斎賀玲は見目麗しい。
それは陽務楽郎も十二分に承知している。
彼女の姉の斎賀百、百の親友天音永遠と恋仲なのは、何の因果だろうか。
その上、彼女は自分に懸想しているらしいということも知らされて。
挙げ句の果てには、玲に対してならどれだけ酷いことをしてもいい、孕ませても許す、何なら首輪を着けて飼っちゃおう!と寝物語に美女二人に唆され続けて。
いかな鋼のメンタルを持っていても、そこまでされれば見る目と言うものも変わっていくもので。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(楽郎君、私のことをじっと見て………♪)
城とも形容した、斎賀家の一室。
和室の布団の中で、斎賀玲は裸体を曝け出していた。
ほぼ日課になりつつある、現実での楽郎との会話の反芻。
反芻を終えてから、悦に入るまでがワンセットなのは何とも言えないが。
最近は、楽郎の視線に邪なものや、粘度の高さを感じ取りつつあった。
それは、身体目当てで告白してきた有象無象と同じ視線。
姉ほどではないにしろ育った胸や尻に向けられた、性欲と情欲に満ちた眼差し。
他の男たちからのソレは嫌悪しているが、楽郎からのは違う。
(姉さんが言ってました……妻は姉さんか永遠さんがなるって…代わりに、残されたほうは妾になる……お前もどうだって……)
姉が変わったのは、はっきりと知覚できた。
仕事とシャンフロに全てを注いた結果、ダイヤの原石を石ころ程度のものに貶めていた姉が、明確に女になったのも分かった。
相手が自分の想い人で、姉の親友も巻き込んでの二人がかりで籠絡したと聞いたときはどうしてくれようかと思ったが。
皮を剥いた人参が水分をまとい、玲の尻穴に押し当てられる。
アブノーマルかも知れないが、人参に処女を捧げるなど恐ろしくて考えたくもない。
幾度も人参でのアナルオナニーに浸っていた玲は、慣れたようにソレを押し込み、引き抜き、また押し込む。
空いた片手で乳房を慰めつつ、傍らに置きっぱなしの楽郎の写真を見れば、興奮も高まろうというものだ。
(見てほしい、です……はしたない女だって……楽郎君にオナニーしているところを……お尻で気持ちよくなる女だって知られて……軽蔑されて……嬲られて……御仕置されて……♪)
姉が冗談半分で言った、首輪とリードを着けられて楽郎のペットになる案でさえ、玲にとっては甘美な結末になり得るのだ。
躾けられて、可愛がられる。
それだけで彼女は幸せ極まりないのだ。
万が一にでも彼に孕まされでもすれば、それだけで人生全ての不幸をチャラにできる自信もある。
口の端から涎が伝い。
布団を噛み締めながら、嬌声を押し殺して。
武道を嗜んでいる玲でさえ、自慰の一度で身体が弛緩しきり。
本番となれば、こんなものじゃあ済まないのだろう。
そして、力無く倒れ伏す自分を、彼は便利な性処理用の道具のように扱うに違いない。
(そんなの………♪)
恋慕が高じてマゾヒズムにまで昇華されていた女は、被虐的な未来を夢想して、幸せな夢を見るべく意識を深く沈めていった。
───なお、オナニーに使われた野菜は、毎度丁寧に水洗いし、玲が責任を持って食している。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
斎賀玲は見目麗しい。
それは陽務楽郎も十二分に承知している。
だが、最近彼女からの視線がどうにもおかしい。
そう、あれは、例えば───
(まさか、玲さんが……なぁ……)
ディープスローターからの視線に似たものを感じるようになったなどと、言えるはずもなく。
悶々とした感情を抱えながら、その夜にデートする予定だった天音永遠に搾られることになるのだった。
ヒロインちゃんは………うん