※この作品はR-18です。

Fate/Urban Crisis   作:ソクリ

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続編予告です、1カ月くらいの充電期間を置いて連載始めたいと思います!


そして、星屑の復讐僤へ

祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

 

娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。

 

おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。

 

たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

 時は源平の血で血を争う内乱の世、戦が終わり、新たなる武家の政権が生まれる前夜、とある者たちが落ちのびるようにして、島国から大陸へと抜け出した。

 

「閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ。

繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

 彼の一族の名は―――『七星』、平家に味方した者も源氏に味方した者も、追われるものは諸行無常の嘆きを帯びて、勝者となった一族の者たちとの決別を果たした。

 

「――――告げる」

 

 すべては七星の血を後世へと残すために。遥か古代より連綿と受け継がれてきた血の記憶を途絶えさせぬために、彼らは宛もない大陸への旅路へと羽ばたいた。

 

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

 そして、辿り着いた中華の地、そこで彼らは―――運命と出会った。暗殺一族にして武芸者である自分たちを必要とし、数多の戦乱へと誘う者との出会いである。

 

「誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

 

 後に―――大モンゴル帝国の躍進と言われるかの『侵略王』に見出された暗殺一族は、彼の軍団と共に大陸中を駆け巡り、それぞれの地へと散って行った。

 無論、その結末は歴史に刻まれたとおりに。人が寿命に抗う事が出来ぬように、かの侵略王も総てを駆け抜ける前にその生涯を終えた。

 

「――汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

 しかし、彼らは諦めなかった。血で血を繋いでいく妄執の一族は、自分たちを救い、在り方を与えてくれた王に誓う。

 必ずや世界を、どれ程の時間が経過しようとも、我らは必ずこの大遠征を完遂させて見せると。

 

故に―――その妄執ともいうべき願いに奇跡が応える。たった一度の機会を与えてやろうと。再起の機会がここに舞い降りる。

 

「問おう―――貴様が、余を呼び寄せたマスターか」

 

「否―――私はマスターに非ず、偉大なるハーンよ。私は貴方の従者、幾星霜の時が過ぎ、盛者必衰の理が世を変えたとしても、なおも変わらず、我が忠心はただ1人の為に。

 我が名は―――星灰狼、我が主よ、我らは約束を果たしに来たのです」

 

 その召喚が行われた時から、総ての運命が回り始める。

 

 其は―――かつての誓いの物語

 

 其は―――奪われた者の復讐の物語

 

 其は―――絶対神との決着の物語

 

 秋津市にて行われた6度目の聖杯戦争より10年、東欧の小国セプテムにて新たなる聖杯の反応が感知された。

 

 召喚された英霊の数は14騎、秋津の聖杯戦争のゆうに2倍を占めるであろうその規模に反して、魔術協会、聖堂教会、そして始まりの御三家と呼ばれる者たちは一様に異様な空気を覚えた。

 

 想定されるはかの絶対善たる神、聖杯に深く結びついたかの神の手引きあればこそこの異常事態は受け入れざるを得ず、この戦いがただの聖杯戦争で終わることはないと想定された。

 

 その理由等言うに及ばず―――聖杯は参加者たるマスターを選んだ。

 

マスターの枠は14、されど、その半数を占めるは、セプテムに集いし七星の血族たち

 

「俺達ステッラは勝ち馬に乗る。星の悲願が果たされるか、リゼお嬢の願いが勝るのか、どちらでもいいのさ。忠義も大義もない、所詮、金に餓えたただのハイエナなのさ」

 序列第六位:イタリアンマフィア『ステッラ家』首領 ヴィンセント・N・ステッラ

 

「七星の血の宿命に国も命も捧げるのなら、私達はどうして明日を夢見るの。セプテムは私たちの国、この国を変え、この血の宿命を乗り越える。目指すべきはそこじゃないの?」

 序列第四位:セプテム国第一皇女 リーゼリット・N・エトワール

 

「七星である以上、俺は殺しの運命から逃れられない。けれど、リゼが俺の殺しに意味をくれた。だから、リゼの願いを叶えることが俺の夢だ」

 序列第五位:セプテム国第一皇女付護衛騎士 ヨハン・N・シュテルン

 

