6月中旬の土曜昼下がり。346プロのとあるプロジェクトルームに仮契約のアイドルの卵、数人が集められていた。
そこにドアがノックされ新たに一人が追加される。
「おはようございまーす★ ここに来るように連絡きたんだけど……」
GW中にアイドル事業部と正式に契約交わし、歌とダンスの練習をしながら早くもギャル系ファッションブランドのポスターの仕事でデビュー済みの城ヶ崎美嘉だ。
「まだうちらだけだよー」
部屋に入りキョロキョロ見ている美嘉に声をかけたのはソファーに横になっている塩見周子。
「そっか、ありがとっ★」
お礼を言い、ソファーの空いてる場所に腰を下ろす。
「美嘉ちゃんはフレちゃんたちと違って仕事してるし、何で呼ばれたか知ってるー?」
ソファーから少し離れた位置にある二人用テーブルセットに座っている宮本フレデリカが美嘉に聞くも、美嘉もこの部屋に来るように連絡があっただけど答える。
「そっかー。志希ちゃんもそろそろ限界っぽいんだよねー」
視線を向けた先では一ノ瀬志希が壁際をうろうろしているが、三人と初対面の美嘉には何のことか解らず、頭の中で?が回っている。
ドアに近づき離れを繰り返している志希を眺めていると、いきなりドアが開いた。
丁度ドアの近くにいたタイミングだったため、ビクッと飛び離れたのが美嘉には可笑しかった。
扉を開けた本人もその事に気づいたのだろう、右手を口に当てて驚いていた。
「ごめんなさい、近くに人がいるとは思わなくて」
謝りながらもクスクス笑いながら部屋の中に入って来たのは速水奏。部屋の中の四人からすればアイドルの先輩にあたる。
……が、そんなことはあまりに気にしていないのか美嘉を除く三人からは気軽な挨拶が奏にされる。
そんな三人に驚きながらも、同い年でも初対面で先輩アイドルに対しそんな態度は取れないと、美嘉は真面目に挨拶をする。
「城ヶ崎美嘉です。5月からお世話になっています」
「そんなに固くなくても良いわ」
そう微笑み答えながら、顔と体に視線を回し「なるほど、今までにいなかったタイプね」と呟いた。
「それで、あなたたちの名前も教えて貰える?」
その奏の言葉にそれぞれの名前を教えあった。
そうしているとドアがノックされ、大人の女性二人と少年が一人部屋に入ってくる。
その中の少年が女性二人より前に出ると、五人の少女に向かって口を開いた。
「これからあなたたちには殺し合いをしてもらいます!」
部屋を沈黙が支配する。少年の後ろにいる女性二人は呆れたように首を振っているが……。
その中で口を開いたのは奏だった。
「……そう。ご褒美はあるのよね?」
少年は少し考えた後「ベッドの中で?」と答えると、奏は眼を見開き美嘉に顔を向けた。
「美嘉、貴女とは親友になれたかもしれない。……けれど、ご褒美のために死んでもらうわ」
「えっ??」
先程の少年の言葉に頭の中がピンク色になっていた美嘉は驚きの声を上げる。
「丁度ここに良い飲み物があるんだけど、フレちゃん飲む~?」
一方で怪しい色をした液体が入った試験管を、白衣のポケットから取り出してフレデリカに押し付ける志希。
「わぁお、フレちゃん白雪姫になっちゃうね♪」
試験管を受け取り、飲むふりをしてテーブルに伏せるフレデリカ。
「そんな事より、しゅーこちゃんお腹すいたん」
周りを気にする事も無くソファーに寝そべったままの周子。
自由かっ!! 美嘉は心の中で叫んだ。
パンッという音が鳴り、その音の方に顔を向けると、頭を押さえ蹲っている少年とバインダーを縦に持って腕を伸ばしている女性が居た。
その女性が溜息をついた後に口を開く。
「純君のおふざけはここまでして、集まって貰った理由を話すからソファーに集まって頂戴」
「……つまり、この五人でユニットを組むということね」
女性の内、年上の方。アイドル事業部の部長、笹埼百合枝が五人に向けて説明を行っている。
昨年誰かさんのせいで予想以上にアイドルが増えたため、昨年度のオーデション組はデビューが確約されていない。訓練生での契約でレッスンに取り組む姿勢や熟練度を加味して、デビューさせるかが決定されることになっていた。
ちなみに地方の小中学生は提携している養成所などで、レッスンに励んでいる。
その訓練生の中で一ノ瀬志希、宮本フレデリカ、塩見周子の三人が先陣を切ってのデビューとなる。
とは言え、ソロデビューではなくデビュー済みの奏と美嘉とのユニットとなる。これはこの三人に限ったことではなく、業界未経験者にはまずはユニットを組み仕事に慣れてからソロデビューさせる方針となったからだ。
その説明がされている中、純は「ここでLiPPSかぁ……先にブルーナポレオンかと」なんてことを思っていたりする。
「早速だけれど、7月末にイベントの仕事。そしてユニットで夏フェスに出場が決まっています。その為に2曲、1ヶ月で覚えるように。貴女たちなら出来るとトレーナーたちからも太鼓判を押されています、期待してますよ」
ここまで説明をすると、ユニットの担当となる森野さんに引き継ぎ部屋を退出していった。
森野さんがイベントの話を終えると、披露する曲の話となる。
作成済みの曲の中からという話は前から聞いていたけど、この五人ならTulipだよな……。ソロの原作曲とかはこの世界の作曲家さんたちから出てきているけど、念の為にと作っててよかった原作曲。
あとは5人で歌う曲といったら……Δか? 桃黒は5人時代の曲ってあまり覚えてないしな。じゃあ、フェスでも歌うならチェンジ!!!!!で良いか。
夏フェス、水着衣装、跳ねるダンス、揺れる胸!! これは5人の専用カメラ無編集版を貰えるようお願いしなくてはいけないな!
桃黒は誤字じゃなく、純の中での略称です。
桃黒でググると黒子のバスケのカップリングだらけですねw
チェンジ!!!!!の!数、間違ってないよね?
コピペしたからダイジョブなはず