R18なんだからエロ系ソングにバラけると思っていたのに意外な結果。
チート効果で何千人という観客を歌で発情させるのを見たくないというのか
役員フロアから退出して、更衣室に寄ってタオルを持ってお風呂へと向かう。
脱衣所を覗いてみたけど、服や荷物は見えないから誰も入っていないだろう。
ここが使われるのは夜中や朝方が多いらしいから、日曜の夕方に使ってる人は居ないだろうと予想した通りだ。
服を脱いで浴室に入ると、複数の浴槽が目に入った。
「これは下手な銭湯より広いだろ……」
えーっと……40℃、37℃、ジェットバスが泡とお湯が出る2つに水風呂か。水風呂の奥にはサウナまであるのか。
今日は時間が無いからさくっと洗って済ますしかないんだが、これを見ると堪能したくなってしまう。家の風呂はジェットバスじゃないからな。
よし、また今度来よう。見知らぬお姉さまたちが居るかもしれないが、それはそれで……
同じ区画内にある社員寮に住んでる人は、社食で晩飯からの入浴、そしてコンビニでビール買って帰るんだろ? ずるくね?
転校後の学校がすぐ側だし、俺も空いているプロジェクトルームに布団持ち込んで住み着きたいくらいだよ。
いや、いっそ楓さんの部屋でも良いのか。歩いて5分くらいだし……
引っ越しの時に楓さんが言っていた『泊まりに来れますよ』というのは、これを見越していたとでもいうのか⁉
いやいや、風呂だけなら家のお風呂をジェットバスに改装してしまえば良いんだよな。
なんかミニライブの映像のDL販売だけで数億の収入になるみたいだし、男の俺は所得税も無いらしいしな。とことん男に甘い世界だ。
ちなみに他の7人は所得税、住民税、国保で約6割は吹っ飛ぶらしい。
なので2割だけ受け取り、346の顧問税理士さんに支払いの管理を依頼するそうだ。余った分は美城銀行の口座に貯蓄してくれるみたいで、老後の貯えってやつか。
2割でも数千万にはなるだろうから、数年~十年くらいはそれで十分だしな。
数年なのは楓さんだ。早速車のカタログを貰ってきて、見ていたしな。
風呂からあがって、服に消臭スプレーを掛けてからプロジェクトルームに移動する。
常務さんの香水の香りが残っていたら、風呂に入った意味が半分以上無くなってしまうからな。
プロジェクトルームに着いたが、まだ誰も戻っていないようだったので、畳の上で座布団を枕に横になった。
何か心地よい感じの中、体が揺れる感じがする。
あぁ、横になっていたら何時の間にか眠ってしまっていたのか。
目を開くと視界の上の方に楓さんの顔が見えた。
どうやら座布団の枕から楓さんの膝枕に変わっていたようだ。心地よく感じていたのは楓さんに触れていたからなのかな?
ボーっとしていたら、楓さんが体に手を掛けて揺らしながら「純君、もうみんな集まっているので起きてください」と言ってきた。
その言葉に体を起こすと、側に居たちひろさんから声を掛けられた。
「純君、目が覚めましたか? これからの予定について常務からお話があるので、ソファーの所に行きましょう」
伸ばしてきたちひろさんの手を借りて立ち上がり、手を引かれてソファーへと移動した。
ソファーの空いている所に腰を下ろしたら、叔母さんにほっぺたを両側から挟むように軽く叩かれた。
「純君、ちゃんと起きて。まだ寝ぼけ眼よ」
パシパシ両頬を叩かれた事で、完全に目が覚めることが出来た。
周りを見渡すと、みんなが微笑ましい顔で俺の事を見ていた。
止めろ、そんな目で俺を見るんじゃない!
「純のそんな姿を見たのは何年ぶりかしらね」
奏は拳を口に当てて隠しているけど、絶対に笑っているだろ!