「七星は血と共に生きる一族、どれだけ足掻いたところでその運命からは逃れられない。桜子さん、貴女の幸福は私が否定してあげます」

 序列第三位:七星宗家次期当主 七星散華

 

「人の身では七星の血と記憶の強度に耐えられぬ。ならばこそ、人体の限界を越えなければならぬ。七星に相応しき肉体を生み出す、それが己の命題故に」

 序列第二位:アトラス院所属錬金術師 カシム・ナジェム

 

「もう一度、何もなかったあの頃のように、平和で笑いあえるような世界になればいいのにね、レイジ……」

 序列第七位:人造七星被験体 ターニャ・ズヴィズダー

 

「世界とは、我らがハーンによって東洋と西洋が繋がった時に初めて生まれた。それより千年、我らは待ち続けてきた。今こそ、我らが王に聖杯を捧げる時だ」

 序列第一位:中華七星宗家当主 星灰狼

 

 七星の血を持ち、それぞれが絶大な力を持つサーヴァントを従える彼らを相手に、対峙する陣営は壊滅へと追い込まれていく。

 

 すべては茶番―――元より、これは七星の悲願を果たすための聖杯戦争、お前たちは所詮、当て馬でしかないのだと宣告されるように。

 

「否―――そんな勝利は認めない、お前たちは須らく殺し尽くす」

 

 されど、そんな予定調和を燃やし尽くすように、星屑の復讐僤が幕を開ける。

 

 七星によって総てを奪われ、復讐を誓った少年を核として、かくしてここに七つの星に対抗する者たちが集う。

 

「お前たちは俺から総てを奪った。だから今度は俺がお前たちから総てを奪い尽くしてやる、お前たちが屑星と断じたこの力で!!」

 『星屑の復讐者』:レイジ・オブ・ダスト

 

「お前と同じだアーチャー。俺もまた恥知らずにも生き残り続けてきた。だから……俺は死に場所を求めているのかもしれないな」

 『死神に愛された傭兵』:エドワード・ハミルトン

 

「ラインの黄金、それがバーサーカーと私を引き合わせてくれたんだろうね。お互いに報われないね、苦労するよ」

 『聖堂教会所属退魔シスター』ルシア・メルクーア

 

「我が身は人魔一体、この身は人であり同時にライダーのサーヴァントであれば、楽に砕けると思うなよ、勝つのは俺だ!!」

 『人魔一体』アーク・ザ・フルドライヴ

 

「馬鹿にしとんのか、このクソガキが! うちを誰だと思っとる!!天才陰陽師やぞ!」

 『京都大陰陽連筆頭家次期当主』八代朔姫

 

「背中を預ける相手でこれほど頼もしい相手はいない。桜子、遅れるなよ」

 『元エーデルフェルト家当主』ロイ・エーデルフェルト

 

「七星の宿命も、私自身の運命も捻じ伏せる。私の帰りを待っている人がいるから」

 『七星流剣術継承者』遠坂桜子

 

 そして集ったそれぞれの七は、数多の理由を以て激突していく。総ては万能の願望機にかける願いの為に。

 

 それでも、復讐は決して誰かを救うことはない。生み出すのは憎しみの連鎖、奪った者が奪い返せば、新たな奪われた者が生まれるだけのこと。

 

「復讐は何も生まない。だったら、俺は総てを忘れて生きて行けと。この屈辱も虚無も全てを忘れて、明日を夢見ろと? そんな夢物語が許されるか」

 

「私達は生まれながらに、誰かの命を奪う宿業を与えられた。生きていてはいけない存在だと言われた。なら、私達は幸せになってはいけないの? その血の宿命を乗り越えようとすることすら許されないの?」

 

「いいや、違う。復讐は何も生まないなんて嘘だ。その地獄の先にも花は咲くということをこの世界に叩き付けてやらなきゃいけないんだ」

 

 これは復讐に取りつかれた一人の少年の物語。

 

 これは宿命に抗おうとした一人の皇女の物語。

 

 愛を越え、憎しみを越え、そして――運命へと至る物語。

 

 その果てに、どうか願う――――地獄の先に、花束を。

 

 星屑のように誰かの願いを背負い生きて行くことができるように。

 

Fate/Stardust Vendetta――今夏連載開始

 




ちょっとインフレヤバそうでない?

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