれるのJun坊しか居ないじゃないか。……答えることが出来るかい?」
うーじーさんはちょっと心配そうな目で俺に聞いてくる。
これで俺が嫌がったら番組が台無しだもんな。だけど、こんな内容なら先に教えてくれるべきだったんじゃね?
「そうですね、内容によってはピー音を入れてもらう事になるかもしれませけど」
「ははっ、ノリが良いね。気に入ったよ。じゃあ、まずはコレ! 『女性の体で興奮しますか?』だそうだが、どうだい?」
「えっ、そりゃあするでしょ。異性の体で興奮しないなら、なにで興奮するんですか?」
「そりゃそうか……って、そこの裸芸人、前に出てこようとすんな!」
端に座っていた芸人さんが立ち上がろうとした所を、うーじーさんに止められる。
放送に映るためには、この流れの中で自分の出番を作らないといけないんだから大変だ。
「ちなみにJun坊の好みはどうなんだい? 同年代の子が良いとか、10代後半の大人になりかけが良いとか、20代の大人が良いとかあるだろ?」
「……可愛い子や綺麗な人なら、10位から50位まではイケると思うんですよね」
10歳の頃の奏に反応したし、40越えた湊さんでも全然平気だしなぁ。
まぁ10歳の奏は同年代だった事もあるから、今はどうか判らないけどな。
俺の言葉に雛壇の後ろから「じゃあ私もOKなの?」とか「私でもイケルってことだよね!」という言葉が聞こえてくる。
「可愛い子や綺麗な人って言われただろ! 鏡見て出直して来な!」
それに対してうーじーさんは辛らつな言葉を返した。何人かはイケる人も居たけど、それは言ってはいけないんだろうな。
そして美波さんが少し焦ったように「あっ、あのっ。年齢の所は伏せてくださいね。お願いします」とお願いしていた。そして、俺の脚をパシパシ叩いて来た。
えぇー、あれくらいでもアウトなの?
「はい、次。『女性の体の何処に魅かれますか?』」
「これは、その人の性的嗜好に寄るんじゃないですかね? 女性だってそうじゃないんですか?」
こんな風に性的な質問されては、それに答えていく。
回答内容によって、うーじーさんが他の出演者に話を振ったりするのが凄いと思った。
愛梨さんは耳年増なのか知識だけはあるので問題なく答えれているが、美波さんは下ネタが苦手なのかうまく答えれていなった。
そういえば美波さんはHな話題の時とかは、聞いて顔を赤くしていたりするな。
アーニャは知識不足なので、逆にどういうことなのかと聞いて来たりする。中学1年だし、まだ詳しくなくても良いんだよー。
「後2つだね。次は『大きいおっぱいと小さいおっぱい、どちらが好きですか?』だそうだよ」
「これも人によるとしか言えないでしょう。大きいのが好きな人が居れば、小さいのが好きな人も居るでしょうし」
「ほほう、ではJun坊はどうなんだい?」
うーじーさんがニヤニヤしながら聞いてくる。その顔、放送されても大丈夫ですか?
「俺ですか? 大きいのも小さいのも好きですよ。おっぱいの大きさに貴賎なし! ただ垂れているのは興奮しないのでダメですね」
「あー、じゃあ、うーじーさんはダメですね。ざんねーん」
後ろからそんな声が聞こえて来た。
おぃおぃ、そんな事を言っても大丈夫なのか?
「まだそんなに垂れておらんわっ! 証拠を見せてやる!」
そう言うや否や服を開けて、ブラを胸の上方へずらしてしまった。
司会席は雛壇から離れている為に誰にも止めることが出来なかったのだ。
咄嗟に美波さんが俺の目に手を当ててくるが、残念ながら見えてしまったのだよ。
うん、確かに垂れていなかった。……というか、垂れるほど大きくなかったという方が正しいか。
お婆さんのおっぱいとか誰得だよ。まったくもう。
「じゃあ、最後の質問はコレ!」
うーじーさんは服を直して最後の質問をモニターに表示させる。
「『どうすれば気持ち良くなって貰えますか?』か、どうなんだい?」
「なんかもう、ほとんどが”ひとによる”としか答えれない質問ばっかりじゃないですか。女の人だって、一番感じるとこは人それぞれでしょう?」
「確かにな。ちなみにJun坊はどうなんだい?」
アーニャが「Junは」と言ったところで、愛梨さんに口を塞がれていた。おぃ、何を言おうとした⁉
愛梨さんが笑顔で「何でもありませんよー」と、誤魔化しているが確実に映っているんだろうな。
「流石にそれを全国放送で言うのはちょっと……」
「そうだな、中学2年の少年に聞く内容では無かったな」
「ここまで聞いておいて、今更何を言うって気もしますけどね」
「ははっ、その通りなんだけど。一応は取り繕っておかないとね」
それをスルーして答えると、うーじーさんも空気を読んでくれたのか、アーニャに反応せずに進めてくれた。
「最後はゲストの宣伝コーナーだ。さ、何でも良いから宣伝しな」
「4月に俺と高垣楓がデビューシングルを販売しました。今月にも3人が、来月には今日一緒に出演した3人のデビューシングルが販売されます。みなさんに聞いて欲しいですし、気に入ってくれたら買ってくれると嬉しいです」
「ミニライブも行いますので、近くの人はぜひ見に来てくださいね」
「a-、公式サイトや、つながるんも見て貰えると嬉しいです」
「346のアイドルを応援してくださいねぇ」
俺がCDの宣伝をすると美波さんがミニライブの事を知らせて、アーニャと愛梨さんが一言ずつ話していった。
「それじゃあ、折角だしJun坊の言葉で番組を〆るとしようか」
おっと、それは聞いていないが――
「はい、本当に知っても役に立たない事をお送りしました。また来週も見て下さいね。俺は居ませんけど!」
「うむ。Jun坊は居ないが、来週も見てくれると嬉しい。それではまた来週――」
こうして初のTV番組の収録は終わったのだった。
オリキャラ:うーじー茶所
・346タレント部門に所属
・元々は宇治出身のコンビ漫才師。相方は芸能界から引退済み
・バラエティ番組で活躍中の70代のお婆さん
ライブのアンコールはどんな歌が良いでしょうか?
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YAH YAH YAH
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いい湯だな ビバノン・ロック
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