「みんなが揃ったので、話しをさせて貰おうか。――まずは今日のミニライブ、ご苦労だった。そして殆どが純君のおかげではあるのだが、立ち上げ時の予定よりも早いペースでのデビューを行うことが出来て、さらには所属アイドルも増やすことが出来た」
常務さんはそこでいったん区切ると、皆の事を見渡して話を再開した。
「だがここで満足して歩みを止める事は出来ないのはみんな承知だと思う。そこで8月の頭にライブを行う事にした。詳細はまた今度知らせるが、お台場特別海水浴場で全員参加のライブだ」
全員参加か、藍子は残念だけど仕方ないよな。
「島村君のデビューCDのカップリング曲の作成が遅れているので、まずはデビュー曲でライブデビューをして、8月末にCD販売になるだろう。速水君と北条君については、8月頭に正式契約できることを前提で話を進めている。期待を裏切らないでくれよ」
その言葉に奏と加蓮は、揃って「はいっ」と返事をした。
「今からデビュー曲を練習して貰っても良いのだが……。純君、新たにライブ用に2曲準備して貰えないだろうか?」
「ライブ用にですか?」
「うむ。この先もアイドルを増やしていく予定だが、来年以降にデビューする者達はすぐにはCDデビューはさせない。まずはライブでその曲を歌い、他の仕事をしながら適性を伸ばしていく。これも今いるみんなが346のアイドルとして、様々な分野の仕事をしてくれるからこそ出来る事だ。いきなりCDデビューをして売れなかったらお終い、等という使い捨てるような真似はウチでは絶対にしない。その為のライブ用の共用曲だ」
なるほど。原作でもソロ曲持ってないキャラは多かったしな。
「次のライブで奏と加蓮が歌うように2曲ですか」
「いや、二人ユニットで一緒に歌って貰う。もう1曲はアンコール用だな。ちゃんとしたライブなら、アンコールは必要になるだろうからな」
「なるほど。では大人数で歌えるのが良いですよね」
「うむ。お願いできるか? 一応他にも発注しているのだが、みんながライブで歌えるように練習する期間を考えると、間に合わないだろう」
そうすると卯月さんのデビュー曲に共用曲とアンコール用で3曲か。
承知したと伝えると、常務さんは安心した表情を見せた。
「あぁそれと、純君が望むなら2曲歌っても良いぞ。誰かと一緒に歌いたいなら、それでも構わないが……まぁ良いか」
言いかけて止めたのはピエールとカトリーヌですね。まぁあれは楓さんとのお遊び曲だし、もうやらなくても良いよね。
「後はアイドル諸君にはあまり関係ない事だが、第2回オーディションの募集が始まる。だが、Jun目当ての応募で溢れる事が予想されるので、1次審査の選考は厳しくするように」
「ミニライブや出演したTVを見たら、純君がアイドルのみんなと親しくしているのが分かりますからね」
ちひろさんがげんなりした風に見えるが、郵便物等の事務整理はちひろさんの仕事だから仕方ないか。
打ち上げまでは時間が有るという事で、4月の時と同じように曲を披露する事にした。
まずは卯月さんのデビュー曲にと考えていた、キャンディーズの『やさしい悪魔』だ。
曲を聴いた愛梨さんが「この悪魔は純君ですよね~。みんなの事を虜にしちゃってますし」なんて言ってきた。
「ふわわっ、純君ですか? 純君だと想って歌っちゃって良いんですか⁉」
歌う人が何を想像して歌おうが勝手だと思うよ。自分が歌いやすいようにすれば良いと思う。
次は共用曲。加蓮と奏の専用曲というなら良いのがあるんだけど、共用曲だしなぁ。
うーん、夏のライブだし『HOT LIMIT』でどうだろうか。原作で卯月さんがカバーして歌っていたから、そこを『アイドル』に変えて作っておいたんだよね。
……それにしても、歌詞に個人名を入れるの勘弁してほしいよね。
サマーソングという事を伝えてから曲を流すと、今度は楓さんが「また、こんな曲を作ったんですか。もしかして、自分で歌って誰かを誑かそうとしているんじゃありませんよね?」と言ってきた。
深読みし過ぎです。そんな意図は全然ないですから、その目の笑ってない笑顔は止めてください。
最後はアンコール用の曲か。
そうだなぁ『YAH YAH YAH』とか『ultra soul』とか? 自分が叫びたいだけだったりもするけど……ウルトラソウッ!
もしくは『想い出がいっぱい』とか。歌詞にシンデレラってあるし。でも、これはアンコール用じゃない方が良いかもしれないな。
後は『いい湯だな』とか。あぁ元々のご当地ソングでなく、ドリフのビバノン・ロックの方な。ビバノン音頭のように、歯磨けよとか台詞を追加するのも有りだよな。
とりあえず4曲聞かせて、常務さんやプロデューサーさんたちに決めて貰おうか。
結果反応は様々だった。人によって好みがあるから仕方ないけどね。
いい湯だなを聞いた叔母さんは「もっと色んな温泉に行けば、曲に登場する温泉が増えるかしら?」とか言っていたが、無理だから。どんだけ長い曲にするつもりだよ!
