美少女にTSした僕と狐耳ロリババアのおしかけいちゃラブ生活 作:テモ氏
朝起きたら女の子になってたんですが 1
――朝起きたら、僕は女の子になっていた。
自分でも何を言っているかわからないが、事実を言葉にするならこれ以外にはない。
まず最初に感じた違和感は、股間である。朝勃ちしていないのだ。
まだそこまで年ではないだろうとか、寝ている間にトイレに行ったのかもとか思いつつベッドから起き上がると、なんだか視界が低くなっているのに気づく。これが第二の違和感だ。
寝ぼけているせいだと思っていつものようにトイレに行こうとすると、やけに下半身がスースーしている。
また寝ている間にパンツを脱いだのかと思って見てみれば、そこには――あるべきものが存在していなかった。
おちんちんだ。
「……え」
昨日、寝る前にオナニーするときまでは確実に存在していた僕の男性器が、影も形もなくなっていたのである。
何もない。
毛すら生えていない。
しかもなぜか肌まで綺麗になっているじゃないか。真っ白でつるつる、すべらかでつやつやしている。
「……は? え? 夢?」
とっさに呟いた声もおかしい。寝起き声とかそういうレベルではない。
なんだか甲高いし、ぱっと聴きちょっとかわいいような気さえした。まてよ、自分の声だぞ。そんなわけあるか。
僕は血の気が引くのを感じながら、おぼつかない足取りで洗面所に向かう。
脳裏に浮かぶのは、一つの絶対にありえない可能性だ。
いや、まさか。そんなはずは。
「うそ、だろ……」
――果たして、その予感は的中した。
洗面台の前、鏡に写っているのはダボダボなシャツを被った美少女――
僕は、女の子になっていた。
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「えっ、えっ? これ、これマジ? どういうこと?」
僕は意味もなく周囲をきょろきょろと見回し、それから再び鏡に釘付けになる。
鏡の中の少女も、僕と同じように愕然とした表情でこちらを見つめていた。
彼女が着ている首元のよれた「恐山温泉」プリントのTシャツは、確実に僕の寝間着である。
だから鏡に写っているのは僕のはずなのだが、昨日までの外見とあまりにも違いすぎていて全然そんな感じがしない。っていうか、普通にめちゃめちゃかわいいんですけど。
身内ながら妹も相当かわいいんだけど、これなら同じくらいに……いや、ひょっとするとこっちのほうが少しかわいいといっていいのではないだろうか。
あの妹に姉がいたらこんな感じになるのだろうか? 昔から「兄妹で全然似てないねー」などと親戚一同に言われ続けている僕だったが、これなら釣り合いが取れるんじゃなかろうか。
変わり果てた顔の造形の中、かろうじて元ネタ要素――つまり僕の顔っぽい部分が残っているのは、どこか眠そうな目元くらいである。それ以外は全く似ても似つかない、年の頃はおそらく十代半ばぐらいの美少女。それがどうやら、僕の現在の外見らしい。
「現実だよな……それともリアルな夢? なにこれ……?」
混乱しつつ、僕はぼさぼさな髪を掻き上げる。
黒いセミロングは、触ってみると信じられないほど柔らかかった。
身長は150cm後半くらいだろうか。しなやかな手足の、スレンダーな体型をしている。
胸はさほど大きくないが、まったくないというわけでもなさそうだ。しかし柔らかそうな曲線は、きっと手ですっぽりと覆い隠せてしまうだろう。
しばらくそんなことを考えてから、布を隔てた丘陵を凝視していることに気づいて、僕は慌てて視線を外す。
「いや、待てよ……?」
童貞丸出しのムーブをした直後、僕は気づいた。自分のおっぱいなんだから、別に見ててもいいんじゃないか……? っていうか触ってもいいのでは……?
「……あ!」
ここであることに気づいて、僕は思わず声を上げた。
当たり前だが、僕はブラジャーをしていない――すなわち、この美少女もまた、現在ノーブラである。
加えて、下には何も履いていない。先程気付いたように、ズボンも下着も寝ている間に脱げてしまったようなのだ。
つまり、このシャツを脱いでしまえば――僕は全裸である。
そう。
生まれて初めて、生で女の子の裸が拝める。
僕は鼻息も荒くシャツの裾に手をかけたが、そこではたと躊躇した。
自分自身とは言え、女の子の裸身をそう簡単に見てしまっていいのだろうか? 今まで一切見たことのなかった、本物の女の子の裸を?
やはりここは了解を取るべきではないか。いやまて、誰に了解を取るんだ。この女の子は他でもない自分自身じゃないか。
常識を大きく外れた出来事を前に、僕は通常の思考ができなくなっていた。
そもそもまだ心の何処かで、この美少女が僕であるということを認めきれていないのだ。
いわゆる、別人が鏡合わせに動く系のドッキリなんじゃないかとすら思っている。っていうかむしろ、そっちのほうがまだ納得できた。
だが、視線を下ろして身体を見てもやっぱり少女のそれである。
手一つとっても、指は細いし爪もきれいだし、作りが男のそれより大分精密に思えた。なんというか、もとの体の造形は結構雑だったんだなとすら思える。流れでついつい鏡の前でポーズなど取ったりして、ひとしきり曲線の妙を楽しんでしまった。
「……はっ! いやいや、見とれてる場合じゃないだろ……」
10分か、もしかしたら20分くらいしたところで我に返った僕は、とりあえず部屋に戻ることにした。