夜には打ち上げの焼肉だ。3回目だし、もう恒例と言っても良いよね。
今回も大人席から離れた場所に座らせられたが、昼間にやっちゃったから常務さんも絡んだりして来ないだろう。
そしてトイレに行ったところで、とあるお姉さまに捕まってしまった。
「あらぁ、こんなところに~、男の子が一人で居るなんてぇ、危険よぉ?」
「心配してくれてありがとうございます。でも、知り合いの人たちと来ているので大丈夫ですよ」
呂律の怪しいあなたの方が心配です。大丈夫、きちんと帰れますか?
まぁ女性が道端で寝てしまっても、被害は財布くらいなものだろうけど。
「しっかりしているのねぇ……偉いっ! ん~、そんな君には、悲しいおねぇさんたちに酌をする権利ぉあげましょ~ぅ!」
呂律が怪しい時点で分かってはいたが、完全に酔っ払いだ。
酔った勢いでナンパまがいの事をするなんてねぇ……。普通なら無視するんだけど、この人どう見ても川島瑞樹さんだもん、放置できないよなぁ。
叔母さんと楓さんにメッセージを投げて、瑞樹さんの席へと移動すると――
「瑞樹さん、遅いれすよぉ。私一人で……あら、可愛い男の子ですねぇ。お持ち帰りしたいなぁ……でも、私なんかじゃダメですよねぇ……」
酔っ払いがもう一人居た。
いや、この人も見おぼえがあるんですけど!
「美優ちゃんゴメンねぇ、可愛い男の子に思わず声を掛けちゃったのよぉ」
「通報されて、お仕事無くなっちゃいますねぇ。……私みたいに」
空いていた椅子に座って二人の話を聞いていたら、二人は自棄酒をしていた所で出会って、意気投合して今に至るという事らしい。
「はぁ、会社が倒産なんて、来月からどうやって生きて行けばいいのよぅ」
美優さんがビールを飲みながら嘆く。
会社が倒産してしまったのか。たしか美優さんって楓さんの1つ上だったよな? 入社1年ちょいじゃ貯蓄も大して無いだろうしなぁ。
失業保険で節約生活をしながら、次の仕事を探すしか無いんじゃない?
「あの御局のせいで、来月からレギュラー番組ゼロ! 今だって早朝番組のせいでぇ、3時に出社とかなのにぃ」
瑞樹さんは今の早朝ニュース番組から降板させられて、来月からはレギュラーが無くなるから自棄になっていると。
この世界だと寿退職なんて無いだろうし、編成とアナウンサーの両方にお局様が居そうだ。
「はぁ……退職してフリーになろうかしら? でも、フリーのアナウンサーでどこまでやっていけるかしらね……」
「フリーになってお仕事来なかったら、無職仲間ですねぇ」
いやいや、美優さんそこは笑うところじゃないから!
酔っ払いだから仕方ないけど。
「あらっ、もしかして川島瑞樹さんじゃない?」
メッセージに気付いた叔母さんと楓さんが探しに来た。そして一緒に居る女性が瑞樹さんだと気づいたみたいだ。
「あ~、楓ちゃん! 久し振りねぇ」
「ふふっ、お久しぶりです。瑞樹さん」
二人は楓さんのモデル時代に仕事で会った事が有るらしい。
人気が出始めた頃に、新人アナウンサーだった瑞樹さんがインタビューに行ったんだとか。
没になって放映されなかったみたいだけど、その映像見てみたいな。
楓さんが瑞樹さんと話し始めてしまったので、叔母さんは蚊帳の外になった美優さんに話しかけてしまった。
「そう、大変だったのね。良かったらうちの会社に来ない? 事務仕事はこれから増えるだろし、人手が増えるにこした事は無いもの」
「本当れすか⁉ 嬉しいれすょぅ、マンションを追い出されずに済みますぅ」
話を聞いた叔母さんが美優さんに提案すると、美優さんは泣き出してしまった。マジ泣きである。どれだけ不安だったんだ……
あれ……でもそうすると、美優さんが事務職になってアイドルにはならない??
「わかった、私もアイドルになるわっ! 辞表を出してオーディションに応募すればいいのよねっ!」
こっちはこっちで、酔った勢いだけで決めているだろ。大声は他の客の迷惑になるから止めなさい。
万が一オーディションに落ちたらどうするんだよ。
「あら、瑞樹さんはアナウンサーからアイドルになるの?」
叔母さんが瑞樹さんの言葉を聞いて、不思議そうに首を傾げた。
なので、今の瑞樹さんの状況を聞いた範囲であるけど、叔母さんに伝えた。
「……そう。本気でアイドルになる気があるなら、何時でも訪ねて来なさい。あなたならオーディションを受けなくても、スカウト枠で採用してあげられるわ」
「よろしくお願いします」
叔母さんがそう言うと、瑞樹さんは嬉しそうに答えた。……けど、いまの酔っている状態で覚えているのかね?
「ふぇ、もしかして私も、アイドルになっちゃうんですかあぁ……?」
さっき叔母さんは事務仕事って言ったよね? これだから酔っ払いは……
「おっと……」
美優さんの体が前に倒れたので、思わず腕を出して受け止めてしまった。
胸が柔らかいです。……じゃなくて、頭をテーブルにぶつけなくて良かった。
「あらあら、潰れちゃったみたいですね。瑞樹さんも限界のようですし」
楓さんの言葉に瑞樹さんを見たら、体がふらつき始めている。うん、これはもう駄目な奴ですね。
タクシーで送ろうにも家の場所知らないからな、どうしたものか。
「私の部屋で寝かせましょうか、近いですしね」
「楓ちゃん、良いの?」
「瑞樹さんは知らない仲ではありませんし、そちらの美優さんでしたか? その方も純君が気に入ったみたいですし、悪い人ではないでしょうから」
酔っ払い二人を楓さんの部屋で寝かせる事になったので、叔母さんがみんなの所に先に帰る事を伝えに行き、自分と楓さんのバッグを持ってきた。
この席の支払いを代わりに行い、瑞樹さんを楓さんが支え、美優さんを叔母さんが背負って楓さんの部屋に向かう。
俺は4人の鞄を肩に下げて一緒に歩いている。
初めは俺が美優さんをおぶろうとしたのだけど、人目のある通りを歩いて行くので、中学生男子に背負わせていると警察に通報されかねないからと、叔母さんが背負う事になったんだ。
楓さんの部屋に着いてダブルベッドに美優さんと瑞樹さんを寝かせると、叔母さんは焼肉屋に戻っていった。
二人が寝ているから泊まるのは遠慮して、2次会に参加するらしい。その後はたぶん会社の仮眠室で寝るのだろうな。
楓さんは普通のネグリジェに着替えてくると、寝ている二人の服を脱がしてハンガーに掛けていった。そのままだと皺になっちゃうからね。
俺も脱がすのを手伝ったよ。楓さん一人じゃ脱がすの大変そうだったし、この位の役得はね。
服を脱がし終わったと思ったら、楓さんは下着まで脱がし始めた。何してんのぉ⁉
「純君、見ても良いですけど悪戯してはダメですよ」
見ていたのは二人の裸ではなく、楓さんの行動だからね?
下着を脱がしてどうするのかと楓さんを見ていたら「二人の下着が気になりますか? でも、ダメですよ。欲しいのなら私の脱ぎたてのを上げますから、それで我慢してくださいね」と言ってきた。
違う、そうじゃない! いや、まぁ、興味ないと言えば嘘になるけどさ。
楓さんは二人の下着をネットに入れて洗濯機に放り込んだ。
なるほど、乾燥機もあるし起きたら奇麗な下着を着けれるんだな。
楓さんが一緒のベッドで寝るか聞いて来たが、楓さんのベッドは普通にシングルだからなぁ。
結局、二人を寝かしているダブルベッドにお邪魔して寝る事になった。
元々このダブルベッドは俺用にと楓さんが準備してくれた物だからな。だからお邪魔しているのは二人の方とも言えるだろう。
二人の下着を洗濯している間に、俺たちは一緒にシャワーを浴びる事にした。
そのシャワーの時に寝ている二人に手を出さないようにと、2回も搾り取られてしまった。
ナツメ球が薄暗く光る中、美女二人が眠るダブルベッドに侵入していく。
こう表現すると、これから淫らな事が起きる感じがするよね。
したいけど、悪戯はダメって言われているし、出会ったばかりで二人の気持ちもわからないからね。酔っている状態で一目惚れも無いだろうし。
じゃあ、裸を見たり隣で寝るのは良いのかって話になるが、この世界の女性だしあまり気にはしないだろう。
むしろ喜んでくれる可能性まであるしな。
一番開いているスペースは二人の間なので、そこに横になる。
タオルケットを横向けで二人にかかるようにしているけど、二人ともおっぱい大きいよね。胸の部分が盛り上がっているもんな。
寝ている間に抱き着くのは事故という事で、許してくれないだろうか?
次回『美人のお姉さまたちと……』サービス、サービスゥ!
捏造設定:お台場特別海水浴場
現実でのお台場海浜公園。この世界では水質改善に成功しており遊泳可能。
南側の浜辺がヌーディストビーチで『お台場特別海水浴場』、各種イベントで利用出来ない日も少なくない。
東側の浜辺が『お台場海水浴場』で、都内住民にとっては一番気軽に行ける海水浴場でもある。
マリンスポーツは潮風公園の方で行えるようになっている。